JP2000354717A - セラミックフィルタエレメント - Google Patents

セラミックフィルタエレメント

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JP2000354717A
JP2000354717A JP11167966A JP16796699A JP2000354717A JP 2000354717 A JP2000354717 A JP 2000354717A JP 11167966 A JP11167966 A JP 11167966A JP 16796699 A JP16796699 A JP 16796699A JP 2000354717 A JP2000354717 A JP 2000354717A
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Takayuki Hida
隆幸 肥田
Susumu Muto
進 武藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】首部にダストリングが形成されることを防止す
ることにより、その使用寿命を大幅に延長したセラミッ
クフィルタエレメントを提供する。 【解決手段】多孔質のセラミックフィルタエレメントの
首部4に目封じ部12を形成し、その通気性を低下させ
ておく。このセラミックフィルタエレメントは、首部4
を支持板3に挿入保持させて用いられるが、首部4から
含塵ガスが吸引されなくなるため、首部4の外周にダス
トリングが形成されることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却炉排ガスや乾
燥機排ガスのような比較的高温の含塵ガスをろ過する集
塵機等に組み込んで用いられるセラミックフィルタエレ
メントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記のような高温の含塵ガスをろ過する
ための集塵機としては、図2に示すように含塵ガス室1
とクリーンガス室2とを区画する支持板3に多数の孔を
設けておき、その上部から中空のセラミックフィルタエ
レメントを落とし込んで、首部4で吊り下げるように保
持させたものが知られている(特公昭60−9843号
公報)。
【0003】セラミックフィルタエレメントは耐熱性と
通気性を備えた多孔質のセラミックからなり、含塵ガス
室1内のガスをろ過してクリーンガス室2から取り出す
ようになっている。なお、5は逆洗用ノズルであり、定
期的に高圧の逆洗空気をセラミックフィルタエレメント
の内部に噴射して、付着したダストを含塵ガス室1の下
部に落下させるためのものである。
【0004】図3はセラミックフィルタエレメントの首
部4の拡大断面図であり、6は耐熱パッキンである。矢
印Aで示すように、セラミックフィルタエレメントの胴
部においては含塵ガスはほぼ垂直に壁面7を通過し、中
空部8を経由して上方のクリーンガス室2に吸引されて
いく。しかし、セラミックフィルタエレメントの首部4
にも通気性があるため、含塵ガスの一部は矢印Bで示す
ように支持板3の孔9と首部4との隙間からも中空部8
に吸引され、首部4の外周全体にダストが付着する。
【0005】この付着ダストは、高温状態のままでは特
に問題を生じない。しかし、夜間等に集塵機が運転を停
止して温度が降下すると、セラミックフィルタエレメン
トは熱膨張係数が小さいためにあまり収縮しないのに対
して、金属製の支持板3は熱膨張係数が大きいために収
縮量が大きく、首部4の外周に付着したダストを押し固
める。そして翌日昇温すると支持板3の孔9と首部4と
の隙間が拡がって同様に含塵ガスが吸引されてダストが
付着し、温度降下とともにまたダストが押し固められ
る。このような現象が繰り返される結果、セラミックフ
ィルタエレメントの首部4の外周には次第に硬くなった
ダストのリングが厚く形成され、首部4に集中的な圧力
を加えることとなる。
【0006】そこで従来は、定期的にセラミックフィル
タエレメントを交換することにより、このダストのリン
グを除去していた。このため、セラミックフィルタエレ
メントが本来持つ使用寿命よりも実際の交換時間はかな
り短くなっており、ランニングコストを上昇させる原因
となっていた。また、取り除いたセラミックフィルタエ
レメントは処分する必要があるが、放射性廃棄物の焼却
炉の排ガス処理の場合にはセラミックフィルタエレメン
ト自体も放射性廃棄物となるため、頻繁にセラミックフ
ィルタエレメントを交換することは、この意味からも好
ましくなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決し、首部にダストリングが形成されるこ
とを防止することにより、その使用寿命を大幅に延長す
ることができるセラミックフィルタエレメントを提供す
るためになされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、首部を支持板に挿入保持させて
用いられる多孔質のセラミックフィルタエレメントにお
いて、首部を目封じして首部の通気性を低下させたこと
を特徴とするものである。なお、目封じ範囲を支持板の
厚さ以上とすることが好ましく、首部の目封じを、セラ
ミック微粉末の含浸、セラミックコーティング、セラミ
ック溶射のいずれかの方法で行うことが好ましい。
【0009】本発明のセラミックフィルタエレメント
は、首部を目封じして首部の通気性を低下させたので、
首部から含塵ガスが吸引されることが抑制され、支持板
の孔と首部との隙間にダストリングが形成されることが
ない。このため首部に集中的な圧力が加わることがな
く、目詰まりによる本来の使用寿命が来るまで交換の必
要がない。
【0010】
【発明の実施形態】以下に本発明の実施形態を示す。図
1は本発明の一実施形態を示す中央縦断面図であり、図
示のセラミックフィルタエレメントは、例えば全長が約
1500mm、胴部10の外径が60mm、内径が40
mm、首部4の上端に形成された支持リング11の外径
が70mm程度のものである。ただし本発明のセラミッ
クフィルタエレメントの形状、構造はこのような筒状の
ものに限定されるものではない。セラミックフィルタエ
レメントの全体は多孔質SiC等の多孔質セラミックよ
りなり、図示のとおり支持板3の孔9に落とし込んで支
持されている。なお6は首部4の外周に設けられた耐熱
パッキンである。
【0011】本発明では、セラミックフィルタエレメン
トの首部4が目封じされる。この目封じは首部4の通気
性を低下させるために行われ、セラミック微粉末の含
浸、セラミックコーティング、セラミック溶射等の方法
を採用することができる。図示の例では、#4000の
SiC微粉末(平均粒径約3μm)50重量部と焼結助
剤としてガラス粉末50重量部とを、80重量部の水と
混合した含浸液に首部4を浸漬し、首部4の表裏両面に
目封じ部12を形成した。このほか、アルミナを首部4
の外周にコーティングする方法や、アルミナを首部4の
外周に溶射する方法を取ることもできる。このように目
封じ部12は必ずしも首部4の表裏両面に形成する必要
はなく、表裏の何れか一方に形成してもよい。
【0012】目封じ部12の長さは、支持板3の厚さよ
りも少し長くしておくことが好ましく、この実施形態で
は支持板3の厚さが50〜90mmであり、目封じ部1
2の長さは80〜100mmであって、目封じ部12の
下端が支持板3の下面よりも10〜30mm程度下方に
達している。このように目封じ部12の下端を支持板3
の下面よりも更に下方まで延ばしておけば、本発明の効
果を向上させることができる。なお、目封じ部12を過
度に長くすることは、有効ろ過面積の減少を招くので好
ましくない。
【0013】このように構成された本発明のセラミック
フィルタエレメントは、首部4が目封じされて通気性を
低下させてあるため、含塵ガスが首部4を通じて中空部
8に吸引されることがなく、従来のように首部4の外周
にダストが付着することがない。このため支持板3との
間隙が膨張・収縮を繰り返しても従来のように首部4の
外周に硬いダストリングが形成されることはない。従っ
て、次の実施例に示すように、交換までの使用時間を従
来品よりも大幅に延長することができる。
【0014】
【実施例】製造ロットの異なる3種類の多孔質SiC製
のセラミックフィルタエレメント(全長はいずれも15
00mm)の首部4に、上端から100mmの長さにS
iC微粉末の含浸による目封じ部12を形成した。これ
らのセラミックフィルタエレメントを目封じを行わない
従来品とともに焼却炉排ガス処理用の集塵機にセット
し、使用した。従来品と目封じ品とのフィルタ初期差圧
及び交換までの使用時間との関係を表1に示した。目封
じ品は従来品よりも初期差圧は1.05〜1.09倍高
いものの、交換までの使用可能時間は約1.5倍と大幅
に延長することができた。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のセラミ
ックフィルタエレメントは首部を目封じして首部の通気
性を低下させたことにより、首部の外周にダストリング
が形成されることを防止することができ、その使用寿命
を従来品よりも大幅に延長することができる利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す中央縦断面図である。
【図2】セラミックフィルタエレメントの使用状態を示
す断面図である。
【図3】従来のセラミックフィルタエレメントの問題点
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 含塵ガス室、2 クリーンガス室、3 支持板、4
首部、5 逆洗用ノズル、6 耐熱パッキン、7 壁
面、8 中空部、9 孔、10 胴部、11支持リン
グ、12 目封じ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 首部を支持板に挿入保持させて用いられ
    る多孔質のセラミックフィルタエレメントにおいて、首
    部を目封じして首部の通気性を低下させたことを特徴と
    するセラミックフィルタエレメント。
  2. 【請求項2】 目封じ範囲を、支持板の厚さ以上とした
    請求項1に記載のセラミックフィルタエレメント。
  3. 【請求項3】 目封じを、セラミック微粉末の含浸、セ
    ラミックコーティング、セラミック溶射のいずれかの方
    法で行った請求項1に記載のセラミックフィルタエレメ
    ント。
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JP2021137762A (ja) * 2020-03-09 2021-09-16 日本スピンドル製造株式会社 集塵装置

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