JP2000350293A - 圧電振動体、圧電音響装置及びその製造方法 - Google Patents

圧電振動体、圧電音響装置及びその製造方法

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JP2000350293A
JP2000350293A JP33939299A JP33939299A JP2000350293A JP 2000350293 A JP2000350293 A JP 2000350293A JP 33939299 A JP33939299 A JP 33939299A JP 33939299 A JP33939299 A JP 33939299A JP 2000350293 A JP2000350293 A JP 2000350293A
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acoustic device
ceramics
piezoelectric ceramics
peripheral wall
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Hiromi Kakinuma
博美 柿沼
Yasuhiro Kanai
康弘 金井
Kenji Takahashi
憲司 高橋
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 径の小さな圧電振動体でも、より低音側での
音圧レベルを高くすることができ、これにより自然な音
を発する圧電振動体と圧電音響装置を得る。 【解決手段】 圧電振動体18は、厚さ方向に分極され
た一対の板状の圧電セラミクス16、17と、この圧電
セラミクス16、17の両面にそれぞれ形成された導体
膜からなる内側電極19b、20b及び外側電極19
a、20aとを有する。前記圧電セラミクス16、17
の分極方向を互いに逆方向にしてそれらの片面の内側電
極19b、20bを互いに電気的に導通状態で積層する
かまたは貼り合わせると共に、外側電極19a、20a
を互いに導通している。この圧電振動体18は、そ周辺
部を弾性接着剤24でケース本体11の周壁13に固定
することにより、ケース本体11に組み込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話器やその
他の携帯端末器等に使用され、円板状のケース本体を有
する小形のスピーカ、レシーバ等に使用される圧電振動
体とそれを使用した圧電音響装置に関し、より具体的に
は、厚さ方向に分極した一対の板状の圧電セラミクスを
積層または貼り合わせた圧電振動体とそれを使用した圧
電音響装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話器やいわゆるコードレスホンに
使用される圧電音響装置は、円板形のケース本体の内部
に、圧電振動体を内装したものである。この圧電振動体
は、真鍮や燐青銅等の金属薄板からなる円板状のシム材
の一方または両方の主面にシム部材の直径の70%程度
の圧電素子を貼り付けたものである。この圧電素子は、
圧電セラミクス薄板の両面に金属膜からなる電極を形成
したものであり、一方の電極がシム材と電気的に導通す
るように接着される。
【0003】携帯電話器の小形化に伴い、そのハウジン
グの内部に装着される圧電音響装置の小形化が進んでお
り、現在20mmφ程度の小形のケース本体を有する圧
電音響装置が使用されている。このような小形の圧電音
響装置では、ケースの内部に収納される圧電振動体も当
然小形化されなければならず、20mmφ以下の圧電振
動体が使用される。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】このような圧電音
響装置において、圧電振動体の径が小さくなると、周波
数の高い側で発生する音圧レベルが高くなり、周波数の
低い側で発生する音圧レベルが低くなる。その結果、周
波数が高い高音のみが強調され、不自然な音を発するよ
うになる。
【0005】そこで従来から高音の発生を抑え、より低
音側での音圧レベルが大きくなるための様々な工夫がな
されている。その一つとして、極めて薄い金属箔をシム
材として使用する等の試みがなされている。しかし、薄
い金属箔をシム材として使用する場合、その取り扱いが
極めて困難であり、製造工程が複雑になる等の課題があ
り、薄形化にも自ずと限界がある。本発明は、前記圧電
音響装置における従来の課題に鑑み、径の小さな圧電振
動体でも、より低音側での音圧レベルを高くすることが
でき、これにより自然な音を発する圧電振動体と圧電音
響装置を得ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明では、金属板からなるシム材を使用せず
に、板状の一対の圧電セラミクス16、17を積層また
は貼り合わせた圧電振動体18を使用し、その周辺部を
弾性接着剤24でケース本体11の周壁13に支持する
ようにしたものである。
【0007】圧電振動体18は、電極へ信号電圧を印加
することにより振動し、音を発するものである。本発明
による圧電振動体18は、厚さ方向に分極された一対の
板状の圧電セラミクス16、17と、この圧電セラミク
ス16、17の両面にそれぞれ形成された導体膜からな
る内側電極19b、20b及び外側電極19a、20a
とを有する。前記圧電セラミクス16、17は分極方向
が互いに逆方向すなわち、一方の圧電セラミクスが内側
電極から外側電極へ分極されるときは、他方の圧電セラ
ミクスが外側電極から内側電極に分極され、それらの片
面の内側電極19b、20bが互いに電気的に導通状態
になるよう貼り合わされると共に、外側電極19a、2
0aは互いに導通されている。
【0008】互いに導通された一対の圧電セラミクス1
6、17の内側電極19b、20bと外側電極19a、
20aとにそれぞれリード線22a、22b等のリード
部材が接続され、このリード部材を介して圧電振動体1
8の内側電極19b、20bと外側電極19a、20a
に信号電圧を印加する。リード線22b等のリード部材
を内側電極19b、20bに接続する場合、一方の圧電
セラミクス16に切欠部23、23’を設け、一対の圧
電セラミクス16、17が貼り合わせられた状態で、前
記切欠部23、23’で他方の圧電セラミクス17の内
側電極20bを露出させる。そして、この切欠部23、
23’により露出された一方の圧電セラミクス17の内
側電極20bにリード部材を接続する。
【0009】圧電セラミクス16、17の外側電極19
a、20aは、互いに接続されているが、この接続は、
外側電極19a、20aとは別の導体を使用して接続し
てもよい。他方、外側電極19a、20aを圧電セラミ
クス16、17の内側の一部に回り込ませ、この回り込
んだ部分で内側電極19b、20bと同様に、互いに電
気的に導通状態になるよう貼り合わせることにより接続
することもできる。また、少なくとも一方の圧電セラミ
クス16の内側電極19bを圧電セラミクス16の外側
の一部に回り込ませ、この回り込んだ部分でリード部材
を接続するようにすれば、前記のような切欠23、2
3’を形成せずにリード部材の接続が可能である。
【0010】この圧電振動体18は、その周辺部を弾性
接着剤24でケース本体11の周壁13に接着すること
により、ケース本体11に組み込む。この場合、圧電振
動体18の周辺部は、ケース本体11の周壁13の内側
に迫り出すように設けられた弾性接着剤24を介してケ
ース本体11の周壁13に支持するとよい。
【0011】このような圧電振動体18は金属板からな
るシム材を使用していないので、極めて小形の圧電振動
体18となり、小形の圧電音響装置を容易に得ることが
できる。また、圧電振動体18の周辺部を、ケース本体
11の周壁13の内側に迫り出すように設けられた弾性
接着剤24を介してケース本体11の周壁13に支持す
ることにより、圧電セラミクス16、17にヒビ割れ等
の損傷が起こらず、不良品等を発生させずに高い歩留ま
りで圧電音響装置を製造することもできる。さらに、圧
電振動体18が振動しやすいため、振幅が大きくなり、
高い音圧を得ることができる。
【0012】圧電振動体18は、シム材を介さず、板状
の圧電セラミクス16、17が積層された並列バイモル
フ型のものを使用することができる。例えば、内側電極
19b、20bを挟んで上下に圧電セラミクス16、1
7が積層されており、さらにこの圧電セラミクス16、
17の外主面に外側電極19a、20aが形成された圧
電振動体18を使用する。このような圧電振動体18
は、内側電極19b、20bを挟んで圧電セラミクス1
6、17を3層以上積層したもの、さらにはこれらの積
層体を、圧電セラミクス16、17に形成された内側電
極19c、20cで貼り合わせたものであってもよい。
【0013】これらの圧電振動体18の周辺部をケ―ス
本体11の側壁13に接触しないように周辺支持するこ
とにより、圧電音響装置とする。圧電振動体18は、そ
の周辺部がケース本体11の周壁13から離間した状態
で弾性接着剤24を介して同周壁13に接着される。こ
の場合に、弾性接着剤として球状粒子を含有する弾性接
着剤24’を使用することもできる。
【0014】このようにして、シム材を持たない並列バ
イモルフ圧電振動体18を用い、前記のようにケース本
体11の内部に収容することで、ケース本体11の周壁
13からの影響で圧電振動体18の伸縮運動が妨げられ
ない。これにより、圧電振動体18に駆動電圧を印加し
た際に、圧電振動体18の厚み方向及び径方向のほば全
域にわたって能動的に伸縮するので、圧電振動体18が
効率的に大きな変位量で屈曲運動できる。また、圧電振
動体18の全体厚みを薄くでき、圧電振動体18の駆動
有効径も大きくなり、固有振動周波数を下げることがで
きる。従って、径の小さな圧電音響装置でも、より低音
側での音圧レベルを高くすることができ、これにより自
然な音を発すことが可能となる。
【0015】さらに、シム材を持たない並列バイモルフ
型の圧電振動体18として圧電セラミクス16、17の
積層構造体を用いることにより、圧電振動体18の薄層
化が容易となる。また、積層構造をとることにより、圧
電セラミクス16、17の完全な密着性も確保すること
が出来ると共に、焼成後の圧電セラミクス16、17の
接着工程が不要となり、歩留まりよく並列バイモルフ型
の圧電振動体18を得ることができる。
【0016】さらに、圧電セラミクス16、17の積層
体の複数組の貼り合わせ構造体を用いると、多数の圧電
セラミクス16、17と電極19a、19b、20a、
20bを有する緻密な並列バイモルフ型の圧電振動体1
8が得られるので、高性能な圧電音響装置を提供するこ
とができる。
【0017】このようなシム材を持たない並列バイモル
フ型の圧電振動体18の周縁部がケース本体11の周壁
13から離間した状態で弾性接着剤24で接着されるこ
とにより、圧電振動体18の径方向の伸縮運動ならびに
厚み方向の湾曲運動が、効率的行われ、大きな変位量が
得られる。加えて、圧電振動体18が振動するとき、そ
の周辺部が支持された部分において、圧電振動体18の
厚み方向への不要な移動が防止され、圧電振動体18の
湾曲による変位容積が排気体積として効率よく変換され
る。
【0018】圧電振動体18を、その周辺部がケース本
体11の周壁13から離間した状態で球状粒子を含有す
る弾性接着剤24’で接着すると、球状粒子が圧電振動
体18の周辺部とケース本体11の周壁13とを離間さ
せるスペーサとして機能する。これにより、振動板の厚
み方向の支持をより高精度で行うことができ、音圧ばら
つきを抑制することができる。
【0019】前記ケース本体11とその蓋体46の内面
に前記圧電振動体18の過剰変位を制限する突起49を
有すると、圧電振動体18に過度の電圧が印加された際
に、その過剰変位による圧電発音体18の破損を防止す
ることができる。さらに、ケース本体11の内面に変形
を防止する補強リブ50を備えると、ケース本体11の
剛性が増すことから、圧電振動体18の振動時のケース
本体11の歪みが防止される。これにより、圧電振動板
18の湾曲による変位容積が排気体積に変換される効率
が低下するのが抑制され、さらに良好な音圧特性が得ら
れる。この補強リブ50に前記のような圧電振動体18
の過剰変位を制限する突起49としての機能を持たせる
こともできる。
【0020】携帯電話や家庭用コードレスホン等の使用
時の防水性を考慮して、前記圧電振動体18の表面に防
湿被覆が施されているのが好ましい。携帯電話や家庭用
コードレスホンは、手に水が付いた状態や湿気の多い場
所で使用することもあるが、前記の防湿被覆により、そ
れら湿気による圧電振動体18の濡れ等によるその性能
の低下を防止することができるようになる。
【0021】このような圧電音響装置は、次のような製
法により製造することができる。まず、圧電振動体18
の外径寸法より大きな内径寸法を有する周壁13と、こ
の周壁13に隣接配置された径方向位置合わせ手段及び
高さ方法位置合わせ手段とを有するケース本体11を用
意する。次に、前記ケース本体11の周壁13に弾性接
着剤24を塗布し、この前記ケース本体11の周壁13
の前記弾性接着剤24を塗布した部分に対向するように
前記のような圧電振動体18を配置する。そして、前記
ケース本体11の径方向位置合わせ手段によりガイドし
ながら、前記圧電振動体18の周辺部を前記周壁13に
塗布された弾性接着剤24に接触させて、接着する。そ
の後、前記弾性接着剤24による接着部から前記径方向
位置合わせ手段を分離する。
【0022】このような製造方法では、前記の径方向位
置合わせ手段と高さ方法位置合わせ手段とにより、シム
材が無い薄い圧電振動体18であっても、正確にその周
辺部がケース本体11の周壁から離れて弾性接着剤24
により接着されるよう組み立てることができる。さら
に、圧電振動体18の周辺部を弾性接着剤24で接着し
た後、前記径方向位置合わせ手段を分離するため、ケー
ス本体11には邪魔な部材が残らない。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について具体的且つ詳細に説明する。図
1〜図3は、本発明の一実施形態である圧電音響装置の
例を示しており、特に図2は、その圧電音響装置を携帯
通信端末器のハウジングに取り付けた状態を示してい
る。
【0024】まず図1と図2により、この圧電音響装置
の構成部材について説明すると、その主たる構成部材
は、ケース本体11、このケース本体11に組み込まれ
る圧電振動体18及びこの圧電振動体18の電極に電気
的に接続される一対のリード部材としてのリード線22
a、22b(図2参照)とからなっている。
【0025】圧電振動体18は、一対の板状の圧電セラ
ミクス16、17を接着剤等で貼り合わせたものであ
る。これらの圧電セラミクス16、17は、例えばφ1
5、厚さ0.1mm程度の円板形のもので、それらの両
主面には、それぞれ導体膜からなる電極19b、20
b、19a、20aが形成されている。圧電セラミクス
16、17の一方の電極は内側電極19b、20bであ
り、他方の電極19a、20aは外側電極である。これ
らの圧電セラミクス16、17は、互いに逆方向に分極
される。つまり、セラミクス16が内側電極19bから
外側電極19a分極されるときは、セラミクス17は、
外側電極20aから内側電極20bに分極される。
【0026】一方の圧電セラミクス16の周辺部の一部
に切欠部23が形成されており、図1〜図3に示した実
施例では、圧電セラミクス16の周辺部の一部を直線状
に切断したような切欠部23が形成されている。これら
の圧電セラミクス16、17は、それらの片面の内側電
極19bと内側電極20bとが互いに電気的に導通状態
になるよう接着されることにより貼り合わせられてお
り、外側電極19a、20aは互いに反対側の表面に向
いている。この状態で、一方の圧電セラミクス17の内
側電極20bの一部が前記切欠部23から外側に露出し
ている。
【0027】図3(b)に示されたように、それぞれの
圧電セラミクス16、17の外側電極19aと20a
は、半田や導電ペースト等を使用して形成された導体2
5により互いに電気的に接続されるとともに、内側電極
19b、20bと前記導体25とは絶縁されている。ま
た、図3(a)に示されたように、圧電セラミクス16
の外側電極19aには、リード線22aが接続されると
共に、前記切欠部23から露出した圧電セラミクス17
の内側電極20bはリード線22bが接続される。この
リード線22a、22bは、例えば絶縁被覆導線からな
り、前記圧電セラミクス16の外側電極19aと圧電セ
ラミクス17の内側電極20bにそれぞれ半田付けある
いは導電性接着剤等の手段で接続されている。
【0028】前記の圧電振動体18を収納し、支持する
ためのケース本体11は、円形のトレイ状に形成された
もので、周壁13の内側に空間部を有する。周壁13の
内径は、前記の圧電振動体18を構成する圧電セラミク
ス16、17の径と同等もしくはやや大きいことが好ま
しい。
【0029】ケース本体11の前記周壁13に囲まれた
前面壁12の中央には、制動効果を有する放音孔15が
形成されている。この放音孔15は単なる通孔からなる
が、放音孔15の内側に、その開口部を塞ぐようにテト
ロン製等のメッシュからなるダンパ布等を張ってもよ
い。例えば、15〜20mmφ前後の圧電振動体18を
用いる場合、ケース本体11の前面壁12の中央部に1
〜2mmφ程の放音孔15を設け、ここに#380程度
のテトロン製等のメッシュ製のダンパ布を張ることもあ
る。
【0030】このようなケース本体11は、例えば、樹
脂を射出成型することにより作ることができる。そし
て、このようなケース本体11は音響箱としての機能を
有し、その形状、壁厚、前記制動効果を有する放音孔1
5は、最適な音響効果を生じるよう設計される。
【0031】図2及び図3に示すように、ケース本体1
1の周壁13の上にシリコーン系等の弾性接着剤24が
塗布されている。この接着剤24は、ケース本体11の
周壁13より内側に迫り出すように塗布されている。こ
の接着剤24のケース本体11の周壁13の内側に迫り
出した内周部分に、前記圧電振動体18の周辺部を貼り
付け、圧電振動体18の周辺部をケース本体11の周壁
13に支持している。また、前記リード線22a、22
bの先端側は、ケース本体11の外側に引き出されてい
る。
【0032】図4に前記のようにして、弾性接着剤24
により、ケース本体11の周壁13に圧電振動体18の
周辺部を貼り付けるための治具の一部を示す。図4に示
すように、治具は素子保持板71とケース保持板72と
を有し、それらは位置決めピン76とピン孔77との嵌
合により、所定の位置関係で重ね合わせられる。
【0033】素子保持板71の上面は、フッ素系樹脂等
をコーティングする等の手段により、表面に離型性が付
与されており、この上面の所定の位置に圧電振動体18
を収納し、保持することができる浅い凹部からなる素子
保持部74が設けられている。他方、この素子保持部7
4と対応するケース保持板72の下面には、ケース11
を収納し、保持することができる凹状のケース収納部7
5が設けられている。
【0034】まず、前記素子保持板71の素子保持部7
4の中に圧電振動体18を収納する。その後、この圧電
振動体18の縁部と素子保持部74の外側にわたってシ
リコーン系等の弾性接着剤24をスクリーン印刷する。
他方、ケース11の開口部を外側にしてケース保持板7
2のケース保持部75にケース11を収納して保持す
る。そしてこのケース保持部75を下向きにして、前記
のピン76とピン孔77との嵌合により、位置決めしな
がら前記素子保持板71とケース保持板72とを重ね合
わせる。この状態で素子保持板71とケース保持板72
とを押さえながら、加熱し、弾性接着剤24を加熱、硬
化させる。その後、素子保持板71とケース保持板72
とを分離し、ケース保持板72のケース保持部75から
圧電振動体18が接着されたケース11を取り出す。こ
れにより、ケース11への圧電振動体18の取り付けが
完了する。
【0035】なお、図4では、1組のケース11と圧電
振動体18を示しているが、素子保持板71とケース保
持板72とからなる治具は、多数組のケース11と圧電
振動体18を同時に接着できるように、素子保持部74
とケース保持部75とがそれぞれ多数配置されている。
【0036】このようにして組み立てられた圧電音響装
置は、図2に示すようにして、携帯通信端末器のハウジ
ング61の音通部62に取り付けられる。図2は、ハウ
ジング61の音通部62を示しており、図示の音通部3
2には、複数の小孔からなる音通孔63が設けられてい
る。
【0037】まず、ハウジング61の内面の音通部62
を囲むようにその周囲にリング状の両面接着シート等の
接着部材64の片面を貼る。さらに、この接着部材64
がケース本体11の前面壁12の制動効果を有する放音
孔15を囲むように、同前面壁12の制動効果を有する
放音孔15の周囲の部分を前記接着部材64の他方の接
着面に貼り付ける。これにより、圧電振動体18がハウ
ジング61の内側に向いた状態、つまりケース本体11
の前面壁12がハウジング61の音通部62側に向いた
状態で圧電音響装置が同ハウジング61に取り付けられ
る。この状態で、圧電振動体18の外側電極19a、2
0aと内側電極19b、20bにそれぞれ接続されたリ
ード線22a、22bは、ハウジング61内に設けられ
た図示してないプリント配線基板上の回路パターンに半
田付けされる。
【0038】プリント配線基板に形成された電子回路か
ら前記のリード線22a、22bを介して圧電振動体1
8の内側電極19b、20bと外側電極19a、20a
との間に信号電圧を印加することにより、圧電振動体1
8を構成する圧電セラミクス16、17が振動し、音を
発する。
【0039】図5と図6は、本発明の他の実施形態によ
る圧電音響装置の例を示したものであり、特に切欠部2
3’の形状が前述の実施形態のものと異なっている。前
述の例では、切欠部23は、一方の圧電セラミクス16
の周辺部の一部に設けた直線状のものであるが、図5と
図6に示した実施例では、圧電セラミクス16の周辺部
の一部からU字形に入り込んだ切欠部23’が形成され
ている。この場合もまた、圧電セラミクス16、17
を、その内側電極19bと20bを互いに接着すること
で貼り合わせられた状態で、一方の圧電セラミクス17
の内側電極20bの一部が前記切欠部23’から外側に
露出される。一方の圧電セラミクス17の内側電極20
bの前記切欠部23’から外側に露出した部分にリード
線22bを接続する。他の構成は、前述の図1〜図3に
示した実施例と同様である。
【0040】図7は、前述のφ15、厚さ0.1mmの
圧電セラミクス16、17を貼り合わせた図1に示すよ
うな圧電振動体18を使用し、これを前述のような図1
に示すようなケース本体11に組み込み、このケース本
体11を図2と図3に示すようにハウジングに組み付
け、音声周波数と音圧レベルとの関係を測定したグラフ
である。圧電振動体18に交流信号を印加すると共に、
ハウジング61の音通部62に人工耳(IEC318)
を当て、この人工耳を介して発生する音圧レベル(d
B)を測定した。圧電振動体18の内側電極19b、2
0bと外側電極19a、20aとの間に印加する交流信
号の周波数を概ね0.1〜10KHzの範囲で変えて音
圧レベルを測定し、音声周波数−音圧レベル特性を測定
している。このグラフから明らかなように、本発明によ
る圧電音響装置とそれを使用した携帯電話では、0.3
〜3KHzの周波数帯域で概ね均等で安定した発音が得
られている。
【0041】次に、図8と図9に示された実施形態によ
る圧電音響装置について説明する。図8に示した例で
は、外側電極19a、20aの外周側部分を、圧電セラ
ミクス16、17の周面を通して圧電セラミクス16、
17の内側に回り込ませ、この部分を内側電極19b、
20bと同時に貼り付け、接続したものである。また、
図9に示した例では、外側電極19a、20aの外周側
部分を、圧電セラミクス16、17の周面に通すことな
く、圧電セラミクス16、17の外周近くに貫通して形
成したスルーホール導体26、27を通して圧電セラミ
クス16、17の内側に回り込ませたものである。それ
以外は、図8の例と同じである。
【0042】これらの実施形態による圧電音響装置で
は、外側電極19a、20aの接続を内側電極19b、
20bの貼り付けと同時に行えるため、図3(b)に示
すような導体25を用いた外側電極19a、20aの接
続手段に比べて、製造工程をより簡略化することができ
る。
【0043】次に、図10に示された実施形態による圧
電音響装置について説明すると、この例では、外側電極
19a、20aを、圧電セラミクス16、17の中心付
近に貫通して形成したスルーホール導体28、29を通
して圧電セラミクス16、17の内側に回り込ませ、こ
の部分を内側電極19b、20bと同時に貼り付け、接
続したものである。また、内側電極19b、20bの外
周側部分を、圧電セラミクス16、17の外周近くに貫
通して形成したスルーホール導体26、27を通して圧
電セラミクス16、17の外側に回り込ませている。
【0044】この例では、図10(a)に示すように、
一方の内側電極19bのスルーホール導体26を通して
圧電セラミクス16の外側に回り込ませた部分でリード
線22bとの接続ができる。このため、圧電セラミクス
16、17は、同じ形状で、且つ内側電極19b、20
b及び外側電極19a、20aが同じ形状のものを使用
することができる。これにより、部品の共通化が可能と
なり、また2つの圧電セラミクス16、17の中心回り
の角度の位置合わせ等が不要となる等、生産効率がよ
い。
【0045】なお、この例の場合に、圧電セラミクス1
6、17のそれぞれの内側電極19b、20bの圧電セ
ラミクス16、17の外側への回り込みは、スルーホー
ル導体26、27によらず、図8に示した例と同様にし
て、圧電セラミクス16、17の周面を通して圧電セラ
ミクス16、17の外側に回り込むよう形成することも
できる。
【0046】次に、図11に示された実施形態による圧
電音響装置について説明すると、この例では、一方の圧
電セラミクス16の内側電極19bの外周側部分を、圧
電セラミクス16の周面を通して圧電セラミクス16の
外側に回り込ませている。この例でも、図10に示され
た圧電音響装置と同様に、一方の内側電極19bの外周
側部分を圧電セラミクス16の周面を通して圧電セラミ
クス16の外側に回り込ませた部分でリード線22bと
の接続ができる。このため、同じ形状の圧電セラミクス
16、17を使用することができる。但し、それぞれの
圧電セラミクス16、17の内側電極19b、20bや
外側電極19a、20aの形状は若干異なる。
【0047】なお、この例の場合に、圧電セラミクス1
6の内側電極19bの圧電セラミクス16の外側への回
り込みは、圧電セラミクス16の周面を通して圧電セラ
ミクス16の外側に回り込むよう形成することなく、図
10(a)に示したのと同様に、スルーホール導体によ
り形成することもできる。
【0048】また、2つの圧電セラミクス16、17の
外側電極19a、20aの接続は、図3(b)に示すよ
うな半田や導体膜等の導体25を使用したもの、図8に
示したような、圧電セラミクス16、17の外周を通し
てその内側回り込ませた部分を貼り合わせたもの、或い
は図9で示したような、圧電セラミクス16、17の外
周付近のスルーホール導体26、27を通してその内側
回り込ませた部分を貼り合わせたもの等、適宜の手段を
使用することができる。
【0049】次に、図12及び図13で示した実施形態
による圧電振動体とそれを使用した圧電音響装置につい
て説明すると、この例では、圧電振動体18の2層の圧
電セラミクス16、17を一体に貼り合わせると共に、
その間に内側電極19b、20bを形成している。ま
た、それぞれの圧電セラミクス16、17の表面側に
は、外側電極19a、20aがそれぞれ形成されてい
る。これらは同時焼成することにより作ることができ
る。
【0050】図12及び図13(a)に示されたよう
に、圧電セラミクス16の表面側に形成された外側電極
19aは、圧電セラミクス16の表面の外周縁部分を除
いて形成された金属膜からなる。また、この圧電セラミ
クス16の表面の外周縁に近い部分には、リード線22
bを半田付けするための外側電極19a’が形成され、
この半田付け用の外側電極19a’と前記外側電極19
aとは互いに分離されて絶縁されている。
【0051】他方の圧電セラミクス17の表面側に形成
された外側電極20aは、やはり圧電セラミクス17の
表面の外周縁部分を除いて形成された金属膜からなる。
但し、この圧電セラミクス17の表面側には、前述のよ
うな半田付け用の外側電極は形成されていない。
【0052】図12及び図13(b)に示されたよう
に、圧電セラミクス16、17の間に形成した内側電極
19bと内側電極20bは、圧電セラミクス16、17
の間の同じ層に形成された導体膜からなっている。一方
の内側電極19bは、圧電セラミクス16、17の外周
縁部分を除くそれらの間のほぼ全面にわたって形成され
ている。この内側電極19bの中には、一部導体膜が存
在しない部分があり、この中に他方の内側電極20bが
分離され、絶縁された状態で形成されている。
【0053】前記圧電セラミクス16の表面に形成され
た半田付け用の外側電極19a’は、圧電セラミクス1
6を貫通するように形成されたスルーホール導体26’
を介して圧電セラミクス16、17の間の内側電極19
bに導通している。また、前記圧電セラミクス16、1
7の間に形成された一方の内側電極20bは、スルーホ
ール導体27’を介して圧電セラミクス17の表面に形
成された外側電極20aに導通している。さらに、この
圧電セラミクス16、17の間に形成された一方の内側
電極20bから圧電セラミクス16の表面にわたってオ
ープンスルーホール30が形成されている。
【0054】この状態において、前記外側電極19a、
19a’間および19a’20aの間にそれぞれあるい
は外側電極19a、20a間に一括して電圧を印加し、
圧電セラミクス16を内側電極19bから外側電極19
aに向けて、また圧電セラミクス17を、外側電極20
aから内側電極20bに向けて分極するか、或いはその
逆に圧電セラミクス16を外側電極19aから内側電極
19bに向けてまた、圧電セラミクス17を内部電極2
0bから外側電極20aに向けて分極することができ
る。
【0055】次に、圧電セラミクス16の表面の外側電
極19aのオープンスルーホール30の周囲の部分にリ
ード線22aが半田付けあるいは導電性接着剤により接
続される。このリード線22aを接続する半田あるいは
導電性接着剤は、オープンスルーホール30の中に充填
され、圧電セラミクス16の表面の外側電極19aと圧
電セラミクス16、17の間の内側電極20bとを導通
している。この結果、圧電セラミクス16の表面の外側
電極19aと圧電セラミクス17の表面の外側電極20
aとは、前記半田あるいは導電性接着剤、内側電極20
b及びスルーホール導体27’を介して互いに導通され
る。さらに、圧電セラミクス16の表面の外側電極19
a’に他方のリード線22bが半田付けあるいは導電性
接着剤により接続される。この圧電振動体18のケース
11への取付構造は、図11及びそれより前の図面に示
した圧電音響装置と同じである。
【0056】図14と図15は、圧電振動板18の他の
例を示すものであり、この例では、バイモルフ型の圧電
振動板18が圧電セラミクス16、17の積層体からな
っている。図14は、積層及び焼成前の圧電セラミクス
16、17とその電極パターンの例を示す。実際には、
図14に示すように、1個単位で圧電振動板18が積層
される訳では無く、平面方向に多数個取りの集合体シー
ト単位で扱われるのが効率的であるが、説明の便宜上、
圧電振動板18の1個分を示した。
【0057】図14に示すように、積層前の未焼成の一
方の圧電セラミクス116は、薄層円板状のものであ
り、導電ペーストにより、図14において上側の主面に
外側電極119aが印刷され、その下側の主面に内側電
極119bが印刷されている。さらに、これらの外側電
極119aと内側電極119bとが印刷されるのと同時
に、圧電セラミクス116に予め穿孔されたスルーホー
ルに導体が充填され、スルーホール導体130aと13
0bが形成されている。一方のスルーホール導体130
aは、外側電極119aとは離間され、絶縁されてお
り、内側電極119bとのみ導通している。また、他方
のスルーホール導体130bは、内側電極119bとは
離間され、絶縁されており、外側電極119aとのみ導
通している。
【0058】積層前の未焼成の他方の圧電セラミクス1
17は、前記圧電セラミクス116と同様の薄板円板状
のものであり、導電ペーストにより、図14において上
側の主面に内側電極120bが印刷され、その下側の主
面に外側電極120aが印刷されている。さらに、これ
らの外側電極120aと内側電極120bとが印刷され
るのと同時に、圧電セラミクス117に予め穿孔された
スルーホールに導体が充填され、スルーホール導体12
7が形成されている。このスルーホール導体131は、
内側電極120bとは離間され、絶縁されており、外側
電極120aとのみ導通している。
【0059】これらの未焼成の圧電セラミクス116、
117は、それらの内側電極119b、120bが互い
に向かい合わせられた状態で積層され、圧着される。そ
の後、この積層体が焼成されると同時に、外側電極11
9a、120a、内側電極119b、120bが焼き付
けられ、図15に示すように、それぞれ外側電極19
a、20a、内側電極19b、20bとなる。このと
き、内側電極19b、20bは一体化される。また、圧
電セラミクス116側のスルーホール導体130bは、
圧電セラミクス117側のスルーホール導体131と導
通し、スルーホール導体30b、31として連なる。
【0060】その後、図15に示すように、焼成された
圧電セラミクス16の外側電極19aと、それから分離
したスルーホール導体30aのランド部分とにそれぞれ
リード線が半田付けあるいは導電性接着剤で接続され
る。そして、外側電極19a、内側電極19b間、およ
び内側電極20b外側電極20a間にそれぞれ、あるい
は外側電極19a、20a間に一括して直流電圧を印加
しながら、圧電セラミクス16、17を分極する。従っ
て、圧電セラミクス16、17の分極方向は、圧電セラ
ミクス16は内側電極19bから外側電極19aに向け
て、圧電セラミクス17は外側電極20aから内側電極
20bに向けて、あるいはそれぞれその逆方向となる。
次に、スルーホール導体31のランド部分と圧電セラミ
クス17の下面側の外側電極20aとの接続のため、こ
の部分に半田32あるいは導電性接着剤を盛る。
【0061】図16と図17に示した圧電振動体18
は、圧電セラミクス16、17の外側電極19a、20
aの接続と内側電極19b、20bの引出導体の構造を
若干変えた変形例である。圧電セラミクス16の上面の
外側電極19aと圧電セラミクス17の下面の外側電極
20aとは、圧電セラミクス16、17のほぼ中心部を
貫通するスルーホール導体30b、31により接続され
ている。また、リード線接続のため、内側電極19b、
20bの圧電セラミクス16の上面への引き出しは、ス
ルーホール導体30bの近くで圧電セラミクス16を貫
通するように設けたスルーホール導体30aにより行
う。その他の構成は、図14、図15に示した圧電振動
体18と同様であり、同じ部分は同じ符号で示した。
【0062】図17(a)は、この圧電振動体18を分
極する時の接続状態を示す。実線で示すように直流電圧
を印加し、各圧電セラミクス16、17を分極する。ま
た、図17(b)は分極後の使用状態の接続を示し、接
続用の半田32あるいは導電性接着剤等によりコンタク
トをとるとともに、その一部で駆動回路に接続する。
【0063】図18に示した圧電振動体18は、図14
及び図15に示された圧電振動体18に対し、リード線
接続のため、内側電極19b、20bの圧電セラミクス
16の上面への引出部分の位置を若干変えた変形例であ
る。すなわち、リード線接続のため、スルーホール導体
30aによる内側電極19b、20bの圧電セラミクス
16の上面への引出位置を、圧電セラミクス16の外周
近くに配置している。その他の構成は、図14、図15
に示した圧電振動体18と同様であり、同じ部分は同じ
符号で示した。
【0064】図19に示した圧電振動体18は、図18
に示された圧電振動体18に対し、双方の圧電セラミク
ス16、17の両側の外側電極19a、20aの接続を
行う半田32あるいは導電性接着剤を、圧電セラミクス
16の上面側へ移動しただけの変形例である。その他の
構成は、図18に示した圧電振動体18と同様であり、
同じ部分は同じ符号で示した。
【0065】図20は、いわばバイモルフ型の2層の圧
電セラミクス16、17からなる積層体を背中合わせに
積層または貼り合わせた構造のものである。中央の内側
電極19c、20cは、その両側の2層の圧電セラミク
ス16a、16b、17a、17bをそれぞれ貫通する
スルーホール導体33a、33bにより、圧電セラミク
ス16a、17aの表面の外側電極19a、20aと分
離された状態で、それらの圧電セラミクス16a、17
aの表面に導出されている。またその外側の内側電極1
9b、20bは、それぞれ3層の圧電セラミクス16
a、16b、17b或いは圧電セラミクス16b、17
a、17bを貫通するスルーホール導体34a、34b
を介して互いに反対側の圧電セラミクス16a、17a
の表面の外側電極19a、20aと分離された状態で、
それらの圧電セラミクス16a、17aの表面に導出さ
れている。また、このうち片側の内側電極20bは、ス
ルーホール導体35bを介して一方の圧電セラミクス1
7aの表面の外側電極20aと分離された状態で、その
圧電セラミクス17aの表面に導出されている。
【0066】図20(a)は、この圧電振動体18を分
極する時の接続状態を示し、点線で示すように各電極を
接続した状態で、実線で示すように直流電圧を印加し、
各圧電セラミクス16a、16b、17a、17bを分
極する。また、図20(b)は分極後の使用状態の接続
を示し、接続用の半田32あるいは導電性接着剤等によ
りコンタクトをとるとともに、その一部で駆動回路に接
続する。
【0067】図21は、前記のような圧電振動体18
と、これを収納するケース本体11を示す斜視図であ
り、図22は、ケース本体11を示す平面図である。ケ
ース本体11は、円板形であり、その周辺部から円形リ
ブ状の周壁13が立設されている。この周壁13の内径
は、圧電振動体18の径より僅かに大きい。この周壁1
3の内周の3カ所からは、周壁13の中心に向けて平面
三角形状の高さ位置決め用の突起41が突設されてい
る。周壁13の中心の底壁には放音孔15が穿孔されて
いる。
【0068】前記ケース本体11の周壁13の前記位置
決め突起41のうち、2カ所の位置決め突起41の外側
位置から、垂直に径方向位置決め用のガイド部材42が
起立している。このガイド部材42は、柱状のもので、
その平面形状は五角形であり、その内側の峰は、平面上
で周壁13の内周と外接する。前記ケース本体11の周
壁13の側方に台形状の端子取付部51が突設され、こ
の端子取付部51の上面中央に壁状の仕切44が立設さ
れ、その両側に円柱状の端子取付突起43が立設されて
いる。
【0069】なお、このケース本体11には蓋体が付属
するが、その説明は後述する。このようなケース本体1
1と前記のような圧電振動体18を使用し、圧電音響装
置を組み立てる手順について図23により説明する。ま
ず、図23(a)に示すように、ケース本体11の周壁
13の特に内側に沿ってシリコーン接着剤等の弾性接着
剤24を塗布する。
【0070】次に、図23(a)に示すように、このケ
ース本体11に向けて前記のような圧電振動体18を向
かい合わせるよう配置し、位置決めする。このとき、圧
電振動体18の周辺を前記柱状のガイド部材42の内側
の峰の部分に当てる。ガイド部材42は2本起立してい
るが、この2本のガイド部材42の峰に圧電振動体18
の周辺を押し当てるようにする。そうすると、圧電振動
体18の径方向が位置合わせされ、同圧電振動体18の
周辺部は丁度ケース本体11の周壁13の内面の内側に
位置するようになる。
【0071】このようにして、圧電振動体18の周辺を
前記柱状のガイド部材42の内側の峰の部分に当てた状
態で、このガイド部材42に沿って圧電振動体18を下
げていき、図23(b)に示すように、圧電振動体18
の周辺部分の一部がケース本体11の周壁13の内周の
位置決め突起41にほぼ当たる位置まで下降させる。こ
れにより、圧電振動体18は位置決め突起41によりそ
の高さ方向の位置が規制されて停止されると共に、圧電
振動体18の周辺部が弾性接着剤24に接触させられ
る。これにより、圧電振動体18の周辺部が弾性接着剤
24を介してケース本体11の周壁13に接着される。
この状態で、圧電振動体18の周辺部は、その一部が3
カ所の位置決め突起41に乗るが、同圧電振動体18の
周辺部は、ケース本体11の周壁13の内側にあり、周
壁13からやや離れた状態で弾性接着剤24により支持
される。
【0072】その後、図23(c)で示すように、前記
のガイド部材42を、その基部から折損し、ケース本体
11からガイド部材42を取り除く。図24と図25
は、ケース本体11の端子取付部51に一対の端子45
を取り付け、ケース本体11の周壁13の外側に蓋体4
6を被せて圧電音響装置が完成した状態を示す。
【0073】一対の端子45は、端子取付突起43を利
用し、端子取付部51に取り付けられ、端子取付突起4
3により熱融着される。この状態で、圧電振動体18の
リード線を接続する。また、蓋体46は、ケース本体1
1の周壁13の外側に嵌合され、粘性が小さな嫌気性接
着剤等で接着、固定される。図示の蓋体46には、その
上面に孔47が穿孔されている。
【0074】図26は、圧電振動体18の周辺部がケー
ス本体11の周壁13に弾性接着剤24を介して支持さ
れた状態を示す。これらの図のように、圧電振動体18
の周辺部は、ケース本体11の周壁13から離れた状態
で、その周壁13の内側に塗布された弾性接着剤24に
接着されている。この状態では、シム材を有しない圧電
振動体18の周辺部がケース本体11の周壁13に強い
拘束を受けず、或る程度自由に振動できるため、実用周
波数帯域で、全体として高い音圧レベルが得られる。
【0075】図26(a)は、シリコーン接着剤等の一
般的な弾性接着剤24を使用して圧電振動体18の周辺
部がケース本体11の周壁13に支持されたものであ
る。これに対し、図26(b)は、シリコーン接着剤等
の中に、平均粒径50μm〜1000μm程度の球状粒
子を含有させた弾性接着剤24’を使用して圧電振動体
18の周辺部がケース本体11の周壁13に支持された
ものである。この球状粒子は、金属粉、セラミック粉、
樹脂粉等からなる粒子であり、真球状もしくは正多角形
状等が好ましく、これがスペーサとして作用する。これ
により、振動板の厚み方向の支持をより高精度で行うこ
とができ、音圧ばらつきを抑制することができる。
【0076】図27は、前述のφ15の圧電セラミクス
16、17の積層体からなる図14、図15に示すよう
な圧電振動体18を使用し、これを前述のような図2
1、図22に示すようなケース本体11に組み込み、音
声周波数と音圧レベルとの関係を測定したグラフであ
る。圧電振動体18に交流信号を印加すると共に、ハウ
ジング61の音通部62に人工耳(IEC318)を当
て、この人工耳を介して発生する音圧レベル(dB)を
測定した。圧電振動体18の内側電極19b、20bと
外側電極19a、20aとの間に印加する交流信号の周
波数を概ね0.1〜10KHzの範囲で変えて音圧レベ
ルを測定し、音声周波数−音圧レベル特性を測定してい
る。
【0077】このグラフから明らかなように、本発明に
よる圧電音響装置とそれを使用した携帯電話では、0.
3〜3KHzの周波数帯域で概ね均等で安定した発音が
得られている。また、音声周波数0.7KHz付近で、
130dBに近い極めて高い音圧レベルを得ていること
が分かる。
【0078】図28は、前記ケース本体11とその蓋体
46の内面に前記圧電振動体18の過剰変位を制限する
突起49を設けた例である。この例では、圧電振動体1
8に過度の電圧が印加された際に、その過剰変位による
圧電発音体18の破損を防止することができる。
【0079】図29は、ケース本体11の内面に変形を
防止する補強リブ50を設けた例である。ケース本体1
1にこのような補強リブ50を設けると、ケース本体1
1の剛性が増すことから、圧電振動体18の振動時のケ
ース本体11の歪みが防止され、圧電振動板18の湾曲
による変位容積が排気体積に変換される効率が低下する
のが抑制され、良好な音圧特性が得られる。この補強リ
ブ50に前記のような圧電振動体18の過剰変位を制限
する突起49としての機能を持たせることもできる。
【0080】図30〜図33は、圧電振動体18を組み
込む前のケース本体11のさらに他の例を示すものであ
る。図30で示したケース本体11は、位置決め突起4
1の先端平面形状が丸くなったものである。図31で示
したケース本体11は、位置決め突起41とガイド部材
42とがケース本体11の中心の回りに60゜ずれた位
置に配置されたものである。図32で示したケース本体
11は、ガイド部材42が3カ所に取り付けられ、位置
決め突起41とガイド部材42とがケース本体11の径
方向の対応する位置に配置されたたものである。さら
に、図33に示したケース本体11は、ガイド部材42
が3カ所に取り付けられ、位置決め突起41とガイド部
材42とがケース本体11の中心の回りに60゜ずれた
位置に配置されたものである。また、このケース本体1
1の例では、端子取付部51の形状も異なっている。
【0081】図34は、前記のケース本体11の周壁1
3と位置決め用の突起41との部分の要部拡大断面図で
ある。ここで示すように、位置決め用の突起41は、ケ
ース本体11の外側から中心にいくに従って上面が低く
なるような勾配が設けられている。前記のような圧電振
動体18は金属振動板が無いため、前述のように、焼き
上がりのセラミックス素子がそのままケース本体11に
シリコン接着材等で固定される。焼き上がりの素子は、
打ち抜き加工の金属板に比べて寸法公差が大きいので、
位置決め突起41の寸法をケース本体11の径方向に大
きく取る必要がある。しかしこの寸法を大くとると、圧
電音響装置の音圧特性等に悪影響をもたらす。その悪影
響を軽減するために、位置決め突起41に前記のような
勾配を形成することで、圧電振動体11の変位運動をし
やすくすることができる。この傾斜角度は、作業性と特
牲の兼ね合いで最適な数値が決定されるが、5゜以内程
度が好ましい。
【0082】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明による圧電振
動体とこれを使用した圧電音響装置では、金属板状のシ
ム材を使用しないで圧電振動体18を用いることによ
り、小形の圧電振動体及び圧電音響装置を容易に製造す
ることができる。また、小形でも良好な周波数−音圧特
性を有する圧電音響装置が得られ、携帯電話等の小形携
帯端末器の小形化に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による圧電音響装置の例を示
す分解斜視図である。
【図2】同圧電音響装置を携帯通信端末器のハウジング
に取り付けた状態を示す縦断側面図である。
【図3】同圧電音響装置を携帯通信端末器のハウジング
に取り付けた状態を示すリード線接続側とその反対側の
要部拡大縦断側面図である。
【図4】同圧電音響装置のケースに圧電振動体を貼り付
ける行程を示す治具の要部拡大縦断側面図である。
【図5】本発明による圧電音響装置の他の例を示す分解
斜視図である。
【図6】同圧電音響装置を携帯通信端末器のハウジング
に取り付けた状態を示す要部拡大縦断側面図である。
【図7】本発明による圧電音響装置を携帯通信端末器の
ハウジングに取り付けた状態で測定した音声周波数−音
圧レベルの例を示すグラフである。
【図8】本発明の他の実施形態による圧電音響装置を携
帯通信端末器のハウジングに取り付けた状態を示すリー
ド線接続側の反対側の要部拡大縦断側面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態による圧電音響装
置を携帯通信端末器のハウジングに取り付けた状態を示
すリード線接続側の反対側の要部拡大縦断側面図であ
る。
【図10】本発明のさらに他の実施形態による圧電音響
装置を携帯通信端末器のハウジングに取り付けた状態を
示すリード線接続側とその反対側の要部拡大縦断側面図
である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態による圧電音響
装置を携帯通信端末器のハウジングに取り付けた状態を
示すリード線接続側の要部拡大縦断側面図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態による圧電音響
装置を携帯通信端末器のハウジングに取り付けた状態を
一部省略した示す要部拡大縦断側面図である。
【図13】図12のA−A線及びB−B線要部矢視図で
ある。
【図14】本発明の実施形態による圧電音響装置に使用
する圧電振動体の他の例を示す圧電セラミクスの積層前
の分解斜視図である。
【図15】同圧電振動体の圧電セラミクスを積層し、焼
成した後の縦断側面図である。
【図16】本発明の実施形態による圧電音響装置に使用
する圧電振動体の他の例を示す圧電セラミクスの積層前
の分解斜視図である。
【図17】同圧圧電振動体の圧電セラミクスを積層し、
焼成した後の縦断側面図である。
【図18】本発明の実施形態による圧電音響装置に使用
する圧電振動体の他の例を示す縦断側面図である。
【図19】本発明の実施形態による圧電音響装置に使用
する圧電振動体の他の例を示す縦断側面図である。
【図20】本発明の実施形態による圧電音響装置に使用
する圧電振動体の他の例を示す分極時と使用時の縦断側
面図である。
【図21】本発明の実施形態による圧電音響装置に使用
するケース本体と圧電振動体との分解斜視図である。
【図22】本発明の実施形態による圧電音響装置に使用
するケース本体の平面図である。
【図23】同ケース本体に圧電振動体を組み込む手順を
示す一部縦断側面図である。
【図24】同ケース本体に圧電振動体を組み込み、圧電
音響装置として完成した状態の一部縦断側面図である。
【図25】同ケース本体に圧電振動体を組み込み、圧電
音響装置として完成した状態の平面図である。
【図26】同ケース本体に圧電振動体を組み込んだとき
の圧電振動体の周辺部の支持状態を示す要部縦断側面図
である。
【図27】本発明による圧電音響装置を携帯通信端末器
のハウジングに取り付けた状態で測定した音声周波数−
音圧レベルの例を示すグラフである。
【図28】ケース本体に圧電振動体を組み込み、圧電音
響装置として完成した状態の他の例を示す平面図であ
る。
【図29】本発明の実施形態による圧電音響装置に使用
する他の例のケース本体と圧電振動体との分解斜視図で
ある。
【図30】本発明の実施形態による圧電音響装置に使用
するケース本体の他の例を示す平面図である。
【図31】本発明の実施形態による圧電音響装置に使用
するケース本体のさらに他の例を示す平面図である。
【図32】本発明の実施形態による圧電音響装置に使用
するケース本体のさらに他の例を示す平面図である。
【図33】本発明の実施形態による圧電音響装置に使用
するケース本体のさらに他の例を示す平面図である。
【図34】前記のケース本体の周壁と位置決め用の突起
の部分の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
11 ケース本体 13 ケース本体の周壁 16 圧電セラミクス 17 圧電セラミクス 18 圧電振動体 19a 外側電極 19b 内側電極 20a 外側電極 20b 内側電極 22a リード線 22b リード線 23 切欠部 23’ 切欠部 24 弾性接着剤 24’ 球状粒子を含有させた弾性接着剤 41 位置決め突起 42 ガイド部材 46 蓋体 49 突起 50 補強リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 41/22 H01L 41/22 Z (72)発明者 高橋 憲司 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 Fターム(参考) 5D004 AA01 AA02 AA09 AA14 BB01 CC04 DD01 FF02 FF06 FF08 5D019 AA07 AA14 AA21 AA25 BB02 BB09 BB13 BB20 EE04 GG11 HH03

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極へ信号電圧を印加することにより振
    動し、音を発する圧電振動体において、厚さ方向に分極
    された一対の板状の圧電セラミクス(16)、(17)
    と、この圧電セラミクス(16)、(17)の両面にそ
    れぞれ形成された導体膜からなる内側電極(19b)、
    (20b)及び外側電極(19a)、(20a)とを有
    し、前記圧電セラミクス(16)、(17)は分極方向
    が互いに逆方向すなわち、一方の圧電セラミクスが内側
    電極から外側電極へ分極されるときは、他方の圧電セラ
    ミクスが外側電極から内側電極に分極され、それらの片
    面の内側電極(19b)、(20b)が互いに電気的に
    導通状態になるよう貼り合わされており、外側電極(1
    9a)、(20a)は互いに導通されていることを特徴
    とする圧電振動体。
  2. 【請求項2】 互いに導通されている一対の圧電セラミ
    クス(16)、(17)の内側電極(19b)、(20
    b)と外側電極(19a)、(20a)とにそれぞれ信
    号電圧を印加するリード部材が接続されていることを特
    徴とする請求項1に記載の圧電振動体。
  3. 【請求項3】 一方の圧電セラミクス(16)は切欠部
    (23)、(23’)を有し、一対の圧電セラミクス
    (16)、(17)が貼り合わせられた状態で、前記切
    欠部(23)、(23’)で他方の圧電セラミクス(1
    7)の内側電極(20b)が露出されていることを特徴
    とする請求項1または2に記載の圧電振動体。
  4. 【請求項4】 切欠部(23)、(23’)により露出
    された一方の圧電セラミクス(17)の内側電極(20
    b)にリード部材が接続されていることを特徴とする請
    求項3に記載の圧電振動体。
  5. 【請求項5】 圧電セラミクス(16)、(17)の外
    側電極(19a)、(20a)が圧電セラミクス(1
    6)、(17)の内側の一部に回り込んでおり、この回
    り込んだ部分が内側電極(19b)、(20b)と同様
    に、互いに電気的に導通状態になるよう貼り合わされて
    いることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電振
    動体。
  6. 【請求項6】 少なくとも一方の圧電セラミクス(1
    6)の内側電極(19b)が圧電セラミクス(16)の
    外側の一部に回り込んでおり、この回り込んだ部分でリ
    ード部材が接続されていることを特徴とする請求項1、
    2または5に記載の圧電振動体。
  7. 【請求項7】 音響箱としてのケース本体(11)と、
    このケース本体(11)内に収納された圧電振動体(1
    8)とを有する圧電音響装置において、前記請求項1〜
    6の何れかに記載された圧電振動体(18)を使用し、
    この圧電振動体(18)の周辺部を弾性接着剤(24)
    でケース本体(11)の周壁(13)に接着したことを
    特徴とする圧電音響装置。
  8. 【請求項8】 圧電振動体(18)の周辺部は、ケース
    本体(11)の周壁(13)の内側に迫り出すように設
    けられた弾性接着剤(24)を介してケース本体(1
    1)の周壁(13)に支持されていることを特徴とする
    請求項7に記載の圧電音響装置。
  9. 【請求項9】 ケ―ス内に音響室の壁部を構成するよう
    に圧電振動体(18)が収容された圧電音響装置におい
    て、前記圧電振動体(18)はシム材を介さず、板状の
    圧電セラミクス(16)、(17)が積層された並列バ
    イモルフ型の圧電振動体であると共に、この圧電振動体
    (18)の周辺部がケ―ス本体(11)の側壁(13)
    に接触しないように周辺支持されていることを特徴とす
    る圧電音響装置。
  10. 【請求項10】 圧電振動体(18)は、内側電極(1
    9b)、(20b)を挟んで上下に圧電セラミクス(1
    6)、(17)が積層されており、これら圧電セラミク
    ス(16)、(17)の外主面に外側電極(19a)、
    (20a)が形成されていることを特徴とする請求項9
    に記載の圧電音響装置。
  11. 【請求項11】 圧電振動体(18)は、内側電極(1
    9b)、(20b)を挟んで圧電セラミクス(16)、
    (17)が3層以上積層されていることを特徴とする請
    求項10に記載の圧電音響装置。
  12. 【請求項12】 圧電振動体(18)は、外側主面にそ
    れぞれ外側電極(19a)、(20a)を有する圧電セ
    ラミクス(17)、(18)の複数の積層体が、外側電
    極(19a)、(20a)とは反対側の主面に形成され
    た内側電極(19c)、(20c)を介して積層されて
    いることを特徴とする請求項10または11に記載の圧
    電音響装置。
  13. 【請求項13】 圧電振動体(18)は、その周辺部が
    ケース本体(11)の周壁(13)から離間した状態で
    弾性接着剤(24)を介して前記周壁(13)に接着さ
    れていることを特徴とする請求項9〜12の何れかに記
    載の圧電音響装置。
  14. 【請求項14】 圧電振動体(18)は、その周辺部が
    ケース本体(11)の側壁(13)から離間した状態で
    球状粒子を含有する弾性接着剤(24’)を介して前記
    周壁(13)に接着されていることを特徴とする請求項
    9〜13の何れかに記載の圧電音響装置。
  15. 【請求項15】 ケース本体(11)とその蓋体(4
    6)は、その内面に前記圧電振動体(18)の過剰変位
    を制限する突起(49)を有することを特徴とする請求
    項9〜14の何れかに記載の圧電音響装置。
  16. 【請求項16】 前記ケース本体(11)は、その内面
    に同ケース本体(11)の変形を抑制する補強リブ(5
    0)を備えたことを特徴とする請求項9〜15の何れか
    記載の圧電音響装置。
  17. 【請求項17】 前記圧電振動体(18)の表面に防湿
    被覆が施されていることを特徴とする請求項9〜16の
    何れかに記載の圧電音響装置。
  18. 【請求項18】 圧電振動体(18)の外径寸法と同等
    以上の内径寸法を有する周壁(13)と、この周壁(1
    3)に隣接配置された径方向位置合わせ手段及び高さ方
    法位置合わせ手段とを有するケース本体(11)を用意
    する工程と、前記ケース本体(11)の周壁(13)に
    弾性接着剤(24)を塗布する工程と、前記ケース本体
    (11)の周壁(13)の前記弾性接着剤(24)を塗
    布した部分に対向するように前記請求項9〜17の何れ
    かに記載の圧電振動体(18)を配置する工程と、前記
    ケース本体(11)の径方向位置合わせ手段によりガイ
    ドしながら、前記圧電振動体(18)の周辺部を前記周
    壁(13)に塗布された弾性接着剤(24)に接触させ
    て、接着する工程と、前記弾性接着剤(24)による接
    着部から前記径方向位置合わせ手段を分離する工程とを
    有することを特徴とする圧電音響装置の製造方法。
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