JP2001172452A - シンジオタクティックポリプロピレン系組成物 - Google Patents

シンジオタクティックポリプロピレン系組成物

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JP2001172452A
JP2001172452A JP35954499A JP35954499A JP2001172452A JP 2001172452 A JP2001172452 A JP 2001172452A JP 35954499 A JP35954499 A JP 35954499A JP 35954499 A JP35954499 A JP 35954499A JP 2001172452 A JP2001172452 A JP 2001172452A
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propylene
copolymer
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rac
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JP35954499A
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English (en)
Inventor
Kenichi Morisono
園 賢 一 森
Ryoji Mori
亮 二 森
Kazuyoshi Kaneko
子 和 義 金
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明に係るシンジオタクティックポリプ
ロピレン系組成物は、特定のシンジオタクティックポリ
プロピレン(i)と、特定の2種以上のα−オレフィン
系共重合体(ii)と、特定のアイソタクティックプロピ
レン(共)重合体(iii)とを含み、シンジオタクティ
ックポリプロピレン(i)とアイソタクティックプロピ
レン(共)重合体(iii)との重量比{(i)/(ii
i)}が99/1〜1/99の範囲にあり、シンジオタ
クティックポリプロピレン(i)とアイソタクティック
プロピレン(共)重合体(iii)との混合物(iv)と2
種以上のα−オレフィン系共重合体(ii)の合計との重
量比{(iv)/(ii)}が90/10〜10/90の範
囲にあり、2種以上のα−オレフィン系共重合体の各々
の含有量が少なくとも1重量%であることを特徴として
いる。 【効果】本発明によれば、透明性、耐衝撃性、柔軟性、
耐熱性、耐傷付性などのバランスに優れた成形物を得る
ことができるポリプロピレン組成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、シンジオタクティックポ
リプロピレン系組成物に関し、さらに詳しくは、透明
性、柔軟性、耐衝撃性、ヒートシール性に優れたシンジ
オタクティックポリプロピレン系組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】プロピレンとエチレン、必要に応
じて炭素原子数4〜20のα−オレフィンを共重合させ
て得られるアイソタクティックポリプロピレンからなる
フィルムは、安価で柔軟性、耐湿性、耐熱性に優れてい
るため各種の包装材料に広く使用されている。しかしな
がら、内容物の破損等を防ぐため、フィルムの厚さを増
すと透明性、柔軟性、ヒートシール性が悪化し、またこ
れを改良するためランダムアイソタクティックプロピレ
ン系共重合体中のコモノマー含量を増やすと、べた成分
が顕著となるとともに、耐ブロッキング性が問題となる
などの問題点があり、厚物フィルムで透明性、柔軟性、
ヒートシール性に優れる材料の製造は困難であった。
【0003】一方、シンジオタクティックポリプロピレ
ンは、バナジウム化合物とエーテルおよび有機アルミニ
ウムからなる触媒の存在下に低温重合により得られるこ
とが知られている。しかしながらこの方法で得られるポ
リマーは、そのシンジオタクティシティが低く、本来の
シンジオタックティックな性質を表しているとは言い難
かった。
【0004】これに対して、J.A.Ewenらによ
り、非対称な配位子を有する遷移金属触媒とアルミノキ
サンからなる触媒の存在下にシンジオタックティックペ
ンタッド分率が0.7を超えるようなタクティシティの
高いポリプロピレンが得られることが初めて発見された
(J.Am.Chem.Soc.,1988,110,
6255−6256)。
【0005】上記J.A.Ewenらの方法により得ら
れたポリマーは、シンジオタクティシティが高く、アイ
ソタクティックポリプロピレンよりもエラスティックな
性質を有していたが、これを軟質な成形材料として、た
とえば、軟質塩化ビニルや加硫ゴム等が使用されている
分野に利用しようとする場合、その柔軟性やゴム弾性、
機械的強度は充分なものではなかった。
【0006】一般に、プロピレン系重合体にプロピレン
構成単位の立体規則性がアイソタクティックであるエチ
レン−プロピレン共重合体ゴム等を配合することにより
その柔軟性や耐衝撃性を改良する試みがなされている
が、この方法により得られる樹脂組成物からなる成形物
は、柔軟性や耐衝撃性がある程度は改良されるものの充
分なものではなかった。
【0007】そこで本願発明者らは、上記問題を解決す
べく鋭意研究し、特定のシンジオタクティックポリプロ
ピレンと、特定の2種以上のα−オレフィン系共重合体
と、結晶核剤とからなるシンジオタクティックポリプロ
ピレン組成物を用いると、透明性と柔軟性、ヒートシー
ル性、耐衝撃性などのバランスに優れた組成物が得られ
ることを見いだして、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、透明性、柔軟
性、ヒートシール性、耐衝撃性に優れたシンジオタクテ
ィックポリプロピレン系組成物を提供することを目的と
している。
【0009】
【発明の概要】本発明に係るシンジオタクティックポリ
プロピレン系組成物は、(i)実質的にシンジオタクテ
ィック構造である、プロピレン成分から導かれる構成単
位(A)と、必要に応じ、エチレンから導かれる構成単
位(B)および/または炭素原子数4〜20のα−オレ
フィンから導かれる構成単位(C)とからなり、前記構
成単位(A)が90〜100、モル%の量で、前記構成
単位(B)が0〜10モル%の量で、前記構成単位
(C)が0〜9.5モル%の量で含まれ、135℃のデ
カリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜10dl
/gの範囲にあるシンジオタクティックポリプロピレン
と、(ii)炭素原子数2〜20のα−オレフィンから
選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンから導かれる
構成単位が50〜100モル%の量で含まれかつ、ヤン
グモジュラスが150MPa以下である2種以上のα−
オレフィン系共重合体と、(iii)実質的にアイソタ
クティック構造である、プロピレン成分から導かれる構
成単位(A)と、必要に応じ、エチレンから導かれる構
成単位(B)および/または炭素原子数4〜20のα−
オレフィンから導かれる構成単位(C)とからなり、前
記構成単位(A)が90〜100モル%の量で、前記構
成単位(B)が0〜10モル%の量で、前記構成単位
(C)が0〜9.5モル%の量で含まれ、135℃のデ
カリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜6dl/
gの範囲にあるアイソタクティックプロピレン(共)重
合体とを含み、前記シンジオタクティックポリプロピレ
ン(i)と前記アイソタクティックプロピレン(共)重
合体(iii)との重量比{(i)/(iii)}が9
9/1〜1/99の範囲にあり、前記シンジオタクティ
ックポリプロピレン(i)と前記アイソタクティックプ
ロピレン(共)重合体(iii)との混合物(iv)と
前記2種以上のα−オレフィン系共重合体(ii)の合
計との重量比{(iv)/(ii)}が90/10〜1
0/90の範囲にあり、前記2種以上のα−オレフィン
系共重合体の各々の含有量が少なくとも1重量%である
ことを特徴としている。
【0010】本発明に係る好ましい態様においては、前
記シンジオタクティックポリプロピレン系組成物100
重量部に対して(v)結晶核剤が0.01〜1重量部の
量で含まれることが望ましい。
【0011】本発明では、前記シンジオタクティックポ
リプロピレン(i)は、プロピレンのtriad連鎖でみた
シンジオタクティシティーが0.6以上の範囲にあり、
前記α−オレフィン系共重合体(ii)は、135℃の
デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜10
dl/gの範囲にあり、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/
Mn)が4以下であり、ガラス転移温度(Tg)が−5
℃以下であるシンジオタクティックポリプロピレン系組
成物に対して、(v)結晶核剤が0.01〜1重量部の
量で含まれることが好ましい。
【0012】また本発明では、前記α−オレフィン系共
重合体(ii)が、エチレンから導かれる構成単位を5
0〜99モル%の量で含み、炭素原子数3〜20のα−
オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィ
ンから導かれる構成単位を1〜50モル%の量で含むこ
とが好ましい。
【0013】さらに本発明では、前記α−オレフィン系
共重合体(ii)は、プロピレンから導かれる構成単位
を50〜99モル%の量で含み、プロピレンを除く炭素
原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくと
も1種のα−オレフィンから導かれる構成単位を1〜5
0モル%の量で含むことが好ましい。
【0014】前記アイソタクティックプロピレン(共)
重合体(iii)は、プロピレンのtriad連鎖でみたミ
クロアイソタクティシティーが0.8以上の範囲にある
ことが好ましい。
【0015】前記α−オレフィン系共重合体(ii)
は、下記成分(a)と、下記成分(b)、(c)および
(d)のうちから選択される少なくとも1種の化合物と
からなる少なくとも1種の触媒系の存在下に得られたも
のであることが好ましい; (a):下記式(I)または式(II)で表される遷移
金属錯体
【0016】
【化2】
【0017】[式(I)、(II)中、MはTi、Z
r、Hf、Rn、Nd、SmまたはRuであり、Cp1
およびCp2はMとπ結合しているシクロペンタジエニ
ル基、インデニル基、フルオレニル基またはそれらの誘
導体基であり、X1およびX2は、アニオン性配位子また
は中性ルイス塩基配位子であり、Yは窒素原子、酸素原
子、リン原子、または硫黄原子を含有する配位子であ
り、ZはC、O、B、S、Ge、SiまたはSn原子あ
るいはこれらの原子を含有する基である。] (b):成分(a)中の遷移金属Mと反応し、イオン性
の錯体を形成する化合物(c):有機アルミニウム化合
物 (d):アルミノキサン。
【0018】本発明に係る前記シンジオタクティックポ
リプロピレン系組成物は、透明性、柔軟性、ヒートシー
ル性、耐衝撃性にバランス良く優れている。
【0019】
【発明の具体的説明】
【0020】以下、本発明にシンジオタクティックポリ
プロピレン系組成物について具体的に説明する。[シン
ジオタクティックポリプロピレン系組成物]本発明に係
るシンジオタクティックポリプロピレン系組成物は、
(i)実質的にシンジオタクティック構造であるプロピ
レン成分から導かれる構成単位(A)と、必要に応じ、
エチレンから導かれる構成単位(B)および/または炭
素原子数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単
位(C)とからなり、前記構成単位(A)が90〜10
0モル%の量で、前記構成単位(B)が0〜10モル%
の量で、前記構成単位(C)が0〜9.5モル%の量で
含まれ、135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]が0.5〜10dl/gの範囲にあるシンジオタ
クティックポリプロピレンと、(ii)炭素原子数2〜
20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα
−オレフィンから導かれる構成単位が50〜100モル
%の量で含まれ、かつヤングモジュラス(ヤング率)が
150MPa以下である2種以上のα−オレフィン系共
重合体と、(iii)実質的にアイソタクティック構造
である、プロピレンから導かれる構成単位(A)と、必
要に応じ、エチレンから導かれる構成単位(B)および
/または炭素原子数4〜20のα−オレフィンから導か
れる構成単位(C)とからなり、前記構成単位(A)が
90〜100モル%の量で、前記構成単位(B)が0〜
10モル%の量で、前記構成単位(C)が0〜9.5モ
ル%の量で含まれ、135℃のデカリン中で測定した極
限粘度[η]が0.5〜6dl/gの範囲にあるアイソ
タクティックプロピレン(共)重合体とを含んでいる。
【0021】以下、まず初めに、このシンジオタクティ
ックポリプロピレン系組成物に含まれる各成分(i)、
(ii)、(iii)について説明する。<(i)シンジオタクティックポリプロピレン> 本発明
に係るシンジオタクティックポリプロピレン(i)は、
プロピレン成分から導かれる構成単位(A)と、必要に
応じ、エチレンから導かれる構成単位(B)および/ま
たは炭素原子数4〜20のα−オレフィンから導かれる
構成単位(C)とからなるシンジオタクティックポリプ
ロピレンであって、前記構成単位(A)が90〜100
モル%の量で、好ましくは92〜100モル%の量で、
さらに好ましくは92〜98モル%の量で含まれ、前記
構成単位(B)が0〜10モル%の量で、好ましくは0
〜8モル%の量で、さらに好ましくは0.2〜8モル%
の量で含まれ、前記構成単位(C)が0〜9.5モル%
の量で、好ましくは0〜8.5モル%の量で、さらに好
ましくは0〜7モル%の量で含まれることが望ましい。
【0022】このようなシンジオタクティックポリプロ
ピレン中の構成単位(C)として用いられる炭素原子数
4〜20のα−オレフィンとしては、具体的には1−ブ
テン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4
−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、
1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘ
キサデセン、1−オクタデセン、1−エイコサンなどが
挙げられ、このうち1−ブテンが好ましい。
【0023】また前記シンジオタクティックポリプロピ
レンの135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]
は0.5〜10dl/g、好ましくは1.0〜6dl/
g、さらに好ましくは1.0〜4dl/gの範囲にある
ことが望ましく、極限粘度がこのような範囲にあると、
良好な流動性を示し、このシンジオタクティックポリプ
ロピレンを他の成分と配合し易く、また得られた組成物
から機械的強度に優れた成形品が得られる傾向がある。
また、前記シンジオタクティックポリプロピレンにおい
て、プロピレンのtriad連鎖でみたシンジオタクティシ
ティーが0.6以上、好ましくは0.7以上の範囲にあ
ることが望ましく、シンジオタクティシティーがこのよ
うな範囲にあると結晶化速度が速く、加工性に優れる。
【0024】ここでtriad連鎖でみたシンジオタク
ティシティーについて説明する。このシンジオタクティ
ックポリプロピレン(i)のトリアドタクティシティ
は、該共重合体の13C−NMRスペクトルおよび下記式
(1) により、頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖部の
第2単位目の側鎖メチル基の強度(面積)比として求め
られる。
【0025】
【数1】
【0026】(式中、PPP(mm)、PPP(mr)、PPP
(rr)は、それぞれ13C−NMRスペクトルの下記シフト
領域で観察される頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖
部の第2単位目の側鎖メチル基の面積である。)
【0027】
【表1】
【0028】このようなPPP(mm)、PPP(mr)、PP
P(rr)は、それぞれ下記構造の頭−尾結合したプロピレ
ン3単位連鎖を示す。
【0029】
【化3】
【0030】なおメチル炭素領域内(19〜23ppm )
では、上記のような頭−尾結合プロピレン3連鎖中のプ
ロピレン単位の側鎖メチル基以外にも、下記のような他
の連鎖中のプロピレン単位の側鎖メチル基ピークが観測
される。rr分率を求める際には、このようなプロピレ
ン単位3連鎖に基づかないメチル基のピーク面積を下記
のように補正する。なお以下、Eはエチレンから導かれ
る単位を示す。
【0031】第2領域内では、プロピレン同士が頭−
尾結合したPPE3連鎖中の第2単位(プロピレン単
位)目の側鎖メチル基に由来するピークが観測される。
このメチル基ピークの面積は、PPE連鎖中の第2単位
(プロピレン単位)のメチン基(30.6ppm 付近で共
鳴)のピーク面積から求めることができる。
【0032】第3領域内では、EPE3連鎖中の第2
単位(プロピレン単位)目の側鎖メチル基に由来するピ
ークが観測される。このメチル基ピーク面積は、EPE
連鎖中の第2単位(プロピレン単位)のメチン基(3
2.9ppm 付近で共鳴)のピーク面積から求めることが
できる。
【0033】第2領域および第3領域内では、エチレ
ン・エチレンランダム共重合体中に少量含まれる、下記
部分構造(i) 、(ii)および(iii) で示されるような位置
不規則単位中のメチル基C〜E’に由来するピークが観
察される。
【0034】第2領域では、メチル基Cピーク、メチル
基Dピークおよびメチル基D’ピークが観測され、第3
領域では、メチル基Eピークおよびメチル基E’ピーク
が観測される。
【0035】なお位置不規則単位(i) 〜(iii) 中のメチ
ル基中、メチル基Aピークおよびメチル基Bピークは、
それぞれ17.3ppm 、17.0ppm で観測され、第1〜
3領域内では観測されない。
【0036】
【化4】
【0037】メチル基Cのピーク面積は、隣接するメチ
ン基(31.3ppm 付近で共鳴)のピーク面積より求め
ることができる。メチル基Dのピーク面積は、構造(ii)
のαβメチレン炭素に基づくピーク(34.3ppm 付近
および34.5ppm 付近)のピーク面積の和の1/2よ
り求めることができる。
【0038】メチル基D’のピーク面積は、構造(iii)
のメチル基E’に隣接するメチン基に基づくピーク(3
3.3ppm 付近)の面積より求めることができる。メチ
ル基Eのピーク面積は、隣接するメチン炭素(33.7p
pm 付近)のピーク面積より求めることができる。
【0039】メチル基E’のピーク面積は、隣接するメ
チン炭素(33.3ppm 付近)のピーク面積より求める
ことができる。
【0040】したがってこれらのピーク面積を第2領域
および第3領域の全ピーク面積より差し引くことによ
り、頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖中の第2プロ
ピレン単位の側鎖メチル基のピーク面積を求めることが
できる。
【0041】なおスペクトル中の各炭素ピークは、文献
(Polymer,30,1350(1989) )を参考にして帰属すること
ができる。このようなシンジオタクティックポリプロピ
レンの製造の際には、触媒としては、下記成分(a1)
と、下記成分(b1)、(c1)および(d1)のうち
から選択される1種以上の化合物とからなる少なくとも
1種の触媒系が好ましく用いられる。
【0042】(a1):下記一般式(I)または式(II)
で表される遷移金属錯体
【0043】
【化5】
【0044】[式(I)、(II)中、MはTi、Zr、
Hf、Rn、Nd、SmまたはRuであり、Cp1およ
びCp2はMとπ結合しているシクロペンタジエニル
基、インデニル基、フルオレニル基またはそれらの誘導
体基であり、X1およびX2は、アニオン性配位子または
中性ルイス塩基配位子であり、Yは窒素原子、酸素原
子、リン原子、または硫黄原子を含有する配位子であ
り、ZはC、O、B、S、Ge、SiまたはSn原子あ
るいはこれらの原子を含有する基である。] (b1):成分(a1)中の遷移金属Mと反応し、イオ
ン性の錯体を形成する化合物 (c1):有機アルミニウム化合物 (d1):アルミノキサン(アルミニウムオキシ化合物
ともいう。)。
【0045】以下成分(a1)、(b1)、(c1)お
よび(d1)について説明する。
【0046】<遷移金属錯体(a1)>本発明のシンジ
オタクティックポリプロピレン(i)の製造に係る触媒
成分(a1)は、後述するα−オレフィン系共重合体
(ii)の製造に係る遷移金属触媒(a2)と同様の触
媒を用いることができ、成分(a1)の詳細については
後述する。 <成分(a1)中の遷移金属Mと反応し、イオン性の錯体を
形成する化合物(b1)>本発明で用いられる触媒を形成
する前記遷移金属化合物(I)、または(II)と反応し
てイオン対を形成する化合物(b1)としては、特開平
1−501950号公報、特開平1−502036号公
報、特開平3−179005号公報、特開平3−179
006号公報、特開平3−207703号公報、特開平
3−207704号公報、US−547718号公報な
どに記載されたルイス酸、イオン性化合物およびカルボ
ラン化合物を挙げることができる。
【0047】ルイス酸としては、トリフェニルボロン、
トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリ
ル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-
ジメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボロン、MgCl2、Al23、SiO2-Al2
3などが例示できる。
【0048】イオン性化合物としては、トリフェニルカ
ルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、トリn-ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェ
ロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート
などが例示できる。
【0049】カルボラン化合物としては、ドデカボラ
ン、1-カルバウンデカボラン、ビスn-ブチルアンモニウ
ム(1-カルベドデカ)ボレート、トリn-ブチルアンモニ
ウム(7,8-ジカルバウンデカ)ボレート、トリn-ブチル
アンモニウム(トリデカハイドライド-7-カルバウンデ
カ)ボレートなどが例示できる。
【0050】上記のようなイオン対を形成する化合物
(b1)は、1種または2種以上組合せて用いることが
できる。 <有機アルミニウム化合物(c1)>本発明において、
触媒を形成する際に必要に応じて用いられる有機アルミ
ニウム化合物(c1)は、たとえば下記一般式(IV)で
示される。
【0051】R9 nAlX3-n … (IV) (式中、R9は炭素数1〜12の炭化水素基であり、X
はハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3であ
る。) 上記一般式(IV)において、R9 は炭素原子数1〜12
の炭化水素基たとえばアルキル基、シクロアルキル基ま
たはアリール基であり、具体的には、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などが挙
げられる。
【0052】このような有機アルミニウム化合物(IV)
としては、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリ
エチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、
トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウ
ム、トリ(2-エチルヘキシル)アルミニウム、トリデシル
アルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;イソプ
レニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;ジ
メチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムク
ロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソ
ブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブ
ロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド;メチル
アルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセス
キクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリ
ド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセス
キハライド;メチルアルミニウムジクロリド、エチルア
ルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジク
ロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキル
アルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウムハイド
ライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどの
アルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。
【0053】また有機アルミニウム化合物(c1)とし
ては、下記一般式(V)で示される化合物を用いること
もできる。 R9 nAlL3-n … (V) (式中、R9は上記と同様であり、Lは−OR10基、−
OSiR11 3基、−OAlR12 2基、−NR13 2基、−Si
14 3基または−N(R15)AlR16 2基であり、nは1〜
2であり、R10、R11、R12およびR16はメチル基、エ
チル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシ
ル基、フェニル基などであり、R13は水素原子、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチ
ルシリル基などであり、R14およびR15はメチル基、エ
チル基などである。) このような有機アルミニウム化合物のなかでは、R7 n
l(OAlR10 2)3-nで表される化合物、たとえばEt2Al
OAlEt2、(iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2などが好ま
しい。
【0054】上記一般式(IV)および(V)で表される
有機アルミニウム化合物の中では、一般式R7 3Alで表
される化合物が好ましく、特にRがイソアルキル基であ
る化合物が好ましい。 <アルミノキサン(d1)>本発明に係るアルミノキサ
ンとしては、たとえばアルキルアルミニウムを水で縮合
した形状のものが挙げられ、特にメチルアルミノキサン
が好ましく、重合度として、5以上、好ましくは10以
上のものが用いられる。
【0055】従来公知のアルミノキサンは、たとえば下
記のような方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して反応させる方法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接水、氷あるいは水
蒸気を作用させる方法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリ
アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなど
の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0056】なお該アルミノキサンは、少量の有機金属
成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノ
キサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウム
化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解あるいはア
ルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
【0057】アルミノキサンを調製する際に用いられる
有機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロ
ピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、ト
リn-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert- ブチルア
ルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシル
アルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシル
アルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、トリシ
クロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミ
ニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム、ジメチ
ルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアル
ミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライ
ド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチル
アルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウ
ムハイドライド、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジ
エチルアルミニウムエトキシドなどのジアルキルアルミ
ニウムアルコキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシ
ドなどのジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどが
挙げられる。
【0058】これらのうち、トリアルキルアルミニウ
ム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリ
メチルアルミニウムが特に好ましい。また、アルミノキ
サンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物
として、下記一般式(III)で表されるイソプレニルア
ルミニウムを用いることもできる。
【0059】 (i-C49x Aly (C510z … (III) (式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xであ
る。) 上記のような有機アルミニウム化合物は、単独であるい
は組合せて用いることができる。
【0060】アルミノキサンの溶液または懸濁液に用い
られる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、
クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサ
デカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペ
ンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシク
ロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽
油などの石油留分あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族
炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩
素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。そ
の他、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエー
テル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に
芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。 <触媒の調製>本発明で用いられるメタロセン系触媒
は、上記のような成分を不活性炭化水素溶媒中またはオ
レフィン溶媒中で混合することにより調製することがで
きる。
【0061】触媒の調製に用いられる不活性炭化水素溶
媒として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油
などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エチ
レンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどの
ハロゲン化炭化水素あるいはこれらの混合物などを挙げ
ることができる。
【0062】上記のような各成分から触媒を調製する際
には、各成分を任意の順序で接触させることができる。
【0063】上記各成分を接触させるに際して、成分
(a1)(遷移金属化合物(I)または(II))は、約
10-8〜10-1モル/リットル(重合容積)、好ましく
は10 -7〜5×10-2モル/リットルの量で用いられ
る。
【0064】成分(b1)を用いる場合には、成分(a
1)(前記(I)または(II))と成分(b1)とのモ
ル比(成分(a1)/成分(b1))で、通常0.01
〜10、好ましくは0.1〜5の量で用いられる。
【0065】成分(c1)は、成分(c1)中のアルミ
ニウム原子(AlC)と成分(b1)中のアルミニウム
原子(AlB)との原子比(AlC/AlB)で、通常0.
02〜20、好ましくは0.2〜10の量で必要に応じ
て用いることができる。
【0066】成分(d1)は、成分(a1)(前記
(I)または(II))中の遷移金属に対する原子比(A
l/遷移金属)で、通常10〜10000、好ましくは
20〜5000の量で用いられる。
【0067】上記各触媒成分は、重合器中で混合して接
触させてもよく、また予め混合接触させてから重合器に
添加してもよい。予め接触させる際には、通常−50〜
150℃、好ましくは−20〜120℃で、1〜100
0分間、好ましくは5〜600分間接触させる。また接
触時には接触温度を変化させてもよい。
【0068】上記のようなメタロセン系触媒を調製する
際には、上記成分(b1)、成分(c1)および成分
(d1)のうち少なくとも一種を、顆粒状あるいは微粒
子状の微粒子状担体に、担持させて固体状触媒を形成し
てもよい。
【0069】担体としては多孔質酸化物が好ましく、た
とえばSiO2、Al2O3などの無機担体を用いること
ができる。またエチレン、プロピレン、1-ブテンなどの
α-オレフィン、あるいはスチレンを主成分として生成
される重合体または共重合体などの有機担体を用いるこ
ともできる。
【0070】また、本発明においては、前記触媒系に代
えて特開平2-41303号公報、特開平2−4130
5号公報、特開平2-274703号公報、特開平2-2
74704号公報、特開平3-179005号公報、特
開平3-179006号公報、特開平4-69394号公
報、特開平5-17589号公報、あるいは特開平8−
120127号公報に記載の触媒系を用いることもでき
る。
【0071】具体的には、このようなシンジオタクティ
ックポリプロピレンを製造する際には、前記本発明の背
景技術の項で述べたJ.A.Ewenらの文献「J.A
m.Chem.Soc.,1988,110,6255
−6256」に記載の触媒系を用いることもでき、また
該文献に記載された化合物と異なる構造のものであって
も、プロピレンの単独重合体を製造したときに、得られ
る重合体のシンジオタックティックペンタッド分率(A.
ZambelliらMacromolecules vol 6 687(1973).同vol 8 9
25(1975))が前述したような値、たとえば、0.5以上
程度の比較的タクティシティーが高い重合体を与える触
媒系であれば利用でき、このような触媒系としては、た
とえば互いに非対称な配位子を有する架橋型遷移金属化
合物と有機アルミニウム等の助触媒とからなる触媒系が
挙げられる。
【0072】このような触媒系を構成する架橋型遷移金
属化合物としては、たとえば、上記文献に記載されたジ
フェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニ
ルハフニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロ
ペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリ
ド、イソプロピル(シクロペンタジエニル-1-フルオレ
ニル)ハフニウムジクロリド、あるいはイソプロピル
(シクロペンタジエニルー1ーフルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、(t−ブチルアミド)ジメチル(フルオ
レニル)シランチタンジメチル、ジフェニルメチレン
(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジ
クロリドなどが挙げられる。
【0073】有機アルミニウムとしては、アルミノキサ
ンあるいはアルキルアルミニウムが挙げられる。アルミ
ノキサンとしては、前記アルミノキサン(d1)と同様
のアルミノキサンを用いることができる。
【0074】本発明で用いられる触媒は、プロピレン、
エチレン、1-ブテンなどのオレフィンあるいはこれらと
他のオレフィン類などが予備重合されていてもよい。な
お本発明で用いられるオレフィン重合用触媒は、上記の
ような各成分以外にもオレフィン重合に有用な他の成
分、たとえば触媒成分としての水なども含むことができ
る。 <シンジオタクティックポリプロピレンの製造>本発明
で用いられるシンジオタクティックポリプロピレンは、
上記のようなメタロセン系触媒の存在下に、前記プロピ
レンと、必要に応じ、前記エチレンおよび/またはα-
オレフィンとを、最終的に上記のような特性を有するよ
うに共重合させることによって製造することができる。
重合は懸濁重合、溶液重合などの液相重合法あるいは気
相重合法いずれにおいても実施できる。
【0075】液相重合法では上述した触媒調製の際に用
いた不活性炭化水素溶媒と同じものを用いることがで
き、プロピレンを溶媒として用いることもできる。重合
は、懸濁重合法を実施する際には、通常−50〜100
℃、好ましくは0〜90℃の温度で行うことが望まし
く、溶液重合法を実施する際には、通常0〜250℃、
好ましくは20〜200℃の温度で行うことが望まし
い。また、気相重合法を実施する際には、重合は通常0
〜120℃、好ましくは20〜100℃の温度で行うこ
とことが望ましい。重合は、通常、常圧〜100kg/cm
2、好ましくは常圧〜50kg/cm2の圧力下で行われる。
【0076】重合は、回分式、半連続式、連続式のいず
れの方法においても行うことができる。さらに重合を反
応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能であ
る。得られるシンジオタクティックポリプロピレンの分
子量は、重合系に水素を存在させるか、あるいは重合温
度、重合圧力を変化させることによって調節することが
できる。
【0077】<(ii)α−オレフィン系共重合体>α−オ
レフィン系共重合体は、炭素原子数2〜20のα−オレ
フィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンか
ら導かれる構成単位を50〜100モル%の量で、好ま
しくは60〜90モル%の量で、より好ましくは65〜
85モル%の量で含有し、ヤングモジュラスが150M
Pa以下、好ましくは100MPa以下、より好ましく
は50MPa以下であることが望ましい。このような量
でα−オレフィン成分を含有するα−オレフィン系共重
合体(ii)を少なくとも2種用いることで、シンジオタク
ティックポリプロピレンとの相溶性が良好となり、得ら
れるシンジオタクティックポリプロピレン系組成物は、
充分な柔軟性、ヒートシール性、耐衝撃性を発揮する傾
向がある。
【0078】このようなα−オレフィン系共重合体とし
ては、たとえばエチレン・プロピレン共重合体(最初に
くるα−オレフィンが主構成成分となる、以下同様)、
エチレン・ブテン共重合体、エチレン・ペンテン共重合
体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エ
チレン・ヘキセン共重合体、エチレン・ヘプテン共重合
体、エチレン・オクテン共重合体、エチレン・ノネン共
重合体、エチレン・デセン共重合体、エチレン・ノルボ
ルネン共重合体、エチレン・テトラシクロドデセン共重
合体、エチレン・ブタジエン共重合体、エチレン・イソ
プレン共重合体、エチレン・1.5−ヘキサジエン共重
合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタ
クリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重
合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等の2
元系エチレン共重合体、またアイソタクティックプロピ
レン・エチレン共重合体、アタクティックプロピレン・
エチレン共重合体、シンジオタクティックプロピレン・
エチレン共重合体、アイソタクティックプロピレン・ブ
テン共重合体、アタクティックプロピレン・ブテン共重
合体、シンジオタクティックプロピレン・ブテン共重合
体、アイソタクティックプロピレン・ペンテン共重合
体、アタクティックプロピレン・ペンテン共重合体、シ
ンジオタクティックプロピレン・ペンテン共重合体、ア
イソタクティックプロピレン・ヘキセン共重合体、アタ
クティックプロピレン・ヘキセン共重合体、シンジオタ
クティックプロピレン・ヘキセン共重合体、アイソタク
ティックプロピレン・ヘプタン共重合体、アタクティッ
クプロピレン・ヘプタン共重合体、シンジオタクティッ
クプロピレン・ヘプタン共重合体、アイソタクティック
プロピレン・オクテン共重合体、アタクティックプロピ
レン・オクテン共重合体、シンジオタクティックプロピ
レン・オクテン共重合体、アイソタクティックプロピレ
ン・デセン共重合体、アタクティックプロピレン・デセ
ン共重合体、シンジオタクティックプロピレン・デセン
共重合体、アイソタクティックプロピレン・スチレン共
重合体、アタクティックプロピレン・スチレン共重合
体、シンジオタクティックプロピレン・スチレン共重合
体、アイソタクティックプロピレン・ノルボルネン共重
合体、アタクティックプロピレン・ノルボルネン共重合
体、シンジオタクティックプロピレン・ノルボルネン共
重合体、アイソタクティックプロピレン・テトラシクロ
ドデセン共重合体、アタクティックプロピレン・テトラ
シクロドデセン共重合体、シンジオタクティックプロピ
レン・テトラシクロドデセン共重合体、アイソタクティ
ックプロピレン・ブタジエン共重合体、アタクティック
プロピレン・ブタジエン共重合体、シンジオタクティッ
クプロピレン・ブタジエン共重合体、アイソタクティッ
クプロピレン・イソプレン共重合体、アタクティックプ
ロピレン・イソプレン共重合体、シンジオタクティック
プロピレン・イソプレン共重合体、アイソタクティック
プロピレン・1.5−ヘキサジエン共重合体、アタクテ
ィックプロピレン・1.5−ヘキサジエン共重合体、シ
ンジオタクティックプロピレン・1.5−ヘキサジエン
共重合体等の2元系プロピレン共重合体、またエチレン
・プロピレン・ノルボルネン共重合体、エチレン・ブテ
ン・ノルボルネン共重合体、エチレン・オクテン・ノル
ボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・テトラシク
ロドデセン共重合体、エチレン・ブテン・テトラシクロ
ドデセン共重合体、エチレン・オクテン・テトラシクロ
ドデセン共重合体、エチレン・プロピレン・ブタジエン
共重合体、エチレン・ブテン・ブタジエン共重合体、エ
チレン・オクテン・ブタジエン共重合体、エチレン・プ
ロピレン・イソプレン共重合体、エチレン・ブテン・イ
ソプレン共重合体、エチレン・オクテン・イソプレン共
重合体、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネ
ン共重合体、エチレン・ブテン・エチリデンノルボルネ
ン共重合体、エチレン・オクテン・エチリデンノルボル
ネン共重合体などの3元系エチレン共重合体、またアイ
ソタクティックプロピレン・ブテン・エチレン共重合
体、アタクティックプロピレン・ブテン・エチレン共重
合体、シンジオタクティックプロピレン・ブテン・エチ
レン共重合体、アイソタクティックプロピレン・オクテ
ン・エチレン共重合体、アタクティックプロピレン・オ
クテン・エチレン共重合体、シンジオタクティックプロ
ピレン・オクテン・エチレン共重合体、アイソタクティ
ックプロピレン・オクテン・エチレン共重合体、アタク
ティックプロピレン・オクテン・エチレン共重合体、シ
ンジオタクティックプロピレン・オクテン・エチレン共
重合体、アイソタクティックプロピレン・ノルボルネン
・エチレン共重合体、アタクティックプロピレン・ノル
ボルネン・エチレン共重合体、シンジオタクティックプ
ロピレン・ノルボルネン・エチレン共重合体、アイソタ
クティックプロピレン・テトラシクロドデセン・エチレ
ン共重合体、アタクティックプロピレン・テトラシクロ
ドデセン・エチレン共重合体、シンジオタクティックプ
ロピレン・テトラシクロドデセン・エチレン共重合体、
アイソタクティックプロピレン・ブタジエン・エチレン
共重合体、アタクティックプロピレン・ブタジエン・エ
チレン共重合体、シンジオタクティックプロピレン・ブ
タジエン・エチレン共重合体、アイソタクティックプロ
ピレン・イソプレン・エチレン共重合体、アタクティッ
クプロピレン・イソプレン・エチレン共重合体、シンジ
オタクティックプロピレン・イソプレン・エチレン共重
合体等の3元系プロピレン共重合体が挙げられる。
【0079】このようなα−オレフィン系共重合体は、
135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が、通常
0.01〜10dl/g、好ましくは0.5〜10dl
/g、さらに好ましくは1〜8dl/gの範囲にあるこ
とが望ましい。該α−オレフィン系共重合体(ii)の極限
粘度[η]が、前記範囲内にあると、耐候性、耐オゾン
性、耐熱老化性、低温特性、耐動的疲労性などの特性に
優れたシンジオタクティックポリプロピレン系組成物と
なる。
【0080】このα−オレフィン系共重合体(ii)は、単
一のガラス転移温度を有し、かつ示差走査熱量計(DS
C)によって測定したガラス転移温度(Tg)が、通常
−5℃以下、好ましくは−5℃〜−80℃、さらに好ま
しくは−10℃〜−80℃、特に好ましくは−20℃〜
−80℃の範囲にあることが望ましい。該α−オレフィ
ン系共重合体(ii)のガラス転移温度(Tg)が前記範囲
内にあると、耐寒性、低温特性に優れる。
【0081】またGPCにより測定した分子量分布(M
w/Mn、ポリスチレン換算、Mw:重量平均分子量、
Mn:数平均分子量)は4.0以下であることが好まし
く、さらに3.5以下であるとより好ましい。
【0082】またα−オレフィン系共重合体(ii)を2種
以上用いる際、主構成成分が同じ場合は規則性が異なる
ことが好ましい。たとえば、アイソタクティックプロピ
レン・エチレン共重合体とアタクティックプロピレン・
エチレン共重合体の組み合わせ、アイソタクティックプ
ロピレン・エチレン共重合体とシンジオタクティックプ
ロピレン・エチレン共重合体の組み合わせ、アタクティ
ックプロピレン・エチレン共重合体とシンジオタクティ
ックプロピレン・エチレン共重合体の組み合わせ、アイ
ソタクティックプロピレン・ブテン共重合体とアタクテ
ィックプロピレン・ブテン共重合体の組み合わせ、アイ
ソタクティックプロピレン・ブテン共重合体とシンジオ
タクティックプロピレン・ブテン共重合体の組み合わ
せ、アタクティックプロピレン・ブテン共重合体とシン
ジオタクティックプロピレン・ブテン共重合体の組み合
わせなどが挙げられる。
【0083】<α−オレフィン系共重合体(ii)の製造用
触媒>このようなα−オレフィン系共重合体(ii)は、下
記に示すメタロセン系触媒の存在下に共重合させて得ら
れる。
【0084】このようなメタロセン系触媒としては、下
記式(I)、(II)で表される遷移金属錯体(a2):
【0085】
【化6】
【0086】[式(I)、(II)中、MはTi、Zr、
Hf、Rn、Nd、SmまたはRuであり、Cp1およ
びCp2はMとπ結合しているシクロペンタジエニル
基、インデニル基、フルオレニル基またはそれらの誘導
体基であり、X1およびX2は、アニオン性配位子または
中性ルイス塩基配位子であり、Yは窒素原子、酸素原
子、リン原子、または硫黄原子を含有する配位子であ
り、ZはC、O、B、S、Ge、SiまたはSn原子あ
るいはこれらの原子を含有する基である。]と、下記成
分(b2)、(c2)および(d2)のうちから選択さ
れる1種以上の化合物とからなる少なくとも1種の触媒
系が用いられる; (b2):成分(a2)中の遷移金属Mと反応し、イオ
ン性の錯体を形成する化合物(イオン化イオン性化合物
ということがある。) (c2):有機アルミニウム化合物 (d2):アルミノキサン。
【0087】<遷移金属錯体(a2)>まず本発明で用
いられる下記式(I)で表される遷移金属錯体(a2)
について説明する。
【0088】
【化7】
【0089】[式(I)中、MはTi、Zr、Hf、R
n、Nd、SmまたはRuであり、好ましくはTi、Z
rまたはHfであり、Cp1およびCp2はMとπ結合し
ているシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオ
レニル基またはそれらの誘導体基であり、X1およびX2
は、アニオン性配位子または中性ルイス塩基配位子であ
り、ZはC、O、B、S、Ge、SiまたはSn原子あ
るいはこれらの原子を含有する基、好ましくは1個の
O、SiまたはCである。]
【0090】式(I)中、結合基Zは、特にC、O、
B、S、Ge、Si、Snから選ばれる1個の原子であ
ることが好ましく、この原子はアルキル基、アルコキシ
基などの置換基を有していてもよく、Zの置換基は、互
いに結合して環を形成していてもよい。これらのうちで
は、Zは、O、SiおよびCから選択されることが好ま
しい。
【0091】Cp1、Cp2は遷移金属に配位する配位子
であり、シクロペンタジエニル基、インデニル基、4,5,
6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などの
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、この
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子は、アルキル
基、シクロアルキル基、トリアルキルシリル基、ハロゲ
ン原子などの置換基を有していてもよい。
【0092】X1およびX2は、アニオン性配位子または
中性ルイス塩基配位子であり、具体的には、炭素原子数
が1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ
基、スルホン酸含有基(−SO3a 、但し、Ra はア
ルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アリ
ール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基またはア
ルキル基で置換されたアリール基である。)、ハロゲン
原子、水素原子などが挙げられる。
【0093】このような一般式(I)で表される遷移金
属化合物としては、具体的には、ジフェニルメチレン
(シクロペンタジエニル)フルオレニルハフニウムジク
ロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)
フルオレニルジルコニウムジクロリド、イソプロピル
(シクロペンタジエニル-1-フルオレニル)ハフニウム
ジクロリド、あるいはイソプロピル(シクロペンタジエ
ニルー1ーフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(t
−ブチルアミド)ジメチル(フルオレニル)シランチタ
ンジメチル、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニ
ル)フルオレニルジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-エチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-プロピルインデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-
(2,7-ジメチル-4-n-ブチルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-
ジメチル-4-sec-ブチルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメ
チル-4-t-ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-
n-ペンチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-ヘキ
シルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-シクロヘキシ
ルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-メチルシクロヘ
キシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-フェニルエ
チルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-フェニルジク
ロルメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-クロロ
メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-トリメチル
シリレンメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-
トリメチルシロキシメチルインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジエチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジ
メチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジ(i-プロピル)シリレンビス{1-(2,7-
ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジ(n-ブチル)シリレンビス{1-(2,7-
ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジ(シクロヘキシル)シリレンビス{1-
(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-メチルフェニルシリレンビス{1-
(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-メチルフェニルシリレンビス{1-
(2,7-ジメチル-4-t-ブチルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジフェニルシリレンビス{1-(2,7-
ジメチル-4-t-ブチルインデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジフェニルシリレンビス{1-(2,7-ジメチ
ル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジフェニルシリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4
-エチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジ(p-トリル)シリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-
プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジ(p-クロロフェニル)シリレンビス{1-(2,7-ジメチ
ル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレンビス{1-(2-メチル-4-i-プ
ロピル-7-エチルインデニル)}ジルコニウムジブロミ
ドrac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-
プロピル-1-インデニル)ジルコニウムジメチル、rac-ジ
メチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル
-1-インデニル)ジルコニウムメチルクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル-1
-インデニル)ジルコニウム-ビス{1-(トリフルオロメ
タンスルホナト)、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-
(2,7-ジメチル-4-i-プロピル-1-インデニル)ジルコニ
ウム-ビス{1-(p-フェニルスルフィナト)、rac-ジメ
チルシリレン-ビス{1-(2-フェニル-4-i-プロピル-7-
メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペン
タジエニル)シリレン)チタンジクロリド、((t-ブチ
ルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニ
ル)-1,2-エタンジイル)チタンジクロリド、(ジメチ
ル(フェニルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペン
タジエニル)シリレン)チタンジクロリド、(ジメチル
(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタ
ジエニル)シリレン)チタンジメチル、(ジメチル(4
−メチルフェニルアミド)(テトラメチル-η5-シクロ
ペンタジエニル)シリレン)チタンジクロリド、(ジメ
チル(t-ブチルアミド)(η5-シクロペンタジエニル)
シリレン)チタンジクロリド、(テトラメチル(t-ブチ
ルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニ
ル)ジシリレン)チタンジクロリド、(t−ブチルアミ
ド)ジメチル(フルオレニル)シランチタンジメチル、
(シクロペンタジエニル)フルオレニルハフニウムジク
ロリド、ン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジル
コニウムジクロリド、ビス{1-(2,7-ジメチル-4-エチ
ルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ビス(シク
ロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ビス(シク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビスイン
デニルハフニウムジクロライド、ビスインデニルジルコ
ニウムジクロライド、ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-プ
ロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ビス
{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジル
コニウムジクロリド、ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-ブ
チルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ビス{1-
(2,7-ジメチル-4-sec-ブチルインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、ビス{1-(2,7-ジメチル-4-t-ブチル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ビス{1-(2,
7-ジメチル-4-n-ペンチルインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-ヘキシルイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、ビス{1-(2,7-
ジメチル-4-シクロヘキシルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、ビス{1-(2,7-ジメチル-4-メチルシク
ロヘキシルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ビ
ス{1-(2,7-ジメチル-4-フェニルエチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、ビス{1-(2,7-ジメチ
ル-4-フェニルジクロルメチルインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、ビス{1-(2,7-ジメチル-4-クロロメ
チルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ビス{1-
(2,7-ジメチル-4-トリメチルシリレンメチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、ビス{1-(2,7-ジメチ
ル-4-トリメチルシロキシメチルインデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、ビス{1-(2,7-ジメチル-4-エチル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ビス{1-(2-
メチル-4-i-プロピル-7-エチルインデニル)}ジルコニ
ウムジブロミド、ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピ
ル-1-インデニル)ジルコニウムジメチル、ビス{1-(2,
7-ジメチル-4-i-プロピル-1-インデニル)ジルコニウム
メチルクロリド、ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピ
ル-1-インデニル)ジルコニウム-ビス{1-(トリフルオ
ロメタンスルホナト)、ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-
プロピル-1-インデニル)ジルコニウム-ビス{1-(p-フ
ェニルスルフィナト)、ビス{1-(2-フェニル-4-i-プ
ロピル-7-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリ
ドなどが挙げられる。
【0094】また、上記のような化合物においてジルコ
ニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置き
換えたメタロセン化合物を例示することもできる。次
に、本発明で用いられる下記一般式(II)で表される遷
移金属錯体(a2)について説明する。
【0095】
【化8】
【0096】[上記式(II)中、Mは、周期表第4族ま
たはランタニド系列の遷移金属であり、具体的には、T
i、Zr、Hf、Rn、Nd、SmまたはRuであっ
て、好ましくはTi、Zr、Hfである。]
【0097】Cp1は、Mとπ結合しているシクロペン
タジエニル基、インデニル基、フルオレニル基またはそ
れらの誘導体基である。さらに詳説すると、Cp1は、
遷移金属に配位する配位子であり、シクロペンタジエニ
ル基、インデニル基、フルオレニル基あるいはそれらの
誘導体基などのシクロペンタジエニル骨格を有する配位
子であり、このシクロペンタジエニル骨格を有する配位
子は、アルキル基、シクロアルキル基、トリアルキルシ
リル基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよ
い。
【0098】X1およびX2は、アニオン性配位子または
中性ルイス塩基配位子であり、互いに同一でも異なって
いてもよく、水素原子もしくはハロゲン原子であるか、
または20個以下の炭素原子を含有する炭化水素基、2
0個以下のケイ素原子含有するシリル基もしくは20個
以下のゲルマニウム原子を含有するゲルミル基である。
【0099】Zは、炭素、酸素、硫黄、硼素または周期
表第14族の元素(例えばケイ素、ゲルマニウムまたは
スズ)であり、好ましくは炭素、酸素、ケイ素のいずれ
かであり、Zはアルキル基、アルコキシ基などの置換基
を有していてもよく、これらの置換基は互いに結合して
環を形成していてもよい。また、ZとYとで縮合環を形
成してもよい。
【0100】このような一般式(II)で表される遷移金
属化合物として具体的には、(t-ブチルアミド)ジメチル
(フルオレニル)シランチタンジメチル、(t-ブチルアミ
ド)ジメチル(フルオレニル)シランチタンジクロリド、
(t-ブチルアミド)ジメチル(フルオレニル)シランジルコ
ニウムジメチル、(t-ブチルアミド)ジメチル(フルオレ
ニル)シランジルコニウムジクロリド、ジメチル(t-ブチ
ルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シ
リレン)チタンジクロリド、{(t-ブチルアミド)(テトラ
メチル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2-エタンジイ
ル}チタンジクロリド、{ジメチル(フェニルアミド)
(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シリレン}
チタンジクロリド、{ジメチル(t-ブチルアミド)(テト
ラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シリレン}チタン
ジメチル、{ジメチル(4-メチルフェニルアミド)(テト
ラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シリレン}チタン
ジクロリド、{ジメチル(t-ブチルアミド)(η5-シクロ
ペンタジエニル)シリレン}チタンジクロリド、{テト
ラメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペ
ンタジエニル)ジシリレン}チタンジクロリド、(t-ブチ
ルアミド)ジメチル(フルオレニル)シランチタンジメチ
ルなどが挙げられる。
【0101】上記のような遷移金属錯体は、単独でまた
は2種以上組合わせて用いることができる。また上記の
ような遷移金属錯体は、粒子状担体に担持させて用いる
こともできる。
【0102】このような粒子状担体としては、Si
2、Al23、B23、MgO、ZrO2、CaO、T
iO2、ZnO、SnO2、BaO、ThOなどの無機担
体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ-1-ブテン、
ポリ4-メチル-1-ペンテン、スチレン-ジビニルベンゼン
共重合体などの有機担体を用いることができる。これら
の粒子状担体は、単独でまたは2種以上組合わせて用い
ることができる。
【0103】次に、メタロセン系触媒を形成する、下記
成分(b2)、(c2)および(d2)について説明す
る。 (b2):成分(a2)中の遷移金属Mと反応し、イオ
ン性の錯体を形成する化合物、すなわちイオン化イオン
性化合物、 (c2):有機アルミニウム化合物、および (d2):アルミノキサン(アルミニウムオキシ化合物
ということがある。)
【0104】<イオン化イオン性化合物(b2)>イオ
ン化イオン性化合物(b2)は、遷移金属錯体(a2)
中の遷移金属Mと反応してイオン性の錯体を形成する化
合物であり、このようなイオン化イオン性化合物として
は、たとえば、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合
物およびカルボラン化合物などが挙げられる。
【0105】ルイス酸としては、BR3(式中、Rはフ
ッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換
基を有していてもよいフェニル基またはフッ素原子であ
る。)で示される化合物が挙げられ、たとえばトリフル
オロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロ
フェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)
ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-
トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス
(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0106】イオン性化合物としては、トリアルキル置
換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジ
アルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム
塩などを挙げることができる。具体的に、トリアルキル
置換アンモニウム塩としては、たとえばトリエチルアン
モニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアン
モニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)
アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられ
る。ジアルキルアンモニウム塩としては、たとえばジ
(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフ
ェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ
(フェニル)ホウ素などが挙げられる。さらにイオン性
化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルア
ニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートなどを挙げることもできる。
【0107】ボラン化合物としては、デカボラン(1
4)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボレ
ート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボレ
ート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ド
デカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(II
I)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0108】カルボラン化合物としては、4-カルバノナ
ボラン(14)、1,3-ジカルバノナボラン(13)、ビ
ス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハ
イドライド-7-カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩
(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げら
れる。
【0109】上記のようなイオン化イオン性化合物は、
単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
前記有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオ
ン性化合物は、上述した粒子状担体に担持させて用いる
こともできる。
【0110】また触媒を形成するに際しては、有機アル
ミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物と
ともに以下のような(c2)有機アルミニウム化合物を
用いてもよい。
【0111】<有機アルミニウム化合物(c2)>有機
アルミニウム化合物としては、分子内に少なくとも1個
のAl−炭素結合を有する化合物が利用できる。このよ
うな化合物としては、たとえば下記一般式(VI)で表さ
れる有機アルミニウム化合物が挙げられる。
【0112】 (R1m Al(O(R2))npq ・・・(VI) (式中、R1およびR2は、互いに同一でも異なっていて
もよく、炭素原子数が通常1〜15、好ましくは1〜4
の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0
<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦
q<3を満たす数であって、しかも、m+n+p+q=
3である。) このような有機アルミニウム化合物としては、具体的に
は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ(2-エチ
ルヘキシル)アルミニウム、トリデシルアルミニウムな
どのトリアルキルアルミニウム;イソプレニルアルミニ
ウムなどのアルケニルアルミニウム;ジメチルアルミニ
ウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソ
プロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニ
ウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミドなどのジ
アルキルアルミニウムハライド;メチルアルミニウムセ
スキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イ
ソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミ
ニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロ
ミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;メチ
ルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロ
リド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルア
ルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハ
ライド;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブ
チルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニ
ウムハイドライドなどが挙げられる。
【0113】また有機アルミニウム化合物(c2)とし
ては、下記一般式(V)で示される化合物を用いること
もできる。 R9 nAlL3-n … (V) (式中、R9は上記と同様であり、Lは−OR10基、−
OSiR11 3基、−OAlR12 2基、−NR13 2基、−Si
14 3基または−N(R15)AlR16 2基であり、nは1〜
2であり、R10、R11、R12およびR16はメチル基、エ
チル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシ
ル基、フェニル基などであり、R13は水素原子、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチ
ルシリル基などであり、R14およびR15はメチル基、エ
チル基などである。) このような有機アルミニウム化合物のなかでは、R7 n
l(OAlR10 2)3-nで表される化合物、たとえばEt2Al
OAlEt2、(iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2などが好ま
しい。 <アルミノキサン(有機アルミニウムオキシ化合物)
(d2)>アルミノキサン(d2)は、従来公知のアル
ミノキサンであってもよく、また特開平2−78687
号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機ア
ルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0114】従来公知のアルミノキサン(アルミノキサ
ン)は、具体的には、下記一般式(VII)
【0115】
【化9】
【0116】で表される。
【0117】
【0118】[式中、Rはメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基などの炭化水素基であり、好ましくはメ
チル基、エチル基、特に好ましくはメチル基である。m
は2以上の整数であり、好ましくは5〜40の整数であ
る。]
【0119】ここで、アルミノキサンは式(OAl(R
1))で表されるアルキルオキシアルミニウム単位およ
び式(OAl(R2))で表されるアルキルオキシアル
ミニウム単位(ここで、R1およびR2はRと同様の炭化
水素基であり、R1およびR2は相異なる基を示す。)か
らなる混合アルキルオキシアルミニウム単位から形成さ
れていてもよい。
【0120】このようなアルミノキサンは、成分(d
1)で説明した方法により製造することができる。
【0121】なおアルミノキサンは、少量のアルミニウ
ム以外の金属の有機化合物成分を含有していてもよい。
本発明においては、上記非晶性α−オレフィン系共重合
体(ii)製造用の触媒(オレフィン系触媒)としては、上
記のようなメタロセン系触媒が好ましく用いられるが、
場合によっては上記メタロセン系触媒以外の、従来より
公知の(1)固体状チタン触媒成分と有機アルミニウム化
合物とからなるチタン系触媒、(2)可溶性バナジウム化
合物と有機アルミニウム化合物とからなるバナジウム系
触媒を用いることもできる。
【0122】<α−オレフィン系共重合体の製造>本発
明に係るα−オレフィン系共重合体は、上記のようなメ
タロセン触媒の存在下に、プロピレン、エチレン、など
を通常液相で共重合させる。この際、一般に炭化水素溶
媒が用いられるが、プロピレンを溶媒として用いてもよ
い。共重合はバッチ法または連続法のいずれの方法でも
行うことができる。
【0123】メタロセン系触媒を用い、共重合をバッチ
法で実施する場合には、重合系内のメタロセン化合物の
濃度は、重合容積1リットル当り、通常0.00005
〜1ミリモル、好ましくは0.0001〜0.5ミリモ
ルの量で用いられることが望ましい。
【0124】前記イオン化イオン性化合物(b2)は、
メタロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物のモ
ル比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合物)
で、0.5〜20、好ましくは1〜10となるような量
で用いられることが望ましい。
【0125】また有機アルミニウム化合物(c2)が用
いられる場合には、重合容積1リットル当り、通常約0
〜5ミリモル、好ましくは約0〜2ミリモルとなるよう
な量で用いられることが望ましい。
【0126】有機アルミニウムオキシ化合物(d2)
は、メタロセン化合物中の遷移金属原子(M)に対する
アルミニウム原子(Al)のモル比(Al/M)で、1
〜10000、好ましくは10〜5000となるような
量で用いられることが望ましい。
【0127】共重合反応は、通常、温度が−20〜15
0℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは0〜
100℃の範囲で、圧力が0を超えて〜80kg/cm
2、好ましくは0を超えて〜50kg/cm2の範囲の条
件下に行なわれることが望ましい。
【0128】また反応時間(共重合が連続法で実施され
る場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度など
の条件によっても異なるが、通常5分間〜3時間、好ま
しくは10分間〜1.5時間であることが望ましい。
【0129】上記プロピレン、エチレンなどの共重合用
モノマーは、上述のような特定組成のα−オレフィン系
共重合体(ii) が得られるような量でそれぞれ重合系に
供給される。なお共重合に際しては、水素などの分子量
調節剤を用いることもできる。
【0130】上記のようにしてプロピレン、エチレンな
どの共重合用モノマーを共重合させると、α−オレフィ
ン系共重合体(ii)は通常これを含む重合液として得られ
る。この重合液は常法により処理され、α−オレフィン
系共重合体(ii)が得られる。 <(iii) アイソタクティックプロピレン(共)重合体 アイソタクティックプロピレン(共)重合体(iii)
は、実質的にアイソタクティック構造であり、プロピレ
ンから導かれる構成単位(A)と、必要に応じ、エチレ
ンから導かれる構成単位(B)および/または炭素原子
数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位
(C)とからなり、前記構成単位(A)が90〜100
モル%の量で、好ましくは91〜99モル%の量で、さ
らに好ましくは92〜98モル%の量で含まれ、前記構
成単位(B)が0〜10モル%の量で、好ましくは1〜
9モル%の量で、さらに好ましくは2〜8モル%の量で
含まれ、前記構成単位(C)が0〜9.5モル%の量
で、好ましくは0〜8.5モル%の量で、さらに好まし
くは0〜7モル%の量で含まれていることが望ましい。
【0131】このようなアイソタクティックプロピレン
(共)重合体中の構成単位(C)として用いられる炭素
原子数4〜20のα−オレフィンとしては、具体的に
は、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−
ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコ
サンなどが挙げられ、このうち1−ブテンが好ましい。
【0132】また上記アイソタクティックプロピレン
(共)重合体の135℃のデカリン中で測定される極限
粘度[η]は0.5〜6dl/g、好ましくは1.0〜
4dl/gの範囲にあることが望ましく、極限粘度がこ
のような範囲にあると、良好な流動性を示し、このアイ
ソタクティックプロピレン(共)重合体を他の成分と配
合し易く、また得られた組成物から機械的強度に優れた
成形品が得られる傾向がある。
【0133】また、上記アイソタクティックプロピレン
(共)重合体において、示差走査型熱量計によって測定
される融点Tmは、70<Tm<155−5.5(10
0−P)(式中Pは共重合体のプロピレン成分含量(m
ol%)であり、好ましくは90<Tm<155−5.
5(100−P)(式中Pは(共)重合体のプロピレン
成分含量(モル%)である。)の範囲にあることが好ま
しく、融点Tmがこのような範囲にあると透明性、耐ブ
ロッキング性に優れる傾向にある。
【0134】またプロピレンのtriad連鎖でみたミ
クロアイソタクティシティーが0.8以上、好ましくは
0.85以上の範囲にあることが望ましく、ミクロアイ
ソタクティシティーがこのような範囲にあると結晶化速
度が速く、加工性に優れる。
【0135】なお、triad連鎖でみたミクロアイソ
タクティシティーとは、前記シンジオタクティックポリ
プロピレン(i)で説明した内容と同様である。
【0136】このようなアイソタクティックプロピレン
(共)重合体(iii)の製造の際には、触媒として、たとえ
ば公知のチタン系触媒、またはメタロセン系触媒を用い
ることができる。
【0137】ここでメタロセン系触媒を用いた場合の製
造について説明する。メタロセン系触媒としては、たと
えば、下記一般式(VIII)
【0138】
【化10】
【0139】で示される遷移金属化合物(a3)と、
(d3)アルミノキサン(有機アルミニウムオキシ化合
物)、および/または(b3)前記遷移金属化合物(a
3)と反応してイオン対を形成する化合物と、必要に応
じて、(c3)有機アルミニウム化合物とから形成され
る触媒が挙げられる。
【0140】まず、前記一般式(VIII)で表される遷移
金属化合物(a3)について説明する。式(VIII)中、
Mは周期律表第IVa、Va、VIa族の遷移金属であり、
具体的には、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、
バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、
タングステンであり、好ましくはチタニウム、ジルコニ
ウム、ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウム
であることが望ましい。
【0141】式(VIII)中、置換基R1およびR2は、そ
れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1
〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化
炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有
基、窒素含有基またはリン含有基である。
【0142】ハロゲン原子としては、具体的には、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、炭素数1〜20の
炭化水素基としては、具体的には、メチル、エチル、プ
ロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチ
ル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、ア
ダマンチルなどのアルキル基、ビニル、プロペニル、シ
クロヘキセニルなどのアルケニル基、ベンジル、フェニ
ルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル
基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチル
フェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェ
ニル、ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フ
ェナントリルなどのアリール基などが挙げられ、炭素原
子数1〜20のハロゲン化炭化水素基としては、具体的
には、これら炭化水素基がハロゲン原子で置換された基
が挙げられる。
【0143】ケイ素含有基としては、具体的には、メチ
ルシリル、フェニルシリルなどのモノ炭化水素置換シリ
ル、ジメチルシリル、ジフェニルシリルなどのジ炭化水
素置換シリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、
トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリ
フェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフ
ェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリル
などのトリ炭化水素置換シリル、トリメチルシリルエー
テルなどの炭化水素置換シリルのシリルエーテル、トリ
メチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基、トリ
メチルフェニルなどのケイ素置換アリール基などのケイ
素含有置換基などが挙げられ、酸素含有基としては、具
体的には、ヒドロオキシ基、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基、フェノキシ、メ
チルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなど
のアリロキシ基、フェニルメトキシ、フェニルエトキシ
などのアリールアルコキシ基などの酸素含有置換基が挙
げられ、イオウ含有基としては、具体的には、前記含酸
素化合物の酸素がイオウに置換した基が挙げられ、窒素
含有基としては、具体的には、アミノ基、メチルアミ
ノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミ
ノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなどのア
ルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、
ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルア
ミノなどのアリールアミノ基またはアルキルアリールア
ミノ基などが挙げられ、リン含有基としては、具体的に
は、ジメチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフィノな
どのフォスフィノ基などが挙げられる。
【0144】式(VIII)中、R1としては、これらのう
ちでも水素原子、メチル基、炭素数2〜6の炭化水素
基、芳香族基などが好ましく、特にメチル基、炭素数2
〜6の炭化水素基が好ましい。
【0145】式(VIII)中、R2としては、これらのう
ち水素原子、炭化水素基が好ましく、特に水素原子が好
ましい。
【0146】式(VIII)中、置換基R3としては、具体
的には、炭素数1〜20の炭化水素基、そのハロゲン原
子、ケイ素含有基で置換された基が挙げられ、中でも炭
素原子数3〜20の2級または3級アルキル基または芳
香族基であることが望ましい。
【0147】また、この2級または3級アルキル基とし
ては、具体的には、i-プロピル、i-ブチル、sec-ブチ
ル、tert-ブチル、1,2-ジメチルプロピル、2,3-ジメチ
ルブチル、iso-ペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4-メチルシクロ
ヘキシル、iso-ヘキシル、ノルボルニル、アダマンチル
などが挙げられ、芳香族基としては、フェニル、トリ
ル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフ
ェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、α−またはβ
−ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フェナ
ントリル、ベンジルフェニル、ピレニル、アセナフチ
ル、フェナレニル、アセアントリレニル、テトラヒドロ
ナフチル、インダニル、ビフェニリルなどのアリール
基、ベンジル、フェニルエチル、フエニルプロピル、ト
リルメチルなどのアリールアルキル基などが挙げられ、
これらは2重結合、3重結合を含んでいてもよい。
【0148】これらの基は、R1で示したようなハロゲ
ン原子、ケイ素含有基などで置換されていてもよい。
【0149】式(VIII)中、置換基R4としては、具体
的には、は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基
が挙げられ、このようなアルキル基としては、たとえ
ば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチ
ル、i-ブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、ペンチル、
ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチ
ルなどの鎖状アルキル基および環状アルキル基が挙げら
れる。
【0150】これらの基は、R1で示したようなハロゲ
ン原子、ケイ素含有基で置換されていてもよい。式(VI
II)中、X1およびX2としては、具体的には、水素原
子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、
炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有
基またはイオウ含有基が挙げられる。
【0151】このような、ハロゲン原子、酸素含有基、
炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20
のハロゲン化炭化水素基は、前記R1と同様である。イ
オウ含有基としては、具体的には、前記R1で示された
基とともに、さらにメチルスルホネート、トリフルオロ
メタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベン
ジルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリ
メチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼ
ンスルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、
ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォ
ネート基、メチルスルフィネート、フェニルスルフィネ
ート、ベンゼンスルフィネート、p-トルエンスルフィネ
ート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフル
オロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基が
挙げられる。
【0152】式(VIII)中、Yとしては、具体的には、
炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の
2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2
価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、
−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR5−、
−P(R5)−、−P(O)(R5)−、−BR5−また
は−AlR5−[ただしR5は水素原子、ハロゲン原子、
炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲ
ン化炭化水素基]を示し、具体的には、メチレン、ジメ
チルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2- エチレ
ン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレン、1,2-シク
ロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレンなどのアルキレン
基、ジフェニルメチレン、ジフェニル-1,2- エチレンな
どのアリールアルキレン基などの炭素数1〜20の2価
の炭化水素基、クロロメチレンなどの上記炭素数1〜2
0の2価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化
水素基、メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチル
シリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、ジ(i-プロピ
ル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチル
フェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリ
ル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレンなどの
アルキルシリレン、アルキルアリールシリレン、アリー
ルシリレン基、テトラメチル-1,2-ジシリル、テトラフ
ェニル-1,2- ジシリルなどのアルキルジシリル、アルキ
ルアリールジシリル、アリールシリル基などの2価のケ
イ素含有基、上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマ
ニウムに置換した2価のゲルマニウム含有基、上記2価
のケイ素含有基のケイ素をスズに置換した2価のスズ含
有基置換基などが挙げられ、R5としては、前記R1と同
様のハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、
炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基が挙げられ
る。
【0153】このうち2価のケイ素含有基、2価のゲル
マニウム含有基、2価のスズ含有基であることが好まし
く、さらに2価のケイ素含有基であることが好ましく、
このうち特にアルキルシリレン、アルキルアリールシリ
レン、アリールシリレンであることが好ましい。
【0154】上記一般式(VIII)で表される遷移金属化
合物としては、具体的には、rac-ジメチルシリレン-ビ
ス{1-(2,7-ジメチル-4-エチルインデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-
(2,7-ジメチル-4-n-プロピルインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7
-ジメチル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメ
チル-4-n-ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-
sec-ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-t-ブチ
ルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-ペンチルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-n-ヘキシルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-シクロヘキシルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-メチルシクロヘキシルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-フェニルエチルインデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-フェニルジクロルメチル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-クロロメチルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-トリメチルシリレンメ
チルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-トリメチルシ
ロキシメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジエチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プ
ロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
(i-プロピル)シリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-
プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジ(n-ブチル)シリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-
プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジ(シクロヘキシル)シリレンビス{1-(2,7-ジメチル
-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-メチルフェニルシリレンビス{1-(2,7-ジメチ
ル-4-i-プロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-メチルフェニルシリレンビス{1-(2,7-ジメチ
ル-4-t-ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジフェニルシリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4
-t-ブチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac
-ジフェニルシリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロ
ピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジフ
ェニルシリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-エチルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-トリ
ル)シリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピルイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-クロ
ロフェニル)シリレンビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プ
ロピルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレンビス{1-(2-メチル-4-i-プロピル-7-エ
チルインデニル)}ジルコニウムジブロミドrac-ジメチ
ルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル-1-
インデニル)ジルコニウムジメチル、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル-1-インデ
ニル)ジルコニウムメチルクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2,7-ジメチル-4-i-プロピル-1-インデ
ニル)ジルコニウム-ビス{1-(トリフルオロメタンスル
ホナト)、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2,7-ジメ
チル-4-i-プロピル-1-インデニル)ジルコニウム-ビス
{1-(p-フェニルスルフィナト)、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2-フェニル-4-i-プロピル-7-メチル-1-イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0155】本発明では、上記一般式(VIII)で示され
る遷移金属化合物(a3)のうち、下記一般式(VIII-a)
で示される遷移金属化合物を好ましく用いることができ
る。
【0156】
【化11】
【0157】[式中、M、X1、X2、R1、R3、Yは式
(I)と同じであり、R1は好ましくは水素原子、メチ
ル基または芳香族基である。]このような一般式(VIII-
a) で示される好ましい遷移金属化合物(a3)として
は、具体的には、
【0158】rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(4-フェ
ニル-1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4−フェニルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-メチル-4-(α-ナフチル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-メチル-4-(β-ナフチル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-メチル-4-(1-アントラセニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-メチル-4-(2-アントラセニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-メチル-4-(9-アントラセニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-メチル-4-(9-フェナントリル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-メチル-4-(p-フルオロフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-メチル-4-(ペンタフルオロフェニル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-クロロフェニル)インデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2-メチル-4-(m-クロロフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-メチル-4-(o-クロロフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-メチル-4-(o,p-ジクロロフェニル) フェ
ニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-ブロモフェ
ニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-トリル)-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス{1-(2-メチル-4-(m-トリル)-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-メチル-4-(o-トリル)-1- インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1
-(2-メチル-4-(o,o'-ジメチルフェニル)-1-インデニ
ル) ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス{1-(2-メチル-4-(p-エチルフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-メチル-4-(p-i-プロピルフェニル)インデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-ベンジルフェニル)インデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2-メチル-4-(p-ビフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-メチル-4-(m-ビフェニル)インデニル)}
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
{1-(2-メチル-4-(p-トリメチルシリレンフェニル) イ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス{1-(2-メチル-4-(m-トリメチルシリレン
フェニル)-1-インデニル)}ジルコニウムジクロリド、r
ac-ジメチルシリレン-ビス(2-フェニル-4-フェニルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジエチルシリ
レン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジ-(i-プロピル)シリレン
-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジ-(n-ブチル)シリレン-ビス
{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジシクロヘキシルシリレン-ビス{1
-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-メチルフェニルシリレン-ビス{1-(2-
メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジフェニルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-
フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジ(p-トリル)シリレン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニ
ルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-
クロロフェニル)シリレン-ビス{1-(2-メチル-4-フェ
ニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-メチ
レン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-エチレン-ビス{1-(2-メ
チル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルゲルミレン-ビス{1-(2-メチル-4-フ
ェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルスタニレン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジ
ルコニウムジブロミド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1
-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジ
メチル、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-
フェニルインデニル)}ジルコニウムメチルクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニル
インデニル)}ジルコニウムクロリドSO2Me、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルイン
デニル)}ジルコニウムクロリドOSO2Me、rac-ジ
メチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデ
ニル)}チタニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ハフニ
ウムジクロリドなどが挙げられる。
【0159】上記のうちでもR1がメチル基である化合
物が好ましい。また上記の式(VIII-a) において、R1
炭素数2〜6の炭化水素基であり、R 3は炭素数6〜1
6のアリール基である遷移金属化合物も好ましく用いら
れる。このような好ましい化合物としては、具体的に
は、
【0160】rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチ
ル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(α
-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、r
ac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(β-ナフ
チル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(2-メチル-1-
ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(5-アセナ
フチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(9-アントラ
セニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(9-フェナン
トリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(o-メチルフ
ェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(m-メチルフ
ェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(p-メチルフ
ェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(2,3-ジメチ
ルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(2,4-ジ
メチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-(2,
5-ジメチルフェニル)インデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-エチル-4-
(2,4,6-トリメチルフェニル)インデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-
エチル-4-(o-クロロフェニル)インデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2
-エチル-4-(m-クロロフェニル)インデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2
-エチル-4-(p-クロロフェニル)インデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2
-エチル-4-(2,3-ジクロロフェニル)インデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1
-(2-エチル-4-(2,6-ジクロロフェニル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
-ビス{1-(2-エチル-4-(3,5-ジクロロフェニル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-エチル-4-(2-ブロモフェニル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-エチル-4-(3-ブロモフェニル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-エチル-4-(4-ブロモフェニル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス{1-(2-エチル-4-(4-ビフェニリル)インデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス{1-(2-エチル-4-(4-トリメチルシリレンフェ
ニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-フェニルイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(α-ナフチル)イ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(β-ナフチル)イ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(2-メチル-1-ナフ
チル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(5-アセナ
フチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(9-アン
トラセニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-(9-
フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4-
フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4-(α-ナ
フチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4-(β-ナ
フチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-
ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4-(2-メチ
ル-1-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-4-
(5-アセナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロピル-
4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-プロ
ピル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s
-ブチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-
(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-
(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-ブチル-4-
(8-メチル-9-ナフチル)インデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-ブ
チル-4-(5-アセナフチル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-s-
ブチル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2
-s-ブチル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-
(2-n-ペンチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-
ペンチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-
ブチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブチル-4-
(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブチル-4-
(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブチル-4-
(2-メチル-1-ナフチル)インデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ブ
チル-4-(5-アセナフチル)インデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-
ブチル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2
-n-ブチル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-
(2-i-ブチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-ブ
チル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-ブチ
ル-4-(β-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i-ブチル-
4-(2-メチル-1-ナフチル)インデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i
-ブチル-4-(5-アセナフチル)インデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-i
-ブチル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2
-i-ブチル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-
(2-ネオペンチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-
ネオペンチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2
-n-ヘキシル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-n-ヘキ
シル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-メチルフェニルシリレン-ビス{1-(2-
エチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-メチルフェニルシリレン-ビス{1-(2-エチ
ル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-メチルフェニルシリレン-ビス{1-(2-エ
チル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-メチルフェニルシリレン-ビス{1
-(2-エチル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビス
{1-(2-エチル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビス{1-(2-
エチル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビス{1-(2-エ
チル-4-(9-アントラセニル)インデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビス{1-(2
-エチル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビス{1-
(2-エチル-4-(4-ビフェリニル)インデニル)}ジル
コニウムジクロリド、rac-メチレン-ビス{1-(2-エチ
ル-4-フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-メチレン-ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-エチ
レン-ビス{1-(2-エチル-4-フェニルインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド、rac-エチレン-ビス{1-(2-エ
チル-4-(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、rac-エチレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-
(α-ナフチル)インデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルゲルミレン-ビス{1-(2-エチル-4-フ
ェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルゲルミレン-ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルゲルミレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-フェニルイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルス
タニレン-ビス{1-(2-エチル-4-フェニルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルスタニレ
ン-ビス{1-(2-エチル-4-(α-ナフチル)インデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルスタニレ
ン-ビス{1-(2-n-エチル-4-(9-フェナントリル)イン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルスタ
ニレン-ビス{1-(2-n-プロピル-4-フェニルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0161】本発明では、上記のような化合物において
ジルコニウム金属をチタニウム金属、ハフニウム金属、
バナジウム金属、ニオブ金属、タンタル金属、クロム金
属、モリブデン金属、タングステン金属に置き換えた遷
移金属化合物を用いることもできる。
【0162】前記遷移金属化合物(a3)は、通常ラセ
ミ体としてオレフィン重合用触媒成分として用いられる
が、R型またはS型を用いることもできる。上記のよう
な本発明に係る遷移金属化合物は、Journal of Organom
etallic Chem.288(1985)、第63〜67頁、ヨーロッパ特許
出願公開第0,320,762 号明細書および実施例に準じて製
造することができる。 <アルミノキサン(有機アルミニウムオキシ化合物)
(d3)>本発明で用いられる触媒を形成する有機アル
ミニウムオキシ化合物(d3)は、従来公知のアルミノ
キサンであってもよく、また特開平2−78687号公
報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミ
ニウムオキシ化合物であってもよい。
【0163】このような従来公知のアルミノキサンは、
たとえば下記のような方法によって製造することができ
る。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して反応させる方法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接水、氷あるいは水
蒸気を作用させる方法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリ
アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなど
の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0164】なお該アルミノキサンは、少量の有機金属
成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノ
キサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウム
化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解あるいはア
ルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
【0165】アルミノキサンを調製する際に用いられる
有機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロ
ピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、ト
リn-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert- ブチルア
ルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシル
アルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシル
アルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、トリシ
クロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミ
ニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム、ジメチ
ルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアル
ミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライ
ド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチル
アルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウ
ムハイドライド、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジ
エチルアルミニウムエトキシドなどのジアルキルアルミ
ニウムアルコキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシ
ドなどのジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどが
挙げられる。
【0166】これらのうち、トリアルキルアルミニウ
ム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリ
メチルアルミニウムが特に好ましい。また、アルミノキ
サンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物
として、下記一般式(III)で表されるイソプレニルア
ルミニウムを用いることもできる。
【0167】 (i-C49xAly(C510z … (XI) (式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xであ
る。) 上記のような有機アルミニウム化合物は、単独であるい
は組合せて用いることができる。
【0168】アルミノキサンの溶液または懸濁液に用い
られる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、
クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサ
デカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペ
ンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシク
ロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽
油などの石油留分あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族
炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩
素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。そ
の他、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエー
テル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に
芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。 <成分(a3)と反応しイオン性の錯体を形成する化合
物(b3)>
【0169】本発明で用いられる触媒を形成する前記遷
移金属化合物(a3)と反応してイオン対を形成する化
合物(b3)としては、特開平1−501950号公
報、特開平1−502036号公報、特開平3−179
005号公報、特開平3−179006号公報、特開平
3−207703号公報、特開平3−207704号公
報、US−547718号公報などに記載されたルイス
酸、イオン性化合物およびカルボラン化合物を挙げるこ
とができる。
【0170】ルイス酸としては、具体的には、トリフェ
ニルボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、ト
リス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、
トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロン、トリス(ペン
タフルオロフェニル)ボロン、MgCl2、Al23
SiO2-Al23などが挙げられる。
【0171】イオン性化合物としては、具体的には、ト
リフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボレート、トリn-ブチルアンモニウムテトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチル
アニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートなどが挙げられる。
【0172】カルボラン化合物としては、具体的には、
ドデカボラン、1-カルバウンデカボラン、ビスn-ブチル
アンモニウム(1-カルベドデカ)ボレート、トリn-ブチ
ルアンモニウム(7,8-ジカルバウンデカ)ボレート、ト
リn-ブチルアンモニウム(トリデカハイドライド-7-カ
ルバウンデカ)ボレートなどが挙げられる。
【0173】上記のようなイオン対を形成する化合物
(b3)は、単独でまたは2種以上組合せて用いること
ができる。 <有機アルミニウム化合物(c3)>本発明に係るアイ
ソタクティックプロピレン(共)重合体(iii)の製
造において、触媒を形成する際に必要に応じて用いられ
る有機アルミニウム化合物(c3)は、たとえば下記一
般式(X)で示される。
【0174】R9 nAlX3-n … (X) [式中、R9は炭素原子数1〜12の炭化水素基であ
り、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜
3である。] 上記一般式(X)において、R9は炭素原子数1〜12の
炭化水素基としては、たとえばアルキル基、シクロアル
キル基またはアリール基が挙げられ、具体的には、メチ
ル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソ
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル
基などが挙げられる。
【0175】このような有機アルミニウム化合物(c
3)としては、具体的には、トリメチルアルミニウム、
トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミ
ニウム、トリ(2-エチルヘキシル)アルミニウム、トリデ
シルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、イ
ソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウ
ム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニ
ウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、
ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニ
ウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド、
メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウ
ムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキク
ロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルア
ルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウム
セスキハライド、 メチルアルミニウムジクロリド、エ
チルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウ
ムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのア
ルキルアルミニウムジハライド、ジエチルアルミニウム
ハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド
などのアルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げら
れる。
【0176】また有機アルミニウム化合物(c3)は、
下記一般式(XII)で示されてもよい。 R9 nAlL3-n … (XII) [式中、R9は上記と同様であり、Lは−OR10基、−
OSiR11 3基、−OAlR12 2基、−NR13 2基、−Si
14 3基または−N(R15)AlR16 2基であり、nは1〜
2であり、R10、R11、R12およびR16はメチル基、エ
チル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシ
ル基、フェニル基などであり、R13は水素原子、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチ
ルシリル基であり、R14およびR15はメチル基、エチル
基などである。] このような有機アルミニウム化合物のなかでは、R7 n
l(OAlR10 2)3-nで表される化合物、たとえばEt2Al
OAlEt2、(iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2などが好ま
しい。
【0177】上記一般式(X)および(XII)で表される
有機アルミニウム化合物(c3)の中では、一般式R7 3
Alで表される化合物が好ましく、特にRがイソアルキ
ル基である化合物が好ましい。 <触媒の調製>
【0178】本発明で、アイソタクティックプロピレン
(共)重合体の製造に用いられるメタロセン系触媒は、
上記のような成分(a3)、成分(d3)(または成分
(b3))および必要に応じて成分(c3)を不活性炭
化水素溶媒中またはオレフィン溶媒中で混合することに
より調製することができる。
【0179】触媒の調製に用いられる不活性炭化水素溶
媒として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油
などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エチ
レンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどの
ハロゲン化炭化水素あるいはこれらの混合物などを挙げ
ることができる。
【0180】上記のような各成分から触媒を調製する際
には、各成分を任意の順序で接触させることができる
が、成分(a3)と成分(d3)(および/または成分
(b3))とを接触させるか、成分(d3)(および/
または成分(b3))と成分(c3)とを接触させ、次
いで成分(a3)と接触させるか、成分(a3)と成分
(d3)(および/または成分(b3))とを接触さ
せ、次いで成分(c3)を混合させるか、あるいは、成
分(a3)と成分(c3)とを接触させ、次いで成分
(d3)(および/または成分(b3))を接触させる
ことが好ましい。
【0181】上記各成分を接触させるに際して、遷移金
属化合物(VIII)は、約10-8〜10-1モル/リットル
(重合容積)、好ましくは10-7〜5〜10-2モル/リ
ットルの量で用いられる。
【0182】成分(d3)は、成分(a3)中の遷移金
属に対する原子比(Al/遷移金属)で、通常10〜1
0000、好ましくは20〜5000の量で用いられ
る。成分(b3)を用いる場合には、成分(a3)と成
分(b3)とのモル比(成分(a3)/成分(b3))
で、通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5の量で用
いられる。
【0183】成分(c3)は、成分(c3)中のアルミ
ニウム原子(AlC)と成分(d3)中のアルミニウム
原子(AlB-1)との原子比(AlC/AlB-1)で、通
常0.02〜20、好ましくは0.2〜10の量で必要に
応じて用いることができる。
【0184】上記各触媒成分は、重合器中で混合して接
触させてもよく、また予め混合接触させてから重合器に
添加してもよい。予め接触させる際には、通常−50〜
150℃、好ましくは−20〜120℃で、1〜100
0分間、好ましくは5〜600分間接触させる。また接
触時には接触温度を変化させてもよい。
【0185】上記のようなメタロセン系触媒を調製する
際には、上記成分(a3)、成分(d3)(および/ま
たは成分(b3))および必要に応じて用いる成分(c
3)のうち少なくとも一種を、顆粒状あるいは微粒子状
の微粒子状担体に、担持させて固体状触媒を形成しても
よい。
【0186】担体としては多孔質酸化物が好ましく、た
とえばSiO2、Al2O3などの無機担体を用いること
ができる。またエチレン、プロピレン、1-ブテンなどの
α-オレフィン、あるいはスチレンを主成分として生成
される重合体または共重合体などの有機担体を用いるこ
ともできる。
【0187】また本発明で用いられる触媒は、プロピレ
ン、エチレン、1-ブテンなどのオレフィンあるいはこれ
らと他のオレフィン類などが予備重合されていてもよ
い。なお本発明で用いられるオレフィン重合用触媒は、
上記のような各成分以外にもオレフィン重合に有用な他
の成分、たとえば触媒成分としての水なども含むことが
できる。
【0188】<アイソタクティックプロピレン(共)重
合体の製造>本発明で用いられるアイソタクティックプ
ロピレン(共)重合体として、たとえば、プロピレン・
エチレンランダム共重合体は、上記のようなメタロセン
系触媒の存在下に、プロピレンとエチレンとを、最終的
に上記のような特性を有するように共重合させることに
よって製造することができる。重合は懸濁重合、溶液重
合などの液相重合法あるいは気相重合法いずれにおいて
も実施できる。
【0189】液相重合法では上述した触媒調製の際に用
いた不活性炭化水素溶媒と同じものを用いることがで
き、プロピレンを溶媒として用いることもできる。重合
は、懸濁重合法を実施する際には、通常−50〜100
℃、好ましくは0〜90℃の温度で行われることが望ま
しく、溶液重合法を実施する際には、通常0〜250
℃、好ましくは20〜200℃の温度で行われることが
望ましい。また、気相重合法を実施する際には、重合は
通常0〜120℃、好ましくは20〜100℃の温度で
行われることが望ましい。重合は、通常、常圧〜100
kg/cm 2、好ましくは常圧〜50kg/cm2の圧力下で行わ
れる。
【0190】重合は、回分式、半連続式、連続式のいず
れの方法においても行うことができる。さらに重合を反
応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能であ
る。得られるプロピレン・エチレンランダム共重合体の
分子量は、重合系に水素を存在させるか、あるいは重合
温度、重合圧力を変化させることによって調節すること
ができる。 <結晶核剤>結晶核剤としては、従来知られている種々
の結晶核剤を、特に制限されることなく用いることがで
きる。中でも、下記一般式(XIII)、(XIV)および(X
V)に挙げる結晶核剤を好ましい結晶核剤として例示す
ることができる。
【0191】
【化12】
【0192】[式中、R1は酸素、硫黄、もしくは炭素
数1〜10の炭化水素基であり、R2、R3は水素もしく
は炭素数1〜10の炭化水素基であり、R2、R3は同種
であっても異種であってもよく、R2同士、R3同士また
はR2とR3が結合して環状となっていてもよく、Mは、
1〜3価の金属原子であり、nは1〜3の整数であ
る。] このような核剤としては、具体的には、ナトリウム-2,
2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォス
フェート、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-
t-ブチルフェニル) フォスフェート、リチウム-2,2'-メ
チレン-ビス-(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェ
ート、リチウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチ
ルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-エチリ
デン-ビス(4-i-プロピル-6-t-ブチルフェニル) フォス
フェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-
t-ブチルフェニル) フォスフェート、リチウム-2,2'-メ
チレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフ
ェート、カルシウム-ビス[2,2'-チオビス(4-メチル-6
-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、カルシウム-ビ
ス[2,2'-チオビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル) フ
ォスフェート] 、カルシウム-ビス[2,2'-チオビス-
(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、マグ
ネシウム-ビス[2,2'-チオビス(4,6-ジ-t-ブチルフェ
ニル) フォスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-チ
オビス-(4-t-オクチルフェニル) フォスフェート]、ナ
トリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニ
ル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-ブチリデン-ビ
ス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナト
リウム-2,2'-t-オクチルメチレン-ビス(4,6-ジ-メチル
フェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-t-オクチ
ルメチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフ
ェート、カルシウム- ビス-(2,2'-メチレン-ビス(4,6
-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート) 、マグネシウ
ム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニ
ル) フォスフェート] 、バリウム-ビス[2,2'-メチレン
-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、
ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチル
フェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン
-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェー
ト、ナトリウム(4,4'-ジメチル-5,6'-ジ-t-ブチル-2,
2'-ビフェニル) フォスフェート、カルシウム-ビス
[(4,4'-ジメチル-6,6'-ジ-t-ブチル-2,2'-ビフェニ
ル) フォスフェート] 、ナトリウム-2,2'-エチリデン-
ビス(4-m-ブチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェー
ト、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-メチルフ
ェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-
ビス(4,6-ジ-エチルフェニル)フォスフェート、カリウ
ム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)
フォスフェート、カルシウム-ビス[2,2'-エチリデン-
ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フオスフェート] 、
マグネシウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-
ブチルフェニル) フォスフェート] 、バリウム-ビス
[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)
フォスフェート] 、アルミニウム-トリス[2,2'-メチレ
ン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェル)フォスフェート] お
よびアルミニウム-トリス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6
-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] およびこれら
の2個以上の混合物が挙げられる。
【0193】
【化13】
【0194】[式中、R4は水素もしくは炭素数1〜1
0の炭化水素基であり、Mは、1〜3価の金属原子であ
り、nは1〜3の整数である。] このような結晶核剤として、具体的には、具体的には、
ナトリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェー
ト、ナトリウム-ビス(4-メチルフェニル)フォスフェ
ート、ナトリウム-ビス(4-エチルフェニル)フォスフ
ェート、ナトリウム-ビス(4-i-プロピルフェニル)フ
ォスフェート、ナトリウム-ビス(4-t-オクチルフェニ
ル)フォスフェート、カリウム-ビス(4-t-ブチルフェ
ニル)フォスフェート、カルシウム-ビス(4-t-ブチル
フェニル)フォスフェート、マグネシウム-ビス(4-t-
ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-ビス(4-t
-ブチルフェニル)フォスフェート、アルミニウム-ビス
(4-t-ブチルフェニル)フォスフェートおよびこれらの
2種以上の混合物が挙げられる。
【0195】
【化14】
【0196】[式中、R5は水素もしくは炭素数1〜1
0の炭化水素基である。] このような結晶核剤として、具体的には、1,3,2,4-ジベ
ンジリデンソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-p-メ
チルベンジリデンソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4
-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベ
ンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-エ
チルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3
-p-メチルベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソル
ビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-メチルベ
ンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジ
リデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリ
デン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-n-プロピルベンジ
リデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-i-プロピルベン
ジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-n-ブチルベン
ジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-s-ブチルベン
ジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-t-ブチルベン
ジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(2',4'-ジメチル
ベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メトキシ
ベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エトキシ
ベンジリデン)ソルビトール、1,3-ベンジリデン-2-4-p
-クロルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベン
ジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロ
ルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトー
ル、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリ
デンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-p-
クロルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジ
リデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビトールおよび
1,3,2,4-ジ(p-クロルベンジリデン)ソルビトールおよ
びこれらの2個以上の混合物を例示でき、特に1,3,2,4-
ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベ
ンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エチルベン
ジリデン)ソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-
2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ
(p-クロルベンジリデン)ソルビトールおよびそれらの
2種以上の混合物が挙げられる。
【0197】その他の結晶核剤としては、芳香族カルボ
ン酸や脂肪族カルボン酸の金属塩を例示でき、具体的に
は、安息香酸アルミニウム塩、p-t-ブチル安息香酸アル
ミニウム塩やアジピン酸ナトリウム、チオフェネカルボ
ン酸ナトリウム、ピローレカルボン酸ナトリウムなどが
挙げられる。
【0198】このような結晶核剤は、シンジオタクティ
ックポリプロピレン系組成物100重量部に対して、
0.01〜1重量部の量で含まれることが好ましく、さ
らに好ましくは0.01〜0.8重量部の量で含まれる
ことが望ましい。 <シンジオタクティックポリプロピレン系組成物>本発
明に係るシンジオタクティックポリプロピレン系組成物
は、前記シンジオタクティックポリプロピレン(i)と
前記アイソタクティックプロピレン(共)重合体(ii
i)との重量比{(i)/(iii)}が99/1〜1
/99であり、好ましくは95/5〜10/90であ
り、さらに好ましくは90/10〜30/70であるこ
とが望ましい。またシンジオタクティックポリプロピレ
ン(i)と前記アイソタクティックプロピレン(共)重
合体(iii)との混合物(iv)と前記2種以上のα
−オレフィン系共重合体(ii)の合計との重量比
{(iv)/(ii)}が90/10〜10/90であ
り、好ましくは80/20〜20/80であり、さらに
好ましくは75/25〜40/60であることが望まし
い。また2種以上のα−オレフィン系共重合体の各々の
α−オレフィン系共重合体は少なくとも1重量%以上、
さらに好ましくは2重量%以上、特に好ましくは4重量
%以上含まれることが望ましい。
【0199】上記のような量で(i)、(ii)および(iii)
を含有し、これにさらに結晶核剤を添加すると、得られ
るシンジオタクティックポリプロピレン系組成物は、透
明性、柔軟性、ヒートシール性、耐衝撃性に優れる傾向
がある。
【0200】このようなシンジオタクティックポリプロ
ピレン系組成物からなる成形物は、メルトフローレート
(ASTM D 1238,230℃、荷重2.16kg)が、通常0.00
01〜1000g/10分、好ましくは0.0001〜
900g/10分、さらに好ましくは0.0001〜8
00g/10分であり、135℃のデカヒドロナフタレ
ン中で測定される極限粘度[η]が、通常0.01〜1
0dl/g、好ましくは0.05〜10dl/g、さら
に好ましくは0.1〜10dl/gである。
【0201】また、本発明に係るシンジオタクティック
ポリプロピレン系組成物のメルトテンション(MT)
は、通常0.5〜10g、好ましくは1〜10gであ
り、フィルム成形性等の成形性に優れている。なお、こ
のメルトテンション(MT)は、メルトテンションテス
ター[(株)東洋精機製作所製]により、測定温度20
0℃、押出速度15mm/分の条件下で押し出されるス
トランドを一定速度(10m/分)で引き取る際にフィ
ラメントにかかる張力として求めた。
【0202】上記のようなシンジオタクティックポリプ
ロピレン系組成物は、各成分を上記のような範囲で種々
公知の方法、たとえばヘンシェルミキサー、V−ブレン
ダー、リボンブレンダー、タンブラブレンダー等で混合
する方法、あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出機、
ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練後、造粒あ
るいは粉砕する方法を採用して製造することができる。
【0203】このシンジオタクティックポリプロピレン
系組成物には、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、
顔料、染料、発錆防止剤、下記に詳述する「その他の共
重合体」(エラストマー)等を、本発明の目的を損わな
い範囲で配合することもできる。
【0204】<その他の共重合体>本発明に係るシンジ
オタクティックポリプロピレン系組成物には、必要によ
り「その他の共重合体」(エラストマー、エラストマー
用樹脂)が含まれていてもよい。
【0205】このような「その他の共重合体」として
は、エチレン・α− オレフィンランダム共重合体
(P)、水添されていてもよい芳香族炭化水素系ブロッ
ク共重合体(Q)、エチレン・α− オレフィンブロッ
ク共重合体(R)、エチレン・ジエン共重合体(S)、
およびエチレン・トリエン共重合体(T)等が挙げられ
る。これらの共重合体は、1種または2種以上組み合わ
せて用いられる。
【0206】これらの「その他の共重合体」は、本発明
のポリプロピレン組成物中に含まれるシンジオタクティ
ックポリプロピレン(i)と非晶性α−オレフィン系共重
合体(ii)との合計100重量部に対して、通常0〜40
重量部の量で含まれていてもよい。またこれらの「その
他の共重合体」は、ポリプロピレン組成物中に、合計で
通常0〜30重量%の量で含まれていてもよい。
【0207】その他の共重合体を上記のような量で用い
ると、剛性および硬度、透明性、耐衝撃性のバランスに
優れた成形体を製造可能な組成物が得られる。
【0208】<エチレン・α− オレフィンランダム共
重合体(P)>本発明で用いられるエチレン・α− オ
レフィンランダム共重合体(P)としては、密度が0.
860g/cm3以上0.895g/cm3未満、好まし
くは0.860〜0.890g/cm3であって、メル
トフローレート(MFR;ASTMD 1238,190℃、荷重2.1
6kg)が0.5〜30g/10分、好ましくは1〜20
g/10分である軟質エチレン・α− オレフィン共重
合体が望ましい。
【0209】エチレンと共重合させるα− オレフィン
は、炭素原子数3〜20のα− オレフィンであり、具
体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキ
セン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、
1-ウンデセン、1-ドデセン、1-ヘキサドデセン、1-オク
タデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、4-メチル-1-
ペンテンなどが挙げられる。これらの内でも、炭素原子
数3〜10のα− オレフィンが好ましい。これらのα
− オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わ
せて用いられる。
【0210】エチレン・α− オレフィンランダム共重
合体(P)は、エチレンから導かれる単位を60〜90
モル%の量で、炭素原子数3〜20のα− オレフィン
から導かれる単位を10〜40モル%の量で含有してい
ることが望ましい。
【0211】また、エチレン・α− オレフィンランダ
ム共重合体(P)は、これらの単位の他に、本発明の目
的を損なわない範囲で、他の重合性モノマーから導かれ
る単位を含有していてもよい。
【0212】このような他の重合性モノマーとしては、
たとえばビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサ
ン、ビニルノルボルナン等のビニル化合物類;酢酸ビニ
ル等のビニルエステル類;無水マレイン酸等の不飽和有
機酸またはその誘導体;ブタジエン、イソプレン、ペン
タジエン、2,3-ジメチルブタジエン等の共役ジエン類;
1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-1,5-
ヘキサジエン、6-メチル-1,5- ヘプタジエン、7-メチル
-1,6- オクタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘ
キサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボル
ネン、5-ビニルノルボルネン、5-エチリデン-2- ノルボ
ルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-イソプロピリ
デン-2- ノルボルネン、6-クロロメチル-5- イソプロペ
ンル-2-ノルボルネン、2,3-ジイソプロピリデン-5- ノ
ルボルネン、2-エチリデン-3- イソプロピリデン-5- ノ
ルボルネン、2-プロペニル-2,2- ノルボルナジエン等の
非共役ポリエン類などが挙げられる。
【0213】エチレン・α− オレフィンランダム共重
合体(P)は、このような他の重合性モノマーから導か
れる単位を、10モル%以下、好ましくは5モル%以
下、より好ましくは3モル%以下の量で含有していても
よい。
【0214】エチレン・α− オレフィンランダム共重
合体(P)としては、具体的には、エチレン・プロピレ
ンランダム共重合体、エチレン・1-ブテンランダム共重
合体、エチレン・プロピレン・1-ブテンランダム共重合
体、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネンラ
ンダム共重合体、エチレン・1-ヘキセンランダム共重合
体、エチレン・1-オクテンランダム共重合体などが挙げ
られる。これらのうちでも、エチレン・プロピレンラン
ダム共重合体、エチレン・1-ブテンランダム共重合体、
エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体、エチレン・1-
オクテンランダム共重合体などが特に好ましく用いられ
る。これらの共重合体は、2種以上併用してもよい。
【0215】また、本発明で用いられるエチレン・α−
オレフィンランダム共重合体(P)は、X線回折法に
より測定される結晶化度が通常40%以下、好ましくは
0〜39%、さらに好ましくは0〜35%であることが
望ましい。
【0216】上記のようなエチレン・α− オレフィン
ランダム共重合体は、バナジウム系触媒、チタン系触媒
またはメタロセン系触媒などを用いる従来公知の方法に
より製造することができる。
【0217】エチレン・α− オレフィンランダム共重
合体(P)は、シンジオタクティックポリプロピレン系
組成物中に、通常0〜40重量%、好ましくは0〜35
重量%の量で含まれていてもよい。エチレン・α− オ
レフィンランダム共重合体(P)を上記のような量で用
いると、剛性および硬度、透明性、耐衝撃性のバランス
に優れた成形体を調製できる組成物が得られる。
【0218】<水添されていてもよい芳香族炭化水素系
ブロック共重合体(Q)>本発明でエラストマーとして
用いられる、水添されていてもよい芳香族炭化水素系ブ
ロック共重合体(Q)は、芳香族ビニルから導かれるブ
ロック重合単位(X)と、共役ジエンから導かれるブロ
ック重合単位(Y)とからなる芳香族ビニル・共役ジエ
ンブロック共重合体(Q1)およびその水添物(Q2)
である。
【0219】このような構成の芳香族ビニル・共役ジエ
ンブロック共重合体(Q1)の形態は、たとえばX(Y
X)n または(XY)n [nは1以上の整数]で示され
る。このうち、X(YX)n 、特にX−Y−Xの形態を
とるブロック共重合体が好ましく、具体的には、ポリス
チレン−ポリブタジエン(またはポリイソプレンまたは
ポリイソプレン・ブタジエン)−ポリスチレンの形態を
とるスチレン系ブロック共重合体が好ましい。
【0220】このようなスチレン系ブロック共重合体で
は、ハードセグメントである芳香族ビニルブロック重合
単位(X)が、共役ジエンブロック重合単位(Y)の橋
かけ点として存在し物理架橋(ドメイン)を形成してい
る。この芳香族ビニルブロック重合単位(X)間に存在
する共役ジエンブロック重合単位(Y)は、ソフトセグ
メントであってゴム弾性を有している。
【0221】上記のようなブロック重合単位(X)を形
成する芳香族ビニルとしては、具体的には、スチレンの
ほか、α− メチルスチレン、3-メチルスチレン、p-メ
チルスチレン、4-プロピルスチレン、4-ドデシルスチレ
ン、4-シクロヘキシルスチレン、2-エチル-4- ベンジル
スチレン、4-(フェニルブチル)スチレンなどのスチレ
ン誘導体が挙げられる。これらのうちでは、スチレンが
好ましい。
【0222】また、ブロック重合単位(Y)を形成する
共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、ペンタ
ジエン、2,3-ジメチルブタジエンおよびこれらの組合せ
などが挙げられる。これらのうち、ブタジエンまたはイ
ソプレンまたはブタジエンとイソプレンとの組合せが好
ましい。
【0223】この共役ジエンブロック重合単位(Y)が
ブタジエンとイソプレンとから導かれる場合には、イソ
プレンから導かれる単位を40モル%以上の量で含有し
ていることが好ましい。
【0224】また、このようにブタジエン・イソプレン
共重合単位からなる共役ジエンブロック重合単位(Y)
は、ブタジエンとイソプレンとのランダム共重合単位、
ブロック共重合単位またはテーパード共重合単位のいず
れであってもよい。
【0225】上記のような芳香族ビニル・共役ジエンブ
ロック共重合体(Q1)は、芳香族ビニルブロック重合
単位(X)含有量が22重量%以下であり、好ましくは
5〜22重量%である。この芳香族ビニル重合単位の含
有量は、赤外線分光法、NMR分光法などの常法によっ
て測定することができる。
【0226】また、芳香族ビニル・共役ジエンブロック
共重合体(Q1)のメルトフローレート(MFR;ASTM
D 1238,200℃、荷重2.16kg)は、通常5g/10分以
上であり、好ましくは5〜100g/10分である。
【0227】上記のような芳香族ビニル・共役ジエンブ
ロック共重合体(Q1)の製造方法としては、種々の方
法が挙げられ、たとえば、(1) n-ブチルリチウムなどの
アルキルリチウム化合物を開始剤として、芳香族ビニル
化合物、次いで共役ジエンを逐次重合させる方法、(2)
芳香族ビニル化合物次いで共役ジエンを重合させ、これ
をカップリング剤によりカップリングさせる方法、(3)
リチウム化合物を開始剤として、共役ジエン、次いで芳
香族ビニル化合物を逐次重合させる方法などを挙げるこ
とができる。
【0228】また、芳香族ビニル・共役ジエンブロック
共重合体の水添物(Q2)は、上記のような芳香族ビニ
ル・共役ジエンブロック共重合体(Q1)を公知の方法
により水添することにより得ることができる。芳香族ビ
ニル・共役ジエンブロック共重合体の水添物(Q2)
は、通常、水添率が90%以上である。
【0229】この水添率は、共役ジエンブロック重合単
位(Y)中の炭素−炭素二重結合の全量を100%とし
たときの値である。このような芳香族ビニル・共役ジエ
ンブロック共重合体の水添物(Q2)としては、具体的
には、スチレン・イソプレンブロック共重合体の水添物
(SEP)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック
共重合体の水添物(SEPS;ポリスチレン・ポリエチ
レン/プロピレン・ポリスチレンブロック共重合体)、
スチレン・ブタジエンブロック共重合体の水添物(SE
BS;ポリスチレン・ポリエチレン/ブチレン・ポリス
チレンブロック共重合体)などが挙げられ、より具体的
には、HYBRAR[クラレ(株)製]、クレイトン
[シェル化学(株)製]、キャリフレックスTR[シェ
ル化学(株)製]、ソルプレン[フィリップスペトロリ
ファム社製]、ユーロプレンSOLT[アニッチ社
製]、タフプレン[旭化成工業(株)製]、ソルプレン
−T[日本エラストマー社製]、JSR−TR[日本合
成ゴム(株)製]、電化STR[電気化学工業(株)
製]、クインタック[日本ゼオン(株)製]、クレイト
ンG[シェル化学(株)製]、タフテック[旭化成工業
(株)製](以上商品名)などが挙げられる。
【0230】芳香族ビニル・共役ジエンブロック共重合
体の水添物(Q2)としては、これらのうちでもSEB
S、SEPSが好ましく用いられる。水添されていても
よい芳香族炭化水素系ブロック共重合体(Q)は、ポリ
プロピレン組成物中に、通常0〜30重量%、好ましく
は0〜25重量%の量で含まれていてもよい。水添され
ていてもよい芳香族炭化水素系ブロック共重合体(Q)
を上記のような量で用いると、剛性および硬度、透明
性、耐衝撃性のバランスに優れた成形体を調製できる組
成物が得られる。
【0231】<エチレン・α− オレフィンブロック共
重合体(R)>本発明でエラストマーとして用いられる
エチレン・α− オレフィンブロック共重合体(R)
は、炭素原子数3〜10のオレフィンから誘導される構
成単位0〜20モル%と、エチレンから誘導される構成
単位100〜80モル%とからなる結晶性ポリエチレン
部と、炭素原子数2〜20のオレフィンから誘導される
構成単位を2種以上含む、低結晶性共重合体部または非
晶性共重合体部とからなる。
【0232】本発明では、エチレンから誘導される構成
単位が30〜95モル%の量で含有され、炭素原子数3
〜20のオレフィンから誘導される構成単位が70〜5
モル%の量で含有されているエチレン・α− オレフィ
ンブロック共重合体が好ましい。特にエチレンから誘導
される構成単位が60〜90モル%の量で含有され、炭
素原子数3〜20のオレフィンから誘導される構成単位
が40〜10モル%の量で含有されているエチレン・α
− オレフィンブロック共重合体が好ましい。
【0233】ここで、炭素原子数3〜20のオレフィン
としては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペン
テン、1-ヘキセン、4-メチル-1- ペンテン、3-メチル-1
- ペンテン、1-オクテン、3-メチル-1- ブテン、1-デセ
ン、1-ドデセン、1-テトラドデセン、1-ヘキサデセン、
1-オクタデセン、1-エイコセン、シクロペンテン、シク
ロヘプテン、ノルボルネン、5-エチル-2- ノルボルネ
ン、テトラシクロドデセン、2-エチル-1,4,5,8- ジメタ
ノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a- オクタヒドロナフタレンなどが
挙げられる。
【0234】上記の炭素原子数3〜20のオレフィンま
たはエチレンから誘導される構成単位は、単独または2
種以上で含有されていてもよい。また、本発明で用いら
れるエチレン・α− オレフィンブロック共重合体は、
炭素原子数4〜20のジエン化合物から誘導される構成
単位を5モル%以下の量で含有していてもよい。
【0235】このようなジエン化合物としては、具体的
には、1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,4-ペンタ
ジエン、1,3-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘ
キサジエン、4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-
1,4- ヘキサジエン、6-メチル-1,6- オクタジエン、7-
メチル-1,6- オクタジエン、6-エチル-1,6- オクタジエ
ン、6-プロピル-1,6- オクタジエン、6-ブチル-1,6- オ
クタジエン、6-メチル-1,6- ノナジエン、7-メチル-1,6
- ノナジエン、6-エチル-1,6- ノナジエン、7-エチル-
1,6- ノナジエン、6-メチル-1,6- デカジエン、7-メチ
ル-1,6- デカジエン、6-メチル-1,6- ウンデカジエン、
1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン、イソプレン、ブタ
ジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエンなどが挙げられる。
【0236】このようなエチレン・α− オレフィンブ
ロック共重合体(R)は、メルトフローレート(MF
R;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が通常0.00
01〜500g/10分、好ましくは0.0001〜3
00g/10分、さらに好ましくは0.0001〜20
0g/10分の範囲にあり、密度(ASTM D 1505)は、
0.85〜0.90g/cm3、好ましくは0.85〜
0.89g/cm3、さらに好ましくは0.86〜0.
89g/cm3であることが望ましい。
【0237】この共重合体(R)における沸騰ヘプタン
不溶成分のX線回折法により測定した結晶化度は、通常
0〜30%、好ましくは0〜28%、さらに好ましくは
0〜25%であることが望ましい。
【0238】エチレン・α− オレフィンブロック共重
合体(R)の沸騰ヘプタン不溶成分は、以下のようにし
て調製される。すなわち、撹拌装置付1リットルのフラ
スコに、重合体試料3g、2,6-ジ-tert-ブチル-4- メチ
ルフェノール20mg、n-デカン500mlを入れ、1
45℃の油浴上で加熱溶解させる。重合体試料が溶解し
た後、約8時間かけて室温まで冷却し、続いて23℃の
水浴上で8時間保持する。析出した重合体(23℃デカ
ン不溶成分)を含むn-デカン懸濁液をG−4(またはG
−2)のグラスフィルターで濾過分離し、減圧乾燥した
後、重合体1.5gを6時間以上ヘプタンを用いてソッ
クスレー抽出して沸騰ヘプタン不溶成分を得る。
【0239】結晶化度は、上記のようにして得られた沸
騰ヘプタン不溶成分を試料として用い、次のようにして
測定される。すなわち、試料を180℃の加圧成形機に
て厚さ1mmの角板に成形した後、直ちに水冷して得た
プレスシートを用い、理学電機(株)製ローターフレッ
クス RU300測定装置を用いて測定することにより
決定される(出力50kV、250mA)。この際の測
定法としては、透過法を用い、またサンプルを回転させ
ながら測定を行なう。
【0240】本発明で用いられるエチレン・α− オレ
フィンブロック共重合体(R)の沸騰ヘプタン不溶成分
の密度は、通常0.86g/cm3以上、好ましくは
0.87g/cm3以上であることが望ましい。
【0241】また、エチレン・α− オレフィンブロッ
ク共重合体(R)の23℃n-デカン可溶成分量は、0.
1〜99%、好ましくは0.5〜99%、さらに好まし
くは1〜99%の範囲にあることが望ましい。
【0242】本発明では、エチレン・α− オレフィン
ブロック共重合体の23℃n-デカン可溶成分量は、次の
ようにして測定される。すなわち、撹拌装置付1リット
ルのフラスコに、重合体試料3g、2,6-ジ-tert-ブチル
-4- メチルフェノール20mg、n-デカン500mlを
入れ、145℃の油浴上で加熱溶解させる。重合体試料
が溶解した後、約8時間かけて室温まで冷却し、続いて
23℃の水浴上で8時間保持する。析出した重合体と、
溶解ポリマーを含むn-デカン溶液とをG−4(またはG
−2)のグラスフィルターで濾過分離する。このように
して得られた溶液を10mmHg、150℃の条件で加
熱してn-デカン溶液に溶解していたポリマーを定量にな
るまで乾燥し、その重量を23℃デカン可溶成分量と
し、エチレン・α− オレフィンブロック共重合体の2
3℃n-デカン可溶成分量は、重合体試料の重量に対する
百分率として算出する。
【0243】このような本発明で用いられるエチレン・
α− オレフィンブロック共重合体(R)は、従来公知
の方法により調製することができる。エチレン・α−
オレフィンブロック共重合体(R)は、ポリプロピレン
系組成物中に、通常0〜40重量%、好ましくは0〜3
5重量%の量で含まれていてもよい。 エチレン・α−
オレフィンブロック共重合体(R)を上記のような量で
用いると、剛性および硬度、透明性、耐衝撃性のバラン
スに優れた成形体を調製できる組成物が得られる。
【0244】<エチレン・トリエン共重合体(T)>本
発明でエラストマーとして用いられるエチレン・トリエ
ン共重合体(T)は、エチレンとトリエンとのランダム
共重合体である。
【0245】エチレンと共重合させるトリエンとして
は、具体的には、6,10- ジメチル-1,5,9- ウンデカトリ
エン、4,8-ジメチル-1,4,8- デカトリエン、5,9-ジメチ
ル-1,4,8- デカトリエン、6,9-ジメチル-1,5,8- デカト
リエン、6,8,9-トリメチル-1,5,8- デカトリエン、6-エ
チル-10-メチル-1,5,9- ウンデカトリエン、4-エチリデ
ン-1,6- オクタジエン、7-メチル-4- エチリデン-1,6-
オクタジエン、4- エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエ
ン(EMND)、7-メチル-4- エチリデン-1,6- ノナジ
エン、7-エチル-4- エチリデン-1,6- ノナジエン、6,7-
ジメチル-4- エチリデン-1,6- オクタジエン、6,7-ジメ
チル-4- エチリデン-1,6- ノナジエン、4-エチリデン-
1,6- デカジエン、7-メチル-4- エチリデン-1,6- デカ
ジエン、7-メチル-6- プロピル-4- エチリデン-1,6- オ
クタジエン、4-エチリデン-1,7- ノナジエン、8-メチル
-4- エチリデン-1,7- ノナジエン、4-エチリデン-1,7-
ウンデカジエン等の非共役トリエン;1,3,5- ヘキサト
リエン等の共役トリエン;などが挙げられる。これらの
トリエンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用
いることができる。
【0246】上記のようなトリエンは、たとえばEP0
691354A1公報、WO96/20150号公報に
記載されているような従来公知の方法によって調製する
ことができる。
【0247】本発明で用いられるエチレン・トリエン共
重合体(T)において、トリエンから導かれる構成単位
の含有割合は、通常0.1〜30モル%、好ましくは
0.1〜20モル%、さらに好ましくは0.5〜15モ
ル%の範囲内にあることが望ましい。ヨウ素価は、通常
1〜200、好ましくは1〜100、さらに好ましくは
1〜50であることが望ましい。
【0248】また、エチレン・トリエン共重合体(T)
の135℃のデカヒドロナフタレン中で測定した極限粘
度[η]は、0.01〜10dl/g、好ましくは0.
05〜10dl/g、さらに好ましくは0.1〜10d
l/gの範囲内にあることが望ましい。
【0249】上記のようなエチレン・トリエン共重合体
(T)は、従来公知の方法により調製することができ
る。エチレン・トリエン共重合体(T)は、シンジオタ
クティックポリプロピレン系組成物中に、通常0〜40
重量%、好ましくは0〜35重量%の量で含まれていて
もよい。エチレン・トリエン共重合体(T)を上記のよ
うな量で用いると、剛性および硬度、透明性、耐衝撃性
のバランスに優れた成形体を調製できる組成物が得られ
る。
【0250】[成形体]上記のような本発明に係るシン
ジオタクティックポリプロピレン系組成物は、従来公知
のポリオレフィン用途に広く用いることができるが、特
にポリオレフィン組成物をたとえばシート、未延伸また
は延伸フィルム、フィラメント、他の種々形状の成形体
に成形して利用することができる。
【0251】成形体としては具体的には、押出成形、射
出成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロ
ー成形、射出ブロー成形、プレス成形、真空成形、カレ
ンダー成形、発泡成形などの公知の熱成形方法により得
られる成形体が挙げられる。以下に数例挙げて成形体を
説明する。
【0252】本発明に係る成形体がたとえば押出成形体
である場合、その形状および製品種類は特に限定されな
いが、たとえばシート、フィルム(未延伸)、パイプ、
ホース、電線被覆、フィラメントなどが挙げられ、特に
シート、フィルム、フィラメントなどが好ましい。
【0253】軟質組成物を押出成形する際には、従来公
知の押出装置および成形条件を採用することができ、た
とえば単軸スクリュー押出機、混練押出機、ラム押出
機、ギヤ押出機などを用いて、溶融したシンジオタクテ
ィックポリプロピレン組成物をTダイなどから押出すこ
とによりシートまたはフィルム(未延伸)などに成形す
ることができる。
【0254】延伸フィルムは、上記のような押出シート
または押出フィルム(未延伸)を、たとえばテンター法
(縦横延伸、横縦延伸)、同時二軸延伸法、一軸延伸法
などの公知の延伸方法により延伸して得ることができ
る。
【0255】シートまたは未延伸フィルムを延伸する際
の延伸倍率は、二軸延伸の場合には通常20〜70倍程
度、また一軸延伸の場合には通常2〜10倍程度であ
る。延伸によって、厚み5〜200μm程度の延伸フィ
ルムを得ることが望ましい。
【0256】また、フィルム状成形体として、インフレ
ーションフィルムを製造することもできる。インフレー
ション成形時にはドローダウンを生じにくい。上記のよ
うな本発明に係るシンジオタクティックポリプロピレン
系組成物からなるシートおよびフィルム成形体は、帯電
しにくく、引張弾性率などの柔軟性、耐熱性、ヒートシ
ール性、耐衝撃性、耐老化性、透明性、透視性、光沢、
剛性、防湿性およびガスバリヤー性に優れており、包装
用フィルムなどとして幅広く用いることができる。特に
防湿性に優れるため、薬品の錠剤、カプセルなどの包装
に用いられるプレススルーパック(press through pac
k)などに好適に用いられる。
【0257】また、フィラメント成形体は、たとえば溶
融したポリプロピレン組成物を、紡糸口金を通して押出
すことにより製造することができる。このようにして得
られたフィラメントを、さらに延伸してもよい。この延
伸は、フィラメントの少なくとも一軸方向が分子配向す
る程度に行なえばよく、通常5〜10倍程度の倍率で行
なうことが望ましい。本発明に係るポリプロピレン系組
成物からなるフィラメントは帯電しにくく、また透明
性、剛性、耐熱性および耐衝撃性に優れている。
【0258】射出成形体は、従来公知の射出成形装置を
用いて公知の条件を採用して、軟質ポリプロピレン組成
物を種々の形状に射出成形して製造することができる。
本発明に係るシンジオタクティックポリプロピレン系組
成物からなる射出成形体は帯電しにくく、剛性、耐熱
性、耐衝撃性、表面光沢、耐薬品性、耐磨耗性などに優
れており、自動車内装用トリム材、自動車用外装材、家
電製品のハウジング、容器など幅広く用いることができ
る。
【0259】ブロー成形体は、従来公知のブロー成形装
置を用いて公知の条件を採用して、シンジオタクティッ
クポリプロピレン系組成物をブロー成形することにより
製造することができる。
【0260】たとえば押出ブロー成形では、上記シンジ
オタクティックポリプロピレン系組成物を樹脂温度10
0℃〜300℃の溶融状態でダイより押出してチューブ
状パリソンを形成し、次いでパリソンを所望形状の金型
中に保持した後空気を吹き込み、樹脂温度130℃〜3
00℃で金型に着装することにより中空成形体を製造す
ることができる。延伸(ブロー)倍率は、横方向に1.
5〜5倍程度であることが望ましい。
【0261】また、射出ブロー成形では、上記シンジオ
タクティックポリプロピレン系組成物を樹脂温度100
℃〜300℃でパリソン金型に射出してパリソンを成形
し、次いでパリソンを所望形状の金型中に保持した後空
気を吹き込み、樹脂温度120℃〜300℃で金型に着
装することにより中空成形体を製造することができる。
延伸(ブロー)倍率は、縦方向に1.1〜1.8倍、横
方向に1.3〜2.5倍であるであることが望ましい。
【0262】本発明に係るシンジオタクティックポリプ
ロピレン系組成物からなるブロー成形体は、透明性、剛
性、耐熱性および耐衝撃性に優れるとともに防湿性にも
優れている。
【0263】プレス成形体としてはモールドスタンピン
グ成形体が挙げられ、たとえば基材と表皮材とを同時に
プレス成形して両者を複合一体化成形(モールドスタン
ピング成形)する際の基材を本発明に係るシンジオタク
ティックポリプロピレン系組成物で形成することができ
る。
【0264】このようなモールドスタンピング成形体と
しては、具体的には、ドアートリム、リアーパッケージ
トリム、シートバックガーニッシュ、インストルメント
パネルなどの自動車用内装材が挙げられる。
【0265】本発明に係るシンジオタクティックポリプ
ロピレン系組成物は、透明性、高剛性を示し、たとえば
エラストマー成分を含有していても充分に高い剛性を示
すので、種々の高剛性用途に用いることができる。たと
えば特に自動車内外装材、家電のハウジング、各種容器
などの用途に好適に利用することができる。
【0266】本発明に係るシンジオタクティックポリプ
ロピレン系組成物からなるプレス成形体は帯電しにく
く、剛性、耐熱性、透明性、耐衝撃性、耐老化性、表面
光沢、耐薬品性、耐磨耗性などに優れている。
【0267】本発明に係るこのようなシンジオタクティ
ックポリプロピレン系組成物は、たとえば下記の用途に
好適に使用することができる。 フィルム:多層延伸フィルム、多層未延伸フィルム、ラ
ミネートフィルム、シュリンクフィルム、ストレッチフ
ィルム、ラップフィルム、プロテクトフィルム、レトル
トフィルム、多孔性フィルム、バリアーフィルム、金属
蒸着フィルム、農業用フィルム シートおよびシート成形品:壁紙、発泡シート、電線被
覆、プリスター包装、トレー、文具、食品容器、玩具、
化粧品容器、医療器具、洗剤容器、床材、クッションフ
ロワー、化粧シート、靴底 ブロー品:ボトル 押し出し品:チューブ、電線被覆、ケーブル被覆、パイ
プ、ガスケット ファイバー:繊維、フラットヤーン 不織布および不織布製品:不織布、フィルター 射出品:自動車内装表皮材、自動車外装材、日用雑貨
品、家電製品、キャップ、コンテナ、パレット 改質材:粘接着剤、潤滑油添加剤、ホットメルト接着
剤、トナー離型剤、顔料分散剤、アスファルト改質材 その他:シーラント、真空成形体、パウダースラッシュ
【0268】
【発明の効果】本発明によれば、透明性、耐衝撃性、柔
軟性、耐熱性、耐傷付性などのバランスに優れた成形物
を得ることができるシンジオタクティックポリプロピレ
ン系組成物が得られる。
【0269】
【実施例】以下、本発明について実施例に基づいてさら
に具体的に説明するが、本発明はかかる実施例により何
等限定されるものではない。
【0270】以下、物性試験条件等を記す。 [引張試験] 1.引っ張り弾性率;JIS K6301に準拠して、JIS3
号ダンベルを用い、スパン間:30mm、引っ張り速
度:30mm/minで23℃にて測定した。 2.マルテンス硬度(1/mm);東京衝機製のマルテ
ンス硬度引掻硬度試験機を用いて、厚さ3mmの試験片
に引っ掻き圧子20gの荷重を加え試料を引き掻いた時
に生じる溝幅を測定し、その逆数を算出した。 3.針侵入温度(℃);JIS K7196に準拠し、厚さ2m
mの試験片を用いて、昇温速度5℃/minで1.8m
mφの平面圧子に2Kg/cm2の圧力をかけ、TMA
曲線より、針進入温度(℃)を求めた。 4.ヘイズ(%);厚さ1mmの試験片を用いて、日本
電色工業(株)製のデジタル濁度計「NDH−20D」
にて測定した。
【0271】[融点(Tm)およびガラス転移温度(T
g)]DSCの吸熱曲線を求め、最大ピーク位置の温度
をTmとする。
【0272】測定は、試料をアルミパンに詰め、100
℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持し
たのち、10℃/分で−150℃まで降温し、ついで1
0℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。
【0273】なおDSC測定時の吸熱ピークから、単位
重さ当たりの融解熱量を求め、これをポリエチレンの結
晶の融解熱量70cal/gで除して求めることにより、
結晶化度(%)を求めることができる。
【0274】[極限粘度[η]]135℃、デカリン中
で測定した。 [Mw/Mn]GPC(ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー)を用い、オルトジクロロベンゼン溶媒で、
140℃で測定した。
【0275】
【合成例1】(シンジオタクティックポリプロピレンの
合成)特開平2−274763号公報に記載の方法に従
い、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フル
オレニルジルコニウムジクロライドおよびメチルアルミ
ノキサンからなる触媒を用いて、水素の存在下でプロピ
レンの塊状重合法によってシンジオタクチックポリプロ
ピレンを得た。得られたシンジオタクチックポリプロピ
レンのメルトフローインデックスは、4.4g/10分
であり、GPCによる分子量分布は2.3であり、13
−NMRによって測定されたシンジオタクチックペンタ
ッド分率(r.r.r.r)は0.823であり、示差
走査熱量分析で測定したTmは127℃、Tcは57℃
であった。
【0276】
【合成例2】(アタクティックプロピレン・エチレン共
重合体の合成)減圧乾燥および窒素置換してある1.5
Lのオートクレーブに、常温でヘプタン750ml加
え、続いてトリイソブチルアルミニウム(以下TIBA
と略す)の1.0ミリモル/mlトルエン溶液をアルミ
ニウム原子が0.3ミリモルとなるように0.3ml加
え、撹拌下に下にプロピレンを30リットル(25℃、
1気圧)挿入し、昇温を開始し60℃に到達させた。そ
の後系内をエチレンで5.9kg/cm2Gとなるよう
に加圧し、公知の方法で合成した(ジメチル(t−ブチ
ルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニ
ル)シラン)ジクロライドチタンのトルエン溶液(0.
0001mM/ml)を3.75ml、(トリフェニル
カルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレー
トのトルエン溶液(0.001mM/ml)を2.0m
l加え、プロピレンとエチレンの共重合を開始させた。
このときの触媒濃度は、全系に対して(ジメチル(t−
ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエ
ニル)シラン)ジクロライドチタンが0.0005ミリ
モル/リットル、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレートが0.002ミリモル
/リットルであった。重合中、エチレンを連続的に供給
することにより内圧を5.9kg/cm2Gに保持し
た。15分後、重合反応をメチルアルコールを添加する
ことにより停止した。脱圧後、ポリマー溶液を取り出
し、「水1リットルに対して濃塩酸5mlを添加した水
溶液」と1:1の割合で用いて洗浄し触媒残差を水相に
移行させた。この接触混合溶液を静置したのち、水相を
分離除去しさらに蒸留水で2回水洗し、重合液相を油水
分離した。次いで油水分離された重合液相を3倍量のア
セトンと強撹拌下に接触させ、重合体を析出させたの
ち、アセトンで十分に洗浄し固体部(共重合体)を濾過
により採取した。窒素流通下、130℃、350mmH
gで12時間乾燥した。以上のようにして得られたプロ
ピレン・エチレン共重合体は、収量が29gであり、1
35℃デカリン中で測定した極限粘度〔η〕が3.2d
l/gであり、ガラス転移温度Tgが−22℃であり、
エチレン含量が16.0モル%であり、活性が310k
g/ミリモルZr・hrであり、GPCによる分子量分
布は2.6であった。ヤングモジュラスは、3MPaで
あった。
【0277】
【合成例3】(アイソタクティックプロピレン・エチレ
ン共重合体の合成)減圧乾燥および窒素置換してある
1.5リットルのオートクレーブに、常温でヘプタン7
50ml加え、続いてTIBAの1.0ミリモル/ml
トルエン溶液をアルミニウム原子が0.3ミリモルとな
るように0.3ml加え、撹拌下に下にプロピレンを2
8リットル(25℃、1気圧)挿入し、昇温を開始し6
0℃に到達させた。その後系内をエチレンで5.9kg
/cm2Gとなるように加圧し、公知の方法で合成したr
ac-ジメチルシリレン-ビス{1−(2−メチル−4−フ
ェニルインデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエ
ン溶液(0.0001mM/ml)を3.75ml、メ
チルアルミノキサンのトルエン溶液(0.01mM/m
l)を9.38ml加え、プロピレンとエチレンの共重
合を開始させた。この時の触媒濃度は、全系に対してra
c-ジメチルシリレン-ビス{1−(2−メチル−4−フ
ェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド0.00
05ミリモル/リットル、メチルアルミノキサン0.1
25ミリモル/リットルであった。重合中、エチレンを
連続的に供給することにより内圧を5.9kg/cm2
Gに保持した。15分後、重合反応をメチルアルコール
を添加することにより停止した。脱圧後、ポリマー溶液
を取り出し、「水1Lに対して濃塩酸5mlを添加した
水溶液」と1:1の割合で用いて洗浄し触媒残差を水相
に移行させた。この接触混合溶液を静置したのち、水相
を分離除去しさらに蒸留水で2回水洗し、重合液相を油
水分離した。次いで油水分離された重合液相を3倍量の
アセトンと強撹拌下に接触させ、重合体を析出させたの
ち、アセトンで十分に洗浄し固体部(共重合体)を濾過
により採取した。窒素流通下、130℃、350mmH
gで12時間乾燥した。以上のようにして得られたプロ
ピレン・エチレン共重合体の収量は26gであり、13
5℃デカリン中で測定した極限粘度〔η〕が2.8dl
/gであり、ガラス転移温度Tgは−47℃であり、エ
チレン含量は30.0モル%であり、活性は276kg
/ミリモルZr・hrであり、GPCによる分子量分布
は2.7であった。また、DSCにより測定した融解ピ
ークは、観測されるもののブロードであるため定量化で
きなかった。ヤングモジュラスは、3MPaであった。
【0278】
【合成例4】(シンジオタクティックプロピレン・エチ
レン共重合体の合成)減圧乾燥および窒素置換してある
1.5リットルのオートクレーブに、常温でヘプタンを
750ml加え、続いてTIBAの1.0ミリモル/m
lトルエン溶液をアルミニウム原子に換算してその量が
0.3ミリモルとなるように0.3ml加え、攪拌下に
プロピレンを50.7リットル(25℃、1気圧)挿入
し、昇温を開始し30℃に到達させた。その後、系内を
エチレンで5.5kg/cm2Gとなるように加圧し、
公知の方法で合成したジフェニルメチレン(シクロペン
タジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリドのヘ
プタン溶液(0.0002mM/ml)を3.75m
l、(トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート)のトルエン溶液(0.002m
M/ml)を2.0ml加え、プロピレンとエチレンの
共重合を開始させた。この時の触媒濃度は、全系に対し
てジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオ
レニルジルコニウムジクロリドが0.001ミリモル/
リットル、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレートが0.004ミリモル/リッ
トルであった。
【0279】重合中、エチレンを連続的に供給すること
により、内圧を5.5kg/cm2Gに保持した。重合
を開始して30分後、重合反応をメチルアルコールを添
加することにより停止した。脱圧後、ポリマー溶液を取
り出し、このポリマー溶液に対して、「水1リットルに
対して濃塩酸5mlを添加した水溶液」を1:1の割合
で用いてこのポリマー溶液を洗浄し、触媒残渣を水相に
移行させた。この触媒混合溶液を静置したのち、水相を
分離除去しさらに蒸留水で2回洗浄し、重合液相を油水
分離した。次いで、油水分離された重合液相を3倍量の
アセトンと強攪拌下に接触させ、重合体を析出させたの
ち、アセトンで十分に洗浄し固体部(共重合体)を濾過
により採取した。窒素流通下、130℃、350mmH
gで12時間乾燥した。以上のようにして得られたプロ
ピレン・エチレン共重合体の収量は50gであり、13
5℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は2.4dl
/gであり、ガラス転移温度Tgは−28℃であり、エ
チレン含量は24.0モル%であり、GPCにより測定
した分子量分布(Mw/Mn)は2.9であった。ヤン
グモジュラスは2MPaであった。
【0280】また、前述のDSC測定条件では融解ピー
クは、実質的に観測されなかった。
【0281】
【合成例5】(アタクティックプロピレン・ブテン共重
合体の合成)減圧乾燥および窒素置換してある1.5リ
ットルのオートクレーブに、常温でヘプタンを710m
l加え、続いてTIBAの1.0ミリモル/mlトルエ
ン溶液をアルミニウム原子に換算してその量が1.0ミ
リモルとなるように1.0ml加え、攪拌下に、1−ブ
テンを25g挿入し、昇温を開始し30℃に到達させ
た。その後、系内をプロピレンで6.0kg/cm2
となるように加圧し、公知の方法で合成した公知の方法
で合成した(ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラメ
チル-η5-シクロペンタジエニル)シラン)ジクロライ
ドチタンのトルエン溶液(0.01mM/ml)を0.
75ml、メチルアルミノキサンのトルエン溶液(1m
M/ml)を4.5ml加え、プロピレンと1−ブテン
の共重合を開始させた。この時の触媒濃度は、全系に対
して(ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η
5-シクロ-ペンタジエニル)シラン)ジクロライドチタ
ンが0.01ミリモル/リットル、メチルアルミノキサ
ンが6.0ミリモル/リットルであった。
【0282】重合中、プロピレンを連続的に供給するこ
とにより、内圧を6.0kg/cm 2Gに保持した。重
合を開始して15分後、重合反応をメチルアルコールを
添加することにより停止した。脱圧後、ポリマー溶液を
取り出し、このポリマー溶液に対して、「水1リットル
に対して濃塩酸5mlを添加した水溶液」を1:1の割
合で用いてこのポリマー溶液を洗浄し、触媒残渣を水相
に移行させた。この触媒混合溶液を静置したのち、水相
を分離除去しさらに蒸留水で2回洗浄し、重合液相を油
水分離した。次いで、油水分離された重合液相を3倍量
のアセトンと強攪拌下に接触させ、重合体を析出させた
のち、アセトンで十分に洗浄し固体部(共重合体)を濾
過により採取した。窒素流通下、130℃、350mm
Hgで12時間乾燥した。以上のようにして得られたプ
ロピレン・ブテン共重合体の収量は130gであり、1
35℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は1.1d
l/gであり、ガラス転移温度Tgは−8℃であり、ブ
テン含量は6.2モル%であり、GPCにより測定した
分子量分布(Mw/Mn)は2.8であった。ヤングモ
ジュラスは5MPaであった。
【0283】また、前述のDSC測定条件では融解ピー
クは、実質的に観測されなかった。
【0284】
【合成例6】(シンジオタクティックプロピレン・ブテ
ン共重合体の合成)減圧乾燥および窒素置換してある
1.5リットルのオートクレーブに、常温でヘプタンを
675ml加え、続いてTIBAの1.0ミリモル/m
lトルエン溶液をアルミニウム原子に換算してその量が
1.0ミリモルとなるように1.0ml加え、攪拌下
に、1−ブテンを30g挿入し、昇温を開始し30℃に
到達させた。その後、系内をプロピレンで6.0kg/
cm2Gとなるように加圧し、公知の方法で合成した公
知の方法で合成したジフェニルメチレン(シクロペンタ
ジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリドのトル
エン溶液(0.01mM/ml)を0.75ml、メチ
ルアルミノキサンのトルエン溶液(1.0mM/ml)
を4.5ml加え、プロピレンと1−ブテンの共重合を
開始させた。この時の触媒濃度は、全系に対してジフェ
ニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジ
ルコニウムジクロリドが0.01ミリモル/リットル、
メチルアルミノキサンが6.0ミリモル/リットルであ
った。
【0285】重合中、プロピレンを連続的に供給するこ
とにより、内圧を6.0kg/cm 2Gに保持した。重
合を開始して15分後、重合反応をメチルアルコールを
添加することにより停止した。脱圧後、ポリマー溶液を
取り出し、このポリマー溶液に対して、「水1リットル
に対して濃塩酸5mlを添加した水溶液」を1:1の割
合で用いてこのポリマー溶液を洗浄し、触媒残渣を水相
に移行させた。この触媒混合溶液を静置したのち、水相
を分離除去しさらに蒸留水で2回洗浄し、重合液相を油
水分離した。次いで、油水分離された重合液相を3倍量
のアセトンと強攪拌下に接触させ、重合体を析出させた
のち、アセトンで十分に洗浄し固体部(共重合体)を濾
過により採取した。窒素流通下、130℃、350mm
Hgで12時間乾燥した。以上のようにして得られたプ
ロピレン・ブテン共重合体の収量は75gであり、13
5℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は2.7dl
/gであり、ガラス転移温度Tgは−5.3℃であり、
融解熱量は20J/gであり、ブテン含量は11モルで
あり、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)
は2.4であった。ヤングモジュラスは145MPaで
あった。
【0286】
【合成例7】(アイソタクティックプロピレン(共)重
合体の合成)充分に窒素置換した200リットルの撹拌
翼のついた重合器に、ヘキサンを80リットル、トリイ
ソブチルアルミニウムを80ミリモル、水素0.25リ
ットル、エチレン9kg、プロピレン0.3kgを仕込
み、70℃に昇温した後、メチルアルミノキサン18ミ
リモル、rac-ジメチルシリレン−ビス(2-メチル-4−
フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを
Zr原子に換算して0.06ミリモル加えプロピレンと
エチレンをそれぞれ13.7kg、0.5kgをフィー
ドした。重合後、脱気して大量のメタノール中でポリマ
ーを回収し、80℃で10時間減圧乾燥した。
【0287】得られたポリマーは7.0kgであり、重
合活性は117kg・ポリマー/ミリモルZr・hrで
あった。このポリマーは、13C−NMRの測定によれば
アイソタクティック構造であり、分子量分布Mw/Mn
は2.0であり、エチレンから導かれる単位は4.7モ
ル%であり、極限粘度[η]は2.7dl/gであり、融
点は123℃であった。
【0288】
【実施例1】上記合成例1で得られたシンジオタクティ
ックポリプロピレン42重量部と合成例7で得られたア
イソタクティックプロピレン(共)重合体28重量部
と、合成例2で得られたアタクティックプロピレン・エ
チレン共重合体24重量部と、合成例4で得られたシン
ジオタクティックプロピレン・エチレン共重合体6重量
部の合計100重量部に対してソルビトール系結晶核剤
ゲルオールMD(新日本理化学製)を0.02重量部を添
加、溶融混練してシンジオタクティックポリプロピレン
系組成物を得た。
【0289】この組成物の引張り弾性率は144MPa
であり、マルテンス硬度は、11.2であり、針進入温
度は124℃、Hazeは12.5%であった。以上の
結果を表2に示す。
【0290】
【実施例2】上記合成例1で得られたシンジオタクティ
ックポリプロピレン42重量部と合成例7で得られたア
イソタクティックプロピレン(共)重合体28重量部
と、合成例4で得られたシンジオタクティックプロピレ
ン・エチレン共重合体24重量部合成例3で得られたア
イソタクティックプロピレン・エチレン共重合体6重量
部の合計100重量部に対してソルビトール系結晶核剤
ゲルオールMD(新日本理化学製)を0.02重量部を添
加、溶融混練してシンジオタクティックポリプロピレン
系組成物を得た。
【0291】この組成物の引張り弾性率は174MPa
であり、マルテンス硬度は、9.4であり、針進入温度
は123℃、Hazeは14.9%であった。以上の結
果を表2に示す。
【0292】
【実施例3】上記合成例1で得られたシンジオタクティ
ックポリプロピレン42重量部と合成例7で得られたア
イソタクティックプロピレン(共)重合体28重量部、
合成例2で得られたアタクティックプロピレン・エチレ
ン共重合体24重量部と、合成例3で得られたアイソタ
クティックプロピレン・エチレン共重合体6重量部の合
計100重量部に対してソルビトール系結晶核剤ゲルオ
ールMD(新日本理化学製)を0.02重量部を添加、溶
融混練してシンジオタクティックポリプロピレン系組成
物を得た。
【0293】この組成物の引張り弾性率は183MPa
であり、マルテンス硬度は、10.3であり、針進入温
度は126℃、Hazeは17.6%であった。以上の
結果を表2に示す。
【0294】
【実施例4】上記合成例1で得られたシンジオタクティ
ックポリプロピレン42重量部と合成例7で得られたア
イソタクティックプロピレン(共)重合体28重量
部、、合成例5で得られたアタクティックプロピレン・
ブテン共重合体24重量部と、合成例6で得られたシン
ジオタクティックプロピレン・ブテン共重合体6重量部
の合計100重量部に対してソルビトール系結晶核剤ゲ
ルオールMD(新日本理化学製)を0.02重量部を添
加、溶融混練してシンジオタクティックポリプロピレン
系組成物を得た。
【0295】この組成物の引張り弾性率は165MPa
であり、マルテンス硬度は、11.7であり、針進入温
度は127℃、Hazeは11.6%であった。以上の
結果を表2に示す。
【0296】
【比較例1】上記合成例1で得られたシンジオタクティ
ックポリプロピレン42重量部と合成例7で得られたア
イソタクティックプロピレン(共)重合体28重量部、
合成例3で得られたアイソタクティックプロピレン・エ
チレン共重合体30重量部の合計100重量部に対して
ソルビトール系結晶核剤ゲルオールMD(新日本理化学
製)を0.02重量部を添加、溶融混練してシンジオタ
クティックポリプロピレン系組成物を得た。
【0297】この組成物の引張り弾性率は286MPa
であり、マルテンス硬度は、8.3であり、針進入温度
は123℃、Hazeは50.3%であった。以上の結
果を表2に示す。
【0298】
【比較例2】上記合成例1で得られたシンジオタクティ
ックポリプロピレン42重量部と合成例7で得られたア
イソタクティックプロピレン(共)重合体28重量部、
合成例6で得られたシンジオタクティックプロピレン・
ブテン共重合体30重量部の合計100重量部に対して
ソルビトール系結晶核剤ゲルオールMD(新日本理化学
製)を0.02重量部を添加、溶融混練してシンジオタ
クティックポリプロピレン系組成物を得た。
【0299】この組成物の引張り弾性率は385MPa
であり、マルテンス硬度は、11.7であり、針進入温
度は127℃、Hazeは18.7%であった。以上の
結果を表2に示す。
【0300】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金 子 和 義 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BB05X BB05Y BB07X BB07Y BB08X BB08Y BB12W BB12Z BB14X BB14Y BB15W BB15X BB15Y BB15Z EG056 EG076 EL106 EV076 EW046 4J028 AA01A AB01A AC01A AC08A AC10A AC26A AC28A AC45A AC49A BA00A BA01B BB00A BB01B BC13B BC15B BC16B BC17B BC19B BC25B BC27B EB02 EB04 EB07 EB08 EB09 EB10 EB13 EB14 EB18 EB26 EC02 EC04 EC05 FA01 FA02 GA04 GA06 GA19

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)実質的にシンジオタクティック構造
    である、プロピレン成分から導かれる構成単位(A)
    と、必要に応じ、 エチレンから導かれる構成単位(B)および/または炭
    素原子数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単
    位(C)とからなり、 前記構成単位(A)が90〜100モル%の量で、前記
    構成単位(B)が0〜10モル%の量で、前記構成単位
    (C)が0〜9.5モル%の量で含まれ、135℃のデ
    カリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜10dl
    /gの範囲にあるシンジオタクティックポリプロピレン
    と、 (ii)炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ば
    れる少なくとも1種のα−オレフィンから導かれる構成
    単位が50〜100モル%の量で含まれかつ、ヤングモ
    ジュラスが150MPa以下である2種以上のα−オレ
    フィン系共重合体と、 (iii)実質的にアイソタクティック構造である、プ
    ロピレン成分から導かれる構成単位(A)と、必要に応
    じ、 エチレンから導かれる構成単位(B)および/または炭
    素原子数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単
    位(C)とからなり、 前記構成単位(A)が90〜100モル%の量で、前記
    構成単位(B)が0〜10モル%の量で、前記構成単位
    (C)が0〜9.5モル%の量で含まれ、135℃のデ
    カリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜6dl/
    gの範囲にあるアイソタクティックプロピレン(共)重
    合体とを含み、 前記シンジオタクティックポリプロピレン(i)と前記
    アイソタクティックプロピレン(共)重合体(iii)
    との重量比{(i)/(iii)}が99/1〜1/9
    9の範囲にあり、前記シンジオタクティックポリプロピ
    レン(i)と前記アイソタクティックプロピレン(共)
    重合体(iii)との混合物(iv)と前記2種以上の
    α−オレフィン系共重合体(ii)の合計との重量比
    {(iv)/(ii)}が90/10〜10/90の範
    囲にあり、前記2種以上のα−オレフィン系共重合体の
    各々の含有量が少なくとも1重量%であることを特徴と
    するシンジオタクティックポリプロピレン系組成物。
  2. 【請求項2】前記シンジオタクティックポリプロピレン
    系組成物100重量部に対して(v)結晶核剤が0.0
    1〜1重量部の量で含まれることを特徴とする請求項1
    に記載のシンジオタクティックポリプロピレン系組成
    物。
  3. 【請求項3】前記シンジオタクティックポリプロピレン
    (i)は、プロピレンのtriad連鎖でみたシンジオタク
    ティシティーが0.6以上の範囲にあり、 前記α−オレフィン系共重合体(ii)は、135℃の
    デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜10
    dl/gの範囲にあり、ゲルパーミエーションクロマト
    グラフィー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/
    Mn)が4以下であり、ガラス転移温度(Tg)が−5
    ℃以下であるシンジオタクティックポリプロピレン系組
    成物に対して、 (v)結晶核剤が0.01〜1重量部の量で含まれるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のシンジオタクティック
    ポリプロピレン系組成物。
  4. 【請求項4】前記α−オレフィン系共重合体(ii)
    が、エチレンから導かれる構成単位を50〜99モル%
    の量で含み、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから
    選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンから導かれる
    構成単位を1〜50モル%の量で含むことを特徴とする
    請求項1に記載のシンジオタクティックポリプロピレン
    系組成物。
  5. 【請求項5】前記α−オレフィン系共重合体(ii)
    が、プロピレンから導かれる構成単位を50〜99モル
    %の量で含み、プロピレンを除く炭素原子数2〜20の
    α−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレ
    フィンから導かれる構成単位を1〜50モル%の量で含
    むことを特徴とする請求項1に記載のシンジオタクティ
    ックポリプロピレン系組成物。
  6. 【請求項6】前記アイソタクティックプロピレン(共)
    重合体(iii)は、プロピレンのtriad連鎖でみたミ
    クロアイソタクティシティーが0.8以上の範囲にある
    ことを特徴とする請求項1に記載のシンジオタクティッ
    クポリプロピレン系組成物。
  7. 【請求項7】前記α−オレフィン系共重合体(ii)
    が、 下記成分(a)と、 下記成分(b)、(c)および(d)のうちから選択さ
    れる少なくとも1種の化合物とからなる少なくとも1種
    の触媒系の存在下に得られたものであることを特徴とす
    る請求項1に記載のシンジオタクティックポリプロピレ
    ン組成物; (a):下記式(I)または式(II)で表される遷移
    金属錯体 【化1】 [式(I)、(II)中、MはTi、Zr、Hf、R
    n、Nd、SmまたはRuであり、Cp1およびCp2
    Mとπ結合しているシクロペンタジエニル基、インデニ
    ル基、フルオレニル基またはそれらの誘導体基であり、
    1およびX2は、アニオン性配位子または中性ルイス塩
    基配位子であり、Yは窒素原子、酸素原子、リン原子、
    または硫黄原子を含有する配位子であり、ZはC、O、
    B、S、Ge、SiまたはSn原子あるいはこれらの原
    子を含有する基である。] (b):成分(a)中の遷移金属Mと反応し、イオン性
    の錯体を形成する化合物(c):有機アルミニウム化合
    物 (d):アルミノキサン。
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