JP2000351959A - 遊離砥粒スラリー組成物 - Google Patents
遊離砥粒スラリー組成物Info
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Abstract
ら構成される複合材料間における研磨量の差、即ち選択
研磨を生じることなく均一に削る加工工程で使用するの
に適した遊離砥粒研磨スラリー組成物に関する。 【解決手段】 本発明の主題は、異硬度材料が混在する
複合材料を研磨するための遊離砥粒研磨スラリー組成物
であって、研磨剤粒子、分散媒、表面改質剤及び少なく
とも1種の脂肪酸エステルを含む遊離砥粒研磨スラリー
組成物である。
Description
の異硬度材料から構成される複合材料間における研磨量
の差、即ち選択研磨を生じることなく均一に削る加工工
程で使用するのに適した遊離砥粒研磨スラリー組成物に
関する。
品などに対して、ますます高機能化、高性能化が要求さ
れてきており、使われている材料も、金属結晶材料、セ
ラミックス、ガラス、プラスチックと非常に多岐にわた
っている。そのため硬度の異なる複数の材料から構成さ
れる部品の研磨用途が多くなってきている。このような
複合材料の研磨加工の一例として、電子部品に関しては
LSIの多層配線工程における配線金属と層間絶縁膜と
の均一加工や光学部品では光ファイバーコネクタの端面
研磨などが挙げられる。
ドディスクドライブは年々その記録密度の向上が計られ
ており、高記録密度を達成する一つの手段として、ハー
ドディスクと磁気ヘッドの浮上隙間を狭め、ディスク/
ヘッド間のスペーシングを低減させる、所謂ヘッドの低
浮上化が試みられている。ハードディスクドライブに搭
載されている磁気ヘッドは薄膜型磁気ヘッドが主流であ
り、アルティック(Al2O3−TiC)などの基材とな
るセラミックスとパーマロイ(Fe−Ni)、センダス
ト(Fe−Al−Si)などの磁性材料である金属膜等
による複合材料で構成されている(図1)。
のような工程で製造されている: 1.バーの切り出し工程(このバーは図2に示すように
多数の磁気交換素子がマトリックス状に形成されたウエ
ハを切断したものであり、複数のスライダーが列状に配
列されている。)、2.バーを加工治具に接着する工程
(図3参照)、3.バーのラッピング処理(図4参照、
ラッピング処理とは、図4に示すように錫等を主材料と
した定盤を回転させこの上に被研磨物をおいて、遊離砥
粒研磨スラリー組成物等を供給しながら行う、スライダ
ーのABSの研磨加工をいう。)、4.加工治具からバ
ーを剥離する工程、5.レールエッチング工程、及び
6.バーをスライダーに切断分離する工程。これらの工
程の中で、この発明は3.バーのラッピング処理におけ
る研磨に関する。
て、セラミックスと金属膜との複合材料である薄膜磁気
ヘッドのABSの研磨加工を行う場合、材料間の硬度の
違いにより、磁極部に使用されている軟質材料であるパ
ーマロイやセンダストなどの金属膜が選択的に加工さ
れ、段差が発生するものがほとんどであった。このパー
マロイやセンダストなどの金属膜によって構成されてい
る磁極部材料の選択研磨は、セラミックスからなるAB
Sより磁極部などの金属膜を後退させることになり、記
録媒体との磁気間隔を増大させる所謂ポールチップリセ
ッション(Pole Tip Recession:P
TR)が発生し、実質的なへッドの浮上量を増大させて
しまうものである。
避するために、スラリーに選択研磨防止剤を入れて高精
度の研磨面を達成することが、例えば、特開平10−1
13327や特開平10−255022によって提案さ
れている。特開平10−113327では、遊離砥粒ス
ラリーによる薄膜型磁気ヘッドのABS面のラッピング
加工で生じる選択研磨を分子量が300〜20000の
プロピレンオキシドおよび任意にエチレンオキシドの付
加反応によって得られた水酸基の官能基数が1〜6であ
るポリエーテルを用いて選択研磨の回避と研磨面状態の
向上を図っている
研磨防止剤として、含硫黄有機モリブデン化合物を用い
ている。これは、研磨加工時に発生する摩擦熱によって
分解し、金属表面と反応することなく皮膜を形成し、そ
の層間が分子間力の弱いファンデアワールス力で結合し
ている二硫化モリブデン(MoS2)を主体とする層状構
造をなし、接触面での摩擦は二硫化モリブデン内部の層
間の摩擦に置き換えられ低摩擦となるために、異硬度材
料間の弾性変形量をなくし、軟質材料の選択研磨を有効
に防止させている。
は、その選択研磨防止が主に金属膜に作用し、選択研磨
を防止するに留まっていたが益々ヘッドの低浮上化が要
求されつつあるMR型薄膜ヘッドやGMR型薄膜ヘッド
では、PTR値をさらに低下させなければならず、金属
膜の選択研磨を防止すると同時に、基材であるアルチッ
クと絶縁膜であるアルミナとの境界部分である、肩の段
差を小さくしなければならないといった問題点があっ
た。更に、遊離砥粒スラリーの加工能力を考慮すると余
りに潤滑特性を上げると摩擦特性も低下するために遊離
砥粒スラリーの研磨レートが低下するといった問題もあ
った。
被研磨物に対する潤滑効果の作用機構から一般的に1)
ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸、脂肪酸エステ
ル、脂肪酸アミン及び油脂類である油性剤、2)リン酸
エステル、Zn-DTPなどの耐摩耗剤、3)有機Mo化合物な
どの極圧添加剤の3つに大別されている。油性剤は、分
子中に親油性の長い炭化水素鎖と末端に強い極性基を持
つ両親媒性物質であり、摩擦表面に物理吸着若しくは化
学吸着して潤滑膜を形成し、摩擦および磨耗を防止する
と言われている。また、これらの油性剤はその潤滑条件
によって耐磨耗剤として作用する(広中清一郎;日本塑
性加工学会誌、579−585、Vol.36、No.
413,1995−6)。
その効果が維持するために摩擦を低減する。低〜高荷
重、高温条件では摩擦表面とのトライボケミカル反応に
よる潤滑膜を形成して摩擦を低減する(広中清一郎;潤
滑油添加剤の作用機構、塑性加工シンポジウム、33−
43、1994、R.J.ハートレイら;耐摩耗剤・極
圧剤、トライボロジスト、326−331、199
5)。この様な油性剤もしくは耐摩耗剤のうち、脂肪酸
エステルは分子鎖に脂肪酸とアルコールを含む化合物で
あるために、脂肪酸エステルが油性作用を示し潤滑性や
耐磨耗性を示すとされている(清水啓通;脂肪酸エステ
ル型作動油、トライボロジスト、528−533、Vo
l.42−No.7 1997)。
膜表面に吸着しラッピング加工時に潤滑皮膜を形成する
ために金属膜の選択研磨に対して高い効果を発揮する。
これに対して、脂肪酸エステルは末端水酸基がアルコー
ルによるエステル交換によってエステル化されているた
め、脂肪酸の末端水酸基ほど選択的に金属膜に吸着せ
ず、基材のアルチック並びに絶縁膜及び保護膜であるア
ルミナ対する脂肪酸エステルの吸着は、金属膜に対する
脂肪酸エステルの吸着より小さく、更にアルチック及び
アルミナ対する脂肪酸エステルの吸着は同等である。従
って、脂肪酸エステルを用いた場合、高い研磨レートを
維持したままアルチック/アルミナ間の段差発生および
金属膜の選択研磨を防止する能力に優れていると考えら
れる。
リー研磨液についていくつか開発が行われてきた。特開
平9−272858は、シリコン、セラミックス、水晶
などの脆性材料を切断または研磨する水性ラップ液組成
物に脂肪酸エステルを用いて、砥粒の配合安定性等を改
善している。また特開平5−258294は、磁気ディ
スク用アルミニウム合金基盤の研磨液に脂肪酸エステル
を用いて、砥石の目づまりやアルミニウム合金基盤の表
面欠陥を改善している。
エステルが潤滑特性の向上や粒子の分散性および分散安
定性向上などに対して効果があることが知られている
が、異硬度材料から構成される複合材料用の遊離砥粒ス
ラリー組成物に応用して、異硬度材料の研磨加工時に発
生する軟質材料の選択研磨防止と研磨レートの向上を達
成した例はない。
における研磨量の差、即ち選択研磨を生じる事なく均一
に加工するのに適した遊離砥粒スラリー組成物であっ
て、なおかつ高い研磨レートを維持しつつ、高研磨面品
位を得ることを目的とした遊離砥粒スラリー組成物を提
供する。
混在する複合材料を研磨するための遊離砥粒研磨スラリ
ー組成物であって、研磨剤粒子、分散媒、表面改質剤及
び少なくとも1種の脂肪酸エステルを含む遊離砥粒研磨
スラリー組成物であり、更に前記脂肪酸エステルが一般
式RCOOR’(式中、Rの炭素数は12〜22であ
り、R’はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル基である。)で表される遊
離砥粒研磨スラリー組成物である。
酸エステルは、一般式RCOOR’で表される脂肪酸エ
ステルであり、式中Rの炭素数は12〜22であり、
R’はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
n−ブチル、イソブチル基である。この中でラウリン
酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パ
ルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカ
ン酸、アラキン酸、ペヘン酸、オレイン酸、エライジン
酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、リノール
酸、リノレン酸、リシノール酸、アラキドン酸、ステア
ロール酸のエステルが好ましい。更にラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール
酸のメチル又はエチルエステルがより好ましく、ラウリ
ン酸、パルミチン酸、オレイン酸のメチル又はエチルエ
ステルが更に好ましい。またこれらのエステルを単独で
用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。これ
らの脂肪酸エステルの添加濃度は、遊離砥粒スラリー組
成物に対して0.5重量%以上、好ましくは1.0重量
%以上、より好ましくは1.0〜50重量%、更に好ま
しくは1.0〜30重量%である。
する溶媒であれば限定されないが、薄膜型磁気ヘッドに
用いる場合には構成材料であるパーマロイ及びセンダス
トなどの金属膜が一般的に水に対して弱く腐食や錆を発
生するので分散媒として非水系溶媒を用いることが望ま
しく、更に極性の弱い非極性溶媒を用いることが望まし
い。ここで、分散媒の極性とは普通に使用される意味で
溶媒分子内の原子とその結合の種類、原子配列とその位
置などによって分子内に生じる双極子に基づく性質であ
る。この極性の大きさは相互作用する分子の極性によっ
て相対的に決まるものである。溶媒の極性は、定性的
に、Hildebrandの溶解性パラメーター(sp
値)δ値で表される。この値δが大きい程極性が大き
く、小さいものほど極性は小さい。このδ値は、更に分
散、極性による配向及び水素結合などの分子間相互作用
によっていくつかに分けられるが、これらの値は、その
溶媒がどのような化合物を良く溶かすかという、化合物
に対する溶解の選択性を決定するものである。
散媒に適した有機溶媒は、このδ値が低いものが望まし
い。これは、極性成分が増加することにより分散媒の臭
気が問題になったり、分散媒自体が人体や被研磨物に対
して悪影響を与えるからである。さらに本発明では、研
磨加工中の研磨スラリーの蒸発を無くし、安定な研磨加
工を行うために分散媒の蒸発速度が遅い溶媒が適してい
る。これは、蒸発速度の速い分散媒は研磨作業中に分散
媒が蒸発してしまい、安定な研磨加工が困難になるから
である。これらのことから、本発明に用いる分散媒は溶
解性パラメーターsp値が10.0以下、好ましくは
8.0以下、相対速度が5.0以下、より好ましくは
2.0以下のものが適している。これらの分散媒として
は例えば、エクソン化学(株)製、無臭イソパラフィン
系溶媒:アイソパーシリーズや低臭ナフテン系溶媒:E
XXSOLシリーズ、モービル化学製n−パラフィン系
溶媒:ホワイトレックスシリーズおよび工業用脂肪族系
溶媒であるペガソール、ペガホオワイト、サートレック
スなどがある。
工一般に用いられるものであれば特に限定されることな
く使用することが出来る。具体的には、ダイヤモンド、
アルミナ、シリコーンカーバイド、酸化セリウム、酸化
ケイ素、酸化鉄などが挙げられる。研磨材粒子は、被研
磨物の硬度や複合材料種、研磨除去量および研磨仕上げ
面精度などによって任意に設定することが可能である
が、薄膜磁気ヘッドのラッピング加工の場合、呼称粒度
が0〜1/10μm、0〜1/8μmおよび0〜1/4
μmなど1μm以下、より好ましくは0.5μm以下の
ダイヤモンド微粒子研磨材が一般的に使用されている。
また、研磨材粒子のスラリー組成物中における濃度は
0.01〜1.0重量%程度、好ましくは0.05〜
0.4重量%程度が一般的であり、研磨能率や研磨精度
を考慮し調製させる必要がある。
固/液界面でのぬれ性が良くなければならない。ここで
ぬれ性とは、液体が固体表面から気体を押しのける現象
を言うが、乾燥した粉体の表面には空気が強く吸着して
いるため、これを液体で置換する必要がある。また、ぬ
れ性を良くするには、固/液の化学的親和性を強めれば
よく、親和性は両者の極性や化学構造が近いものほど大
きくなる。研磨材粒子に用いられる粒子表面には、表面
水酸基などの極性官能基が存在するため親水性を示し水
のようなδ値の高い極性溶媒中ではぬれ性が良いため容
易に分散させることが可能である。しかし、本発明で用
いる分散媒は、非極性溶媒であるため、親水性粒子であ
る研磨材を非極性溶媒中に均一に分散させるには、粒子
表面と分散媒との親和性を高めなければならず、疎水化
処理を施す必要がある。
の遊離砥粒研磨スラリー組成物に界面活性剤、高分子系
表面改質剤、カップリング剤などの表面改質剤を添加す
る。界面活性剤を用いる方法は、界面活性剤が分子中に
疎水性の長い炭化水素鎖と末端に強い極性基(=親水
基)を持つ両親媒性物質であることを利用している。親
水性である粒子表面と界面活性剤の極性基との相互作用
により疎水性である炭化水素鎖を外側に向けて吸着する
ため、全体的に見ると粒子の表面性は親水性から疎水性
に変化し、非極性溶媒中で沈降することなく安定に存在
することが可能となる。
の界面活性剤は非極性溶媒に溶解するものでなければな
らず、そのような界面活性剤は、その分子骨格中に二重
結合や三重結合を有するか、又は分岐が存在するものが
一般的である。磁気ヘッドの磁性部に対して腐食などを
引き起こしうるイオン性界面活性剤を用いるより、好ま
しくは非イオン性界面活性剤を用いることが望ましい。
そのような界面活性剤としては、例えばソルビタン脂肪
酸エステル系であるモノオレイン酸ソルビタン、セスキ
オレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、グ
リセリンエステル系としてはペンタオレイン酸デカグリ
セリル、ペンタインステアリン酸デカグリセリル、トリ
オレイン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸ヘキサグ
リセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノイソ
ステアリン酸ジグリセリルなど、ポリオキシエチレンソ
ルビット脂肪酸エステル系であるテトラオレイン酸ポリ
オキシエチレンソルビット、ポリエチレングリコール脂
肪酸エステル系であるモノオレイン酸ポリエチレングリ
コール2EO、6EO、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル系であるPOE(2)オレイルエーテル、POE
(3)2級アルキルエーテルなどがある。
子に飽和吸着を起こす濃度以上であれば良く、使用する
研磨材粒子の表面性および界面活性剤により変化する
が、0.01重量%以上が好ましい。また一般的に50
重量%以下で用いられる。これは、非極性溶媒中では水
系に比べ、一層目での界面活性剤の吸着量は小さいた
め、界面活性剤同士が疎水−疎水相互作用を利用し二層
吸着することは困難となり、水系のように界面活性剤の
添加濃度とともに表面性が変化することがないためであ
る。
が界面に強く吸着し、その他の部分が溶媒中に伸長す
る、ポリ(2−ビニルピリジン)-ポリスチレン(PV
Py-PS)やポリ(2−ビニルピリジン)-ポリイソプ
レン(PVPy-PIS)等のポリマーブラシが挙げら
れる。これらは粒子表面に吸着し厚い吸着層を形成す
る。この厚い吸着層によって、粒子同士の接近を立体障
害的に防止することを利用している。
ルシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、γ-(メタクリロキシプロピル9トリメトキシシ
ラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、N-β-(アミノエチル)γ-アミノプロピル
トリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)γ-アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、N-フェニル−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラ
ン等のシランカップリング剤、イソプロピルトリイソス
テアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベン
ゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオ
クチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプ
ロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テ
トラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネ
ート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブ
チル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、
ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテー
トチタネート(味の素株式会社製プレンアクトKR13
8S)、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オエチ
レンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネ
ート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタ
ネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタ
ネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)
チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネー
ト、イソプロピルトリ(N−アミドエチルアミノエチ
ル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチ
タネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等の
チタネート系カップリング剤、アセトアルコキシアルミ
ニウムジイソプロピレート(味の素株式会社製プレンア
クトAl-M)や、アセトアルコキシジイソプロピレー
ト、イソブチロキシド、2-オクタデシロキシド、2−
エチルヘキシルイソプロポキシド等の有機アルミニウム
系カップリング剤などが挙げられる。本発明に使用され
る高分子系表面改質剤やカップリング剤の濃度は、使用
する研磨材粒子の表面性等により変化するが、0.01
重量%以上が好ましい。また一般的に50重量%以下で
用いられる。これらを用いる方法では、粒子表面にある
表面官能基と表面改質剤を化学反応により結合させ粒子
の表面性を親水性から疎水性へと変化させることを利用
している。疎水化処理は上記の方法に限定されることは
なく、親水性である研磨剤粒子を非極性溶媒中に均一に
分散させる疎水化処理であるならいかなる処理でも用い
てもよい。
造方法は、一般的な遊離砥粒研磨スラリー組成物の製造
方法が適用出来る。即ち、分散媒に界面活性剤を適量溶
解し研磨材粒子を適量混合する。この状態では研磨材粒
子は親水性であるために非極性溶媒中では凝集状態で存
在している。そこで、凝集した研磨材粒子を一次粒子に
解砕するために粒子の分散を実施する。分散工程では一
般的な分散方法および分散装置を用いることが出来る。
具体的には、例えば超音波分散機、各種ビーズミル分散
機、ニーダー、ボールミルなどが適用できる。分散装置
の使用によって、粒子が一次粒子まで解砕され現れた表
面に界面活性剤が吸着しぬれ性を改善することにより凝
集することなく分散安定性が良好なスラリーを調製する
ことが可能となる。
6〜360の軟材料とHv硬度が700〜4000の異
硬度材料が混在する複合材料である。ここに含まれる軟
材料と硬材料はそれぞれ一種類又は複数であってもよ
い。この軟材料は特に金属であり、例えばTi(Hv硬
度:60),Pb(Hv硬度:37),Ag(Hv硬
度:26),W(Hv硬度:360),V(Hv硬度:
55),Nb(Hv硬度:80),Ta(Hv硬度:3
55),Pd(Hv硬度:38),Cr(Hv硬度:1
30),Ru(Hv硬度:350),Cu(Hv硬度:
117),Pt(Hv硬度:39),Mo(Hv硬度:
160),Th(Hv硬度:38),Ni(Hv硬度:
60),センダスト(Fe−Al−Si、Hv硬度:6
00)、パーマロイ(Fe−Ni、Hv硬度:20
0)、アルミニウム(Hv硬度:200)が挙げられ
る。硬材料はセラミックス、ガラス等であり、例えば、
石英ガラス(Hv硬度:620)、アルティック(Al
2O3−TiC、Hv硬度: 2500)、TiC(Hv
硬度:3200),AlN(Hv硬度:1370),Si3N
4(Hv硬度:2160),ZrO2(Hv硬度:700),c
BN(Hv硬度:4000),SiO2(Hv硬度:620),
SiC(Hv硬度:2400),hBN(Hv硬度:470
0),AlTiC(Hv硬度:2500),Al2O3(Hv
硬度:2000),Si3N4(Hv硬度:2160),AlN
(Hv硬度:1370),MgO(Hv硬度:920),B4C
(Hv硬度:3200),TaN(Hv硬度:1080)が挙げ
られる。また特に、被研磨物が薄膜磁気ヘッドの場合に
は、この被研磨物は例えば図1に示すようなアルティッ
ク、センダスト、パーマロイ、アルミナ等の異硬度材料
が混在する構造になる。
法はJIS Z2251に規定されている。具体的には、対面角
が136°のダイヤモンド正四角錐圧子を用い、試験片に
くぼみを付けた時の試験荷重とくぼみの対角線長さから
求めた表面積とから、次式を用いて算出する。
表面積、Dはくぼみの対角線の長さの平均(mm)、θはダ
イヤモンド圧子の対面角を表わす。なお、Hv硬度の試
験機はJIS B7725に、硬度の基準となる基準片は鋼製(J
IS G4401, JIS G4805)、黄銅製(JIS H3100)、銅製(JIS
H3100)とそれぞれ定められている。また、基準片の使
用範囲の表面粗さはJIS B0601(表面粗さ)により0.1sの
鏡面、基準片の表面および裏面の平行度はJIS B0621(形
状および位置の精度の定義および表示)により、50mm当
たり0.02mm以下と定められている。
C)、センダスト 及びパーマロイによって構成される
薄膜型磁気ヘッドを研磨加工する際の選択研磨防止効果
について検討した。研磨実験には、日本エンギス(株)製
自動精密ラッピングマシンHYPREZEJ−3801
N型を用いた。研磨条件はラップ盤に錫/鉛定盤、定盤
回転速度60rpm、スラリー研磨液供給量を30秒間
隔に3秒間噴霧、加工荷重1300g/cm2、加工時
間30分間とした。
ヘッドのアルミナチタンカーバイド/金属膜間に発生す
る段差、つまりポールチップリセッション値(PTR
値)を走査型プローブ顕微鏡(AFM)により求めた。
ここで、薄膜型磁気ヘッドのPTR値は3nm以下で良
好とした。スクラッチの評価はAFMおよび微分干渉光学
顕微鏡を用いた。研磨レートの測定は研磨前と30分間
上述した研磨条件で研磨加工を行った後の被研磨物の重
量変化から測定した。ここで、各実施例ごとに添加剤を
含まない遊離砥粒スラリー組成物による薄膜型磁気ヘッ
ドの研磨量を100とし、それぞれの研磨レートはその
相対値とした。
リーの組成を表1に示す。この組成において表2に示す
脂肪酸エステルを用いた。分散媒として非極性溶媒であ
るアイソパーMを用い、界面活性剤として非イオン性界
面活性剤であるモノオレイン酸ソルビタン(日光ケミカ
ルズ(株)製.商品名:SP−O10 )を用いた。ま
た、比較例として脂肪酸エステルの代わりにオレイン酸
又はステアリン酸を用いた遊離砥粒スラリーと脂肪酸エ
ステル等を全く用いない遊離砥粒スラリーについて同様
の試験を行った。
含む遊離砥粒スラリーを用いて研磨した薄膜型磁気ヘッ
ドのPTR値はいずれも比較例であるオレイン酸又はステ
アリン酸を用いた場合及び無添加の場合よりも低くな
り、硬度の異なる複合材料から構成される薄膜型磁気ヘ
ッドをより均一に研磨できた。一方、脂肪酸を添加した
スラリーでは研磨レートの著しい低下が観察されるが、
脂肪酸エステルを添加した遊離砥粒スラリーでは、無添
加に比較しても研磨レートが向上していることが確認さ
れた。研磨面に関しては脂肪酸エステルを添加した遊離
砥粒スラリーでは、オレイン酸、ステアリン酸及び無添
加よりも同等または良好であった。この研摩面はラウリ
ン酸メチル及びエチル、パルミチン酸メチル及びエチル
並びにオレイン酸メチル及びエチルの場合には更にスク
ラッチや面荒れが少なかった。本実施例の実験結果か
ら、脂肪酸エステルを少なくとも1種類含む遊離砥粒ス
リーを用いると、硬度の異なる複合材料から構成される
薄膜型磁気ヘッドをより均一に研磨できることがわか
る。
に、脂肪酸エステルの添加量を70重量%まで変化させ
た時のPTR値、研磨面および相対研磨速度について評
価した。本実施例においてパルミチン酸メチルを脂肪酸
エステルとして表1の遊離砥粒スラリー組成を用い、研
磨条件及び研磨特性の評価は上記実施例と同様にした。
その結果を表3に示す。
以上で効果が発現し、更に1.0重量%以上、より良く
は1.0〜50重量%の添加量において無添加を用いた
ときよりもPTR値が低くなり、硬度の異なる複合材料
から構成される薄膜型磁気ヘッドをより均一に研磨でき
た。特に1.0〜30重量%の添加量においてスクラッ
チや面荒れが少なかった
ルを少なくとも1種類含む遊離砥粒スラリーを用いて研
磨することにより、硬度の異なる複合材料を材料間の硬
度差によって発生する軟質材料の選択研磨を防止した均
一な研磨加工が可能になった。
斜視図である。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 異硬度材料が混在する複合材料を研磨す
るための遊離砥粒研磨スラリー組成物であって、研磨剤
粒子、分散媒、表面改質剤及び少なくとも1種の脂肪酸
エステルを含む遊離砥粒研磨スラリー組成物。 - 【請求項2】 前記脂肪酸エステルが一般式RCOO
R’(式中、Rの炭素数は12〜22であり、R’はメ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル基である。)で表される請求項1に記載
の遊離砥粒研磨スラリー組成物。
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-
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