JP2000355644A - 軟質シンジオタクティックポリプロピレン系組成物 - Google Patents

軟質シンジオタクティックポリプロピレン系組成物

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JP2000355644A JP2000113241A JP2000113241A JP2000355644A JP 2000355644 A JP2000355644 A JP 2000355644A JP 2000113241 A JP2000113241 A JP 2000113241A JP 2000113241 A JP2000113241 A JP 2000113241A JP 2000355644 A JP2000355644 A JP 2000355644A
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亮 二 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明性、柔軟性、ヒートシール性、耐衝撃性に
優れた組成物を提供すること。 【解決手段】組成物は、プロピレン単位(a)90〜10
0モル%、エチレン単位(b)0〜10モル%、炭素数4
〜20のα-オレフィン単位(c)0〜9.5モル%からな
り、極限粘度[η]が0.5〜10dl/gのシンジオタク
ティックプロピレン重合体(A)、炭素数2〜20から選
ばれる1種のα−オレフィン単位が50〜100モル%
であり、ヤングモジュラスが150MPa以下のα-オ
レフィン重合体(B)、プロピレン単位(a)90〜100モ
ル%、エチレン単位(b)0〜10モル%、炭素数4〜2
0のα-オレフィン単位(c)0〜9.5モル%からなり、
極限粘度[η]が0.5〜6dl/gのアイソタクティック
プロピレン重合体(C)を含み、(A)と(C)との重量比が9
9/1〜1/99、(A)+(C)と(B)との重量比が10/
10〜10/90である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、軟質シンジオタクティッ
クポリプロピレン系組成物に関し、さらに詳しくは、透
明性、柔軟性、耐衝撃性、ヒートシール性に優れた軟質
シンジオタクティックポリプロピレン系組成物に関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】プロピレンとエチレン、必要に応
じて炭素原子数4〜20のα-オレフィンを共重合させ
て得られるアイソタクティックポリプロピレンからなる
フィルムは、安価で柔軟性、耐湿性、耐熱性に優れてい
るため各種の包装材料に広く使用されている。しかしな
がら、内容物の破損等を防ぐため、フィルムの厚さを増
すと透明性、柔軟性、ヒートシール性が悪化し、またこ
れを改良するためアイソタクティックポリプロピレンの
コモノマー含量を増やすと、べた成分が顕著となり、耐
ブロッキング性が問題となったりして、厚物フィルムで
透明性、柔軟性、ヒートシール性に優れる材料の製造は
困難であった。
【0003】一方、シンジオタクティックポリプロピレ
ンは、バナジウム化合物とエーテルおよび有機アルミニ
ウムからなる触媒の存在下に低温重合により得られるこ
とが知られている。しかしながらこの方法で得られるポ
リマーは、そのシンジオタクティシティが低く、本来の
シンジオタックティックな性質を表しているとは言い難
かった。
【0004】近年、J.A.Ewenらにより非対称な配
位子を有する遷移金属触媒とアルミノキサンからなる触
媒の存在下にシンジオタックティックtriad分率が0.
7を超えるようなタクティシティの高いポリプロピレン
が得られることが発見されている(J.Am.Chem.Soc.,198
8,110,6255-6256)。このJ.A.Ewenらの方法によ
り得られたポリマーは、シンジオタクティシティが高
く、アイソタクティックポリプロピレンよりもエラステ
ィックな性質を有しているが、これを軟質な成形材料と
して、例えば、軟質塩化ビニルや加硫ゴム等が使用され
ている分野に利用しようとする場合、その柔軟性やゴム
弾性、機械的強度が充分なものではなかった。
【0005】従来から、プロピレン系重合体にプロピレ
ン繰返し単位の立体規則性がアイソタクティックである
エチレン−プロピレン共重合体ゴム等を配合することに
よりその柔軟性や耐衝撃性を改良する試みがなされてい
るが、この方法により得られる樹脂組成物からなる成形
物は、柔軟性や耐衝撃性がある程度は改良されるものの
充分なものではなかった。
【0006】本発明者らは、このような状況に鑑み鋭意
研究した結果、特定のシンジオタクティックプロピレン
重合体とα-オレフィン重合体とアイソタクティックプ
ロピレン重合体と、必要に応じて結晶核剤とからなる軟
質シンジオタクティックポリプロピレン組成物は、透明
性と柔軟性、ヒートシール性、耐衝撃性とのバランスに
優れることを見いだして、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術におけ
る問題点を解決しようとするものであって、透明性、柔
軟性、ヒートシール性、耐衝撃性に優れた軟質シンジオ
タクティックポリプロピレン系組成物を提供することを
目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る軟質シンジオタクティック
ポリプロピレン系組成物は、(A)実質的にシンジオタ
クティック構造であるプロピレンから導かれる繰返し単
位(a)と、必要に応じてエチレンから導かれる繰返し
単位(b)および/または炭素原子数4〜20のα-オ
レフィンから導かれる繰返し単位(c)とからなり、前
記繰返し単位(a)が90〜100モル%の割合で、前
記繰返し単位(b)が0〜10モル%の割合で、前記繰
返し単位(c)を0〜9.5モル%の割合で含有し、1
35℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5
〜10dl/gの範囲にあるシンジオタクティックプロ
ピレン重合体と、(B)炭素原子数が2〜20のα-オ
レフィンから選ばれるα-オレフィンから導かれる繰返
し単位少なくとも1種以上からなり、かつ前記1種以上
の繰返し単位のうちの1種の繰返し単位を50〜100
モル%の割合で含有し、ヤングモジュラスが150MP
a以下であるα-オレフィン重合体と、(C)実質的に
アイソタクティック構造であるプロピレンから導かれる
繰返し単位(a)と、必要に応じてエチレンから導かれ
る繰返し単位(b)および/または炭素原子数4〜20
のα-オレフィンから導かれる繰返し単位(c)とから
なり、前記繰返し単位(a)が90〜100モル%の割
合で、前記繰返し単位(b)が0〜10モル%の割合
で、前記繰返し単位(c)を0〜9.5モル%の割合で
含有し、135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]が0.5〜6dl/gの範囲にあるアイソタクテ
ィックプロピレン重合体とを含み、前記シンジオタクテ
ィックプロピレン重合体(A)と前記アイソタクティッ
クプロピレン重合体(C)との重量比{(A)/
(C)}が99/1〜1/99の範囲にあり、かつシン
ジオタクティックプロピレン重合体(A)とアイソタク
ティックプロピレン重合体(C)との合計量(A+C)
と前記α-オレフィン重合体(B)との重量比{(A+
C)/(B)}が90/10〜10/90の範囲にある
ことを特徴としている。
【0009】本発明に係る軟質シンジオタクティックポ
リプロピレン系組成物は、上記軟質シンジオタクティッ
クポリプロピレン系組成物に加えて、結晶核剤(D)を
前記軟質シンジオタクティックポリプロピレン系組成物
100重量部に対して0.01〜1重量部の割合で含有
してもよい。
【0010】本発明では、上記結晶核剤(D)は、ソル
ビトール系結晶核剤であることが好ましい。本発明に係
る軟質シンジオタクティックポリプロピレン系組成物の
態様には、上記(A)シンジオタクティックプロピレン
重合体は、プロピレンのtriad連鎖でみたシンジオタク
ティシティーが0.6以上であり、上記α-オレフィン
重合体(B)は、135℃のデカリン中で測定した極限
粘度[η]が0.01〜10dl/gの範囲にあり、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた分
子量分布(Mw/Mn)が4以下であり、ガラス転移温
度が−5℃以下であるものがある。
【0011】本発明では、上記(B)α-オレフィン重
合体が、エチレンから導かれる繰返し単位を50〜99
モル%の割合で、炭素原子数が3〜20のα-オレフィ
ンから選ばれる少なくとも1種以上のα-オレフィンか
ら導かれる繰返し単位を1〜50モル%の割合で含有す
る共重合体であることが好ましく、上記(B)α-オレ
フィン重合体が、プロピレンから導かれる繰返し単位を
50〜99モル%の割合で、エチレンおよび炭素原子数
4〜20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種
以上のα-オレフィンから導かれる繰返し単位を1〜5
0モル%の割合で含有する共重合体であることも好まし
い。
【0012】さらに本発明では、上記アイソタクティッ
クプロピレン重合体(C)は、プロピレンのtriad連鎖
でみたミクロアイソタクチシティーが0.8以上である
ことが好ましい。
【0013】上記α-オレフィン重合体(B)は、例え
ば(a)下記一般式(I)または(II)で表される遷移
金属化合物と、(b)(b-1)上記遷移金属化合物
(a)中の遷移金属Mと反応してイオン性の錯体を形成
する化合物(以下「イオン化イオン性化合物」というこ
とがある。)、(b-2)有機アルミニウムオキシ化合
物、(b-3)有機アルミニウム化合物から選ばれる少な
くとも1種の化合物とからなるメタロセン系触媒の存在
下に得られたものである;
【0014】
【化2】
【0015】(式(I)、(II)中、Mは、Ti、Z
r、Hf、Rn、Nd、SmまたはRuを示し、Cp1
およびCp2 は、Mとπ結合しているシクロペンタジエ
ニル基、インデニル基、フルオレニル基またはそれらの
誘導体基であり、X1 およびX2は、アニオン性配位子
または中性ルイス塩基配位子であり、Yは、窒素原子、
酸素原子、リン原子または硫黄原子を含有する配位子で
あり、ZはC、O、B、S、Ge、SiもしくはSn原
子またはこれらの原子を含有する基である。)本発明に
係る軟質シンジオタクティックポリプロピレン系組成物
は、透明性、柔軟性、ヒートシール性、耐衝撃性のバラ
ンスに優れている。
【0016】
【発明の具体的説明】以下、本発明に軟質シンジオタク
ティックポリプロピレン系組成物について具体的に説明
する。
【0017】本発明に係る軟質シンジオタクティックポ
リプロピレン系組成物は、特定のシンジオタクティック
プロピレン重合体(A)と、特定のα-オレフィン系重
合体と、特定のアイソタクティックプロピレン重合体
(C)と、必要に応じて結晶核剤(D)とを含んでい
る。
【0018】まず、本発明に係る軟質シンジオタクティ
ックポリプロピレン系組成物に含まれる各成分について
説明する。(A)シンジオタクティックプロピレン重合
シンジオタクティックプロピレン重合体(A)は、プ
ロピレンの単独重合体または、プロピレンとエチレンま
たは炭素原子数4〜20のα−オレフィンとから得られ
るプロピレン系ランダム共重合体であって、プロピレン
から導かれる繰返し単位(a)と、必要に応じてエチレ
ンから導かれる繰返し単位(b)および/または炭素原
子数4〜20のα-オレフィンから導かれる繰返し単位
(c)とからなる(共)重合体であって、前記繰返し単
位(a)を90〜100モル%、好ましくは92〜10
0モル%、さらに好ましくは92〜98モル%の割合で
含有し、前記繰返し単位(b)を0〜10モル%、好ま
しくは0〜8モル%、さらに好ましくは0.2〜8モル
%の割合で含有し、前記繰返し単位(c)を0〜9.5
モル%、好ましくは0〜8.5モル%、さらに好ましく
は0〜7モル%の割合で含有している。
【0019】ここで炭素原子数4〜20のα-オレフィ
ンとしては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オ
クテン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、
1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセ
ン、1-オクタデセン、1-エイコサンなどが挙げられ、こ
のうち1-ブテンが好ましい。
【0020】このシンジオタクティックプロピレン重合
体(A)は、135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]が、0.5〜10dl/g、好ましくは1.0〜
6dl/g、さらに好ましくは1.0〜4dl/gの範
囲にあることが望ましく、極限粘度がこのような範囲に
あると、シンジオタクティックプロピレン重合体(A)
は、良好な流動性を示し、他の成分と配合し易く、また
得られた組成物から機械的強度に優れた成形品が得られ
る傾向がある。
【0021】また、本発明で用いられるシンジオタクテ
ィックプロピレン重合体(A)を構成するプロピレンか
ら導かれる繰返し単位は、実質的にシンジオタクティッ
ク構造であり、プロピレンのtriad連鎖でみたシンジオ
タクティシティーは0.6以上、好ましくは0.7以上
であり、シンジオタクティシティーがこのような範囲に
あると結晶化速度が速く、加工性に優れる。なお、本明
細書において実質的にシンジオタクティック構造である
とは、プロピレンのtriad連鎖でみたシンジオタクティ
シティーが0.6以上であることを意味する。
【0022】ここでプロピレンのtriad連鎖でみたシン
ジオタクティシティーについて説明する。このシンジオ
タクティックプロピレン重合体(A)のトリアドシンジ
オタクティシティ(以下「rr分率」ということがあ
る。)は、該重合体(A)の13C−NMRスペクトルお
よび下記式(1)により、頭−尾結合したプロピレン単
位3連鎖部の第2単位目の側鎖メチル基の強度(面積)
比として求められる。
【0023】 rr分率(%)=PPP(rr)/{PPP(mm)+PPP(mr)+PPP(rr)} …(1) (式中、PPP(mm)、PPP(mr)、PPP(rr)は、それ
ぞれ13C−NMRスペクトルの下記シフト領域で観察さ
れる頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖部の第2単位
目の側鎖メチル基の面積である。)
【0024】
【表1】
【0025】このようなPPP(mm)、PPP(mr)、PP
P(rr)は、それぞれ下記構造の頭−尾結合したプロピレ
ン3単位連鎖を示す。
【0026】
【化3】
【0027】なおメチル炭素領域内(19〜23pp
m)では、上記のような頭−尾結合プロピレン3連鎖中
のプロピレン単位の側鎖メチル基以外にも、下記のよう
な他の連鎖中のプロピレン単位の側鎖メチル基ピークが
観測される。rr分率を求める際には、このようなプロ
ピレン単位3連鎖に基づかないメチル基のピーク面積を
下記のように補正する。なお、Pはプロピレンから導か
れる繰返し単位を示し、Eはエチレンから導かれる繰返
し単位を示す。
【0028】第2領域内では、プロピレン同士が頭−
尾結合したPPE3連鎖中の第2単位(プロピレン単
位)目の側鎖メチル基に由来するピークが観測される。
このメチル基ピークの面積は、PPE連鎖中の第2単位
(プロピレン単位)のメチン基(30.6ppm付近で
共鳴)のピーク面積から求めることができる。
【0029】第3領域内では、EPE3連鎖中の第2
単位(プロピレン単位)目の側鎖メチル基に由来するピ
ークが観測される。このメチル基ピーク面積は、EPE
連鎖中の第2単位(プロピレン単位)のメチン基(3
2.9ppm付近で共鳴)のピーク面積から求めること
ができる。
【0030】第2領域および第3領域内では、エチレ
ン・エチレンランダム共重合体中に少量含まれる、下記
部分構造(i)、(ii)および(iii)で示されるよう
な位置不規則単位中のメチル基C〜E’に由来するピー
クが観察される。
【0031】第2領域では、メチル基Cピーク、メチル
基Dピークおよびメチル基D’ピークが観測され、第3
領域では、メチル基Eピークおよびメチル基E’ピーク
が観測される。
【0032】なお位置不規則単位(i)〜(iii)中の
メチル基中、メチル基Aピークおよびメチル基Bピーク
は、それぞれ17.3ppm、17.0ppmで観測さ
れ、第1〜3領域内では観測されない。
【0033】
【化4】
【0034】メチル基Cのピーク面積は、隣接するメチ
ン基(31.3ppm付近で共鳴)のピーク面積より求
めることができる。メチル基Dのピーク面積は、構造
(ii)のαβメチレン炭素に基づくピーク(34.3p
pm付近および34.5ppm付近)のピーク面積の和
の1/2より求めることができる。
【0035】メチル基D’のピーク面積は、構造(ii
i)のメチル基E’に隣接するメチン基に基づくピーク
(33.3ppm付近)の面積より求めることができ
る。メチル基Eのピーク面積は、隣接するメチン炭素
(33.7ppm付近)のピーク面積より求めることが
できる。
【0036】メチル基E’のピーク面積は、隣接するメ
チン炭素(33.3ppm付近)のピーク面積より求め
ることができる。したがってこれらのピーク面積を第2
領域および第3領域の全ピーク面積より差し引くことに
より、頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖中の第2プ
ロピレン単位の側鎖メチル基のピーク面積を求めること
ができる。
【0037】なおスペクトル中の各炭素ピークは、文献
(Polymer,30,1350(1989))を参考にして帰属すること
ができる。シンジオタクティックプロピレン重合体(A)の製造 このようなシンジオタクティックプロピレン重合体
(A)の製造の際には、触媒として後述するようなα−
オレフィン重合体(B)の製造に用いられるメタロセン
系触媒が好ましく用いられる。
【0038】また、シンジオタクティックプロピレン重
合体(A)の製造の際には、上記触媒系に代えて特開平
2-41303号公報、特開平2-41305号公報、特
開平2-274703号公報、特開平2-274704号
公報、特開平3-179005号公報、特開平3-179
006号公報、特開平4-69394号公報、特開平5-
17589号公報または特開平8−120127号公報
に記載の触媒系を用いることもできる。
【0039】具体的には、上記「発明の技術的背景」の
項で述べたJ.A.Ewenらの文献「J.Am.Chem.Soc.,1
988,110,6255-6256」に記載の触媒系を用いることもで
き、また該文献に記載された化合物と異なる構造のもの
であっても、プロピレンの単独重合体を製造したとき
に、得られる重合体のシンジオタックティックtriad分
率(A.ZambelliらMacromolecules vol 6 687(1973).同v
ol 8 925(1975))が前述したような値、例えば、0.5
以上程度の比較的タクティシティーが高い重合体を与え
る触媒系であれば利用でき、例えば、互いに非対称な配
位子を有する架橋型遷移金属化合物と有機アルミニウム
等の助触媒とからなる触媒系が挙げられる。
【0040】このような触媒系を構成する互いに非対称
な配位子を有する架橋型遷移金属化合物としては、例え
ば、上記文献に記載されたジフェニルメチレン(シクロ
ペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリ
ド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フル
オレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピル(シク
ロペンタジエニル-1-フルオレニル)ハフニウムジクロリ
ド、あるいはイソプロピル(シクロペンタジエニル-1-フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(t-ブチルアミ
ド)ジメチル(フルオレニル)シランチタンジメチル、ジ
フェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
【0041】本発明で用いられるシンジオタクティック
プロピレン重合体(A)を、上記のような触媒の存在下
に製造する場合には、プロピレンと、必要に応じてエチ
レンおよび炭素原子数が4〜20のα-オレフィンから
選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンとを、最
終的に上記のような特性を有するように重合させる。重
合は懸濁重合、溶液重合などの液相重合法あるいは気相
重合法いずれにおいても実施できる。
【0042】液相重合法では、重合媒体としてプロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シ
クロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン
などの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベン
ゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素または
これらの混合物などの不活性炭化水素溶媒を用いること
ができ、またプロピレンを溶媒として用いることもでき
る。
【0043】重合は、懸濁重合法を実施する際には、通
常−50〜100℃、好ましくは0〜90℃の温度で行
われることが望ましく、溶液重合法を実施する際には、
通常0〜250℃、好ましくは20〜200℃の温度で
行われることが望ましい。また、気相重合法を実施する
際には、重合は通常0〜120℃、好ましくは20〜1
00℃の温度で行われることが望ましい。重合は、通
常、常圧〜100kg/cm2 、好ましくは常圧〜50
kg/cm2 の圧力下で行われる。
【0044】重合は、回分式、半連続式、連続式のいず
れの方法においても行うことができる。さらに重合を反
応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能であ
る。得られるシンジオタクティックプロピレン重合体
(A)の分子量は、重合系に水素を存在させるか、ある
いは重合温度、重合圧力を変化させることによって調節
することができる。
【0045】(B)α-オレフィン重合体 α-オレフィン重合体(B)は、炭素原子数2〜20の
α-オレフィンから選ばれる1種のα−オレフィンの単
独重合体または、炭素原子数2〜20のα-オレフィン
から選ばれる2種以上のα−オレフィンの共重合体であ
り、炭素原子数が2〜20のα-オレフィンから選ばれ
るα-オレフィンから導かれる繰返し単位少なくとも1
種以上からなり、かつ前記1種以上の繰返し単位のうち
の1種の繰返し単位を、50〜100モル%、好ましく
は60〜90モル%、より好ましくは65〜85モル%
の割合で含有している。
【0046】このような割合でα-オレフィン成分を含
有するα-オレフィン重合体(B)は、シンジオタクテ
ィックプロピレン重合体(A)およびアイソタクティッ
クプロピレン重合体(C)との相溶性が良好であり、得
られる軟質シンジオタクティックポリプロピレン系組成
物は、充分な柔軟性、ヒートシール性、耐衝撃性を発揮
する傾向がある。
【0047】このα-オレフィン重合体(B)は、非晶
性であり、ヤングモジュラスが150MPa以下、好ま
しくは100MPa以下、より好ましくは50MPa以
下である。なお、上記シンジオタクティックプロピレン
重合体(A)、後述するアイソタクティックプロピレン
重合体(C)のヤングモジュラスは、通常300MPa
以上である。
【0048】このようなα-オレフィン重合体(B)と
しては、例えばエチレン・プロピレン共重合体(最初に
記載したα-オレフィンが主構成成分となる、以下同
様)、エチレン・ブテン共重合体、エチレン・ペンテン
共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、
エチレン・ヘキセン共重合体、エチレン・ヘプテン共重
合体、エチレン・オクテン共重合体、エチレン・ノネン
共重合体、エチレン・デセン共重合体、エチレン・ノル
ボルネン共重合体、エチレン・テトラシクロドデセン共
重合体、エチレン・ブタジエン共重合体、エチレン・イ
ソプレン共重合体、エチレン・1,5-ヘキサジエン共重合
体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタク
リル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合
体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等の2元
系エチレン共重合体、アイソタクティックプロピレン・
エチレン共重合体、アタクティックプロピレン・エチレ
ン共重合体、シンジオタクティックプロピレン・エチレ
ン共重合体、アイソタクティックプロピレン・ブテン共
重合体、アタクティックプロピレン・ブテン共重合体、
シンジオタクティックプロピレン・ブテン共重合体、ア
イソタクティックプロピレン・ペンテン共重合体、アタ
クティックプロピレン・ペンテン共重合体、シンジオタ
クティックプロピレン・ペンテン共重合体、アイソタク
ティックプロピレン・ヘキセン共重合体、アタクティッ
クプロピレン・ヘキセン共重合体、シンジオタクティッ
クプロピレン・ヘキセン共重合体、アイソタクティック
プロピレン・ヘプタン共重合体、アタクティックプロピ
レン・ヘプタン共重合体、シンジオタクティックプロピ
レン・ヘプタン共重合体、アイソタクティックプロピレ
ン・オクテン共重合体、アタクティックプロピレン・オ
クテン共重合体、シンジオタクティックプロピレン・オ
クテン共重合体、アイソタクティックプロピレン・デセ
ン共重合体、アタクティックプロピレン・デセン共重合
体、シンジオタクティックプロピレン・デセン共重合
体、アイソタクティックプロピレン・スチレン共重合
体、アタクティックプロピレン・スチレン共重合体、シ
ンジオタクティックプロピレン・スチレン共重合体、ア
イソタクティックプロピレン・ノルボルネン共重合体、
アタクティックプロピレン・ノルボルネン共重合体、シ
ンジオタクティックプロピレン・ノルボルネン共重合
体、アイソタクティックプロピレン・テトラシクロドデ
セン共重合体、アタクティックプロピレン・テトラシク
ロドデセン共重合体、シンジオタクティックプロピレン
・テトラシクロドデセン共重合体、アイソタクティック
プロピレン・ブタジエン共重合体、アタクティックプロ
ピレン・ブタジエン共重合体、シンジオタクティックプ
ロピレン・ブタジエン共重合体、アイソタクティックプ
ロピレン・イソプレン共重合体、アタクティックプロピ
レン・イソプレン共重合体、シンジオタクティックプロ
ピレン・イソプレン共重合体、アイソタクティックプロ
ピレン・1,5-ヘキサジエン共重合体、アタクティックプ
ロピレン・1,5-ヘキサジエン共重合体、シンジオタクテ
ィックプロピレン・1,5-ヘキサジエン共重合体等の2元
系プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ノルボ
ルネン共重合体、エチレン・ブテン・ノルボルネン共重
合体、エチレン・オクテン・ノルボルネン共重合体、エ
チレン・プロピレン・テトラシクロドデセン共重合体、
エチレン・ブテン・テトラシクロドデセン共重合体、エ
チレン・オクテン・テトラシクロドデセン共重合体、エ
チレン・プロピレン・ブタジエン共重合体、エチレン・
ブテン・ブタジエン共重合体、エチレン・オクテン・ブ
タジエン共重合体、エチレン・プロピレン・イソプレン
共重合体、エチレン・ブテン・イソプレン共重合体、エ
チレン・オクテン・イソプレン共重合体、エチレン・プ
ロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン
・ブテン・エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン
・オクテン・エチリデンノルボルネン共重合体などの3
元系エチレン共重合体、アイソタクティックプロピレン
・ブテン・エチレン共重合体、アタクティックプロピレ
ン・ブテン・エチレン共重合体、シンジオタクティック
プロピレン・ブテン・エチレン共重合体、アイソタクテ
ィックプロピレン・オクテン・エチレン共重合体、アタ
クティックプロピレン・オクテン・エチレン共重合体、
シンジオタクティックプロピレン・オクテン・エチレン
共重合体、アイソタクティックプロピレン・オクテン・
エチレン共重合体、アタクティックプロピレン・オクテ
ン・エチレン共重合体、シンジオタクティックプロピレ
ン・オクテン・エチレン共重合体、アイソタクティック
プロピレン・ノルボルネン・エチレン共重合体、アタク
ティックプロピレン・ノルボルネン・エチレン共重合
体、シンジオタクティックプロピレン・ノルボルネン・
エチレン共重合体、アイソタクティックプロピレン・テ
トラシクロドデセン・エチレン共重合体、アタクティッ
クプロピレン・テトラシクロドデセン・エチレン共重合
体、シンジオタクティックプロピレン・テトラシクロド
デセン・エチレン共重合体、アイソタクティックプロピ
レン・ブタジエン・エチレン共重合体、アタクティック
プロピレン・ブタジエン・エチレン共重合体、シンジオ
タクティックプロピレン・ブタジエン・エチレン共重合
体、アイソタクティックプロピレン・イソプレン・エチ
レン共重合体、アタクティックプロピレン・イソプレン
・エチレン共重合体、シンジオタクティックプロピレン
・イソプレン・エチレン共重合体等の3元系プロピレン
共重合体等が挙げられる。
【0049】このようなα-オレフィン重合体(B)
は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が、
通常0.01〜10dl/g、好ましくは0.5〜10
dl/g、さらに好ましくは1〜8dl/gの範囲にあ
ることが望ましい。該α-オレフィン重合体(B)の極
限粘度[η]が、前記範囲内にあると、耐候性、耐オゾ
ン性、耐熱老化性、低温特性、耐動的疲労性などの特性
に優れた軟質シンジオタクティックポリプロピレン系組
成物となる。
【0050】このα-オレフィン重合体(B)は、単一
のガラス転移温度を有し、かつ示差走査熱量計(DS
C)によって測定したガラス転移温度(Tg)が、通常
−5℃以下、好ましくは−10℃以下、さらに好ましく
は−20℃以下であることが望ましい。該α-オレフィ
ン重合体(B)のガラス転移温度(Tg)が前記範囲内
にあると、耐寒性、低温特性に優れる。
【0051】またゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/M
n、ポリスチレン換算、Mw:重量平均分子量、Mn:
数平均分子量)は4.0以下であることが好ましく、特
に3.5以下であることが好ましい。
【0052】α-オレフィン重合体(B)の製造 このようなα−オレフィン重合体(B)は、例えば下記
に示すメタロセン系触媒の存在下に炭素原子数が2〜2
0のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上の
α−オレフィンを(共)重合させて得られる。
【0053】このようなメタロセン系触媒としては、
(a)下記一般式(I)または(II)で表される遷移金
属化合物と、(b)(b-1)上記遷移金属化合物(a)
中の遷移金属Mと反応してイオン性の錯体を形成する化
合物、(b-2)有機アルミニウムオキシ化合物、(b-3)
有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の
化合物とからなる少なくとも1つの触媒系が挙げられ
る。
【0054】まず本発明で用いられる一般式(I)で表
される遷移金属化合物について説明する。
【0055】
【化5】
【0056】式中、Mは、Ti、Zr、Hf、Rn、N
d、SmまたはRuを示し、好ましくはTi、Zrまた
はHfである。Cp1 およびCp2 は、Mとπ結合して
いるシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレ
ニル基またはそれらの誘導体基である。さらに詳説する
と、Cp1 およびCp2 は遷移金属に配位する配位子で
あり、シクロペンタジエニル基、インデニル基、4,5,6,
7-テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などのシ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、このシ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子は、アルキル
基、シクロアルキル基、トリアルキルシリル基、ハロゲ
ン原子などの置換基を有していてもよい。
【0057】X1 およびX2 は、アニオン性配位子また
は中性ルイス塩基配位子であり、具体的には、炭素原子
数が1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキ
シ基、スルホン酸含有基(−SO3a 、但し、Ra
アルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、ア
リール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基または
アルキル基で置換されたアリール基である。)、ハロゲ
ン原子、水素原子などが挙げられる。
【0058】Zは、C、O、B、S、Ge、Siもしく
はSn、またはこれらの原子を含有する基、例えば炭素
原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜2
0の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有
基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−
CO−、−SO−、−SO2 −、−BR5 −(ただしR
5は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭
化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素
基)などである。
【0059】このような一般式(I)で表される遷移金
属化合物として具体的には、ジフェニルメチレン(シク
ロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリ
ド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フル
オレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピル(シク
ロペンタジエニル-1-フルオレニル)ハフニウムジクロリ
ド、イソプロピル(シクロペンタジエニル-1-フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シク
ロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-
エチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-プロピル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-ブチルインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1
-(2,7-ジメチル-4-sec-ブチルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジ
メチル-4-t-ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n
-ペンチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-ヘキシ
ルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-シクロヘキシル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-メチルシクロヘキ
シルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-フェニルエチ
ルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-フェニルジクロ
ルメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-クロロメ
チルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-トリメチルシ
リレンメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、r
ac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-トリメ
チルシロキシメチルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジエチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4
-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジ(i-プロピル)シリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-
プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジ(n-ブチル)シリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロ
ピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(シ
クロヘキシル)シリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プ
ロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-メ
チルフェニルシリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロ
ピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-メチ
ルフェニルシリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-t-ブチル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニ
ルシリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-t-ブチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレ
ンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレンビス
{1-(2,7-ジメチル-4-エチルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジ(p-トリル)シリレンビス{1-(2,7
-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジ(p-クロロフェニル)シリレンビス{1-
(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレンビス{1-(2-メチ
ル-4-i-プロピル-7-エチルインデニル)}ジルコニウム
ジブロミド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメ
チル-4-i-プロピル-1-インデニル)}ジルコニウムジメ
チル、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4
-i-プロピル-1-インデニル)}ジルコニウムメチルクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4
-i-プロピル-1-インデニル)}ジルコニウム-ビス{1-
(トリフルオロメタンスルホナト)}、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル-1-インデニ
ル)}ジルコニウム-ビス{1-(p-フェニルスルフィナ
ト)}、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-フェニル-4-
i-プロピル-7-メチル-1-インデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフ
ニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス{1-(2,7-ジメチル
-4-エチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ビス
(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
インデニルハフニウムジクロライド、ビスインデニルジ
ルコニウムジクロライド、ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-
プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ビス
{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-ブチル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ビス{1-(2,7-
ジメチル-4-sec-ブチルインデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、ビス{1-(2,7-ジメチル-4-t-ブチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、ビス{1-(2,7-ジメチル
-4-n-ペンチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-ヘキシルインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、ビス{1-(2,7-ジメチル-4-シク
ロヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ビ
ス{1-(2,7-ジメチル-4-メチルシクロヘキシルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、ビス{1-(2,7-ジメチル
-4-フェニルエチルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、ビス{1-(2,7-ジメチル-4-フェニルジクロルメチル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ビス{1-(2,7-
ジメチル-4-クロロメチルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、ビス{1-(2,7-ジメチル-4-トリメチルシリレ
ンメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ビス
{1-(2,7-ジメチル-4-トリメチルシロキシメチルインデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、ビス{1-(2,7-ジメチ
ル-4-エチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ビ
ス{1-(2-メチル-4-i-プロピル-7-エチルインデニル)}
ジルコニウムジブロミド、ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-
プロピル-1-インデニル)}ジルコニウムジメチル、ビス
{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル-1-インデニル)}ジル
コニウムメチルクロリド、ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-
プロピル-1-インデニル)}ジルコニウム-ビス{1-(トリ
フルオロメタンスルホナト)}、ビス{1-(2,7-ジメチル
-4-i-プロピル-1-インデニル)}ジルコニウム-ビス{1-
(p-フェニルスルフィナト)}、ビス{1-(2-フェニル-4-
i-プロピル-7-メチル-1-インデニル)}ジルコニウムジ
クロリドなどが挙げられる。
【0060】また、上記のような化合物においてジルコ
ニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置き
換えた遷移金属化合物を例示することもできる。なお、
上記一般式(I)で表される遷移金属化合物には、後述
する一般式(V)で表される遷移金属化合物が含まれ
る。
【0061】本発明では、遷移金属化合物(a)として
下記一般式(II)で示される遷移金属化合物を用いるこ
ともできる。
【0062】
【化6】
【0063】式(II)中、Mは、周期表第4族またはラ
ンタニド系列の遷移金属であり、具体的には、Ti、Z
r、Hf、Rn、Nd、SmまたはRuであって、好ま
しくはTi、Zr、Hfである。
【0064】Cp1は、Mとπ結合しているシクロペン
タジエニル基、インデニル基、フルオレニル基またはそ
れらの誘導体基である。さらに詳説すると、Cp1 は、
遷移金属に配位する配位子であり、シクロペンタジエニ
ル基、インデニル基、フルオレニル基あるいはそれらの
誘導体基などのシクロペンタジエニル骨格を有する配位
子であり、このシクロペンタジエニル骨格を有する配位
子は、アルキル基、シクロアルキル基、トリアルキルシ
リル基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよ
い。
【0065】X1 およびX2 は、アニオン性配位子また
は中性ルイス塩基配位子であり、互いに同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子もしくはハロゲン原子である
か、または20個以下の炭素原子を含有する炭化水素
基、20個以下のケイ素原子含有するシリル基もしくは
20個以下のゲルマニウム原子を含有するゲルミル基で
ある。
【0066】Zは、炭素、酸素、硫黄、硼素または周期
表第14族の元素(例えばケイ素、ゲルマニウムまたは
スズ)であり、好ましくは炭素、酸素、ケイ素のいずれ
かであり、Zはアルキル基、アルコキシ基などの置換基
を有していてもよく、これらの置換基は互いに結合して
環を形成していてもよい。また、ZとYとで縮合環を形
成してもよい。
【0067】このような一般式(II)で表される遷移金
属化合物として具体的には、(t-ブチルアミド)ジメチル
(フルオレニル)シランチタンジメチル、(t-ブチルアミ
ド)ジメチル(フルオレニル)シランチタンジクロリド、
(t-ブチルアミド)ジメチル(フルオレニル)シランジルコ
ニウムジメチル、(t-ブチルアミド)ジメチル(フルオレ
ニル)シランジルコニウムジクロリド、ジメチル(t-ブチ
ルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シ
リレン)チタンジクロリド、{(t-ブチルアミド)(テトラ
メチル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2-エタンジイ
ル}チタンジクロリド、{ジメチル(フェニルアミド)
(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シリレン}
チタンジクロリド、{ジメチル(t-ブチルアミド)(テト
ラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シリレン}チタン
ジメチル、{ジメチル(4-メチルフェニルアミド)(テト
ラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シリレン}チタン
ジクロリド、{ジメチル(t-ブチルアミド)(η5-シクロ
ペンタジエニル)シリレン}チタンジクロリド、{テト
ラメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペ
ンタジエニル)ジシリレン}チタンジクロリド、(t-ブチ
ルアミド)ジメチル(フルオレニル)シランチタンジメチ
ルなどが挙げられる。
【0068】上記のような遷移金属化合物は、単独でま
たは2種以上組合わせて用いることができる。担 体 上記のような遷移金属化合物は、粒子状担体に担持させ
て用いることもできる。
【0069】このような粒子状担体としては、Si
2、Al23、B23、MgO、ZrO2、CaO、T
iO2、ZnO、SnO2、BaO、ThOなどの無機担
体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ-1-ブテン、
ポリ4-メチル-1-ペンテン、スチレン-ジビニルベンゼン
共重合体などの有機担体を用いることができる。これら
の粒子状担体は、単独でまたは2種以上組合わせて用い
ることができる。
【0070】次に、メタロセン系触媒を形成する成分
(b)、すなわちイオン化イオン性化合物(b-1)、有
機アルミニウムオキシ化合物(b-2)および有機アルミ
ニウム化合物(b-3)について説明する。
【0071】(b-1)イオン化イオン性化合物 イオン化イオン性化合物(b-1)は、遷移金属化合物
(a)中の遷移金属Mと反応してイオン性の錯体を形成
する化合物であり、このようなイオン化イオン性化合物
としては、特開平1−501950号公報、特開平1−
502036号公報、特開平3−179005号公報、
特開平3−179006号公報、特開平3−20770
3号公報、特開平3−207704号公報、USP−5
321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化
合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物を例示する
ことができる。
【0072】ルイス酸としては、BR3 (式中、Rはフ
ッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換
基を有していてもよいフェニル基またはフッ素原子であ
る。)で示される化合物が挙げられ、たとえばトリフル
オロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロ
フェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)
ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-
トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス
(3,5-ジメチルフェニル)ボロン、MgCl2、Al2
3、SiO2-Al23などが挙げられる。
【0073】イオン性化合物としては、トリアルキル置
換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジ
アルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム
塩などを挙げることができる。具体的に、トリアルキル
置換アンモニウム塩としては、たとえばトリエチルアン
モニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアン
モニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)
アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられ
る。ジアルキルアンモニウム塩としては、たとえばジ
(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフ
ェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ
(フェニル)ホウ素などが挙げられる。さらにイオン性
化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリn-ブチルア
ンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることもで
きる。
【0074】ボラン化合物としては、デカボラン(1
4)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボレ
ート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボレ
ート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ド
デカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(II
I)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0075】カルボラン化合物としては、4-カルバノナ
ボラン(14)、1,3-ジカルバノナボラン(13)、ビス
〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイ
ドライド-7-カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(I
V)、ドデカボラン、1-カルバウンデカボラン、ビスn-
ブチルアンモニウム(1-カルベドデカ)ボレート、トリ
n-ブチルアンモニウム(7,8-ジカルバウンデカ)ボレー
ト、トリn-ブチルアンモニウム(トリデカハイドライド
-7-カルバウンデカ)ボレートなどの金属カルボランア
ニオンの塩などが挙げられる。
【0076】上記のようなイオン化イオン性化合物(b-
1)は、単独でまたは2種以上組合わせて用いることが
できる。イオン化イオン性化合物(b-1)は、上述した
粒子状担体に担持させて用いることもできる。
【0077】(b-2)有機アルミニウムオキシ化合物 (b-2)有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知の
アルミノキサンであってもよく、また特開平2−786
87号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有
機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0078】従来公知のアルミノキサン(アルモキサ
ン)は、具体的には、下記一般式で表される。
【0079】
【化7】
【0080】式中、Rはメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基などの炭化水素基であり、好ましくはメチ
ル基、エチル基、特に好ましくはメチル基である。mは
2以上の整数であり、好ましくは5以上、より好ましく
は5〜40、特に好ましくは10〜40の整数である。
【0081】ここで、アルミノキサンは式(OAl(R
1 ))で表されるアルキルオキシアルミニウム単位およ
び式(OAl(R2 ))で表されるアルキルオキシアル
ミニウム単位(ここで、R1 およびR2 はRと同様の炭
化水素基であり、R1 およびR2 は相異なる基を示
す。)からなる混合アルキルオキシアルミニウム単位か
ら形成されていてもよい。
【0082】従来公知のアルミノキサンは、たとえば下
記のような方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して反応させる方法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接水、氷あるいは水
蒸気を作用させる方法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリ
アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなど
の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0083】なお該アルミノキサンは、少量の有機金属
成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノ
キサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウム
化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解あるいはア
ルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
【0084】アルミノキサンを調製する際に用いられる
有機アルミニウム化合物としては、後述する有機アルミ
ニウム化合物(b-3)と同様の化合物が挙げられる。上
記のような有機アルミニウム化合物は、単独であるいは
組合せて用いることができる。
【0085】アルミノキサンの調製に用いられる溶媒と
しては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメ
ンなどの芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オク
タデカンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シク
ロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンな
どの脂環族炭化水素;ガソリン、灯油、軽油などの石油
留分あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂
環族炭化水素のハロゲン化物(例えば、塩素化物、臭素
化物など)などの炭化水素溶媒が挙げられる。その他、
エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類
を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳香族
炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。
【0086】このような有機アルミニウムオキシ化合物
(b-2)は、上述した粒子状担体に担持させて用いるこ
ともできる。有機アルミニウム化合物(b-3) 有機アルミニウム化合物としては、分子内に少なくとも
1個のAl−炭素結合を有する化合物が利用できる。こ
のような化合物としては、たとえば下記一般式(III)
で表される有機アルミニウム化合物が挙げられる。
【0087】R9 nAlX3-n …(III) (式中、R9 は炭素原子数1〜12の炭化水素基であ
り、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜
3である。)上記一般式(III)において、R9 は炭素
原子数1〜12の炭化水素基例えばアルキル基、シクロ
アルキル基またはアリール基であるが、具体的には、メ
チル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イ
ソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリ
ル基などである。
【0088】このような有機アルミニウム化合物(II
I)としては、具体的には以下のような化合物が挙げら
れる。 トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ト
リイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウム、トリオクチルアルミニウム、トリ(2-エチルヘキ
シル)アルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのト
リアルキルアルミニウム;イソプレニルアルミニウムな
どのアルケニルアルミニウム;ジメチルアルミニウムク
ロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピ
ルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムク
ロリド、ジメチルアルミニウムブロミドなどのジアルキ
ルアルミニウムハライド;メチルアルミニウムセスキク
ロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロ
ピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウム
セスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドな
どのアルキルアルミニウムセスキハライド;メチルアル
ミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、
イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニ
ウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライ
ド;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチル
アルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウム
ハイドライドなど。
【0089】また有機アルミニウム化合物(b-3)とし
ては、下記一般式(IV)で示される化合物を用いること
もできる。 R9 nAlL3-n …(IV) (式中、R9 は上記と同様であり、Lは−OR10基、−
OSiR11 3 基、−OAlR12 2 基、−NR13 2 基、−
SiR14 3 基または−N(R15)AlR16 2 基であり、n
は1〜2であり、R10、R11、R12 およびR16 はメチ
ル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シク
ロヘキシル基、フェニル基などであり、R 13 は水素原
子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル
基、トリメチルシリル基などであり、R14 およびR15
はメチル基、エチル基などである。)このような有機ア
ルミニウム化合物のなかでは、R9 n Al(OAlR10 2
)3-n で表される化合物、例えば Et2 AlOAlE
2 、(iso-Bu)2 AlOAl(iso-Bu)2 などが好ま
しい。
【0090】上記一般式(III)および(IV)で表され
る有機アルミニウム化合物の中では、一般式R9 3 Al
で表される化合物が好ましく、特にR9 がイソアルキル
基である化合物が好ましい。
【0091】本発明においては、上記α-オレフィン重
合体(B)製造用の触媒としては、上記のようなメタロ
セン系触媒が好ましく用いられるが、場合によっては上
記メタロセン系触媒以外の、従来より公知の固体状チ
タン触媒成分と有機アルミニウム化合物とからなるチタ
ン系触媒、可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウ
ム化合物とからなるバナジウム系触媒を用いることもで
きる。
【0092】本発明では、上記のようなメタロセン系触
媒の存在下に、炭素原子数が2〜20のα−オレフィン
から選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンを通
常液相で共重合させる。この際、一般に炭化水素溶媒が
用いられるが、プロピレンを溶媒として用いてもよい。
共重合はバッチ法または連続法のいずれの方法でも行う
ことができる。
【0093】メタロセン系触媒を用い、共重合をバッチ
法で実施する場合には、重合系内の遷移金属化合物
(a)は、重合容積1リットル当り、通常0.0000
5〜1ミリモル、好ましくは0.0001〜0.5ミリ
モルとなるような量で用いられる。
【0094】イオン化イオン性化合物(b-1)は、遷移
金属化合物(a)に対するイオン化イオン性化合物のモ
ル比((b-1)/(a))で、0.5〜20、好ましく
は1〜10となるような量で用いられる。
【0095】有機アルミニウムオキシ化合物(b-2)
は、遷移金属化合物(a)中の遷移金属原子(M)に対
するアルミニウム原子(Al)のモル比(Al/M)
で、1〜10000、好ましくは10〜5000となる
ような量で用いられる。
【0096】また有機アルミニウム化合物(b-3)は、
重合容積1リットル当り、通常約0〜5ミリモル、好ま
しくは約0〜2ミリモルとなるような量で用いられる。
共重合反応は、通常、温度が−20〜150℃、好まし
くは0〜120℃、さらに好ましくは0〜100℃の範
囲で、圧力が0を超えて〜80kg/cm2 、好ましく
は0を超えて〜50kg/cm2の範囲の条件下に行な
われる。
【0097】また反応時間(重合が連続法で実施される
場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの
条件によっても異なるが、通常5分間〜3時間、好まし
くは10分間〜1.5時間である。
【0098】炭素原子数が2〜20のα−オレフィンか
ら選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンは、上
述のような特定組成のα-オレフィン重合体(B)が得
られるような量でそれぞれ重合系に供給される。なお共
重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用いること
もできる。
【0099】上記のようにして炭素原子数が2〜20の
α−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−
オレフィンを重合させると、α-オレフィン重合体
(B)は通常これを含む重合液として得られる。この重
合液は常法により処理され、α-オレフィン重合体
(B)が得られる。
【0100】(C)アイソタクティックプロピレン重合
アイソタクティックプロピレン重合体(C)は、プロピ
レンの単独重合体または、プロピレンとエチレンまたは
炭素原子数4〜20のα−オレフィンとから得られるプ
ロピレン系ランダム共重合体であって、プロピレンから
導かれる繰返し単位(a)と、必要に応じてエチレンか
ら導かれる繰返し単位(b)および/または炭素原子数
4〜20のα-オレフィンから導かれる繰返し単位
(c)からなり、前記繰返し単位(a)を90〜100
モル%、好ましくは90〜99モル%、さらに好ましく
は92〜98モル%の割合で含有し、前記繰返し単位
(b)を0〜10モル%、好ましくは0.5〜9モル
%、さらに好ましくは1.5〜8モル%の割合で含有
し、前記繰返し単位(c)を0〜9.5モル%、好まし
くは0〜8.5モル%、さらに好ましくは0〜7モル%
の割合で含有している。
【0101】ここで炭素原子数4〜20のα-オレフィ
ンとしては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オ
クテン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、
1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセ
ン、1-オクタデセン、1-エイコサンなどが用いられ、こ
のうち1-ブテンが好ましい。
【0102】このアイソタクティックプロピレン重合体
(C)の135℃のデカリン中で測定される極限粘度
[η]が0.5〜6dl/g、好ましくは1.0〜4d
l/gの範囲にあることが望ましく、極限粘度がこのよ
うな範囲にあると、良好な流動性を示し、他の成分と配
合し易く、また得られた組成物から機械的強度に優れた
成形品が得られる傾向がある。
【0103】また、アイソタクティックプロピレン重合
体(C)においては、示差走査型熱量計(DSC)によ
って測定される融点(Tm(℃))が 70<Tm<155−5.5(100−P) 好ましくは 90<Tm<155−5.5(100−P) (式中、Pは重合体のプロピレン成分含量(モル%)で
ある。) の範囲にあることが望ましい。融点(Tm)がこのよう
な範囲にあると透明性、耐ブロッキング性に優れる傾向
にある。
【0104】また、本発明で用いられるアイソタクティ
ックプロピレン重合体(C)を構成するプロピレンから
導かれる繰返し単位は、実質的にアイソタクティック構
造であり、プロピレンのtriad連鎖でみたミクロアイソ
タクチシティーが0.8以上、好ましくは0.85以上
の範囲にあり、ミクロアイソタクティシティーがこのよ
うな範囲にあると結晶化速度が速く、加工性に優れる。
なお、本明細書において実質的にアイソタクティック構
造であるとは、プロピレンのtriad連鎖でみたアイソタ
クティシティーが0.8以上であることを意味する。
【0105】ここでプロピレンのtriad連鎖でみたミク
ロアイソタクティシティーについて説明する。このアイ
ソタクティックプロピレン重合体(C)のトリアドアイ
ソタクティシティ(以下「mm分率」ということがあ
る。)は、該重合体(C)の13C−NMRスペクトルお
よび下記式(2)により、頭−尾結合したプロピレン単
位3連鎖部の第2単位目の側鎖メチル基の強度(面積)
比として求められる。
【0106】 mm分率(%)=PPP(mm)/{PPP(mm)+PPP(mr)+PPP(rr)} …(2) (式中、PPP(mm)、PPP(mr)、PPP(rr)は、それ
ぞれ前記式(1)中のPPP(mm)、PPP(mr)、PPP
(rr)と同義である。)アイソタクティックプロピレン重合体(C)の製造 このようなアイソタクティックプロピレン重合体(C)
の製造の際には、触媒として、例えば公知のチタン系触
媒、またはメタロセン系触媒を用いて製造することがで
きる。
【0107】このメタロセン系触媒としては、たとえば
(a’)下記一般式(V)で示される遷移金属化合物
と、(b)(b-1)前記遷移金属化合物(a’)と反応
してイオン対を形成する化合物、(b-2)有機アルミニ
ウムオキシ化合物、および(b-2)有機アルミニウム化
合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とから形成さ
れる触媒が挙げられる。
【0108】遷移金属化合物(a’)は下記一般式
(V)で示される化合物である。
【0109】
【化8】
【0110】式中、Mは周期表第4〜6族の遷移金属を
示し、具体的には、チタン、ジルコニウム、ハフニウ
ム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデ
ン、タングステンなどであり、好ましくはチタニウム、
ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ましくはジル
コニウムである。
【0111】R1 およびR2 は、互いに同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1
〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化
炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有
基、窒素含有基またはリン含有基である。
【0112】具体的に、ハロゲン原子としては、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、炭素原子数1〜2
0の炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、
ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニ
ル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチ
ルなどのアルキル基;ビニル、プロペニル、シクロヘキ
セニルなどのアルケニル基;ベンジル、フェニルエチ
ル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基;フェ
ニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニ
ル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニリ
ル、ナフチル、メチルナフチル、アントリル、フェナン
トリルなどのアリール基などが挙げられ、ハロゲン化炭
化水素基としてはこれら炭化水素基がハロゲン原子で置
換された基が挙げられる。
【0113】またメチルシリル、フェニルシリルなどの
モノ炭化水素置換シリル;ジメチルシリル、ジフェニル
シリルなどのジ炭化水素置換シリル;トリメチルシリ
ル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシク
ロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェ
ニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリ
ル、トリナフチルシリルなどのトリ炭化水素置換シリ
ル;トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリ
ルのシリルエーテル、トリメチルシリルメチルなどのケ
イ素置換アルキル基;トリメチルフェニルなどのケイ素
置換アリール基などのケイ素含有置換基、ヒドロオキシ
基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどの
アルコキシ基;フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチ
ルフェノキシ、ナフトキシなどのアリロキシ基;フェニ
ルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールアルコキ
シ基などの酸素含有置換基、前記含酸素化合物の酸素が
イオウに置換したイオウ含有基、アミノ基、メチルアミ
ノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミ
ノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなどのア
ルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、
ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルア
ミノなどのアリールアミノ基またはアルキルアリールア
ミノ基などの窒素含有基、ジメチルフォスフィノ、ジフ
ェニルフォスフィノなどのフォスフィノ基などのリン含
有基が挙げられる。
【0114】R1 としては、これらのうちでも水素原
子、メチル基、炭素原子数2〜6の炭化水素基、芳香族
基などが好ましく、特にメチル基、炭素原子数2〜6の
炭化水素基が好ましい。
【0115】R2 としては、これらのうち水素原子、炭
化水素基が好ましく、特に水素原子が好ましい。R3
炭素原子数1〜20の炭化水素基、そのハロゲン原子、
ケイ素含有基で置換された基であり、中でも炭素原子数
3〜20の2級または3級アルキル基または芳香族基で
あることが望ましい。
【0116】具体的には、2級または3級アルキル基と
しては、i-プロピル、i-ブチル、sec-ブチル、tert-ブ
チル、1,2-ジメチルプロピル、2,3-ジメチルブチル、is
o-ペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル、4-メチルシクロヘキシル、is
o-ヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどが挙げら
れ、芳香族基としては、フェニル、トリル、ジメチルフ
ェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピ
ルフェニル、ビフェニル、α−またはβ−ナフチル、メ
チルナフチル、アントラセニル、フェナントリル、ベン
ジルフェニル、ピレニル、アセナフチル、フェナレニ
ル、アセアントリレニル、テトラヒドロナフチル、イン
ダニル、ビフェニリルなどのアリール基、ベンジル、フ
ェニルエチル、フエニルプロピル、トリルメチルなどの
アリールアルキル基などが挙げられ、これらは2重結
合、3重結合を含んでいてもよい。
【0117】これらの基は、R1 で示したようなハロゲ
ン原子、ケイ素含有基などで置換されていてもよい。R
4 は水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基で
ある。
【0118】アルキル基として具体的には、メチル、エ
チル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、
sec-ブチル、tert- ブチル、ペンチル、ヘキシル、シク
ロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ドデシル、
アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの鎖状ア
ルキル基および環状アルキル基が挙げられる。
【0119】これらの基は、R1 で示したようなハロゲ
ン原子、ケイ素含有基で置換されていてもよい。X1
よびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜
20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭
化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基である。
【0120】具体的に、ハロゲン原子、酸素含有基、炭
素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20の
ハロゲン化炭化水素基は、前記R1 と同様である。イオ
ウ含有基としては、前記R1 で示された基とともにさら
にメチルスルホネート、トリフルオロメタンスルフォネ
ート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネー
ト、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンス
ルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネー
ト、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロ
ベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基、メチ
ルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンゼン
スルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチ
ルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンス
ルフィネートなどスルフィネート基が挙げられる。
【0121】Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水
素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素
基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、
2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO
−、−SO2 −、−NR5−、−P(R5)−、−P
(O)(R5 )−、−BR5 −または−AlR5 −(た
だしR5は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜2
0の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化
水素基)を示し、具体的には、メチレン、ジメチルメチ
レン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-ト
リメチレン、1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレ
ン、1,4-シクロヘキシレンなどのアルキレン基、ジフェ
ニルメチレン、ジフェニル-1,2- エチレンなどのアリー
ルアルキレン基などの炭素原子数1〜20の2価の炭化
水素基;クロロメチレンなどの上記炭素原子数1〜20
の2価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水
素基;メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシ
リレン、ジ(n-プロピル)シリレン、ジ(i-プロピル)
シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェ
ニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリル)シ
リレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレンなどのアルキ
ルシリレン、アルキルアリールシリレン、アリールシリ
レン基、テトラメチル-1,2-ジシリル、テトラフェニル-
1,2- ジシリルなどのアルキルジシリル、アルキルアリ
ールジシリル、アリールシリル基などの2価のケイ素含
有基;上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニウム
に置換した2価のゲルマニウム含有基;上記2価のケイ
素含有基のケイ素をスズに置換した2価のスズ含有基置
換基などであり;R5 は、前記R1 と同様のハロゲン原
子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜
20のハロゲン化炭化水素基である。
【0122】このうち2価のケイ素含有基、2価のゲル
マニウム含有基、2価のスズ含有基であることが好まし
く、さらに2価のケイ素含有基であることが好ましく、
このうち特にアルキルシリレン、アルキルアリールシリ
レン、アリールシリレンであることが好ましい。
【0123】以下に上記一般式(V)で表される遷移金
属化合物を具体的に例示する。rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-エチルインデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,
7-ジメチル-4-n-プロピルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチ
ル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n
-ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-sec-ブチル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-t-ブチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-ペンチルインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1
-(2,7-ジメチル-4-n-ヘキシルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジ
メチル-4-シクロヘキシルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチ
ル-4-メチルシクロヘキシルインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメ
チル-4-フェニルエチルインデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル
-4-フェニルジクロルメチルインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメ
チル-4-クロロメチルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4
-トリメチルシリレンメチルインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメ
チル-4-トリメチルシロキシメチルインデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジエチルシリレン-ビス{1-(2,
7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジ(i-プロピル)シリレンビス{1-(2,7-
ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジ(n-ブチル)シリレンビス{1-(2,7-ジメ
チル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジ(シクロヘキシル)シリレンビス{1-(2,7-ジ
メチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-メチルフェニルシリレンビス{1-(2,7-ジメ
チル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-メチルフェニルシリレンビス{1-(2,7-ジメチ
ル-4-t-ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-t-ブ
チルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジフ
ェニルシリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニル
シリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-エチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-トリル)シリ
レンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-クロロフェニ
ル)シリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レンビス{1-(2-メチル-4-i-プロピル-7-エチルインデ
ニル)}ジルコニウムジブロミド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル-1-インデニ
ル)}ジルコニウムジメチル、rac-ジメチルシリレン-ビ
ス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル-1-インデニル)}ジ
ルコニウムメチルクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビ
ス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル-1-インデニル)}ジ
ルコニウム-ビス{1-(トリフルオロメタンスルホナ
ト)}、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-
4-i-プロピル-1-インデニル)}ジルコニウム-ビス{1-
(p-フェニルスルフィナト)}、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-フェニル-4-i-プロピル-7-メチル-1-インデ
ニル)}ジルコニウムジクロリドなど。
【0124】本発明では、上記一般式(V)で示される
遷移金属化合物のうち、下記式(VI)で示される遷移金
属化合物を好ましく用いることができる。
【0125】
【化9】
【0126】(式中、M、X1 、X2 、R1 、R3 およ
びYは、それぞれ一般式(V)中のM、X1 、X2 、R
1 、R3 およびYと同義であるが、好ましくはR1 は水
素原子、メチル基または芳香族基である。) このような一般式(VI)で示される好ましい遷移金属化
合物を以下に例示する。
【0127】rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(4-フェニ
ル-1-インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-メチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-
(2-メチル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル
-4-(1-アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-
(2-アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(9-
アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(9-フ
ェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-フルオ
ロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(ペンタフル
オロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-クロロ
フェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(m-クロロフェ
ニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(o-クロロフェニ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(o,p-ジクロロフェニ
ル) フェニル-1-インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-ブ
ロモフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-トリ
ル)-1-インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(m-トリル)-1-イ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス{1-(2-メチル-4-(o-トリル)-1-インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-メチル-4-(o,o'-ジメチルフェニル)-1-イン
デニル) }ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-エチルフェニル)インデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-i-プロピルフェニル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-ベンジルフェニル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-ビフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-メチル-4-(m-ビフェニル)インデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1
-(2-メチル-4-(p-トリメチルシリレンフェニル) インデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2-メチル-4-(m-トリメチルシリレンフェニ
ル)-1-インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス(2-フェニル-4-フェニルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジエチルシリレン-
ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジ-(i-プロピル)シリレン-ビス
{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジ-(n-ブチル)シリレン-ビス{1-(2-
メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジシクロヘキシルシリレン-ビス{1-(2-メチル
-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-メチルフェニルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-フェ
ニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジフ
ェニルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-トリル)シ
リレン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-クロロフェニル)シリ
レン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-メチレン-ビス{1-(2-メチル
-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-エチレン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルゲルミレ
ン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルスタニレン-ビス{1-
(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-
フェニルインデニル)}ジルコニウムジブロミド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルイン
デニル)}ジルコニウムジメチル、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコ
ニウムメチルクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1
-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムクロ
リドSO2Me、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メ
チル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムクロリドO
SO2Me、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-
4-フェニルインデニル)}チタニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルイン
デニル)}ハフニウムジクロリドなど。
【0128】上記のうちでもR1 がメチル基である化合
物が好ましい。また上記の一般式(VI)において、R1
は炭素原子数2〜6の炭化水素基であり、R3 は炭素原
子数6〜16のアリール基である遷移金属化合物も好ま
しく用いられる。このような好ましい化合物を以下に例
示する。
【0129】rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル
-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(β-ナフチル)インデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2-エチル-4-(2-メチル-1-ナフチル)インデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2-エチル-4-(5-アセナフチル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-エチル-4-(9-アントラセニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-エチル-4-(9-フェナントリル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-エチル-4-(o-メチルフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-エチル-4-(m-メチルフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-エチル-4-(p-メチルフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-エチル-4-(2,3-ジメチルフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-エチル-4-(2,4-ジメチルフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-エチル-4-(2,5-ジメチルフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-エチル-4-(2,4,6-トリメチルフェニル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-エチル-4-(o-クロロフェニル)インデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2-エチル-4-(m-クロロフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-エチル-4-(p-クロロフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-エチル-4-(2,3-ジクロロフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-エチル-4-(2,6-ジクロロフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-エチル-4-(3,5-ジクロロフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-エチル-4-(2-ブロモフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-エチル-4-(3-ブロモフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-エチル-4-(4-ブロモフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-エチル-4-(4-ビフェニリル)インデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
{1-(2-エチル-4-(4-トリメチルシリレンフェニル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-フェニルインデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
{1-(2-n-プロピル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-
(2-n-プロピル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-
プロピル-4-(2-メチル-1-ナフチル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-
(2-n-プロピル-4-(5-アセナフチル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-
(2-n-プロピル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1
-(2-n-プロピル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1
-(2-i-プロピル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロ
ピル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル
-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4-
(2-メチル-1-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル
-4-(5-アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4
-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4
-(9-フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-
フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-(α-ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-(β-ナフチル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-(8-メチル-9-ナフチル)イ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-(5-アセナフチル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-(9-アントラセニル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-(9-フェナントリル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-n-ペンチル-4-フェニルインデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
{1-(2-n-ペンチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-
(2-n-ブチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブチル
-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブチル-4-(β
-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac
-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブチル-4-(2-メチル-
1-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブチル-4-(5-アセナ
フチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブチル-4-(9-アントラセ
ニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス{1-(2-n-ブチル-4-(9-フェナントリ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス{1-(2-i-ブチル-4-フェニルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-i-ブチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1
-(2-i-ブチル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-
ブチル-4-(2-メチル-1-ナフチル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-
(2-i-ブチル-4-(5-アセナフチル)インデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-
i-ブチル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-
ブチル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-ネオ
ペンチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-ネオペンチル
-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ヘキシル-4-
フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ヘキシル-4-(α-ナフ
チル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-メチ
ルフェニルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-フェニルイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフェ
ニルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフェニ
ルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(9-アントラセニル)
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフ
ェニルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(9-フェナントリ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェ
ニルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-フェニルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレ
ン-ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビ
ス{1-(2-エチル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビ
ス{1-(2-エチル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビ
ス{1-(2-エチル-4-(4-ビフェニリル)インデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-メチレン-ビス{1-(2-エチ
ル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチレン-ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-エチレン-ビス
{1-(2-エチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-エチレン-ビス{1-(2-エチル-4-(α-
ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
エチレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(α-ナフチル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルゲル
ミレン-ビス{1-(2-エチル-4-フェニルインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルゲルミレン-ビス
{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルゲルミレン-ビス{1-(2-
n-プロピル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルスタニレン-ビス{1-(2-エチル-4
-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルスタニレン-ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルスタニレン-ビス{1-(2-n-エチル-4-(9-フェナントリ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルスタニレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-フェニルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリドなど。
【0130】本発明では、上記のような化合物において
ジルコニウム金属をチタニウム金属、ハフニウム金属、
バナジウム金属、ニオブ金属、タンタル金属、クロム金
属、モリブデン金属、タングステン金属に置き換えた遷
移金属化合物を用いることもできる。
【0131】このような遷移金属化合物は、通常ラセミ
体としてオレフィン重合用触媒成分として用いられる
が、R型またはS型を用いることもできる。上記一般式
(V)で表される遷移金属化合物(a’)は、Journal
of Organometallic Chem.288(1985)、第63〜67頁、ヨー
ロッパ特許出願公開第0,320,762 号明細書および実施例
に準じて製造することができる。
【0132】アイソタクティックプロピレン重合体
(C)の製造に用いられるメタロセン系触媒を構成する
遷移金属化合物(a’)と反応してイオン対を形成する
化合物(b-1)としては、上記α-オレフィン重合体の製
造に用いられるメタロセン系触媒を構成する化合物(b-
1)と同様の化合物が挙げられ、有機アルミニウムオキ
シ化合物(b-2)および有機アルミニウム化合物(b-2)
としては、上記α-オレフィン重合体の製造に用いられ
るメタロセン系触媒を構成する有機アルミニウムオキシ
化合物(b-2)および有機アルミニウム化合物(b-2)と
同様の化合物が挙げられる。
【0133】アイソタクティックプロピレン重合体
(C)の製造に用いられるメタロセン系触媒は、上記の
ような成分(a’)、成分(b)を不活性炭化水素溶媒
中またはオレフィン溶媒中で混合することにより調製す
ることができる。
【0134】触媒の調製に用いられる不活性炭化水素溶
媒として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油
などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エチ
レンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどの
ハロゲン化炭化水素あるいはこれらの混合物などを挙げ
ることができる。
【0135】上記のような各成分から触媒を調製する際
には、各成分を任意の順序で接触させることができる
が、成分(a’)と成分(b-2)(または成分(b-1))
とを接触させるか、成分(b-2)と成分(b-3)とを接触
させ、次いで成分(a’)を接触させるか、成分
(a’)と成分(b-2)(または成分(b-1))とを接触
させ、次いで成分(b-3)を混合させるか、あるいは、
成分(a’)と成分(b-3)とを接触させ、次いで成分
(b-2)(または成分(b-1))を接触させることが好ま
しい。
【0136】上記各成分を接触させるに際して、遷移金
属化合物(a’)は、約10-8〜10-1モル/リットル
(重合容積)、好ましくは10-7〜5×10-2モル/リ
ットルの量で用いられる。
【0137】成分(b-1)を用いる場合には、成分
(a’)と成分(b-1)とのモル比((a’)/成分(b
-1))が、通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5と
なるような量で用いられる。
【0138】成分(b-2)は、該成分(b-2)中のアルミ
ニウム原子と成分(a’)中の遷移金属との原子比(A
l/遷移金属)が、通常10〜10000、好ましくは
20〜5000となるような量で用いられる。
【0139】成分(b-3)は、該成分(b-3)中のアルミ
ニウム原子(Alb-3)と成分(b-2)中のアルミニウム
原子(Alb-2)との原子比(Alb-3/Alb-2)で、
通常0.02〜20、好ましくは0.2〜10となるよう
な量で用られる。
【0140】上記各触媒成分は、重合器中で混合して接
触させてもよく、また予め混合接触させてから重合器に
添加してもよい。予め接触させる際には、通常−50〜
150℃、好ましくは−20〜120℃で、1〜100
0分間、好ましくは5〜600分間接触させる。また接
触時には接触温度を変化させてもよい。
【0141】上記のようなメタロセン系触媒を調製する
際には、上記成分(a’)、成分(b)のうち少なくと
も一種を、顆粒状あるいは微粒子状の微粒子状担体に、
担持させて固体状触媒を形成してもよい。
【0142】担体としては多孔質酸化物が好ましく、た
とえばSiO2、Al23 などの無機担体を用いること
ができる。またエチレン、プロピレン、1-ブテンなどの
α-オレフィン、あるいはスチレンを主成分として生成
される重合体または共重合体などの有機担体を用いるこ
ともできる。
【0143】また本発明で用いられる触媒は、プロピレ
ン、エチレン、1-ブテンなどのオレフィンあるいはこれ
らと他のオレフィン類などが予備重合されていてもよ
い。なお本発明で用いられるオレフィン重合用触媒は、
上記のような各成分以外にもオレフィン重合に有用な他
の成分、たとえば触媒成分としての水なども含むことが
できる。
【0144】本発明で用いられるアイソタクティックプ
ロピレン重合体(C)は、上記のようなメタロセン系触
媒の存在下に、プロピレンを単独重合するか、またはプ
ロピレンとエチレンおよび炭素原子数が4〜20のα−
オレフィンとを、最終的に上記のような特性を有するよ
うに共重合させることによって製造することができる。
重合は懸濁重合、溶液重合などの液相重合法あるいは気
相重合法いずれにおいても実施できる。
【0145】液相重合法では上述した触媒調製の際に用
いた不活性炭化水素溶媒と同じものを用いることがで
き、プロピレンを溶媒として用いることもできる。重合
は、懸濁重合法を実施する際には、通常−50〜100
℃、好ましくは0〜90℃の温度で行われることが望ま
しく、溶液重合法を実施する際には、通常0〜250
℃、好ましくは20〜200℃の温度で行われることが
望ましい。また、気相重合法を実施する際には、重合は
通常0〜120℃、好ましくは20〜100℃の温度で
行われることが望ましい。重合は、通常、常圧〜100
kg/cm2 、好ましくは常圧〜50kg/cm2 の圧
力下で行われる。
【0146】重合は、回分式、半連続式、連続式のいず
れの方法においても行うことができる。さらに重合を反
応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能であ
る。得られるプロピレン・エチレンランダム共重合体の
分子量は、重合系に水素を存在させるか、あるいは重合
温度、重合圧力を変化させることによって調節すること
ができる。
【0147】結晶核剤 本発明で必要に応じて用いられる結晶核剤としては、従
来知られている種々の結晶核剤が特に制限されることな
く用いられる。中でも、下記に挙げる結晶核剤を好まし
い結晶核剤として例示することができる。
【0148】
【化10】
【0149】(式中、R1 は酸素原子、硫黄原子または
炭素原子数1〜10の炭化水素基を示し、R2 、R3
水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基を示
し、R2、R3 は、互いに同一でも異なっていてもよ
く、R2 同士、R3 同士またはR2とR3 が結合して環
状となっていてもよく、Mは1〜3価の金属原子を示
し、nは1〜3の整数である。) 具体的には、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-
t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-
エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフ
ェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス-(4,6-ジ-t-ブ
チルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-エチリ
デン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェー
ト、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-i-プロピル-
6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、リチウム-2,2'-
メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)フォス
フェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-
t-ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス
[2,2'-チオビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)フォ
スフェート]、カルシウム-ビス[2,2'-チオビス(4-エ
チル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウ
ム-ビス[2,2'-チオビス-(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)
フォスフェート]、マグネシウム-ビス[2,2'-チオビス
(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート]、マグネ
シウム-ビス[2,2'-チオビス-(4-t-オクチルフェニル)
フォスフェート]、ナトリウム-2,2'-ブチリデン-ビス
(4,6-ジ-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム
-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フ
ォスフェート、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメチレン-
ビス(4,6-ジ-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリ
ウム-2,2'-t-オクチルメチレン-ビス(4,6-ジ-t- ブチ
ルフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス-(2,2'-
メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェ
ート)、マグネシウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-
ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート]、バリウム-ビス
[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォ
スフェート]、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4-メチ
ル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-
2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル)フ
ォスフェート、ナトリウム(4,4'-ジメチル-5,6'-ジ-t-
ブチル-2,2'-ビフェニル)フォスフェート、カルシウム-
ビス[(4,4'-ジメチル-6,6'-ジ-t-ブチル-2,2'-ビフェ
ニル)フォスフェート]、ナトリウム-2,2'-エチリデン-
ビス(4-m-ブチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェー
ト、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-メチルフ
ェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビ
ス(4,6-ジ-エチルフェニル)フォスフェート、カリウム
-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フ
ォスフェート、カルシウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビ
ス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フオスフェート]、マグ
ネシウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチ
ルフェニル)フォスフェート]、バリウム-ビス[2,2'-エ
チリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェ
ート]、アルミニウム-トリス[2,2'-メチレン-ビス(4,
6-ジ-t-ブチルフェル)フォスフェート]およびアルミニ
ウム-トリス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチル
フェニル)フォスフェート] およびこれらの2個以上の
混合物を例示することができる。
【0150】
【化11】
【0151】(式中、R4は水素原子または炭素原子数
1〜10の炭化水素基を示し、Mは1〜3価の金属原子
を示し、nは1〜3の整数である。) 具体的には、ナトリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)
フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-メチルフェニ
ル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-エチルフェ
ニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-i-プロピ
ルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-t-
オクチルフェニル)フォスフェート、カリウム-ビス(4
-t-ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス
(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、マグネシウム
-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウ
ム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、アル
ミニウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート
およびこれらの2種以上の混合物を例示することができ
る。
【0152】
【化12】
【0153】(式中、R5 は水素原子または炭素原子数
1〜10の炭化水素基である。) 具体的には、1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,
3-ベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトー
ル、1,3-ベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソル
ビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-ベンジリデ
ンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-ベン
ジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4
-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベ
ンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、1,
3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,
2,4-ジ(p-n-プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,
3,2,4-ジ(p-i-プロピルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-n-ブチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-s-ブチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(p-t-ブチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジ(2',4'-ジメチルベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3,2,4-ジ(p-メトキシベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3,2,4-ジ(p-エトキシベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3-ベンジリデン-2-4-p-クロルベンジリデンソル
ビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-ベンジリデ
ンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メ
チルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリ
デン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-
メチルベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビ
トール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-クロルベン
ジリデンソルビトールおよび1,3,2,4-ジ(p-クロルベン
ジリデン)ソルビトールおよびこれらの2個以上の混合
物を例示でき、特に1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトー
ル、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリ
デンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-クロルベンジリデ
ン)ソルビトールおよびそれらの2種以上の混合物が好
ましい。
【0154】その他の結晶核剤としては、芳香族カルボ
ン酸や脂肪族カルボン酸の金属塩を例示でき、具体的に
は、安息香酸アルミニウム塩、p-t-ブチル安息香酸アル
ミニウム塩やアジピン酸ナトリウム、チオフェネカルボ
ン酸ナトリウム、ピローレカルボン酸ナトリウムなどが
挙げられる。また、結晶核剤としてポリエチレン、テフ
ロン(登録商標)などのポリマー核剤を挙げることがで
きる。これらの結晶核剤のなかではソルビトール系の化
合物が好ましい。
【0155】組成物 本発明に係る軟質シンジオタクティックポリプロピレン
系組成物は、上記シンジオタクティックプロピレン重合
体(A)と上記α-オレフィン重合体(B)と上記アイ
ソタクティックプロピレン重合体(C)とからなり、シ
ンジオタクティックポリプロピレン(A)とアイソタク
ティックプロピレン重合体(C)の重量比{(A)/
(C)}が、99/1〜1/99、好ましくは95/5
〜10/90、さらに好ましくは90/10〜30/7
0の範囲内にあり、シンジオタクティックポリプロピレ
ン(A)とアイソタクティックプロピレン重合体(C)
との合計量(A+C)とα-オレフィン重合体(B)と
の重量比{(A+C)/(B)}が90/10〜10/
90、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ま
しくは75/25〜40/60の範囲にある。
【0156】上記のような割合で(A)、(B)および
(C)を含有する軟質シンジオタクティックポリプロピ
レン系組成物は、透明性、柔軟性、ヒートシール性、耐
衝撃性に優れる傾向がある。
【0157】本発明に係る軟質シンジオタクティックポ
リプロピレン系組成物は、さらに結晶核剤(D)を含有
してもよく、結晶核剤は、上記シンジオタクティックプ
ロピレン重合体(A)と上記α-オレフィン重合体
(B)と上記アイソタクティックプロピレン重合体
(C)との合計量100重量部に対して0.01〜1重
量部、好ましくは0.1〜0.8重量部の割合で含有す
ることが望ましい。
【0158】上記のような割合で(A)、(B)および
(C)を含有し、これにさらに結晶核剤(D)を添加す
ると、得られる軟質シンジオタクティックポリプロピレ
ン系組成物は、透明性、柔軟性、ヒートシール性、耐衝
撃性に優れる傾向がある。
【0159】このような軟質シンジオタクティックポリ
プロピレン系組成物からなる成形物は、メルトフローレ
ート(ASTM D 1238,230℃、荷重2.16
kg)が、通常0.0001〜1000g/10分、好ま
しくは0.0001〜900g/10分、さらに好ましく
は0.0001〜800g/10分であり、135℃のデ
カヒドロナフタレン中で測定される極限粘度[η]が、
通常0.01〜10dl/g、好ましくは0.05〜1
0dl/g、さらに好ましくは0.1〜10dl/gで
ある。
【0160】また、本発明に係る軟質シンジオタクティ
ックポリプロピレン系組成物のメルトテンション(M
T)は、通常0.5〜10g、好ましくは1〜10gで
あり、フィルム成形性等の成形性に優れている。なお、
このメルトテンション(MT)は、メルトテンションテ
スター((株)東洋精機製作所製)により、測定温度2
00℃、押出速度15mm/分の条件下で押し出される
ストランドを一定速度(10m/分)で引き取る際にフ
ィラメントにかかる張力として求めた。
【0161】軟質シンジオタクティックポリプロピレン
系組成物の製造 上記のような軟質シンジオタクティックポリプロピレン
系組成物は、各成分を上記のような範囲で種々公知の方
法、例えばヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボ
ンブレンダー、タンブラブレンダー等で混合する方法、
あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、
バンバリーミキサー等で溶融混練後、造粒あるいは粉砕
する方法を採用して製造することができる。
【0162】この軟質シンジオタクティックポリプロピ
レン系組成物には、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止
剤、顔料、染料、発錆防止剤、下記に詳述する「その他
の共重合体」(エラストマー、エラストマー用樹脂な
ど)等を、本発明の目的を損わない範囲で配合すること
もできる。
【0163】その他の共重合体 本発明に係る軟質シンジオタクティックポリプロピレン
系組成物には、必要により「その他の共重合体」が含ま
れていてもよい。
【0164】このような「その他の共重合体」として
は、後述するような水添されていてもよい芳香族炭化水
素系ブロック共重合体(E)、エチレン・α-オレフィ
ンブロック共重合体(F)、エチレン・トリエン共重合
体(G)、およびエチレン・スチレン系共重合体、エチ
レン・ジエン共重合体などが挙げられる。これらの共重
合体は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いら
れる。
【0165】これらの「その他の共重合体」は、本発明
の軟質シンジオタクティックポリプロピレン組成物10
0重量部に対して、通常0〜40重量部、好ましくは0
〜30重量部の割合で用いられる。
【0166】「その他の共重合体」を上記のような割合
で用いると、剛性および硬度、透明性、耐衝撃性のバラ
ンスに優れた成形体を製造可能な軟質シンジオタクティ
ックポリプロピレン組成物が得られる。
【0167】水添されていてもよい芳香族炭化水素系ブ
ロック共重合体(E) 本発明で必要に応じて用いられる水添されていてもよい
芳香族炭化水素系ブロック共重合体(E)はエラストマ
ーであり、芳香族ビニルから導かれるブロック重合単位
(X)と、共役ジエンから導かれるブロック重合単位
(Y)とからなる芳香族ビニル・共役ジエンブロック共
重合体(E1)またはその水添物(E2)である。
【0168】このような構成の芳香族ビニル・共役ジエ
ンブロック共重合体(E1)の形態は、例えばX(Y
X)n または(XY)n (nは1以上の整数)で示され
る。このうち、X(YX)n 、特にX−Y−Xの形態を
とるブロック共重合体が好ましく、具体的には、ポリス
チレン−ポリブタジエン(またはポリイソプレンまたは
ポリイソプレン・ブタジエン)−ポリスチレンの形態を
とるスチレン系ブロック共重合体が好ましい。
【0169】このような芳香族炭化水素系ブロック共重
合体では、ハードセグメントである芳香族ビニルブロッ
ク重合単位(X)が、共役ジエンブロック重合単位
(Y)の橋かけ点として存在し物理架橋(ドメイン)を
形成している。この芳香族ビニルブロック重合単位
(X)間に存在する共役ジエンブロック重合単位(Y)
は、ソフトセグメントであってゴム弾性を有している。
【0170】上記のような芳香族ビニルブロック重合単
位(X)を形成する芳香族ビニルとして具体的には、ス
チレンのほか、α−メチルスチレン、3-メチルスチレ
ン、p-メチルスチレン、4-プロピルスチレン、4-ドデシ
ルスチレン、4-シクロヘキシルスチレン、2-エチル-4-
ベンジルスチレン、4-(フェニルブチル)スチレンなど
のスチレン誘導体が挙げられる。これらのうちでは、ス
チレンが好ましい。
【0171】また、共役ジエンブロック重合単位(Y)
を形成する共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレ
ン、ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエンおよびこれ
らの組合せなどが挙げられる。これらのうち、ブタジエ
ンまたはイソプレンまたはブタジエンとイソプレンとの
組合せが好ましい。
【0172】この共役ジエンブロック重合単位(Y)が
ブタジエンとイソプレンとから導かれる場合には、イソ
プレンから導かれる単位を40モル%以上の割合で含有
していることが好ましい。
【0173】また、このようにブタジエン・イソプレン
共重合単位からなる共役ジエンブロック重合単位(Y)
は、ブタジエンとイソプレンとのランダム共重合単位、
ブロック共重合単位またはテーパード共重合単位のいず
れであってもよい。
【0174】上記のような芳香族ビニル・共役ジエンブ
ロック共重合体(E1)は、芳香族ビニルブロック重合
単位(X)含有量が22重量%以下であり、好ましくは
5〜22重量%である。この芳香族ビニル重合単位の含
有量は、赤外線分光法、NMR分光法などの常法によっ
て測定することができる。
【0175】また、芳香族ビニル・共役ジエンブロック
共重合体(E1)のメルトフローレート(MFR;AS
TM D 1238、200℃、荷重2.16kg)は、
通常5g/10分以上であり、好ましくは5〜100g/
10分である。
【0176】上記のような芳香族ビニル・共役ジエンブ
ロック共重合体(E1)の製造方法としては、種々の方
法が挙げられ、例えば、(1)n-ブチルリチウムなどの
アルキルリチウム化合物を開始剤として、芳香族ビニル
化合物、次いで共役ジエンを逐次重合させる方法、
(2)芳香族ビニル化合物次いで共役ジエンを重合さ
せ、これをカップリング剤によりカップリングさせる方
法、(3)リチウム化合物を開始剤として、共役ジエ
ン、次いで芳香族ビニル化合物を逐次重合させる方法な
どを挙げることができる。
【0177】また、芳香族ビニル・共役ジエンブロック
共重合体の水添物(E2)は、上記のような芳香族ビニ
ル・共役ジエンブロック共重合体(E1)を公知の方法
により水添することにより得ることができる。芳香族ビ
ニル・共役ジエンブロック共重合体の水添物(E2)
は、通常、水添率が90%以上である。
【0178】この水添率は、共役ジエンブロック重合単
位(Y)中の炭素−炭素二重結合の全量を100%とし
たときの値である。このような芳香族ビニル・共役ジエ
ンブロック共重合体の水添物(E2)としては、具体的
には、スチレン・イソプレンブロック共重合体の水添物
(SEP)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック
共重合体の水添物(SEPS;ポリスチレン・ポリエチ
レン/プロピレン・ポリスチレンブロック共重合体)、
スチレン・ブタジエンブロック共重合体の水添物(SE
BS;ポリスチレン・ポリエチレン/ブチレン・ポリス
チレンブロック共重合体)などが挙げられ、より具体的
には、HYBRAR(クラレ(株)製)、クレイトン
(シェル化学(株)製)、キャリフレックスTR(シェ
ル化学(株)製)、ソルプレン(フィリップスペトロリ
ファム社製)、ユーロプレンSOLT(アニッチ社
製)、タフプレン(旭化成工業(株)製)、ソルプレン
−T(日本エラストマー社製)、JSR−TR(日本合
成ゴム(株)製)、電化STR(電気化学工業(株)
製)、クインタック(日本ゼオン(株)製)、クレイト
ンG(シェル化学(株)製)、タフテック(旭化成工業
(株)製)(以上商品名)などが挙げられる。
【0179】芳香族ビニル・共役ジエンブロック共重合
体の水添物(E2)としては、これらのうちでもSEB
S、SEPSが好ましく用いられる。水添されていても
よい芳香族炭化水素系ブロック共重合体(E)は、軟質
シンジオタクティックポリプロピレン系組成物100重
量部に対して、通常0〜30重量%、好ましくは0〜2
5重量%の割合で用いることが望ましい。水添されてい
てもよい芳香族炭化水素系ブロック共重合体(E)を上
記のような割合で用いると、剛性および硬度、透明性、
耐衝撃性のバランスに優れた成形体を調製できる組成物
が得られる。
【0180】エチレン・α-オレフィンブロック共重合
体(F) 本発明で必要に応じて用いられるエチレン・α-オレフ
ィンブロック共重合体(F)は、エラストマーであり、
炭素原子数3〜10のα-オレフィンから導かれる繰返
し単位0〜20モル%と、エチレンから誘導される繰返
し単位100〜80モル%とからなる結晶性ポリエチレ
ン部と、炭素原子数2〜20のα-オレフィンから導か
れる繰返し単位を2種以上含む、低結晶性共重合体部ま
たは非晶性共重合体部とからなる。
【0181】本発明では、エチレンから導かれる繰返し
単位を30〜95モル%の割合で含有し、炭素原子数3
〜20のオレフィンから導かれる繰返し単位を70〜5
モル%の割合で含有しているエチレン・α-オレフィン
ブロック共重合体が好ましい。特にエチレンから導かれ
る繰返し単位を60〜90モル%の割合で含有し、炭素
原子数3〜20のオレフィンから導かれる繰返し単位を
40〜10モル%の割合で含有しているエチレン・α-
オレフィンブロック共重合体が好ましい。
【0182】ここで、炭素原子数3〜20のα-オレフ
ィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-
ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチ
ル-1-ペンテン、1-オクテン、3-メチル-1-ブテン、1-デ
セン、1-ドデセン、1-テトラドデセン、1-ヘキサデセ
ン、1-オクタデセン、1-エイコセン、シクロペンテン、
シクロヘプテン、ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボル
ネン、テトラシクロドデセン、2-エチル-1,4,5,8-ジメ
タノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンなど
が挙げられる。
【0183】結晶性ポリエチレン部において上記の炭素
原子数3〜20のα-オレフィンから導かれる繰返し単
位は、2種以上含有されていてもよい。また、本発明で
用いられるエチレン・α-オレフィンブロック共重合体
(F)は、炭素原子数4〜20のジエン化合物から誘導
される繰返し単位を5モル%以下の割合で含有していて
もよい。
【0184】このようなジエン化合物としては、具体的
には、1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,4-ペンタ
ジエン、1,3-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘ
キサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,
4-ヘキサジエン、6-メチル-1,6-オクタジエン、7-メチ
ル-1,6-オクタジエン、6-エチル-1,6-オクタジエン、6-
プロピル-1,6-オクタジエン、6-ブチル-1,6-オクタジエ
ン、6-メチル-1,6-ノナジエン、7-メチル-1,6-ノナジエ
ン、6-エチル-1,6-ノナジエン、7-エチル-1,6-ノナジエ
ン、6-メチル-1,6-デカジエン、7-メチル-1,6-デカジエ
ン、6-メチル-1,6-ウンデカジエン、1,7-オクタジエ
ン、1,9-デカジエン、イソプレン、ブタジエン、エチリ
デンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペン
タジエンなどが挙げられる。
【0185】このようなエチレン・α-オレフィンブロ
ック共重合体(F)は、メルトフローレート(MFR;
ASTM D 1238、190℃、荷重2.16kg)
が通常0.0001〜500g/10分、好ましくは0.
0001〜300g/10分、さらに好ましくは0.00
01〜200g/10分の範囲にあり、密度(ASTMD
1505)は、0.85〜0.90g/cm3 、好ま
しくは0.85〜0.89g/cm3 、さらに好ましく
は0.86〜0.89g/cm3 であることが望まし
い。
【0186】このエチレン・α-オレフィンブロック共
重合体(F)における沸騰ヘプタン不溶成分のX線回折
法により測定した結晶化度は、通常0〜30%、好まし
くは0〜28%、さらに好ましくは0〜25%である。
【0187】エチレン・α-オレフィンブロック共重合
体(F)の沸騰ヘプタン不溶成分は、以下のようにして
調製される。すなわち、撹拌装置付1リットルのフラス
コに、重合体試料3g、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチル
フェノール20mg、n-デカン500mlを入れ、14
5℃の油浴上で加熱溶解させる。重合体試料が溶解した
後、約8時間かけて室温まで冷却し、続いて23℃の水
浴上で8時間保持する。析出した重合体(23℃デカン
不溶成分)を含むn-デカン懸濁液をG−4(またはG−
2)のグラスフィルターで濾過分離し、減圧乾燥した
後、重合体1.5gを6時間以上ヘプタンを用いてソッ
クスレー抽出して沸騰ヘプタン不溶成分を得る。
【0188】結晶化度は、上記のようにして得られた沸
騰ヘプタン不溶成分を試料として用い、次のようにして
測定される。すなわち、試料を180℃の加圧成形機に
て厚さ1mmの角板に成形した後、直ちに水冷して得た
プレスシートを用い、理学電機(株)製ローターフレッ
クス RU300測定装置を用いて測定することにより
決定される(出力50kV、250mA)。この際の測
定法としては、透過法を用い、またサンプルを回転させ
ながら測定を行なう。
【0189】本発明で用いられるエチレン・α-オレフ
ィンブロック共重合体(F)の沸騰ヘプタン不溶成分の
密度は、通常0.86g/cm3 以上、好ましくは0.
87g/cm3 以上である。
【0190】また、エチレン・α-オレフィンブロック
共重合体(F)の23℃ n-デカン可溶成分量は、0.
1〜99%、好ましくは0.5〜99%、さらに好まし
くは1〜99%の範囲にある。
【0191】本発明では、エチレン・α-オレフィンブ
ロック共重合体(F)の23℃ n-デカン可溶成分量
は、次のようにして測定される。すなわち、撹拌装置付
1リットルのフラスコに、重合体試料3g、2,6-ジ-ter
t-ブチル-4-メチルフェノール20mg、n-デカン50
0mlを入れ、145℃の油浴上で加熱溶解させる。重
合体試料が溶解した後、約8時間かけて室温まで冷却
し、続いて23℃の水浴上で8時間保持する。析出した
重合体と、溶解ポリマーを含むn-デカン溶液とをG−4
(またはG−2)のグラスフィルターで濾過分離する。
このようにして得られた溶液を10mmHg、150℃
の条件で加熱してn-デカン溶液に溶解していたポリマー
を定量になるまで乾燥し、その重量を23℃n-デカン可
溶成分量とし、エチレン・α-オレフィンブロック共重
合体(F)の23℃ n-デカン可溶成分量は、重合体試
料の重量に対する百分率として算出する。
【0192】このような本発明で用いられるエチレン・
α-オレフィンブロック共重合体(F)は、従来公知の
方法により調製することができる。エチレン・α-オレ
フィンブロック共重合体(F)は、軟質シンジオタクテ
ィックポリプロピレン系組成物100重量部に対して、
通常0〜40重量%、好ましくは0〜35重量%の割合
で用いることが望ましい。エチレン・α-オレフィンブ
ロック共重合体(F)を上記のような割合で用いると、
剛性および硬度、透明性、耐衝撃性のバランスに優れた
成形体を調製できる組成物が得られる。
【0193】エチレン・トリエン共重合体(G) 本発明で必要に応じて用いられるエチレン・トリエン共
重合体(G)は、エラストマーであり、エチレンとトリ
エンとのランダム共重合体である。
【0194】エチレンと共重合させるトリエンとして具
体的には、6,10-ジメチル-1,5,9-ウンデカトリエン、4,
8-ジメチル-1,4,8-デカトリエン、5,9-ジメチル-1,4,8-
デカトリエン、6,9-ジメチル-1,5,8-デカトリエン、6,
8,9-トリメチル-1,5,8-デカトリエン、6-エチル-10-メ
チル-1,5,9-ウンデカトリエン、4-エチリデン-1,6-オク
タジエン、7-メチル-4-エチリデン-1,6-オクタジエン、
4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン(EMND)、
7-メチル-4-エチリデン-1,6-ノナジエン、7-エチル-4-
エチリデン-1,6-ノナジエン、6,7-ジメチル-4-エチリデ
ン-1,6-オクタジエン、6,7-ジメチル-4-エチリデン-1,6
-ノナジエン、4-エチリデン-1,6-デカジエン、7-メチル
-4-エチリデン-1,6-デカジエン、7-メチル-6-プロピル-
4-エチリデン-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-1,7-ノ
ナジエン、8-メチル-4-エチリデン-1,7-ノナジエン、4-
エチリデン-1,7-ウンデカジエン等の非共役トリエン;
1,3,5-ヘキサトリエン等の共役トリエン;などが挙げら
れる。これらのトリエンは、単独で、あるいは2種以上
組み合わせて用いることができる。
【0195】上記のようなトリエンは、たとえばEP0
691354A1公報、WO96/20150号公報に
記載されているような従来公知の方法によって調製する
ことができる。
【0196】本発明で用いられるエチレン・トリエン共
重合体(G)において、トリエンから導かれる繰返し単
位の含有割合は、通常0.1〜30モル%、好ましくは
0.1〜20モル%、さらに好ましくは0.5〜15モ
ル%の範囲内にあることが望ましい。ヨウ素価は、通常
1〜200、好ましくは1〜100、さらに好ましくは
1〜50であることが望ましい。
【0197】また、エチレン・トリエン共重合体(G)
の135℃のデカヒドロナフタレン中で測定した極限粘
度[η]は、0.01〜10dl/g、好ましくは0.
05〜10dl/g、さらに好ましくは0.1〜10d
l/gの範囲内にあることが望ましい。
【0198】上記のようなエチレン・トリエン共重合体
(G)は、従来公知の方法により調製することができ
る。エチレン・トリエン共重合体(G)は、軟質シンジ
オタクティックポリプロピレン系組成物100重量部に
対して、通常0〜40重量%、好ましくは0〜35重量
%の割合で用いることが望ましい。エチレン・トリエン
共重合体(G)を上記のような割合で用いると、剛性お
よび硬度、透明性、耐衝撃性のバランスに優れた成形体
を調製できる組成物が得られる。
【0199】成形体 上記のような本発明に係る軟質シンジオタクティックポ
リプロピレン系組成物は、従来公知のポリオレフィン用
途に広く用いることができ、例えばシート、未延伸また
は延伸フィルム、フィラメントなどを含む種々の形状の
成形体に成形して利用することができる。
【0200】成形体として具体的には、押出成形、射出
成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロー
成形、射出ブロー成形、プレス成形、真空成形、カレン
ダー成形、発泡成形などの公知の熱成形方法により得ら
れる成形体が挙げられる。
【0201】以下に数例挙げて成形体を説明する。本発
明に係る成形体がたとえば押出成形体である場合、その
形状および製品種類は特に限定されないが、たとえばシ
ート、フィルム(未延伸)、パイプ、ホース、電線被
覆、フィラメントなどが挙げられ、特にシート、フィル
ム、フィラメントなどが好ましい。
【0202】軟質シンジオタクティックポリプロピレン
系組成物を押出成形する際には、従来公知の押出装置お
よび成形条件を採用することができ、たとえば単軸スク
リュー押出機、混練押出機、ラム押出機、ギヤ押出機な
どを用いて、溶融したシンジオタクティックポリプロピ
レン組成物をTダイなどから押出すことによりシートま
たはフィルム(未延伸)などに成形することができる。
【0203】延伸フィルムは、上記のような押出シート
または押出フィルム(未延伸)を、たとえばテンター法
(縦横延伸、横縦延伸)、同時二軸延伸法、一軸延伸法
などの公知の延伸方法により延伸して得ることができ
る。
【0204】シートまたは未延伸フィルムを延伸する際
の延伸倍率は、二軸延伸の場合には通常20〜70倍程
度、また一軸延伸の場合には通常2〜10倍程度であ
る。延伸によって、厚み5〜200μm程度の延伸フィ
ルムを得ることが望ましい。
【0205】また、フィルム状成形体として、インフレ
ーションフィルムを製造することもできる。本発明に係
る軟質シンジオタクティックポリプロピレン系組成物を
インフレーション成形するとドローダウンが生じにく
い。
【0206】上記のような本発明に係る軟質シンジオタ
クティックポリプロピレン系組成物からなるシートおよ
びフィルム成形体は、帯電しにくく、引張弾性率などの
柔軟性、耐熱性、ヒートシール性、耐衝撃性、耐老化
性、透明性、透視性、光沢、剛性、防湿性およびガスバ
リヤー性に優れており、包装用フィルムなどとして幅広
く用いることができる。特に防湿性に優れるため、薬品
の錠剤、カプセルなどの包装に用いられるプレススルー
パック(press through pack)などに好適に用いられ
る。
【0207】フィラメントは、たとえば溶融した軟質シ
ンジオタクティックポリプロピレン系組成物を、紡糸口
金を通して押出すことにより製造することができる。こ
のようにして得られたフィラメントを、さらに延伸して
もよい。この延伸は、フィラメントの少なくとも一軸方
向が分子配向する程度に行なえばよく、通常5〜10倍
程度の倍率で行なうことが望ましい。本発明に係る軟質
シンジオタクティックポリプロピレン系組成物からなる
フィラメントは帯電しにくく、また透明性、剛性、耐熱
性および耐衝撃性に優れている。
【0208】射出成形体は、従来公知の射出成形装置を
用いて公知の条件を採用して、軟質シンジオタクティッ
クポリプロピレン系組成物を種々の形状に射出成形して
製造することができる。本発明に係る軟質シンジオタク
ティックポリプロピレン系組成物からなる射出成形体は
帯電しにくく、剛性、耐熱性、耐衝撃性、表面光沢、耐
薬品性、耐磨耗性などに優れており、自動車内装用トリ
ム材、自動車用外装材、家電製品のハウジング、容器な
ど幅広く用いることができる。
【0209】ブロー成形体は、従来公知のブロー成形装
置を用いて公知の条件を採用して、軟質シンジオタクテ
ィックポリプロピレン系組成物をブロー成形することに
より製造することができる。
【0210】たとえば押出ブロー成形では、上記軟質シ
ンジオタクティックポリプロピレン系組成物を樹脂温度
100℃〜300℃の溶融状態でダイより押出してチュ
ーブ状パリソンを形成し、次いでパリソンを所望形状の
金型中に保持した後空気を吹き込み、樹脂温度130℃
〜300℃で金型に着装することにより中空成形体を製
造することができる。延伸(ブロー)倍率は、横方向に
1.5〜5倍程度であることが望ましい。
【0211】また、射出ブロー成形では、上記軟質シン
ジオタクティックポリプロピレン系組成物を樹脂温度1
00℃〜300℃でパリソン金型に射出してパリソンを
成形し、次いでパリソンを所望形状の金型中に保持した
後空気を吹き込み、樹脂温度120℃〜300℃で金型
に着装することにより中空成形体を製造することができ
る。
【0212】延伸(ブロー)倍率は、縦方向に1.1〜
1.8倍、横方向に1.3〜2.5倍であるであること
が望ましい。本発明に係る軟質シンジオタクティックポ
リプロピレン系組成物からなるブロー成形体は、透明
性、剛性、耐熱性および耐衝撃性に優れるとともに防湿
性にも優れている。
【0213】プレス成形体としてはモールドスタンピン
グ成形体が挙げられ、たとえば基材と表皮材とを同時に
プレス成形して両者を複合一体化成形(モールドスタン
ピング成形)する際の基材を本発明に係る軟質シンジオ
タクティックポリプロピレン系組成物で形成することが
できる。
【0214】このようなモールドスタンピング成形体と
しては、具体的には、ドアートリム、リアーパッケージ
トリム、シートバックガーニッシュ、インストルメント
パネルなどの自動車用内装材が挙げられる。
【0215】本発明に係る軟質シンジオタクティックポ
リプロピレン系組成物は、透明性、高剛性を示し、たと
えばエラストマー成分を含有していても充分に高い剛性
を示すので、種々の高剛性用途に用いることができる。
たとえば特に自動車内外装材、家電のハウジング、各種
容器などの用途に好適に利用することができる。
【0216】本発明に係る軟質シンジオタクティックポ
リプロピレン系組成物からなるプレス成形体は帯電しに
くく、剛性、耐熱性、透明性、耐衝撃性、耐老化性、表
面光沢、耐薬品性、耐磨耗性などに優れている。
【0217】本発明の軟質シンジオタクティックポリプ
ロピレン系組成物は、上述したような各種成形法により
成形して、例えば下記の用途に好適に使用することがで
きる。
【0218】フィルム:多層延伸フィルム、多層未延伸
フィルム、ラミネートフィルム、シュリンクフィルム、
ストレッチフィルム、ラップフィルム、プロテクトフィ
ルム、レトルトフィルム、多孔性フィルム、バリアーフ
ィルム、金属蒸着フィルム、農業用フィルム シートおよびシート成形品:壁紙、発泡シート、電線被
覆、プリスター包装、トレー、文具、食品容器、玩具、
化粧品容器、医療器具、洗剤容器、床材、クッションフ
ロワー、化粧シート、靴底 ブロー品:ボトル 押出品:チューブ、電線被覆、ケーブル被覆、パイプ、
ガスケット ファイバー:繊維、フラットヤーン 不織布および不織布製品:不織布、フィルター 射出品:自動車内装表皮材、自動車外装材、日用雑貨
品、家電製品、キャップ、コンテナ、パレット 改質材:粘接着剤、潤滑油添加剤、ホットメルト接着
剤、トナー離型剤、顔料分散剤、アスファルト改質材 その他:シーラント、真空成形体、パウダースラッシュ
【0219】
【発明の効果】本発明によれば、透明性、耐衝撃性、柔
軟性、耐熱性、耐傷付性などのバランスに優れた成形物
が得られる。
【0220】
【実施例】以下、本発明について実施例に基づいてさら
に具体的に説明するが、本発明はかかる実施例により何
等限定されるものではない。
【0221】以下、物性試験条件等を記す。 1.引っ張り弾性率(ヤングモジュラス);JIS K
6301に準拠して、JIS 3号ダンベルを用い、ス
パン間:30mm、引っ張り速度:30mm/minで
23℃にて測定した。 2.マルテンス硬度(1/mm);東京衝機製のマルテ
ンス硬度引掻硬度試験機を用いて、厚さ3mmの試験片
に引っ掻き圧子20gの荷重を加え試料を引き掻いた時
に生じる溝幅を測定し、その逆数を算出した。 3.針侵入温度(℃);JIS K7196に準拠し、
厚さ2mmの試験片を用いて、昇温速度5℃/minで
1.8mmφの平面圧子に2kg/cm2 の圧力をか
け、TMA曲線より、針進入温度(℃)を求めた。 4.ヘイズ(%);厚さ1mmの試験片を用いて、日本
電色工業(株)製のデジタル濁度計「NDH−20D」
にて測定した。 5.融点(Tm)およびガラス転移温度(Tg);DS
Cの吸熱曲線を求め、最大ピーク位置の温度をTmとす
る。
【0222】測定は、試料をアルミパンに詰め、100
℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持し
たのち、10℃/分で−150℃まで降温し、次いで1
0℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。
【0223】6.極限粘度[η];135℃、デカリン
中で測定した。 7.Mw/Mn;GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー)を用い、オルトジクロロベンゼン溶媒
で、140℃で測定した。
【0224】
【合成例1】シンジオタクティックプロピレン重合体の
合成 特開平2−274763号公報に記載の方法に従い、ジ
フェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニ
ルジルコニウムジクロライドおよびメチルアルミノキサ
ンからなる触媒を用いて、水素の存在下でプロピレンの
塊状重合法によってシンジオタクチックポリプロピレン
を得た。得られたシンジオタクチックポリプロピレンの
メルトフローインデックスは、4.4g/10分であり、
GPCによる分子量分布は2.3であり、13C−NMR
によって測定されたシンジオタクチックtriad分率は
0.823であり、示差走査熱量分析で測定したTmは
127℃であり、Tcは57℃であった。
【0225】
【合成例2】α−オレフィン重合体の合成 減圧乾燥および窒素置換してある1.5リットルのオー
トクレーブに、常温でヘプタン750ml加え、続いて
トリイソブチルアルミニウム(以下「TIBA」と略
す)の1.0ミリモル/mlトルエン溶液をアルミニウ
ム原子が0.3ミリモルとなるように0.3ml加え、
撹拌下に下にプロピレンを30リットル(25℃、1気
圧)装入し、昇温を開始し60℃に到達させた。その後
系内をエチレンで5.9kg/cm2 Gとなるように加
圧し、公知の方法で合成した(ジメチル(t-ブチルアミ
ド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラ
ン)ジクロライドチタンのトルエン溶液(0.0001
mM/ml)を3.75ml、(トリフェニルカルベニ
ウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトル
エン溶液(0.001mM/ml)を2.0ml加え、
プロピレンとエチレンの共重合を開始させた。このとき
の触媒濃度は、全系に対して{ジメチル(t-ブチルアミ
ド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラ
ン}ジクロライドチタンが0.0005ミリモル/リッ
トル、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレートが0.002ミリモル/リットル
であった。重合中、エチレンを連続的に供給することに
より内圧を5.9kg/cm2Gに保持した。15分
後、重合反応をメチルアルコールを添加することにより
停止した。脱圧後、ポリマー溶液を取り出し、水1リッ
トルに対して濃塩酸5mlを添加した水溶液と1:1の
割合で用いて洗浄し触媒残差を水相に移行させた。この
接触混合溶液を静置したのち、水相を分離除去しさらに
蒸留水で2回水洗し、重合液相を油水分離した。次いで
油水分離された重合液相を3倍量のアセトンと強撹拌下
に接触させ、重合体を析出させたのち、アセトンで十分
に洗浄し固体部(共重合体)を濾過により採取した。窒
素流通下、130℃、350mmHgで12時間乾燥し
た。
【0226】以上のようにして得られたアタクティック
プロピレン・エチレン共重合体の収量は29gであり、
135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が3.2
dl/gであり、ガラス転移温度(Tg)は−22℃で
あり、エチレン含量は16.0モル%であり、活性は3
10kg/ミリモルZr・hrであり」、GPCによる
分子量分布は2.6であった。また、ヤングモジュラス
は、3MPaであった。
【0227】
【合成例3】α−オレフィン重合体の合成 減圧乾燥および窒素置換してある1.5リットルのオー
トクレーブに、常温でヘプタンを750ml加え、続い
てTIBAの1.0ミリモル/mlトルエン溶液をアル
ミニウム原子に換算してその量が0.3ミリモルとなる
ように0.3ml加え、攪拌下にプロピレンを50.7
リットル(25℃、1気圧)挿入し、昇温を開始し30
℃に到達させた。その後、系内をエチレンで5.5kg
/cm2Gとなるように加圧し、公知の方法で合成した
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオ
レニル)ジルコニウムジクロリドのヘプタン溶液(0.
0002mM/ml)を3.75ml、トリフェニルカ
ルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート
のトルエン溶液(0.002mM/ml)を2.0ml
加え、プロピレンとエチレンの共重合を開始させた。こ
の時の触媒濃度は、全系に対してジフェニルメチレン
(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジ
クロリドが0.001ミリモル/リットル、トリフェニ
ルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ートが0.004ミリモル/リットルであった。
【0228】重合中、エチレンを連続的に供給すること
により、内圧を5.5kg/cm2Gに保持した。重合
を開始して30分後、重合反応をメチルアルコールを添
加することにより停止した。脱圧後、ポリマー溶液を取
り出し、このポリマー溶液に対して、「水1リットルに
対して濃塩酸5mlを添加した水溶液」を1:1の割合
で用いてこのポリマー溶液を洗浄し、触媒残渣を水相に
移行させた。この触媒混合溶液を静置したのち、水相を
分離除去しさらに蒸留水で2回洗浄し、重合液相を油水
分離した。次いで、油水分離された重合液相を3倍量の
アセトンと強攪拌下に接触させ、重合体を析出させたの
ち、アセトンで十分に洗浄し固体部(共重合体)を濾過
により採取した。窒素流通下、130℃、350mmH
gで12時間乾燥した。
【0229】以上のようにして得られたシンジオタクテ
ィックプロピレン・エチレン共重合体の収量は50gで
あり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は
2.4dl/gであり、ガラス転移温度(Tg)は−2
8℃であり、エチレン含量は24.0モル%であり、G
PCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.9
であった。ヤングモジュラスは、2MPaであった。
【0230】また、前述のDSC測定条件では融解ピー
クは、実質的に観測されなかった。
【0231】
【合成例4】α−オレフィン重合体の合成 減圧乾燥および窒素置換してある1.5リットルのオー
トクレーブに、常温でヘプタンを710ml加え、続い
てTIBAの1.0ミリモル/mlトルエン溶液をアル
ミニウム原子に換算してその量が1.0ミリモルとなる
ように1.0ml加え、攪拌下に、1-ブテンを25g挿
入し、昇温を開始し30℃に到達させた。その後、系内
をプロピレンで6.0kg/cm2Gとなるように加圧
し、公知の方法で合成した{ジメチル(t-ブチルアミ
ド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラ
ン}ジクロライドチタンのトルエン溶液(0.01mM
/ml)を0.75ml、メチルアルミノキサンのトル
エン溶液(1mM/ml)を4.5ml加え、プロピレ
ンと1-ブテンの共重合を開始させた。このときの触媒濃
度は、全系に対して{ジメチル(t-ブチルアミド)(テ
トラメチル-η5-シクロ-ペンタジエニル)シラン}ジク
ロライドチタンが0.01ミリモル/リットル、メチル
アルミノキサンが6.0ミリモル/リットルであった。
【0232】重合中、プロピレンを連続的に供給するこ
とにより、内圧を6.0kg/cm 2Gに保持した。重
合を開始して15分後、重合反応をメチルアルコールを
添加することにより停止した。脱圧後、ポリマー溶液を
取り出し、このポリマー溶液に対して、「水1リットル
に対して濃塩酸5mlを添加した水溶液」を1:1の割
合で用いてこのポリマー溶液を洗浄し、触媒残渣を水相
に移行させた。この触媒混合溶液を静置したのち、水相
を分離除去しさらに蒸留水で2回洗浄し、重合液相を油
水分離した。次いで、油水分離された重合液相を3倍量
のアセトンと強攪拌下に接触させ、重合体を析出させた
のち、アセトンで十分に洗浄し固体部(共重合体)を濾
過により採取した。窒素流通下、130℃、350mm
Hgで12時間乾燥した。
【0233】以上のようにして得られたアタクティック
プロピレン・ブテン共重合体の収量は130gであり、
135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は1.1
dl/gであり、ガラス転移温度(Tg)は−8℃であ
り、ブテン含量は6.2モル%であり、GPCにより測
定した分子量分布(Mw/Mn)は2.8であった。ヤ
ングモジュラスは、5MPaであった。また、前述のD
SC測定条件では融解ピークは、実質的に観測されなか
った。
【0234】
【合成例5】アイソタクティックプロピレン重合体の合
充分に窒素置換した200リットルの撹拌翼のついた重
合器に、ヘキサンを80リットル、トリイソブチルアル
ミニウムを80ミリモル、水素0.25リットル、エチ
レン9kg、プロピレン0.3kgを仕込み、70℃に
昇温した後、メチルアルミノキサン18ミリモル、rac-
ジメチルシリレン−ビス(2-メチル-4-フェニル-1-イン
デニル)ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算して
0.06ミリモル加えプロピレンとエチレンをそれぞれ
13.7kg、0.5kgをフィードした。重合後、脱
気して大量のメタノール中でポリマーを回収し、80℃
で10時間減圧乾燥した。
【0235】得られたアイソタクティックプロピレン・
エチレンランダム共重合体は7.0kgであり、重合活
性は117kg・ポリマー/ミリモルZr・hrであっ
た。このポリマーは、分子量分布Mw/Mnは2.0で
あり、エチレンから導かれる単位が4.7モル%であ
り、極限粘度[η]は、2.7dl/gであり、融点は
123℃であった。
【0236】
【実施例1】上記合成例1で得られたシンジオタクティ
ックプロピレン重合体56重量部と、上記合成例2で得
られたアタクティックプロピレン・エチレン共重合体3
0重量部と、上記合成例5で得られたプロピレン・エチ
レンランダム共重合体14重量部を混練器に添加し、溶
融混練して軟質シンジオタクティックポリプロピレン系
組成物を得た。
【0237】得られた組成物の引張り弾性率は115M
Paであり、マルテンス硬度は、11.2であり、針進
入温度は118℃、Hazeは12.3%であった。
【0238】
【実施例2】上記合成例1で得られたシンジオタクティ
ックプロピレン重合体56重量部と、上記合成例2で得
られたアタクティックプロピレン・エチレン共重合体3
0重量部と、上記合成例5で得られたプロピレン・エチ
レンランダム共重合体14重量部と、ソルビトール系結
晶核剤ゲルオールMD(新日本理化学製)を0.02重量
部とを混練器に添加し、溶融混練して軟質シンジオタク
ティックポリプロピレン系組成物を得た。
【0239】この組成物の引張り弾性率は121MPa
であり、マルテンス硬度は、11.9であり、針進入温
度は126℃、Hazeは10.8%であった。
【0240】
【実施例3】上記合成例1で得られたシンジオタクティ
ックプロピレン重合体48重量部と、合成例3で得られ
たシンジオタクティックプロピレン・エチレン共重合体
40重量部と、合成例5で得られたプロピレン・エチレ
ンランダム共重合体12重量部の合計100重量部を添
加、溶融混練して軟質シンジオタクティックポリプロピ
レン系組成物を得た。
【0241】得られた組成物の引張り弾性率は182M
Paであり、マルテンス硬度は、14.0であり、針進
入温度は115℃、Hazeは8.0%であった。
【0242】
【実施例4】上記合成例1で得られたシンジオタクティ
ックプロピレン重合体48重量部と、上記合成例3で得
られたシンジオタクティックプロピレン・エチレン共重
合体40重量部と、上記合成例5で得られたプロピレン
・エチレンランダム共重合体12重量部と、ソルビトー
ル系結晶核剤ゲルオールMD(新日本理化学製)を0.0
2重量部とを混練器に添加し、溶融混練して軟質シンジ
オタクティックポリプロピレン系組成物を得た。
【0243】得られた組成物の引張り弾性率は191M
Paであり、マルテンス硬度は、14.9であり、針進
入温度は120℃、Hazeは7.8%であった。
【0244】
【実施例5】上記合成例1で得られたシンジオタクティ
ックプロピレン重合体56重量部と、上記合成例4で得
られたアタクティックプロピレン・ブテン共重合体30
重量部と、上記合成例5で得られたプロピレン・エチレ
ンランダム共重合体14重量部とを混練器に添加し、溶
融混練して軟質シンジオタクティックポリプロピレン系
組成物を得た。
【0245】得られた組成物の引張り弾性率は167M
Paであり、マルテンス硬度は、13.6であり、針進
入温度は120℃、Hazeは16.0%であった。
【0246】
【実施例6】上記合成例1で得られたシンジオタクティ
ックプロピレン重合体56重量部と、上記合成例4で得
られたアタクティックプロピレン・ブテン共重合体30
重量部と、上記合成例5で得られたプロピレン・エチレ
ンランダム共重合体14重量部と、ソルビトール系結晶
核剤ゲルオールMD(新日本理化学製)を0.02重量部
とを混練器に添加し、溶融混練して軟質シンジオタクテ
ィックポリプロピレン系組成物を得た。
【0247】得られた組成物の引張り弾性率は171M
Paであり、マルテンス硬度は、14.3であり、針進
入温度は126℃、Hazeは13.8%であった。
【0248】
【比較例1】上記合成例2で得られたアタクティックプ
ロピレン・エチレン共重合体30重量部と、上記合成例
5で得られたプロピレン・エチレンランダム共重合体7
0重量部とを混練器に添加し、溶融混練してポリプロピ
レン系組成物を得た。
【0249】得られた組成物の引張り弾性率は244M
Paであり、マルテンス硬度は、8.0であり、針進入
温度は129℃、Hazeは91.6%であった。
【0250】
【比較例2】上記合成例3で得られたシンジオタクティ
ックプロピレン・エチレン共重合体40重量部と、上記
合成例5で得られたプロピレン・エチレンランダム共重
合体60重量部とを混練器に添加し、溶融混練してポリ
プロピレン系組成物を得た。
【0251】得られた組成物の引張り弾性率は248M
Paであり、マルテンス硬度は、8.2であり、針進入
温度は129℃、Hazeは92.6%であった。
【0252】
【比較例3】上記合成例4で得られたアタクティックプ
ロピレン・ブテン共重合体30重量部と、上記合成例5
で得られたプロピレン・エチレンランダム共重合体70
重量部とを混練器に添加し、溶融混練してポリプロピレ
ン系組成物を得た。
【0253】得られた組成物の引張り弾性率は250M
Paであり、マルテンス硬度は、8.1であり、針進入
温度は128℃、Hazeは90.5%であった。以上
の結果を表2に示す。
【0254】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金 子 和 義 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BB03X BB05X BB12W BB12X BB12Y BB14W BB14X BB14Y BB15W BB15X BB15Y BB17X BB19X EC056 EW046 FD206 4J028 AA01A AB01A AC01A AC10A AC28A AC45A AC49A BA00A BA01B BB00B BB01B BC12B BC15B BC16B BC17B BC19B BC25B BC26B BC28B BC29B EB01 EB02 EB03 EB04 EB05 EB06 EB07 EB08 EB09 EB10 EC01 EC02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)実質的にシンジオタクティック構造
    であるプロピレンから導かれる繰返し単位(a)と、必
    要に応じてエチレンから導かれる繰返し単位(b)およ
    び/または炭素原子数4〜20のα-オレフィンから導
    かれる繰返し単位(c)とからなり、前記繰返し単位
    (a)を90〜100モル%の割合で、前記繰返し単位
    (b)を0〜10モル%の割合で、前記繰返し単位
    (c)を0〜9.5モル%の割合で含有し、135℃の
    デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜10d
    l/gの範囲にあるシンジオタクティックプロピレン重
    合体と、(B)炭素原子数が2〜20のα-オレフィン
    から選ばれるα-オレフィンから導かれる繰返し単位少
    なくとも1種以上からなり、かつ前記1種以上の繰返し
    単位のうちの1種の繰返し単位を50〜100モル%の
    割合で含有し、ヤングモジュラスが150MPa以下で
    あるα-オレフィン重合体と、(C)実質的にアイソタ
    クティック構造であるプロピレンから導かれる繰返し単
    位(a)と、必要に応じてエチレンから導かれる繰返し
    単位(b)および/または炭素原子数4〜20のα-オ
    レフィンから導かれる繰返し単位(c)とからなり、前
    記繰返し単位(a)を90〜100モル%の割合で、前
    記繰返し単位(b)を0〜10モル%の割合で、前記繰
    返し単位(c)を0〜9.5モル%の割合で含有し、1
    35℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5
    〜6dl/gの範囲にあるアイソタクティックプロピレ
    ン重合体とを含み、 前記シンジオタクティックプロピレン重合体(A)と前
    記アイソタクティックプロピレン重合体(C)との重量
    比{(A)/(C)}が99/1〜1/99の範囲にあ
    り、かつシンジオタクティックプロピレン重合体(A)
    とアイソタクティックプロピレン重合体(C)との合計
    量(A+C)と前記α-オレフィン重合体(B)との重
    量比{(A+C)/(B)}が90/10〜10/90
    の範囲にあることを特徴とする軟質シンジオタクティッ
    クポリプロピレン系組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の軟質シンジオタクティッ
    クポリプロピレン系組成物と結晶核剤(D)とからな
    り、結晶核剤(D)を前記軟質シンジオタクティックポ
    リプロピレン系組成物100重量部に対して0.01〜
    1重量部の割合で含有することを特徴とする軟質シンジ
    オタクティックポリプロピレン系組成物。
  3. 【請求項3】上記結晶核剤(D)は、ソルビトール系結
    晶核剤である請求項2に記載の軟質シンジオタクティッ
    クポリプロピレン系組成物。
  4. 【請求項4】上記(A)シンジオタクティックプロピレ
    ン重合体は、プロピレンのtriad連鎖でみたシンジオタ
    クティシティーが0.6以上であり、 上記α-オレフィン重合体(B)は、135℃のデカリ
    ン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜10dl/
    gの範囲にあり、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
    ィーにより求めた分子量分布(Mw/Mn)が4以下で
    あり、ガラス転移温度が−5℃以下である請求項1ない
    し3のいずれかに記載の軟質シンジオタクティックポリ
    プロピレン系組成物。
  5. 【請求項5】上記(B)α-オレフィン重合体は、エチ
    レンから導かれる繰返し単位が50〜99モル%の割合
    で、炭素原子数3〜20のα-オレフィンから選ばれる
    少なくとも1種以上のα-オレフィンから導かれる繰返
    し単位を1〜50モル%の割合で含有する共重合体であ
    る請求項1ないし4のいずれかに記載の軟質シンジオタ
    クティックポリプロピレン系組成物。
  6. 【請求項6】上記(B)α-オレフィン重合体が、プロ
    ピレンから導かれる繰返し単位を50〜99モル%の割
    合で、エチレンおよび炭素原子数4〜20のα-オレフ
    ィンから選ばれる少なくとも1種以上のα-オレフィン
    から導かれる繰返し単位を1〜50モル%の割合で含有
    する共重合体である請求項1ないし4のいずれかに記載
    の軟質シンジオタクティックポリプロピレン系組成物。
  7. 【請求項7】上記アイソタクティックプロピレン重合体
    (C)は、プロピレンのtriad連鎖でみたミクロアイソ
    タクティシティーが0.8以上である請求項1〜6のい
    ずれかに記載の軟質シンジオタクティックポリプロピレ
    ン系組成物。
  8. 【請求項8】上記α-オレフィン重合体(B)が、
    (a)下記一般式(I)または(II)で表される遷移金
    属化合物と、(b)(b-1)上記遷移金属化合物(a)
    中の遷移金属Mと反応してイオン性の錯体を形成する化
    合物、(b-2)有機アルミニウムオキシ化合物、(b-3)
    有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の
    化合物とからなるメタロセン系触媒の存在下に得られた
    ものである請求項1〜7のいずれかに記載の軟質シンジ
    オタクティックポリプロピレン系組成物; 【化1】 (式(I)、(II)中、Mは、Ti、Zr、Hf、R
    n、Nd、SmまたはRuを示し、Cp1 およびCp2
    は、Mとπ結合しているシクロペンタジエニル基、イン
    デニル基、フルオレニル基またはそれらの誘導体基であ
    り、X1 およびX2は、アニオン性配位子または中性ル
    イス塩基配位子であり、Yは、窒素原子、酸素原子、リ
    ン原子または硫黄原子を含有する配位子であり、Zは
    C、O、B、S、Ge、SiもしくはSn原子またはこ
    れらの原子を含有する基である。)
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