JP2000347287A - 投写型映像表示装置 - Google Patents

投写型映像表示装置

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JP2000347287A
JP2000347287A JP11158308A JP15830899A JP2000347287A JP 2000347287 A JP2000347287 A JP 2000347287A JP 11158308 A JP11158308 A JP 11158308A JP 15830899 A JP15830899 A JP 15830899A JP 2000347287 A JP2000347287 A JP 2000347287A
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light
wavelength selection
wavelength
selection state
color
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JP11158308A
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Yoshihiro Sasaki
義広 佐々木
Katsumi Tanaka
克実 田中
Hiroshi Yoshida
宏 吉田
Toshio Horie
敏生 堀江
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 投写型映像表示装置の各使用形態において最
適な特性をユーザー側で任意に選択できる投写型映像表
示装置を提供する。 【構成】 赤色波長帯域の光を透過する第1ダイクロイ
ックミラー25と全反射ミラー26との間の赤色光路上
に切換手段1を設ける。他の色光路上にも同様に切換手
段2,3を設ける。切換手段1は、ダイクロイックフィ
ルタ1aと、これを回動させるモータから成る。フィル
タ1aに対する光入射角度が0°のとき、600nm以
上の純赤光を透過し、オレンジ気味の赤を除去するた
め、色再現性を良好にする波長選択状態が実現される。
一方、光入射角度が45°となるように回動されると、
50%透過波長が約570nmとなり、第1ダイクロイ
ックミラー25を透過した赤色光の全てを透過するの
で、輝度を向上させる波長選択状態が実現される。他の
切換手段2,3についても略同様である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光源からの光を3原
色に分光して各色映像光を生成し、これを合成して拡大
投影するようにした投写型映像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は3板式液晶プロジェクタの光学系
の一例を示した平面図である。メタルハライドランプ等
から成る光源20から出射された白色光は、インテグレ
ータレンズ21、偏光変換装置22、及び集光レンズ2
3を経た後、全反射ミラー24によって光路を90°変
更されて第1ダイクロイックミラー25へと導かれる。
上記の偏光変換装置22は、光利用効率向上のために液
晶パネルにとって不要な偏光を必要とする偏光に変換す
ると共に、ダイクロイックミラーの反射率がP偏光より
S偏光の方が高効率であることに鑑み、S偏光に統一し
て透過する。また、インテグレータレンズ21は、一対
のレンズ群から構成され、個々のレンズ部分が液晶ユニ
ットのパネル全面を照射するように設計されており、光
源20から出射された光に存在する部分的な輝度ムラを
平均化し、画面中央と周辺部とでの光量差を低減する。
【0003】第1ダイクロイックミラー25は、赤色波
長帯域の光を透過し、シアン(緑+青)の波長帯域の光
を反射する。第1ダイクロイックミラー25を透過した
赤色波長帯域の光は、全反射ミラー26にて反射され、
コンデンサレンズ27を経て赤色光用の透過型の液晶ユ
ニット41に導かれ、これを透過することで光変調され
る。一方、第1ダイクロイックミラー25にて反射した
シアンの波長帯域の光は、第2ダイクロイックミラー2
8に導かれる。第2ダイクロイックミラー28は、青色
波長帯域の光を透過し、緑色波長帯域の光を反射する。
第2ダイクロイックミラー28にて反射した緑色波長帯
域の光は、コンデンサレンズ29を経て緑色光用の透過
型の液晶ユニット42に導かれ、これを透過することで
光変調される。また、第2ダイクロイックミラー28を
透過した青色波長帯域の光は、リレーレンズ30,3
2、全反射ミラー31,33、及びコンデンサレンズ3
4を経て青色光用の透過型の液晶ユニット43に導か
れ、これを透過することで光変調される。
【0004】各液晶ユニット41,42,43は、その
光入射側にS偏光を透過させる偏光板を備えるととも
に、一対のガラス基板(画素電極や配向膜を形成してあ
る)間に液晶を封入して成る液晶パネル、及び透過型の
出射側偏光板を備えて成る。各液晶ユニット41,4
2,43を経て得られた変調光(各色映像光)がダイク
ロイックプリズム35によって合成されてカラー映像光
となる。このカラー映像光は、投写レンズ36によって
拡大投写され、図示しないスクリーン上に投影表示され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図8は、ダイクロイッ
クミラーの分光特性の代表的な例を示している。図にお
いての符号を付記した分光特性図(実線)は、赤透過
用の第1ダイクロイックミラー25の透過特性を示して
いる。この透過特性から分かるように、ダイクロイック
ミラー25は波長585nm程度を境にして赤色光とシ
アン色光に分離する。また、図のの符号を付記した分
光特性図(点線)は、青透過用の第2ダイクロイックミ
ラー28の透過特性を示している。この透過特性から分
かるように、ダイクロイックミラー28はシアン色光を
波長510nm程度を境にして青色光と緑色光に分離す
る。
【0006】ここで、波長585nm付近の光はオレン
ジ色であって、赤の光にこの波長域付近の光が入るとオ
レンジ気味の赤になり、また緑の光にこの波長域付近の
光が入ると黄緑色に近い緑になる(光の波長と色の関係
は日本色彩学会が発行する「新編色彩科学ハンドブッ
ク」によれば、光の波長と色相感覚は、578〜586
nmの光は黄みの橙、578〜597nmは橙と定義さ
れている。)。
【0007】赤色と緑色の色純度を確保するために、波
長585nm±10nm程度の光を捨てることとした場
合には輝度が低下することになり、比較的明るい部屋で
の投写型映像表示装置の使用において不満が生じる。一
方、波長585nm±10nm程度の光を活用する場合
には輝度は向上するが、色純度は確保できず、高画質の
映像表示において不満が生じる。すなわち、従来の投写
型映像表示装置は、色純度か輝度のどちらか一方を重視
して設計せざるを得ず、投写型映像表示装置の使用形態
を考慮して最適な特性を選択できるものではなかった。
【0008】この発明は、上記の事情に鑑み、投写型映
像表示装置の各使用形態において最適な特性をユーザー
側で選択できる投写型映像表示装置を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の投写型映像表
示装置は、白色光を照射する光源と、前記白色光を3原
色の光に分離する色分離手段と、3原色の光をそれぞれ
映像信号に基づいて変調するライトバルブと、各ライト
バルブからの変調光を合成する合成手段と、合成光を拡
大投写する投写レンズと、を備えた投写型映像表示装置
において、前記色分離手段にて分離された色光の光路上
に、色再現性を良好にする第1の波長選択状態と輝度を
向上させる第2の波長選択状態との切換を行う切換手段
を設けたことを特徴とする。
【0010】上記の構成であれば、前記切換手段によっ
て第1の波長選択状態とすることにより色再現性(色純
度)を良好にできるので、ビデオソフト等を鑑賞する使
用形態に対して好適となる。一方、投写型映像表示装置
の使用法を見ると、パーソナルコンピュータと接続して
コンピュータ画像(特に、プレゼンテーション用の説明
画像)を拡大投写する形態がある。プレゼンテーション
用の説明画像を投影表示するときには、メモをとること
ができる程度に手元を明るくするために部屋を十分に暗
くできない。このような使用形態では、色再現性よりも
画面が明るいことが重視される。前記切換手段によって
第2の波長選択状態とすることにより、輝度が向上する
ので、このようなプレゼンテーション用の説明画像を投
影表示する使用形態に対して好適となる。すなわち、投
写型映像表示装置の各使用形態において最適な特性をユ
ーザー側で選択することができる。
【0011】切換手段としては、色光路上に設けたダイ
クロイックフィルタと、このダイクロイックフィルタを
回動させて光の入射角度を変化させる駆動手段とから成
る構成がよい。この構成は、ダイクロイックフィルタの
分光特性における光入射角度依存性を利用するものであ
る。また、反射波長特性が異なる2種のミラーを貼り合
わせた光学部材と、この光学部材を回動させて2種のミ
ラーのいずれかを色光路上に位置させる駆動手段とから
成る構成もよい。
【0012】また、各波長選択状態の実現のために前記
切換手段が必要とする情報を格納する記憶手段を備えて
もよい。ここで、例えば、上記駆動手段として二つの位
置を択一的に採ることができるアクチュエータを採用し
た場合は、上記の記憶手段は特に必要ないが、例えばス
テッピングモータなどを採用した場合には、各波長選択
状態を実現するための前記ダイクロイックフィルタや光
学部材の回転量に対応するパルス数を前記記憶手段に記
憶させておくことになる。
【0013】また、表示する映像の種類を識別する映像
識別手段と、識別結果に基づいて第1の波長選択状態と
第2の波長選択状態との切り換えを前記切換手段に指令
する手段とを備えるのがよい。前述の通り、プレゼンテ
ーション用の説明画像はパーソナルコンピュータから提
供されるので、映像信号がRGB信号であることを識別
したときには、輝度を向上させる第2の波長選択状態を
採るよう切換手段に指令し、映像信号がビデオソフト等
の信号であるコンポジット信号であることを識別したと
きには、色再現性を良好にする第1の波長選択状態を採
るように切換手段に指令することなどが考えられ、この
ようにすることで映像信号に応じた(使用形態に適し
た)好適な特性が自動的に得られることになる。なお、
パーソナルコンピュータからの映像信号であってもそれ
が高画質画像である場合には色再現性を良好にする第1
の波長選択状態を選択したい場合もあり得る。このた
め、例えば、パーソナルコンピュータから映像種類に関
する情報を得ることができるように構成しておき、パー
ソナルコンピュータから例えばMPEGファイルを再生
している旨の情報を得たとき、すなわち表示する映像の
種類がMPEGであることを識別したとき、色再現性を
良好にする第1の波長選択状態を自動選択するといった
ことを行うことも考えられる。
【0014】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、この発明
の実施形態を図1乃至図4に基づいて説明する。なお、
この実施形態の投写型映像表示装置は、その光学系とし
て従来技術の項で示した図7の光学系と同様のものを採
用しており、説明の重複による冗長を避けるため、この
実施形態を示す図1では、その特徴をなす光学要素及び
その周辺の主要な光学要素のみを示すとともに、同一の
光学要素には同一の符号を付記し、その説明を省略して
ある。
【0015】図1に示すように、赤色波長帯域の光を透
過する第1ダイクロイックミラー25と全反射ミラー2
6との間の赤色光路上には、赤色光に対して色再現性を
良好にする第1の波長選択状態と輝度を向上させる第2
の波長選択状態との切換を行う切換手段1が設けられて
いる。この切換手段1は、ダイクロイックフィルタ1a
と、紙面垂直方向に設けた軸1b回りに前記ダイクロイ
ックフィルタ1aを回動させてこのダイクロイックフィ
ルタ1aへの光の入射角度を変化させる図示しないステ
ッピングモータとから成る。なお、この切換手段1は、
第1ダイクロイックミラー25から赤色用の液晶ユニッ
ト41までの光路上のどの位置に設けてもよい。
【0016】上記ダイクロイックフィルタ1aは、図3
の分光特性図に示しているように、入射角度が0°(垂
直入射時)のときにおいては600nm以上の光を透過
するように設計されている。そして、このダイクロイッ
クフィルタ1aは、光の入射角度に応じて分光特性を変
化させる入射角度依存性を有するものであり、入射角度
が30°或いは45°のごとく大きくなると、透過帯の
カットオフの半値波長(50%透過波長)は、入射角度
30°で約585nm、入射角度45°で約570nm
のごとく、短波長側にシフトする。従って、入射角度が
0°のとき(図1において実線で示す状態)において
は、赤透過用の第1ダイクロイックミラー25にて透過
された波長585nm以上の光に対して600nm以上
の純粋な赤色光のみを透過しそれよりも短い波長の光を
捨て去ることになり、色再現性を良好にする第1の波長
選択状態が実現される。一方、入射角度を大きくしたと
き(図1において点線で示す状態)においては、第1ダ
イクロイックミラー25を透過した波長585nm以上
の光の全て或いは殆どが透過するので、輝度を向上させ
る第2の波長選択状態が実現される。
【0017】また、図1に示しているように、第1ダイ
クロイックミラー25と緑色波長帯域の光を反射する第
2ダイクロイックミラー28との間の光路上には、緑色
光に対して色再現性を良好にする第1の波長選択状態と
輝度を向上させる第2の波長選択状態との切換を行う切
換手段2が設けられている。この切換手段2は、ダイク
ロイックフィルタ2aと、紙面垂直方向に設けた軸2b
回りに前記ダイクロイックフィルタ2aを回動させてこ
のダイクロイックフィルタ2aへの光の入射角度を変化
させる図示しないステッピングモータとから成る。な
お、切換手段2は第1ダイクロイックミラー25から緑
色用の液晶ユニット42までの光路上のどの位置に設け
てもよい。
【0018】上記ダイクロイックフィルタ2aは、図4
の分光特性図に示しているように、入射角度が0°(垂
直入射時)のときにおいては585nm以下の光を透過
するように設計されている。そして、このダイクロイッ
クフィルタ2aは、光の入射角度に応じて分光特性を変
化させる入射角度依存性を有するものであり、入射角度
が45°のごとく大きくなると、透過帯のカットオフの
半値波長(50%透過波長)は約570nmとなる。従
って、入射角度が45°のとき(図1において実線で示
す状態)においては、第1ダイクロイックミラー25に
て反射された波長585nm以下の光のうち570nm
以上の黄緑色がかった光が捨て去られ、色再現性を良好
にする第1の波長選択状態が実現される。一方、入射角
度が0°のとき(図1において点線で示す状態)におい
ては、第1ダイクロイックミラー25にて反射された波
長585nm以下の光の全て或いは殆どを透過すること
になり、輝度を向上させる第2の波長選択状態が実現さ
れる。
【0019】また、図1に示しているように、青色波長
帯域の光を透過する第2ダイクロイックミラー28と全
反射ミラー31との間の光路上には、青色光に対して色
再現性を良好にする第1の波長選択状態と輝度を向上さ
せる第2の波長選択状態との切換を行う切換手段3が設
けられている。この切換手段3は、ダイクロイックフィ
ルタ3aと、紙面垂直方向に設けた軸3b回りに前記ダ
イクロイックフィルタ3aを回動させてこのダイクロイ
ックフィルタ3aへの光の入射角度を変化させる図示し
ないステッピングモータとから成る。なお、切換手段3
は第2ダイクロイックミラー28から青色用の液晶ユニ
ット43までの光路上のどの位置に設けてもよい。
【0020】上記ダイクロイックフィルタ3aについて
は、その分光特性は図示していないが、入射角度が0°
(垂直入射時)のときにおいては第2ダイクロイックミ
ラー28を透過した波長510nm以下の光を透過する
ように設計される。ダイクロイックフィルタ3aも他の
ダイクロイックフィルタと同様に入射角度依存性を有す
るものであり、入射角度が大きくなると、透過帯のカッ
トオフの半値波長(50%透過波長)は短波長側にシフ
トする。従って、入射角度が大きいとき(図1において
実線で示す状態)においては、第2ダイクロイックミラ
ー28を透過した波長510nm以下の光に対して波長
510nm付近の光が捨て去られ、色再現性を良好にす
る第1の波長選択状態が実現される。一方、入射角度が
0°のとき(図1において点線で示す状態)において
は、第2ダイクロイックミラー28を透過した波長51
0nm以下の光の全て或いは殆どを透過することにな
り、輝度を向上させる第2の波長選択状態が実現され
る。
【0021】すなわち、図1において、ダイクロイック
フィルタ1a,2a,3aを実線で示す状態に配置させ
ると、各色光に対して色再現性を良好にする第1の波長
選択状態が選択されたことになり、ビデオソフト等を鑑
賞する使用形態に対して好適となる。一方、ダイクロイ
ックフィルタ1a,2a,3aを点線で示す状態に配置
させると、各色光に対して輝度を向上させる第2の波長
選択状態が選択されたことになり、プレゼンテーション
用の説明画像を投影表示する使用形態に対して好適とな
る。このように、投写型映像表示装置の各使用形態にお
いて最適な特性をユーザー側で選択することができる。
【0022】図2は、投写型映像表示装置の制御系を示
したブロック図である。ビデオ信号入力回路5には、例
えば図示しないビデオテープレコーダからの映像信号
(コンポジット信号)が入力される。パソコン信号入力
回路6には、図示しないパーソナルコンピュータからの
映像信号(RGB信号)が入力される。信号切換回路7
は、CPU4の指令に基づき、ビデオ信号入力回路5か
らの映像信号とパソコン信号入力回路6からの映像信号
のいずれかを選択して出力する。ブランキング回路8
は、CPU4からブランキング指令を受けたとき、映像
信号の出力を停止する。ブランキング指令は、第1の波
長選択状態と第2の波長選択状態との切り換わり時(ス
テッピングモータにてダイクロイックフィルタを回動す
る時)に出される。ブランキング回路8から出力される
映像信号は、図示しない信号処理回路によって、各液晶
ユニットを駆動する駆動信号に変換される。
【0023】モータ駆動回路9はダイクロイックフィル
タ1aを回動させるステッピングモータを駆動制御する
ものであり、モータ駆動回路10はダイクロイックフィ
ルタ2aを回動させるステッピングモータを駆動制御す
るものであり、モータ駆動回路11はダイクロイックフ
ィルタ3aを回動させるステッピングモータを駆動制御
するものであり、それぞれCPU4の指令によって各ス
テッピングモータの回転(正転・反転)や停止を行う。
【0024】CPU4は、図示しないROMに格納され
た制御プログラムに基づいて投写型映像表示装置の基本
的な制御を行う他、前述した第1,第2波長選択状態を
実現するための情報を書込可能な不揮発性のメモリ13
に書き込む制御、及びメモリ13から情報を読み出して
モータ駆動回路9,10,11に指令を出す制御なども
行う。
【0025】第1,第2波長選択状態を実現するための
上記情報としては、各状態に対応した各ダイクロイック
フィルタの回動位置を実現するためのステッピングモー
タへのパルス数が考えられる。基本的には、各ダイクロ
イックフィルタは光入射角度が0°の状態と45°の状
態の二位置をとればよく、その角度差45°の回動量に
対応するパルス数をメモリ13に格納しておけば、当該
パルス数の時計回り回転或いは反時計回り回転をステッ
ピングモータに行わせることで、第1,第2波長選択状
態を実現できることになる。この場合には、例えば投写
型映像表示装置の出荷時に予め上記パルス数の情報をメ
モリに格納しておけばよいので、CPU4による書込制
御は特に必要ない。
【0026】一方、ユーザーによる調整を可能にするた
めには、調整された第1の波長選択状態及び調整された
第2の波長選択状態を実現するためのパルス数を持つこ
とが必要になる。ユーザーによる調整は、例えば第1の
波長選択状態でRGB色テスト映像を投影表示してお
き、その映像を見ながらコントローラ12の赤色調整キ
ーを操作するといったことが考えられる。なお、RGB
色テスト映像はパーソナルコンピュータからも提供でき
るが、投写型映像表示装置自体がテスト信号生成回路を
備えれば調整作業がやり易くなる。
【0027】赤色調整キーが1回操作される度にCPU
4は例えば1パルス分の回動指令をモータ駆動回路9に
出力する。赤色調整キーが5回操作されたときにユーザ
ーの好みの状態(色,明るさ)になったとして、コント
ローラ12の確定キーが操作されると、そのときのダイ
クロイックフィルタ1aの回動状態が初期位置になると
ともに、角度差45°の回動量に対応するパルス数から
5を減算したパルス数がメモリ13に書き込まれる。こ
の減算されたパルス数だけステッピングモータ9が回転
すると、第2の波長選択状態に切り換わり、またこの第
2の波長選択状態から上記パルス数だけステッピングモ
ータが反転すると、上記の調整された第1の波長選択状
態に戻ることになる。他の色における調整並びに第2の
波長選択状態の調整についても、上記の同様の操作を行
うことで、パルス数の減算或いは加算が行われてそのパ
ルス数の情報がメモリ13に格納される。このような操
作・制御は簡略して示したものであり、また一例であっ
てこれに限定されるものではなく、他の操作・制御を採
用してもよいことは勿論である。また、3つのダイクロ
イックフィルタの回動状態を一律(非個別)に調整する
ようにしてもよいものである。
【0028】また、CPU4による制御として、当該C
PU4が映像の種類を識別して第1の波長選択状態と第
2の波長選択状態との切り換えを自動的に行う制御が考
えられる。プレゼンテーション用の説明画像はパーソナ
ルコンピュータから提供されるので、パソコン信号入力
回路6に信号入力があったたときには、輝度を向上させ
るべくモータ駆動回路9,10,11に指令を出し、ビ
デオ信号入力回路5に信号入力があったときには、色再
現性を良好にすべくモータ駆動回路9,10,11に指
令を出す。このようにすることで、映像信号に応じた
(使用形態に適した)好適な特性が自動的に得られるこ
とになる。
【0029】なお、パーソナルコンピュータからの映像
信号であってもそれが高画質画像である場合には色再現
性を良好にする第1の波長選択状態を選択したい場合も
あり得る。このため、例えば、パーソナルコンピュータ
から映像種類に関する情報を得ることができるように構
成しておき、パーソナルコンピュータから例えばMPE
Gファイルを再生している旨の情報を得たとき、すなわ
ち表示する映像の種類がMPEGであることを識別した
とき、色再現性を良好にする第1の波長選択状態を自動
選択するといったことを行うことも考えられる。勿論、
ユーザーによるマニュアル操作にてパーソナルコンピュ
ータによる映像出力状態において第1の波長選択状態に
切り換えられるようにしてもよい。
【0030】(実施の形態2)以下、第2の実施形態を
図5及び図6に基づいて説明する。なお、この実施形態
の投写型映像表示装置は、実施形態1と同様、その光学
系として従来技術の項で示した図7の光学系と同様のも
のを採用しており、説明の重複による冗長を避けるた
め、この実施形態を示す図5では、その特徴をなす光学
要素及びその周辺の主要な光学要素のみを示すととも
に、同一の光学要素には同一の符号を付記し、その説明
を省略してある。
【0031】図5に示すように、この実施形態の投写型
映像表示装置には、第1ダイクロイックミラー25を透
過した赤色波長帯域の光を反射して赤色用の液晶ユニッ
ト41に導く反射光学部材14が設けられている。すな
わち、図7の光学系における全反射ミラー26に代えて
反射光学部材14を設けたものである。反射光学部材1
4は、光吸収用の黒塗装層14cを介在させて全反射ミ
ラー14aとダイクロイックミラー14bとを貼り合わ
せた構造を有している。この反射光学部材14と、これ
を紙面垂直方向に設けた軸14d回りに回動させて全反
射ミラー14aまたはダイクロイックミラー14bのい
ずれかを光路上に位置させる図示しないステッピングモ
ータとにより、赤色光に対して色再現性を良好にする第
1の波長選択状態と輝度を向上させる第2の波長選択状
態との切換を行う切換手段が構成される。
【0032】上記ダイクロイックミラー14bは、それ
が光路上に位置するときの状態、すなわち光入射角度が
45°となる状態において、図6の分光特性図に示して
いるように、600nm以上の光を反射するように設計
されている。一方、全反射ミラー14aは、そのような
分光特性は備えず、全ての波長帯域の光を反射するよう
になっている。従って、ダイクロイックミラー14bが
光路上に位置するときにおいては、赤透過用の第1ダイ
クロイックミラー25にて透過された波長585nm以
上の光に対して600nm以上の純粋な赤色光だけが反
射しそれよりも短い波長の光は黒塗装層14cに吸収さ
れて捨て去られることになり、色再現性を良好にする第
1の波長選択状態が実現される。一方、全反射ミラー1
4aが光路上に位置するときにおいては、第1ダイクロ
イックミラー25を透過した波長585nm以上の全て
が反射するので、輝度を向上させる第2の波長選択状態
が実現される。
【0033】なお、図示はしていないが、青色波長帯域
の光を透過する第2ダイクロイックミラー28から青色
用の液晶ユニット43に至る光路上の全反射ミラー31
又は全反射ミラー32に代えて同様の構成の青色光用の
切換手段を備えてもよい。この青色光用の切換手段にお
けるダイクロイックミラーは、それが光路上に位置する
ときの状態、すなわち光入射角度が45°となる状態に
おいて、第2ダイクロイックミラー28を透過した波長
510nm以下の光のうち青色純度を高める波長帯域の
光のみを反射させる特性のものが用いられる。
【0034】また、このように、全反射ミラーとダイク
ロイックミラーとを貼り合わせた反射光学部材を用いた
場合、青色光に対する第1の波長選択状態と第2の波長
選択状態との切換、及び赤色光に対する第1の波長選択
状態と第2の波長選択状態との切換は実現できるが、緑
色光に対する第1の波長選択状態と第2の波長選択状態
との切換はできない。従って、緑色光に対しては実施形
態1で用いた切換手段を採用することが考えられる。
【0035】この実施形態の投写型映像表示装置におけ
る制御系は、実施形態1で示した図4のブロック図と略
同様に構成される。ただし、第1,第2波長選択状態を
実現するために、ステッピングモータへは180°の回
動量に対応するパルス数を出力することになり、このパ
ルス数の情報がメモリ13に格納される。
【0036】なお、以上説明した実施形態では、ダイク
ロイックフィルタや反射光学部材を回動する駆動手段と
してステッピングモータを用い、このステッピングモー
タに与えるパルス数の情報を記憶するようにしたが、こ
のような構成に限るものではなく、例えば位置指定用の
抵抗器とポテンショメータを用いた位置決めサーボモー
タ回路などの他のモータ機構を用いることもできる。ま
た、上記位置指定用の抵抗器に代えて前記メモリ13に
ディジタル値を格納し、これをD/A変換器で変換して
得たアナログ電圧値を位置決めサーボモータ回路のコン
パレータに入力するように構成し、上記ディジタル値の
書き換えで所望の回動量を得る構成としてもよい。更
に、ダイクロイックフィルタや反射光学部材は基本的に
は二つの位置を択一的にとればよいので、二位置を択一
的にとる揺動アクチュエータや直動アクチュエータを用
いた機構を採用することもできる。
【0037】また、ダイクロイックプリズム35によっ
て各色の映像光を合成するようにしたが、ダイクロイッ
クミラーを用いて3原色の各映像光を合成する構成とし
てもよいものである。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の投写型
映像表示装置であれば、色再現性を良好にしてビデオソ
フト等を鑑賞するのに好適な態様と、輝度を向上させて
プレゼンテーション用の説明画像を投影表示するのに好
適な態様とをユーザー側で任意に選択できるという効果
を奏する。
【0039】ダイクロイックフィルタや反射波長特性が
異なる2種のミラーを貼り合わせた光学部材と、これを
駆動する駆動手段とで切換手段を実現した構成であれ
ば、構造が比較的簡単であり、組立が容易である。
【0040】各波長選択状態の実現のために前記切換手
段が必要とする情報を格納する記憶手段を備えた構成で
あれば、上記駆動手段としてステッピングモータなどを
用いる場合に対応可能であり、更に、ユーザー側での微
調整を可能にできる。
【0041】表示する映像の種類を識別する映像識別手
段と、識別結果に基づいて第1の波長選択状態と第2の
波長選択状態との切り換えを前記切換手段に指令する手
段とを備えた構成であれば、ユーザーの手を煩わせるこ
となく、投写型映像表示装置の各使用形態において最適
な特性が自動的に選択される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1の光学系を示す平面図で
ある。
【図2】この発明の実施形態1の制御系を示すブロック
図である。
【図3】図1の光学系における赤色光路上に設けたダイ
クロイックフィルムの分光特性の波長依存性を示すグラ
フである。
【図4】図1の光学系におけるシアン色光路上に設けた
ダイクロイックフィルムの分光特性の波長依存性を示す
グラフである。
【図5】この発明の実施形態2の光学系を示す平面図で
ある。
【図6】図5の光学系における赤色光路上に設けた反射
光学部材におけるダイクロイックミラーの分光特性を示
すグラフである。
【図7】従来の液晶プロジェクタの光学系を示す平面図
である。
【図8】図7の光学系における赤透過用の第1ダイクロ
イックミラーの特性(実線)及び青透過用の第2ダイク
ロイックミラーの特性(点線)を示すグラフである。
【符号の説明】
1,2,3 切換手段 1a,2a,3a ダイクロイックフィルム 4 CPU 5 ビデオ信号入力回路 6 パソコン信号入力回路 7 信号切換回路 9,10,11 モータ駆動回路 12 コントローラ 13 メモリ 14 反射光学部材 14aダイクロイックフィルム 14b全反射ミラー 14c黒塗装層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 宏 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 堀江 敏生 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 2H088 EA14 HA06 HA13 HA21 HA24 MA06 2H091 FA05Z FA14Z FA41Z FD15 GA11 LA12 LA16 MA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白色光を照射する光源と、前記白色光を
    3原色の光に分離する色分離手段と、3原色の光をそれ
    ぞれ映像信号に基づいて変調するライトバルブと、各ラ
    イトバルブからの変調光を合成する合成手段と、合成光
    を拡大投写する投写レンズと、を備えた投写型映像表示
    装置において、 前記色分離手段にて分離された色光の光路上に、色再現
    性を良好にする第1の波長選択状態と輝度を向上させる
    第2の波長選択状態との切換を行う切換手段を設けたこ
    とを特徴とする投写型映像表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の投写型映像表示装置に
    おいて、前記切換手段は、色光路上に設けたダイクロイ
    ックフィルタと、このダイクロイックフィルタを回動さ
    せて光の入射角度を変化させる駆動手段とから成ること
    を特徴とする投写型映像表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の投写型映像表示装置に
    おいて、前記切換手段は、反射波長特性が異なる2種の
    ミラーを貼り合わせた光学部材と、この光学部材を回動
    させて2種のミラーのいずれかを色光路上に位置させる
    駆動手段とから成ることを特徴とする投写型映像表示装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の投写型映像表示装置において、各波長選択状態の実現
    のために前記切換手段が必要とする情報を格納する記憶
    手段を備えたことを特徴とする投写型映像表示装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    の投写型映像表示装置において、表示する映像の種類を
    識別する映像識別手段と、識別結果に基づいて第1の波
    長選択状態と第2の波長選択状態との切り換えを前記切
    換手段に指令する手段とを備えたことを特徴とする投写
    型映像表示装置。
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