JP5116305B2 - 研磨組成物および基板の研磨方法 - Google Patents

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Description

本発明は、青色発光ダイオードや青紫色半導体レーザに用いられる窒化ガリウム系化合物半導体基板の研磨に主として供される研磨組成物およびこの研磨組成物を用いた基板の研磨方法に関する。
従来から、大口径の窒化ガリウム基板(ウェハ)を精密仕上げするまでの研磨方法には、プロセスガスとして塩素ガスを流しつつ、高周波電源を用いてRIEエッチング処理を施す方法が知られている(特許文献1参照)。この方法の場合、エッチング処理などを行うための設備が必要で大掛かりなものとなり、コスト高を招来するなどの問題を有する。
この従来方法に対して、本発明者は、大口径の窒化ガリウム基板を精密仕上げする湿式研磨方法を提案した(特願2003−100373)。この提案した発明は、金属定盤剥き出しの研磨からパッドを張った定盤で研磨し、仕上げ研磨に従来のような塩素ガスによるエッチングを使わずに、複合砥粒で研磨するという画期的な発明であり、比較的大きなスクラッチ、および潜傷を取り去ることができた。しかしながら、極微小な欠陥、すなわち、窒化ガリウム単結晶基板の結晶欠陥部位に残る窪み(ピット)までなくすことは容易ではなく、仕上げ研磨後であっても、結晶欠陥部位に微小なピットが残り気味となっていた。
本発明者は、表面ダメージ層を発生させず、しかもピットが残らない研磨方法について鋭意検討を重ねた。
特開2001−322899号公報
前記出願において提案した研磨組成物を用いてpH6.0以上の中性からアルカリ領域のpH領域で研磨すると、潜傷、スクラッチなどの傷の発生を抑制した状態で研磨できるけれども、窒化ガリウム基板結晶欠陥集合部位に対応して発生する微小窪み(ピット)を所望以下に抑制することができなかった。
すなわち、窒化ガリウム基板において結晶欠陥集合部位は脆い組織となっており、研磨の際にアルカリアタックを受けることで健全な部位よりも優先的に削られる結果、いつまでもピットとして残るものである。そのような結晶欠陥集合部位に対するアルカリアタックを防ぎ、且つ研磨速度を抑制することで健全な部位と欠陥部位のポリッシング速度を同じにすることができれば、微小窪みというポリッシング欠陥の無い有効面積をさらに増大させることができ、製品の大幅なコストダウンを図ることが期待できる。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであって、窒化ガリウム系化合物半導体基板のように結晶欠陥集中部位を有する基板のポリッシング作業を簡易に行うことができるとともに、その結晶欠陥集中部位の影響を抑制した良好な研磨を行うことができる研磨組成物やこの研磨組成物を用いた基板の研磨方法の提供を解決課題としている。
以下の説明では、便宜上、請求項1ないし14のいずれかに係る発明を第1の発明と称し、請求項15ないし20のいずれかに係る発明を第2の発明と称する。
本発明の第1の発明に係る研磨組成物は、窒化ガリウム系化合物半導体基板の研磨に用いる研磨組成物であって、軟質砥粒と硬質砥粒とが分散媒としての水に分散されているとともに、pH値が1.5以上5.0以下の範囲に調整されており、前記軟質砥粒の平均粒子径が前記硬質砥粒の1/20以上2/3以下の範囲にあることを特徴とする。
ここで、軟質砥粒は、ビッカース硬さ試験によるその硬度が400〜1000kg/mm2の砥粒であり、硬質砥粒は、ビッカース硬さ試験によるその硬度が1300〜6000kg/mm2の砥粒である。
本発明の第1の発明に係る研磨組成物によれば、軟質砥粒が硬質砥粒を取り囲むことにより、硬質砥粒が凝集することが抑制されるので、凝集した硬質砥粒によるスクラッチの発生などの不具合を抑制できる。また、pH値が1.5以上5.0以下の範囲に調整されているため、被研磨物における結晶欠陥集中部位に対するアルカリアタックが回避され、被研磨物の正常部分と結晶欠陥集中部位とが同じ研磨速度で研磨できるものとなり、その結果、結晶欠陥集中部位が優先的に研磨されることがないようにできる。したがって、その結晶欠陥集中部位が優先的に研磨されることによって生じる微小窪み(ピット)の発生が解消できる。なお、本発明の第1の発明に係る研磨組成物のpH値としては、pH2.0以上pH3.0以下の範囲がより一層好ましい。
また、本発明の第1の発明に係る研磨組成物は、殺菌剤および研磨抑制剤が含まれているのが好ましい。この場合、殺菌剤が含まれていることによって、研磨組成物中で細菌が繁殖しないようにできるため、細菌繁殖で研磨組成物の流動性が損なわれるなどの不具合を回避できるとともに、研磨抑制剤が含まれていることにより、研磨レートを適正な状態に調整できる。
また、本発明の第1の発明に係る研磨組成物は、前記硬質砥粒は、平均粒子径が50nm以上1000nm以下の、ダイヤモンド、窒化物および酸化物のいずれかから選ばれるのが好ましい。この場合、研磨レートなどを適正なものとすることができる。
また、本発明の第1の発明に係る研磨組成物は、前記軟質砥粒の平均粒子径が前記硬質砥粒の1/20以上2/3以下の範囲にある。さらに、軟質砥粒の平均粒子径が前記硬質砥粒の1/20以上1/3以下の範囲にあるのが一層好ましい。この場合、軟質砥粒が硬質砥粒を取り囲むように配置され易くなり、それによって、硬質砥粒の凝集を防ぐことができ、凝集した硬質砥粒によるスクラッチなどの不具合発生を抑制できる。
また、本発明の第1の発明に係る研磨組成物は、前記軟質砥粒と前記硬質砥粒の重量比が、硬質砥粒1に対して軟質砥粒0.7以上10.0以下の範囲にあるのが好ましい。この場合、軟質砥粒が硬質砥粒を取り囲むように配置され易くなり、それによって、硬質砥粒の凝集を防ぐことができ、凝集した硬質砥粒によるスクラッチなどの不具合発生を抑制できる。
また、本発明の第1の発明に係る研磨組成物において、前記殺菌剤は、過酸化水素、有機アミンのうちの少なくともいずれか一つであるのが好ましい。
また、本発明の第1の発明に係る研磨組成物において、前記有機アミンは、ピペラジン、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンのうちの少なくともいずれか一つであるのが好ましい。
また、本発明の第1の発明に係る研磨組成物において、前記研磨抑制剤は、一塩基酸、二塩基酸および三塩基酸のうちの少なくともいずれか一つを含むものであるのが好ましい。
また、本発明の第1の発明に係る研磨組成物は、前記硬質砥粒としてダイヤモンド0.2重量%以上3.0重量%以下、前記軟質砥粒0.2重量%以上20.0重量%以下、前記研磨抑制剤0.1重量%以上5.0重量%以下、前記殺菌剤0.02重量%以上2重量%以下および残部が純水からなるのが好ましい。この場合、硬質砥粒であるダイヤモンドが0.2重量%より低い比率であると、研磨速度が極端に遅くなるので生産性が悪くなり、ダイヤモンドが3.0重量%より高い比率であると、高価なダイヤモンドを使用することに伴い高コストになるため、製造コスト上好ましくない。また、軟質砥粒は、ダイヤモンド粒子を完全に分散することのできる量であればよく、その比率が0.2重量%より小さいとダイヤモンド粒子が十分に分散されなくなるおそれがあるため、ダイヤモンド粒子の凝集が生じることでスクラッチ発生を招く要因となり、好ましくない。逆にその比率が20.0重量%より大きいと研磨速度を極端に低下させるため好ましくない。
本発明の第1の発明に係る基板の研磨方法は、本発明の第1の発明に係る研磨組成物を用いて窒化ガリウム系化合物半導体基板を研磨することを特徴とする。
本発明の第1の発明に係る基板の研磨方法によれば、窒化ガリウム系化合物半導体基板の研磨において、研磨組成物の軟質砥粒が硬質砥粒を取り囲むことにより、硬質砥粒が凝集することを抑制できるので、凝集した硬質砥粒によるスクラッチの発生などを抑制できる。また、研磨組成物のpH値が1.5以上5.0以下の範囲に調整されていることによって、被研磨物である半導体基板における結晶欠陥集中部位に対するアルカリアタックが回避されるため、結晶欠陥集中部位が優先的に研磨されないようにできる。この結果、その結晶欠陥集中部位が優先的に研磨されることによって生じる微小窪み(ピット)の発生が解消できる。
また、本発明の第1の発明に係る基板の研磨方法は、窒化ガリウム系化合物半導体基板の被研磨面に対して対向する研磨面を備えるとともに、その対向する方向に沿った軸心周りで回転される研磨具の前記窒化ガリウム系化合物半導体基板に対する研磨荷重が50gf/cm2以上900gf/cm2以下であり、前記研磨具の研磨面の外周における移動速度が25m/min以上250m/min以下であるのが好ましい。
また、本発明の第1の発明に係る基板の研磨方法において、前記研磨組成物は、研磨時に10℃以上80℃以下の温度範囲で用いられるのが好ましい。
また、本発明の第1の発明に係る基板の研磨方法において、研磨用の定盤に研磨パッドを貼り付けた状態で、前記研磨組成物を用いて前記窒化ガリウム系化合物半導体基板を研磨するのが好ましい。
また、本発明の第1の発明に係る基板の研磨方法において、前記窒化ガリウム系化合物半導体基板を研磨するとき、前記研磨パッドの圧縮率は、1.0vol%以上20vol%以下であるのが好ましい。
また、本発明の第1の発明に係る基板の研磨方法は、前記研磨された後の前記窒化ガリウム系化合物半導体基板の被研磨面の表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で20オングストローム以下であって、かつ前記被研磨面の厚さばらつき(TTV:Total Thickness Variation)が20μm以下であるのが好ましい。
以上の本発明の第1の発明に係る研磨組成物および基板の研磨方法によって、アルカリアタックの少ない酸性領域で複合砥粒研磨を行なう結果、スクラッチおよび潜傷だけではなく微小窪み(ピット)の発生も抑制し、高精度の平坦性を有する研磨面を得ることができるようになった。
本発明者は、更に高品位の窒化ガリウム系化合物半導体基板を提供するために鋭意検討した結果、以下の本発明の第2の発明に係る基板の研磨方法を見出した。
すなわち、本発明の第2の発明に係る基板の研磨方法は、ビッカース硬さ試験による硬度が400〜1000kg/mm2である軟質砥粒とビッカース硬さ試験による硬度が1300〜6000kg/mm2である硬質砥粒とが分散媒としての水に分散されているとともに、pH値が2.0以上3.0以下の範囲に調整されており、前記軟質砥粒の平均粒子径が前記硬質砥粒の1/20以上2/3以下の範囲にある第1の研磨組成物を用いて窒化ガリウム系化合物半導体基板を研磨する第1の研磨工程と、この第1の研磨工程の後に、ビッカース硬さ試験による硬度が400〜1000kg/mm2である軟質砥粒が分散媒としての水に分散されているとともに、pH値が3.0以上5.0以下の範囲であって、かつ、前記第1の研磨組成物のpH値よりも高く調整されている第2の研磨組成物を用いて前記窒化ガリウム系化合物半導体基板を研磨する第2の研磨工程とを備えている。
本発明の第2の発明に係る基板の研磨方法によれば、第1の研磨組成物を用いて第1の研磨工程で一次研磨された窒化ガリウム系化合物半導体基板を、第2の研磨組成物を用いた第2の研磨工程で二次研磨するので、窒化ガリウム系化合物半導体基板の表面の研磨歪がより一層改善される。
また、本発明の第2の発明に係る基板の研磨方法において、前記第2の研磨工程は、前記窒化ガリウム系化合物半導体基板の被研磨面に対して対向する研磨面を備えるとともに、その対向する方向に沿った軸心周りで回転される研磨具の前記窒化ガリウム系化合物半導体基板に対する研磨荷重が50gf/cm2以上900gf/cm2以下であり、前記研磨具の研磨面の外周における移動速度が20m/min以上250m/min以下であるのが好ましい。
また、本発明の第2の発明に係る基板の研磨方法において、第2の研磨組成物は、研磨時に10℃以上80℃以下の温度範囲で用いられるのが好ましい。
また、本発明の第2の発明に係る基板の研磨方法において、前記第2の研磨工程では、研磨用の定盤に研磨パッドを貼り付けた状態で、第2の研磨組成物を用いて前記窒化ガリウム系化合物半導体基板を研磨するのが好ましい。
また、本発明の第2の発明に係る基板の研磨方法において、前記第2の研磨工程では、前記窒化ガリウム系化合物半導体基板を研磨するとき、前記研磨パッドの圧縮率は、1.0vol%以上20vol%以下であるのが好ましい。
また、本発明の第2の発明に係る基板の研磨方法において、前記第2の研磨工程で研磨された後の窒化ガリウム系化合物半導体基板の被研磨面の表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で20オングストローム以下であって、かつ前記被研磨面の厚さばらつき(TTV)が20μm以下であるのが好ましい。
本発明の第1の発明に係る研磨組成物および基板の研磨方法によれば、アルカリアタックの少ない酸性領域で複合砥粒研磨を行なう結果、窒化ガリウム系化合物半導体基板に対する研磨の場合、その結晶欠陥集合部位の研磨速度を正常な結晶部位の研磨速度と同じにできることになった。また、その研磨速度も従来と同じに保つことができた。このようにしてスクラッチおよび潜傷だけではなく微小窪み(ピット)の発生も抑制し、高精度の平坦性を有する研磨面を得ることができるようになった。
また、本発明の第2の発明に係る基板の研磨方法によれば、第1の研磨組成物を用いた第1の研磨工程で一次研磨された窒化ガリウム系化合物半導体基板を、第2の研磨組成物を用いた第2の研磨工程で二次研磨するので、窒化ガリウム系化合物半導体基板の表面の研磨歪をより一層改善することができる。
本発明の第1の発明に係る研磨組成物を用いた研磨の様子を概略的に示す側面図である。 本発明の実施例として、研磨用組成物のpH値と研磨処理後の基板におけるピット数との関係を示すグラフである。 本発明の実施例との比較を行うため、比較例の研磨用組成物を用いて研磨した窒化ガリウム基板の研磨結果を示す金属顕微鏡写真(50倍)である。 本発明に係る実施例において、本発明に係る研磨組成物を用いて研磨した窒化ガリウム基板の研磨結果を示す金属顕微鏡写真(50倍)である。 本発明の第2の発明に係る研磨組成物を用いた研磨の様子を概略的に示す側面図である。
1 研磨装置
3,3' 被研磨物
7,7' 研磨スラリー
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の発明に係る実施の形態)
先ず、本発明の第1の発明に係る研磨組成物および基板の研磨方法の実施の形態について説明する。
図1を参照して、本発明の第1の発明に係る研磨組成物を用いて窒化ガリウム化合物半導体基板を研磨する研磨装置1が概略的に示されている。研磨装置1は、大径円盤状の金属定盤2の上方に対向する状態で被研磨物3をバッキングフィルム4を介して保持する小径円盤状の保持側定盤5を設けている。金属定盤2上に研磨パッド6が貼り付けられて、研磨具を構成している。研磨パッド6は、表面がスエード調に加工された樹脂製のものである。保持側定盤5は、回転軸9とベルト10で連結した駆動モータ11により縦軸心周りで、金属定盤2は回転軸12とベルト13で連結した駆動モータ14により縦軸心周りで、それぞれ回転駆動される。研磨時においては、被研磨物3に対して保持側定盤5を介して所望の研磨荷重が付与されるようにしている。
被研磨物3である窒化ガリウム系化合物半導体基板からなる半導体ウエハは、バッキングフィルム4により保持側定盤5に保持されている。研磨装置1には、第1の発明に係る研磨組成物としての研磨スラリー7を研磨位置に滴下供給する供給装置8が設けられている。供給装置8は研磨に供された研磨スラリー7を回収して再び研磨箇所に供給できるように循環させるものである。
この研磨スラリー7は、本発明の第1の発明に係る研磨組成物であり、硬質砥粒と軟質砥粒とを分散媒としての純水に分散し、さらに研磨抑制剤および殺菌剤を配合して構成したものである。硬質砥粒として微小粒のダイヤモンド、軟質砥粒として、コロイダルシリカを用いている。
なお、硬質砥粒としては、ダイヤモンドの他に、窒化インジウム、窒化ケイ素などの窒化物や、アルファアルミナ、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどの酸化物を用いてもよい。また、軟質砥粒としては、コロイダルシリカの他に、ヒュームドシリカ、コロイダルアルミナ、ヒュームドアルミナ、ベータアルミナ、ヒュームドチタニアなどのうち少なくともいずれか一つを用いてもよい。なお、この研磨スラリー7に用いられる純水の比抵抗は、1MΩ・cm以上であることが好ましい。
研磨スラリー7において、研磨抑制剤は塩酸、燐酸のいずれかを用いるのが好ましい。なお、研磨抑制剤としては、一塩基酸としての塩酸、三塩基酸としての燐酸以外にも、硫酸などの二塩基酸を用いてもよい。また、これらの酸の複数種を組み合わせて、研磨抑制剤としてもよい。また、一塩基酸や、二塩基酸としては、化学式(R・COOM)、(R・(COOM)2)で示すものでもよく、ここで、Rは直鎖のアルキル基であり、Mは例えば金属元素を意味するものである。さらに、研磨抑制剤としては、これらの他に、硝酸、酢酸などを用いてもよい。この研磨抑制剤は、研磨組成物のpH値を所定範囲に調整するものでもある。したがって、このpH値の調整によって、研磨組成物のpH値は、1.5以上5.0以下の範囲に設定されている。
殺菌剤は過酸化水素、有機アミンの一種であるピペラジン、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンのうちの少なくともいずれかを用いるのが好ましい。これら有機アミンは、研磨時に研磨スラリーに取り込まれた金属イオンに配位して錯体をつくる傾向があるため、殺菌効果のみならず窒化ガリウム系化合物半導体基板の金属イオン汚染を抑制することにも寄与する。
本発明の第1の発明に係る研磨組成物の好ましい組成として、ダイヤモンドの平均粒径は50nm以上1000nm以下の範囲であり、これに対して軟質砥粒のコロイダルシリカは平均粒子径35nm以上130nm以下の範囲であり、コロイダルシリカの粒子径はダイヤモンド粒子径の1/20以上2/3以下の範囲にあることがコロイダルシリカ砥粒によってダイヤモンド砥粒の凝集を抑制する上で好ましい。すなわち、コロイダルシリカの粒子径が大き過ぎるとダイヤモンド粒子を隠蔽する可能性が高くなってしまう。ダイヤモンド粒子がコロイダルシリカの粒子によって隠蔽されると、研磨速度を極端に低下させることになるので好ましくない。また、コロイダルシリカの粒子径が小さ過ぎると、ダイヤモンド粒子が剥き出しの状態になりやすく、そのような剥き出しのダイヤモンド粒子では、ダイヤモンド粒子同士の凝集を起こしやすくなるので、凝集したダイヤモンド粒子により、ポリッシングの際にスクラッチが発生しやすくなる。
また、研磨組成物中における軟質砥粒と硬質砥粒の重量比は、硬質砥粒1に対して軟質砥粒0.7以上10.0以下の範囲に設定しておくことが好ましく、特に、コロイダルシリカとダイヤモンド粒子との場合、その研磨組成物中における重量比は、ダイヤモンド粒子1に対して、コロイダルシリカを0.9以上2.7以下の範囲にしておくことが好ましい。
また、研磨スラリー7中における各組成の比率が、硬質砥粒としてダイヤモンド0.2重量%以上2.0重量%以下、軟質砥粒としてコロイダルシリカ0.2重量%以上20.0重量%以下、研磨抑制剤0.1重量%以上5.0重量%以下、殺菌剤0.02重量%以上2重量%以下および残部が純水からなる組成の研磨組成物が好ましい。硬質砥粒であるダイヤモンドが0.02重量%より少ないと、研磨速度が極端に遅くなり、生産性が悪くなる。また、2.0重量%より多くなるとダイヤモンドが高価であるため研磨コストが上昇し好ましくない。軟質砥粒はダイヤモンド粒子を完全に分散する量があれば良く、多すぎると研磨速度を極端に低下させるので好ましくない。少なすぎると完全分散せず、スクラッチ発生の原因となる。なお、殺菌剤は少なくとも0.02重量%以上必要である。少なすぎると、研磨スラリー7中のバクテリアを殺菌しきれない。
また、本実施形態に係る研磨組成物を用いた窒化ガリウム系化合物半導体の研磨方法では、研磨荷重が50gf/cm2以上900gf/cm2以下で、金属定盤2の研磨面の外周における移動速度(周速)が20m/min以上250m/min以下であることが好ましい。なお、金属定盤2の研磨面の外周における移動速度は、20m/min以上30m/min以下であるのがより好ましく、25m/min以上30m/min以下であるのがより一層好ましい。
研磨スラリー7が研磨面に供給される温度は10℃以上80℃以下の範囲であるのが好ましい。この温度範囲に設定することは、研磨速度の点で好ましい。また、その研磨中における研磨パッド5の圧縮率は、1.0vol%以上20vol%以下の範囲であるのが好ましい。この圧縮率の範囲に設定することは、表面粗さ、潜傷の発生を抑制できる点で好ましい。
また、このようにして研磨された後の被研磨物の被研磨面の表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)が20オングストローム以下で、かつ前記被研磨面の厚さばらつき(TTV)が20μm以下にできるものであり、このため、RIE工程を不要にでき、湿式研磨を行う工程のみで精密仕上げできることになる。
本発明者は、本発明の第1の発明に係る研磨組成物である研磨スラリーと、比較例となる研磨スラリーとを作成し、それらの研磨スラリーを用いて研磨試験を行った。以下に、その説明をする。
この研磨試験では、市販の研磨機(ムサシノ電子社製、品名MA−200D)を用いた。研磨荷重300gf/cm2、研磨時間60分以上80分以下、定盤回転数60rpm以上80rpm以下(定盤の周速20m/min以上30m/min以下)、研磨スラリーの流量20ml/min以上30ml/min以下、研磨パッドとしては、精密仕上げ用のスウェード調樹脂製研磨パッド(ニッタ・ハース社製、品名Whitex RG−S)を用いた。被研磨物は窒化ガリウム系化合物半導体基板(ウエハ)である。
研磨スラリーの組成は、ダイヤモンド砥粒(粒子径500nm)、コロイダルシリカ(粒子径70nm)、純水(比抵抗1MΩ・cm以上)、研磨抑制剤としてのHCl(塩酸)、および殺菌剤のH22(過酸化水素)を使用した。また、比較例としてpH値9、11、12に調整した研磨スラリーについては、研磨抑制剤の塩酸に替えて、水酸化カリウムを使用して、アルカリ側への調整を行った。また、pH値7とする比較例の研磨スラリーについては、中性となるよう調整したものである。研磨スラリーのpH値を2、3、5とするものでは、研磨スラリー中の組成を、コロイダルシリカ1.0重量%、ダイヤモンド0.9重量%、H22は0.03重量%とするとともに、HClの濃度をそれぞれ0.04重量%、0.004重量%、0.0008重量%に調整することにより、pH値を2、3、5に調整した。残部は純水である。
アルカリ側へ調整した比較例の研磨スラリーや、pH値7とする比較例の研磨スラリーについても、その組成は、コロイダルシリカ1.0重量%、ダイヤモンド0.9重量%、H22は0.03重量%とするものであり、前記水酸化カリウムの濃度を、0.0043重量%、0.043重量%、0.43重量%に調整することでそのpH値の調整を行っている。この場合も残部は純水である。
これらの研磨スラリーについてそれぞれを用いて研磨した窒化ガリウム系化合物半導体のウエハにおける研磨面における微小窪みの形成状態について、それぞれの表面を金属顕微鏡を用いて50倍の倍率で撮像し、その撮像結果から、微小窪みの発生状態を数値化(ピット指数)した。ここで、ピット指数は、溝の幅より、及び影の幅より、くぼみ程度であると視覚的に認められた評価である。
その測定結果を表1および図2のグラフに示す。図2のグラフは、横軸を研磨スラリーのpH、縦軸を測定結果として得られたピット指数を示す。
このときの研磨速度は、1.4μm/hrであった。
表1および図2のグラフからもわかるように、本発明の第1の発明に係る実施例である研磨スラリー(表1におけるテストNo.1〜3)は、微小窪み(ピット)の発生の度合いが、上記ピット指数でいえば2〜4の範囲内にあるものであるから、研磨が良好に行われたものであると判定される。比較例の研磨スラリー(表1におけるテストNo.4〜7)は、微小窪み(ピット)の発生の度合いが、上記ピット指数でいえば5以上のものであるから、研磨が良好に行われたと判定されるピット指数範囲の2〜4から外れた5以上となっているので、研磨が不良であると判定される。
Figure 0005116305
また、比較例の研磨スラリーであって、アルカリ側に調整された研磨スラリー(テストNo.7)により研磨された窒化ガリウム系化合物半導体基板についてその表面を金属顕微鏡で50倍の倍率で撮影した写真を図3に示す。また、本発明の第1の発明に係る研磨組成物である研磨スラリー(テストNo.1)により研磨された窒化ガリウム系化合物半導体基板についてその表面を金属顕微鏡で50倍の倍率で撮影した写真を図4に示す。
図3の場合、微小窪みに対応するストライプ状の窪みの深さが、良品と判定される基準となる所望深さ値より深いことが判定された。これに対して本発明に係る場合、図4に示すようにストライプ状の微小窪みの深さが上記図3の比較例に比して浅いものであり、微小窪みの発生が抑制された平坦性にすぐれた良好な研磨が行われたと判定された。
以上のような本発明の第1の発明に係る研磨組成物を用いた第1の発明に係る基板の研磨方法によって、研磨した半導体基板の表面を、反射高速電子回折(RHEED)法による最表面構造の評価を行なった。
その結果、軟質砥粒と硬質砥粒とを含む第1の発明に係る研磨組成物による研磨のみでは、最表面の結晶構造が不充分であることが菊池線による観察によって確認できた。これは、半導体基板の最表面に、研磨歪が僅かに残存していることを示唆している。
そこで、本発明の第2の発明では、第1の発明に係る研磨組成物の内、pH値が2.0以上3.0以下の範囲に調整された第1の研磨組成物を用いて研磨(一次研磨)した窒化ガリウム系化合物半導体基板を、更に研磨(二次研磨)するものであり、この二次研磨に用いる第2の研磨組成物が、第2の発明に係る研磨組成物であり、この一次および二次の研磨工程を備えるのが、第2の発明に係る基板の研磨方法である。第2の研磨組成物は、ビッカース硬さ試験による硬度が400〜1000kg/mm2である軟質砥粒が分散媒としての水に分散されているとともに、pH値が3.0以上5.0以下の範囲であって、かつ、前記第1の研磨組成物のpH値よりも高く調整されている。
(第2の発明に係る実施の形態)
以下、本発明の第2の発明に係る研磨組成物および基板の研磨方法について説明するが、上述の第1の発明によって、スクラッチおよび潜傷だけではなく微小窪み(ピット)の発生も抑制し、高精度の平坦性を有する研磨面を得ることができるので、第2の発明は、必要に応じて実施すればよい。
図5は、本発明の第2の発明に係る研磨組成物および基板の研磨方法を説明するための研磨装置1の概略構成図であり、上述の図1に対応する部分には、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
被研磨物3'である窒化ガリウム系化合物半導体基板からなる半導体ウエハは、バッキングフィルム4により保持側定盤5に保持されている。この被研磨物3'である窒化ガリウム系化合物半導体基板からなる半導体ウエハは、上述のようにして第1の発明に係る研磨組成物である研磨スラリー7を用いて第1の研磨工程で研磨された後の半導体ウェハである。
供給装置8は、上述の第1の発明に係る研磨組成物である研磨スラリー7に代えて、第2の発明に係る研磨組成物である研磨スラリー7'を研磨位置に滴下供給するものである。
その他の研磨装置1の構成は、上述の第1の発明に係る研磨組成物による基板の研磨方法と同様であるので、その説明は、省略する。
本発明の第2の発明に係る研磨組成物である研磨スラリー7'は、軟質砥粒を分散媒としての純水に分散し、pH値が3.0以上5.0以下の範囲であって、かつ、前記第1の研磨組成物のpH値よりも高く調整されているものであり、好ましくは、さらに研磨抑制剤および殺菌剤を配合して構成したものである。軟質砥粒として、コロイダルシリカを用いている。なお、軟質砥粒としては、コロイダルシリカの他に、ヒュームドシリカ、コロイダルアルミナ、ヒュームドアルミナ、ベータアルミナ、ヒュームドチタニアなどのうち少なくともいずれか一つを用いてもよい。また、軟質砥粒の平均粒子径が、20nm以上200nm以下の範囲にあるのが好ましく、35nm以上130nm以下の範囲にあるのがより好ましい。
また、軟質砥粒の濃度が、0.1重量%以上50重量%以下の範囲にあるのが好ましく、9重量%以上19重量%以下の範囲にあるのがより好ましい。なお、この研磨スラリー7'に用いられる純水の比抵抗は、1MΩ・cm以上であるのが好ましい。
研磨スラリー7'において、研磨抑制剤は塩酸、燐酸のいずれかを用いるのが好ましい。なお、研磨抑制剤としては、一塩基酸としての塩酸、三塩基酸としての燐酸以外にも、硫酸などの二塩基酸を用いてもよい。また、これらの酸の複数種を組み合わせて、研磨抑制剤としてもよい。また、一塩基酸や、二塩基酸としては、化学式(R・COOM)、(R・(COOM)2)で示すものでも良く、ここで、Rは直鎖のアルキル基であり、Mは例えば金属元素を意味するものである。さらに、研磨抑制剤としては、これらの他に、硝酸、酢酸などを用いてもよい。この研磨抑制剤は、研磨組成物のpH値を所定範囲に調整するものでもある。したがって、このpH値の調整によって、本発明の第2の発明に係る研磨組成物のpH値は、3.0以上5.0以下の範囲であって、かつ、前記第1の研磨組成物pH値よりも高く調整されている。殺菌剤は過酸化水素、有機アミンの一種であるピペラジン、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンのうちの少なくともいずれかを用いるのが好ましい。これら有機アミンは、研磨時に研磨スラリーに取り込まれた金属イオンに配位して錯体をつくる傾向があるため、殺菌効果のみならず窒化ガリウム系化合物半導体基板の金属イオン汚染を抑制することにも寄与する。
また、本発明の第2の発明に係る基板の研磨方法は、上述の第1の発明に係る研磨組成物の内、pH値が2.0以上3.0以下の範囲に調整された1の研磨組成物を用いた第1の研磨工程と、第2の研磨組成物を用いた第2の研磨工程とを備えるものであり、第1の研磨工程は、本発明の第1の発明に係る基板の研磨方法と同様である。
第2の研磨組成物を用いた窒化ガリウム系化合物半導体に対する第2の研磨工程では、研磨荷重が50gf/cm2以上500gf/cm2以下であるのが好ましく、研磨時間は、例えば、1時間程度であるのが好ましいが、必要に応じて、短縮あるいは延長してもよい。金属定盤2の研磨面の外周における移動速度(周速)が20m/min以上250m/min以下であるのが好ましい。なお、金属定盤2の研磨面の外周における移動速度は、20m/min以上30m/min以下であるのがより好ましく、25m/min以上30m/min以下であるのがより一層好ましい。研磨スラリー7'が研磨面に供給される温度は10℃以上80℃以下の範囲であるのが好ましい。この温度範囲に設定することは、研磨速度の点で好ましい。また、その研磨中における研磨パッド5の圧縮率は、1.0vol%以上20vol%以下の範囲であるのが好ましい。この圧縮率の範囲に設定することは、表面粗さ、潜傷の発生を抑制できる点で好ましい。
本発明者は、本発明の第2の発明に係る研磨組成物である研磨スラリーを4種類を作成し、それらの研磨スラリーを用いて研磨試験を行った。以下に、その説明をする。
この研磨試験では、市販の研磨機(ムサシノ電子社製、品名MA−200D)を用いた。研磨荷重300gf/cm2、研磨時間60分以上80分以下、定盤回転数60rpm以上80rpm以下(定盤の周速20m/min以上30m/min以下)、研磨スラリーの流量20ml/min以上30ml/min以下、研磨パッドとしては、精密仕上げ用のスウェード調樹脂製研磨パッド(ニッタ・ハース社製、品名Whitex RG−S)を用いた。被研磨物は、第1の発明に係る研磨組成物を用いた研磨が終了した窒化ガリウム系化合物半導体基板(ウエハ)である。研磨スラリーの組成は、コロイダルシリカ(粒子径70nm)、純水(比抵抗1MΩ以上)、研磨抑制剤としてHCl及び殺菌剤のH22(過酸化水素)を使用した。
4種類の研磨スラリーは、比較のため、コロイダルシリカの重量濃度を、3、9、15、19重量%とした。pHは、4で、HCl濃度を、0.0015重量%とした。
これら研磨スラリーのそれぞれを用いて、上述の第1の発明に係る研磨組成物を用いた研磨を既に行った窒化ガリウム系化合物半導体基板をそれぞれ研磨し、その表面の研磨歪の改善の度合いを、反射高速電子回折(RHEED)法を用いて回折写真を撮って比較し、菊池線の強度を数値化した。なお、これら研磨スラリーによる研磨前、すなわち、第1の発明に係る研磨組成物を用いた研磨を行った窒化ガリウム系化合物半導体基板の表面も同様に数値化した。
反射高速電子回折(RHEED)とは、電子線を基板に対して水平に入射させ、表面で回折された電子線によりスクリーンに回折図形を投影させ、表面構造を観察する方法である。電子線を、基板に対して水平に入射することから、入射電子線の進入は、基板表面から数原子層にとどまる。したがって、最表面の評価を行なうことができる。
なお、使用した反射高速電子回折(RHEED)装置および測定条件は、以下の通りである。
反射高速電子回折(RHEED)装置
メーカー:エイコーエンジニアリング
型:MB−1000/MY−1000
・測定条件:
圧力 1E−3Pa
電子線加速電圧/電流:30kV/15mA
以上のようにして測定した菊池線による10段階の評価結果を、表2に示す。
Figure 0005116305
この表2に示すように、本発明の第2の発明に係る研磨組成物である4種類の研磨用スラリー(テストNo.1〜4)を用いた研磨によって、表面の研磨歪が研磨前に比べて改されていることが分かり、更に、コロイダルシリカの重量濃度が高い程、改善の度合いが高いことが分かる。
このように本発明の第2の研磨組成物を用いた第2の研磨工程を実施することで、半導体基板の最表面の研磨歪が一層改善される。
本発明は、窒化ガリウム系半導体基板の研磨に供する研磨組成物(研磨スラリー)に関するものであり、例えば、各種の半導体製造過程における基板の薄膜などを研磨するのに供される研磨用スラリーに利用可能である。

Claims (20)

  1. 窒化ガリウム系化合物半導体基板の研磨に用いる研磨組成物であって、
    ビッカース硬さ試験による硬度が400〜1000kg/mm2である軟質砥粒とビッカース硬さ試験による硬度が1300〜6000kg/mm2である硬質砥粒とが分散媒としての水に分散されているとともに、pH値が1.5以上5.0以下の範囲に調整されており、前記軟質砥粒の平均粒子径が前記硬質砥粒の1/20以上2/3以下の範囲にあることを特徴とする研磨組成物。
  2. 請求項1に記載の研磨組成物において、
    殺菌剤および研磨抑制剤が含まれている、ことを特徴とする研磨組成物。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の研磨組成物において、
    前記硬質砥粒は、平均粒子径が50nm以上1000nm以下の、ダイヤモンド、窒化物および酸化物のいずれかから選ばれることを特徴とする研磨組成物。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の研磨組成物において、
    前記軟質砥粒と前記硬質砥粒との重量比が、硬質砥粒1に対して軟質砥粒0.7以上10.0以下の範囲にある、ことを特徴とする研磨組成物。
  5. 請求項2に記載の研磨組成物において、
    前記殺菌剤は、過酸化水素、有機アミンのうちの少なくともいずれか一つである、ことを特徴とする研磨組成物。
  6. 請求項5に記載の研磨組成物において、
    前記有機アミンは、ピペラジン、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンのうちの少なくともいずれか一つである、ことを特徴とする研磨組成物。
  7. 請求項2に記載の研磨組成物において、
    前記研磨抑制剤は、一塩基酸、二塩基酸および三塩基酸のうちの少なくともいずれか一つを含むものである、ことを特徴とする研磨組成物。
  8. 請求項6に記載の研磨組成物において、
    前記硬質砥粒としてダイヤモンド0.2重量%以上3.0重量%以下、前記軟質砥粒0.2重量%以上20.0重量%以下、前記研磨抑制剤0.1重量%以上5.0重量%以下、前記殺菌剤0.02重量%以上2重量%以下および残部が純水からなる、ことを特徴とする研磨組成物。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の研磨組成物を用いて窒化ガリウム系化合物半導体基板を研磨することを特徴とする基板の研磨方法。
  10. 請求項9に記載の基板の研磨方法において、
    前記窒化ガリウム系化合物半導体基板の被研磨面に対して対向する研磨面を備えるとともに、その対向する方向に沿った軸心周りで回転される研磨具の前記窒化ガリウム系化合物半導体基板に対する研磨荷重が50gf/cm2以上900gf/cm2以下であり、前記研磨具の研磨面の外周における移動速度が20m/min以上250m/min以下である、ことを特徴とする基板の研磨方法。
  11. 請求項9または10に記載の基板の研磨方法において、
    前記研磨組成物は、研磨時に10℃以上80℃以下の温度範囲で用いられることを特徴とする基板の研磨方法。
  12. 請求項9ないし11のいずれかに記載の基板の研磨方法において、
    研磨用の定盤に研磨パッドを貼り付けた状態で、前記研磨組成物を用いて前記窒化ガリウム系化合物半導体基板を研磨することを特徴とする基板の研磨方法。
  13. 請求項9ないし12のいずれかに記載の基板の研磨方法において、
    前記窒化ガリウム系化合物半導体基板を研磨するとき、前記研磨パッドの圧縮率は、1.0vol%以上20vol%以下である、ことを特徴とする基板の研磨方法。
  14. 請求項9ないし13のいずれかに記載の基板の研磨方法において、
    前記研磨された後の前記窒化ガリウム系化合物半導体基板の被研磨面の表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で20オングストローム以下であって、かつ前記被研磨面の厚さばらつき(TTV)が20μm以下である、ことを特徴とする基板の研磨方法。
  15. ビッカース硬さ試験による硬度が400〜1000kg/mm2である軟質砥粒とビッカース硬さ試験による硬度が1300〜6000kg/mm2である硬質砥粒とが分散媒としての水に分散されているとともに、pH値が2.0以上3.0以下の範囲に調整されており、前記軟質砥粒の平均粒子径が前記硬質砥粒の1/20以上2/3以下の範囲にある第1の研磨組成物を用いて窒化ガリウム系化合物半導体基板を研磨する第1の研磨工程と、この第1の研磨工程の後に、ビッカース硬さ試験による硬度が400〜1000kg/mm2である軟質砥粒が分散媒としての水に分散されているとともに、pH値が3.0以上5.0以下の範囲であって、かつ、前記第1の研磨組成物のpH値よりも高く調整されている第2の研磨組成物を用いて前記窒化ガリウム系化合物半導体基板を研磨する第2の研磨工程とを備えることを特徴とする基板の研磨方法。
  16. 請求項15に記載の基板の研磨方法において、
    前記第2の研磨工程は、前記窒化ガリウム系化合物半導体基板の被研磨面に対して対向する研磨面を備えるとともに、その対向する方向に沿った軸心周りで回転される研磨具の前記窒化ガリウム系化合物半導体基板に対する研磨荷重が50gf/cm2以上900gf/cm2以下であり、前記研磨具の研磨面の外周における移動速度が20m/min以上250m/min以下である、ことを特徴とする基板の研磨方法。
  17. 請求項15または16に記載の基板の研磨方法において、
    前記第2の研磨組成物は、研磨時に10℃以上80℃以下の温度範囲で用いられることを特徴とする基板の研磨方法。
  18. 請求項15ないし17のいずれかに記載の基板の研磨方法において
    前記第2の研磨工程では、研磨用の定盤に研磨パッドを貼り付けた状態で、前記第2の研磨組成物を用いて前記窒化ガリウム系化合物半導体基板を研磨することを特徴とする基板の研磨方法。
  19. 請求項15ないし18のいずれかに記載の基板の研磨方法において、
    前記第2の研磨工程では、前記窒化ガリウム系化合物半導体基板を研磨するとき、前記研磨パッドの圧縮率は、1.0vol%以上20vol%以下である、ことを特徴とする基板の研磨方法。
  20. 請求項15ないし19のいずれかに記載の基板の研磨方法において、
    前記第2の研磨工程で研磨された後の窒化ガリウム系化合物半導体基板の被研磨面の表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で20オングストローム以下であって、かつ前記被研磨面の厚さばらつき(TTV)が20μm以下である、ことを特徴とする基板の研磨方法。
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