JP2000348769A - ゲル状電解質膜 - Google Patents
ゲル状電解質膜Info
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- JP2000348769A JP2000348769A JP11153079A JP15307999A JP2000348769A JP 2000348769 A JP2000348769 A JP 2000348769A JP 11153079 A JP11153079 A JP 11153079A JP 15307999 A JP15307999 A JP 15307999A JP 2000348769 A JP2000348769 A JP 2000348769A
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- electrolyte
- polymer matrix
- weight
- membrane
- electrolytic solution
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-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Secondary Cells (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 イオン伝導度が高く、機械的強度も高いゲル
状電解質膜を得る。 【解決手段】 基材として不織布などからなる多孔質膜
1を用い、これの表面および内部にポリエーテル系ポリ
マーマトリクス2を形成し、このポリマーマトリクス2
に電解液を含浸、膨潤させる。ポリマーマトリクス2に
は、多孔質膜1の表面で密に、内部で疎にした傾斜構造
を形成することが望ましい。
状電解質膜を得る。 【解決手段】 基材として不織布などからなる多孔質膜
1を用い、これの表面および内部にポリエーテル系ポリ
マーマトリクス2を形成し、このポリマーマトリクス2
に電解液を含浸、膨潤させる。ポリマーマトリクス2に
は、多孔質膜1の表面で密に、内部で疎にした傾斜構造
を形成することが望ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、リチウム二次電
池などの電気化学デバイスに用いられるゲル状電解質膜
に関する。
池などの電気化学デバイスに用いられるゲル状電解質膜
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の二次電池の電解質としては、液
状の電解質(電解液)の漏液の欠点を解決するものとし
て固体電解質が検討されている。しかし、固体電解質と
しては、種々のものが報告されているが、いずれもイオ
ン伝導度が低く、電気的特性が劣り、実用化に至ってい
ない。
状の電解質(電解液)の漏液の欠点を解決するものとし
て固体電解質が検討されている。しかし、固体電解質と
しては、種々のものが報告されているが、いずれもイオ
ン伝導度が低く、電気的特性が劣り、実用化に至ってい
ない。
【0003】これに対して、ポリマーを電解質で膨潤し
たゲル状電解質が開発されつつある。このものは、室温
でのイオン伝導度が高く、固体電解質と同様に漏液の心
配がなく、有望視されている。このような、ゲル状電解
質を二次電池に適用するには、ゲル状電解質が高いイオ
ン伝導度を持つと同時にこのものが正極と負極との間の
セパレータを兼ねるため、十分な機械的強度が必要であ
る。
たゲル状電解質が開発されつつある。このものは、室温
でのイオン伝導度が高く、固体電解質と同様に漏液の心
配がなく、有望視されている。このような、ゲル状電解
質を二次電池に適用するには、ゲル状電解質が高いイオ
ン伝導度を持つと同時にこのものが正極と負極との間の
セパレータを兼ねるため、十分な機械的強度が必要であ
る。
【0004】しかしながら、ゲル状電解質に高いイオン
伝導度も持たせるためには、多量の電解液を含浸させる
必要があり、その機械的強度が著しく低下することにな
る。このため、特にリチウム二次電池に用いられるよう
な薄膜状での取扱いが困難になる。したがって、これま
でイオン伝導度と機械的強度をともに満足できるゲル状
電解質を得ることは不可能であった。
伝導度も持たせるためには、多量の電解液を含浸させる
必要があり、その機械的強度が著しく低下することにな
る。このため、特にリチウム二次電池に用いられるよう
な薄膜状での取扱いが困難になる。したがって、これま
でイオン伝導度と機械的強度をともに満足できるゲル状
電解質を得ることは不可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、イオン伝導度が高く、しかも機械的強度も優
れたゲル状電解質を得ることにある。
る課題は、イオン伝導度が高く、しかも機械的強度も優
れたゲル状電解質を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、多孔質膜
をサブストレート(基体)とし、この多孔質膜の表面及
び内部にポリエーテル系のポリマーマトリクスで形成
し、このポリマーマトリクスを電解液で膨潤することで
解決できる。また、ポリマーマトリクスの存在密度を多
孔質膜の表面側で密とし、内部側で疎とすることが好ま
しい。
をサブストレート(基体)とし、この多孔質膜の表面及
び内部にポリエーテル系のポリマーマトリクスで形成
し、このポリマーマトリクスを電解液で膨潤することで
解決できる。また、ポリマーマトリクスの存在密度を多
孔質膜の表面側で密とし、内部側で疎とすることが好ま
しい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその具体例によっ
て詳しく説明する。図1は、本発明のゲル状電解質膜の
一例を模式的に示すものである。図1において、符号1
は多孔質膜を示す。この多孔質膜1は、織布、編布、不
織布、開気孔構造発泡体、貫通孔を有する樹脂フィル
ム,シートなどの多孔質材料からなるものである。
て詳しく説明する。図1は、本発明のゲル状電解質膜の
一例を模式的に示すものである。図1において、符号1
は多孔質膜を示す。この多孔質膜1は、織布、編布、不
織布、開気孔構造発泡体、貫通孔を有する樹脂フィル
ム,シートなどの多孔質材料からなるものである。
【0008】織布,編布 ,不織布としては、耐薬品性
の良好なポリプロピレン,ポリエチレン,ポリアクリロ
ニトリル,ポリエステル(ポリエチレンテレフタレー
ト),ナイロンなどからなる厚さ10〜500μm、密
度0.01〜1.0g/cm3程度のものが好ましい。
また、開気孔構造樹脂発泡体としては、いわゆる連続気
孔構造のものやセル膜のない構造のもので、ポリウレタ
ン,ポリエチレン,ポリ塩化ビニルなどからなる厚さ1
0〜500μm、密度0.01〜1.0g/cm3程度
のものが好ましい。さらに、貫通孔を有する樹脂フィル
ム,シートとしては、ポリオレフィン,フッ素樹脂,ポ
リエチレンテレフタレートなどのフィルムを一軸または
二軸に高倍率延伸(高延伸)し、径0.1〜100μm
の微細な貫通孔を無数に形成した厚さ10〜500μm
のものが好ましい。このような多孔質膜1の空隙率は3
0〜90体積%の範囲である。
の良好なポリプロピレン,ポリエチレン,ポリアクリロ
ニトリル,ポリエステル(ポリエチレンテレフタレー
ト),ナイロンなどからなる厚さ10〜500μm、密
度0.01〜1.0g/cm3程度のものが好ましい。
また、開気孔構造樹脂発泡体としては、いわゆる連続気
孔構造のものやセル膜のない構造のもので、ポリウレタ
ン,ポリエチレン,ポリ塩化ビニルなどからなる厚さ1
0〜500μm、密度0.01〜1.0g/cm3程度
のものが好ましい。さらに、貫通孔を有する樹脂フィル
ム,シートとしては、ポリオレフィン,フッ素樹脂,ポ
リエチレンテレフタレートなどのフィルムを一軸または
二軸に高倍率延伸(高延伸)し、径0.1〜100μm
の微細な貫通孔を無数に形成した厚さ10〜500μm
のものが好ましい。このような多孔質膜1の空隙率は3
0〜90体積%の範囲である。
【0009】多孔質膜1の表層1aおよび内部1bの空
隙には、ポリエーテル系ポリマーマトリクス2が形成さ
れている。このポリエーテル系ポリマーマトリクス2
は、分子未端にビニル基などの重合性官能基を有する低
分子量ポリエーテル、例えばポリエチレングリコールモ
ノメタリレート,ポリエチレングリコールジメタクリレ
ート,ポリプロピレングリコールモノメタクリレート,
ポリプロピレングリコールジメタクリレートなどに重合
開始剤を添加した重合性組成物を多孔質膜2に含浸し、
重合、さらには必要に応じて架橋させて形成したもの
で、多孔質膜1をなす材料の露出表面部分に物理的ある
いは化学的に結合した状態にあるものである。
隙には、ポリエーテル系ポリマーマトリクス2が形成さ
れている。このポリエーテル系ポリマーマトリクス2
は、分子未端にビニル基などの重合性官能基を有する低
分子量ポリエーテル、例えばポリエチレングリコールモ
ノメタリレート,ポリエチレングリコールジメタクリレ
ート,ポリプロピレングリコールモノメタクリレート,
ポリプロピレングリコールジメタクリレートなどに重合
開始剤を添加した重合性組成物を多孔質膜2に含浸し、
重合、さらには必要に応じて架橋させて形成したもの
で、多孔質膜1をなす材料の露出表面部分に物理的ある
いは化学的に結合した状態にあるものである。
【0010】また、このポリマーマトリクス2は、その
存在量(存在密度)が多孔質膜1の表面側では密に、内
部側では疎となる傾斜構造となっている。表面側でのマ
トリクス2の存在量(単位体積当りの重量で表わされ
る。)を100とすると、多孔質膜1の中心部での存在
量は1〜95となっており、この間で徐々にその存在量
が変化するようになっている。このようなポリマーマト
リクス2の傾斜構造を形成するには、上述のポリエーテ
ルの重合度あるいは架橋度を多孔質膜1の内部側では低
く、表面側では高くなるように制御し、未反応成分を溶
媒で抽出,除去する方法で行えばよい。特に好ましいも
のは、上記重合性樹脂組成物として紫外線重合,架橋タ
イプのものを使用し、紫外線の照射エネルギーや照射時
間などを多孔質膜1の内部においては反応が完全に完了
しないレベルに設定して行う方法がある。
存在量(存在密度)が多孔質膜1の表面側では密に、内
部側では疎となる傾斜構造となっている。表面側でのマ
トリクス2の存在量(単位体積当りの重量で表わされ
る。)を100とすると、多孔質膜1の中心部での存在
量は1〜95となっており、この間で徐々にその存在量
が変化するようになっている。このようなポリマーマト
リクス2の傾斜構造を形成するには、上述のポリエーテ
ルの重合度あるいは架橋度を多孔質膜1の内部側では低
く、表面側では高くなるように制御し、未反応成分を溶
媒で抽出,除去する方法で行えばよい。特に好ましいも
のは、上記重合性樹脂組成物として紫外線重合,架橋タ
イプのものを使用し、紫外線の照射エネルギーや照射時
間などを多孔質膜1の内部においては反応が完全に完了
しないレベルに設定して行う方法がある。
【0011】このようにして、ポリエーテルからなる傾
斜構造のポリマーマトリクス2が形成された多孔質膜
(以下、これを前駆体と呼ぶことがある。)1には、そ
のポリマーマトリクスに電解液が含浸されて本発明のゲ
ル状電解質膜となる。この電解液には、通常の非水電解
質電池に用いられる電解液が使用される。例えば、プロ
ピレンカーボネートやエチレンカーボネートなどに代表
される環状炭酸エステル類,ジエチルカーボネート,ジ
メチルカーボネートなどに代表される鎖状炭酸エステル
類,テトラヒドロフランとその誘導体,γ−ブチロラク
トン,N−メチルピロリドンなどの単独あるいは2種以
上の溶媒中にアルカリ金属塩を溶解させた電解液を挙げ
ることができるが、これから限定されるものではない。
斜構造のポリマーマトリクス2が形成された多孔質膜
(以下、これを前駆体と呼ぶことがある。)1には、そ
のポリマーマトリクスに電解液が含浸されて本発明のゲ
ル状電解質膜となる。この電解液には、通常の非水電解
質電池に用いられる電解液が使用される。例えば、プロ
ピレンカーボネートやエチレンカーボネートなどに代表
される環状炭酸エステル類,ジエチルカーボネート,ジ
メチルカーボネートなどに代表される鎖状炭酸エステル
類,テトラヒドロフランとその誘導体,γ−ブチロラク
トン,N−メチルピロリドンなどの単独あるいは2種以
上の溶媒中にアルカリ金属塩を溶解させた電解液を挙げ
ることができるが、これから限定されるものではない。
【0012】上述のアルカリ金属塩のカチオンには、リ
チウムイオン,カリウムイオン,ナトリウムイオンなど
が、アニオンには過塩素酸イオン,チオシアン酸イオ
ン,トリフルオロメタンスルホン酸イオン,テトラフロ
ロホウ酸イオン,ヘキサフロロリン酸イオン,ビストリ
フロロメチルスルフォニルイミドイオンなどが用いられ
るが、これに限定されるものではない。電解液中のアル
カリ金属塩の含有量は0.1〜2mol/l程度が好ま
しい。
チウムイオン,カリウムイオン,ナトリウムイオンなど
が、アニオンには過塩素酸イオン,チオシアン酸イオ
ン,トリフルオロメタンスルホン酸イオン,テトラフロ
ロホウ酸イオン,ヘキサフロロリン酸イオン,ビストリ
フロロメチルスルフォニルイミドイオンなどが用いられ
るが、これに限定されるものではない。電解液中のアル
カリ金属塩の含有量は0.1〜2mol/l程度が好ま
しい。
【0013】このようなゲル状電解質膜は、負極組成物
および正極組成物と組み合せられてリチウム二次電池な
どの種々の電気化学デバイスとして使用される。この負
極組成物としては、負極活性物質1重量部に対してアセ
チレンブラックなどの導電助剤0.01〜0.5重量
部、バインダー(結合材)を兼ねるイオン導電性高分子
0.1〜10重量部を添加した組成物またはリチウム金
属、リチウムとアルミニウムの合金などを用いることが
できる。負極活性物質には、リチウムイオンのインター
カレーションが可能な黒鉛系炭素材料、コークス系炭素
材料、繊維状炭素、高分子焼成体などを用いることがで
きる。また、上記イオン導電性高分子には、上述のポリ
マーマトリクスを構成するポリエーテル系の高分子ある
いはこのポリエーテル系高分子に上述の電解液を加えて
膨潤させたものの他、ポリフッ化ビニリデン−テトラフ
ルオロプロピレン共重合体やポリアクリロニトリルの様
な電解液によって膨潤可能な高分子やその膨潤体などが
用いられる。
および正極組成物と組み合せられてリチウム二次電池な
どの種々の電気化学デバイスとして使用される。この負
極組成物としては、負極活性物質1重量部に対してアセ
チレンブラックなどの導電助剤0.01〜0.5重量
部、バインダー(結合材)を兼ねるイオン導電性高分子
0.1〜10重量部を添加した組成物またはリチウム金
属、リチウムとアルミニウムの合金などを用いることが
できる。負極活性物質には、リチウムイオンのインター
カレーションが可能な黒鉛系炭素材料、コークス系炭素
材料、繊維状炭素、高分子焼成体などを用いることがで
きる。また、上記イオン導電性高分子には、上述のポリ
マーマトリクスを構成するポリエーテル系の高分子ある
いはこのポリエーテル系高分子に上述の電解液を加えて
膨潤させたものの他、ポリフッ化ビニリデン−テトラフ
ルオロプロピレン共重合体やポリアクリロニトリルの様
な電解液によって膨潤可能な高分子やその膨潤体などが
用いられる。
【0014】上記正極組成物には、正極活物質1重量部
に対して導電助剤0.01〜0.5重量部、バインダー
を兼ねたイオン導電性高分子0.1〜10重量部を添加
した組成物が用いられる。正極活物質には、リチウムイ
オンのインターカレーションが可能な含リチウム複合酸
化物(LiCoO2、LiNiO2、LiNi0.8、Co
0.2、O2、LiMn2O4など)やV2O5または分子内に
複数のメルカプト基を有する2,5−ジメルカプト−
1,3,4−チアゾール、トリアジンチオール、チオグ
リコール、N,N,N´,N´−テトラメルカプトエチ
レンジアミンに代表される有機イオン化合物、さらには
これらのアルカリ金属塩あるいはジスルフィド結合によ
る重合体などを用いることができる。導電助剤、イオン
導電性高分子には負極組成物と同様のものが使用でき
る。
に対して導電助剤0.01〜0.5重量部、バインダー
を兼ねたイオン導電性高分子0.1〜10重量部を添加
した組成物が用いられる。正極活物質には、リチウムイ
オンのインターカレーションが可能な含リチウム複合酸
化物(LiCoO2、LiNiO2、LiNi0.8、Co
0.2、O2、LiMn2O4など)やV2O5または分子内に
複数のメルカプト基を有する2,5−ジメルカプト−
1,3,4−チアゾール、トリアジンチオール、チオグ
リコール、N,N,N´,N´−テトラメルカプトエチ
レンジアミンに代表される有機イオン化合物、さらには
これらのアルカリ金属塩あるいはジスルフィド結合によ
る重合体などを用いることができる。導電助剤、イオン
導電性高分子には負極組成物と同様のものが使用でき
る。
【0015】上記ゲル状電解質膜と正極、負極組成物と
の積層については、正極膜、負極膜、ゲル状電解質膜を
それぞれ作成したのちにこれを積層する手法以外に、正
極あるいは負極組成物のスラリーを上記前駆体表面の正
極側あるいは負極側に塗布し、溶媒成分を十分除去した
のち電解液に浸漬し、膨潤させる手法、あるいは上記電
極組成物から電解液成分のみを欠く組成物膜を作製し、
これを上記前駆体に積層、圧着あるいは熱融着したのち
電解液に浸漬し、膨潤させる手法などを用いることがで
きる。
の積層については、正極膜、負極膜、ゲル状電解質膜を
それぞれ作成したのちにこれを積層する手法以外に、正
極あるいは負極組成物のスラリーを上記前駆体表面の正
極側あるいは負極側に塗布し、溶媒成分を十分除去した
のち電解液に浸漬し、膨潤させる手法、あるいは上記電
極組成物から電解液成分のみを欠く組成物膜を作製し、
これを上記前駆体に積層、圧着あるいは熱融着したのち
電解液に浸漬し、膨潤させる手法などを用いることがで
きる。
【0016】このように、積層体を電解液に一括して浸
漬、膨潤する手法は、正極膜、負極膜、ゲル状電解質膜
の各膜を別々に作成したのちに積層してパッケージする
手法に比べて、グローブボックスやドライルームを必要
とする工程が電解液による膨潤工程からパッケージング
工程に限られるために、作業性が向上する、ゲル状電解
質膜/電極膜界面の接触状態に起因する界面抵抗を減少
させることができるなどの利点を有する。
漬、膨潤する手法は、正極膜、負極膜、ゲル状電解質膜
の各膜を別々に作成したのちに積層してパッケージする
手法に比べて、グローブボックスやドライルームを必要
とする工程が電解液による膨潤工程からパッケージング
工程に限られるために、作業性が向上する、ゲル状電解
質膜/電極膜界面の接触状態に起因する界面抵抗を減少
させることができるなどの利点を有する。
【0017】このようなゲル状電解質膜にあっては、基
材に不織布などの多孔質膜1を用いているので、機械的
強度が高いものとなる。また、多孔質膜にポリマーマト
リクス2を形成し、これに電解液を含浸、膨潤するよう
にしたので、多量の電解液を保持せしめることができ、
イオン伝導度を十分高めることができる。さらに、ポリ
マーマトリクス2の形成を多孔質膜1の表面側で密に、
内部に疎にする傾斜構造としたので多孔質膜1の表面側
により多くの電解液が保持され、電解反応に関与するイ
オンが実質的に増加し、イオン伝導度を実質的に高める
ことにもなる。また、当然のことながら、電解液が膜か
ら脱離、流出することもない。したがって、このゲル状
電解質膜を用いた二次電池にあっては、電解液の漏液が
なく、内部抵抗が低く、高容量にでき、また製造時に膜
が破損することがなく、製造が容易となる。
材に不織布などの多孔質膜1を用いているので、機械的
強度が高いものとなる。また、多孔質膜にポリマーマト
リクス2を形成し、これに電解液を含浸、膨潤するよう
にしたので、多量の電解液を保持せしめることができ、
イオン伝導度を十分高めることができる。さらに、ポリ
マーマトリクス2の形成を多孔質膜1の表面側で密に、
内部に疎にする傾斜構造としたので多孔質膜1の表面側
により多くの電解液が保持され、電解反応に関与するイ
オンが実質的に増加し、イオン伝導度を実質的に高める
ことにもなる。また、当然のことながら、電解液が膜か
ら脱離、流出することもない。したがって、このゲル状
電解質膜を用いた二次電池にあっては、電解液の漏液が
なく、内部抵抗が低く、高容量にでき、また製造時に膜
が破損することがなく、製造が容易となる。
【0018】以下、具体例を示す。 (実施例1)ポリプロピレン製不織布(厚さ80μm、
密度0.1g/cm3)にポリエチレングリコールモノ
メタクリレート,ポリエチレングリコールジメクリレー
ト,ジエトキシアセトフェノン(10:2:0.1)の
混合液を含浸させ、これをガラス板ではさんで両面に紫
外線を照射することにより重合・架橋を行った。アルゴ
ン雰囲気下において7mW,300秒紫外線照射を行
い、空気下に持ち出して反応を終了させた。次いで得ら
れた膜をエタノールでリンスして未反応成分を抽出し、
80℃で真空乾燥して電解質前駆体とした。作製した電
解質前駆体をアルゴン雰囲気下でエチレンカボネート
(EC)とジエチルカボネート(DEC)の混合溶媒に
1MのLiPF6を溶解させた電解液中に浸漬・膨潤さ
せ、ゲル状電解質膜とした。
密度0.1g/cm3)にポリエチレングリコールモノ
メタクリレート,ポリエチレングリコールジメクリレー
ト,ジエトキシアセトフェノン(10:2:0.1)の
混合液を含浸させ、これをガラス板ではさんで両面に紫
外線を照射することにより重合・架橋を行った。アルゴ
ン雰囲気下において7mW,300秒紫外線照射を行
い、空気下に持ち出して反応を終了させた。次いで得ら
れた膜をエタノールでリンスして未反応成分を抽出し、
80℃で真空乾燥して電解質前駆体とした。作製した電
解質前駆体をアルゴン雰囲気下でエチレンカボネート
(EC)とジエチルカボネート(DEC)の混合溶媒に
1MのLiPF6を溶解させた電解液中に浸漬・膨潤さ
せ、ゲル状電解質膜とした。
【0019】(実施例2)LiCoO21重量部に対し
てアセチレンブラック0.2重量部,PVdF−HFP
(ビニリデンフロライド−ヘキサフロロプロピレン共重
合体)0.4重量部,DEC1.2重量部をテトラヒド
ロフラン(THF)に溶解あるいは分散させ、正極組成
物用スラリーとした。また、黒鉛1重量部に対してアセ
チレンブラック0.1重量部,PVdF−HFP0.5
重量部,DEC1.2重量部をTHFに溶解あるいは分
散させ、負極用スラリーとした。これらのスラリーを、
実施例1と同様の手法により作製した電解質前駆体の片
面づつにそれぞれ塗布・乾燥した。十分に乾燥した後に
サンプルをφ15mmに打抜き、アルゴン雰囲気下にお
いて実施例1と同組成の電解液中に浸漬・膨潤させた。
このサンプルを正極集電体用の銅箔,負極集電体用のア
ルミ箔と共に積層し、測定用セルホルダにセットするこ
とにより試作電池とした。
てアセチレンブラック0.2重量部,PVdF−HFP
(ビニリデンフロライド−ヘキサフロロプロピレン共重
合体)0.4重量部,DEC1.2重量部をテトラヒド
ロフラン(THF)に溶解あるいは分散させ、正極組成
物用スラリーとした。また、黒鉛1重量部に対してアセ
チレンブラック0.1重量部,PVdF−HFP0.5
重量部,DEC1.2重量部をTHFに溶解あるいは分
散させ、負極用スラリーとした。これらのスラリーを、
実施例1と同様の手法により作製した電解質前駆体の片
面づつにそれぞれ塗布・乾燥した。十分に乾燥した後に
サンプルをφ15mmに打抜き、アルゴン雰囲気下にお
いて実施例1と同組成の電解液中に浸漬・膨潤させた。
このサンプルを正極集電体用の銅箔,負極集電体用のア
ルミ箔と共に積層し、測定用セルホルダにセットするこ
とにより試作電池とした。
【0020】(比較例1)アルゴン雰囲気下においてポ
リエチレングリコールジメタクリレート,ポリエチレン
グリコールモノメタクリレート,メチレンビスアクリル
アミド,アゾビスイソブチロニトリル,電解液(1ML
iPF6/EC+DMC)の混合体をガラスシャーレ上
にキャストした。これを60℃で6時間重合・架橋して
比較用電解質膜を得た。
リエチレングリコールジメタクリレート,ポリエチレン
グリコールモノメタクリレート,メチレンビスアクリル
アミド,アゾビスイソブチロニトリル,電解液(1ML
iPF6/EC+DMC)の混合体をガラスシャーレ上
にキャストした。これを60℃で6時間重合・架橋して
比較用電解質膜を得た。
【0021】(比較例2)LiCoO21重量部に対し
てアセチレンブラック0.2重量部,PVdF−HFP
0.4重量部,電解液(1MLiPF6/EC+DM
C)1.2重量部をTHFに溶解あるいは分散させ、正
極組成物用スラリーとした。これらスラリーをガラスシ
ャレー上にキャストして乾燥することにより正極膜,負
極膜を得た。また、黒鉛1重量部に対してアセチレンブ
ラック0.1重量部,PVdF−HFP0.5重量部,
電解液(1MLiPF6/EC+DMC)1.2重量部
をTHFに溶解あるいは分散させ、負極組成物用スラリ
ーとした。得られた正・負極膜と比較例1と同様の手法
により作製した電解質膜,さらに集電体の銅箔,アルミ
箔を積層し、測定用セルホルダにセットすることにより
比較用電池とした。以上の作業性は全てアルゴン雰囲気
下において行った。
てアセチレンブラック0.2重量部,PVdF−HFP
0.4重量部,電解液(1MLiPF6/EC+DM
C)1.2重量部をTHFに溶解あるいは分散させ、正
極組成物用スラリーとした。これらスラリーをガラスシ
ャレー上にキャストして乾燥することにより正極膜,負
極膜を得た。また、黒鉛1重量部に対してアセチレンブ
ラック0.1重量部,PVdF−HFP0.5重量部,
電解液(1MLiPF6/EC+DMC)1.2重量部
をTHFに溶解あるいは分散させ、負極組成物用スラリ
ーとした。得られた正・負極膜と比較例1と同様の手法
により作製した電解質膜,さらに集電体の銅箔,アルミ
箔を積層し、測定用セルホルダにセットすることにより
比較用電池とした。以上の作業性は全てアルゴン雰囲気
下において行った。
【0022】不織布表層および内部へポリエーテル層形
成状態を確認するために走査型電子顕微鏡を用いて実施
例1で作製した電解質前駆体の断面観察を行った。観察
した断面はいずれも不織布表面から内部にかけてポリエ
ーテル層が形成している様子が確認できた。また、不織
布表層においてはポリエーテル層が密に形成しているの
に対し、不織布内部において空孔が多くみられた。実施
例1および比較例1の電解質膜をそれぞれSUS電極で
はさみ、交流インピーダンス法測定を行うことによりイ
オン伝導度を算出したところ、下記の結果が得られた。 実施例1:2.0mS/cm2(25℃) 比較例1:0.85mS/cm2(25℃) また、比較例1の電解質膜は強度が低く、引っ張ると容
易に破けてしまうのに対し、実施例1の電解質では同様
の扱いをしても破けたり穴が空いたりせず、十分な強度
を有していた。
成状態を確認するために走査型電子顕微鏡を用いて実施
例1で作製した電解質前駆体の断面観察を行った。観察
した断面はいずれも不織布表面から内部にかけてポリエ
ーテル層が形成している様子が確認できた。また、不織
布表層においてはポリエーテル層が密に形成しているの
に対し、不織布内部において空孔が多くみられた。実施
例1および比較例1の電解質膜をそれぞれSUS電極で
はさみ、交流インピーダンス法測定を行うことによりイ
オン伝導度を算出したところ、下記の結果が得られた。 実施例1:2.0mS/cm2(25℃) 比較例1:0.85mS/cm2(25℃) また、比較例1の電解質膜は強度が低く、引っ張ると容
易に破けてしまうのに対し、実施例1の電解質では同様
の扱いをしても破けたり穴が空いたりせず、十分な強度
を有していた。
【0023】実施例2および比較例2の試作電池を用い
て充放電試験を行った。実施例2で0.2Cで放電した
時の放電容量を1とした時の各試験の放電容量は下記の
通りであった。 放電レイト: 0.2C 1C 実施例2: 1 0.90 比較例2: 0.93 0.65 以上の結果から、比較例では電解質のイオン伝導度が低
く、また電極/電解質界面の抵抗が大きいので特に高い
放電レイトにおいて著しく特性が低下するのに対し、実
施例では高い放電レイトにおいても容量低下の小さい優
れた放電特性が得られることがわかった。
て充放電試験を行った。実施例2で0.2Cで放電した
時の放電容量を1とした時の各試験の放電容量は下記の
通りであった。 放電レイト: 0.2C 1C 実施例2: 1 0.90 比較例2: 0.93 0.65 以上の結果から、比較例では電解質のイオン伝導度が低
く、また電極/電解質界面の抵抗が大きいので特に高い
放電レイトにおいて著しく特性が低下するのに対し、実
施例では高い放電レイトにおいても容量低下の小さい優
れた放電特性が得られることがわかった。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のゲル状電
解質膜によれば、機械的強度が高く、電解液保持量が大
きく、高いイオン伝導度を示すなどの効果が得られ、こ
のゲル状電解質膜を使用した二次電池などでは、高容量
であり、製造時の破損等が起こりにくく、製品からの電
解液の漏液もなく、安全性の優れたものとなる。
解質膜によれば、機械的強度が高く、電解液保持量が大
きく、高いイオン伝導度を示すなどの効果が得られ、こ
のゲル状電解質膜を使用した二次電池などでは、高容量
であり、製造時の破損等が起こりにくく、製品からの電
解液の漏液もなく、安全性の優れたものとなる。
【図1】 本発明のゲル状電解質膜の前駆体の一例を模
式的に示す断面図である。
式的に示す断面図である。
1…多孔質膜、2…ポリマーマトリクス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江戸 崇司 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 Fターム(参考) 5H024 AA00 AA02 BB10 CC08 EE09 FF23 GG08 5H029 AJ03 AJ11 AJ12 AJ15 AK02 AK03 AK15 AK16 AL06 AL07 AM00 AM02 AM03 AM05 AM07 AM16 CJ11 CJ23 DJ13 DJ15 EJ12 HJ12
Claims (3)
- 【請求項1】 多孔質膜の表面および内部にポリエーテ
ル系ポリマーマトリクスが形成され、このポリマーマト
リクスが電解液によって膨潤されてなるゲル状電解質
膜。 - 【請求項2】 ポリエーテル系ポリマーマトリクスの形
成状態が、多孔質膜の表面側で密であり、内部側で疎で
ある請求項1記載のゲル状電解質膜。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のゲル状電解質膜
を用いた二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11153079A JP2000348769A (ja) | 1999-05-31 | 1999-05-31 | ゲル状電解質膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11153079A JP2000348769A (ja) | 1999-05-31 | 1999-05-31 | ゲル状電解質膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000348769A true JP2000348769A (ja) | 2000-12-15 |
Family
ID=15554528
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11153079A Withdrawn JP2000348769A (ja) | 1999-05-31 | 1999-05-31 | ゲル状電解質膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000348769A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200041591A (ko) * | 2018-10-12 | 2020-04-22 | 한국과학기술연구원 | 액체금속음극을 포함하는 공융액체금속 공기전지 및 이의 제조방법 |
-
1999
- 1999-05-31 JP JP11153079A patent/JP2000348769A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200041591A (ko) * | 2018-10-12 | 2020-04-22 | 한국과학기술연구원 | 액체금속음극을 포함하는 공융액체금속 공기전지 및 이의 제조방법 |
KR102171532B1 (ko) | 2018-10-12 | 2020-10-29 | 한국과학기술연구원 | 액체금속음극을 포함하는 공융액체금속 공기전지 및 이의 제조방법 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060801 |