JP2000349095A - 半導体素子およびその製造方法ならびに電力増幅器および無線通信装置 - Google Patents

半導体素子およびその製造方法ならびに電力増幅器および無線通信装置

Info

Publication number
JP2000349095A
JP2000349095A JP11158164A JP15816499A JP2000349095A JP 2000349095 A JP2000349095 A JP 2000349095A JP 11158164 A JP11158164 A JP 11158164A JP 15816499 A JP15816499 A JP 15816499A JP 2000349095 A JP2000349095 A JP 2000349095A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
semiconductor
conductivity type
semiconductor device
source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11158164A
Other languages
English (en)
Inventor
Ichiro Hase
伊知郎 長谷
Hironori Tsukamoto
弘範 塚本
Mitsuhiro Nakamura
光宏 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP11158164A priority Critical patent/JP2000349095A/ja
Publication of JP2000349095A publication Critical patent/JP2000349095A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02DCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES [ICT], I.E. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES AIMING AT THE REDUCTION OF THEIR OWN ENERGY USE
    • Y02D30/00Reducing energy consumption in communication networks
    • Y02D30/70Reducing energy consumption in communication networks in wireless communication networks

Landscapes

  • Junction Field-Effect Transistors (AREA)
  • Amplifiers (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単一電源で容易に動作させることができ、歪
み特性に優れ、かつ高い電力付加効率を有する半導体素
子を実現するにあたり、容易かつ制御性よく製造するこ
とができると共に、その性能を向上させることができる
ようにする。 【解決手段】 基板11の上にAlGaAsよりなる第
2の障壁層22,undope−InGaAsよりなるチャネ
ル層23,AlGaAsよりなる第1の障壁層24,G
aAsよりなる表面層25を順次積層する。ゲート電極
15に対応してAp型lGaAsよりなるp型層26a
を第1の障壁層24に埋め込んで形成し、p型GaAs
よりなるp型コンタクト層26bを表面層25に埋め込
んで形成する。p型層26aによりビルトイン電圧を大
きくすることができる。p型コンタクト層26bにより
ゲート電極15との接触抵抗を小さくすることができる
と共に、p型層26aの酸化を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソース電極とドレ
イン電極との間にゲート電極および半導体よりなるチャ
ネル層がそれぞれ設けられた半導体素子およびその製造
方法ならびにそれを用いた電力増幅器および無線通信装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】PHS(Personal Handiphone System)
あるいはPDC(Personal Digital Cellular )などの
移動体通信システムにおいては、一般に、無線携帯端末
の小型化,低コスト化およびバッテリーの長寿命化など
が強く求められてきた。これらを実現するためには、例
えば、送信用パワーアンプおよびそれを構成するパワー
トランジスタがより高い電流密度で動作すること、およ
びより高い電力付加効率を有すること(高効率)が必要
とされ、更に最近では、正電源だけで動作が可能である
ことが強く望まれている。また、最近のCDMA(Code
Division Multiple Access )あるいはW−CDMA
(Wideband Code Division Multiple Access)などの通
信品質の向上を図ることができる新しいデジタル無線通
信方式においては、更に、上記パワーアンプおよびそれ
を構成するパワートランジスタが低歪み性能にも優れた
ものであることが要求されている。
【0003】従って、無線携帯端末用のパワートランジ
スタにおいては、低歪み高効率性能に優れていること、
高い電流密度を実現できること、エンハンスメントモー
ドで動作させやすいことなどが重要となる。特に、上記
パワートランジスタをエンハンスメントモードで動作さ
せることができれば、正電源だけでの動作が可能となる
だけでなく、ドレインスイッチが不要となるというメリ
ットも生じる。
【0004】現在、このようなパワーアンプ用として実
用化されている、あるいは実用化のために研究開発され
ているデバイスには、pn接合ゲート型電界効果トラン
ジスタ(JFET;Junction Field Effect Transisto
r),ショットキー障壁ゲート型電界効果トランジスタ
(MESFET;Metal-Semiconductor Field Effect T
ransistor )およびヘテロ接合電界効果トランジスタ
(HFET;Heterojunction Field Effect Transisto
r)などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の各FETでは、低歪み性能に優れ、高い電力付加効率
を有し、かつ単一電源動作が可能なパワーアンプを得る
ことが難しいという問題があった。この問題を解決する
方法としては、例えば、ゲート電極に対応してp型層を
設けたpn接合ゲート型ヘテロ接合形電界効果トランジ
スタ(JHFET)構造とすることが考えられる(特願
平9−249217号公報参照)。
【0006】図15にこのJHFETの一構成例を示
す。このJHFETは、半絶縁性の単結晶GaAsより
なる基板211の上にバッファ層221を介してAlG
aAs混晶よりなる第2の障壁層222,InGaAs
混晶よりなるチャネル層223およびAlGaAs混晶
よりなる第1の障壁層224が順次積層され、この第1
の障壁層224にp型不純物を高濃度に含むAlGaA
s混晶よりなるp型層226が埋め込まれた構造とされ
ている。p型層226の上にはゲート電極215が設け
られ、第1の障壁層224の上にはゲート電極215を
間に挟むようにGaAsよりなるキャップ層229を介
してソース電極213およびドレイン電極214がそれ
ぞれ設けられている。ソース電極213,ドレイン電極
214およびゲート電極215の間には絶縁膜212が
形成されている。
【0007】このJHFETは、例えば、基板211の
上に、バッファ層221,第2の障壁層222,チャネ
ル層223,第1の障壁層224およびキャップ層22
9を順次積層したのち、ゲート電極215の形成予定領
域に対応してキャップ層229を選択的に除去して第1
の障壁層224を露出させ、p型不純物を拡散させてp
型層226を形成することにより製造される。
【0008】このようなJHFETによれば、ゲート電
極215に対応してp型層226を設けているので、シ
ョットキー接合ゲートを用いた従来のFETに比べてビ
ルトイン電圧が大きく、ゲート電極215に大きな正電
圧を印加することができる。特に、第1の障壁層224
およびp型層226を広いバンドギャップを有するAl
GaAs混晶によりそれぞれ構成しているので、ゲート
電圧Vgを例えば1.2V以上印加しても、チャネル層
223から見たゲート電極215方向の障壁を十分な高
さに保つことができ、ゲートリーク電流を抑制すること
ができる。従って、容易に正電源のみで動作させること
ができる。
【0009】また、このJHFETによれば、p型層2
26を第1の障壁層224に対して埋め込んでいるの
で、リセスゲート構造を用いた従来のFETに比べてソ
ース抵抗を容易に低減させることができる。よって、い
わゆるオン抵抗も容易に低減させることができ、電力付
加効率を高める点で有利である。この効果は、エンハン
スメントモードにおいて特に有効に働き、エンハンスメ
ントモードで動作させることが容易となる。
【0010】更に、このJHFETによれば、チャネル
層223と第1の障壁層224との伝導帯端の不連続量
が大きいので、電流密度も高くすることができると共
に、加えて、上述したようにゲート電極215に大きな
正電圧を印加することもできるので、ゲート・ソース間
容量Cgsおよび相互コンダクタンスGmの変動がゲー
ト電圧Vgの広い範囲に渡って少なく、優れた歪み特性
を得ることができる。
【0011】すなわち、このJHFETによれば従来の
問題点を解決することができる。しかし、このJHFE
Tは、製造の際に、第1の障壁層224の上に形成した
キャップ層229をゲート電極215の形成予定領域に
対応して選択的に除去し、第1の障壁層224を露出さ
せているので、特性面および製造の容易さに関し、次の
ような問題点が存在する。
【0012】まず、第1に、GaAsよりなるキャップ
層229とAlGaAs混晶よりなる第1の障壁層22
4との選択エッチング比を100以上とすることは可能
であるが、エッチング量の精密制御および再現性の点で
はまだ十分と言えず、ゲート電極215とチャネル層2
23との間の距離を高い精度で制御することは容易では
ない。
【0013】第2に、キャップ層229の一部を除去す
ることによりキャップ層229の表面とp型層226の
表面との間に段差が生じてしまい、それ以降の製造工程
において不都合が生じやすくなる。例えば、絶縁膜21
2に開口を形成する際のリソグラフィ工程において焦点
が合わせにくくなる。
【0014】第3に、第1の障壁層224をAlGaA
s混晶により構成しているので、第1の障壁層224の
表面が比較的酸化されやすく、p型層226を形成する
工程の制御性が悪化しやすい。
【0015】第4に、p型層226をAlGaAs混晶
により構成しているので、例えば、GaAsにより構成
する場合に比べてゲート電極215との接触抵抗が大き
くなってしまう。これは、一般に同一の条件で作製した
場合、GaAsよりもAlGaAs混晶の方がキャリア
濃度が低くなること、およびGaAsよりもAlGaA
s混晶の方が酸化されやすいことなどによるものと考え
られる。
【0016】なお、これらのうち第3および第4の問題
点は、例えば、第1の障壁層およびp型層をGaAsに
よりそれぞれ構成するようにすれば改善することができ
るが(特願平9−249217号公報参照)、そのよう
に構成すると、p型層をAlGaAs混晶により構成す
る場合に比べてビルトイン電圧が小さくなってしまい、
ゲート電極に印加できる最大電圧も低下してしまう。
【0017】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、単一電源で容易に動作させることが
でき、歪み特性に優れ、かつ高い電力付加効率を有する
半導体素子を実現するにあたり、容易かつ制御性よく製
造することができると共に、その性能を向上させること
ができる半導体素子およびその製造方法ならびにそれを
用いた電力増幅器および無線通信装置を提供することに
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明による半導体素子
は、ソース電極とドレイン電極との間にゲート電極が設
けられたものであって、ソース電極とドレイン電極との
間の電流通路であり半導体よりなるチャネル層と、この
チャネル層とゲート電極との間にゲート電極に対応して
設けられ、チャネル層よりも小さな電子親和力および広
いバンドギャップを有し第1導電型不純物を含む第1導
電型半導体よりなる第1導電型層と、この第1導電型層
とゲート電極との間にゲート電極に対応して設けられ、
第1導電型層よりも大きな電子親和力および狭いバンド
ギャップを有し第1導電型不純物を含む第1導電型半導
体よりなる第1導電型コンタクト層とを備えたものであ
る。
【0019】本発明による半導体素子の製造方法は、ソ
ース電極とドレイン電極との間にゲート電極が設けられ
た半導体素子を製造するものであって、ソース電極とド
レイン電極との間の電流通路として半導体よりなるチャ
ネル層を形成する工程と、ゲート電極に対応してチャネ
ル層とゲート電極との間に、チャネル層よりも小さな電
子親和力および広いバンドギャップを有し第1導電型不
純物を含む第1導電型半導体よりなる第1導電型層を形
成する工程と、ゲート電極に対応して第1導電型層とゲ
ート電極との間に、第1導電型層よりも大きな電子親和
力および狭いバンドギャップを有し第1導電型不純物を
含む第1導電型半導体よりなる第1導電型コンタクト層
を形成する工程とを含むものである。
【0020】本発明による電力増幅器および無線通信装
置は、それぞれ、ソース電極とドレイン電極との間にゲ
ート電極が設けられた半導体素子を用いたものであっ
て、半導体素子は、ソース電極とドレイン電極との間の
電流通路であり半導体よりなるチャネル層と、このチャ
ネル層とゲート電極との間にゲート電極に対応して設け
られ、チャネル層よりも小さな電子親和力および広いバ
ンドギャップを有し第1導電型不純物を含む第1導電型
半導体よりなる第1導電型層と、この第1導電型層とゲ
ート電極との間にゲート電極に対応して設けられ、第1
導電型層よりも大きな電子親和力および狭いバンドギャ
ップを有し第1導電型不純物を含む第1導電型半導体よ
りなる第1導電型コンタクト層とを備えたものである。
【0021】本発明による半導体素子では、ゲート電極
に電圧が印加されると、チャネル層におけるキャリア数
が変化し、チャネル層を流れる電流が変調される。ここ
では、第1導電型層と共に、この第1導電型層とゲート
電極との間に第1導電型層よりも大きな電子親和力およ
び狭いバンドギャップを有する第1導電型コンタクト層
が設けられているので、大きなビルトイン電圧が得られ
ると共に、第1導電型層および第1導電型コンタクト層
とゲート電極との接触抵抗が小さくなっている。
【0022】本発明による半導体素子の製造方法では、
ソース電極とドレイン電極との間の電流通路として半導
体よりなるチャネル層が形成される。また、ゲート電極
に対応してチャネル層とゲート電極との間に、チャネル
層よりも小さな電子親和力および広いバンドギャップを
有し第1導電型不純物を含む第1導電型半導体よりなる
第1導電型層が形成される。更に、ゲート電極に対応し
て第1導電型層とゲート電極との間に、第1導電型層よ
りも大きな電子親和力および狭いバンドギャップを有し
第1導電型不純物を含む第1導電型半導体よりなる第1
導電型コンタクト層が形成される。
【0023】本発明による電力増幅器および無線通信装
置はそれぞれ本発明の半導体素子を用いたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施の
形態においては、第1導電型がp型、第2導電型がn型
の場合について説明する。すなわち、以下の実施の形態
においてp型層は本発明の第1導電型層に、p型コンタ
クト層は第1導電型コンタクト層に、p型不純物は第1
導電型不純物に、p型半導体層は第1導電型半導体層
に、n型不純物は第2導電型不純物に、n型半導体層は
第2導電型半導体層にそれぞれ該当する。
【0025】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態に係る半導体素子の構造を表すものであ
る。この半導体素子は、例えば、半絶縁性の単結晶Ga
Asよりなる基板11の一面に形成されたIII−V族
化合物半導体よりなる半導体層20を備えている。この
半導体層20の基板11と反対側の表面には、絶縁膜1
2と共に、この絶縁膜12に離間して形成された開口1
2a,12bを介してソース電極13およびドレイン電
極14が半導体層20に接触してそれぞれ設けられてい
る。ソース電極13とドレイン電極14との間の半導体
層20の表面には、絶縁膜12に形成された開口12c
を介してゲート電極15が半導体層20に接触して設け
られている。
【0026】半導体層20は、例えば、基板11の側か
ら順に積層されたバッファ層21,第2の障壁層22,
チャネル層23,第1の障壁層24および表面層25を
有している。バッファ層21は、例えば、積層方向の厚
さ(以下、単に厚さと言う)が500nmであり、不純
物を意図的には添加しないundope−GaAs(undope−
は不純物を意図的には添加しないことを表す;以下同
じ)により構成されている。
【0027】第2の障壁層22は、例えば、厚さ200
nmの高抵抗領域22aと、厚さ3nmのキャリア供給
領域22bと、厚さ2nmの高抵抗領域22cとがバッ
ファ層21の側から順に積層された構造を有しており、
チャネル層23よりも小さな電子親和力および広いバン
ドギャップを有するIII−V族化合物半導体により構
成されている。このようにチャネル層23よりも電子親
和力を小さくするのは、チャネル層23にキャリアであ
る電子を閉じ込めるためであり、チャネル層23よりも
バンドギャップを広くするのは、狭いとチャネル層23
に閉じ込めるキャリアと異なるキャリアの正孔が第2の
障壁層22に占有しやすくなり、動作に悪影響を及ぼし
てしまうからである。例えば、チャネル層23が後述す
るようにInGaAs混晶などにより構成される場合に
は、第2の障壁層22はAlGaAs混晶などにより構
成されることが好ましい。なお、ここでは、III族元
素におけるアルミニウム(Al)の組成比が0.23の
Al0.23Ga0.77As混晶により構成されている。
【0028】第2の障壁層22における高抵抗領域22
a,22cは、不純物濃度が低く高抵抗の領域であり、
例えば、不純物が添加されていないか、または低濃度の
n型不純物が添加されていても良い。高抵抗領域22
a,22cの不純物濃度は、例えば、2×1017cm-3
以下であることが好ましい。不純物濃度がこれよりも大
きくなると、チャネル層23を走行する電子の速度が著
しく低下してしまうからである。第2の障壁層22にお
けるキャリア供給領域22bは、n型不純物を高濃度に
例えば1×1018cm-3以上含む領域であり、ここで
は、n型不純物としてケイ素(Si)が1.2×1012
cm-2程度添加されている。
【0029】チャネル層23は、ソース電極13とドレ
イン電極14との間の電流通路であり、第2の障壁層2
2および第1の障壁層24よりも大きな電子親和力およ
び狭いバンドギャップを有するIII−V族化合物半導
体により構成されている。電子親和力が大きくバンドギ
ャップが狭いIII−V族化合物半導体としては、II
I族であるインジウム(In)およびガリウム(Ga)
からなる群のうちの少なくとも1種と、V族元素である
ヒ素(As)とを含むものがある。ここでは、例えば、
III族元素におけるインジウムの組成比が0.2の不
純物を添加しないundope−In0.2 Ga0.8 As混晶に
より構成されている。これにより、チャネル層23に
は、第2の障壁層22のキャリア供給領域22bおよび
後述する第1の障壁層24のキャリア供給領域24bか
ら供給された電子が蓄積されるようになっている。
【0030】ちなみに、チャネル層23をInGaAs
混晶により構成する場合には、III族元素におけるイ
ンジウムの組成比を0.1以上とすることが好ましい。
インジウムの組成比が高いほど電子親和力が大きくバン
ドギャップが狭くなるので、インジウムの組成比を0.
1以上とすれば、第2の障壁層22とチャネル層23と
の間、および第1の障壁層24とチャネル層23との間
における伝導帯端の差をそれぞれ十分に大きくすること
ができるからである。また、チャネル層23の厚さは、
5nm以上20nm以下であることが好ましい。5nm
よりも薄いとチャネル層23と第1の障壁層24との間
の界面の凹凸、およびチャネル層23と第2の障壁層2
2との間の界面の凹凸により、キャリアの走行が妨げら
れやすく、結果としてキャリアの移動度が低下してしま
うからであり、20nmよりも厚いとチャネル層23の
結晶性が低下してしまうからである。
【0031】第1の障壁層24は、例えば、厚さ2nm
の高抵抗領域24aと、厚さ6nmのキャリア供給領域
24bと、厚さ72nmの高抵抗領域24cとがチャネ
ル層23の側から順に積層された構造を有しており、チ
ャネル層23よりも小さな電子親和力および広いバンド
ギャップを有するIII−V族化合物半導体により構成
されている。このようにチャネル層23よりも電子親和
力を小さくバンドギャップを広くするのは、第2の障壁
層22と同様に、チャネル層23に電子を閉じ込めると
共に、第1の障壁層24における正孔の占有を防止する
ためである。例えば、チャネル層23がInGaAs混
晶などにより構成される場合には、第1の障壁層24は
インジウム,アルミニウムおよびガリウムからなる群の
うちの少なくとも1種のIII族元素と、ヒ素およびリ
ン(P)からなる群のうちの少なくとも1種のV族元素
とを含むIII−V族化合物半導体により構成されるこ
とが好ましく、具体的には、InGaP混晶,AlIn
GaP混晶,AlInGaAsP混晶あるいはAlGa
As混晶により構成されることが好ましい。なお、ここ
では、Al0.23Ga0.77As混晶により構成されてい
る。
【0032】ちなみに、第1の障壁層24をAlGaA
s混晶により構成する場合には、III族元素における
アルミニウムの組成比を0.25以下とすることが好ま
しい。アルミニウムの組成比が高くなるといわゆるソー
ス抵抗が大きくなってしまうと共に、後述するp型層2
6aをp型不純物の拡散により形成する際に拡散速度が
速くなり制御性が悪くなってしまうからである。また、
ここでは、第2の障壁層22と第1の障壁層24とを同
一組成のAl0.23Ga0.77As混晶によりそれぞれ構成
するようにしたが、互いに異なった組成のAlGaAs
混晶によりそれぞれ構成するようにしてもよい。第1の
障壁層24はソース抵抗を小さくするためにIII族元
素におけるアルミニウムの組成比が0.25以下である
ことが好ましいが、第2の障壁層22においてはその必
要はなく、第2の障壁層22を流れる電流成分を抑制す
るという観点からはむしろアルミニウムの組成比が少し
高い方が好ましい場合もあるからである。
【0033】第1の障壁層24における高抵抗領域24
a,24cは、不純物濃度が低く高抵抗の領域であり、
例えば、不純物が添加されていないか、または低濃度の
n型不純物が添加されていても良い。これら高抵抗領域
24a,24cの不純物濃度は後述するp型層26aよ
りも低く、例えば、2×1017cm-3以下であることが
好ましい。高抵抗領域24aにおける不純物濃度がこれ
よりも大きくなると、チャネル層23を走行する電子の
速度が著しく低下してしまい、高抵抗領域24cにおけ
る不純物濃度がこれよりも大きくなると、ゲート耐圧が
著しく低下してしまうからである。第1の障壁層24に
おけるキャリア供給領域24bは、n型不純物を高濃度
に例えば1×1018cm-3以上含む領域であり、ここで
は、n型不純物としてケイ素が2.4×1012cm-2
度添加されている。
【0034】表面層25は、例えば、後述するp型コン
タクト層26bと材料および組成が同一の半導体により
構成されている。すなわち、後述するように、第1の障
壁層24よりも大きな電子親和力および狭いバンドギャ
ップを有するIII−V族化合物半導体により構成され
ている。また、表面層25は、n型半導体により構成さ
れることが好ましく、そのn型不純物濃度は、第1の障
壁層24の高抵抗領域24cよりも高く、例えば、1×
1018cm-3以上であることが好ましい。n型不純物を
高濃度に含むことによりチャネル層23のうち表面層2
5に対応する領域における電子の空乏化を抑制すること
ができ、いわゆるソース抵抗を低減することができるか
らである。
【0035】更に、表面層25の厚さは例えば35nm
以下と薄くされていることが好ましい。これにより、表
面層25は、ソース電極13とゲート電極15との間お
よびソース電極13とドレイン電極14との間に電圧を
それぞれ印加しない状態においてキャリアが空乏化し、
n型不純物を高濃度に含んでいても、ゲート電極15と
ドレイン電極14との間における逆方向の耐圧性を確保
することができるからである。なお、ここでの表面層2
5は、例えば、厚さが10nmであり、n型不純物とし
てケイ素を4×1018cm-3程度添加したn型GaAs
により構成されている。
【0036】半導体層20は、また、ソース電極13と
ドレイン電極14との間の領域におけるチャネル層23
とゲート電極15との間にゲート電極15に対応して設
けられたp型層26aとp型コンタクト層26bとを有
している。p型層26aは、p型不純物を含みかつチャ
ネル層23よりも小さな電子親和力および広いバンドギ
ャップを有するp型III−V族化合物半導体により構
成されている。例えば、チャネル層23がInGaAs
混晶などにより構成される場合には、インジウム,アル
ミニウムおよびガリウムからなる群のうちの少なくとも
1種のIII族元素と、ヒ素およびリンからなる群のう
ちの少なくとも1種のV族元素とを含むIII−V族化
合物半導体により構成されることが好ましい。
【0037】また、p型層26aは、例えば、第1の障
壁層24の高抵抗領域24cに埋め込まれた状態で高抵
抗領域24cとゲート電極15との間に設けられてお
り、高抵抗領域24cの一部と同一工程で成長させた半
導体成長層にp型不純物を拡散することにより形成され
ている。すなわち、このp型層26aは、第1の障壁層
24と材料および組成が同一の半導体により構成されて
いる。ここでは、例えば、厚さが60nmであり、p型
不純物として亜鉛を1×1019cm-3程度含むp型Al
0.23Ga0.77As混晶により構成されている。なお、p
型層26aのp型不純物濃度は、例えば、1×1018
-3以上であることが好ましい。
【0038】p型コンタクト層26bは、p型層26a
よりも大きな電子親和力および狭いバンドギャップを有
するIII−V族化合物半導体により構成されている。
これにより、p型層26aおよびp型コンタクト層26
bとゲート電極15との接触抵抗は小さくなり、また、
p型層26aの酸化も防止されるようになっている。例
えば、p型層26aがAlGaAs混晶などにより構成
される場合には、このp型コンタクト層26bはGaA
sにより構成されることが好ましい。
【0039】また、p型コンタクト層26bは、例え
ば、表面層25に埋め込まれた状態でp型層26aおよ
びゲート電極15に隣接してそれらの間に設けられてお
り、表面層25と同一の工程で成長させた半導体成長層
にp型不純物を拡散することにより形成されている。す
なわち、p型コンタクト層26bは、表面層25と同一
の厚さを有しており、表面層25と材料および組成が同
一の半導体により構成されている。ここでは、例えば、
厚さが10nmであり、p型不純物として亜鉛を1×1
19cm-3程度含むp型GaAsにより構成されてい
る。ちなみに、このp型コンタクト層26bは、表面層
25と同様にn型不純物も含んでおり、n型不純物より
もp型不純物を高濃度に含むことによりp型を示すよう
になっている。p型コンタクト層26bのp型不純物濃
度は、p型層26aと同様に、例えば、1×1018cm
-3以上であることが好ましい。
【0040】半導体層20は、更に、ソース電極13に
対応して設けられたソース層27aおよびソースコンタ
クト層27bと、ドレイン電極14に対応して設けられ
たドレイン層28aおよびドレインコンタクト層28b
とを有している。ソース層27aは、ソース電極13と
チャネル層23との間において第1の障壁層24に対応
して設けられており、第1の障壁層24よりも低い抵抗
を有することによりソース電極13とチャネル層23と
を電気的に接続するようになっている。例えば、このソ
ース層27aは、第1の障壁層24を構成する元素とソ
ース電極13を構成する元素とを主成分とする合金化層
により構成されるか、n型不純物を高濃度に含むn型半
導体により構成されるか、またはインジウムなどを含む
ことにより第1の障壁層24よりも大きな電子親和力お
よび狭いバンドギャップを有するIII−V族化合物半
導体により構成されることで低抵抗化されている。ま
た、それらのうちの複数の要素を兼ね備えることにより
低抵抗化されていてもよい。なお、ソース層27aの厚
さは第1の障壁層24より薄くても厚くてもよいが、こ
こでは第1の障壁層24と同じ例えば80nmとされた
場合について図示し、説明する。
【0041】ソースコンタクト層27bは、ソース層2
7aとソース電極13との間において表面層25に対応
して設けられており、表面層25よりも低い抵抗を有す
ることによりソース電極13とチャネル層23とを電気
的に接続するようになっている。すなわち、このソース
コンタクト層27bは、例えば、表面層25を構成する
元素とソース電極13を構成する元素とを主成分とする
合金化層により構成されるか、n型不純物を高濃度に含
むn型半導体により構成されるか、またはインジウムな
どを含むことにより表面層25よりも大きな電子親和力
および狭いバンドギャップを有するIII−V族化合物
半導体により構成されることで低抵抗化されている。ま
た、これらのうちの複数の要素を兼ね備えることにより
低抵抗化されていてもよい。なお、ソースコンタクト層
27bの厚さは表面層25と同一であり、例えば10n
mと薄くされている。
【0042】ドレイン層28aは、ドレイン電極14と
チャネル層23との間において第1の障壁層24に対応
して設けられており、第1の障壁層24よりも低い抵抗
を有することによりドレイン電極14とチャネル層23
とを電気的に接続するようになっている。すなわち、ド
レイン層28aはソース層27aと同様の構成を有して
いる。ドレインコンタクト層28bは、ドレイン層28
aとドレイン電極14との間において表面層25に対応
して設けられており、表面層25よりも低い抵抗を有す
ることによりドレイン電極14とチャネル層23とを電
気的に接続するようになっている。すなわち、ドレイン
コンタクト層28bはソースコンタクト層27bと同様
の構成を有している。
【0043】なお、この半導体層20は、ソースコンタ
クト層27b,表面層25,p型コンタクト層26bお
よびドレインコンタクト層28bにより表面が形成され
ており、その表面は段差のほとんどない平坦面となって
いる。なお、実際には、熱処理によりソース電極13と
ソースコンタクト層27bとの間およびドレイン電極1
4とドレインコンタクト層28bとの間の境界は不明瞭
となっているが、図1に示したように幾何学的に境界を
定義すればその表面は段差のない平坦面と言うことがで
きる。
【0044】絶縁膜12は、例えば、厚さが200nm
の窒化珪素(Si3 4 )により構成されている。ソー
ス電極13およびドレイン電極14は、例えば、基板1
1の側からAuGe,ニッケル(Ni)および金(A
u)を順次積層した構造、または積層したのち400℃
程度の熱処理によりソースコンタクト層27bおよびソ
ース層27aあるいはドレインコンタクト層28bおよ
びドレイン層28aと反応して少なくとも一部が合金化
した構造とされている。これにより、ソース電極13お
よびドレイン電極14はチャネル層23とそれぞれオー
ミック接続している。ゲート電極15は、例えば、基板
11の側からチタン(Ti),白金(Pt)および金を
順次積層した構造とされており、p型コンタクト層26
bとオーミック接続している。
【0045】図2および図3は、この半導体素子のゲー
ト電極15下におけるエネルギーバンド構成を表すもの
である。図2はゲート電圧Vgを印加していない状態の
ものであり、図3は1.3V以上のゲート電圧Vgを印
加した状態のものである。なお、図2および図3では、
第2の障壁層22,第1の障壁層24およびp型層26
aをAl0.23Ga0.77As混晶によりそれぞれ構成し、
チャネル層23をIn0.2 Ga0.8 As混晶により構成
し、p型コンタクト層26bをGaAsにより構成した
場合について表している。
【0046】このように、この半導体素子は、広いバン
ドギャップを有する半導体(ここでは約1.7eVのバ
ンドギャップを有するAl0.23Ga0.77As混晶)より
なるp型層26aが設けられており、大きなビルトイン
電圧が得られるようになっている。すなわち、ゲート電
極15に大きな正電圧を印加することができるようにな
っている。また、p型層26aよりも狭いバンドギャッ
プを有する半導体(ここでは約1.4eVのバンドギャ
ップを有するGaAs)よりなるp型コンタクト層26
bが設けられており、p型層26aおよびp型コンタク
ト層26bとゲート電極15との接触抵抗を小さくでき
るようになっている。
【0047】更に、チャネル層23と第1の障壁層24
との伝導帯端の不連続量ΔEcが十分に大きく(ここで
は0.31eV)、図3に示したように、ゲート電圧V
gを例えば1.3V以上印加しても、チャネル層23か
ら見たゲート電極15方向の障壁は、ゲートリーク電流
を抑制するに十分な高さを保つことができるようになっ
ている。
【0048】加えて、第1の障壁層24のポテンシャル
極小点とチャネル層23における電子の擬フェミル準位
の差も十分に大きく(ここでは0.20eV以上)なる
ように構成されており、第1の障壁層24内に分布する
電子数はチャネル層23内に分布する電子数に比べて無
視できる程度に少なくなっている。よって、素子の動作
時に第1の障壁層24内を流れる電流量もチャネル層2
3内を流れる電流量に比べて無視できる程度に少なく、
チャネル層23に比べて易動度の低い第1の障壁層24
内を電子が走行することによる相互コンダクタンスGm
の劣化が生じないようになっている。この状況はゲート
電圧Vgが1.5V程度まで保たれる。
【0049】なお、図4にこの半導体素子のドレイン電
流Idとゲート電圧Vgとの関係を示し、図5に相互コ
ンダクタンスGmとゲート電圧Vgとの関係を示す。ち
なみに、ここでは、第2の障壁層22,第1の障壁層2
4およびp型層26aをAl0.23Ga0.77As混晶によ
りそれぞれ構成し、チャネル層23をIn0.2 Ga0.8
As混晶により構成し、表面層25およびp型コンタク
ト層26bをGaAsにより構成した場合について示し
ている。
【0050】このように、この半導体素子は、閾値電圧
Vthが約0Vであり、エンハンスメントモードで動作
すると共に、1.5Vまでゲート電圧Vgを印加するこ
とができるという特性を有している。また、ゲート電圧
Vgの広い範囲において相互コンダクタンスGmのゲー
ト電圧Vgに対する依存性が少なく、かつ相互コンダク
タンスGmはゲート・ソース間容量Cgsと電子速度V
eとの積に比例するので、ゲート・ソース間容量Cgs
のゲート電圧Vgに対する依存性も少ないという特性も
有している。すなわち、正電源のみでの動作が容易であ
り、かつ優れた歪み特性を有するようになっている。
【0051】このような構成を有する半導体素子は、例
えば、次のように動作する。
【0052】この半導体素子では、ここではエンハスメ
ントモードなので、ゲート電極15に電圧を印加してい
ない状態(Vg=0)においては、図6に示したよう
に、p型層26aおよびp型コンタクト層26bによ
り、その直下に該当するチャネル層23の領域に電子が
空乏化したあるいはチャネル層23の他の領域に比べて
電子が欠乏したキャリア欠乏領域23aが形成されてい
る(このときのエネルギーバンド構成は図2を参照)。
すなわち、チャネル層23は高抵抗の状態にある。
【0053】ここで、ゲート電極15に例えば1.0V
程度の正のゲート電圧Vgを印加すると、図6において
示したキャリア欠乏領域23aは消失し、チャネル層2
3における電子数が増大し、ドレイン電流Idが変調さ
れる(このときのエネルギーバンド構成は図3を参
照)。その際、リセスゲート構造において生じるような
寄生抵抗成分Rrecは残存しない。よって、チャネル
層23のオン抵抗Ronは低く、最大ドレイン電流Id
maxは大きくなっており、高い電力付加効率ηおよび
高い電流密度が得られる。
【0054】このような半導体素子は、例えば、次のよ
うにして製造することができる。
【0055】図7はその各製造工程を表すものである。
まず、図7(A)に示したように、例えば、GaAsよ
りなる基板11の上に、undope−GaAsよりなる半導
体成長層をエピタキシャル成長させてバッファ層21を
形成したのち、undope−AlGaAs混晶よりなる半導
体成長層,n型AlGaAs混晶よりなる半導体成長層
およびundope−AlGaAs混晶よりなる半導体成長層
を順次エピタキシャル成長させて高抵抗領域22a,キ
ャリア供給領域22bおよび高抵抗領域22cを積層し
た第2の障壁層22を形成する。次いで、第2の障壁層
22の上に、例えば、undope−InGaAsよりなる半
導体成長層をエピタキシャル成長させてチャネル層23
を形成する。
【0056】続いて、チャネル層23の上に、例えば、
第1の障壁層24の高抵抗領域24a,ソース層27a
およびドレイン層28aの形成予定領域にそれぞれ対応
して、同一工程により、undope−AlGaAs混晶より
なる半導体成長層31をエピタキシャル成長させる。そ
ののち、半導体成長層31の上に、例えば、第1の障壁
層24のキャリア供給領域24b,ソース層27aおよ
びドレイン層28aの形成予定領域にそれぞれ対応し
て、同一工程により、n型AlGaAs混晶よりなる半
導体成長層32をエピタキシャル成長させる。
【0057】半導体成長層32を形成したのち、その上
に、例えば、第1の障壁層24の高抵抗領域24c,ソ
ース層27aおよびドレイン層28aの形成予定領域に
それぞれ対応して、同一工程により、undope−AlGa
As混晶よりなる半導体成長層33の一部を形成すると
共に、第1の障壁層24の高抵抗領域24c,p型層2
6a,ソース層27aおよびドレイン層28aの形成予
定領域にそれぞれ対応して、同一工程により、undope−
AlGaAs混晶よりなる半導体成長層33の残りの一
部をエピタキシャル成長させる。これにより、第1の障
壁層24の形成予定領域に、高抵抗領域24a,キャリ
ア供給領域24bおよび高抵抗領域24cを積層した第
1の障壁層24が形成される。
【0058】半導体成長層33を形成したのち、その上
に、例えば、表面層25,p型コンタクト層26b,ソ
ースコンタクト層27bおよびドレインコンタクト層2
8bの形成予定領域にそれぞれ対応して、同一工程によ
り、n型GaAsよりなる半導体成長層34をエピタキ
シャル成長させる。これにより、表面層25の形成予定
領域に表面層25が形成される。
【0059】半導体成長層34を形成したのち、図示し
ないが、メサエッチングにより、または酸素あるいはホ
ウ素などをイオン注入することにより素子間分離を行
う。素子分離を行ったのち、図7(B)に示したよう
に、半導体成長層34の上に、例えばCVD(Chemical
Vapor Deposition )法により窒化ケイ素膜を蒸着し絶
縁膜12を形成する。ここでは、絶縁膜12を平坦な半
導体成長層34の表面に形成するので、均一な絶縁膜1
2を容易に形成できるようになっている。そののち、絶
縁膜12の一部をリソグラフィ技術およびエッチング技
術により選択的に除去することにより、ゲート電極15
の形成予定領域に開口12cを形成して半導体成長層3
4を露出させる。ここでは、絶縁膜12が平坦な半導体
成長層34の表面に形成されているので、リソグラフィ
工程における焦点合わせが容易となっている。
【0060】開口12cを形成したのち、例えば、拡散
により600℃程度の温度でp型不純物である亜鉛を半
導体成長層34,33の一部にそれぞれ導入し、p型層
26aを第1の障壁層24に埋め込んで形成すると共
に、p型コンタクト層26bを表面層25に埋め込んで
形成する。なお、ここでは、AlGaAs混晶よりなる
半導体成長層33の上にGaAsよりなる半導体成長層
34が形成されているので、半導体成長層33の酸化が
抑制されており、p型層26aを制御性よく形成できる
ようになっている。そののち、図7には示さないが、例
えば、全面にチタン,白金および金を順次蒸着してパタ
ーン形成を行いゲート電極15を形成する。ここでは、
半導体成長層34の上に直接ゲート電極15を形成する
ので、ゲート電極15とチャネル層23との間の距離を
高い精度で制御できるようになっている。
【0061】ゲート電極15を形成したのち、絶縁膜1
2の一部をリソグラフィ技術およびエッチング技術によ
り選択的に除去し、ソース電極13およびドレイン電極
14の形成予定領域に開口12a,12bをそれぞれ形
成して半導体成長層34を露出させる。開口12a,1
2bをそれぞれ形成したのち、その上に、例えばAuG
e,ニッケルおよび金を順次蒸着してパターン形成を行
う。そののち、例えば400℃程度の加熱処理を行って
合金化し、ソース電極13およびドレイン電極14をそ
れぞれ形成すると共に、半導体成長層33の一部に低抵
抗化したソース層27aおよびドレイン層28aをそれ
ぞれ形成し、半導体成長層34の一部に低抵抗化したソ
ースコンタクト層27bおよびドレインコンタクト層2
8bをそれぞれ形成する。これにより、図1に示した半
導体素子が形成される。
【0062】なお、この半導体素子は、次のようにして
も製造することができる。例えば、絶縁膜12に開口1
2a,12bをそれぞれ形成したのち、ソース電極13
およびドレイン電極14を形成する前に、拡散法または
イオン注入法などによりn型不純物を半導体成長層3
3,34の一部に導入し、n型半導体よりなるソース層
27a,ソースコンタクト層27b,ドレイン層28a
およびドレインコンタクト層28bをそれぞれ形成する
ようにしてもよい。
【0063】また、例えば、絶縁膜12に開口12a,
12bをそれぞれ形成したのち、ソース電極13および
ドレイン電極14を形成する前に、インジウムなどの金
属を半導体成長層33,34の一部と合金化させ、第1
の障壁層24よりも大きな電子親和力および狭いバンド
ギャップを有するソース層27aおよびドレイン層28
aをそれぞれ形成すると共に、表面層25よりも大きな
電子親和力および狭いバンドギャップを有するソースコ
ンタクト層27bおよびドレインコンタクト層28bを
それぞれ形成するようにしてもよい。
【0064】更に、例えば、絶縁膜12に開口12a,
12bをそれぞれ形成したのち、ソース電極13および
ドレイン電極14を形成する前に、その両方を行い、そ
れらをそれぞれ形成するようにしてもよい。ちなみに、
これらの方法によりソース層27a,ソースコンタクト
層27b,ドレイン層28aおよびドレインコンタクト
層28bをそれぞれ形成する場合には、ソース電極13
およびドレイン電極14を形成する際の加熱による合金
化処理工程において、通常より加熱温度を低くしたり、
あるいは加熱時間を短くするようにしてもよい。また、
合金化処理を省略してもよい。
【0065】このように本実施の形態に係る半導体素子
によれば、ゲート電極15に対応してp型層26aを備
えると共に、このp型層26aとゲート電極15との間
にp型層26aよりも大きな電子親和力および狭いバン
ドギャップを有するp型コンタクト層26bを備えるよ
うにしたので、ビルトイン電圧を大きくすることがで
き、よってゲート電極15に大きな正電圧を印加でき、
正電源のみによる動作が容易となると共に、p型層26
aおよびp型コンタクト層26bとゲート電極15との
接触抵抗を小さくすることができる。
【0066】また、ゲート電極15に正電圧を印加した
場合に、チャネル層23において寄生抵抗成分Rrec
がほとんど残存せず、オン抵抗Ronを低くすることが
でき、高い電力付加効率ηを得ることができる。更に、
ビルトイン電圧が大きいので、従来と同程度の閾値電圧
を得るにはキャリア供給領域22b,24bの不純物濃
度を高くする必要が生じ、それによりいわゆるソース抵
抗が低くなり、オン抵抗Ronを小さくすることができ
る。加えて、p型コンタクト層26bを備えているの
で、p型層26aの酸化を抑制することができ、p型層
26aを不純物の拡散により制御性よく形成することが
できる。
【0067】更にまた、チャネル層23とp型層26a
との間にチャネル層23よりも小さな電子親和力および
広いバンドギャップを有する第1の障壁層24を備える
ようにしたので、相互コンダクタンスGmおよびゲート
・ソース間容量Cgsのゲート電圧Vgに対する依存性
が少なく、かつ電流密度を高くすることができる。特
に、本実施の形態では、ゲート電極15に大きな正電圧
を印加することができるので、相互コンダクタンスGm
およびゲート・ソース間容量Cgsはゲート電圧Vgの
広い範囲に渡って変動が少なく、優れた歪み特性を得る
ことができる。
【0068】加えてまた、第1の障壁層24のチャネル
層23と反対側に表面層25を設け、p型層26aを第
1の障壁層24に対して埋め込むと共に、p型コンタク
ト層26bを表面層25に対して埋め込み、かつ第1の
障壁層24に対応してソース層27aおよびドレイン層
28aを設け、表面層25に対応してソースコンタクト
層27bおよびドレインコンタクト層28bを設けるよ
うにしたので、半導体層20の表面を段差のない平坦面
とすることができる。よって、絶縁膜12の形成または
リソグラフィ工程における位置合わせなどが容易とな
り、製造を容易とすることができる。また、半導体層2
0をエッチングする必要がないので、製造工程を簡素化
することができると共に、ゲート電極15とチャネル層
23との間の距離を高い精度で制御することができ、品
質を向上させることができる。
【0069】更にまた、表面層25を高濃度のn型不純
物を含むn型半導体により構成するようにしたので、チ
ャネル層23のうち表面層25に対応する領域における
電子の空乏化を防止することができ、いわゆるソース抵
抗を低減することができる。
【0070】加えてまた、表面層25の厚さを35nm
以下に薄くするようにしたので、ソース電極13とゲー
ト電極15との間およびソース電極13とドレイン電極
14との間に電圧をそれぞれ印加しない状態において表
面層25は空乏化し、n型不純物を高濃度に含んでいて
も、ゲート電極15とドレイン電極14との間における
逆方向の耐圧性を確保することができる。ちなみに、本
実施の形態で説明したように構成すれば、例えば、ソー
ス抵抗が0.7Ωmmで、ゲート電極15とドレイン電
極14との間における逆方向の耐圧が10V以上の従来
に比べて遜色のない特性を得ることができる。
【0071】更にまた、本実施の形態に係る半導体素子
の製造方法によれば、チャネル層23の上に、ソース層
27a,第1の障壁層24およびドレイン層28bの形
成予定領域にそれぞれ対応して半導体成長層31,3
2,33をそれぞれ形成し、その上に、ソース層27
a,第1の障壁層24,p型層26aおよびドレイン層
28bの形成予定領域にそれぞれ対応して半導体成長層
33を形成し、その上に、ソースコンタクト層27b,
表面層25,p型コンタクト層26bおよびドレインコ
ンタクト層28bに対応して半導体成長層34を形成し
たのち、半導体成長層33,34の一部にp型不純物を
それぞれ拡散させることによりp型層26aおよびp型
コンタクト層26bを形成するようにしたので、本実施
の形態に係る半導体素子を容易に製造することができ、
本実施の形態に係る半導体素子を容易に実現することが
できる。
【0072】なお、この半導体素子は、上述したように
ゲート電極15とドレイン電極14との間の耐圧性が高
いので、例えば、移動体通信装置などの無線通信装置に
含まれる電力増幅器に好ましく用いられる。特に、チャ
ネル層23が電子速度を速くできるInGaAs混晶な
どの半導体により構成される場合には、優れた高周波特
性を有するので、通信周波数がUHF(ultra high fre
quency)帯以上のものに好ましく用いられる。
【0073】図8は本実施の形態に係る半導体素子を用
いた無線通信装置の概略構成を表すものである。この無
線通信装置は、例えば、高周波信号などの通信信号を送
受信するアンテナ110と、このアンテナ110から入
力された通信信号を処理信号に変換する受信部120
と、処理信号を処理する信号処理回路130と、この信
号処理回路から出力された処理信号を通信信号に変換す
る送信部140とを備えている。なお、アンテナ110
と受信部120および送信部140とはスイッチ150
を介して接続されており、入力された信号に応じて回路
を切り換えるようになっている。
【0074】受信部120は、例えば、通信信号を増幅
する低雑音増幅器121と、この低雑音増幅器121に
より増幅された通信信号から特定の周波数を選択するフ
ィルタ122と、このフィルタ122を通過した通信信
号を局部発振器123から発振される局部発振信号によ
り周波数変換して処理信号とするミキサ124と、この
ミキサ124により変換された処理信号を増幅する広帯
域IF増幅器125とを有している。すなわち、この無
線通信装置は、アンテナ110に通信信号が入力される
と、この通信信号をスイッチ150を介して低雑音増幅
器121により増幅し、フィルタ122により周波数の
選択をし、ミキサ124により周波数変換して処理信号
としたのち、広帯域IF増幅器125により増幅して信
号処理回路130に出力するようになっている。
【0075】送信部140は、例えば、処理信号を局部
発振器123から発振される局部発振信号により周波数
変換して通信信号とする変調器141と、この変調器1
41により変換された通信信号を増幅するドライバ増幅
器142と、このドライバ増幅器142により増幅され
た通信信号の位相を変える移相器143と、移相器14
3により変換された通信信号を増幅する電力増幅器14
4とを有している。すなわち、この無線通信装置は、信
号処理回路130から処理信号が出力されると、この処
理信号を変調器141により周波数変換して通信信号と
したのち、ドライバ増幅器142により増幅し、移相器
143により位相を変換し、電力増幅器144により増
幅し、スイッチ150を介してアンテナ110から出力
するようになっている。この無線通信装置では、電力増
幅器144に本実施の形態に係る半導体素子が用いられ
ている。なお、本実施の形態に係る半導体素子は電力増
幅器144により適したものであるが、ドライバ増幅器
142あるいは低雑音増幅器121などに本実施の形態
に係る半導体素子を用いるようにしてもよい。
【0076】このようにこの無線通信装置によれば、本
発明の半導体素子を用いた電力増幅器144を備えるよ
うにしたので、電力増幅器144について優れた低歪み
特性および高い電力付加効率を得ることができると共
に、電力増幅器144を正電源のみで容易に動作させる
ことができる。よって、無線通信装置の大きさを小型化
することができ、かつ消費電力を少なくすることができ
る。従って、特に、携帯通信端末などの無線通信装置に
おいて、装置の小型化および使用時間の延長が可能とな
り、携帯を更に容易とすることができる。また、電力増
幅器について優れた低歪み特性が求められるCDMAな
どの通信品質の高い新しい通信方式においては、その品
質を向上させることができる。
【0077】(第2の実施の形態)図9は、本発明の第
2の実施の形態に係る半導体素子の構成を表すものであ
る。この半導体素子は、半導体層40における表面層4
5,p型層46aおよびp型コンタクト層46bの構成
がそれぞれ異なることを除き、第1の実施の形態と同一
の構成を有している。よって、第1の実施の形態と同一
の構成要素には同一の符号を付すと共に、対応する構成
要素には十の位を“4”に変更した符号を付し、同一部
分についての詳細な説明を省略する。
【0078】半導体層40は、例えば、第1の障壁層2
4のチャネル層23と反対側に、表面層45,p型層4
6aおよびp型コンタクト層46bを第1の障壁層24
の側から順に積層して有している。
【0079】表面層45は、例えば、p型層46aとの
エッチング選択比が大きな半導体により構成されてお
り、p型層46aおよびp型コンタクト層46bを形成
する際のエッチング制御性を高めるようになっている。
また、この表面層45は、ソースコンタクト層27bお
よびドレインコンタクト層28bと同一工程で成長させ
た半導体成長層により形成されている。よって、ソース
電極13およびドレイン電極14との接触抵抗を小さく
するように、第1の障壁層24よりも大きな電子親和力
および狭いバンドギャップを有する半導体により構成さ
れることが好ましい。更に、表面層45は、例えば、不
純物が添加されていないかまたは低濃度のn型不純物を
含んでいても良く、その不純物濃度は、p型層46aよ
りも低く、2×1017cm-3以下であることが好まし
い。ゲート耐圧の低下を防止するためである。なお、こ
こでの表面層45は、例えば、厚さが10nmであり、
不純物を添加しないundope−GaAsにより構成されて
いる。
【0080】p型層46aは、第1の障壁層24に埋め
込まれておらず、p型不純物を添加しながらエピタキシ
ャル成長されたものであることを除き、第1の実施の形
態におけるp型層26aと同一の構成を有している。例
えば、このp型層46aは、厚さが20nmであり、p
型不純物として炭素(C)を1×1019cm-3程度含み
III族元素におけるアルミニウムの組成比が0.25
のp型Al0.25Ga0.75As混晶により構成されてい
る。
【0081】p型コンタクト層46bは、表面層45に
埋め込まれておらず、p型不純物を添加しながらエピタ
キシャル成長されたものであることを除き、第1の実施
の形態におけるp型コンタクト層26bと同一の構成を
有している。例えば、このp型コンタクト層46bは、
厚さが15nmであり、p型不純物として炭素を1×1
19cm-3程度含むp型GaAsにより構成されてい
る。
【0082】なお、p型層46aとチャネル層23との
間の距離を調節するために、第1の障壁層24における
高抵抗領域24cの厚さは例えば12nmとなってい
る。
【0083】また、半導体層40の表面は、ソースコン
タクト層27b,表面層45,p型コンタクト層46b
およびドレインコンタクト層28bにより形成されてお
り、p型層46aおよびp型コンタクト層46bの厚さ
に相当する段差を有している。この段差は70nm以下
であり、表面は実質的な平坦面となっている。ここで
は、例えば、35nmと極めて小さくなっている。
【0084】図10および図11は、この半導体素子の
ゲート電極15下におけるエネルギーバンド構成を表す
ものである。図10はゲート電圧Vgを印加していない
状態のものであり、図11は1.3V以上のゲート電圧
Vgを印加した状態のものである。なお、図10および
図11では、第2の障壁層22,第1の障壁層24をA
0.23Ga0.77As混晶によりそれぞれ構成し、チャネ
ル層23をIn0.2 Ga0.8 As混晶により構成し、表
面層45をGaAsにより構成し、p型層46aをAl
0.25Ga0.75As混晶により構成し、p型コンタクト層
46bをGaAsにより構成した場合について表してい
る。
【0085】この半導体素子は、第1の障壁層24とp
型層46aとの間にそれらよりも狭いバンドギャップを
有する半導体よりなる表面層45が設けられていること
を除き、第1の実施の形態と同様である。すなわち、第
1の実施の形態と同様に、p型層46aにより大きなビ
ルトイン電圧が得られるようになっており、p型コンタ
クト層46bによりp型層46aおよびp型コンタクト
層46bとゲート電極15との接触抵抗を小さくできる
ようになっている。また、図11に示したように、第1
の障壁層24によりゲートリーク電流を十分に防止する
と共に、相互コンダクタンスGmの劣化を防止するよう
になっている。
【0086】このような構成を有する半導体素子は、例
えば、次のようにして製造することができる。
【0087】図12はその各製造工程を表すものであ
る。まず、図12(A)に示したように、例えば、第1
の実施の形態と同様にして、GaAsよりなる基板11
の上に、undope−GaAsよりなるバッファ層21,A
lGaAs混晶よりなる第2の障壁層22およびundope
−InGaAsよりなるチャネル23を順次エピタキシ
ャル成長させる。
【0088】次いで、チャネル層23の上に、例えば、
第1の障壁層24の高抵抗領域24a,ソース層27a
およびドレイン層28aの形成予定領域にそれぞれ対応
して、同一工程により、undope−AlGaAs混晶より
なる半導体成長層51をエピタキシャル成長させる。続
いて、半導体成長層51の上に、例えば、第1の障壁層
24のキャリア供給領域24b,ソース層27aおよび
ドレイン層28aの形成予定領域にそれぞれ対応して、
同一工程により、n型AlGaAs混晶よりなる半導体
成長層52をエピタキシャル成長させる。
【0089】半導体成長層52を形成したのち、その上
に、例えば、第1の障壁層24の高抵抗領域24c,ソ
ース層27aおよびドレイン層28aの形成予定領域に
それぞれ対応して、同一工程により、undope−AlGa
As混晶よりなる半導体成長層53をエピタキシャル成
長させる。これにより、第1の障壁層24の形成予定領
域に、高抵抗領域24a,キャリア供給領域24bおよ
び高抵抗領域24cを積層した第1の障壁層24が形成
される。そののち、半導体成長層53の上に、例えば、
表面層45,ソースコンタクト層27bおよびドレイン
コンタクト層28bの形成予定領域にそれぞれ対応し
て、同一工程により、undope−GaAsよりなる半導体
成長層54をエピタキシャル成長させる。これにより、
表面層45の形成予定領域に表面層45が形成される。
【0090】半導体成長層54を形成したのち、その上
に、例えば、p型AlGaAs混晶よりなる半導体成長
層55をエピタキシャル成長させる。なお、この半導体
成長層55はp型層46aを形成するためのものであ
る。すなわち、ここでは、第1の実施の形態とは異な
り、p型層46aを不純物の拡散ではなく不純物を添加
したエピタキシャル成長により形成するようになってい
る。不純物の拡散により形成する場合には拡散時の温度
のばらつきによりp型層46aの厚さにばらつきが生じ
てしまうのに対して、エピタキシャル成長によれば厚さ
を精度良く制御することができるからである。半導体成
長層55を形成したのち、その上に、例えば、p型Ga
Asよりなる半導体成長層56をエピタキシャル成長さ
せる。この半導体成長層56はp型コンタクト層46b
を形成するためのものである。
【0091】半導体成長層56を形成したのち、図12
(B)に示したように、例えば、半導体成長層56,5
5をリソグラフィ技術を用いてエッチングにより選択的
に除去し、p型層46aおよびp型コンタクト層46b
を形成する。なお、ここでは、p型層46aとのエッチ
ング選択比が大きい半導体よりなる表面層45が設けら
れているので、エッチングの制御が容易となっている。
また、p型層46aおよびp型コンタクト層46bの厚
さは70nm以下と薄いので、容易にエッチングできる
ようになっている。
【0092】そののち、図示しないが、第1の実施の形
態と同様にして素子間分離を行う。素子分離を行ったの
ち、半導体成長層54およびp型コンタクト層46bの
上に、例えばCVD法により窒化ケイ素膜を蒸着し絶縁
膜12を形成する。ここでは、p型層46aおよびp型
コンタクト層46bの厚さが70nm以下と薄く、半導
体成長層54とp型コンタクト層46bとの段差が小さ
いので、均一な絶縁膜12を容易に形成できるようにな
っている。そののち、絶縁膜12をリソグラフィ技術を
用いてエッチングにより選択的に除去し、ゲート電極1
5の形成予定領域に開口12cを形成してp型コンタク
ト層46bを露出させる。ここでは、半導体成長層54
とp型コンタクト層46bとの段差が小さいので、リソ
グラフィ工程における位置合わせが容易となっている。
【0093】開口12cを形成したのち、図12には示
さないが、例えば、第1の実施の形態と同様にしてゲー
ト電極15を形成する。ここでも第1の実施の形態と同
様に、p型コンタクト層46bの上に直接ゲート電極1
5を形成するので、ゲート電極15とチャネル層23と
の間の距離を高い精度で制御できるようになっている。
そののち、例えば、第1の実施の形態と同様にして、ソ
ース電極13,ドレイン電極14,ソース層27a,ソ
ースコンタクト層26b,ドレイン層28aおよびドレ
インコンタクト層28bをそれぞれ形成する。これによ
り、図9に示した半導体素子が形成される。
【0094】なお、この半導体素子は、第1の実施の形
態と同様に動作し、同様に用いられる。
【0095】このように本実施の形態に係る半導体素子
によれば、第1の実施の形態と同様にp型層46aおよ
びp型コンタクト層46bを備えるようにしたので、第
1の実施の形態と同様の効果を有する。
【0096】また、p型層46aおよびp型コンタクト
層46bを表面層45よりもゲート電極15側に設ける
と共に、第1の障壁層24に対応してソース層27aお
よびドレイン層28aを設け、表面層45に対応してソ
ースコンタクト層27bおよびドレインコンタクト層2
8bを設けるようにしたので、半導体層40の表面を段
差が70nm以下の実質的な平坦面とすることができ
る。よって、第1の実施の形態と同様に、製造を容易と
することができる。更に、エッチング量を少なくでき、
製造工程を簡素化することができる。加えて、半導体層
40をエッチングしてp型コンタクト層46bを露出さ
せる必要がないので、第1の実施の形態と同様に、ゲー
ト電極15とチャネル層23との間の距離を高い精度で
制御することができる。
【0097】更にまた、本実施の形態に係る半導体素子
の製造方法によれば、チャネル層23の上に、ソース層
27a,第1の障壁層24およびドレイン層27bの形
成予定領域にそれぞれ対応して半導体成長層51,5
2,53をそれぞれ形成し、その上に、ソースコンタク
ト層27b,表面層45およびドレインコンタクト層2
8bに対応して半導体成長層54を形成し、その上に、
p型層46aおよびp型コンタクト層46bを形成する
ようにしたので、本実施の形態に係る半導体素子を容易
に製造することができ、本実施の形態に係る半導体素子
を容易に実現することができる。
【0098】加えてまた、p型層46aおよびp型コン
タクト層46bをエピタキシャル成長により不純物を導
入して形成するようにしたので、p型層46aの厚さを
高い精度で制御することができる。よって、閾値電圧の
ばらつきを小さくすることができる。
【0099】(第3の実施の形態)図13は本発明の第
3の実施の形態に係る半導体素子の構成を表すものであ
る。この半導体素子は、半導体層60における第1の障
壁層64,表面層65,p型層66aおよびp型コンタ
クト層66bの構成がそれぞれ異なることを除き、第1
の実施の形態と同一の構成を有している。よって、第1
の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付すと
共に、対応する構成要素には十の位を“6”に変更した
符号を付し、同一部分についての詳細な説明を省略す
る。
【0100】第1の障壁層64は、例えば、厚さ2nm
の高抵抗領域64aと、厚さ6nmのキャリア供給領域
64bと、厚さ22nmの高抵抗領域64cと,厚さ2
0nmのp型層埋め込み領域64dがチャネル層23の
側から順に積層された構造を有している。高抵抗領域6
4aおよびキャリア供給領域64bは、第1の実施の形
態の高抵抗領域24aおよびキャリア供給領域24bと
同一の構成を有している。高抵抗領域64cは、厚さお
よびp型層66aが埋め込まれていないことを除き、第
1の実施の形態の高抵抗領域24cと同一の構成を有し
ている。
【0101】p型層埋め込み領域64dは、例えば、p
型層66aを埋め込むように対応して形成されており、
高抵抗領域64a,64cおよびキャリア供給領域64
bと材料および組成が同一の半導体により構成されてい
る。また、このp型層埋め込み領域64dは、p型不純
物が不活性化されているため、あるいはn型不純物によ
り補償されているためにn型または半絶縁性となってい
る。p型層埋め込み領域64dのキャリア濃度は、例え
ば、2×1017cm-3以下であることが好ましい。ゲー
ト耐圧の低下を防止するためである。
【0102】表面層65は、例えば、厚さが15nmで
あり、p型不純物が不活性化されているため、あるいは
n型不純物により補償されているためにn型または半絶
縁性となっていることを除き、第1の実施の形態の表面
層25と同一の構成を有している。
【0103】p型層66aは、例えば、厚さが20nm
であり、炭素などのp型不純物を添加しながらエピタキ
シャル成長されたものであることを除き、第1の実施の
形態におけるp型層26aと同一の構成を有している。
p型コンタクト層66bは、例えば、厚さが15nmで
あり、炭素などのp型不純物を添加しながらエピタキシ
ャル成長されたものであることを除き、第1の実施の形
態におけるp型コンタクト層26bと同一の構成を有し
ている。
【0104】このような構成を有する半導体素子は、例
えば、次のようにして製造することができる。
【0105】図14はその各製造工程を表すものであ
る。まず、図14(A)に示したように、例えば、第1
の実施の形態と同様にして、GaAsよりなる基板11
の上に、undope−GaAsよりなるバッファ層21,A
lGaAs混晶よりなる第2の障壁層22およびundope
−InGaAsよりなるチャネル23を順次エピタキシ
ャル成長させる。
【0106】次いで、チャネル層23の上に、例えば、
第1の障壁層64の高抵抗領域64a,ソース層27a
およびドレイン層28aの形成予定領域にそれぞれ対応
して、同一工程により、undope−AlGaAs混晶より
なる半導体成長層71をエピタキシャル成長させ、高抵
抗領域64aを形成する。続いて、半導体成長層71の
上に、例えば、第1の障壁層64のキャリア供給領域6
4b,ソース層27aおよびドレイン層28aの形成予
定領域にそれぞれ対応して、同一工程により、n型Al
GaAs混晶よりなる半導体成長層72をエピタキシャ
ル成長させ、キャリア供給領域64bを形成する。
【0107】半導体成長層72を形成したのち、その上
に、例えば、第1の障壁層64の高抵抗領域64c,ソ
ース層27aおよびドレイン層28aの形成予定領域に
それぞれ対応して、同一工程により、undope−AlGa
As混晶よりなる半導体成長層73をエピタキシャル成
長させ、高抵抗領域64cを形成する。そののち、半導
体成長層73の上に、例えば、第1の障壁層64のp型
層埋め込み領域64d,p型層66a,ソース層27a
およびドレイン層28aの形成予定領域にそれぞれ対応
して、同一工程により、p型AlGaAs混晶よりなる
半導体成長層74をエピタキシャル成長させ、p型層6
6aを形成する。すなわち、ここでは、p型層66aを
不純物を添加しながらエピタキシャル成長させることに
より、厚さを精度良く制御するようになっている。
【0108】半導体成長層74を形成したのち、その上
に、例えば、表面層65,p型コンタクト層66b,ソ
ースコンタクト層27bおよびドレインコンタクト層2
8bの形成予定領域にそれぞれ対応して、同一工程によ
り、p型GaAsよりなる半導体成長層75をエピタキ
シャル成長させ、p型コンタクト層66bを形成する。
【0109】半導体成長層75を形成したのち、図14
(B)に示したように、例えば、イオン注入または不純
物拡散により、半導体成長層75,74のうちの表面層
65,ソースコンタクト層27b,ドレインコンタクト
層28b,p型層埋め込み領域64d,ソース領域27
aおよびドレイン領域28aの形成予定領域にそれぞれ
n型不純物を導入し、p型不純物を不活性化または補償
する。これにより、p型層埋め込み領域64dおよび表
面層65がそれぞれ形成される。
【0110】そののち、図14には示さないが、第1の
実施の形態と同様にして、素子分離を行い、絶縁膜1
2,ゲート電極15,ソース電極12,ドレイン電極1
4,ソース層27a,ソースコンタクト層26b,ドレ
イン層28aおよびドレインコンタクト層28bをそれ
ぞれ形成する。これにより、図13に示した半導体素子
が形成される。
【0111】なお、この半導体素子は、半導体成長層7
4を形成したのち、その上に絶縁膜12を形成し、絶縁
膜12の上からイオン注入して半導体成長層75,74
のうちの表面層65,ソースコンタクト層27b,ドレ
インコンタクト層28b,p型層埋め込み領域64d,
ソース領域27aおよびドレイン領域28aの形成予定
領域にそれぞれn型不純物を導入するようにしても形成
することができる。
【0112】また、この半導体素子は、第1の実施の形
態と同様に動作し、同様に用いられる。
【0113】このように本実施の形態によれば、第1の
実施の形態において説明した効果に加えて、p型層66
aおよびp型コンタクト層66bをエピタキシャル成長
により不純物を導入して形成するようにしたので、p型
層66aの厚さを高い精度で制御することができる。よ
って、閾値電圧のばらつきを小さくすることができる。
【0114】(第4の実施の形態)本実施の形態は、第
1の実施の形態におけるチャネル層23を他の半導体材
料により構成した例を示すものである。よって、ここで
は、対応する構成要素には第1の実施の形態と同一の符
号を付すと共に、図1を参照し、同一部分についての詳
細な説明を省略する。
【0115】チャネル層23は、例えば、undope−In
GaN混晶あるいはundope−InGaAsN混晶など、
III族元素であるインジウムおよびガリウムからなる
群のうちの少なくとも1種と、V族元素であるヒ素およ
び窒素からなる群のうちの少なくとも窒素とを含むII
I−V族化合物半導体により構成されており、チャネル
層23と第1の障壁層24との伝導帯端の不連続量ΔE
cを更に大きくできるようになっている。
【0116】これによりこの半導体素子によれば、チャ
ネル層23と第1の障壁層24との伝導帯端の不連続量
ΔEcが更に大きくなり、ゲート電圧Vgの広い範囲に
渡って相互コンダクタンスGmおよびゲート・ソース間
容量Cgsの変動を更に少なくすることができると共
に、電流密度を更に高くすることができる。よって、更
に優れた歪み特性を得ることができると共に、更に高出
力化を図ることができる。
【0117】以上、実施の形態を挙げて本発明を説明し
たが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもので
はなく、種々変形することができる。例えば、上記実施
の形態においては、第1導電型がp型で第2導電型がn
型の場合について説明したが、第1導電型をn型とし第
2導電型をp型として構成してもよい。この場合、チャ
ネル層23にキャリアとして正孔が蓄積され走行するこ
とを除き、上記実施の形態と同様の構成を有し、同様に
動作する。また、上記実施の形態と同様に、第2の障壁
層22および第1の障壁層24,64をチャネル層23
よりも小さな電子親和力および広いバンドギャップを有
する半導体によりそれぞれ構成すれば、第2の障壁層2
2および第1の障壁層24,64の電子親和力とバンド
ギャップとの和をチャネル層23よりもそれぞれ大きく
することができ、チャネル層23に正孔を閉じ込めるこ
とができる。更に、第2の障壁層22および第1の障壁
層24,64における電子の占有を防止することがで
き、動作に与える悪影響を防止することができる。
【0118】なお、上記実施の形態においては、ソース
層27a,ソースコンタクト層27b,ドレイン層28
aおよびドレインコンタクト層28bがインジウムを含
むことにより、第1の障壁層24または表面層25,4
5よりも大きな電子親和力および狭いバンドギャップを
有する場合について説明したが、第1導電型がn型で第
2導電型がp型の場合には、インジウムに代えてアンチ
モン(Sb)を含むようにすることにより同様の構成と
することができる。
【0119】また、上記実施の形態においては、エンハ
ンスメントモードのものについて具体的に説明したが、
本発明は、ディプレッションモードのものにも同様に適
用される。
【0120】更に、上記実施の形態においては、第2の
障壁層22および第1の障壁層24,64の両方にキャ
リア供給領域22b,24b,64bを設けるようにし
たが、第2の障壁層22または第1の障壁層24,64
のいずれか一方のみにキャリア供給領域を設けるように
してもよい。
【0121】加えて、上記実施の形態においては、チャ
ネル層23を不純物を添加しない半導体により構成する
ようにしたが、第2導電型半導体により構成するように
してもよい。この場合、上記実施の形態のように第2の
障壁層および第1の障壁層の少なくとも一方にキャリア
供給領域を設けるようにしてもよく、それらにはキャリ
ア供給領域を設けないようにしてもよい。
【0122】更にまた、上記実施の形態においては、チ
ャネル層23の第1の障壁層24,64と反対側に第2
の障壁層22を備えるようにしたが、本発明は、第2の
障壁層を備えていないものも含んでいる。
【0123】加えてまた、上記実施の形態においては、
p型不純物として亜鉛または炭素を具体的に挙げ、n型
不純物としてケイ素を具体的に挙げて説明したが、マグ
ネシウム(Mg)あるいはベリリウム(Be)などの他
のp型不純物を用いるようにしてもよく、セレン(S
e),ゲルマニウム(Ge),スズ(Sn)あるいは硫
黄(S)などの他のn型不純物を用いるようにしてもよ
い。
【0124】更にまた、上記実施の形態においては、第
1の障壁層24,64およびp型層26a,46a,6
6aをAlGaAs混晶によりそれぞれ構成する場合に
ついて具体的に説明したが、InGaP混晶,AlIn
GaP混晶およびAlInGaAsP混晶などによりそ
れぞれ構成するようにすれば、第1の障壁層24,64
およびp型層26a,46a,66aのバンドギャップ
が更に広くなり、チャネル層23との伝導帯端の不連続
量ΔEcを更に大きくすることができる。よって、ゲー
ト電極15に印加できる電圧の上限を更に大きくできる
と共に、ゲート電圧Vgの広い範囲に渡って相互コンダ
クタンスGmおよびゲート・ソース間容量Cgsの変動
を更に少なくすることができ、かつ電流密度を更に高く
することができる。よって、更に正電源での動作が容易
となると共に、更に優れた歪み特性を得ることができ、
更に高出力化を図ることができる。
【0125】加えてまた、上記実施の形態においては、
半導体層20,40,60を構成するIII−V族化合
物半導体を具体的に挙げて説明したが、他のIII−V
族化合物半導体、例えば、III族元素であるガリウ
ム,アルミニウム,インジウムおよびホウ素(B)から
なる群のうちの少なくとも1種と、V族元素である窒
素,ヒ素およびリンからなる群のうちの少なくとも1種
とを含む他のIII−V族化合物半導体により構成する
ようにしてもよい。また、III−V族化合物半導体以
外の他の半導体により構成するようにしてもよい。
【0126】更にまた、上記実施の形態においては、ソ
ース電極13,ドレイン電極14およびゲート電極15
を構成する材料について具体的に例を挙げて説明した
が、他の材料によりそれぞれ構成するようにしてもよ
い。
【0127】加えてまた、上記実施の形態においては、
ソース層27aおよびドレイン層28aをチャネル層2
3とソース電極13またはドレイン電極14との間にお
いて第1の障壁層24,64に対応させてそれぞれ形成
するようにしたが、チャネル層23または第2の障壁層
22にまで延長させて形成するようにしてもよい。
【0128】更にまた、上記第1の実施の形態において
は、拡散法により半導体成長層33,34に不純物を導
入してp型層26aおよびp型コンタクト層26bをそ
れぞれ形成するようにしたが、イオン注入法により不純
物を導入するようにしてもよい。
【0129】
【発明の効果】以上説明したように請求項1乃至請求項
27のいずれか1に記載の半導体素子によれば、チャネ
ル層とゲート電極との間にチャネル層よりも小さな電子
親和力および広いバンドギャップを有する第1導電型層
を備えると共に、この第1導電型層とゲート電極との間
に第1導電型層よりも大きな電子親和力および狭いバン
ドギャップを有する第1導電型コンタクト層を備えるよ
うにしたので、ビルトイン電圧を大きくすることがで
き、よってゲート電極に大きな正電圧を印加でき、正電
源のみによる動作が容易となると共に、第1導電型層お
よび第1導電型コンタクト層とゲート電極との接触抵抗
を小さくすることができるという効果を奏する。また、
チャネル層に寄生抵抗成分が残存せずいわゆるソース抵
抗を低くすることができるので、電力付加効率を高める
ことができるという効果も奏する。更に、第1導電型コ
ンタクト層により第1導電型層の酸化を抑制することが
できるという効果も奏する。
【0130】特に、請求項9乃至請求項26のいずれか
1に記載の半導体素子によれば、チャネル層と第1導電
型層との間にチャネル層よりも小さな電子親和力および
広いバンドギャップを有する第1の障壁層を備えるよう
にしたので、ゲート電圧の広い範囲に渡って相互コンダ
クタンスおよびゲート・ソース間容量の変動を少なくす
ることができ、優れた歪み特性を得ることができるとい
う効果を奏する。また、電流密度を高くすることがで
き、高出力化を図ることができるという効果も奏する。
【0131】また、請求項12乃至請求項22のいずれ
か1に記載の半導体素子によれば、第1の障壁層のチャ
ネル層と反対側に表面層を備えるようにしたので、第1
導電型コンタクト層との段差を小さくすることができ、
製造を容易とすることができるという効果を奏する。
【0132】更に、請求項13乃至請求項17のいずれ
か1に記載の半導体素子によれば、第1導電型層を第1
の障壁層に対して埋め込むと共に、第1導電型コンタク
ト層を表面層に対して埋め込むようにしたので、表面層
と第1導電型コンタクト層との段差をなくして平坦面と
することができ、より製造を容易とすることができる。
【0133】加えて、請求項14乃至16のいずれか1
に記載の半導体素子によれば、表面層を第2導電型半導
体により構成するようにしたので、チャネル層のうち表
面層に対応する領域におけるキャリアの空乏化を防止す
ることができ、いわゆるソース抵抗を低減することがで
きるという効果を奏する。
【0134】更にまた、請求項17記載の半導体素子に
よれば、表面層の厚さを35nm以下とするようにした
ので、表面層が第2導電型不純物を含んでいても、表面
層のキャリアを空乏化させることができる。よって、ゲ
ート電極とドレイン電極との間における逆方向の耐圧性
を確保することができるという効果を奏する。
【0135】加えてまた、請求項28乃至請求項37の
いずれか1に記載の半導体素子の製造方法によれば、チ
ャネル層とゲート電極との間に第1導電型層を形成する
工程と、第1導電型層とゲート電極との間に第1導電型
コンタクト層を形成する工程とを備えるようにしたの
で、本発明の半導体素子を容易に形成することができ、
本発明の半導体素子を容易に実現することができる。
【0136】更にまた、請求項38記載の電力増幅器ま
たは請求項39記載の無線通信装置によれば、本発明の
半導体素子を用いるようにしたので、優れた低歪み特性
および高い電力付加効率を得ることができると共に、正
電源のみで容易に動作させることができる。よって、小
型化することができ、かつ消費電力を少なくすることが
できる。従って、特に、携帯通信端末において、装置の
小型化および使用時間の延長が可能となり、携帯を更に
容易とすることができるという効果を奏する。また、電
力増幅器について優れた低歪み特性が求められるCDM
Aなどの通信品質の高い新しい通信方式においては、そ
の品質を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体素子の
構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した半導体素子のエネルギーバンド構
成図であり、ゲート電極に電圧を印加していない状態の
ものである。
【図3】図1に示した半導体素子のエネルギーバンド構
成図であり、ゲート電極に正電圧を印加している状態の
ものである。
【図4】図1に示した半導体素子におけるゲート電圧V
gとドレイン電流Idとの関係を表す特性図である。
【図5】図1に示した半導体素子におけるゲート電圧V
gと相互コンダクタンスGmとの関係を表す特性図であ
る。
【図6】図1に示した半導体素子の動作を説明するため
の断面図である。
【図7】図1に示した半導体素子の各製造工程を表す断
面図である。
【図8】図1に示した半導体素子を用いた無線通信装置
を表す構成図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る半導体素子の
構成を表す断面図である。
【図10】図9に示した半導体素子のエネルギーバンド
構成図であり、ゲート電極に電圧を印加していない状態
のものである。
【図11】図9に示した半導体素子のエネルギーバンド
構成図であり、ゲート電極に正電圧を印加している状態
のものである。
【図12】図9に示した半導体素子の各製造工程を表す
断面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る半導体素子
の構成を表す断面図である。
【図14】図12に示した半導体素子の各製造工程を表
す断面図である。
【図15】従来のJHFETの構成を表す断面図であ
る。
【符号の説明】
11,211…基板、12,212…絶縁膜、12a,
12b,12c…開口、13,213…ソース電極、1
4,214…ドレイン電極、15,215…ゲート電
極、20,40,60…半導体層、21,221…バッ
ファ層、22,222…第2の障壁層、22a,22c
…高抵抗領域、22b…キャリア供給領域、23,22
3…チャネル層、23a…キャリア欠乏領域、24,6
4,224…第1の障壁層、24a,24c,64a,
64c…高抵抗領域、24b,64b…キャリア供給領
域、25,45,66…表面層、26a,46a,66
a,226…p型層(第1導電型層)、26b,46
b,66b…p型コンタクト層(第1導電型コンタクト
層)、27a…ソース層、27b…ソースコンタクト
層、28a…ドレイン層、28b…ドレインコンタクト
層、31,32,33,34,51,52,53,5
4,55,56,71,72,73,74,75…半導
体成長層、64d…p型層埋め込み領域、110…アン
テナ、120…受信部、130…信号処理回路、140
…送信部、144…電力増幅器、150…スイッチ、2
29…キャップ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 光宏 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5F102 FA01 FA03 GB01 GC01 GD04 GJ05 GK05 GL04 GM06 GM07 GN05 GQ03 GR09 GS02 GT03 GV08 HC01 HC05 5J091 AA04 AA41 CA21 CA36 FA16 KA16 KA32 KA44 KA53 QA02 SA14 TA01 TA02 5K067 AA42 BB04

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソース電極とドレイン電極との間にゲー
    ト電極が設けられた半導体素子であって、 前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の電流通路で
    あり半導体よりなるチャネル層と、 このチャネル層と前記ゲート電極との間に前記ゲート電
    極に対応して設けられ、前記チャネル層よりも小さな電
    子親和力および広いバンドギャップを有し第1導電型不
    純物を含む第1導電型半導体よりなる第1導電型層と、 この第1導電型層と前記ゲート電極との間に前記ゲート
    電極に対応して設けられ、前記第1導電型層よりも大き
    な電子親和力および狭いバンドギャップを有し第1導電
    型不純物を含む第1導電型半導体よりなる第1導電型コ
    ンタクト層とを備えたことを特徴とする半導体素子。
  2. 【請求項2】 前記チャネル層は、インジウムおよびガ
    リウムからなる群のうちの少なくとも1種のIII族元
    素と、ヒ素および窒素からなる群のうちの少なくとも1
    種のV族元素とを含むIII−V族化合物半導体よりな
    ることを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  3. 【請求項3】 前記チャネル層は、III族元素におけ
    るインジウムの組成比が0.1以上のInGaAs混晶
    よりなることを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  4. 【請求項4】 前記チャネル層の厚さは、5nm以上2
    0nm以下であることを特徴とする請求項1記載の半導
    体素子。
  5. 【請求項5】 前記第1導電型層の第1導電型不純物濃
    度および前記第1導電型コンタクト層の第1導電型不純
    物濃度は、それぞれ1×1018cm-3以上であることを
    特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  6. 【請求項6】 前記第1導電型層は、インジウム,アル
    ミニウムおよびガリウムからなる群のうちの少なくとも
    1種のIII族元素と、ヒ素およびリンからなる群のう
    ちの少なくとも1種のV族元素とを含むIII−V族化
    合物半導体よりなることを特徴とする請求項1記載の半
    導体素子。
  7. 【請求項7】 前記第1導電型コンタクト層は、III
    −V族化合物半導体であるGaAsよりなることを特徴
    とする請求項1記載の半導体素子。
  8. 【請求項8】 前記第1導電型不純物は亜鉛,炭素,マ
    グネシウムおよびベリリウムからなる群のうちの少なく
    とも1種のp型不純物、またはセレン,ケイ素,ゲルマ
    ニウム,スズおよび硫黄からなる群のうちの少なくとも
    1種のn型不純物であることを特徴とする請求項1記載
    の半導体素子。
  9. 【請求項9】 更に、前記チャネル層と前記第1導電型
    層との間に設けられ、前記チャネル層よりも小さな電子
    親和力および広いバンドギャップを有する半導体よりな
    る第1の障壁層を備えたことを特徴とする請求項1記載
    の半導体素子。
  10. 【請求項10】 前記第1の障壁層は、インジウム,ア
    ルミニウムおよびガリウムからなる群のうちの少なくと
    も1種のIII族元素と、ヒ素およびリンからなる群の
    うちの少なくとも1種のV族元素とを含むIII−V族
    化合物半導体よりなることを特徴とする請求項9記載の
    半導体素子。
  11. 【請求項11】 前記第1の障壁層は、III族元素に
    おけるアルミニウムの組成比が0.25以下のAlGa
    As混晶よりなることを特徴とする請求項9記載の半導
    体素子。
  12. 【請求項12】 更に、前記第1の障壁層の前記チャネ
    ル層と反対側に設けられ、半導体よりなる表面層を備え
    たことを特徴とする請求項9記載の半導体素子。
  13. 【請求項13】 前記第1導電型層は前記第1の障壁層
    に対して埋め込まれており、前記第1導電型コンタクト
    層は前記表面層に対して埋め込まれていることを特徴と
    する請求項12記載の半導体素子。
  14. 【請求項14】 前記表面層は第2導電型不純物を含む
    第2導電型半導体よりなることを特徴とする請求項13
    記載の半導体素子。
  15. 【請求項15】 前記表面層の第2導電型不純物濃度は
    1×1018cm-3以上であることを特徴とする請求項1
    4記載の半導体素子。
  16. 【請求項16】 前記表面層は、前記ソース電極と前記
    ゲート電極との間および前記ソース電極と前記ドレイン
    電極との間に電圧をそれぞれ印加しない状態においてキ
    ャリアが空乏化していることを特徴とする請求項14記
    載の半導体素子。
  17. 【請求項17】 前記表面層の厚さは35nm以下であ
    ることを特徴とする請求項13記載の半導体素子。
  18. 【請求項18】 前記表面層は、前記第1の障壁層と前
    記第1導電型層との間に設けられたことを特徴とする請
    求項12記載の半導体素子。
  19. 【請求項19】 前記表面層は、不純物濃度が2×10
    17cm-3以下であることを特徴とする請求項18記載の
    半導体素子。
  20. 【請求項20】 更に、 前記ソース電極と前記チャネル層との間に前記第1の障
    壁層に対応して設けられ、前記ソース電極と前記チャネ
    ル層とを電気的に接続するためのソース層と、 このソース層と前記ソース電極との間に前記表面層に対
    応して設けられたソースコンタクト層と、 前記ドレイン電極と前記チャネル層との間に前記第1の
    障壁層に対応して設けられ、前記ドレイン電極と前記チ
    ャネル層とを電気的に接続するためのドレイン層と、 このドレイン層と前記ドレイン電極との間に前記表面層
    に対応して設けられたドレインコンタクト層とを備えた
    ことを特徴とする請求項12記載の半導体素子。
  21. 【請求項21】 前記ソース層,前記ソースコンタクト
    層,前記ドレイン層および前記ドレインコンタクト層
    は、第2導電型不純物を含む第2導電型半導体によりそ
    れぞれ構成されたことを特徴とする請求項20記載の半
    導体素子。
  22. 【請求項22】 前記ソース層および前記ドレイン層
    は、前記第1の障壁層よりも大きな電子親和力および狭
    いバンドギャップを有する半導体によりそれぞれ構成さ
    れると共に、前記ソースコンタクト層および前記ドレイ
    ンコンタクト層は、前記表面層よりも大きな電子親和力
    および狭いバンドギャップを有する半導体によりそれぞ
    れ構成されたことを特徴とする請求項20記載の半導体
    素子。
  23. 【請求項23】 更に、前記チャネル層の前記第1の障
    壁層と反対側に設けられ、前記チャネル層よりも小さな
    電子親和力および広いバンドギャップを有する半導体よ
    りなる第2の障壁層を備えたことを特徴とする請求項9
    記載の半導体素子。
  24. 【請求項24】 前記第1の障壁層および前記第2の障
    壁層は、不純物濃度が2×1017cm-3以下の高抵抗領
    域をそれぞれ有することを特徴とする請求項23記載の
    半導体素子。
  25. 【請求項25】 前記第1の障壁層および前記第2の障
    壁層の少なくとも一方は、1×1018cm-3以上の第2
    導電型不純物を含むキャリア供給領域を有することを特
    徴とする請求項23記載の半導体素子。
  26. 【請求項26】 前記第2の障壁層はIII−V族化合
    物半導体であるAlGaAs混晶よりなることを特徴と
    する請求項23記載の半導体素子。
  27. 【請求項27】 前記チャネル層,前記第1導電型層お
    よび前記第1導電型コンタクト層を含み、かつ前記ソー
    ス電極,前記ドレイン電極および前記ゲート電極がそれ
    ぞれ接触して設けられる半導体層を備えると共に、この
    半導体層のうち前記ソース電極,前記ドレイン電極およ
    び前記ゲート電極がそれぞれ接触する表面は段差が70
    nm以下の実質的な平坦面であることを特徴とする請求
    項1記載の半導体素子。
  28. 【請求項28】 ソース電極とドレイン電極との間にゲ
    ート電極が設けられた半導体素子の製造方法であって、 ソース電極とドレイン電極との間の電流通路として半導
    体よりなるチャネル層を形成する工程と、 ゲート電極に対応してチャネル層とゲート電極との間
    に、チャネル層よりも小さな電子親和力および広いバン
    ドギャップを有し第1導電型不純物を含む第1導電型半
    導体よりなる第1導電型層を形成する工程と、 ゲート電極に対応して第1導電型層とゲート電極との間
    に、第1導電型層よりも大きな電子親和力および狭いバ
    ンドギャップを有し第1導電型不純物を含む第1導電型
    半導体よりなる第1導電型コンタクト層を形成する工程
    とを含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  29. 【請求項29】 拡散法,エピタキシャル法またはイオ
    ン注入法により、第1導電型コンタクト層および第1導
    電型層に第1導電型不純物をそれぞれ導入することを特
    徴とする請求項28記載の半導体素子の製造方法。
  30. 【請求項30】 第1導電型不純物として亜鉛を拡散法
    により導入することを特徴とする請求項29記載の半導
    体素子の製造方法。
  31. 【請求項31】 更に、チャネル層と第1導電型層との
    間に、チャネル層よりも小さな電子親和力および広いバ
    ンドギャップを有する半導体よりなる第1の障壁層を形
    成する工程を含むことを特徴とする請求項28記載の半
    導体素子の製造方法。
  32. 【請求項32】 更に、第1導電型層のチャネル層と反
    対側に、半導体よりなる表面層を形成する工程を含むこ
    とを特徴とする請求項31記載の半導体素子の製造方
    法。
  33. 【請求項33】 更に、 ソース電極とチャネル層との間にソース電極とチャネル
    層とを電気的に接続するためのソース層を形成する工程
    と、 ソース層とソース電極との間に表面層に対応してソース
    コンタクト層を形成する工程と、 ドレイン電極とチャネル層との間にドレイン電極とチャ
    ネル層とを電気的に接続するためのドレイン層を形成す
    る工程と、 ドレイン層とドレイン電極との間に表面層に対応してド
    レインコンタクト層を形成する工程とを更に含むことを
    特徴とする請求項32記載の半導体素子の製造方法。
  34. 【請求項34】 ソース層,第1の障壁層,第1導電型
    層およびドレイン層の各形成予定領域に同一工程により
    半導体層を形成したのち、この半導体層の一部に第1導
    電型不純物を導入することにより第1導電型層を第1の
    障壁層に埋め込んで形成すると共に、ソースコンタクト
    層,表面層,第1導電型コンタクト層およびドレインコ
    ンタクト層の各形成予定領域に同一工程により半導体層
    を形成したのち、この半導体層の一部に第1導電型不純
    物を導入することにより第1導電型コンタクト層を表面
    層に埋め込んで形成することを特徴とする請求項33記
    載の半導体素子の製造方法。
  35. 【請求項35】 ソース層,第1の障壁層,第1導電型
    層およびドレイン層の各形成予定領域に同一工程により
    第1導電型不純物を導入して半導体層を形成したのち、
    この半導体層の一部に第2導電型不純物を導入すること
    により第1導電型層を第1の障壁層に埋め込んで形成す
    ると共に、ソースコンタクト層,表面層,第1導電型コ
    ンタクト層およびドレインコンタクト層の各形成予定領
    域に同一工程により第1導電型不純物を導入して半導体
    層を成長させたのち、この半導体層の一部に第2導電型
    不純物を導入することにより第1導電型コンタクト層を
    表面層に埋め込んで形成することを特徴とする請求項3
    3記載の半導体素子の製造方法。
  36. 【請求項36】 第2導電型不純物を導入することおよ
    び金属と半導体とを合金化させることのうちの少なくと
    も一方により、ソース層,ソースコンタクト層,ドレイ
    ン層およびドレインコンタクト層をそれぞれ形成するこ
    とを特徴とする請求項33記載の半導体素子の製造方
    法。
  37. 【請求項37】 ソース層,ソースコンタクト層,ドレ
    イン層およびドレインコンタクト層をそれぞれ形成した
    のち、ソース電極およびドレイン電極をそれぞれ形成す
    ることを特徴とする請求項33記載の半導体素子の製造
    方法。
  38. 【請求項38】 ソース電極とドレイン電極との間にゲ
    ート電極が設けられた半導体素子を用いた電力増幅器で
    あって、 前記半導体素子は、前記ソース電極と前記ドレイン電極
    との間の電流通路であり半導体よりなるチャネル層と、
    このチャネル層と前記ゲート電極との間に前記ゲート電
    極に対応して設けられ、前記チャネル層よりも小さな電
    子親和力および広いバンドギャップを有し第1導電型不
    純物を含む第1導電型半導体よりなる第1導電型層と、
    この第1導電型層と前記ゲート電極との間に前記ゲート
    電極に対応して設けられ、前記第1導電型層よりも大き
    な電子親和力および狭いバンドギャップを有し第1導電
    型不純物を含む第1導電型半導体よりなる第1導電型コ
    ンタクト層とを備えたことを特徴とする電力増幅器。
  39. 【請求項39】 ソース電極とドレイン電極との間にゲ
    ート電極が設けられた半導体素子を用いた無線通信装置
    であって、 前記半導体素子は、前記ソース電極と前記ドレイン電極
    との間の電流通路であり半導体よりなるチャネル層と、
    このチャネル層と前記ゲート電極との間に前記ゲート電
    極に対応して設けられ、前記チャネル層よりも小さな電
    子親和力および広いバンドギャップを有し第1導電型不
    純物を含む第1導電型半導体よりなる第1導電型層と、
    この第1導電型層と前記ゲート電極との間に前記ゲート
    電極に対応して設けられ、前記第1導電型層よりも大き
    な電子親和力および狭いバンドギャップを有し第1導電
    型不純物を含む第1導電型半導体よりなる第1導電型コ
    ンタクト層とを備えたことを特徴とする無線通信装置。
JP11158164A 1999-06-04 1999-06-04 半導体素子およびその製造方法ならびに電力増幅器および無線通信装置 Pending JP2000349095A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11158164A JP2000349095A (ja) 1999-06-04 1999-06-04 半導体素子およびその製造方法ならびに電力増幅器および無線通信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11158164A JP2000349095A (ja) 1999-06-04 1999-06-04 半導体素子およびその製造方法ならびに電力増幅器および無線通信装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000349095A true JP2000349095A (ja) 2000-12-15

Family

ID=15665678

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11158164A Pending JP2000349095A (ja) 1999-06-04 1999-06-04 半導体素子およびその製造方法ならびに電力増幅器および無線通信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000349095A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004010488A1 (ja) * 2002-07-19 2004-01-29 Sony Corporation 半導体装置
JP2004273486A (ja) * 2003-03-05 2004-09-30 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置およびその製造方法
KR100709395B1 (ko) 2006-06-23 2007-04-20 한국과학기술연구원 강자성체를 이용한 스핀 트랜지스터
JP2008091392A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 窒化物半導体装置及びその製造方法
JP2008159681A (ja) * 2006-12-21 2008-07-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd トランジスタおよびその製造方法
JP2009071270A (ja) * 2007-08-23 2009-04-02 Ngk Insulators Ltd Misゲート構造型のhemt素子およびmisゲート構造型のhemt素子の作製方法
JP2011109131A (ja) * 2011-02-02 2011-06-02 Panasonic Corp 窒化物半導体装置
JP2011129607A (ja) * 2009-12-16 2011-06-30 Furukawa Electric Co Ltd:The GaN系MOS型電界効果トランジスタ
JP2013157407A (ja) * 2012-01-27 2013-08-15 Fujitsu Semiconductor Ltd 化合物半導体装置及びその製造方法
JP2013191868A (ja) * 2006-11-20 2013-09-26 Panasonic Corp 半導体装置
CN103367419A (zh) * 2012-03-28 2013-10-23 富士通株式会社 化合物半导体器件及其制造方法
KR20140023892A (ko) * 2011-01-31 2014-02-27 이피션트 파워 컨버젼 코퍼레이션 갈륨 나이트라이드 트랜지스터에 대한 이온주입 및 자기정합형 게이트 구조

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004010488A1 (ja) * 2002-07-19 2004-01-29 Sony Corporation 半導体装置
GB2406970A (en) * 2002-07-19 2005-04-13 Sony Corp Semiconductor device
GB2406970B (en) * 2002-07-19 2005-12-07 Sony Corp Semiconductor device
JP2004273486A (ja) * 2003-03-05 2004-09-30 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置およびその製造方法
US7675103B2 (en) 2006-06-23 2010-03-09 Korea Institute Of Science And Technology Spin transistor using ferromagnet
WO2007148854A1 (en) * 2006-06-23 2007-12-27 Korea Institute Of Science And Technology Spin transistor using ferromagnet
KR100709395B1 (ko) 2006-06-23 2007-04-20 한국과학기술연구원 강자성체를 이용한 스핀 트랜지스터
JP2008091392A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 窒化物半導体装置及びその製造方法
JP4755961B2 (ja) * 2006-09-29 2011-08-24 パナソニック株式会社 窒化物半導体装置及びその製造方法
US8164115B2 (en) 2006-09-29 2012-04-24 Panasonic Corporation Nitride semiconductor device
JP2013191868A (ja) * 2006-11-20 2013-09-26 Panasonic Corp 半導体装置
USRE45989E1 (en) 2006-11-20 2016-04-26 Panasonic Corporation Semiconductor device and method for driving the same
JP2008159681A (ja) * 2006-12-21 2008-07-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd トランジスタおよびその製造方法
JP4712683B2 (ja) * 2006-12-21 2011-06-29 パナソニック株式会社 トランジスタおよびその製造方法
JP2009071270A (ja) * 2007-08-23 2009-04-02 Ngk Insulators Ltd Misゲート構造型のhemt素子およびmisゲート構造型のhemt素子の作製方法
JP2011129607A (ja) * 2009-12-16 2011-06-30 Furukawa Electric Co Ltd:The GaN系MOS型電界効果トランジスタ
KR20140023892A (ko) * 2011-01-31 2014-02-27 이피션트 파워 컨버젼 코퍼레이션 갈륨 나이트라이드 트랜지스터에 대한 이온주입 및 자기정합형 게이트 구조
JP2014507803A (ja) * 2011-01-31 2014-03-27 エフィシエント パワー コンヴァーション コーポレーション GaNトランジスタのイオン注入されたセルフアラインゲート構造
KR101991036B1 (ko) * 2011-01-31 2019-06-19 이피션트 파워 컨버젼 코퍼레이션 갈륨 나이트라이드 트랜지스터에 대한 이온주입 및 자기정합형 게이트 구조
JP2011109131A (ja) * 2011-02-02 2011-06-02 Panasonic Corp 窒化物半導体装置
JP2013157407A (ja) * 2012-01-27 2013-08-15 Fujitsu Semiconductor Ltd 化合物半導体装置及びその製造方法
CN103367419A (zh) * 2012-03-28 2013-10-23 富士通株式会社 化合物半导体器件及其制造方法
KR101465306B1 (ko) * 2012-03-28 2014-11-26 트랜스폼 재팬 가부시키가이샤 화합물 반도체 장치 및 그 제조 방법
TWI550856B (zh) * 2012-03-28 2016-09-21 創世舫電子日本股份有限公司 化合物半導體裝置及其製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5758796B2 (ja) ソース領域の下にp型埋込み層を備えたトランジスタ及びその作製方法
JP2001217257A (ja) 半導体装置およびその製造方法
KR100707324B1 (ko) 반도체 장치 및 이의 제조 방법
JPH10284507A (ja) 半導体装置
JP2000332233A (ja) 半導体装置およびその製造方法
KR100557360B1 (ko) 전계 효과 트랜지스터를 갖는 반도체 장치
US6507051B1 (en) Semiconductor integrated circuit device
JPH11150264A (ja) 半導体装置およびその製造方法ならびに無線通信装置
JP2000349095A (ja) 半導体素子およびその製造方法ならびに電力増幅器および無線通信装置
US5141879A (en) Method of fabricating a FET having a high trap concentration interface layer
JP2004241711A (ja) 半導体装置
US6096587A (en) Manufacturing method of a junction field effect transistor
JP2549206B2 (ja) 電界効果トランジスタ
US5945695A (en) Semiconductor device with InGaP channel layer
US7737476B2 (en) Metal-semiconductor field effect transistors (MESFETs) having self-aligned structures
JP2007200984A (ja) 電界効果トランジスタ、及び、同電界効果トランジスタの製造方法、及び、半導体装置、及び、同半導体装置の製造方法
JP3633587B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2000208753A (ja) 半導体装置とその製造方法
US6410946B1 (en) Semiconductor device with source and drain electrodes in ohmic contact with a semiconductor layer
JP3383057B2 (ja) 半導体装置
JP3537609B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP3653652B2 (ja) 半導体装置
JPH0661431A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2003037116A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JPH01162378A (ja) 半導体装置