JP4118721B2 - ポリケトン繊維の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリケトン繊維の製造方法に関する。更に詳しくは、該ポリケトン溶液から製造されたポリケトン繊維を高ひずみ速度かつ高倍率で熱延伸する際に、熱延伸時に毛羽等の欠陥発生が少なく、安定的に高強度・高弾性率を発現するポリケトン繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、一酸化炭素とエチレン、プロピレンのようなオレフィンとをパラジウムやニッケルなどといった遷移金属錯体を触媒として用いて重合させることにより、一酸化炭素と該オレフィンが実質完全に交互共重合したポリケトンが得られることが非特許文献1に開示されている。これまでにこのポリケトンを産業資材用繊維として応用する検討が多くの研究者によってなされ、特許文献1、特許文献2、特許文献3等には、湿式紡糸により8.82cN/dtex以上の強度、174.6cN/dtex以上の弾性率を有するポリケトン繊維が得られることが開示されている。これらの方法により得られるポリケトン繊維は高強度、高弾性率、耐熱性、高温での寸法安定性、接着性、耐クリープ特性を有し、この特性を生かしてタイヤコード、ベルト等の補強繊維、コンクリート補強用繊維といった複合材料への応用が検討されている。
【0003】
特にエチレンと一酸化炭素からなるポリケトン(以下、ECOと略記する)は結晶性や融点が高いために、高強度・高弾性率の繊維が最も得やすく、高温下での物性変化や収縮率が小さい等の熱安定性にも最も優れていると考えられている。このECOから繊維を製造する方法としては、通常の溶融紡糸が困難であるために、前記特許文献1、特許文献2、特許文献3等には、ヘキサフルオロイソプロパノール、m−クレゾール等の有機溶媒を用いる湿式紡糸方法が開示され、更に特許文献4、特許文献5等には亜鉛塩、カルシウム塩、鉄塩等の水溶液等の溶媒にポリケトンを溶解してから該ポリケトン溶液を紡糸口金より押出し、続いて該溶媒を除去して繊維状に固化させる湿式あるいは乾式紡糸方法が開示されている。これらの紡糸方法で得られた繊維の物性については、特許文献6には温度条件を異ならせた多段熱延伸法を用いることにより、13.4cN/dtex以上の強度、270cN/dtex以上の弾性率を有するポリケトン繊維が得られることが開示されている。
【0004】
本発明者らも上記の特性に着目して主に産業資材用途向けの高強度・高弾性率ポリケトン繊維の研究を進めているが、その過程で公知のポリケトン溶液から製造されるポリケトン繊維の製造方法には重大な問題があることを見出した。
その問題とは、繊維を製造する段階、特に熱延伸を行うときにポリケトンの分子量、すなわち極限粘度(以下、[η]ということがある。)が大きく低下する点である。[η]の低下は、温度や倍率、時間等の延伸条件によっても異なるが、公知のポリケトン溶液を用いる限りでは熱延伸工程で繊維の[η]は原料ポリケトンの[η]の数分の1まで減少してしまう。特にこのような[η]の減少は熱延伸時の温度、倍率、時間が大きいほど顕著である。例えば、特許文献2では、固有粘度(極限粘度[η]に同じ)が5.1dl/gのECOをフェノールとアセトンの混合溶媒に溶解させた後、湿式紡糸を行い、強度2.1GPa(約16.8cN/dtexに相当)、弾性率55.0GPa(約439cN/dtexに相当)なる繊維を得ている。
【0005】
しかしながら得られた繊維は高い強度と弾性率を有しているものの、その[η]を測定すると2.5dl/gに達していない。このように[η]の低下したポリケトン繊維は一般的に脆く、小さな応力が加えられただけでも毛羽や糸切れ等の欠陥を発生してしまう。これらの毛羽等の欠陥がポリケトン繊維中に存在している場合、この欠陥が破断点となりやすく、耐久性、耐疲労性が要求される産業資材用途にこれらのポリケトン繊維を用いることができなくなる上に、ポリケトン繊維そのものの強度、弾性率が安定して発現し難くなり、実用上均一な物性のポリケトン繊維が得られないという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平2−112413号公報
【特許文献2】
特開平4−228613号公報
【特許文献3】
特表平4−505344号公報
【特許文献4】
国際公開99/18143号パンフレット
【特許文献5】
国際公開00/09611号パンフレット
【特許文献6】
特開2001−164422号公報
【非特許文献1】
「工業材料」、12月号、第5ページ、1997年
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは毛羽等の欠陥が少なく、耐久性、耐疲労性が優れたポリケトン繊維の製造方法を鋭意検討した結果、公知のポリケトン溶液を用いたポリケトン繊維の製造方法ではポリケトンの熱延伸過程において[η]が大幅に低下し、熱延伸時に毛羽等の欠陥が発生しやすく、耐久性、耐疲労性に劣る繊維しかえられないことを見出した。さらに、ポリケトン繊維の生産性を高めるためにには加熱ゾーンの短い延伸装置を用いるが、その場合、高速延伸を行った場合、すなわち、延伸時に次式(2)で規定されるひずみ速度を高くして熱延伸した場合に、公知のポリケトン溶液を用いたポリケトン繊維の製造方法では毛羽、糸切れ等の欠陥を多発してしまうことも判明した。
ひずみ速度=(1−1/k)・v/L ・・・(2)
(式中、vは巻取り速度、kは延伸倍率、Lは加熱長である。)
【0008】
高ひずみ速度での熱延伸はポリケトン繊維を低コストで工業的に生産する上では最も重要な技術であるが、公知のポリケトン溶液を用いたポリケトン繊維の製造方法を用いる限りでは、高ひずみ速度で熱延伸を行った場合にはこれらの欠陥発生を避けることが困難であり、結果としてポリケトン繊維そのものの強度、弾性率が安定して発現し難くなり、得られたポリケトン繊維の引張強度、引張弾性率が大幅に低下する。例えば、特許文献2で開示された方法を用いてECOからポリケトン繊維を製造した場合、総延伸加熱長9.4m、最終巻取り速度20m/分で延伸倍率16.5倍の多段熱延伸を行った際には16.8cN/dtexの強度、439cN/dtexの弾性率を有するポリケトン繊維を得ることができるが、同一の延伸加熱長、延伸倍率で最終巻取り速度をのみを高くして同一の多段熱延伸をした場合、すなわちひずみ速度を高くして熱延伸した場合には、最終巻取り速度150m/分で14.1cN/dtexの強度、335.2cN/dtexの弾性率しか発現しない。このとき、最終巻取り速度20m/分の場合と最終巻取り速度150m/分の生産性を比較すると、巻取り速度が20m/分の遅い場合にはより高強度、高弾性率ポリケトン繊維を得ることができるものの単位時間あたりの生産量が約1/7と小さく、逆に巻取り速度150m/分で巻取り速度20m/分と同程度の強度、弾性率を得ようとすると、同一ひずみ速度を仮定すると、総延伸加熱長が約69mと非常に長大な熱延伸設備が必要となる。
【0009】
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、毛羽等の欠陥が非常に少なく、高強度、高弾性率を安定的に発現して産業資材用途に要求される耐久性、耐疲労性に優れたポリケトン繊維の製造方法を提供することである。より具体的には熱延伸時の[η]低下が抑制されて耐久性、耐疲労性に優れ、さらには高ひずみ速度で熱延伸した場合にも高強度、高弾性率を発現し耐久性、耐疲労性に優れた均一なポリケトン繊維の製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために、ポリケトン溶液およびポリケトン溶液の製造方法を詳細に検討した結果、驚くべきことに、溶解時に原料として使用するポリケトンの高分子量成分を選択的に除去して[η]を低下させることによって、熱延伸時の[η]低下が抑制され、さらには高ひずみ速度で熱延伸した場合に繊維中における欠陥が大幅に抑制されたポリケトン繊維を得ることができることを見出し、さらに検討を進めた結果、本発明になすに至った。
【0011】
すなわち本発明は、
(1)極限粘度が2.5〜20dl/gで、繰り返し単位の95モル%以上が下記式(1)で示されるポリケトンを溶媒に溶解させて得られるポリケトン溶液を紡糸口金から押出し、その後該溶媒を除去して乾燥させたポリケトン乾燥糸を熱延伸するポリケトン繊維の製造方法であって、溶解前のポリケトンの極限粘度[η]と、乾燥直後のポリケトン乾燥糸の極限粘度[η]1とが、K1=[η]1/[η]としたとき、K1=0.5〜0.9であることを特徴とするポリケトン繊維の製造方法、
【化2】
Figure 0004118721
(2)ポリケトンを溶媒に溶解する際に、100sec-1以上のせん断速度でポリケトンを溶解する工程を含むことを特徴とする上記(1)に記載のポリケトン繊維の製造方法、
(3)ポリケトンを溶解する溶媒が、亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩の中から選ばれた少なくとも1種の塩を含有する水溶液であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のポリケトン繊維の製造方法、
(4)熱延伸の延伸倍率が少なくとも12倍以上であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリケトン繊維の製造方法、である。
【0012】
本発明に使用するポリケトンは、繰り返し単位の95モル%以上が上記の式(1)で示されるポリケトンである。5モル%未満の範囲で上記の式(1)以外の繰り返し単位、例えば下記の式(3)に示したもの等を含有していても良い。
【化3】
Figure 0004118721
【0013】
ここで式(3)中のRは、エチレン以外の炭素原子数1〜30の有機基であり、例えばプロピレン、ブチレン、1−フェニルエチレン等が例示される。これら有機基の水素原子の一部または全部が、ハロゲン基、エステル基、アミド基、水酸基、エーテル基で置換されていてもよい。もちろん、Rは2種以上であってもよく、例えば、プロピレンと1−フェニルエチレンが混在していてもよい。高強度、高弾性率が達成可能で、高温での強度、弾性率の保持性が優れるという観点で繰り返し単位の97モル%以上が上記の式(1)で示されるポリケトンであることが好ましく、最も好ましくは100モル%である。
また、これらのポリケトンには必要に応じて、酸化防止剤、ラジカル抑制剤、他のポリマー、艶消し剤、紫外線吸収剤、難燃剤、金属石鹸等の添加剤を含有させてもよい。
【0014】
本発明における溶媒とは、20℃、1気圧で液体であってポリケトンを少なくとも0.1重量%以上溶解することができる液体を指す。このような溶媒としてはヘキサフルオロイソプロパノール、m−クレゾール、クロロフェノール、レゾルシン/水、フェノール/アセトン、プロピレンカーボネート/ヒドロキノン、ピロール、レゾルシン/プロピレンカーボネート、ピリジン、ギ酸等の有機溶媒、亜鉛塩、カルシウム塩、鉄塩等の水溶液が公知であり、これらを単独でそのまま用いてもよいし、複数を組み合わせた混合溶媒として用いてもよい。
【0015】
これらの中で本発明に用いるポリケトンを溶解する能力のある溶媒としては、低毒性、不燃、安価で、紡糸安定性、溶剤回収性に優れるという観点から亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩の中から選ばれた少なくとも1種の塩を含有する水溶液であることが好ましい。具体的に亜鉛塩としては、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、亜塩素酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛等があり、カルシウム塩としては、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、塩化カルシウム等があり、チオシアン酸塩としては、チオシアン酸亜鉛、チオシアン酸アルミニウム、チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸カルシウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸マグネシウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸バリウム等があり、鉄塩としては、臭化鉄、ヨウ化鉄、塩化鉄等が挙げられる。これらの塩のうち、ポリケトンの溶解性、溶媒のコスト、水溶液の安定性の点で塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛等のハロゲン化亜鉛、臭化カルシウムが好ましく、最も好ましくは塩化亜鉛である。また、溶解性の向上、コストダウンやポリケトン溶液の安定性を目的として、上記の塩を複数混合してもかまわない。また、上記の塩以外で水に溶解する金属塩を本発明の目的を阻害しない範囲で混合してもよい。
【0016】
さらに、ハロゲン化亜鉛を使用する場合、ハロゲン化アルカリ金属塩またはハロゲン化アルカリ土類金属塩を混合すると、溶解するときのポリマーの着色を低減させ、紡糸工程において凝固速度が大きくなり、紡糸速度を高められる点で好ましい。ハロゲン化アルカリ金属塩、ハロゲン化アルカリ土類金属塩として、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化リチウム、塩化バリウム、臭化ナトリウム、臭化カルシウム、臭化リチウム、臭化バリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化バリウム等が挙げられるが、特に塩化ナトリウム、塩化カルシウムが好ましい。また、溶解時の安定性を高め、紡糸性を向上させる観点からハロゲン化亜鉛とハロゲン化アルカリ金属塩またはハロゲン化アルカリ土類金属塩との重量比は95/5〜20/80のときが好ましく、さらに好ましくは90/10〜30/70であり、特に好ましくは80/20〜40/60である。
【0017】
これらの塩の水溶液に用いる水については、工業的に用いることが可能なものであれば特に制限はなく、飲料水、河川水、イオン交換処理水等任意のものが使用できる。さらに、該塩水溶液のポリケトンを溶解する能力を阻害しない範囲、通常は水の30重量%以内で、メタノール、エタノール、エチレングリコール、アセトン、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の有機溶剤を含有しても良い。
本発明で使用する、溶解前のポリケトンの[η]は2.5〜20dl/gである。溶解時に低下する[η]にもよるが、溶解前のポリケトンの[η]が2.5dl/g未満では高強度・高弾性率のポリケトン繊維を得ることが困難であり、また[η]が大きすぎると溶解性や紡糸性が極端に悪化し、またポリマー濃度を高くすることが困難になり生産性が低下することから、20dl/g以下である必要がある。さらに好ましい溶解前のポリケトンの[η]の範囲としては3〜15dl/gであり、特に好ましくは、4〜10dl/gである。
【0018】
本発明においてポリケトンを溶解させる際には、溶解前のポリケトンの極限粘度[η]と、乾燥直後のポリケトン乾燥糸の極限粘度[η]1とが、K1=[η]1/[η]としたとき、K1=0.5〜0.9となることが必要である。K1が0.9より大きい場合には、熱延伸時の[η]低下を抑制して繊維中の欠陥発生を抑制することが困難になり、高強度・高弾性率を安定的に発現しなくなる。また、溶解時に[η]を低下させ過ぎると高強度・高弾性率ポリケトン繊維を得ることが困難になり、また実質的に溶解時に[η]を大幅に低下させること自体が困難であることからも、K1は0.5以上であることが必要である。
【0019】
さらに、溶解前のポリケトンの極限粘度が2.5dl/g以上5dl/g未満である場合にはK1は0.8〜0.9であることが好ましく、溶解前のポリケトンの極限粘度が5dl/g以上10dl/g未満である場合にはK1は0.7〜0.9であることが好ましい。ポリケトンの極限粘度が10dl/g以上20dl/g未満である場合にはK1は0.6〜0.9であることが好ましい。ここで、溶解前のポリケトンとは溶媒とポリケトンを混合する直前のポリケトンのことを指し、粉末状、顆粒状、フレーク状、ペレット状、フィルム状、繊維状等どのような形状でもよいが、短時間で均一にポリケトンを溶解させるためには比表面積が大きい粉末状または顆粒状が好ましい。
【0020】
また本発明において、溶媒にポリケトンを溶解した後に該溶媒を除去したポリケトンとは、均一なポリケトン溶液から溶液中に含まれる溶媒を完全に除去した直後のポリケトンのことを指す。例えば、湿式紡糸であれば、紡糸口金から凝固浴中に押出して固化させ、引き続き洗浄および乾燥を行った直後の溶媒を含んでいないポリケトン乾燥糸を指すのであって、その後、この乾燥糸に熱延伸等の処理をして製造されたポリケトン繊維を指すものではない。
通常、ポリケトンをはじめとする高分子化合物は様々な分子量(分子鎖長)をもつ分子の集合体であり、一般的にその平均の分子量を該高分子化合物の分子量として規定する。本発明においてはこれらの分子鎖のうち、該ポリケトンに含まれる比較的分子鎖長の長いポリケトン分子鎖を選択的に切断して、[η]を低下させることに特徴がある。これは熱延伸時、特に高ひずみ速度で熱延伸を行う場合に高分子量のポリケトンが分子鎖の配向を阻害して高強度、高弾性率ポリケトン繊維を安定的に得ることが困難になるが、高分子量のポリケトン部分のみ分子鎖を切断して、分子量低下を起こさせ、その後紡糸することにより均一な高倍率熱延伸が可能となるためである。
【0021】
溶解方法としては、本発明の目的を阻害しない範囲で公知のどのような溶解方法でも適用することができるが、[η]を効果的に低下させるという観点から、せん断応力下でポリケトンを溶解することが好ましい。この時の好ましいせん断速度は100sec-1以上であり、さらに好ましくは200sec-1以上である。せん断速度が100sec-1より小さい場合には溶解前のポリケトンの極限粘度低下が少なくなる。せん断応力下で溶解することが好ましい理由としては、溶解中に長い分子にせん断応力が集中しやすいために高分子量ポリケトンが比較的選択的に切断されやすいと考えられるためであるが、これに限定するものではない。
【0022】
この条件を満たす溶解装置としては1軸または2軸の攪拌翼を有してせん断速度の大きい公知のものが適用できる。1軸攪拌の溶解機としては、例えばホモミキサー等が適している。2軸攪拌の溶解機としては、例えば双腕型ニーダーやバンバリーミキサー等がある。これらの溶解機はバッチ式、連続式のどちらでも用いることができる。溶解時には乾燥したポリケトンを溶媒と一度に混合して溶解させても良いし、あらかじめ溶媒で膨潤させてから溶解を開始する方法や溶媒を濃縮しながら溶解する方法等、公知の溶解方法を適用することができる。
ポリケトンの溶解には単一の溶解機を用いても良いし、複数の溶解機を組み合わせて用いても良いが、いずれの溶解機も密閉度の高い仕様であって、溶解と同時にポリケトン溶液から脱泡ができる仕様であることが好ましい。また、溶解温度・溶解機内の滞留時間に特に制限はないが、高温・長時間の溶解はポリケトン溶液中に熱架橋物を発生させ、ポリケトン繊維中に欠陥を発生させる要因となるため、本発明の目的を阻害しない範囲でできるだけ低温・短時間で溶解を完了させることが好ましく、特に好ましい溶解温度は80℃以下、溶解機内の滞留時間は120分以下である。
【0023】
得られたポリケトン溶液を、例えば湿式紡糸では、紡糸口金から凝固浴中に押出して固化させ、必要に応じて洗浄や乾燥を行った後、熱延伸することによりポリケトン繊維が得られる。溶解に用いた溶媒に応じて、凝固浴にはアセトン、メタノール等の有機溶媒、水、金属塩水溶液等を用いることができる。また、凝固浴の温度は、延伸後の達成強度が高いことから30℃以下が好ましく、ポリケトン溶液に相分離温度が存在する場合には相分離温度以下であることが好ましく、相分離温度より30℃以下であることがさらに好ましい。ただし、凝固浴の温度が−50℃より低い温度では、凝固速度が小さくなり紡糸速度が高められないこと、および冷却コストのアップしてしまうために−50℃以上が好ましい。
【0024】
凝固繊維を凝固浴より引き上げ、溶媒として金属塩の水溶液を用いた場合には洗浄して繊維中の金属塩を除去する。この場合の洗浄剤としては、水または塩酸、硫酸、リン酸等を含んだpHが4以下の水溶液を用いることができる。洗浄剤の温度の制限はないが、40℃以上が好ましく、更に好ましくは50〜95℃である。洗浄方法としては、洗浄剤の入った浴中に糸をくぐらせる方法や、糸の上または/および下から洗浄剤を吹きかける方法等があり、もちろんこれらの方法を組み合わせてもよい。熱延伸の前に水等の溶媒を除去するために乾燥することが好ましい。乾燥するための装置としては、トンネル型乾燥機、ロール加熱機、ネットプロセス型乾燥機等、公知の設備でよく、乾燥温度は強度が高いポリケトン繊維が得られる点で、150〜250℃が好ましい。
【0025】
本発明のポリケトン溶液を押出し繊維状に凝固したのち熱延伸することにより、強度および弾性率が高いポリケトン繊維が得られる。熱延伸は、温度100〜300℃で行い、延伸段数は一段で行っても、延伸温度を徐々に高くして多段で行ってもかまわないが、全延伸倍率を高くできることおよび延伸速度を早くできる点で多段延伸法が好ましい。全延伸倍率は、高強度・高弾性率の繊維を得るためには12倍以上であることが好ましい。延伸時のひずみ速度は大きいほど短い加熱長で延伸速度を高めることが可能で、設備費を小さくできる点および生産速度を高められる点で好ましい。12倍以上の延伸倍率において、ひずみ速度(多段延伸の場合は最小のひずみ速度)が0.06秒-1以上であることが好ましく、0.10秒-1以上がさらに好ましい。
【0026】
これらの高ひずみ速度での熱延伸による均一な高強度・高弾性率繊維は、本発明のポリケトンの製造方法によってはじめて得られたものである。一般に高倍率の延伸ほどひずみ速度を大きくすることが困難であり、高倍率の延伸を高ひずみ速度で熱延伸を行った場合には、達成する強度および弾性率の低下するため、ひずみ速度は1.00秒-1以下が好ましく、0.50秒-1以下がさらに好ましい。なお、ここでひずみ速度とは次式(2)で定義される値である。
ひずみ速度=(1−1/k)・v/L ・・・(2)
(式中、vは巻取り速度、kは延伸倍率、Lは加熱長である。)
【0027】
熱延伸は、例えば速度差のあるフィードロールと引取りロール間において加熱ゾーンを繊維を通すことにより行う。このように両ロール間で加熱されている繊維の長さが加熱長である。また、この組み合わせの数が熱延伸の段数である。繊維を加熱する方法としては、加熱ロールまたは熱板と接触させる方法や、あるいは加熱炉を用いて加熱気体中に繊維を走行させる方法、さらには繊維にレーザーやマイクロ波または赤外線を照射して加熱する方法等、公知の方法をそのまま、あるいは併用して採用することができる。
以上のように本発明のポリケトン溶液を用いて高ひずみ速度で高倍率の多段熱延伸を行った場合、毛羽等の欠陥が大幅に軽減され、高強度・高弾性率を安定的に発現するポリケトン繊維となる。これらのポリケトン繊維は耐久性、耐疲労性に優れているために、タイヤコード、ベルト等の補強繊維として好適に用いることができる。
【0028】
【実施例】
本発明を、下記の実施例などにより更に詳しく説明するがそれらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例の説明中に用いられる各測定値の測定方法は、次の通りである。
(1)極限粘度
極限粘度[η]は、次の定義式(4)に基づいて求めた。
Figure 0004118721
定義式中のt及びTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノール溶媒及び該ヘキサフルオロイソプロパノール溶媒に溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間である。また、Cは上記溶媒100ml中のグラム単位による溶質重量値である。
【0029】
(2)せん断速度
溶解時のせん断速度γは、次の定義式(5)により求めた。
γ=v/H (5)
定義式中のvは溶液中における攪拌翼の移動速度(mm/sec)である。また、Hは攪拌翼と溶解機内壁との間のクリアランス(mm)である。
(3)繊維の強度、弾性率
繊維の強度、弾性率はJIS−L−1013に準じ、サンプル長=20cm、引張り速度=20cm/分で測定し、20回測定したときの平均値とした。
(4)強度のバラツキ
上述で得られた強度の平均値、最大値および最小値から、以下の式(6)を用いて計算された値を強度のバラツキとした。
強度のバラツキ=(強度の最大値−強度の最小値)/強度の平均値 (6)
【0030】
【実施例1】
塩化亜鉛/塩化リチウム/塩化カルシウム/水の質量比が22/8/32/38である水溶液を自転と公転を行うフックを有するプラネタリーミキサー中で50℃に加温し、この水溶液に[η]が6.6dl/gで、実質的に繰り返し単位の100モル%が前記式(1)で示されるポリケトンをポリマー濃度が7.5質量%となるように混合し、プラネタリーミキサー中で6.7kPaまで減圧しながら40分間攪拌することによりポリケトンが膨潤したスラリー状の不透明液を得た。このときのプラネタリーミキサー中のせん断速度は25sec-1であった。このポリケトンスラリー液を50℃で保持したまま、プラネタリーミキサーからギアポンプを用いて定量的に栗本鐵工社製S1.5KRCニーダーにフィードし、回転数200rpm、滞留時間20分、溶解温度50℃の条件でニーダー中でポリケトンを完全に溶解させ、透明なポリケトン溶液を得た。このときのニーダー中のせん断速度は250sec-1であった。
【0031】
得られたポリケトン溶液をニーダーからギアポンプを用いて定量的にフィードし、50℃で濾過粒度20μmのフィルターで濾過した。その後、配管内で50℃から80℃まで比例的に昇温して、直径0.15mmの紡孔が50個ある紡糸口金から80℃、10m/分で吐出した。吐出したポリケトン溶液を10mmのエアギャップを通過させた後に2℃に冷却した水からなる凝固浴を通過させ、10m/分の速度でネルソンロールを用いて引き上げ、ネルソンロール上に0.5%の塩酸および水を吹きかけて洗浄し、10m/分の速度で220℃のロール乾燥機を通して乾燥後、一旦巻き取った。このとき、この乾燥した直後のポリケトン乾燥糸の[η]1を測定したところ、5.7dl/gであり、K1=0.86であった。
【0032】
次に、このポリケトン乾燥糸を4段の高ひずみ速度での延伸を行った。1段目の延伸条件は、240℃で2.5mの加熱長を通して10m/分と70m/分のロール間で延伸し(7.0倍)、ひずみ速度は0.40秒-1であった。2段目の延伸条件は、255℃で2.5mの加熱長を通して70m/分と105m/分のロール間で延伸し(1.5倍)、ひずみ速度は0.23秒-1であった。3段目の延伸条件は、265℃で5mの加熱長を通して105m/分と137m/分のロール間で延伸し(1.3倍)、ひずみ速度は0.11秒-1であった。4段目の延伸条件は、270℃で5mの加熱長を通して137m/分と171m/分のロール間で延伸し(1.25倍)、ひずみ速度は0.11秒-1であった。
【0033】
この多段熱延伸を5時間行ったが、糸切れのトラブルはなく、単糸切れによる毛羽も観察されなかった。4段延伸後の繊維物性を測定したところ、強度=18.5cN/dtex、伸度=5.4%、弾性率=441cN/dtex、強度のバラツキ=0.19であった。また、4段延伸後の繊維の極限粘度[η]2を測定したところ、3.6dl/gであり、熱延伸による極限粘度の低下率を表す、K2(4段延伸後の繊維の[η]2)/(溶媒にポリケトンを溶解した後に該溶媒を除去したポリケトンの[η]1)=0.63であった。
【0034】
【実施例2】
溶媒に溶解する前のポリケトンの[η]が7.3dl/gで、ポリマー濃度が6.5重量%となるように溶媒と混合した以外は実施例1と同様にして行った。ポリケトン乾燥糸の[η]1を測定した結果、6.2dl/gでありK1=0.85であった。また5時間の延伸中、糸切れ等のトラブルはなく、単糸切れによる毛羽も観察されなかった。4段延伸後の繊維物性を測定したところ、強度=19.4cN/dtex、伸度=5.0%、弾性率=459cN/dtex、強度のバラツキ=0.21であった。また、4段延伸後の繊維の[η]2を測定したところ、4.0dl/gであり、K2=0.64であった。
【0035】
【実施例3】
溶媒に溶解する前のポリケトンの[η]が10.3dl/gで、ポリマー濃度が4.5重量%となるように溶媒と混合した以外は実施例1と同様にして行った。ポリケトン乾燥糸の[η]1を測定した結果、8.2dl/gでありK1=0.80であった。また5時間の延伸中、糸切れ等のトラブルはなかったが、単糸切れによる毛羽が僅かながら観察された。4段延伸後の繊維物性を測定したところ、強度=21.4cN/dtex、伸度=4.8%、弾性率=512cN/dtex、強度のバラツキ=0.25であった。また、4段延伸後の繊維の[η]2を測定したところ、4.8dl/gであり、K2=0.58であった。
【0036】
【比較例1】
塩化亜鉛/塩化リチウム/塩化カルシウム/水の質量比が22/8/32/38である水溶液をプラネタリーミキサー中で50℃に加温し、この水溶液に[η]が6.6dl/gで、実質的に繰り返し単位の100モル%が前記式(1)で示されるポリケトンをポリマー濃度が7.5質量%となるように混合し、プラネタリーミキサー中で6.7kPaまで減圧しながら8時間攪拌することにより完全に溶解させ、透明なポリケトン溶液を得た。このとき、溶解時のせん断速度は30sec-1であった。これ以降は実施例1と同様に紡糸、延伸を行った。乾燥直後のポリケトン乾燥糸の[η]1を測定した結果、6.5dl/gであり極限粘度はほとんど低下しなかった。
【0037】
5時間の延伸中、4段延伸時の糸切れが3回発生し、また単糸切れによる毛羽がごく僅か存在した。4段延伸後の繊維物性を測定したところ、強度=16.8cN/dtex、伸度=5.1%、弾性率=432cN/dtex、強度のバラツキ=0.23であった。また、4段延伸後の繊維の[η]2を測定したところ、2.9dl/gであり、K2=0.45であった。実施例1と比較すると弾性率はほぼ同じだが強度はやや低下し、バラツキもやや大きくなった。また、熱延伸による極限粘度の低下率もやや大きかった。
【0038】
【比較例2】
溶媒に溶解する前のポリケトンの[η]が7.3dl/gで、ポリマー濃度が6.5重量%となるように溶媒と混合した以外は比較例1と同様にして行った。乾燥直後のポリケトン乾燥糸の[η]1を測定した結果、7.3dl/gであり、極限粘度は全く低下しなかった。5時間の延伸中、4段延伸時の糸切れが5回発生し、単糸切れによる毛羽が比較例1よりもやや多く存在した。4段延伸後の繊維物性を測定したところ、強度=17.6cN/dtex、伸度=4.9%、弾性率=450cN/dtex、強度のバラツキ=0.25であった。また、4段延伸後の繊維の[η]2を測定したところ、2.8dl/gであり、K2=0.38であった。実施例2と比較すると弾性率はほぼ同じだが強度はやや低下し、バラツキもやや大きくなった。また、熱延伸による極限粘度の低下率も大きかった。
【0039】
【比較例3】
溶媒に溶解する前のポリケトンの[η]が10.3dl/gで、ポリマー濃度が4.5重量%となるように溶媒と混合した以外は比較例1と同様にして行った。乾燥直後のポリケトン乾燥糸の[η]1を測定した結果、10.2dl/gであり、極限粘度はほとんど低下しなかった。5時間の延伸中、4段延伸時の糸切れが9回発生し、単糸切れによる毛羽も比較例1と比較してかなり多く存在した。4段延伸後の繊維物性を測定したところ、強度=15.0cN/dtex、伸度=4.1%、弾性率=485cN/dtex、強度のバラツキ=0.50であった。また、4段延伸後の繊維の[η]2を測定したところ、3.0dl/gであり、K2=0.29であった。実施例3と比較すると強度が大きく低下し、弾性率もやや低下した。強度のバラツキも大きくなった。また、熱延伸による極限粘度の低下率もかなり大きかった。
実施例1〜3および比較例1〜3に記載したポリケトン繊維の製造条件および得られた繊維の性能をまとめたものを表1および表2に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0004118721
【0041】
【表2】
Figure 0004118721
【0042】
【実施例4】
実施例1で作製したポリケトン繊維を合糸し、1650dtex/1500fとし、これを2本引きそろえて、カジ鉄工社製リング撚糸機にて、下撚り/上撚り390T/mの撚糸を行った。得られたコードを天然ゴム70%、SBR15%、カーボンブラック15%配合の未加硫ゴム中に25本/インチで上下2層に配列し、加硫を行い(加硫条件:135℃、35kg/cm2 、40分)、厚さ8mmのベルトを得た。
このベルトを用いて、JIS−L1017−2.1(ファイアストン法)に従い、圧縮・曲げ疲労試験を行った(荷重:30kg、ベルト走向速度:100rpm、試験回数:40000回)。疲労試験後のベルト中処理コードの強力保持率は55%と非常に優れたものであった。
【0043】
【比較例4】
比較例1のポリケトン繊維を用いる以外は、実施例4と同様にしてベルトを作製し、疲労試験を行った。疲労試験後のベルト中処理コードの強力保持率は51%と実施例4のコードに比べて劣るものであった。
【0044】
【発明の効果】
本発明により、毛羽等の欠陥が非常に少なく、高強度、高弾性率を安定的に発現して産業資材用途に要求される耐久性、耐疲労性に優れたポリケトン繊維を製造するためのポリケトン溶液の製造方法を提供することが可能となった。より具体的には熱延伸時の極限粘度低下が抑制されて耐久性、耐疲労性に優れ、さらには高ひずみ速度で熱延伸した場合にも高強度、高弾性率を発現し耐久性、耐疲労性に優れた均一なポリケトン繊維を製造するためのポリケトン溶液の製造方法を提供することが可能となった。このようなポリケトン溶液から製造されたポリケトンは、耐久性、耐疲労性に優れているためにタイヤコード、ベルト等の補強繊維として好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 極限粘度が2.5〜20dl/gで、繰り返し単位の95モル%以上が下記式(1)で示されるポリケトンを溶媒に溶解させて得られるポリケトン溶液を紡糸口金から押出し、その後該溶媒を除去して乾燥させたポリケトン乾燥糸を熱延伸するポリケトン繊維の製造方法であって、溶解前のポリケトンの極限粘度[η]と、乾燥直後のポリケトン乾燥糸の極限粘度[η]1とが、K1=[η]1/[η]としたとき、K1=0.5〜0.9であることを特徴とするポリケトン繊維の製造方法。
    Figure 0004118721
  2. ポリケトンを溶媒に溶解する際に、100sec-1以上のせん断速度でポリケトンを溶解する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のポリケトン繊維の製造方法。
  3. ポリケトンを溶解する溶媒が、亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩の中から選ばれた少なくとも1種の塩を含有する水溶液であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリケトン繊維の製造方法。
  4. 熱延伸の延伸倍率が少なくとも12倍以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリケトン繊維の製造方法。
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