JP2000353789A - 化合物半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

化合物半導体装置およびその製造方法

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JP2000353789A
JP2000353789A JP11162704A JP16270499A JP2000353789A JP 2000353789 A JP2000353789 A JP 2000353789A JP 11162704 A JP11162704 A JP 11162704A JP 16270499 A JP16270499 A JP 16270499A JP 2000353789 A JP2000353789 A JP 2000353789A
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etching
threshold voltage
voltage control
gaas
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Hirosada Koganei
宏貞 黄金井
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドライエッチング処理で硬化したフォトレジ
ストを除去するための酸素プラズマ処理と有機洗浄にお
いて、結晶表面が酸化、エッチングされ、しきい値電圧
制御性が困難になる。 【解決手段】 エンハンスメント型トランジスタおよび
デプレッション型トランジスタの2種類の電解効果トラ
ンジスタを含む化合物半導体装置において、半絶縁性G
aAs基板上にi−GaAsバッファー層、i−InG
aAsチャネル層、AlGaAs電子供給層、i−Al
GaAsエッチングストッパー層、n−AlGaAsし
きい値電圧制御層、およびn−GaAsコンタクト層が
順次形成され、E型FETのゲート電極は前記電子供給
層とショットキー接合され、D型FETのゲートはし前
記きい値電圧制御層とショットキー接合されていること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンハンスメント
型トランジスタ(以下E型FET)およびデプレッショ
ン型トランジスタ(以下D型FET)の2種類の電解効
果トランジスタを含む化合物半導体装置およびその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】第1の従来例について図5(a)〜
(f)を用いて説明する。本例は特開平2−14874
0号公報に開示されているものである。
【0003】この製造方法について図5(a)〜(f)
を用いて説明する。
【0004】まず、図5(a)に示すように、半絶縁G
aAs基板501上に、厚さ500nmのi−GaAs
チャネル層503、30nmのn−AlGaAs電子供
給層504、10nmのn−GaAsしきい値電圧制御
層(D−FETに関する)505、5nmのn−AlG
aAsエッチングストッパー層(第3)506c、15
nmのn−GaAsコンタクト層(第3)507c、5
nmのn−AlGaAsエッチングストッパー層(第
2)506b、60nmのn−GaAsコンタクト層
(第2)507b、5nmのn−AlGaAsエッチン
グストッパー層(第1)506a、40nmのn−Ga
Asコンタクト層(第1)507aをMBE法もしくは
MOCVD法等によって順次成長する。その後、メサエ
ッチングまたはイオン注入によって素子分離を行う。そ
の後E型FET領域におけるn−GaAs層507aと
n−AlGaAs層506aをフォトレジストをマスク
にエッチングして凹部Aを形成する。
【0005】ついで、図5(b)に示すように、厚さ3
00nmの絶縁膜510を成長した後、フォトレジスト
508をマスクに絶縁膜510に開口を設け、リフトオ
フ法によりソース電極516と518およびドレイン電
極517と519を形成する。
【0006】その後、図5(c)に示すように、リソグ
ラフィーとエッチング技術を用いて、フォトレジスト膜
をマスクとしてエッチング技術を用いて絶縁膜510に
ゲート開口部510aと510bを形成する。この絶縁
膜をマスクとして第1のn−GaAsコンタクト層50
7aを第1のエッチングストッパー層506aに対し
て、第2のn−GaAsコンタクト層507bを第2の
n−AlGaAsエッチングストッパー層506bに対
して等方性選択ドライエッチングを行う。
【0007】ついで、図5(d)に示すように、露出し
たエッチングストッパー層506a、506bを除去
し、その下の第2のn―GaAsコンタクト層507b
と第3のn−GaAsコンタクト層507cを露出させ
る。続いて、上記同様に等方性選択ドライエッチングに
より第2のn−AlGaAsエッチングストッパー層5
06bと第3のn−AlGaAsエッチングストッパー
層506cを露出させる。露出した506b、506c
を除去し、その下の第3のn−GaAsコンタクト層5
07cとn−GaAsしきい値制御層505を露出させ
る。
【0008】さらに、図5(e)に示すように、第3の
n−GaAsコンタクト層507cを第3のn−AlG
aAsエッチングストッパー層506cに対して、n−
GaAsしきい値制御層505n−AlGaAs電子供
給層504に対して異方性選択ドライエッチングを行
い、ゲート開口部511、512を形成する。
【0009】その後、図5(f)に示すように、ゲート
電極となるショットキー性の金属を蒸着し、フォトレジ
ストマスク508を用いたリフトオフにより、ゲート開
口部511、512にゲート電極514と515を形成
する。
【0010】次に、第2の従来例について図6(a)〜
(f)を用いて説明する。本例は特開平8−11603
4号公報に開示されているものである。
【0011】まず、図6(a)に示すように、半絶縁G
aAs基板601上に、400nmのi−GaAsバッ
ファー層602、15nmのi−In0.15Ga0.
85Asチャネル層603、30nmのn−Al0.2
Ga0.8As電子供給層604、4nmのn−GaA
sしきい値電圧制御層605、3nmのn−Al0.2
Ga0.8Asエッチングストッパー層606、100
nmのn−GaAsコンタクト層607をMBE法もし
くはMOCVD法等によって順次成長する。その後、素
子分離を行う。
【0012】ついで、図6(b)に示すように、SiO
2絶縁膜610を300nm成長した後、リソグラフィ
ーとRIE技術によりゲート開口部611と612を形
成する。この絶縁膜をマスクとしてn−GaAsコンタ
クト層607をn−Al0.2Ga0.8Asエッチン
グストッパー層606に対して異方的選択ドライエッチ
ングを行う。この後、酸素プラズマと有機洗浄でフォト
レジストマスクの除去およびエッチング表面清浄化を行
う。
【0013】次に、図6(c)に示すように、表面に絶
縁膜を成長させ、RIEにより異方性エッチングを行い
側壁絶縁膜613を形成する。
【0014】ついで、図6(d)に示すように、D型F
ETを形成する所のゲート開口部612をフォトレジス
トマスク608bでカバーし、E型FETを形成する所
のゲート開口部611の下のn−Al0.2Ga0.8
Asエッチングストッパー層606をリン酸/過酸化水
素系エッチャントによるウェットエッチングで除去した
後、n−GaAsしきい値電圧制御層605をn−Al
0.2Ga0.8As電子供給層604に対して選択的
にドライエッチングする。
【0015】その後、図6(e)に示すように、酸素プ
ラズマと有機洗浄でフォトレジストマスク608bの除
去およびエッチング表面清浄化を行う。
【0016】ついで、図6(f)に示すように、ゲート
電極614と615を形成する。その後、ソース電極6
16と618およびドレイン電極617と619を形成
し、半導体装置を得る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記第1の従来例では
ドライエッチングが3回必要であり、工数が多く工程が
複雑である。さらにエピタキシャル構造が非常に複雑で
ある。また、各ゲートが形成される所のしきい値電圧制
御層と電子供給層に対するオーバーエッチング時間が異
なるため、結晶損傷やしきい値電圧のばらつきが生じ
る。
【0018】また、第2の従来例ではAl0.2Ga
0.8Asエッチングストッパー層606の除去におい
て、非選択ウェットエッチングを用いているので、下層
のGaAsしきい値電圧制御層605が薄い場合、エッ
チングストッパー層606、しきい値電圧制御層60
5、および電子供給層604の一部までエッチングされ
てしまい、しきい値電圧の制御性に問題が生じる。この
Al0.2Ga0.8Asストッパー層606は5nm
程度まで薄くすれば、ドライエッチング後処理で除去す
ることが可能であるが、上層GaAsエッチングの際に
エッチングストップが出来なくなる。
【0019】これら従来例のように、フォトレジストが
ついた状態でドライエッチング処理を行った場合、フォ
トレジストが硬化するため、除去処理するためには酸素
プラズマ処理と有機洗浄が必要であるが、この処理にお
いては結晶表面が酸化、エッチングされるため、しきい
値電圧制御性上好ましくない。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の化合物半導体装
置は、エンハンスメント型トランジスタおよびデプレッ
ション型トランジスタの2種類の電解効果トランジスタ
を含む化合物半導体装置において、半絶縁性GaAs基
板上にi−GaAsバッファー層、i−InGaAsチ
ャネル層、AlGaAs電子供給層、i−AlGaAs
エッチングストッパー層、n−AlGaAsしきい値電
圧制御層、およびn−GaAsコンタクト層が順次形成
され、E型FETのゲート電極は前記電子供給層とショ
ットキー接合され、D型FETのゲートは前記しきい値
電圧制御層とショットキー接合されていることを特徴と
する。
【0021】また本発明は、エンハンスメント型トラン
ジスタおよびデプレッション型トランジスタの2種類の
電解効果トランジスタを含む化合物半導体装置の製造方
法において、半絶縁性GaAs基板上に、GaAsバッ
ファー層、i−InGaAsチャネル層、n−AlGa
As電子供給層、i−AlGaAsエッチングストッパ
ー層、n−AlGaAsしきい値電圧制御層,n−Ga
Asコンタクト層を順次成長する工程と、イオン注入に
よって素子分離領域を形成し、素子分離を行う工程と、
絶縁膜を成長した後、フォトレジストマスクを形成し、
ドライエッチングにより2つのゲート開口部およびを形
成する工程と、前記コンタクト層をウェットエッチング
で除去する工程と、D型FETを形成する領域にある一
方のゲート開口部をフォトレジストマスクで覆い、E型
FETを形成する領域にある他方のゲート開口部の下方
に位置する前記しきい値電圧制御層をエッチングする工
程と、前記ゲート開口部に露出したエッチングストッパ
ー層を選択的に除去する工程と、前記フォトレジストマ
スクを除去した後、ゲート電極となるショットキー性の
金属を全面に成膜し、エッチングにより2つのゲート電
極を形成する工程と、前記絶縁膜を開口し、それぞれ2
つのソース電極およびドレイン電極を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする化合物半導体装置の製造方法
を提供する。
【0022】本発明の好ましい態様において、GaAs
とAlGaAs(例えばAl0.2Ga0.8As)の
選択エッチングを用いてD型FETのゲート開口を形成
し、前記AlGaAsと高いAl組成のAlGaAs
(例えばAl0.7Ga0.3As)の選択エッチング
をE型FETのゲート開口を形成している。このエッチ
ングには低温クエン酸/過酸化水素による選択ウェット
エッチングを用いており、溶液濃度調整によりGaAs
/Al0.2Ga0.8As選択エッチングおよびAl
0.2Ga0.8As/Al0.7Ga0.3As選択
エッチングが可能である。
【0023】さらに本発明では、E型FET部の開口の
際にエッチングされるAlGaAs層が、D型FETを
開口する際のエッチングストッパー層を兼ねているの
で、エピタキシャル構造が従来より簡素であり、このス
トッパー層に関する除去処理が省けるので、プロセスの
簡易化、高精度化が可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】図1(f)に本発明の第1の実施
の形態による半導体装置の構造の断面図を示す。この図
は(01−1)破断面を示したものである。
【0025】図1(f)の半導体装置は、半絶縁性Ga
As基板101上にi−GaAsバッファー層102、
i−InGaAsチャネル層103、n−Al0.2G
a0.8As電子供給層104、i−Al0.7Ga
0.3Asエッチングストッパー層105、n−Al
0.2Ga0.8Asしきい値電圧制御層106、n−
GaAsコンタクト層107が順次成長されており、E
型FETのゲート電極はn−Al0.2Ga0.8As
電子供給層104とショットキー接合し、D型FETの
ゲートはn−Al0.2Ga0.8Asしきい値電圧制
御層106とショットキー接合している。
【0026】なお、本発明では、しきい値電圧制御層1
06のAlGaAsのAl組成は0.2〜0.4の範囲
内であればよいしきい値電圧制御層106のAlGaA
sのAl組成は0.2〜0.4の範囲内。
【0027】本発明ではAl0.7Ga0.3Asエッ
チングストッパー層105は不純物がドープされたもの
でも構わない。また、このエッチングストッパー層の厚
さは20〜40Å、Al組成は0.65〜1.0であれ
ば可能である。さらにこのエッチングストッパー層は極
めて薄いため、電子はトンネルされ抵抗成分とはならな
い。
【0028】次に図1(a)〜(f)を用いて本実施の
形態の化合物半導体装置を製造する工程について説明す
る。図1は全てGaAs(01−1)破断面を示したも
のである。
【0029】まず、図1(a)に示すように、半絶縁性
GaAs基板101上に、厚さ400nmのi−GaA
sバッファー層102、15nmのi−InGaAsチ
ャネル層103、30nmのn−Al0.2Ga0.8
As電子供給層104、2nmのi−Al0.7Ga
0.3Asエッチングストッパー層105、4nmのn
−Al0.2Ga0.8Asしきい値電圧制御層10
6,100nmのn−GaAsコンタクト層107をM
BE法もしくはMOCVD法等によって順次成長する。
その後、素子領域を図示しないフォトレジストマスクで
覆い、イオン注入によって素子分離領域108を形成
し、素子分離を行う。この際のイオン注入条件は、注入
イオン:ホウ素イオン(B+)、加速エネルギー:20
0keV、注入ドーズ:5E13cm-3である。また、
素子分離はリン酸/過酸化水素系溶液によるメサエッチ
ングでも可能である。
【0030】次に、図1(b)に示すように、絶縁膜1
09を成長した後、フォトレジストマスクを形成し、公
知のRIE技術(例えばCF4とCHF3とArの混合
ガスを用いたドライエッチング)によりゲート開口部1
10と111を形成する。その後フォトレジストマスク
は除去する。
【0031】次に、図1(c)に示すように、n−Ga
Asコンタクト層107を低温のクエン酸水溶液と過酸
化水素水の混合溶液を用いたウェットエッチングでエッ
チング除去する。この溶液を用いた場合、例えば、特願
平08−125049に示されているように、GaAs
は図2のようにエッチング液の温度と結晶面方位によっ
て各々異なったエッチングレートを示すため、サイドエ
ッチングが進行しない異方的なエッチング形状を示す。
エッチング溶液は0〜10℃とする。
【0032】このとき、混合溶液の組成は30wt%の
クエン酸水溶液:30%過酸化水素水=1.5:1〜
2:1が好ましい。この溶液組成では図3に示すように
GaAs/Al0.2Ga0.8Asで高選択性が得ら
れるため、下方向のエッチングはn−Al0.2Ga
0.8Asしきい値電圧制御層106上面でストップす
る。
【0033】次に図1(d)に示すように、D型FET
を形成する領域にあるゲート開口部110をフォトレジ
ストマスク112で覆い、E型FETを形成する領域に
あるゲート開口部111の下方に位置するn−Al0.
2Ga0.8Asしきい値電圧制御層106をエッチン
グする。このときのエッチングは、エッチング液温0〜
10℃とする。
【0034】このとき、混合溶液の組成は30wt%ク
エン酸水溶液:30%過酸化水素水=3:1〜4:1の
溶液を用いる。この溶液組成では図3に示すようにAl
0.2Ga0.8As/Al0.7Ga0.3Asで高
選択性が得られるため、下方向のエッチングはi−Al
0.7Ga0.3Asエッチングストッパー層105で
ストップする。エッチング形状は図1(b)と同様であ
り、サイドエッチングは進行しない。
【0035】以上、図1(c)、図1(d)に記した選
択ウェットエッチングの機構について、図3を用いて説
明する。本エッチングは過酸化水素による結晶表面酸化
と、クエン酸によるこの酸化層除去の競合によって起こ
っているが、Al酸化物はエッチングされ難いためAl
組成が高いものほどエッチングレートは低下する。溶液
中の過酸化水素濃度が増大すれば(グラフ左方)酸化が
支配的となりエッチングレートは減少し、クエン酸濃度
が増大すれば(グラフ右方)エッチングが支配的とな
り、AlGaAsでもGaAs同様のエッチングレート
になる。このクエン酸増加に伴うエッチングレートの切
り替わり(急増)はAl組成比が大きいほど遅い。
【0036】クエン酸水溶液が上記の30wt%より低
濃度化した場合、水に対する過酸化水素濃度が減少する
ことで酸化層が形成され難くなり、選択性が得られなく
なる。この場合、過酸化水素比を増大させることで選択
エッチングが可能である。例えば、クエン酸水溶液濃度
=20wt%としたとき、GaAs/Al0.2Ga
0.8As選択エッチングする場合、20wt%クエン
酸水溶液:30%過酸化水素=1:1〜1.2:1程
度、Al0.2Ga0.8As/Al0.7Ga0.3
As選択エッチングする場合、20wt%クエン酸水溶
液:30%過酸化水素=2:1〜3:1程度の組成比の
ものも可能である。
【0037】逆に、クエン酸水溶液が上記の30wt%
より高濃度化した場合、水に対する過酸化水素濃度が増
大することでAl酸化層が形成され易くなり、エッチン
グされ難くなる。この場合、過酸化水素比を減少させる
ことで選択エッチングが可能である。例えば、クエン酸
水溶液濃度=50wt%としたとき、GaAs/Al
0.2Ga0.8As選択エッチングする場合、50w
t%クエン酸水溶液:30%過酸化水素=2.5:1〜
4:1程度、Al0.2Ga0.8As/Al0.7G
a0.3As選択エッチングする場合、50wt%クエ
ン酸水溶液:30%過酸化水素=5:1〜6:1程度の
組成比のものも可能である。
【0038】次に図1(e)に示すように、ゲート開口
部に露出したi−Al0.7Ga0.3Asエッチングス
トッパー層105を選択的に除去する。HClまたはバ
ッファード弗酸等の酸処理によって選択的な除去が可能
である。
【0039】次に図1(f)に示すように、フォトレジ
ストマスク112をメチルエチルケトンで除去した後、
ゲート電極となるショットキー性の金属を全面に成膜
し、リソグラフィーおよびRIE技術によりゲート電極
113と114を形成する。その後、SiO2絶縁膜1
09を開口し、蒸着リフトオフ法によりソース電極11
5と117およびドレイン電極116と118を形成
し、半導体装置を得る。
【0040】図4(e)に本発明の第2の実施の形態に
よる半導体装置の構造の断面図を示す。この図は(01
−1)破断面を示したものである。
【0041】図4(e)の半導体装置は、半絶縁GaA
s基板401上にi−GaAsバッファー層402、i
−InGaAsチャネル層403、n−Al0.2Ga
0.8As電子供給層404、第1のi−Al0.7G
a0.3Asエッチングストッパー層405a、n−A
lGaAsしきい値電圧制御層406、第2のi−Al
0.7Ga0.3Asエッチングストッパー層405
b、n−GaAsコンタクト層407が順次成長されて
おり、E型FETのゲート電極はn−Al0.2Ga
0.8As電子供給層404とショットキー接合し、D
型FETのゲートはn−Al0.2Ga0.8Asしき
い値電圧制御層406とショットキー接合している。エ
ッチングストッパー層405a、405bの構造は第1
の実施の形態のものと同じ構造である。
【0042】次に図4(a)〜(e)を用いて、図4
(e)の半導体装置を製造する工程について説明する。
図4は全てGaAs(01−1)破断面を示したもので
ある。
【0043】まず、図4(a)に示すように、第1の実
施の形態と同様に、半絶縁性GaAs基板401上に、
i−GaAsバッファー層402、i−InGaAsチ
ャネル層403、n−Al0.2Ga0.8As電子供
給層404、第1のi−Al0.7Ga0.3Asエッ
チングストッパー層405a、n−AlGaAsしきい
値電圧制御層406、第2のi−Al0.7Ga0.3
Asエッチングストッパー層405b、n−GaAsコ
ンタクト層407を順次成長する。その後、素子分離領
域408を形成する。
【0044】次に、図4(b)に示すように、第1の実
施の形態と同様に、絶縁膜409を成長した後、ゲート
開口部410と411を形成する。その後フォトレジス
トマスクは除去する。
【0045】次に、図4(c)に示すように、n−Ga
Asコンタクト層407を低温のクエン酸水溶液と過酸
化水素水の混合溶液を用いたウェットエッチングでエッ
チング除去する。この第2の実施の形態では、GaAs
とAl0.7Ga0.3Asの選択エッチングを行うの
で、第1の実施の形態より精密なしきい値電圧制御が可
能である。これは、AlGaAsのAl組成が高いほど
GaAsと選択比が得られるからである。よって、エッ
チング溶液濃度の組成に大きなマージンが保てる。(混
合する溶液組成は第1の実施の形態で述べたGaAs/
Al0.2Ga0.8AsおよびAl0.2Ga0.8
As/Al0.7Ga0.3Asの選択エッチングが可
能ないずれの組成比でもよい。)次に図4(d)に示す
ように、410、411開口部に露出した第2のi−A
l0.7Ga0.3Asエッチングストッパー層405
bを酸処理によって選択的に除去した後、D型FETを
形成する所のゲート開口部410をフォトレジストマス
ク412で覆い、E型FETを形成する所ゲート開口部
411の下のn−GaAsしきい値電圧制御層406を
エッチングする。これ以降は第1の実施の形態同様に半
導体装置を作成する。
【0046】
【発明の効果】以上に説明したように本発明により作製
されたD型FETおよびE型FETにおいては、 1)選択ウェットエッチングによるゲート開口を用い、
再現性に優れたしきい値電圧制御、 2)異方的ウェットエッチングにより、ゲート寸法制御
性がよく、エッチングダメージがない、 という特長を兼ね備えている。
【0047】さらに、高いAl組成のエッチングストッ
パーを用いることにより、ストッパー層の選択除去が可
能である。とくにD−FETのしきい値電圧制御層がコ
ンタクト層のエッチングストッパー層を兼ねている構成
では、エピタキシャル構造、プロセスが簡便となり、ま
たAl0.7Ga0.3Asエッチングストッパー1層
を追加した構造では、Al0.2Ga0.8Asよりも
Al0.7Ga0.3Asはエッチングされ難いので、
しきい値電圧制御性に優れており、エッチング溶液の組
成に広いマージンが保てるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による半導体装置の
製造工程断面図。
【図2】本発明におけるエッチング状態を示し、(a)
は断面図、(b)は温度に対するエッチングレートを示
す表。
【図3】クエン酸系水溶液/過酸化水素の比によるエッ
チングレートの変化を示すグラフ。
【図4】本発明の第1の実施の形態による半導体装置の
製造工程断面図。
【図5】第1の従来例による半導体装置の製造工程断面
図。
【図6】第2の従来例による半導体装置の製造工程断面
図。
【符号の説明】
101 半絶縁性GaAs基板 102 GaAsバッファー層 103 i−InGaAsチャネル層 104 n−AlO.2GaAs電子供給層 105 i−AlO.7GaAsエッチングストッパ
ー層 106 n−AlO.2GaAsしきい値電圧制御層 107 i−InGaAsコンタクト層 108 素子分離領域 109 SiO2絶縁膜 113 D型FETのゲート電極 114 E型FETのゲート電極 115 D型FETのソース電極 116 D型FETのドレイン電極 117 E型FETのソース電極 118 E型FETのドレイン電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンハンスメント型トランジスタおよび
    デプレッション型トランジスタの2種類の電解効果トラ
    ンジスタを含む化合物半導体装置において、 半絶縁性GaAs基板上にi−GaAsバッファー層、
    i−InGaAsチャネル層、AlGaAs電子供給
    層、i−AlGaAsエッチングストッパー層、n−A
    lGaAsしきい値電圧制御層、およびn−GaAsコ
    ンタクト層が順次形成され、E型FETのゲート電極は
    前記電子供給層とショットキー接合され、D型FETの
    ゲートは前記しきい値電圧制御層とショットキー接合さ
    れていることを特徴とする化合物半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記しきい値電圧制御層と前記コンタク
    ト層との間に第2のエッチングストッパー層が設けられ
    ている請求項1に記載の化合物半導体装置。
  3. 【請求項3】 エンハンスメント型トランジスタおよび
    デプレッション型トランジスタの2種類の電解効果トラ
    ンジスタを含む化合物半導体装置の製造方法において、 半絶縁性GaAs基板上に、GaAsバッファー層、i
    −InGaAsチャネル層、n−AlGaAs電子供給
    層、i−AlGaAsエッチングストッパー層、n−A
    lGaAsしきい値電圧制御層,n−GaAsコンタク
    ト層を順次成長する工程と、 イオン注入によって素子分離領域を形成し、素子分離を
    行う工程と、 絶縁膜を成長した後、フォトレジストマスクを形成し、
    ドライエッチングにより2つのゲート開口部およびを形
    成する工程と、 前記コンタクト層をウェットエッチングで除去する工程
    と、 D型FETを形成する領域にある一方のゲート開口部を
    フォトレジストマスクで覆い、E型FETを形成する領
    域にある他方のゲート開口部の下方に位置する前記しき
    い値電圧制御層をエッチングする工程と、 前記ゲート開口部に露出したエッチングストッパー層を
    選択的に除去する工程と、 前記フォトレジストマスクを除去した後、ゲート電極と
    なるショットキー性の金属を全面に成膜し、エッチング
    により2つのゲート電極を形成する工程と、 前記絶縁膜を開口し、それぞれ2つのソース電極および
    ドレイン電極を形成する工程と、を備えたことを特徴と
    する化合物半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記前記しきい値電圧制御層上に第2の
    i−AlGaAsエッチングストッパー層を設ける工程
    を備えた請求項3に記載の化合物半導体装置の製造方
    法。
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