JP2000354940A - 単結晶インゴットの加工装置 - Google Patents

単結晶インゴットの加工装置

Info

Publication number
JP2000354940A
JP2000354940A JP11169446A JP16944699A JP2000354940A JP 2000354940 A JP2000354940 A JP 2000354940A JP 11169446 A JP11169446 A JP 11169446A JP 16944699 A JP16944699 A JP 16944699A JP 2000354940 A JP2000354940 A JP 2000354940A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
single crystal
ingot
ray
crystal ingot
processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11169446A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Tsuchiya
政博 土屋
Hikari Echizenya
光 越前屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Original Assignee
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rigaku Denki Co Ltd, Rigaku Corp filed Critical Rigaku Denki Co Ltd
Priority to JP11169446A priority Critical patent/JP2000354940A/ja
Publication of JP2000354940A publication Critical patent/JP2000354940A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単結晶インゴットを結晶格子面に対して一定
の関係をもって加工する加工装置において、結晶格子面
の測定から加工、例えば基準面の加工に至る一連の作業
を連続的に行うことを可能にして、加工誤差が少なく、
しかも迅速な加工を行えるようにする。 【解決手段】 単結晶インゴット3を加工する砥石4
と、単結晶インゴット3にX線を照射して測定を行うX
線装置2と、単結晶インゴット3をX線装置2によるX
線測定位置と砥石4により加工位置との間で移動させる
スライダ6と、単結晶インゴット3の姿勢を調整するあ
おり機構11及び面内回転機構12とを有する単結晶イ
ンゴットの加工装置である。スライダ6は、研削加工の
ためにインゴット3を砥石3に対してスライド移動させ
る作用をも兼ねている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単結晶インゴット
をその単結晶の結晶方位に合わせて加工する加工装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体基板として用いられるS
i(シリコン)ウエハを考えると、このSiウエハは、
原材料であるSi単結晶インゴットを薄く切断すること
によって形成される。このような単結晶インゴットは、
例えばCZ法(Czochralski 法)等といった引き上げ法
によって形成されるが、その引き上げ当初は図4(a)
に示すように表面が粗く両端が尖った略円筒形状に形成
されている。
【0003】この単結晶インゴットは、通常、図4
(b)のように両端をカットされ、さらに図4(c)の
ように外周面51が研削加工されて滑らかな面に仕上げ
られる。また、場合によっては、その後に行われる各種
加工の基準面となるオリエンテーション・フラット面
(いわゆる、オリフラ面)52が単結晶インゴット53
cの軸線方向に形成されることもある。さらに、単結晶
ウエハを作製する場合には、図4(c)に示すインゴッ
ト又は図4(c)のインゴットであってオリフラ面が形
成されていない状態のインゴットに対して切断加工が施
される。
【0004】以上のような各種の加工は、例えば、ワー
クを両端支持してそれを軸回転させながら外周面を研削
する円筒研削盤や、ワークをスライド移動させながら砥
石等をそのワークに接触させて研削を行う平面研削盤
や、切断刃によってワークを軸直角方向から切断する切
断装置等といった各種の加工装置によって行われる。こ
れらの加工に際しては、単結晶インゴットを形成する単
結晶の結晶格子面に対して一定の関係、例えば、切断面
あるいは研削面が結晶格子面に対して平行となるような
位置関係、を維持するように加工が行われる。
【0005】ここで、平面研削盤を用いた加工、すなわ
ち単結晶インゴットをスライド移動させながらそれに砥
石等を接触させて研削加工を行う場合を例に挙げて考え
ると、従来は、平面研削盤等といった加工装置とは別の
所に設置されたX線装置を用いて単結晶インゴットの結
晶格子面を、例えば単結晶インゴットの外形面を基準と
して測定し、その測定の後にインゴットを加工装置に取
り付け、そしてX線測定結果に基づいて加工装置へのイ
ンゴット取付方位を設定して単結晶インゴットに加工を
施していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、X線測
定と加工とをそれぞれ別の装置で行うようにした上記従
来の加工方法では、単結晶インゴットをX線装置から加
工装置へと付け換える必要があり、加工誤差が発生する
おそれがあった。また、付け換えのための作業が繁雑で
あるので、迅速な加工を行うことが難しかった。
【0007】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであって、X線装置を用いた単結晶インゴットに関
する物性測定から加工要素を用いた単結晶インゴットに
対する加工、例えば基準面を形成するための加工、に至
る一連の作業を連続的に行うことを可能にして、単結晶
インゴットに対する加工を高精度且つ迅速に行えるよう
にすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)上記の目的を達成
するため、本発明に係る単結晶インゴットの加工装置
は、単結晶インゴットを加工する加工要素と、前記単結
晶インゴットにX線を照射して測定を行うX線装置と、
前記単結晶インゴットを前記X線装置によるX線測定位
置と前記加工要素による加工位置との間で移動させるイ
ンゴット移動手段と、前記単結晶インゴットの姿勢を調
整するインゴット姿勢調整手段とを有することを特徴と
する
【0009】この加工装置によれば、インゴット移動手
段及びインゴット姿勢調整手段を設けたことにより、X
線装置を用いた単結晶インゴットに関する物性測定から
加工要素を用いた単結晶インゴットに対する加工に至る
一連の作業を連続的に行うことが可能となり、それ故、
単結晶インゴットをX線装置から加工装置へと付け換え
る作業が必要となる従来の場合に比べて、単結晶インゴ
ットに対する加工を高精度且つ迅速に行うことができ
る。
【0010】(2) 上記構成の加工装置において、前
記インゴット姿勢調整手段は、前記単結晶インゴットを
面内回転させる面内回転手段及び/又は前記単結晶イン
ゴットをあおり回転させるあおり回転手段とを含んで構
成できる。この構成により、単結晶インゴットにおける
X線測定面をX線装置に対する規定の位置に正確に合わ
せることができる。また、単結晶インゴットの加工面を
加工要素に対する規定の位置に正確に合わせることがで
きる。
【0011】(3) 上記構成の加工装置に関しては、
その構成要素として、前記単結晶インゴットを加工のた
めに前記加工要素に対してスライド移動させるインゴッ
トスライド移動手段を設けることができる。この加工装
置では、そのインゴットスライド移動手段によって単結
晶インゴットをスライド移動させながら加工要素によっ
て、単結晶インゴットに加工が施されることになる。
【0012】そしてこのような構成を採用した場合に
は、前記単結晶インゴットを前記X線装置によるX線測
定位置と前記加工要素による加工位置との間で移動させ
るインゴット移動手段を、上記のインゴットスライド移
動手段を用いて構成することができる。つまりこの場合
には、インゴットスライド移動手段によって単結晶イン
ゴットをX線装置によるX線測定位置へ移動させてX線
測定を行い、その後、インゴットスライド移動手段によ
って単結晶インゴットを加工要素へ移動させて加工を行
う。
【0013】(4) 上記(3)記載の加工装置におい
て、前記加工要素は砥石とすることができる。加工要素
としては砥石以外に種々の要素が考えられるが、単結晶
インゴットを精密に加工して結晶方位に合わせるために
は砥石が望ましいと考えられる。
【0014】特に、単結晶インゴットの端面に基準面を
形成しようとする場合には、砥石を用いた研削加工が適
している。なお、基準面というのは、単結晶インゴット
に対して加えられるその後の加工、例えば単結晶インゴ
ットをスライス切断してウエハを作製する加工、におい
てその加工の基準となる面のことである。
【0015】(5) 上記(3)又は(4)記載の加工
装置、すなわちインゴットスライド移動手段を用いる構
造の加工装置に関しては、前記インゴットスライド移動
手段に支持された単結晶インゴットの高さを検知するイ
ンゴット高さ検知手段と、前記加工要素を前記単結晶イ
ンゴットの高さ方向に移動させる加工要素移動手段と、
前記X線装置を前記単結晶インゴットの高さ方向に移動
させるX線装置移動手段等といった構成要素をさらに設
けることができる。
【0016】この(5)の構成によれば、単結晶インゴ
ットに対する物性測定、例えば結晶格子面の測定精度を
高めることができ、しかも加工要素を用いた単結晶イン
ゴットに関する加工精度を高めることができる。
【0017】(6) 以上の構成の加工装置において、
前記X線装置は、前記X線測定位置に置かれた単結晶イ
ンゴットに照射されるX線を発生するX線源と、前記X
線測定位置に置かれた単結晶インゴットで回折したX線
を検出するX線検出手段とを含んで構成できる。
【0018】この構造のX線装置は従来から実績のある
構造であるので、この構造のX線装置を用いれば単結晶
インゴットに関するX線測定を正確に行うことができ
る。また、単結晶インゴットの結晶格子面を検出する上
で非常に望ましいX線装置の構成である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る単結晶インゴ
ットの加工装置を、平面研削装置を用いて単結晶インゴ
ットの端面に基準面を形成する場合を例に挙げて説明す
る。なお、ここに言う基準面とは、単結晶インゴットに
加えられる種々の加工、例えば単結晶インゴットからウ
エハを切り出すための切断加工、を行う際にその加工の
基準となる面のことである。
【0020】図1は、本発明に係る単結晶インゴットの
加工装置の一実施形態を示している。この加工装置は、
基本的には、平面研削装置1にX線装置2を付設した構
造となっている。平面研削装置1は、研削対象である単
結晶インゴット3を平行移動経路Kに沿って平行移動さ
せながら砥石4等といった加工要素をその単結晶インゴ
ット3に接触させてその単結晶インゴット3の表面を研
削する。X線装置2は、単結晶インゴット3に対してX
線回折測定を行って単結晶の結晶格子面に対するインゴ
ット表面の傾き状態を検出する。
【0021】なお、本実施形態の加工装置に供給される
単結晶インゴット3は、例えば、図4(b)のインゴッ
ト53bそれ自身又はそれを短く切断したもの、図4
(c)のインゴット53cそれ自身又はそれを短く切断
したもの、若しくは図4(c)のインゴット53cであ
ってオリフラ面52を付けていないもの又はそれを切断
したものである。
【0022】平面研削装置1は、スライダ6を搭載した
ベッド7を有し、そのスライダ6の上にはインゴット支
持機構8が配設され、さらにベッド7のまわりの適所に
はスライダ送り機構9が配設される。インゴット支持機
構8はあおり機構11及び面内回転機構12によって駆
動される、例えば板状部材であるインゴットホルダ13
を有し、そのインゴットホルダ13の上に単結晶インゴ
ット3が支持、例えば接着によって固着されている。
【0023】面内回転機構12は縦方向軸線X1を中心
としてインゴットホルダ13を回転させることができ、
これによりそのインゴットホルダ13に支持された単結
晶インゴット3が矢印Aのように面内回転する。この面
内回転機構12は任意の構造によって構成できるが、例
えばパルスモータを駆動源としてその動力を適宜の動力
伝達系を介してインゴットホルダ13を保持する回転軸
に伝達する構造を採用できる。また、面内回転機構12
の動作は面内回転制御回路14によって制御される。
【0024】あおり機構11は縦方向軸線X1に直交し
単結晶インゴット3の表面の平行移動経路Kに含まれる
横方向軸線X2を中心としてインゴットホルダ13を回
転移動させることができ、これによりそのインゴットホ
ルダ13に支持された単結晶インゴット3の表面が矢印
Bのように横方向軸線X2を中心として、あおり回転移
動する。
【0025】このあおり回転機構11は任意の構造によ
って構成できるが、例えばパルスモータを駆動源として
その動力を適宜の動力伝達系を介してインゴットホルダ
13の支持軸に伝達する構造を採用できる。また、あお
り回転機構11の動作はあおり回転制御回路16によっ
て制御される。
【0026】ベッド7の表面にはガイド溝17が形成さ
れ、スライダ6の底面から突出するガイド突起18がそ
のガイド溝17に嵌合し、これにより、スライダ6がガ
イド溝17の延在方向へ平行移動するようにガイドされ
る。スライダ6を駆動するスライダ送り機構9は任意の
構造によって構成できるが、例えばガイド溝17と平行
に設けられる送りネジ軸にスライダ6をネジ嵌合させ、
その送りネジ軸をサーボモータ等といった動力源によっ
て軸回転させるという構造を採用できる。
【0027】スライダ送り機構9の動作は送り制御回路
19によって制御される。スライダ送り機構9の働きに
よってスライダ6が平行移動することにより、そのスラ
イダ6によって支持された単結晶インゴット3の表面が
平行移動経路Kに沿って平行移動する。ベッド7は、図
1では一部のみを示してあるが、実際には、通常の平面
研削装置におけるベッドのように長い寸法に形成されお
り、よって、スライダ6は平行移動経路Kに沿った長い
ストロークで往復移動できるようになっている。
【0028】図1において、ベッド7の周辺の適所には
加工部ベース21が設けられ、その加工部ベース21の
上に加工ユニット22が設置されている。この加工ユニ
ット22は、ハウジング23の中に収納された回転駆動
装置24を有し、その回転駆動装置24の出力軸である
スピンドル26の先端に砥石4が固着されている。ハウ
ジング23には砥石位置移動機構27が設けられる。
【0029】この砥石位置移動機構27は、回転駆動装
置24を縦方向V及び前後方向Hへ移動させるためのも
のであり、その作用が達成される限りにおいてその構造
は任意に選択できる。例えば、縦方向V及び前後方向H
に設けた送りネジ軸を回転駆動装置24にネジ嵌合さ
せ、それらのネジ軸をサーボモータ等といった動力源に
よって軸回転させる構造を採用できる。
【0030】砥石位置移動機構27の動作は砥石位置制
御回路28によって際御され、この制御により単結晶イ
ンゴット3の平行移動経路Kに対する砥石4の位置を調
節できる。また、回転駆動装置24の回転動作は砥石回
転制御回路29によって制御され、この制御により砥石
4の回転数が調節され、こうして回転する砥石4の所に
単結晶インゴット3の表面が持ち運ばれるとき、その砥
石4によって単結晶インゴット3の表面が研削される。
【0031】加工部ベース21の適所からは支持アーム
31が延び、その支持アーム31によってX線位置移動
機構32が支持され、さらにそのX線位置移動機構32
によってX線装置2が支持される。X線位置移動機構3
2はX線装置2を縦方向V及び前後方向Hへ移動させる
ためのものであり、その作用が達成される限りにおいて
その構造は任意に選択できる。例えば、縦方向V及び前
後方向Hに設けた送りネジ軸をX線装置2にネジ嵌合さ
せ、それらのネジ軸をサーボモータ等といった動力源に
よって軸回転させる構造を採用できる。
【0032】X線位置移動機構32の動作はX線位置制
御回路33によって制御され、この制御により単結晶イ
ンゴット3の平行移動経路Kに対するX線装置2の位
置、換言すればX線装置2によるX線照射位置Pの位置
を調節できる。
【0033】X線装置2は、X線照射位置Pに向けてX
線を発生するX線源Fと、X線照射位置Pに測定対象物
が置かれたときその測定対象物で回折するX線を検出す
るX線カウンタ34を有する。X線カウンタ34はX線
を取り込んだときにパルス信号を出力し、その出力信号
はX線強度演算回路36に伝送される。X線装置2に
は、X線源F、X線カウンタ等といったX線光学要素以
外に、X線の発散を規制するスリットや、X線を単色化
するモノクロメータや、その他のX線光学要素を必要に
応じて設けることができる。
【0034】X線源Fから放射されるX線は、スリット
等といったX線光学要素によってX線照射点Pが単結晶
インゴット3の表面の平行移動経路Kに載るように調整
される。また、X線源F及びX線カウンタ34は図示し
ないゴニオメータすなわち測角器によって支持されてお
り、X線照射位置PへのX線入射角θとX線照射位置P
で回折するX線をX線カウンタ34によって検出する角
度θはこのゴニオメータによって等しい角度に設定さ
れ、さらにそれらの角度θは測定対象である単結晶イン
ゴット3の結晶格子面間隔に対応させた角度にこのゴニ
オメータによって調節できるようになっている。
【0035】単結晶インゴット3の表面の平行移動経路
Kのまわりの適所には高さ測定器37が配設され、その
高さ測定器37の出力信号は高さ演算回路38に伝送さ
れ、この高さ演算回路38によって単結晶インゴット3
の表面の高さが演算される。
【0036】図2は、本実施形態の加工装置に用いられ
る制御装置の一実施形態を示している。ここに示す制御
装置44は、所定のプログラムに従って演算を実行する
CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)4
2、そのCPU42に接続されるメモリ43、そしてC
PU42に接続される入出力インターフェース41を有
する。
【0037】メモリ43は、ROM(Read Only Memor
y)、RAM(Random Access Memory)等といった内部
メモリや、ハードディスク等といった外部メモリ等とい
った各種の記憶媒体を総称的に描いたものである。この
メモリ43には、制御演算手法やデータ処理の方法等を
プログラムとして記憶した領域、CPU42のためのワ
ークエリアやテンポラリファイルとして用いられる領域
等といった各種の記憶領域が確保される。
【0038】図1における各種回路、すなわちX線強度
演算回路36、X線位置制御回路33、面内回転制御回
路14、あおり回転制御回路16、送り制御回路19、
砥石回転制御回路29、砥石位置制御回路28、そして
高さ演算回路38の各回路は、図2に示すように、入出
力インターフェース41を通してCPU42に接続され
る。
【0039】CPU42は、メモリ43に格納されたプ
ログラムに従って、平面研削装置1を使った研削加工制
御並びにX線装置2を使ったX線測定制御を行う。CP
U42には、また、入出力インターフェース41を通し
てディスプレイ46及びプリンタ47等が接続される。
【0040】なお、本発明の構成要素である「加工要
素」は本実施形態では砥石4に相当し、「インゴット移
動手段」はスライダ6、スライダ送り機構9等を含む機
構に相当し、「インゴット姿勢調整手段」はあおり機構
11,面内回転機構12等を含む機構に相当する。ここ
で、スライダ6、スライダ送り機構9等を含む機構は、
単結晶インゴット3をX線装置2によるX線測定位置と
砥石4による加工位置との間で移動させるインゴット移
動手段として作用すると共に、砥石4によって単結晶イ
ンゴット3を研削加工する際にその単結晶インゴット3
を砥石4に対してスライド移動させる、いわゆる平面研
削装置におけるスライドベッドの作用をも奏するもので
ある。
【0041】以下、本実施形態の単結晶インゴットの加
工装置の動作を説明する。まず、図1において加工対象
である単結晶インゴット3をインゴットホルダ13に固
定する。次に、高さ測定器37及び高さ演算回路38に
よって単結晶インゴット3の表面すなわち加工面の高さ
を測定する。測定された高さ情報はCPU42(図2)
へ伝送され、CPU42はその高さ情報に基づいてX線
位置制御回路33へ位置情報を伝送する。この位置情報
に基づいてX線位置移動機構32(図1)が作動し、こ
の結果、X線装置2内のX線源FのX線照射位置Pが単
結晶インゴット3の表面の平行移動経路Kに載るように
調節される。
【0042】その後、CPU42からの指示により送り
制御回路19へ位置情報が伝送され、これに基づいてス
ライダ送り機構9が作動してスライダ6が移動して、そ
のスライダ6に支持された単結晶インゴット3の表面が
X線照射位置Pに一致するX線測定位置まで運ばれる。
【0043】この状態で、以下に説明するようなX線測
定が実行される。すなわち、X線装置2内においてX線
入射角θ及び回折X線角度θが単結晶インゴット3の結
晶格子面に対してX線の回折条件を満足する角度に設定
される。そして、面内回転制御回路14へ角度情報を伝
送して面内回転機構12を作動して、単結晶インゴット
3の表面を面内角度0°の位置に設定する。
【0044】その後、X線源FからX線を放出し、さら
にあおり回転制御回路16に指示を与えてあおり機構1
1を作動させて、単結晶インゴット3の表面を矢印Bの
ようにあおり回転させる。このとき、単結晶インゴット
3をあおり移動することにより、単結晶インゴット3の
結晶格子面が回折条件を満足する角度位置、すなわち図
3(a)のω1を中心とするピークの裾の角度に達して
から所定の角度範囲で単結晶インゴット3がX線を回折
し、その回折X線がX線カウンタ34によって検出さ
れ、さらにX線強度演算回路36によってX線強度が求
められる。図3(a)はそのようにして求められたX線
強度のピーク波形P1を示している。
【0045】その後、面内回転制御回路14へ角度情報
を伝送して面内回転機構12を作動して、単結晶インゴ
ット3の表面を面内角度90°の位置に設定する。そし
て、上記と同様のX線測定を行って面内角度90°の位
置におけるX線ピーク波形を求める。図3(b)はその
ようにして求められたピーク波形P2を示しており、こ
のピーク波形P2はあおり角度ω2の角度位置に現れて
いる。
【0046】さらにその後、面内角度位置180°及び
270°の各位置に関してX線測定を行う。図3(c)
はあおり角度ω3の角度位置にピーク波形P3が現れ、
図3(d)はあおり角度ω4の角度位置にピーク波形P
4が現れる状況を示している。図3に示すX線測定波形
は、必要に応じて、ディスプレイ46(図2)に映像と
して表示されたり、プリンタ47によって紙等といった
印材上にプリントされる。
【0047】図3に示すような測定結果が求められる
と、CPU42はその測定結果に基づいて単結晶インゴ
ットの最大傾き方向及び最大傾き角度を演算し、その演
算結果に基づいて面内回転制御回路14及びあおり回転
制御回路16へ位置情報を伝送する。これにより、面内
回転機構12及びあおり機構11が適宜に作動して、例
えば単結晶インゴット3の結晶格子面と砥石4による研
削面が平行になるように、単結晶インゴット3の方位が
設定される。
【0048】その後、回転駆動装置24が作動して砥石
4が回転し、さらにスライド送り機構9が作動してスラ
イダ6が往復スライド移動を開始し、これにより単結晶
インゴット3の表面が平行移動経路Kに沿って往復移動
する。この往復移動及び単結晶インゴット3と砥石4と
の間の相対的な高さ方向移動により、単結晶インゴット
3の表面が砥石4によって研削され、その結果、例えば
単結晶インゴット3の表面が結晶格子面に対して平行に
なるように加工され、希望する方位にインゴット3の表
面が加工され、これにより基準面が形成される。
【0049】上記単結晶インゴットを、上述した、結晶
格子面と例えば平行な方位に加工した基準面に対し、平
行、あるいは垂直のように定められた関係の面で、スラ
イス、あるいは側面加工等の更なる加工をする場合に、
この加工基準面を用いることにより、正確で迅速な加工
を行うことができる。すなわち、従来、これらのスライ
ス加工を行う場合、X線測定により得られた、例えば単
結晶インゴットの外周軸に対する方位のズレ量を用い
て、単結晶インゴットの取付姿勢を設定し、スライス加
工等を行っていた。この際、設定誤差等により加工方位
に許容量以上の誤差を生じることも多かったが、本方式
で加工した基準加工面を用いて、例えば、スライス加工
装置の基準面につき当てる等の、簡単且つ正確な姿勢制
御で加工することが可能となり、加工方位に許容量以上
の誤差を生じることなく、スライス、あるいは側面加工
等の更なる加工をすることができる。
【0050】(その他の実施形態)以上、好ましい実施
形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形
態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明
の範囲内で種々に改変できる。
【0051】例えば、図1に示した平面研削装置1及び
X線装置2は単なる一例であり、それらの具体的な構造
は必要に応じて種々に改変できる。また、単結晶インゴ
ット3を加工するための加工要素は砥石に限らず、必要
に応じて他の任意の研削要素又は切削要素とすることが
できる。
【0052】また、図1ではX線装置2を平面研削装置
1の加工部ベース21に取り付けてそれと一体に構成し
たが、X線装置2と平面研削装置1とを別体に設けるこ
ともできる。
【0053】また、図1では、砥石4等といった加工要
素及びX線装置2に対して単結晶インゴット3を面内回
転及びあおり移動させるようにしたが、これとは逆に、
加工要素及びX線装置2の方を単結晶インゴット3に対
して回転移動及びあおり移動させることもできる。
【0054】図1の実施形態では単結晶インゴット3を
1方向だけへあおり回転移動させるあおり機構11を設
けたが、このあおり機構11によるあおり回転移動と直
交する方向へ単結晶インゴット3をあおり回転移動させ
る他のあおり機構をあおり機構11に加えて設けること
ができる。そしてこの場合には、図3のようにして求め
られたω1,ω2,ω3,ω4に基づいて、(ω1−ω
3)/2の値をあおり機構11によって補正し、(ω2
−ω4)/2の値をあおり機構11と直交する他のあお
り機構によって補正するという調整を行うことができ
る。また、(ω1−ω3)/2及び(ω2−ω4)/2
の値に基づいて単結晶インゴットを両あおり機構を用い
て適宜のあおり角度に設定することもできる。
【0055】さらに、単結晶インゴット3の水平方向あ
るいは高さ方向の移動及び調整は、単結晶インゴット3
と砥石4との間の相互間距離及び/又は単結晶インゴッ
ト3とX線装置2との間の相互間距離を変えられるもの
であれば、砥石4を上下左右前後へ移動させる装置、X
線装置2を上下左右前後へ移動させる装置、ベッド7を
上下左右前後へ移動させる装置、その他必要に応じて設
けられる任意の装置を選択して利用することができる。
【0056】
【発明の効果】本発明に係る単結晶インゴットの加工装
置によれば、インゴット移動手段及びインゴット姿勢調
整手段を設けたことにより、X線装置を用いた単結晶イ
ンゴットに関する物性測定から加工要素を用いた単結晶
インゴットに対する加工、例えば基準面の加工に至る一
連の作業を連続的に行うことが可能となり、それ故、単
結晶インゴットをX線装置から加工装置へと付け換える
従来の場合に比べて、単結晶インゴットに対する加工を
高精度且つ迅速に行うことができる。例えば、基準面を
非常に高精度に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単結晶インゴットの加工装置の一
実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の加工装置に用いられる電気制御系の一例
を示すブロック図である。
【図3】図1の加工装置を構成するX線装置によって行
われるX線測定の結果の一例を示すグラフである。
【図4】単結晶インゴットの一例を模式的に示す図であ
る。
【符号の説明】
1 平面研削装置 2 X線装置 3 単結晶インゴット 4 砥石(加工要素) 6 スライダ(インゴット移動手段) 7 ベッド(インゴット移動手段) 8 インゴット支持装置 9 スライダ移動機構(インゴット移動手
段) 11 あおり機構(インゴット姿勢調整手
段) 12 面内回転機構(インゴット姿勢調整手
段) 13 インゴットホルダ 21 加工部ベース 22 加工ユニット 24 加工駆動装置 26 スピンドル 27 砥石位置移動機構 32 X線位置移動機構 34 X線カウンタ 37 高さ測定器 A 面内回転 B あおり回転 F X線源 H 横方向 K 平行移動経路 P X線照射位置 V 縦方向 X1 縦方向軸線 X2 横方向軸線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶インゴットを加工する加工要素
    と、 前記単結晶インゴットにX線を照射して測定を行うX線
    装置と、 前記単結晶インゴットを前記X線装置によるX線測定位
    置と前記加工要素による加工位置との間で移動させるイ
    ンゴット移動手段と、 前記単結晶インゴットの姿勢を調整するインゴット姿勢
    調整手段とを有することを特徴とする単結晶インゴット
    の加工装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記インゴット姿勢
    調整手段は、前記単結晶インゴットを面内回転させる面
    内回転手段及び/又は前記単結晶インゴットをあおり回
    転させるあおり回転手段とを有することを特徴とする単
    結晶インゴットの加工装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記単
    結晶インゴットを加工のために前記加工要素に対してス
    ライド移動させるインゴットスライド移動手段を有し、
    前記インゴット移動手段は前記インゴットスライド移動
    手段を用いて構成されることを特徴とする単結晶インゴ
    ットの加工装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記加工要素は砥石
    であることを特徴とする単結晶インゴットの加工装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4の少なくともいず
    れか1つにおいて、前記インゴット移動手段に支持され
    た単結晶インゴットの高さを検知するインゴット高さ検
    知手段と、 前記加工要素を前記単結晶インゴットの高さ方向に移動
    させる加工要素移動手段と、 前記X線装置を前記単結晶インゴットの高さ方向に移動
    させるX線装置移動手段とを有することを特徴とする単
    結晶インゴットの加工装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5の少なくともいず
    れか1つにおいて、前記X線装置は、前記X線測定位置
    に置かれた単結晶インゴットに照射されるX線を発生す
    るX線源と、前記X線測定位置に置かれた単結晶インゴ
    ットで回折したX線を検出するX線検出手段とを有する
    ことを特徴とする単結晶インゴットの加工装置。
JP11169446A 1999-06-16 1999-06-16 単結晶インゴットの加工装置 Pending JP2000354940A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11169446A JP2000354940A (ja) 1999-06-16 1999-06-16 単結晶インゴットの加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11169446A JP2000354940A (ja) 1999-06-16 1999-06-16 単結晶インゴットの加工装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000354940A true JP2000354940A (ja) 2000-12-26

Family

ID=15886764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11169446A Pending JP2000354940A (ja) 1999-06-16 1999-06-16 単結晶インゴットの加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000354940A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004533347A (ja) * 2001-06-13 2004-11-04 フライベルガー・コンパウンド・マテリアルズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 結晶外面に対する結晶面の方位を決定する装置及び方法、及び切断機にて単結晶を切断する装置及び方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004533347A (ja) * 2001-06-13 2004-11-04 フライベルガー・コンパウンド・マテリアルズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 結晶外面に対する結晶面の方位を決定する装置及び方法、及び切断機にて単結晶を切断する装置及び方法
JP2011003929A (ja) * 2001-06-13 2011-01-06 Freiberger Compound Materials Gmbh 単結晶を切断する方法及び装置
JP4716652B2 (ja) * 2001-06-13 2011-07-06 フライベルガー・コンパウンド・マテリアルズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 切断機にて単結晶を切断する装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9134260B2 (en) Intelligent machines and process for production of monocrystalline products with goniometer continual feedback
JP2017009356A (ja) 残留応力測定装置及び残留応力測定方法
EP0500339B1 (en) Method and apparatus for detecting a crystallographic axis of a single crystal ingot for "of" determination
JP3205402B2 (ja) 結晶方位決定方法及び装置
JP6448181B2 (ja) インゴットとワークホルダの接着方法及び接着装置
US4656787A (en) Curved surface formation polishing apparatus
US5107628A (en) Method of fabricating article having aspheric figure and tool for use in carrying out the method
JP4996263B2 (ja) 結晶方位測定装置
JP2000354940A (ja) 単結晶インゴットの加工装置
JPH0966520A (ja) ワイヤソー装置
CN108205290B (zh) 基于激光位移传感器的工件调平装置
JP2554408B2 (ja) 自動円筒研削方法及び装置
JP2003254918A (ja) 単結晶体の方位測定装置、この装置におけるガイド部材の角度誤差の検出方法及び単結晶体の方位測定方法
JP2002164311A (ja) インゴットのオリエンテーションフラット加工方法及びオリエンテーションフラット加工装置
JP3709664B2 (ja) 結晶軸の傾き角度測定方法
JP2001050912A (ja) 単結晶インゴットの支持装置、単結晶インゴットの測定装置及び単結晶インゴットの測定方法
JP6615285B1 (ja) 工具振れ調整方法および工作機械
JP3748866B2 (ja) 工具測定装置および方法
JP2001272359A (ja) 単結晶インゴットの処理装置及び処理方法
JP3412852B2 (ja) 単結晶インゴットのマーキング装置
JPH06122119A (ja) 種棒切断方法
JPH11285955A (ja) 単結晶インゴット周面加工装置におけるインゴット位置決め方法
JP2001311705A (ja) X線回折装置
JPH07186044A (ja) 砥石振れ計測装置および砥石ツルーイング装置
JP4227706B2 (ja) 結晶方位測定装置および結晶方位測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040121

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040319

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040901