JP2000355432A - 半導電性ベルト - Google Patents
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Abstract
の均一性や環境安定性を改善して、中間転写ベルトや転
写搬送ベルトに有用な半導電性ベルトを提供する。 【解決手段】 ポリイミド系樹脂を主体とし、カーボン
ブラックを含有する樹脂組成物からなる半導電性ベルト
において、前記カーボンブラックとして、50kgf/
cm2 で圧縮した状態の試料を用いて測定される電気抵
抗が1〜100Ω・cmのカーボンブラックを、前記ポ
リイミド系樹脂100重量部に対し20重量部を超え5
0重量部未満含有し、かつ体積抵抗率ρvが108 〜1
016Ω・cmの範囲にあることを特徴とする。
Description
組成物からなる半導電性ベルトに関し、電子写真記録装
置において像の中間転写体となる中間転写ベルトや、像
の転写を兼用しつつ印刷シートの搬送を行う転写搬送ベ
ルトなどに有用なものである。
する電子写真記録装置としては、複写機やレーザープリ
ンタ、ビデオプリンタやファクシミリ、それらの複合機
等が知られている。この種の装置では、装置寿命の向上
などを目的として、感光ドラム等の像担持体にトナー等
の記録剤により形成された像を印刷シート上に直接定着
させる方式を回避すべく、像担持体上の像を中間転写ベ
ルトに一旦転写し、それを印刷シート上に定着させる中
間転写方式が検討されている。また装置の小型化等を目
的に、転写ベルトに印刷シートの搬送も兼ねさせる方式
も検討されている。
導電性ベルトとして、例えば特開平7−156287号
公報、特開平10−63115号公報には、機械特性に
優れるポリイミド系樹脂にカーボンブラック、金属酸化
物等の導電材料を分散してなる中間転写ベルトが提案さ
れている。しかし、このような導電材料は分散状態が充
分でなく、ベルトの電気抵抗値(特に体積抵抗値)のバ
ラツキが大きくなるため、実用上、満足の行くものでは
なかった。更に、複写機、プリンター等は種々の環境下
で使用されるため、種々の環境下で表面抵抗値の変動の
大きな中間転写ベルトや転写搬送ベルトを用いた場合、
印刷シートに転写したトナー像に転写ムラを生じたり、
搬送している印刷シートをベルトより分離する際に、分
離不良を生じるなどの問題点があった。
樹脂等をグラフトしたグラフト化カーボンブラックを使
用した半導電性ベルトとしては、特開平10−1088
0号公報に、疎水性のオリゴマー(スチレン、メタクリ
ル酸メチル等)をグラフトしたカーボンを用いた中間転
写ベルトが提案されている。しかし、ここで用いられて
いるグラフト化カーボンブラックをポリイミド前駆体
(ポリアミド酸)あるいは重合溶媒中に分散しようとす
ると、使用溶媒との親和性が悪く、カーボンの凝集や不
均一分散が発生することが判明した。そして、これによ
り、電気抵抗値のばらつきの大きなベルトとなり、電子
写真記録装置の中間転写ベルトとして使用した場合、不
鮮明な像が形成されるなどの問題が生じた。
中間転写に影響するのは、半導電性ベルトの帯電抑制能
の不均一化や、導電抑制能の不均一化により、局所的な
剥離放電や導電が生じ易くなるためと考えられる。
置の中間転写ベルトや転写搬送ベルトに限らず、半導電
性ベルトに要求される帯電抑制能や導電抑制能は、用途
により程度の差が有るものの、それらの機能が均一なも
の程好ましい。
程度維持しつつ、電気抵抗値の均一性や環境安定性を改
善して、中間転写ベルトや転写搬送ベルト等に有用な半
導電性ベルトを提供することにある。
を達成すべく鋭意検討した結果、電気抵抗値が従来より
大きいカーボンブラックを、特定量だけポリイミド系樹
脂中に均一に分散・混合することで、特定範囲の体積抵
抗値でそのバラツキが小さく、また、種々の環境下での
表面抵抗値の変動が小さい安定した半導電性ベルトが得
られることを見出し、本発明を完成するに至った。
ミド系樹脂を主体とし、カーボンブラックを含有する樹
脂組成物からなる半導電性ベルトにおいて、前記カーボ
ンブラックとして、50kgf/cm2 で圧縮した状態
の試料を用いて測定される電気抵抗が1〜100Ω・c
mのカーボンブラックを、前記ポリイミド系樹脂100
重量部に対し20重量部を超え50重量部未満含有し、
かつ体積抵抗率ρvが108 〜1016Ω・cmの範囲に
あることを特徴とする。
水性ポリマーをグラフトしたカーボンブラックであるこ
とが好ましい。ここで、「グラフトした」とは、基質で
あるカーボンブラックにポリマー等が不可逆的に結合し
ていることを指す。
し単位中に、ビフェニル骨格を有する繰返し単位を50
モル%以上有するものであることが好ましい。
真記録装置の中間転写ベルト又は転写搬送ベルトに使用
されるものであって、30℃85%RHと10℃15%
RHとにおける表面電気抵抗率ρsの常用対数値の差が
1.0以下であることが好ましい。
ると、実施例の結果が示すように、機械特性をある程度
維持しつつ、電気抵抗値の均一性や環境安定性を改善し
て、中間転写ベルトや転写搬送ベルト等に有用な半導電
性ベルトを提供することができる。その際、電気抵抗値
の均一性や環境安定性が改善される理由の詳細は明らか
でないが、電気抵抗値が従来より大きいカーボンブラッ
クを、比較的多量にポリイミド系樹脂中に含有させたた
めと考えられる。
グラフトしたカーボンブラックである場合、上記の電気
抵抗値を有するカーボンブラックが得られ易くなり、ま
た、従来の疎水性ポリマーをグラフトしたものに比べ
て、ポリイミド系樹脂組成物中での分散性が良好にな
る。
し単位中に、ビフェニル骨格を有する繰返し単位を50
モル%以上有する場合、ベルトの吸湿を抑制して、電気
抵抗値の環境安定性をより向上させることができる。こ
の効果は、特に親水性ポリマーをグラフトしたカーボン
ブラックを用いる場合に顕著である。
装置の中間転写ベルト又は転写搬送ベルトに使用される
ものであって、前記の表面電気抵抗率特性を有する場
合、当該用途では中間転写体として特に高い環境安定性
が要求されるところ、上記の如き作用効果と相まって本
発明が特に有用なものとなる。
て説明する。
樹脂を主体とし、カーボンブラックを含有する樹脂組成
物からなるものである。かかる半導電性ベルトは、通
常、エンドレスベルトとして形成され、好ましくはシー
ムレスベルトとして形成される。このような半導電性ベ
ルトは、例えばカーボンブラックを含有するポリイミド
系樹脂の原料液を用いて、フィルム形成後にイミド転化
を行うことで得ることができる。
ばテトラカルボン酸二無水物やその誘導体とジアミンと
を溶媒中で重合反応させてなるポリアミド酸の溶液が使
用可能である。前記ポリアミド酸はテトラカルボン酸二
無水物あるいはその誘導体とジアミンとの略等モルを有
機溶媒中で反応させることにより得られるもので、通
常、溶液状で用いられる。このようなテトラカルボン酸
二無水物は、例えば下記の一般式(1)で示されるもの
が挙げられる。
状脂肪族、芳香族と脂肪族とを組み合わせたもの、また
はそれらの置換された基である。)前記したテトラカル
ボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無
水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,
7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,
4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロ
パン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
スルホン二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テト
ラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸
二無水物等が挙げられる。
アミノジフェニルエーテル(DDE)、4,4’−ジア
ミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニル
メタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4−ジア
ミノジフェニルスルフィド−3,3’−ジアミノジフェ
ニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェ
ニレンジアミン、p−フェニレンジアミン(PDA)、
3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジアミン、
ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’
−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノフェニル
スルホン、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,
4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジア
ミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ−
第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブ
チルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−
アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメ
チル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロ
ピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレ
ンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノ
シクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘ
プタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナ
メチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプ
ロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジア
ミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,
11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプ
ロポキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミ
ン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジ
メチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプ
タメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレン
ジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メ
チルノナメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカ
ン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジア
ミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−
ジメチルデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、
2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン、ピペラジン、H2 N(CH2 )3 O(C
H2 )2 O(CH2 )NH2 、H2 N(CH2 )3 S
(CH2 )3 NH2 、H2 N(CH2 )3 N(CH3 )
2 (CH2 )3 NH2 、等が挙げられる。
ミンを重合反応させる際の溶媒としては、溶解性などの
点により極性溶媒が好ましく用いられる。極性溶媒とし
ては、N,N−ジアルキルアミド類が好ましく、例えば
これの低分子量のものであるN,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド等があげられる。
これらは、蒸発、置換または拡散により、ポリアミド酸
およびポリアミド酸成形品から容易に除去することがで
きる。また、これ以外の極性溶媒として、N,N−ジエ
チルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、
N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスル
ホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチ
ル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホキシ
ド、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレン
スルホン等があげられる。これらは単独で又は混合して
用いることができる。さらに、上記極性溶媒にクレゾー
ル、フェノール、キシレノール等のフェノール類、ベン
ゾニトリル、ジオキサン、ブチロラクトン、キシレン、
シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等を単
独又は複数混合することもできる。なお、水の存在によ
ってポリアミド酸が加水分解して低分子量化し易いた
め、ポリアミド酸の合成は実質上無水条件下で行うこと
が好ましい。
ジアミン(b)とを極性溶媒中で反応させることにより
ポリアミド酸が得られるが、その際のモノマー濃度(溶
媒中における(a)+(b)の濃度)は、種々の条件に
応じて設定されるが、5〜30重量%が好ましい。ま
た、反応温度は80℃以下に設定することが好ましく、
特に好ましくは5〜50℃であり、反応時間は約0.5
〜10時間である。
成分とジアミン成分とを有機極性溶媒中で反応させるこ
とによりポリアミド酸が生成する。そして、このポリア
ミド酸をイミド転化することにより、本発明におけるポ
リイミド系樹脂が得られる。従って、前記したモノマー
成分によって、ポリイミド系樹脂の構造がほぼ決定され
るが、本発明では、前記ポリイミド系樹脂が、その繰返
し単位中に、ビフェニル骨格を有する繰返し単位を50
モル%以上有することが好ましく、80%以上有するこ
とがより好ましい。このようなビフェニル骨格は、モノ
マーとして3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物又はその誘導体等を使用することにより
形成できる。
f/cm2 で圧縮した状態の試料を用いて測定される電
気抵抗が1〜100Ω・cmのものが使用され、好まし
くは2〜50Ω・cmのものが使用される。ここで、電
気抵抗のより厳密な測定方法は、実施例で記載の通りで
ある。
ックは、カーボンブラックにポリマーをグラフトした
り、他の方法で絶縁材を被覆したりすること等で達成す
ることができる。また、電気抵抗の調整は、グラフトす
るポリマーや被覆する絶縁材の種類や量、あるいはカー
ボンブラック自身の種類などを変えることにより、行う
ことができる。
観点から、各種ポリマーをグラフトしたカーボンブラッ
クが好ましく、特に、カーボンブラック表面の官能基と
反応し得る反応性基を有し、カーボンブラック表面との
親和性が良好なセグメントと、その他のセグメントとを
有する共重合体をグラフトしたカーボンブラックが好ま
しい。このようなグラフト化カーボンブラックについて
は、特開平10−120935号公報に詳細が記載され
ている。
散する観点より、親水性ポリマーをグラフトしたカーボ
ンブラックが好ましい。当該親水性ポリマーとしては、
ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’
−ジエチルアクリルアジド)、ポリ(N−ビニルホルム
アミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N
−ビニルフタルアミド)、ポリ(N−ビニルコハク酸ア
ミド)、ポリ(N−ビニル尿素)、ポリ(N−ビニルピ
ペリドン)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ
(N−ビニルオキサゾリドン)等が挙げられる。また、
当該カーボンブラックとしては、親水性ポリマーをカー
ボンブラックにグラフトする際、カーボンブラック表面
との親和性が良好なセグメントを介在させたもの(ブロ
ック共重合体等)でもよい。
偏在による電気特性のバラツキを制御する観点より、一
次粒子に基づく平均粒径が1μm以下、特に0.001
〜0.5μmの平均粒径が好ましい。
ミド系樹脂100重量部(固形分)に対し20重量部を
超え50重量部未満であり、好ましくは21重量部以上
40重量部以下である。20重量部以下では半導電性ベ
ルトに適した抵抗が得られず、このようなベルトを中間
転写ベルト等に用いると、トナー像の転写時に中間転写
ベルトが著しく帯電するため、像担持体と離れる際に剥
離放電が起こり、転写されたトナー像が飛散する。ま
た、50重量部以上では、抵抗が小さくなり過ぎ、ベル
ト強度も弱くなる。その結果、体積抵抗率が低すぎて転
写ベルトと像担持体との間に過大な電流が流れるため、
ベルトに転写されたトナー像が像担持体に戻る現象が生
じ易い。
カーボンブラックを均一に分散する方法は、特に制限さ
れないが、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液
にプラネタリーミキサーやビーズミル、三本ロール等で
混合・分散する方法や、ポリアミド酸合成時に使用する
溶媒中にカーボンブラックをボールミルあるいは超音波
等で分散後、この溶媒を用いてポリアミド酸を合成する
方法等が挙げられる。その際、親水性ポリマーをグラフ
トしたカーボンブラックを使用するのが好ましいが、前
記の重合溶媒との親和性を高めるための分散剤を使用し
てもよい。
−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリ
ルアジド)、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ
(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルフタル
アミド)、ポリ(N−ビニルコハク酸アミド)、ポリ
(N−ビニル尿素)、ポリ(N−ビニルピペリドン)、
ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニル
オキサゾリドン)等が挙げられる。
導電性ベルトは、上記の必須成分、分散剤以外に、その
物性を損なわない程度に、シリコーン系又はフッ素系の
各有機化合物、カップリング剤、滑剤、酸化防止剤、そ
の他の添加剤を含有してもよい。また、前記ポリイミド
系樹脂は、その物性を損なわない程度に、他のポリマー
成分が共重合されたり、ブレンドされたものであっても
よい。
ルトであることが好ましいが、シームレスベルトの形成
は、例えば、前記のポリアミド酸溶液を原料液として用
い筒状体を成形後、イミド転化を行うことで行うことが
できる。筒状体の成形は、例えば原料液を金型の内周面
や外周面に、浸漬方式、遠心方式、塗布方式等にてコー
トする方式などで筒状に展開して、その展開層を乾燥製
膜すればよい。イミド転化は、その成形物を加熱処理す
ればよく、ポリイミド系樹脂の種類にもよるが、例えば
300〜400℃で加熱が行われる。その後、半導電性
ベルトが型より回収される。このような製造方法は、従
来より公知であり、特開昭61−95361号公報、特
開昭64−22514号公報、特開平3−180309
号公報等に詳細が記載されている。また、シームレスベ
ルトの形成に際しては、更に型の離型処理や脱泡処理な
どの適宜な処理を施すことができる。
を形成する場合、例えば連続工程で上記に準じて長尺シ
ートを形成したのち、所定の長さに切断し、その両端を
通常公知の方法で接着等すればよい。
性ベルトは、体積抵抗率ρvが10 8 〜1016Ω・cm
の範囲にあり、好ましくは109 〜1015Ω・cmの範
囲である。また、30℃85%RHと10℃15%RH
とにおける表面電気抵抗率ρsの常用対数値の差が1.
0以下であり、好ましくは0.5以下である。
どに応じて適宜決定しうるが、一般には強度や柔軟性等
の機械特性などの点により、5〜500μm、就中10
〜300μm、特に20〜200μmの厚さが好まし
い。
性ベルトに準じた各種の用途に用いることができる。就
中、機械特性や電気特性に優れることにより、電子写真
記録装置の中間転写用のベルトや転写搬送用ベルトなど
として好適に用いられる。その場合、印刷シートに像を
形成する記録剤としても、静電気を介し像担持体に付着
できる、各種のトナー等が使用できる。
施例等について説明する。なお、グラフト化カーボンブ
ラックの電気抵抗値は、次のような方法で測定したもの
である。
約0.25gベークライト製の円筒状容器に詰め、約5
0kgf/cm2 の圧力で圧縮したとき、試料の高さが
約10mmになるように試料を増減した。その後、圧縮
状態の試料の両端の電圧と電流とを測定して、下記の式 電気抵抗値(Ω・cm)=(断面積/試料高さ)×(電
圧/電流) より電気抵抗値を求めた。なお、液に分散されたグラフ
ト化カーボンブラックの場合、分散液の一部をサンプリ
ングし、減圧乾燥して粉体のグラフト化カーボンブラッ
クを取り出し、その粉体について上記の方法で測定し
た。
に分散したグラフト化カーボンブラック(日本触媒社
製,ポリビニルピロリドンをグラフトしたもの,電気抵
抗10Ω・cm)84.18g(ポリイミド樹脂固形分
100重量部に対し23重量部)を用い、このカーボン
分散NMP液に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物294.2gと、p−フェニレンジ
アミン108.2gを溶解し、窒素雰囲気中において、
室温で4時間撹拌しながら反応させて、ポリアミド酸溶
液を得た。
型の内面に、上記ポリアミド酸溶液をディスペンサーで
厚さ400μmに塗布後、1500rpmで10分間回
転させ均一な塗布面を得た。
型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150
℃で60分間加熱し、その後300℃まで2℃/分の昇
温速度で昇温し、更に300℃で30分間加熱し、溶媒
の除去、脱水閉環水の除去、及びイミド転化を行った。
その後、室温に戻し、金型から剥離し、目的とする半導
電性ベルトを得た。このものの厚さは75μmであっ
た。
量を109.8g(ポリイミド樹脂固形分100重量部
に対し30重量部)に変更する以外は、同様の操作を行
い厚さ75μmの半導電性ベルトを得た。
MP液に代えて、カーボンブラック(電気抵抗8Ω・c
m)84.18g(ポリイミド樹脂固形分100重量部
に対し23重量部)をポリビニルピロリドンを分散剤に
用いてNMPに分散したカーボンブラック分散NMP液
を用いる以外は、同様の操作を行い厚さ75μmの半導
電性ベルトを得た。
を69.54g(ポリイミド樹脂固形分100重量部に
対し19重量部)に変更する以外は、同じ操作を行い厚
さ75μmの半導電性ベルトを得た。
を183g(ポリイミド樹脂固形分100重量部に対し
50重量部)に変更する以外は、同じ操作を行い厚さ7
5μmの半導電性ベルトを得た。
(電気抵抗8Ω・cm)を使用した以外は、実施例1と
同様にして厚さ75μmのベルトを得た。その結果、カ
ーボンの凝集により目標抵抗の調整が不可能であり、機
械的特性の低下が認められた。
ンブラック(日本触媒社製,ポリビニルピロリドンをグ
ラフトしたもの,電気抵抗2Ω・cm)を36.6g
(ポリイミド樹脂固形分100重量部に対し10重量
部)用いる以外は、同様の操作を行い厚さ75μmの半
導電性ベルトを得た。
性を調べた。
ローブHR−100)にて印加電圧500V、1分値の
測定条件による25℃、60%RHでの体積抵抗率を調
べた。また、1本のベルトの10箇所を測定して、その
変動幅をにより体積抵抗率のばらつきを評価した。○は
体積抵抗率のばらつきが1桁以内におさまるものを、×
は体積抵抗率のばらつきが1桁以内におさまらないもの
を表す。
ローブHR−100)にて印加電圧100V、1分値の
測定条件による10℃15%RH、25℃60%RH
(基準状態)、および30℃85%RHでの外表面の表
面抵抗率を調べた。更に、30℃85%RH(a)と1
0℃15%RH(b)における表面抵抗率の常用対数に
基づく変動幅〔log(a)−log(b)〕を求め
た。なお基準としたa、bの値は、平均値(n=10)
である。
引張り強度(速度100mm/分)、および破断時の伸
びを調べた。
に、中間転写兼用の記録シート搬送ベルトとして組み込
み、普通紙からなる印刷シートの1万枚の印刷テストを
行った。評価は、1万枚のテスト中ですべて転写による
鮮明で正確な画像が得られた場合、及び紙の分離不良が
生じなかった場合を良好、転写不良や不鮮明な画像、不
正確な面像が得られた場合、および紙の分離不良を生じ
た場合を不良とした。
強度等を維持しつつ、体積抵抗率が適正範囲でばらつき
が小さく、また表面抵抗率の変動幅が小さく、電子写真
記録装置の転写搬送ベルトとして用いた場合に、画像転
写性や紙分離性能が良好であった。これに対して、比較
例1〜3では、強度が不十分となったり、体積抵抗率が
適正範囲から外れたりし、1万枚のテスト中で画像転写
性や紙分離性が劣化した。また、比較例4では体積抵抗
率のばらつきが大きく、画像転写性が劣化した。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリイミド系樹脂を主体とし、カーボン
ブラックを含有する樹脂組成物からなる半導電性ベルト
において、 前記カーボンブラックとして、50kgf/cm2 で圧
縮した状態の試料を用いて測定される電気抵抗が1〜1
00Ω・cmのカーボンブラックを、前記ポリイミド系
樹脂100重量部に対し20重量部を超え50重量部未
満含有し、かつ体積抵抗率ρvが108 〜1016Ω・c
mの範囲にあることを特徴とする半導電性ベルト。 - 【請求項2】 前記カーボンブラックが親水性ポリマー
をグラフトしたカーボンブラックである請求項1に記載
の半導電性ベルト。 - 【請求項3】 前記ポリイミド系樹脂が、その繰返し単
位中に、ビフェニル骨格を有する繰返し単位を50モル
%以上有するものである請求項1又は2記載の半導電性
ベルト。 - 【請求項4】 電子写真記録装置の中間転写ベルト又は
転写搬送ベルトに使用される半導電性ベルトであって、
30℃85%RHと10℃15%RHとにおける表面電
気抵抗率ρsの常用対数値の差が1.0以下である請求
項1〜3いずれかに記載の半導電性ベルト。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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