JP2000349590A - 弾性表面波フィルタ - Google Patents
弾性表面波フィルタInfo
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Abstract
ＡＷフィルタにおいて通過域近傍の高周波側の減衰傾度
を改善する手段を得る。 【解決手段】 圧電基板上に３個のＩＤＴ電極とその両
側にグレーティング反射器と配置した縦結合二重モード
弾性表面波フィルタを表面波の伝搬方向と平行して２個
配設した弾性表面波フィルタであって、第一及び第二の
弾性表面波フィルタ間に少なくとも１個の弾性表面波共
振子を配置し、且つ直列接続して弾性表面波フィルタを
構成する。
Description
に関し、特に通過帯域近傍の阻止減衰量を改善した弾性
表面波フィルタに関する。
広く利用され、高性能、小型、量産性等の優れた特徴を
有することから特に携帯電話等に多く用いられている。
図５は、従来の縦続接続型１次−３次縦結合弾性表面波
フィルタ（以下、二重モードＳＡＷフィルタと称す）の
構成を示す電極パターンの平面図であって、圧電基板21
の主面上に表面波の伝搬方向に沿って３つのＩＤＴ電極
22、23、24を近接配置すると共に、これらの両側にグレ
ーティング反射器25a、25b（以下、反射器と称す）を配
設して第1のフィルタとする。ＩＤＴ電極22、23、24は
それぞれ互いに間挿し合う複数本の電極指を有する一対
のくし形電極により構成され、ＩＤＴ電極22の外側のく
し形電極は該電極の外側近傍に設けた電極パッドP1と接
続して入力とし、他方のくし形電極は該電極の近傍で基
板21の中心部寄りに設けた接地用電極パッドE1に接続す
る。そして、ＩＤＴ電極23、24の基板21端部寄りのバス
バーからそれぞれリード電極L1、L1を基板21端部に向け
て延在し、これらを互いに接続する。また、ＩＤＴ電極
23、24の他方のバスバーはからそれぞれ縦続接続用のリ
ード電極L2、L3を次段の二重モードＳＡＷフィルタに向
けて延在する。
基板21の中央に関して第1の二重モードＳＡＷフィルタ
と対称に第2の二重モードＳＡＷフィルタ、即ちＩＤＴ
電極26、27、28とその両側に配置した反射器29a、29bと
からなる二重モードＳＡＷフィルタを形成し、第1の二
重モードＳＡＷフィルタとリード電極L2、L3を介して縦
続接続する。ＩＤＴ電極26の基板21中心部寄りのバスバ
ーは該電極の近傍に設けた接地用電極パッドE2と接続
し、ＩＤＴ電極26の基板21外側のパスバーは該バスバー
の外側近傍に設けた出力用電極パッドP2と接続する。
作は、周知のように、ＩＤＴ電極22、23、24によって励
起される表面波が反射器25a、25bの間に閉じ込められて
音響結合し、電極パターンにより１次と３次の２つの縦
共振モードが強勢に励振され、これらの２つのモードを
利用して二重モードＳＡＷフィルタを構成する。なお、
該二重モードＳＡＷフィルタの通過帯域幅は１次共振モ
ードと３次共振モードとの周波数差で決まることは周知
の通りである。
３基板上に、中心周波数881.5MHz、通過帯域幅25MHzの
二重モードＳＡＷフィルタを形成すべく、アルミニウム
合金の膜厚を6.0%λ（λは励起される表面波の波長）、
ＩＤＴ電極22を19.5対、ＩＤＴ電極23、24をそれぞれ1
3.5対、反射器25a、25bの本数をそれぞれ200本とした場
合の二重モードＳＡＷフィルタの通過域特性と減衰域特
性とを示す図である。横軸は周波数（MHz）を、縦軸は
左側に減衰域の、右側に通過域の挿入損失を示してい
る。
二重モードＳＡＷフィルタにおいては、通過帯域近傍の
高周波側に図６のαで示す減衰量の劣化、所謂ダレ現象
が本質的に生じ、例えば、減衰域にハッチングで示す米
国のAMPS方式のRFフィルタに要求される、低域側の849M
Hzにて28dBは満たすものの、高域側の914MHzにて28dBの
規格は製造時の偏差、温度特性、経年変化等を考慮する
と満足しないという問題があった。このダレ現象を改善
する改善する手段として、ライン占有率（電極指の幅と
スペースの幅との和に対する電極指の幅）を小さく方法
がある。図７は、図６の設計パラメータを用い、ライン
占有率のみをを0.47から0.45と小さくした場合の通過域
特性（B0、B1）と減衰域特性（S0、S1）で、B0、S0はラ
イン占有率が0.47の場合、B1、S1はライン占有率が0.45
の場合のフィルタ特性である。図７から明らかなように
減衰域に若干の改善は見られるものの、製造偏差等を考
慮すると規格を満足しないという問題があった。
極の膜厚を厚くする方法がある。図８は、図６の設計パ
ラメータを用い、電極膜厚のみをを6.0%λから6.5%λと
厚くした場合の通過域特性（B0、B2）と減衰域特性
（S0、S2）で、B0、S0は電極膜厚が6.0%λの場合、B2、
S2は電極膜厚が6.5%λの場合のフィルタ特性である。図
８から明らかなように減衰域に若干の改善がみられるも
のの、製造偏差等を考慮すると規格を満足しないという
問題があった。また、上記いずれの改善手段もインピー
ダンスが大きくなり、パスバンド特性が劣化するという
問題が新たに生じる。また、減衰傾度を改善する手段と
してＩＤＴ電極のピッチLt（波長）と反射器のピッチLr
の比、Lt / Lrを大きくする方法がある。図９は、図６
の設計パラメータを用い、ピッチ比Lt / Lrのみをを0.9
81から0.986と大きくした場合の通過域特性（B0、B3）
と減衰域特性（S0、S3）で、B0、S0はピッチ比Lt / Lr
が0.981の場合、B3、S3はピッチ比Lt / Lrが0.986の場
合のフィルタ特性である。図９から明らかなように減衰
域に若干の改善がみられるものの、製造偏差等を考慮す
ると規格を満足しないという問題があった。本発明は上
記問題を解決するためになされたものであって、高周波
側の減衰傾度を改善した二重モードＳＡＷフィルタを提
供することを目的とする。
に本発明に係る弾性表面波フィルタの請求項１記載の発
明は、圧電基板上に表面波の伝搬方向に沿って複数個の
ＩＤＴ電極とその両側にグレーティング反射器とを配置
した縦結合多重モード弾性表面波フィルタを複数個配設
し、２つの前記縦結合多重モード弾性表面波フィルタの
間に少なくとも１個の弾性表面波共振子を配置すると共
に、前記２つの縦結合多重モード弾性表面波フィルタを
前記弾性表面波共振子を介して縦続接続したことを特徴
とする弾性表面波フィルタである。請求項２記載の発明
は、前記縦結合多重モードフィルタが圧電基板上に表面
波の伝搬方向に沿って３個のＩＤＴ電極とその両側にグ
レーティング反射器と配置した縦結合１次−３次二重モ
ード弾性表面波フィルタであることを特徴とする請求項
１記載の弾性表面波フィルタである。
形態に基づいて詳細に説明する。図１は本発明に係る二
重モードＳＡＷフィルタの構成を示す平面図であって、
圧電基板１の主面上に表面波の伝搬方向に沿って３つの
ＩＤＴ電極2、3、4を近接配置すると共に、これらの両
側に反射器5a、5bを配設して第1のフィルタとする。Ｉ
ＤＴ電極2、3、4はそれぞれ互いに間挿し合う複数本の
電極指を有する一対のくし形電極により構成され、ＩＤ
Ｔ電極2の外側のくし形電極は該電極の外側近傍に設け
た電極パッドP1と接続して入力とし、他方のくし形電極
は該電極の近傍で基板1の中心部寄りに設けた接地用電
極パッドE1に接続する。そして、ＩＤＴ電極3、4の基板
1の端部寄りのバスバーからそれぞれリード電極L1、L1
を基板1端部に向けて延在し、これらを互いに接続す
る。また、ＩＤＴ電極3、4の他方のバスバーからそれぞ
れ縦続接続用のリード電極L3、L3を次段に向けて延在す
る。
基板中央に関して、第1の二重モードＳＡＷフィルタと
ほぼ対称に第2の二重モードＳＡＷフィルタ、即ちＩＤ
Ｔ電極6、7、8とその両側に配置した反射器9a、9bとか
らなる二重モードＳＡＷフィルタを形成する。そして、
ＩＤＴ電極6の基板１の内側のバスバーは該電極の近傍
で基板1中心部寄りに設けた接地用電極パッドE2と接続
し、ＩＤＴ電極6の外側のパスバーは該電極の外側近傍
に設けた出力用電極パッドP2と接続する。さらに、ＩＤ
Ｔ電極7、8の基板1の端部寄りのバスバーをそれぞれリ
ード電極L2で接続するのは第1の二重モードＳＡＷフィ
ルタの場合と同様である。本発明の特徴は、第1及び第2
の二重モードＳＡＷフィルタの間に、弾性表面波の伝搬
方向に沿ってＩＤＴ電極10とその両側に反射器11a、11b
を配置して弾性表面波共振子（以下、ＳＡＷ共振子Ａと
称す）を形成し、該共振子Ａを第1及び第2の二重モード
ＳＡＷフィルタに対して直列に接続してフィルタを構成
したことである。
aは、ＩＤＴ電極2〜4、6〜8の波長λよりも幾分小さく
設定し、その反共振周波数が縦続接続した第1及び第2の
二重モードＳＡＷフィルタの、通過帯域近傍の高周波側
に生ずるダレ特性の周波数にほぼ一致させる。このよう
に、第1及び第2の二重モードＳＡＷフィルタの間に直列
にＳＡＷ共振子Ａを接続すると、その総合したフィルタ
特性は、ＳＡＷ共振子Ａの反共振周波数に減衰極が生じ
るため、高周波側のダレ特性を補償するように作用し
て、その反共振周波数近傍の減衰量を改善することがで
きる。ＳＡＷ共振子Ａを配設する位置は、縦続接続型二
重モードＳＡＷフィルタの入力側、出力側のいずれに配
置してもダレ特性は改善できるが、二重モードＳＡＷフ
ィルタと該フィルタを挿入する回路側とのインピーダン
ス整合性を考慮すると、縦続接続型二重モードＳＡＷフ
ィルタの中間に配置した方が望ましく、フィルタの形状
も小型化に適している。
３基板上に、中心周波数881.5MHz、通過帯域幅25MHzの
二重モードＳＡＷフィルタを形成すべく図１に示すよう
な電極パターンを形成して、アルミニウム合金の膜厚を
6.0%λ、ＩＤＴ電極2を19.5対、ＩＤＴ電極3、4をそれ
ぞれ13.5対、反射器5a、5bの本数をそれぞれ200本、Ｓ
ＡＷ共振子ＡのＩＤＴ電極対数を100対、反射器11a、11
bをそれぞれ30本とした場合の二重モードＳＡＷフィル
タの通過域特性と減衰域特性を示す図である。ＩＤＴ電
極2、3、4の波長λは4.5477μm、ＳＡＷ共振子Ａの波長
λaは4.4980μmと設定し、フィルタの中心周波数は881.
5MHz、帯域幅Bwは30MHz以上である。横軸は周波数（MH
z）を、縦軸は減衰域と通過域の挿入損失（dB）を示し
ている。図２から明らかなように、通過帯域近傍の高周
波側の減衰傾度が大幅に改善でき、上記の米国のAMPS方
式の要求規格を完全に満たしていることが分かる。
１の構成から変更した部分のみを破線で囲んで別符号を
付し、他は同符号を用いている。第1の二重モードＳＡ
Ｗフィルタの一方の出力端子、即ちＩＤＴ電極3の基板1
内側のバスバーより延在するリード電極にＳＡＷ共振子
12の一方の端子を直列接続すると共に、二重モードＳＡ
Ｗフィルタの他方の出力端子であるＩＤＴ電極4の基板1
内側のバスバーより延在するリード電極にＳＡＷ共振子
13の一方の端子を直列接続する。そして、ＳＡＷ共振子
12、13のそれぞれ他方の端子からリード電極を延在し、
第2の二重モードＳＡＷフィルタのＩＤＴ電極7、8の基
板1の中心寄りのバスバーとそれぞれ接続するように構
成する。
共振子12、13のそれぞれの反共振周波数f12、f13によ
り、二重モードＳＡＷフィルタのフィルタ特性に減衰極
が形成される。ＳＡＷ共振子12、13の反共振周波数
f12、f13は同一周波数に設定してもよいが、図４に示す
ように、周波数を少し離して設定すれば２つの減衰極が
生ずるため、特定の周波数領域の減衰量をさらに大きく
することができる。
モードＳＡＷフィルタを例として説明したが、本発明は
これのみに限ることなく、縦続接続型１次−２次縦結合
二重モードＳＡＷフィルタ、縦続接続型１次−２次−３
次縦結合三重モードＳＡＷフィルタ、縦続接続型縦結合
多重モードＳＡＷフィルタ等に適用できることは言うま
でもない。また、圧電基板に３９°ＹカットＸ伝搬Ｌｉ
ＴａＯ３基板を用いて説明したが、他のカットでもよ
く、また、他の圧電材料、例えばニオブ酸リチウム、水
晶、ランガサイト、四方酸リチウム等に適用できること
は云うまでもない。また、段間に配置するＳＡＷ共振子
の波長λaをＩＤＴ電極の波長λより小さい場合を説明
したが、フィルタの通過域の低周波側を補償する場合
は、λaをλより大きくすればよい。
ので、縦続接続型１次−３次縦結合二重モードＳＡＷフ
ィルタの通過帯域近傍の高周波側の減衰傾度を大幅に改
善でき、例えば米国のAMPSのRFフィルタに要求される規
格を満足する特性が得られた。該フィルタを携帯電話の
RFフィルタとして用いれば、該部の特性を改善できると
いう優れた効果を奏す。
モードＳＡＷフィルタの構成を示す平面図である。
モードＳＡＷフィルタのフィルタ特性を示す図である。
二重モードＳＡＷフィルタの構成を示す平面図である。
フィルタに用いるＳＡＷ共振子の反共振周波数とフィル
タの減衰極と関係を示す図である。
ＳＡＷフィルタの構成を示す平面図である。
ＳＡＷフィルタのフィルタ特性を示す図である。
ＳＡＷフィルタの特性と、ライン占有率を小さくしたと
きのフィルタ特性とを比較した図である。
ＳＡＷフィルタの特性と、電極膜厚を厚くしたときのフ
ィルタ特性とを比較した図である。
ＳＡＷフィルタの特性と、ライン占有率を小さくしたと
きのフィルタ特性とを比較した図である。
ィング反射器 Ｐ１、Ｐ２・・入出力電極パッド Ｅ１、Ｅ２・・接地用電極パッド Ｌ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４・・リード電極 １２、１３・・ＳＡＷ共振子
Claims (2)
- 【請求項１】 圧電基板上に表面波の伝搬方向に沿って
複数個のＩＤＴ電極とその両側にグレーティング反射器
とを配置した縦結合多重モード弾性表面波フィルタを複
数個配設し、２つの前記縦結合多重モード弾性表面波フ
ィルタの間に少なくとも１個の弾性表面波共振子を配置
すると共に、前記２つの縦結合多重モード弾性表面波フ
ィルタを前記弾性表面波共振子を介して縦続接続したこ
とを特徴とする弾性表面波フィルタ。 - 【請求項２】 前記縦結合多重モードフィルタが圧電基
板上に表面波の伝搬方向に沿って３個のＩＤＴ電極とそ
の両側にグレーティング反射器と配置した縦結合１次−
３次二重モード弾性表面波フィルタであることを特徴と
する請求項１記載の弾性表面波フィルタ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15610499A JP3915322B2 (ja) | 1999-06-03 | 1999-06-03 | 弾性表面波フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15610499A JP3915322B2 (ja) | 1999-06-03 | 1999-06-03 | 弾性表面波フィルタ |
Publications (2)
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Family
ID=15620405
Family Applications (1)
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-
1999
- 1999-06-03 JP JP15610499A patent/JP3915322B2/ja not_active Expired - Fee Related
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