JP2002294222A - 遊離砥粒スラリー組成物 - Google Patents

遊離砥粒スラリー組成物

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JP2002294222A
JP2002294222A JP2001095491A JP2001095491A JP2002294222A JP 2002294222 A JP2002294222 A JP 2002294222A JP 2001095491 A JP2001095491 A JP 2001095491A JP 2001095491 A JP2001095491 A JP 2001095491A JP 2002294222 A JP2002294222 A JP 2002294222A
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Kazuya Orii
一也 折井
Isao Saito
軍夫 齋藤
Yasuyuki Suzuki
康之 鈴木
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Tokyo Magnetic Printing Co Ltd
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟質材料部分を有する材料を遊離砥粒スラリ
ー組成物で研磨する際に、軟質材料部分への研磨材粒子
の突き刺さりを生じ、表面性状を低下させた。 【解決手段】 突き刺さり防止剤としてアルコールまた
は一分子内中にアルコール性水酸基を有する化合物を少
なくとも一種類以上、又は脂肪酸または一分子内中にカ
ルボキシル基を有する化合物を少なくとも一種類以上含
有させた遊離砥粒スラリー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全部又は一部に軟
質材料部分を有する単一又は複合材料のラッピングおよ
びポリッシング加工で発生する軟質材料部分への研磨材
粒子の突き刺さりを防止しながら加工する工程で使用す
るのに適した遊離砥粒スラリー組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、光学部品、電子部品や精密機械部
品などに対して、益々高性能化、高機能化が要求されて
きており、使用される材料も金属結晶材料、セラミック
ス、ガラス、プラスチックと非常に多岐にわたってい
る。この様な部品の製造工程の一つとして、少なくとも
一部に軟質材料を含む硬度の異なる複数の材料から構成
される複合材料の研磨が増加してきている。複合材料の
研磨加工の一例として、電子部品に関してはハードディ
スク基板のNi−Pメッキ層のテクスチャリング加工や
LSIの多層配線工程における配線金属と層間絶縁膜と
の均一加工、光学部品ではフェルールと呼ばれるジルコ
ニア系セラミックスとファイバー部のコアと呼ばれる石
英ガラス、グラッドと呼ばれるフッ素系樹脂との複合材
料である光ファイバーコネクタ端面研磨などが挙げられ
る。
【0003】コンピューターの記録媒体であるハードデ
ィスクドライブは年々その記録密度の向上が図られてい
る。高記録密度を達成する手段の一つとして、ハードデ
ィスクと磁気ヘッドの浮上隙間を狭め、ディスクとヘッ
ド間のスペーシングを低減させる、つまりヘッドの低浮
上化が試みられている。ハードディスクドライブに搭載
されている磁気ヘッドは、薄膜型磁気ヘッドが主流であ
り、インダクティブ型、記録再生素子にMR(Magn
et Resistance:磁気抵抗素子)を用いた
MR−インダクティブ複合型、さらにはGMR(Gia
nt MR:巨大磁気抵抗素子)を用いたものなどがあ
る。これら薄膜型磁気ヘッドは、アルチック(Al
−TiC)などの基材と、アルミナ(Al)な
どの保護/絶縁膜なるセラミックスおよびより軟質のパ
ーマロイ(Fe−Ni)、センダスト(Fe−Al−S
i)などの磁性材料である金属膜等による複合材料で構
成されている。
【0004】従来の遊離砥粒スラリーを用いて薄膜型磁
気ヘッドのABS(Air Bearing Surf
ace:ABS(空気浮上面))の研磨加工における最
も重要な問題点の一つとして、被研磨物の選択研磨が挙
げられる。薄膜型磁気ヘッドは、硬質材料であるアルチ
ックおよびアルミナなどのセラミックスと軟質材料であ
るパーマロイおよびセンダストなどの磁性材料である金
属膜等による複合材料で構成されているため、材料間の
硬度の違いにより軟質材料であるパーマロイやセンダス
トなどの金属膜が選択的に加工され、セラミックスから
なるABSより磁極部などの金属膜を後退させることに
なり、記録媒体との磁気間隔を増大させるポールチップ
リセッション(Pole Tip Recessio
n:PTR)が発生し、実質的なヘッドの浮上量を増加
させてしまうと言った問題点があった。また、アルチッ
ク/アルミナ間においても材料間の硬度差により選択研
磨が生じると言った問題点があった。
【0005】そこで、この様な選択研磨を回避するため
に、遊離砥粒スラリーに選択研磨防止剤を入れて高精度
の研磨面を達成することが例えば、特開平11−302
636や特願平10−255022、特開2000−8
7011号、特開2000−351959号、特開20
01−31954号公報によって提案されている。
【0006】しかしながらその一方で、薄膜型磁気ヘッ
ドのABSの研磨加工において、軟質材料であるパーマ
ロイやセンダストなどの金属膜に研磨材粒子が突き刺さ
り、その後も金属膜上に残存してしまうと言った問題が
ある。ハードディスクの記録密度の向上に伴いヘッドの
低浮上化が試みられているため、ハードディスクドライ
ブ使用時に突き刺さった研磨材粒子が脱離してハードデ
ィスク上に落下してしまうことにより浮上不安定やヘッ
ドクラッシュを引き起こしたり、メディア面を損傷して
後発ディフェクトをもたらす可能性があり深刻な問題で
ある。しかしながら、これまでにこの様な、硬度の異な
る複数の異硬度材料から構成される複合材料のラッピン
グおよびポリッシング加工で発生する軟質材料部分への
研磨材粒子の突き刺さりの防止を目的とした遊離砥粒ス
ラリー組成物についてはあまり検討されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、異種硬度材
料で構成される複合材料、特に薄膜型磁気ヘッドの研磨
加工時において、軟質材料部分への研磨材粒子の突き刺
さりを防止しながら加工するのに適した遊離砥粒スラリ
ー組成物であって、高研磨面品位を得ることを目的とし
た遊離砥粒スラリー組成物を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】薄膜型磁気ヘッドの研磨
加工時において、軟質材料である金属膜部分に突き刺さ
る研磨材粒子は、0.05ミクロン以下の微粒子成分で
ある。本発明の異硬度材料の研磨における軟質材料への
研磨材粒子の突き刺さり防止剤として、アルコール性水
酸基あるいはカルボキシル基を有する化合物を使用した
場合、これらの極性効果により遊離砥粒スラリーに使用
される研磨材粒子に含まれる微粒子の分散安定性が抑制
され、定盤や被研磨物の軟質材料部分に突き刺さること
なく排除されるため、軟質材料部分への研磨材粒子の突
き刺さりの防止が可能になる。また、軟質材料部分と硬
質材料部分を有する複合部材に限らず従来突き刺さりを
防止できなかった複数の軟質材料部分を有する複合体で
も、或いは単一の軟質材料体でも本発明は同様な効果を
発揮することは明らかである。
【0009】本発明の遊離砥粒スラリー組成物は、研磨
材粒子、分散媒、分散剤および少なくとも一種のアルコ
ール性水酸基を有する化合物あるいはカルボキシル基を
有する化合物並びに任意に分散剤を含む遊離砥粒スラリ
ー組成物である。より具体的には、前記研磨材粒子の突
き刺さり防止剤としてアルコール性水酸基を有する化合
物が構造式(I)
【化10】 (R1は炭素数4〜18であるアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基)で表される1〜3級ア
ルコールである上記の遊離砥粒スラリー組成物又は、前
記水酸基を有する化合物が構造式(II)
【化11】 (R2は炭素数1〜18であるアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基、nは2から4、mは1
から4)で表されるアルコキシアルコールおよびポリオ
キシアルキレンモノエーテル化合物である上記の遊離砥
粒スラリー組成物、又は、前記水酸基を有する化合物が
構造式(III)
【化12】 (R3は炭素数1〜18であるアルキル基、アルケニル
基、nは2から4、mは1から4)で表されるアルキレ
ングリコールモノエステルおよびポリオキシアルキレン
モノエステル化合物である上記の遊離砥粒スラリー組成
物、又は前記水酸基を有する化合物が構造式(IV)
【化13】 (R4は炭素数8〜18であるアルキル基、アルケニル
基、nは2から4、mは1から4)で表されるグリセリ
ン脂肪酸エステル化合物である上記の遊離砥粒スラリー
組成物、前記水酸基を有する化合物が構造式(V)
【化14】 (R5は炭素数8〜18であるアルキル基、アルケニル
基、nは2から4、mは1から4)で表されるポリオキ
シアルキレングリセリン脂肪酸エステル化合物である上
記のの遊離砥粒スラリー組成物、又は前記水酸基を有す
る化合物が構造式(VI)
【化15】 (R6は水素または炭素数8〜18であるアシル基、n
は0から8)で表されるポリグリセリン脂肪酸エステル
化合物である上記の遊離砥粒スラリー組成物、又は前記
水酸基を有する化合物が構造式(VII)
【化16】 (R7、R8、R9、R10はアルキル基、アルキルアリー
ル基、n=2〜4、m=0〜6)で表されるアセチレン
グリコール化合物である上記の遊離砥粒スラリー組成
物、又は前記カルボキシル基を有する化合物が構造式
(VIII)
【化17】 (R11は炭素数6〜18であるアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基)で表される脂肪酸であ
る上記の遊離砥粒スラリー組成物、又は、前記カルボキ
シル基を有する化合物が構造式(IX)
【化18】 (R12は炭素数1〜18であるアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基、nは2から4、mは1
から7)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキル
エーテルカルボン酸化合物である上記の遊離砥粒スラリ
ー組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】上記のように、本発明になる遊離
砥粒スラリー組成物は、研磨材粒子の突き刺さり防止剤
としてのアルコール性水酸基を有する化合物あるいはカ
ルボキシル基を有する化合物、分散媒及び研磨材粒子並
びに任意に界面活性剤等の分散剤によって構成される。
【0011】本発明に使用するアルコール性水酸基を有
する化合物には、アルコール、アルコキシアルコール、
ポリオキシアルキレンモノエーテル化合物、アルキレン
グリコールモノエステル、ポリオキシアルキレンモノエ
ステル化合物、グリセリン脂肪酸エステル化合物、ポリ
オキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル化合物およ
びアセチレングリコール化合物などがある。
【0012】本発明に用いられるアルコール性水酸基を
有する化合物は、アルコールとしては、式
【化19】 (R1は炭素数4〜18であるアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基)で表される1〜3級ア
ルコールであり、その具体例としては1−ブタノール、
イソブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノー
ル、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタ
ノール、tert−アミルアルコール、1−ヘキサノー
ル、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−ヘプタ
ノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、4−ヘ
プタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3
−オクタノール、4−オクタノール、2−エチル−1−
ヘキサノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n
−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、n−オク
タデカノールなどが挙げられるが、1−デカノール、1
−ドデカノール及び1−テトラデカノールが好ましい。
【0013】本発明に用いられるアルコキシアルコール
およびポリオキシアルキレンモノエーテル化合物として
は、式
【化20】 (R2は炭素数1〜18であるアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基、nは2から4、mは1
から4)で表される多価アルコールのモノエーテル化合
物である。その具体例としては2−エトキシエタノー
ル、2−n−プロポキシエタノール、2−イソプロポキ
シエタノール、2−ブトキシエタノール、2−イソブト
キシエタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、
2−(ドデシルオキシ)エタノール、2−フェノキシエ
タノール、2−〔2−(ドデシルオキシ)エトキシ〕エ
タノール、2−〔2−(テトラデシルオキシ)エトキ
シ〕エタノール、ポリエチレングリコール(2)モノオ
レイルエーテル(POE(2)モノオレイルエーテ
ル)、ポリオキシエチレン(2)モノオクチルフェニル
エーテル(POE(2)モノオクチルフェニルエーテ
ル)、ポリオキシエチレン(2)モノノニルフェニルエ
ーテル(POE(2)モノノニルフェニルエーテル)な
どが挙げられるが、特にポリオキシエチレン(2)モノ
ノニルフェニルエーテルが好ましい。
【0014】本発明に用いられるアルキレングリコール
モノエステルおよびポリオキシアルキレンモノエステル
化合物としては、式
【化21】 (R3は炭素数1〜18であるアルキル基、アルケニル
基、nは2から4、mは1から4)で表されるアルキレ
ングリコールモノエステルおよびポリオキシアルキレン
モノエステル化合物である。その具体例としてはモノラ
ウリン酸ポリエチレングリコール2EO、モノステアリ
ン酸ポリエチレングリコール2EO、モノオレイン酸ポ
リエチレングリコール2EOなどが挙げられる。
【0015】本発明に用いられるグリセリン脂肪酸エス
テル化合物としては、式
【化22】 (R4は炭素数8〜18であるアルキル基、アルケニル
基、nは2から4、mは1から4)で表されるグリセリ
ン脂肪酸エステル化合物である。その具体例としてはモ
ノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリ
ル、モノオレイン酸グリセリル、モノイソステアリン酸
グリセリルなどが挙げられる。
【0016】本発明に用いられるポリオキシアルキレン
グリセリン脂肪酸エステル化合物としては、式
【化23】 (R5は炭素数8〜18であるアルキル基、アルケニル
基、nは2から4、mは1から4)で表されるポリオキ
シアルキレングリセリン脂肪酸エステル化合物である。
その具体例としてはモノステアリン酸POE(5)グリ
セリル、モノオレイン酸POE(5)グリセリルなどが
挙げられるが、モノオレイン酸POE(5)グリセリル
が好ましい。
【0017】本発明に用いられるポリグリセリン脂肪酸
エステル化合物としては、式
【化24】 (R6は水素または炭素数8〜18であるアシル基、n
は0から8)で表されるポリグリセリン脂肪酸エステル
化合物である。その具体例としてはモノステアリン酸ジ
グリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノイソス
テアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグリ
セリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、トリステア
リン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸テトラグ
リセリル、ペンタオレイン酸テトラグリセリル、ペンタ
ステアリン酸ヘキサグリセリル、ペンタオレイン酸ヘキ
サグリセリル、トリステアリン酸デカグリセリル、トリ
オレイン酸デカグリセリル、ペンタステアリン酸デカグ
リセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリル、ペンタイ
ソステアリン酸デカグリセリル、ヘプタステアリン酸デ
カグリセリル、ヘプタオレイン酸デカグリセリル、ヘプ
タイソステアリン酸デカグリセリル、デカステアリン酸
デカグリセリル、デカオレイン酸デカグリセリル、デカ
イソステアリン酸デカグリセリルなどが挙げられるが、
トリオレイン酸デカグリセリル及びペンタオレイン酸デ
カグリセリルが好ましい。
【0018】本発明に用いられるアセチレングリコール
化合物としては、式
【化25】 (R7、R8、R9、R10はアルキル基、アルキルアリー
ル基、n=2〜4、m=0〜6)で表されるアセチレン
グリコール化合物である。その具体例としては、2,
4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオ
ール−ビスポリオキシエチレンエーテル、2,2,3,
6,7,7−ヘキサメチル−4−オクチン−3,7−ジ
オール−7−ジオール−ビスポリオキシエチレンエーテ
ル、6,9−ジメチル−7−テトラデシン−6,9−ジ
オール−ビスポリオキシエチレンエーテル、7,10−
ジメチル−8−ヘキサデシン−7,10−ジオール−ビ
スポリオキシエチレンエーテル、8,11−ジメチル−
9−オクタデシン−8,11−ジオール−ビスポリオキ
シエチレンエーテルなどが挙げられる。
【0019】本発明に使用するカルボキシル基を有する
化合物には、脂肪酸、ポリオキシアルキレンモノアルキ
ルエーテルカルボン酸化合物などがある。本発明に用い
られるカルボキシル基を有する化合物は、脂肪酸として
は、式
【化26】 (R11は炭素数6〜18であるアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基)で表される脂肪酸であ
る。その具体例としては、ヘキサン酸、オクタン酸、デ
カン酸、ラウリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、
リノール酸などが挙げられる。
【0020】本発明に用いられるカルボキシル基を有す
る化合物は、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテ
ルカルボン酸化合物としては、式
【化27】 (R12は炭素数1〜18であるアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基、nは2から4、mは1
から7)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキル
エーテルカルボン酸化合物である。その具体例として
は、POE(3)トリデシルエーテル酢酸、POE
(7)トリデシルエーテル酢酸などが挙げられる。
【0021】これらのアルコール性水酸基あるいはカル
ボキシル基を有する化合物を単独若しくは二種類以上任
意の割合で添加した遊離砥粒スラリー組成物は、異硬度
材料の研磨加工によって発生する軟質材料への研磨材粒
子の突き刺さりを防止することが可能である。本発明に
用いるこれらの研磨材粒子突き刺さり防止剤は、沸点が
80℃以上、好ましくは沸点が100℃以上である。こ
れは、蒸発速度の速い研磨材粒子突き刺さり防止剤は研
磨作業中に蒸発してしまい、安定な研磨加工を困難にす
るからである。
【0022】また、本発明に用いるこれらの研磨材粒子
突き刺さり防止剤の添加濃度は、遊離砥粒スラリー組成
物に対して0.5wt%以上、好ましくは1.0wt%
以上、更に好ましくは1.0〜50wt%である。
【0023】本発明に用いる分散媒は、薄膜型磁気ヘッ
ドの構成材料であるパーマロイおよびセンダストなどの
金属膜が一般的に水に対して弱く腐食や錆を発生するの
で分散媒として非水系溶媒を用いることが望ましく、更
に極性の低い非極性溶媒を用いることが望ましい。ここ
で、分散媒の極性とは普通に使用される意味で溶媒分子
内の原子とその結合の種類、原子団および原子配列とそ
の位置などによって分子内に生じる双極子に基づく性質
である。この極性の大きさは相互作用する分子の極性に
よって相対的に決まるものである。溶媒の極性は、定性
的にHildebrandの溶解性パラメーター(sp値)δ値で
表される。このδ値が大きい程極性が大きく、小さいも
の程極性は小さい。このδ値は、更に分散、極性による
配向および水素結合などの分子間相互作用によっていく
つか分けられるが、これらの値は、その溶媒がどのよう
な化合物をよく溶かすかという、化合物に対する溶解の
選択性を決定するものである。本発明の遊離砥粒スラリ
ー研磨液の分散媒に適した有機溶媒は、このδ値が低い
ものが望ましい。これは、極性成分が増加することによ
り分散媒の臭気が問題になったり、分散媒自体が人体や
被研磨物に対して悪影響を与えるからである。
【0024】更に本発明では、研磨加工中の研磨スラリ
ーの蒸発を無くし、安定な研磨加工を行うために分散媒
の蒸発速度が遅い溶媒が適している。これは、蒸発速度
の速い分散媒は研磨作業中に分散媒が蒸発してしまい、
安定な研磨加工が困難になるからである。これらのこと
から、本発明に用いる分散媒は、沸点が100℃以上、
より好ましくは120℃以上であり、溶解性パラメータ
ーsp値が10.0以下、好ましくは8.0以下、相対
速度が5.0以下、より好ましくは2.0以下のものが
適している。これらの分散媒としては例えば、エクソン
化学(株)製無臭イソパラフィン系溶媒:アイソパーシ
リーズや低臭ナフテン系溶媒:EXXSOLシリーズ、
モービル化学製n−パラフィン系溶媒:ホワイトレック
スシリーズおよび工業用脂肪族系溶媒であるペガソー
ル、ペガホワイト、サートレックスなどがある。
【0025】分散剤について説明する。粉体の状態から
安定な分散系を作るには、固/液界面でのぬれ性が良く
なければならない。ここでぬれ性とは、液体が固体表面
から気体を押しのける現象を言うが、乾燥した粉体の表
面には空気が強く吸着しているため、これを液体で置換
する必要がある。また、ぬれ性を良くするには、固/液
の化学的親和性を強めればよく、親和性は両者の極性や
化学構造が近いものほど大きくなる。一般的な研磨材粒
子は、その表面に水酸基などの極性官能基が存在するた
め親水性を示し、水のようなδ値の高い極性溶媒中では
ぬれ性が良いため容易に分散させることが可能である。
しかし、本発明で用いる分散媒は非極性溶媒であるた
め、親水性粒子である研磨材を非極性溶媒中に均一に分
散させるには、粒子表面と分散媒との親和性を高めなけ
ればならず、粒子表面の疎水化処理を施す必要がある。
疎水化処理の方法には、界面活性剤などの分散剤を添加
する方法がある。
【0026】分散剤として界面活性剤を用いる方法は、
界面活性剤が分子中に疎水性の長い炭化水素鎖と末端に
強い極性基(=親水基)を持つ両親媒性物質であること
を利用している。具体的には、親水性である粒子表面と
界面活性剤の極性基との相互作用により疎水性である炭
化水素鎖を外側に向けて吸着するため、全体的に見ると
粒子の表面性は親水性から疎水性に変化し、非極性溶媒
中で沈降することなく安定に存在することが可能とな
る。
【0027】本発明に用いられる分散剤としての界面活
性剤は非極性溶媒に溶解するものでなければならず、そ
のような界面活性剤は、その分子骨格中に二重結合や三
重結合を有するか、又は分岐が存在するものが一般的で
ある。この様な界面活性剤としては、例えばソルビタン
脂肪酸エステル系であるモノオレイン酸ソルビタン、セ
スキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタ
ン、グリセリンエステル系としてはペンタオレイン酸デ
カグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリ
ル、トリオレイン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸
ヘキサグリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、
モノイソステアリン酸ジグリセリルなど、ポリオキシエ
チレンソルビット脂肪酸エステル系であるテトラオレイ
ン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリエチレングリ
コール脂肪酸エステル系であるモノオレイン酸ポリエチ
レングリコール2EO、6EO、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル系であるPOE(2)オレイルエーテ
ル、POE(3)2級アルキルエーテルなどがある。本
発明に使用される界面活性剤濃度は、粒子に飽和吸着を
起こす濃度以上であればよく、使用する研磨材粒子の表
面性および界面活性剤種により変化する。これは、非極
性溶媒中では水系に比べ、一層目での界面活性剤の吸着
量は小さいため、界面活性剤同士が疎水−疎水相互作用
を利用し二層吸着することは困難となり、水系のように
界面活性剤の添加濃度と伴に表面性が変化することがな
いためである。
【0028】以上、分散剤として界面活性剤を用いた方
法について述べたが、界面活性剤の代わりに又は共に高
分子化合物を添加したりシランカップリング剤に代表さ
れる表面改質剤を使用してもよい。高分子化合物は粒子
表面に吸着し、厚い吸着層を形成する。この厚い吸着層
によって、粒子同士の接近を立体障害的に防止すること
を利用している。また表面改質剤を用いる方法では、粒
子表面にある表面官能基と表面改質剤を化学反応により
結合させ、粒子の表面性を親水性から疎水性へと変化さ
せることを利用している。上記の方法に限定されず、疎
水化処理を行うことにより親水性である研磨材粒子を非
極性溶媒中に均一に分散させることが可能となる。
【0029】遊離砥粒スラリー組成物中の界面活性剤の
含有量は0.01重量%以上、好ましくは0.05〜
5.0重量%である。研磨材粒子は、研磨加工一般に用
いられるものであれば、特に制限されることなく使用す
ることが出来る。具体的には、ダイヤモンド、アルミ
ナ、シリコンカーバイド、酸化セリウム、酸化ジルコニ
ウム、酸化ケイ素、酸化鉄などが挙げられる。薄膜型磁
気ヘッドの加工には一般的に、基材がアルチックと硬質
であるためにダイヤモンド研磨材粒子が用いられ、一般
的粒子径は概ね1.0ミクロン以下、更に好ましくは
0.5ミクロン以下のダイヤモンド研磨材粒子が用いら
れる。また、ダイヤモンドの結晶構造は、その製法によ
り多結晶と単結晶が存在するが研磨の目的に合わせどち
らを用いてもよい。遊離砥粒スラリーに添加されるダイ
ヤモンド粒子の濃度は一般的には0.05〜1.0重量
%程度であり、これも研磨効率や研磨面品質によって調
整される。
【0030】本発明の遊離砥粒スラリー組成物の製造方
法は、一般的な遊離砥粒スラリーの製造方法が適用出来
る。即ち、界面活性剤等を適量溶解してもよい分散媒に
研磨材粒子を適量混合する。この状態において研磨材粒
子表面は親水性であるために非極性溶媒中では凝集状態
で存在している。そこで、凝集した研磨材粒子を一次粒
子にするために分散を実施する。分散工程では一般的な
分散方法および分散装置を用いることが出来る。具体的
には、例えば超音波分散機、各種ビーズミル分散機、ニ
ーダー、ボールミルなどが適用出来る。分散装置の使用
によって粒子が一次粒子まで分散され、現れた表面に界
面活性剤が吸着し、ぬれ性を改善することにより凝集す
ることなく分散安定性が良好なスラリーを調製すること
が可能となる。
【0031】本発明の遊離砥粒スラリー組成物を用いて
研磨加工される事例としては、光ファイバーコネクタ、
半導体素子、VTRヘッド、フロッピー(登録商標)ヘ
ッドなどのような軟質材料よりなる単一材料、2以上の
軟質材料部分を有する複合材料、軟質材料部分を含む硬
度及び/又は表面性質の異なる異種複合材料について何
でも適用出来るが、一例として次に薄膜型磁気ヘッド加
工への応用例について述べる。
【0032】浮上型磁気へッドは一般的に以下のような
工程で製造されている: 1.バーの切り出し このバーは図1(a)に示すように多数の磁気変換素子
16がマトリックス状に形成されたウエハ1を切断した
ものであり(図1(b))、複数のスライダーが列状に
配列されている。 2.バーを加工治具に接着 図2のようにバー12を加工治具13に接着固定する。 3.バーのラッピング処理 図3に示したように錫等を主材料とした研磨定盤14の
上に被研磨物(バー12)を保持して定盤14を回転さ
せ、所定の加工圧Pを加えながら、供給ノズル15から
遊離砥粒スラリー等を供給しながらスライダーの空気浮
揚面(ABS)の研磨を行う。 4.加工治具からバーを剥離 加工治具13からバー12を剥離する。 5.レールエッチング工程 レールエッチング処理にかける。 6.バーをスライダーに切断分離 バー12を個々のスライダーに切断分離する。
【0033】この工程の中で、本発明は3.バーのラッ
ピング処理における研磨に関する。スライダーのABS
の一般的な研磨加工は、遊離砥粒スラリーを用いて、ス
ロートハイトおよびMRハイトを管理しながら行われて
いる。ここで言うスロートハイト(Throat Height:T
H)とは、薄膜型磁気ヘッドの記録書き込み特性を決定
する因子の一つであり、このスロートハイトは、図4の
THで表す様に、ABSから薄膜コイルを電気的に分離
する絶縁層の端部までの磁極部分の距離のことである。
また、薄膜型磁気ヘッドの内、磁気抵抗再生素子を備え
たものをMR−インダクティブ複合ヘッドと言い、この
MR−インダクティブ複合ヘッドにおいて記録再生特性
を決定する一つの因子として、磁気抵抗再生素子の高さ
があり、これをMRハイト(MR−Height:MR−h)
と呼んでいる。このMRハイトは、図−4のMR−hで
示す様に端面がABSに露出する磁気抵抗再生素子のA
BSから測った距離のことである。
【0034】
【実施例】実施例中の表2および3に示される研磨材粒
子の突き刺さり量の相対値は、研磨材粒子の突き刺さり
防止剤を含まない遊離砥粒スラリー組成物による薄膜型
磁気ヘッドへの研磨材粒子の突き刺さり量を100と
し、それぞれの突き刺さり量はその相対値とした。ま
た、研磨レートの相対値についても研磨材粒子の突き刺
さり防止剤を含まない遊離砥粒スラリー組成物による薄
膜型磁気ヘッドの研磨材量を100とし、それぞれの研
磨量はその相対値とした。
【0035】実施例1 突き刺さり防止剤を含有する遊離砥粒スラリーの研磨特
本実施例では、アルチック(2500)、センダスト(5
00)およびパーマロイ(200)によって構成される薄
膜型磁気ヘッドを研磨加工する際の選択研磨防止効果に
ついて検討した(括弧内の数値はビッカース硬度を示
す)。また、突き刺さり防止剤としてアルコール性水酸
基を有する化合物およびカルボキシル基を有する化合物
を含有しない遊離砥粒スラリー、オレイン酸メチルを添
加した遊離砥粒スラリーの研磨特性を比較例とした。本
実施例および比較例に用いた遊離砥粒スラリーの組成
は、ダイヤモンド粒子、分散媒、界面活性剤、突き刺さ
り防止剤である。分散媒として非極性溶媒であるアイソ
パーMを用い、界面活性剤として非イオン性界面活性剤
であるモノオレイン酸ソルビタン(花王(株)製、商品
名:SP−O10)を用いた。表1に本実施例および比
較例に用いたスラリー研磨液の組成を示す。
【0036】
【表1】
【0037】研磨実験には、日本エンギス(株)製自動精
密ラッピングマシンHYPREZEJ−3801N型を
用いた。研磨条件はラップ盤に錫/鉛定盤、定盤回転速
度60rpm、スラリー研磨液供給量を30秒間隔に3
秒間噴霧、加工荷重1300g/cm、加工時間30
分間とした。金属膜部分への研磨材粒子の突き刺さり量
の評価は、研磨加工後の薄膜磁気型ヘッドを走査型電子
顕微鏡((株)日立製作所製、S−4500)により加速
電圧4kv、倍率20000倍で測定した写真において
金属膜部分に見られる黒点を数えた。研磨レートの測定
は研磨前と30分間上述した研磨条件で研磨加工を行っ
た後の被研磨物の重量変化から測定した。研磨特性の評
価は研磨加工後の薄膜磁気型ヘッドのアルチック/金属
膜間に発生する段差、つまりポールチップリセッション
値(PTR値)を走査型プローブ顕微鏡(AFM)によ
り求めた。スクラッチおよび面荒れの評価はAFMおよ
び微分干渉光学顕微鏡を用いた。
【0038】本実施例の実験結果から、アルコール性水
酸基を有する化合物およびカルボキシル基を有する化合
物を含む遊離砥粒スラリーを用いて研磨した薄膜型磁気
ヘッドの軟質材料である金属膜部分への研磨材粒子の突
き刺さり量はいずれも比較例であるオレイン酸メチルお
よび無添加を用いたときよりも低くなり、硬度の異なる
複合材料から構成される薄膜型磁気ヘッドをより高研磨
面品位な研磨加工が可能となった。
【0039】
【表2】
【0040】実施例2 アルコール性水酸基を有する化合物添加量効果 本実施例では、アルチック(2500)、センダスト(5
00)およびパーマロイ(200)によって構成される薄
膜型磁気ヘッドを研磨加工する際のアルコール性水酸基
を有する化合物の添加量とその効果について検討した
(括弧内の数値はビッカース硬度を示す)。アルコール
性水酸基を有する化合物の添加量を0〜50wt%まで
変化したときの研磨材粒子の金属膜への突き刺さり量お
よびPTR値、研磨面および相対研磨速度について評価
した。本実施例の研磨実験および研磨特性の評価は本実
施例1と同じである。本実施例に用いたアルコール性水
酸基を有する化合物は1−ドデカノールである。本実施
例の実験結果から、0.5wt%以上で研磨材粒子の金
属膜への突き刺さり量が小さくなり、複合材料である薄
膜型磁気ヘッドの研磨加工における研磨材粒子の金属膜
への突き刺さりを防止する効果が発現し、更に1.0w
t%以上、より好ましくは1.0〜30.0wt%の範
囲において特に良好であった。1.0〜30.0wt%
以外の範囲においても無添加の比較例と比べて良好であ
った。本実施例および比較例の結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】これらの実施例の結果から、アルコール性
水酸基およびカルボキシル基を有する化合物を含む遊離
砥粒スラリーを用いて研磨することにより、硬度の異な
る複合材料の研磨加工において発生する軟質材料への研
磨材粒子の突き刺さりを防止した高研磨面品位な研磨加
工が可能になった。
【0043】実施例3 アルコール性水酸基を有する化合物を添加したスラリー
中の微粒子含有率 本実施例では、研磨材粒子突き刺さり
防止剤としてのアルコール性水酸基を有する化合物とし
て1−ドデカノールを添加したスラリー中の微細研磨材
粒子の含有率について評価した。含有率の評価は粒度分
布測定機(コールター製、LS230)を用いた。ま
た、突き刺さり防止剤としてアルコール性水酸基を有す
る化合物を含有しない遊離砥粒スラリー、オレイン酸メ
チルを添加した遊離砥粒スラリーの含有率を比較例とし
た。
【0044】本実施例および比較例に用いた遊離砥粒ス
ラリーの組成は、本実施例1の表1と同様である。本実
施例の結果から、研磨材粒子突き刺さり防止剤として1
−ドデカノールを添加した遊離砥粒スラリーでは突き刺
さりを引き起こす0.05μm以下の微粒子の含有率は
無添加及びオレイン酸メチルを添加した遊離砥粒スラリ
ーと比較して低かった。本実施例および比較例の結果を
図5に示す。
【0045】以上、本発明を薄膜型磁気ヘッドの研磨に
適用した事例で説明したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、他の軟質材料部分を有する単一又は複合
材料の研磨においても、要はアルコール性水酸基および
カルボキシル基を有する化合物の研磨材粒子への作用に
よって、軟質材料への研磨材粒子の突き刺さりを生じる
ことなく高研磨面品位を必要とする場合に適用出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は切り出し前のウエハを示し、(b)は
ウエハより切り出した薄膜型磁気ヘッドの構造を示す。
【図2】切り出したバーの加工用具への取付を示す斜視
図である。
【図3】遊離砥粒スラリーを用いるラッピング加工工程
と、その後の本発明の研磨ラッピングオイルを使用する
仕上げ研磨工程に使用する装置の概略図である。
【図4】薄膜型磁気ヘッドの断面構造を示す。
【図5】研磨材粒子突き刺さり防止剤を添加した遊離砥
粒スラリーで突き刺さりを引き起こす0.05μm以下
の微粒子の含有率を、無添加及びオレイン酸メチルを添
加した遊離砥粒スラリーと比較して表したグラフであ
る。
【符号の説明】
1 アルチック基体 2 アルミナ絶縁膜 3 下部シールド膜(センダスト、パーマロイ等) 4 アルミナ膜 5 MR素子 7 上部シールド膜(パーマロイ等) 8 アルミナ膜 9 書き込み磁極(パーマロイ等) 10 アルミナ保護膜 11 コイル導体 12 薄膜型磁気ヘッド(バー) 13 加工治具 14 研磨定盤 15 供給ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 康之 東京都台東区台東一丁目5番1号東京磁気 印刷株式会社内 Fターム(参考) 3C058 AA07 CA01 CB01 CB06 DA02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全面または一部に軟質材料部分を有する
    単一又は複合材料を研磨加工するための遊離砥粒スラリ
    ー組成物であって、該軟質材料部分への研磨材粒子の突
    き刺さり防止剤を少なくとも一種類以上含有することを
    特徴とする遊離砥粒スラリー組成物。
  2. 【請求項2】 前記突き刺さり防止剤としてアルコール
    または一分子内中にアルコール性水酸基を有する化合物
    を少なくとも一種類以上含有することを特徴とする請求
    項1に記載の遊離砥粒スラリー組成物。
  3. 【請求項3】 前記突き刺さり防止剤として脂肪酸また
    は一分子内中にカルボキシル基を有する化合物を少なく
    とも一種類以上含有することを特徴とする請求項1に記
    載の遊離砥粒スラリー組成物。
  4. 【請求項4】 前記軟質材料部分への研磨材粒子の突き
    刺さり防止剤としてアルコール性水酸基を有する化合物
    が構造式(I) 【化1】 (R1は炭素数4〜18であるアルキル基、アルケニル
    基、アルキニル基、アリール基)で表される1〜3級ア
    ルコールである請求項2に記載の遊離砥粒スラリー組成
    物。
  5. 【請求項5】 前記軟質材料部分への研磨材粒子の突き
    刺さり防止剤としてのアルコール性水酸基を有する化合
    物が構造式(II) 【化2】 (R2は炭素数1〜18であるアルキル基、アルケニル
    基、アルキニル基、アリール基、nは2から4、mは1
    から4)で表されるアルコキシアルコールおよびポリオ
    キシアルキレンモノエーテル化合物である請求項2に記
    載の遊離砥粒スラリー組成物。
  6. 【請求項6】 前記軟質材料部分への研磨材粒子の突き
    刺さり防止剤としてのアルコール性水酸基を有する化合
    物が構造式(III) 【化3】 (R3は炭素数1〜18であるアルキル基、アルケニル
    基、nは2から4、mは1から4)で表されるアルキレ
    ングリコールモノエステルおよびポリオキシアルキレン
    モノエステル化合物である請求項2に記載の遊離砥粒ス
    ラリー組成物。
  7. 【請求項7】 前記軟質材料部分への研磨材粒子の突き
    刺さり防止剤としてのアルコール性水酸基を有する化合
    物が構造式(IV) 【化4】 (R4は炭素数8〜18であるアルキル基、アルケニル
    基、nは2から4、mは1から4)で表されるグリセリ
    ン脂肪酸エステル化合物である請求項2に記載の遊離砥
    粒スラリー組成物。
  8. 【請求項8】 前記軟質材料部分への研磨材粒子の突き
    刺さり防止剤としてのアルコール性水酸基を有する化合
    物が構造式(V) 【化5】 (R5は炭素数8〜18であるアルキル基、アルケニル
    基、nは2から4、mは1から4)で表されるポリオキ
    シアルキレングリセリン脂肪酸エステル化合物である請
    求項2に記載の遊離砥粒スラリー組成物。
  9. 【請求項9】 前記軟質材料部分への研磨材粒子の突き
    刺さり防止剤としてのアルコール性水酸基を有する化合
    物が構造式(VI) 【化6】 (R6は水素または炭素数8〜18であるアシル基、n
    は0から8)で表されるポリグリセリン脂肪酸エステル
    化合物である請求項2に記載の遊離砥粒スラリー組成
    物。
  10. 【請求項10】 前記軟質材料部分への研磨材粒子の突
    き刺さり防止剤としてのアルコール性水酸基を有する化
    合物が構造式(VII) 【化7】 (R7、R8、R9、R10はアルキル基、アルキルアリー
    ル基、n=2〜4、m=0〜6)で表されるアセチレン
    グリコール化合物である請求項2に記載の遊離砥粒スラ
    リー組成物。
  11. 【請求項11】 前記軟質材料部分への研磨材粒子の突
    き刺さり防止剤としてのカルボキシル基を有する化合物
    が構造式(VIII) 【化8】 (R11は炭素数6〜18であるアルキル基、アルケニル
    基、アルキニル基、アリール基)で表される脂肪酸であ
    る請求項3に記載の遊離砥粒スラリー組成物。
  12. 【請求項12】 前記軟質材料部分への研磨材粒子の突
    き刺さり防止剤としてのカルボキシル基を有する化合物
    が構造式(IX) 【化9】 (R12は炭素数1〜18であるアルキル基、アルケニル
    基、アルキニル基、アリール基、nは2から4、mは1
    から7)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキル
    エーテルカルボン酸化合物である請求項3に記載の遊離
    砥粒スラリー組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004015021A1 (ja) * 2002-08-09 2004-02-19 Hitachi Chemical Co., Ltd. Cmp研磨剤および基板の研磨方法
JP2009155469A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Kao Corp 研磨液組成物
JP2016190960A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 株式会社トッパンTdkレーベル 遊離砥粒研磨スラリー及びその製造方法

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