JP2000354814A - 塗工装置 - Google Patents

塗工装置

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JP2000354814A
JP2000354814A JP16945499A JP16945499A JP2000354814A JP 2000354814 A JP2000354814 A JP 2000354814A JP 16945499 A JP16945499 A JP 16945499A JP 16945499 A JP16945499 A JP 16945499A JP 2000354814 A JP2000354814 A JP 2000354814A
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武明 津田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェブ振動などの外乱やウェブ自体の厚みム
ラ、表面粗度の影響を受けずに安定した塗工を行うこと
を可能にする。 【解決手段】 ダイヘッドのスリット幅tとスリットか
ら吐出される液膜の厚みHが、β;塗工液の運動量補正
係数としたときに、 H=t/β(≧1) ・・・・・(a) の関係式で表され、なおかつ液膜の厚みHが、ρ;密度
〔g/cm3 〕、V;液膜の落下速度〔cm/s〕、
σ;表面張力〔g/s2 〕、S;膜厚〔cm〕、U;ウ
ェブ速度〔cm/s〕、μ;粘度〔g/cm・s〕であ
るときに、 ρHV2 >2σ ・・・・・(b) 0<ρS2 U/μH<2 ・・・・・(c) の範囲にあるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続的に走行する
ウェブに対して塗工液を塗布するエクストルージョン型
のダイヘッドを使用した塗工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、エクストルージョン型のダイ
ヘッドを使用する塗工装置は、均一な薄膜塗工が可能で
あることから種々の分野で広く利用されている。従来の
エクストルージョン型のダイヘッドは、例えば図1に示
すように、スリット面10を有する下流側リップ2と、
スリット面12を有する上流側リップ3を備えており、
下流側リップ2のスリット面10と上流側リップ3のス
リット面12との間のスリット11から塗工液20が吐
出される。そしてこのダイヘッドを使用した塗工装置に
より塗工を行う場合、ダイヘッドの先端リップとウェブ
との間隔は、目標とする塗工膜厚の1.5〜2倍程度に
設定し、スリット11を通して塗工液20を連続的に走
行するウェブ22に対して略垂直に吐出することによ
り、ウェブ上に塗工膜21を直接形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のダイヘッドを使
用した塗工装置では、上述のように被塗工体であるウェ
ブに対してヘッド先端リップを膜厚の1.5〜2倍程度
に保つことにより塗工を行っている。この範囲を越えた
場合、例えばウェブと先端リップとの間隔が近すぎる場
合には、塗工液がリップ先端部に回り込むことによりス
トリーク等が発生し、またウェブ振動などによりヘッド
先端部とウェブとが接触し、塗工されない箇所が発生し
てしまう。また、ウェブと先端リップとの間隔が開き過
ぎている場合には、エアーの抱き込みが発生して一様な
塗工面が得られないといった問題が生じる。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明は、ダイヘッドのリップ先端部とウェブ
との間の間隔を広げた状態で、しかも塗工液が途切れる
ことなく且つ安定して転移するような条件で塗工を行う
こととしている。そして、このような条件のダイヘッド
により塗工を行うことにより、ウェブ振動などの外乱や
ウェブ自体の厚みムラ、表面粗度の影響をうけることな
く塗工を行うことが可能となる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、エクストルージョン型
のダイヘッドを使用し、連続的に走行するウェブに対し
て塗工液の塗布を行う塗工装置であって、ダイヘッドの
スリット幅tとスリットから吐出される液膜の厚みH
が、β;塗工液の運動量補正係数としたときに、 H=t/β(≧1) ・・・・・(a) の関係式で表され、なおかつ液膜の厚みHが、ρ;密度
〔g/cm3 〕、V;液膜の落下速度〔cm/s〕、
σ;表面張力〔g/s2 〕、S;膜厚〔cm〕、U;ウ
ェブ速度〔cm/s〕、μ;粘度〔g/cm・s〕であ
るときに、 ρHV2 >2σ ・・・・・(b) 0<ρS2 U/μH<2 ・・・・・(c) の範囲にあるようにしたものである。
【0006】これらの関係式(a)、(b)、(c)は
それぞれ以下のA)、B)、C)に基づいて導出され
る。
【0007】A)スリットの幅と液膜の厚さの関係 図2は幅tのスリットから塗工液が吐出され、厚さHの
液膜が形成される様子を示す説明図である。スリット内
での塗工液の速度をV1、スリットから吐出された塗工
液が形成する液膜の速度をV2として連続の式を当ては
めると、 tV1=HV2 ・・・・1) このときの運動量保存式は次の通りである。 βρQV1=ρQV2 ・・・・2) β;運動量補正係数、Q;単位幅流量 これら1)、2)より、 H=t/β ・・・・・(a) ここで、βは1以上の値で、ニュートン流体の場合は
1.2程度である。ちなみに非ニュートン流体の場合は
ほぼ1となる。
【0008】B)完全成膜の条件 スリットから吐出されて流れる塗工液の表面張力以上に
運動量(力積)が大きければ液膜は破断しないため、力
の釣り合いにより次の条件が導出される。 ρQV=ρHV2 >2σ ・・・・・(b) σ;表面張力〔g/s2 〕、V;液膜の落下速度〔cm
/s〕
【0009】C)塗工膜が安定に形成される条件 上記A)、B)で決定されるHによってウェブ上に形成
される塗工膜の安定性の条件を以下に示す。
【0010】図3はウェブの停止時における塗工液の流
れを示す説明図、図4は平衡状態を保った時の塗工液の
流れを示す説明図である。塗工膜を安定に形成するため
には、図3に示した左右に分割される運動量を速度Uで
ウェブを移動させることにより、図4に示したX方向の
みとなるようにせん断力を与えて平衡状態を保つように
する。このときの運動量F0 、F1 はそれぞれ次のよう
になる。 F0 =0.5ρQV ・・・・3) F1 =ρQV=ρHV2 ・・・・4) また図4におけるせん断力F2 は、剪断応力をτ、境界
長さをδとして、 F2 =τ・δ=μdu/dy・δ ・・・・5) 慣性力F3 は、 F3 =ρ・0.5(S+H)・δ・du/dt ・・・・6) このとき、 du/dy=0.5(U+V)/0.5(S+H) ・・・・7) 連続の式US=VHにより、 du/dy=(U+V)/H(U+1)=U/H ・・・・8) 4)式へ連続の式を代入すると、 0.5ρQV=0.5ρHV2 =0.5ρH(US/H)2 =0.5ρU2 2 /H ・・・・9) 5)式と9)式が釣り合うことにより平衡状態となるた
め、 0.5ρU2 2 /H=μU/H・δ ・・・・10) 整理すると、図4に示した平衡状態を保つ次の条件式が
得られる。 δ=ρSU2 /2μ ・・・・11)
【0011】図5はエアー同伴直前の塗工液の流れを示
す説明図、図6は安定状態となった塗工液の流れを示す
説明図、図7はヒール発生時の塗工液の流れを示す説明
図である。境界長さδの領域を考えると、 δ=ρS2 U/2μ ・・・・12) aH=δより、 a=ρS2 U/2μH ・・・・13) エアー同伴やヒール発生を生じさせずに安定した塗工膜
を形成する条件は0<a<1であるので、13)式に当
てはめると、 0<ρS2 U/2μH<1 ・・・・14) 従って、 0<ρS2 U/μH<2 ・・・・・(c)
【0012】
【実施例】表1に示す8つの条件(No.1〜No.
8)で塗工を行った。すなわち、密度ρ〔g/c
3 〕、粘度μ〔g/cm・s〕の塗工液を使用し、そ
の塗工液をスリット幅t〔cm〕のダイヘッドから吐出
しつつ、速度U〔cm/s〕で連続的に搬送されるウェ
ブに対して膜厚S〔cm〕で塗工した。そして、これら
の数値を前記の関係式(a)、(b)、(c)に当ては
め、ρS2 U/μHを計算した。その計算結果も併せて
表1に示す。0<ρS2 U/μH<2になっているN
o.2、3、5〜7については安定塗工が行えたが、そ
れ以外の例では塗工が不安定であった。
【0013】
【表1】
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の塗工装置
によれば、完全成膜されるということにより式(b)を
満たし、また塗工液の物性値に基づいて塗工条件を式
(a)を満たすように設定することにより、ウェブとダ
イヘッド先端との距離を塗工膜厚に対して10〜100
倍程度離すことが可能となり、ウェブ振動などの外乱や
ウェブ自体の厚みムラ、表面粗度の影響を受けずに安定
した塗工を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】エクストルージョン型のダイヘッドの一例を示
す概略図である。
【図2】幅tのスリットから塗工液が吐出され、厚さH
の液膜が形成される様子を示す説明図である。
【図3】ウェブの停止時における塗工液の流れを示す説
明図である。
【図4】平衡状態を保った時の塗工液の流れを示す説明
図である。
【図5】エアー同伴直前の塗工液の流れを示す説明図で
ある。
【図6】安定状態となった塗工液の流れを示す説明図で
ある。
【図7】ヒール発生時の塗工液の流れを示す説明図であ
る。
【符号の説明】
2 下流側リップ 3 上流側リップ 10 スリット面 11 スリット 12 スリット面 20 塗工液 21 塗工膜 22 ウェブ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エクストルージョン型のダイヘッドを使
    用し、連続的に走行するウェブに対して塗工液の塗布を
    行う塗工装置であって、ダイヘッドのスリット幅tとス
    リットから吐出される液膜の厚みHが、β;塗工液の運
    動量補正係数としたときに、 H=t/β(≧1) ・・・・・(a) の関係式で表され、なおかつ液膜の厚みHが、ρ;密度
    〔g/cm3 〕、V;液膜の落下速度〔cm/s〕、
    σ;表面張力〔g/s2 〕、S;膜厚〔cm〕、U;ウ
    ェブ速度〔cm/s〕、μ;粘度〔g/cm・s〕であ
    るときに、 ρHV2 >2σ ・・・・・(b) 0<ρS2 U/μH<2 ・・・・・(c) の範囲にあることを特徴とする塗工装置。
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US7785654B2 (en) 2001-03-16 2010-08-31 Kao Corporation Method of producing cosmetics-impregnated sheet

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