JP2000344834A - 温度応答性を有する高分子化合物およびその製造方法 - Google Patents

温度応答性を有する高分子化合物およびその製造方法

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JP2000344834A
JP2000344834A JP11162486A JP16248699A JP2000344834A JP 2000344834 A JP2000344834 A JP 2000344834A JP 11162486 A JP11162486 A JP 11162486A JP 16248699 A JP16248699 A JP 16248699A JP 2000344834 A JP2000344834 A JP 2000344834A
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carbon atoms
polymer
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branched
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JP11162486A
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Yoshikatsu Akiyama
義勝 秋山
Kimihiro Yoshizako
公博 吉廻
Yukio Hasegawa
幸雄 長谷川
Mitsuo Okano
光夫 岡野
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Amersham Pharmacia Biotech KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 水素結合性および疎水性を利用し、生体成分
をはじめとする物質と相互作用するような性質を有し、
塩を含むような水溶液中でもLCSTあるいはUCST
を示すような材料、さらにはかかる高分子を用いたクロ
マトグラフィーなどの分離担体を始めとする、新規な分
離、吸着、放出材。 【解決手段】 下式(1) (式中、Zはメチル基もしくは水素原子を示す。nは2
以上の整数を示す。X1、X2、X3、X4、X5は水素原
子、基Rまたは基−CO−NH−Rを示し、X1〜X5
うち最低1つは基−CO−NH−Rである(Rは脂肪族
炭化水素基、一つ以上のアミド結合を含む脂肪族炭化水
素基、一つ以上の水酸基を含む脂肪族炭化水素基、一つ
以上の水酸基を含む脂環式炭化水素基、一つ以上のアミ
ド結合を含む脂環式炭化水素基あるいは水素原子を示
す)。iは0〜6のいずれかの整数を示す。)で表され
る繰り返し単位を含む高分子化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度による材料の
極性および水素結合性能を変化、制御できる温度応答性
高分子に関する。また、本発明は、温度による極性およ
び水素結合性能の変化を利用した吸着・分離材料、物質
放出材料、生体機能に利用することのできる温度応答性
高分子化合物に関する。さらに、本発明はこれらの温度
応答性高分子化合物を用いることを特徴とする物質の吸
着、分離、回収、放出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】温度、pH、光などの刺激に対して構造
が変化する化合物は、その構造変化により体積、あるい
は、親水性、疎水性のような極性が変化する。温度応答
性高分子として代表的なものとして、ポリ(N−イソプ
ロピルアクリルアミド)が知られている。この高分子は
水溶液中において、低温側で溶解し高温側で析出する現
象、下限臨界温度(LCST)を示す。また、その逆
に、ポリ(ジメチルアクリルアミド)とポリ(アクリル
酸)の混合溶液系では、2種の高分子が高温側で溶解
し、低温側で、2種の高分子で複合体を形成し析出する
現象、上限臨界温度(UCST)を示すことが知られて
いる。しかしながら、LCSTを有するアルキルアクリ
ルアミド系のポリマーでは疎水性が小さく、疎水性を出
すために高温条件で分離を行わなければならず、生体成
分の分離、吸着、放出において不利な条件となる。
【0003】また、UCSTを有するようなポリマーで
は、このような2種類の異なるポリマーが複合化しなけ
ればならないため、塩の混入、pHの増加によりUCS
Tを消失してしまうため、生体成分の分離、吸着、放出
条件に大きな制約がでてきてしまう。
【0004】このような背景から、UCSTおよびLC
STの発現を制御でき、また、その性質が塩を含むよう
な環境下でも発現することができ、生体成分を始めとす
る物質分離が行える疎水性を有するポリマーの開発が求
められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような現状に鑑み、水素結合性および疎水性を利用
し、生体成分をはじめとする物質と相互作用するような
性質を有する、塩を含むような水溶液中でもLCSTあ
るいはUCSTを示すような材料を提供し、さらにはか
かる高分子を用いたクロマトグラフィーなどの分離担体
を始めとする、新規な分離、吸着、放出材を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、単量体に水素結合性の官能基および疎水性を導入
し重合するか、あるいは当該単量体と他種の単重体とを
共重合することにより、温度応答性を制御できる温度応
答性高分子化合物を合成できることを見出した。また、
本発明者は、かかる温度応答性高分子化合物を含む吸着
・分離材料を利用することで、様々な物質の分離へ応用
ができることを見出した。本発明はかかる知見に基づい
て完成したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
【0008】
【化6】
【0009】(式中、Zはメチル基もしくは水素原子を
示す。nは2以上の整数を示す。X1、X2、X3、X4
5は同一もしくは異なって、水素原子、基Rまたは基
−CO−NH−Rを示し、X1〜X5のうち最低1つは基
−CO−NH−Rである(Rは炭素数1〜6の直鎖また
は分岐の脂肪族炭化水素基、一つ以上のアミド結合を含
む炭素数1〜10の直鎖または分枝の脂肪族炭化水素
基、一つ以上の水酸基を含む炭素数1〜10の直鎖また
は分枝の脂肪族炭化水素基、一つ以上の水酸基を含む炭
素数3〜10の脂環式炭化水素基、一つ以上のアミド結
合を含む炭素数3〜10の脂環式炭化水素基あるいは水
素原子を示す)。iは0〜6のいずれかの整数を示
す。)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物に関
する。
【0010】また、本発明は、下式
【0011】
【化7】
【0012】(式中、n、mはn+m=1.0となるよ
うな任意の数値を示す。Zはメチル基もしくは水素原子
を示す。nは2以上の整数を示す。X1、X2、X3
4、X5は同一もしくは異なって、水素原子、基Rまた
は基−CO−NH−Rを示し、X 1〜X5のうち最低1つ
は基−CO−NH−Rである(Rは炭素数1〜6の直鎖
または分岐の脂肪族炭化水素基、一つ以上のアミド結合
を含む炭素数1〜10の直鎖または分枝の脂肪族炭化水
素基、一つ以上の水酸基を含む炭素数1〜10の直鎖ま
たは分枝の脂肪族炭化水素基、一つ以上の水酸基を含む
炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、一つ以上のアミド
結合を含む炭素数3〜10の脂環式炭化水素基あるいは
水素原子を示す)。iは0〜6のいずれかの整数を示
す。Yは酸素原子もしくは窒素原子を示す。R’は炭素
数1〜6の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基、一つ以
上のアミド結合を含む炭素数1〜10の直鎖または分枝
の脂肪族炭化水素基、一つ以上の水酸基を含む炭素数1
〜10の直鎖または分枝の脂肪族炭化水素基、一つ以上
の水酸基を含む炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、一
つ以上のアミド結合を含む炭素数3〜10の脂環式炭化
水素基あるいは水素原子を示す。)で表される繰り返し
単位を含む高分子化合物に関する。
【0013】さらに、本発明は、下式
【0014】
【化8】
【0015】(式中、Zはメチル基もしくは水素原子を
示す。nは2以上の整数を示す。X1、X2、X3、X4
5は同一もしくは異なって、水素原子、基Rまたは基
−CO−NH−Rを示し、X1〜X5のうち最低1つは基
−CO−NH−Rである(Rは炭素数1〜6の直鎖また
は分岐の脂肪族炭化水素基、一つ以上のアミド結合を含
む炭素数1〜10の直鎖または分枝の脂肪族炭化水素
基、一つ以上の水酸基を含む炭素数1〜10の直鎖また
は分枝の脂肪族炭化水素基、一つ以上の水酸基を含む炭
素数3〜10の脂環式炭化水素基、一つ以上のアミド結
合を含む炭素数3〜10の脂環式炭化水素基あるいは水
素原子を示す)。A1、A2、A3、A4、A5は同一もし
くは異なって、炭素原子または基−CO−NH−Rもし
くは−CO−Rを有するXn(nは1〜5のいずれかの
整数を示す)と結合する窒素原子を示し、A1〜A5のう
ち最低1つは基−CO−NH−Rもしくは−CO−Rを
有するXn(nは1〜5の整数を示す)と結合する窒素
原子である(Rは前記と同じ意味を表す)。iは0〜6
のいずれかの整数を示す。)で表される繰り返し単位を
含む高分子化合物に関する。
【0016】さらに加えて、本発明は、下式
【0017】
【化9】
【0018】(式中、n、mはn+m=1.0となるよ
うな任意の数値を示す。Zはメチル基もしくは水素原子
を示す。nは2以上の整数を示す。X1、X2、X3
4、X5は同一もしくは異なって、水素原子、基Rまた
は基−CO−NH−Rを示し、X 1〜X5のうち最低1つ
は基−CO−NH−Rである(Rは炭素数1〜6の直鎖
または分岐の脂肪族炭化水素基、一つ以上のアミド結合
を含む炭素数1〜10の直鎖または分枝の脂肪族炭化水
素基、一つ以上の水酸基を含む炭素数1〜10の直鎖ま
たは分枝の脂肪族炭化水素基、一つ以上の水酸基を含む
炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、一つ以上のアミド
結合を含む炭素数3〜10の脂環式炭化水素基あるいは
水素原子を示す)。A1、A2、A3、A4、A5は同一も
しくは異なって、炭素原子または基−CO−NH−Rあ
るいは基−CO−Rを有するXn(nは1〜5のいずれ
かの整数を示す)と結合する窒素原子を示し、A1〜A5
のうち最低1つは基−CO−NH−Rあるいは基−CO
−Rを有するXn(nは1〜5のいずれかの整数を示
す)と結合する窒素原子である(Rは前記と同じ意味を
表す)。iは0〜6のいずれかの整数を示す。Yは酸素
原子もしくは窒素原子を示す。R’は炭素数1〜6の直
鎖または分岐の脂肪族炭化水素基、一つ以上のアミド結
合を含む炭素数1〜10の直鎖または分枝の脂肪族炭化
水素基、一つ以上の水酸基を含む炭素数1〜10の直鎖
または分枝の脂肪族炭化水素基、一つ以上の水酸基を含
む炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、一つ以上のアミ
ド結合を含む炭素数3〜10の脂環式炭化水素基あるい
は水素原子を示す。)で表される繰り返し単位を含む高
分子化合物に関する。
【0019】加えて、本発明は、溶液中の塩濃度を変化
させることで、温度応答性を制御することを特徴とする
下式
【0020】
【化10】
【0021】(式中、nは0.005≦n≦0.995
の範囲に含まれる任意の数値を示す。R1およびR2は、
同一または異なって、水素原子またはメチル基を示す。
1およびX2は、同一または異なって、2級または3級
のアミド基、エステル基を示す。Z1、Z2またはZ
3は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜8の
直鎖または分岐の炭化水素基、1個または2個以上の水
酸基を有する炭素数1〜8の直鎖または分岐の炭化水素
基、1個または2個以上のエーテル基を有する炭素数1
〜8の直鎖または分岐の炭化水素基、炭素数3〜12の
配糖体または炭素数1〜8の直鎖または分岐の炭化水素
基を有する炭素数3〜12の配糖体を示す。Z1または
3は、X1またはX2が3級アミドのときに有する官能
基である。Z4は水素原子、水酸基、アミド基、1個ま
たは2個以上のアミド基を有する炭素数1〜8の直鎖ま
たは分岐の炭化水素基、1個または2個以上のカルボニ
ル基を有する炭素数1〜8の直鎖または分岐の炭化水素
基、1個または2個以上の水酸基を有する炭素数1〜8
の直鎖または分岐の炭化水素基を示し、オルト、メタ、
パラ位のいずれでもよい。)で表される繰り返し単位を
含む重合体および該重合体を含む架橋物よりなる群から
選択される温度応答性高分子化合物に関する。
【0022】さらにまた、本発明は、上限臨界温度もし
くは下限臨界温度のような曇点が水溶液系中、Rの側鎖
の大きさ、塩濃度、pH濃度、高分子の濃度、高分子の
密度、有機溶媒の濃度、高分子の分子量および水溶液中
でホモポリマーもしくは他種の重合性単量体との共重合
体の組成で制御できる温度応答性高分子化合物に関す
る。
【0023】さらに、本発明は、上記温度応答性高分子
化合物を含むことを特徴とする物質の分離・吸着・放出
材料に関する。加えて、本発明は、前記本発明の高分子
化合物のいずれかの材料をクロマトグラフィー用充填材
に固定化し、固定相に物質を保持させた後、外部温度を
段階的に変化させる温度グラディジエント法により固定
相表面の疎水性、親水性もしくは水素結合性の大きさの
バランスを変化させ、同一の移動相を通過させることに
よって物質を分離することを特徴とする物質の分離方法
に関する。
【0024】また、本発明は、アクリル酸クロライド、
メタクリル酸クロライド、アクリル酸無水物あるいはメ
タクリル酸無水物とアミド基を有する環状の2級アミン
化合物とを反応させることにより合成する式(1)で表
される単量体の製造方法に関する。
【0025】さらに、本発明は、アクリル酸クロライ
ド、メタクリル酸クロライド、アクリル酸無水物あるい
はメタクリル酸無水物と一カ所以上のアシル結合を有す
る2級アミン化合物とを反応させることにより合成する
式(3)で表される単量体の製造方法に関する。
【0026】さらに加えて、本発明は、式(1)〜
(4)で表される各単量体を重合溶媒中に場合によって
は重合開始剤と共に加え、光もしくは重合開始剤からラ
ジカルが発生する温度により重合させて得られる高分子
化合物の製造方法に関する。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明において、炭素数1〜6の
直鎖または分岐の脂肪族炭化水素とは、炭素数1〜6の
直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖また
は分岐のアルケニル基または炭素数1〜6の直鎖または
分岐のアルキニル基を意味する。特にアルキル基が好ま
しく、その中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s
−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキ
シル基などを好ましい基として示すことができる。
【0028】本発明において一つ以上のアミド結合を含
む炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基とは、炭素数1〜
10の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基における任意
の位置に一個以上のアミド基を組み込んだ脂肪族炭化水
素基を意味する。
【0029】本発明において一つ以上の水酸基を含む炭
素数1〜10の脂肪族炭化水素基とは、炭素数1〜10
の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基における任意の位
置に一個以上の水酸基を組み込んだ脂肪族炭化水素基を
意味する。好ましい基としてはヒドロキシメチル基、2
−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2
−ヒドロキシ、i−プロピル基、4−ヒドロキシブチル
基、5ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル
基、5,7−ジヒドロキシブチル基、6,8−ジヒドロ
キシオクチル基、5,9−ジヒドロキシノニル基、5,
7,10−トリヒドロキシデシル基などを示すことがで
きる。
【0030】本発明において、一つ以上の水酸基を含む
炭素数3〜10の脂環式炭化水素基とは、炭素数3〜1
0のヒドロキシシクロアルキル基を示す。好ましいヒド
ロキシシクロアルキル基としては、4−ヒドロキシシク
ロヘキシル基、1−メチル−4−ヒドロキシシクロヘキ
シル基、2−ヒドロキシシクロプロピル基、3,5−ジ
ヒドロキシシクロオクチル基などを示すことができる。
【0031】本発明において、一つ以上のアミド結合を
含み炭素数3〜10の脂環式炭化水素基とは、炭素数3
〜10の脂環式炭化水素基中の任意の位置に一つ以上の
アミド基を有する脂環式炭化水素基を意味する。
【0032】本発明において、式(1)で表される単量
体を合成するに際して用いることができるアミド基を有
するような環状の2級アミンの化合物とは、炭素数5〜
30を有しアミド結合を一カ所以上有する環状の2級ア
ミン化合物、もしくは炭素数5〜30を有し水酸基およ
びアミド結合を一カ所以上有する環状の2級アミン化合
物であり、好ましい化合物としては、例えば、4−ピペ
リジンカルボキシアミド、N−メチル−4−ピペリジン
カルボキシアミド、N−4−ヒドロキシブチル−4−ピ
ペリジンカルボキシアミド、N−ブチル−4−ピペリジ
ンカルボキシアミド、2−ピペリジンカルボキシアミ
ド、N−メチル−2−ピペリジンカルボキシアミド、
N,N’−ジメチル−2,4−ピペリジンカルボキシア
ミドなどが挙げられる。
【0033】本発明において、式(3)で表される単量
体を合成するに際して用いることができる一カ所以上の
アシル結合を有する環状の2級アミン化合物とは、炭素
数5〜30を有し、一カ所以上のアシル結合を有する環
状の2級アミン化合物であり、好ましい化合物として
は、例えば、1−アセチルピペラジン、1−プロピオニ
ルピペラジン、1−イソブチリルピペラジン、1−ヒド
ロキシブチルピペラジン、1−バレリルピペラジン、1
−ヒドロキシバレリルピペラジンなどを挙げることがで
きる。
【0034】本発明の高分子化合物は次のように製造さ
れる。高分子化合物の原料となる1種類もしくは2種類
以上の単量体と重合開始剤を重合溶媒に溶解して、加熱
などにより重合反応を開始する。この時、かかる高分子
化合物を含む架橋物を得るために、2官能性の単量体
(架橋剤)を溶解しても良い。さらにこの時、かかる高
分子化合物の分子量を調整するため、あるいはかかる高
分子化合物の末端に反応性官能基を導入するために、連
鎖移動剤を重合溶媒に溶解させても良い。重合反応後は
かかる高分子化合物を溶解しない溶媒中で再沈殿させる
ことで、目的の温度応答性高分子化合物を得ることがで
きる。
【0035】本発明の高分子化合物の高分子鎖末端にカ
ルボキシル基、水酸基、アミノ基、ニトリル基、炭素数
1〜20の直鎖もしくは分枝のアルキル基、シアノ基な
どの官能基を適宜導入してもよい。導入方法は従来公知
の方法により実施することができる。このとき、必要に
応じて連鎖移動剤や重合開始剤を用いることができる。
例えば、メルカプトプロピオン酸、アミノエタンチオー
ル、ブタンチオールなどの炭素数1〜20の官能基を含
む連鎖移動剤、アミノ基、カルボキシル基を有する重合
開始剤が挙げられる。
【0036】本発明の高分子化合物は、例えばその末端
に導入した反応性官能基を利用してシリカゲルあるいは
ポリマーゲルなどの担体表面に固定化することができ
る。または、シリカゲルあるいはポリマーゲルなどの固
体表面に重合開始剤などを固定化した後に、かかる高分
子化合物の原料となる1種類もしくは2種類以上の単量
体を重合溶媒に溶解して、重合開始剤を固定化したシリ
カゲルあるいはポリマーゲルなどの担体存在下で加熱な
どにより重合を開始することで、かかる高分子化合物を
シリカゲルポリマーゲルなどの担体表面に固定化するこ
とができる。この時、かかる高分子化合物を含むゲル構
造体を得るために、2官能性の単量体(架橋剤)を溶解
しても良い。さらにこのとき、かかる高分子化合物の分
子量を調整するためにあるいは反応性官能基を導入する
ために、連鎖移動剤を重合溶媒中に溶解させても良い。
かかる高分子化合物を含む材料は各種の液体クロマトグ
ラフィー担体、タンパク質、ペプチド、核酸をはじめと
する生体成分および化学物質の分離・吸着・放出材料、
生体機能材料に応用することができる。
【0037】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、半発明はこれらの実施例によって何ら制限さ
れるものではない。
【0038】
【実施例1】N−メタクリロイル−N’−ベンゾイル−
1,3−ジアミノプロパン(2.8mg)とN−アクリ
ロイル−N’−4−ピペリジンカルボキシアミド(6.
1mg)と2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)二塩酸塩(7mg)を水(1ml)に溶解させ、8
0℃でラジカル重合させ、共重合体を得た。この高分子
を水に溶解させ温度変化による濁度変化を観察したとこ
ろ、氷冷中では白濁し、90℃では溶解することから、
UCSTを有する温度応答性高分子であることがわかっ
た。また、この水溶液にグアニジン塩酸を加えること
で、UCSTの性質は観察できなくなった。
【0039】
【実施例2】N−メタクリロイル−N’−ヘキサノイル
−1,3−ジアミノプロパン(4.7mg)とN−アク
リロイル−N’−4−ピペリジンカルボキシアミド(2
0.1mg)と2,2’−アゾビス(2−アミジノプロ
パン)二塩酸塩(4.8mg)を水(2.5ml)に溶
解させ、80℃でラジカル重合させ、共重合体を得た。
この高分子を水に溶解させ温度変化による濁度変化につ
いて観察したところ、氷冷中では溶解し、90℃の水溶
液中では白濁することから、UCSTを有する温度応答
性高分子であることがわかった。
【0040】
【実施例3】4−ピペリジンカルボキシアミド(5.0
mg)とトリエチルアミン(5.3ml)をジメチルホ
ルムアミド(70ml)の反応溶液に、ジメチルホルム
アミド(20ml)に溶解させたアクリル酸クロライド
(3.2ml)の混合溶液を氷冷中で3時間かけて、撹
拌しながら滴下させた。滴下後、室温で1時間、撹拌を
行い、濾過を行い、濾液を得た。この濾液をロータリー
エバポレータにより脱溶媒し、その後に、アセトン溶液
を加えて、シリカゲルカラムによりN−アクリロイル−
4−ピペリジンカルボキシアミドを得た(1.4g)。
【0041】N−アクリロイル−4−ピペリジンカルボ
キシアミド(0.94g)と2,2’−アゾビス(4−
シアノ吉草酸)(50mg)をジメチルホルムアミド
(6ml)に溶解させ、70℃では重合させた後に、ジ
メチルスルホキシド(5ml)を加えて、エタノール:
ジエチルエーテル=1:4の混合溶媒中で再沈澱させ、
これを濾過により回収し、真空乾燥させ、目的とするポ
リ(4−ピペチジンカルボキシアミド)(0.92g)
を得た。
【0042】このポリマーを1wt%となるように、2
00mM硫酸アンモニウム水溶液、300mM硫酸アン
モニウム水溶液,500mM硫酸アンモニウム水溶液に
それぞれ溶かして、温度変化による濁度変化(図1)並
びに昇温および降温での濁度変化の違い(図2)につい
てそれぞれ測定を行ったところ、硫酸アンモニウム水溶
液中でUCSTを示すことが確認された。また、塩濃度
の増加によりUCSTが高温側へ移ることが示された。
このポリマー(0.9g)をヒドロキシスクシンイミド
(0.6g)とジシクロヘキシルカルボジイミド(0.
5g)の存在下、ジメチルスルホキシド(10ml)と
ジメチルホルムアミド(10ml)の混合溶媒中でポリ
マー末端をヒドロキシスクシンイミド化し、アミノプロ
ピルシルカゲル上に固定化した。元素分析の結果から1
3.1wt%の有機物含量の増加が確認された。このシ
リカゲルをステンレスカラム管に充填し、移動相を50
0mM硫酸アンモニウム水溶液として、モデル生体成分
としてインシュリンベータ鎖(2μg)をインジェクシ
ョンしたところ、温度変化により溶出時間が異なること
がわかった。
【0043】
【実施例4】アクリルアミド(22mmol)、3−ア
クリルアミドアセトアニリド(3.9mmol)、3−
メルカプトプロピオン酸(0.3mmol)および2,
2’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(0.2mmo
l)をジメチルホルムアミド(14mL)に溶解し、7
0℃でラジカル重合させた。エーテルで再沈澱すること
で、ポリ(アクリルアミド−co−3−アクリルアミド
アセトアニリド)を得た。
【0044】この共重合体を1wt%となるように、水
および300mM塩化ナトリウム水溶液にそれぞれ溶解
し、分光光度計を用いて、温度による透過率変化を50
0nmで観察した。その結果を図1に示す。水溶液中で
は、UCSTが25℃であったのに対し、300mM塩
化ナトリウム水溶液では,UCSTが20℃と低下し
た。塩濃度が温度応答性を制御できることがわかった
(図3)。
【0045】
【発明の効果】本発明によって、重合体の組成により水
溶液中でUCSTおよびLCSTの2種類の発現を水溶
液中で制御することができ、また、塩濃度もしくは分子
量の違いによってもUCSTもしくはLCSTを発現さ
せることができ、さらにはこれを制御できることがわか
った。また、これとともに、水溶液系中での疎水性およ
び水素結合性が制御できるので、本発明は温度応答性高
分子を含む、物質の分離・吸着・放出などの開発に大き
く貢献するものと考える。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリ(4−ピペリジンカルボキシアミド)が硫
酸アンモニウム溶液中で温度応答性を発現した図であ
る。
【図2】ポリ(4−ピペリジンカルボキシアミド)が硫
酸アンモニウム溶液中で昇温及び降温時に温度応答性を
発現した図である。
【図3】ポリ(アクリルアミド−co−3−アクリルア
ミドアセトアニリド)の温度応答性が塩濃度で制御でき
ることを示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 9/02 C09K 9/02 C G01N 30/48 G01N 30/48 P Z // B01J 20/26 B01J 20/26 B (72)発明者 岡野 光夫 千葉県市川市国府台6−12−12 Fターム(参考) 4F070 AA35 AA36 GA06 4G066 AB07A AB09A AB10A AB11A AB13A AB15A AB21A AC26B AC35B BA28 CA20 DA07 EA01 FA07 FA21 4J011 AA05 AB08 AC04 HA02 HB05 HB17 NB05 PA13 PA52 PB40 PC08 4J100 AM21P AM21Q BA03H BA15Q BA34P BC43P BC66H BC69Q CA04 FA03 FA04 FA19 HA35 HC42 HE14 JA17

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式 【化1】 (式中、Zはメチル基もしくは水素原子を示す。nは2
    以上の整数を示す。X1、X2、X3、X4、X5は同一も
    しくは異なって、水素原子、基Rまたは基−CO−NH
    −Rを示し、X1〜X5のうち最低1つは基−CO−NH
    −Rである(Rは炭素数1〜6の直鎖または分岐の脂肪
    族炭化水素基、一つ以上のアミド結合を含む炭素数1〜
    10の直鎖または分枝の脂肪族炭化水素基、一つ以上の
    水酸基を含む炭素数1〜10の直鎖または分枝の脂肪族
    炭化水素基、一つ以上の水酸基を含む炭素数3〜10の
    脂環式炭化水素基、一つ以上のアミド結合を含む炭素数
    3〜10の脂環式炭化水素基あるいは水素原子を示
    す)。iは0〜6のいずれかの整数を示す。)で表され
    る繰り返し単位を含む高分子化合物。
  2. 【請求項2】高分子鎖末端にカルボキシル基、水酸基、
    アミノ基、ニトリル基、炭素数1〜20の直鎖もしくは
    分枝のアルキル基、シアノ基などの官能基を有する請求
    項1記載の高分子化合物。
  3. 【請求項3】架橋材を用いて合成される、請求項1また
    は2記載の構造を含む高分子ゲル。
  4. 【請求項4】下限臨界温度もしくは上限臨界温度または
    その両方を水溶液系中で示す請求項1、2および3のい
    ずれか1項記載の高分子化合物。
  5. 【請求項5】上限臨界温度もしくは下限臨界温度のよう
    な曇点を堺にして親水性、疎水性の極性あるいは水素結
    合性能が水溶液系中で変化する請求項1、2、3および
    4のいずれか1項記載の高分子化合物。
  6. 【請求項6】上限臨界温度もしくは下限臨界温度のよう
    な曇点が水溶液系中、Rの側鎖の大きさ、塩濃度、pH
    濃度、高分子の濃度、高分子の密度、有機溶媒の濃度、
    および高分子の分子量で制御できる請求項1、2、3お
    よび4のいずれか1項記載の高分子化合物。
  7. 【請求項7】下式 【化2】 (式中、n、mはn+m=1.0となるような任意の数
    値を示す。Zはメチル基もしくは水素原子を示す。nは
    2以上の整数を示す。X1、X2、X3、X4、X5は同一
    もしくは異なって、水素原子、基Rまたは基−CO−N
    H−Rを示し、X 1〜X5のうち最低1つは基−CO−N
    H−Rである(Rは炭素数1〜6の直鎖または分岐の脂
    肪族炭化水素基、一つ以上のアミド結合を含む炭素数1
    〜10の直鎖または分枝の脂肪族炭化水素基、一つ以上
    の水酸基を含む炭素数1〜10の直鎖または分枝の脂肪
    族炭化水素基、一つ以上の水酸基を含む炭素数3〜10
    の脂環式炭化水素基、一つ以上のアミド結合を含む炭素
    数3〜10の脂環式炭化水素基あるいは水素原子を示
    す)。iは0〜6のいずれかの整数を示す。Yは酸素原
    子もしくは窒素原子を示す。R’は炭素数1〜6の直鎖
    または分岐の脂肪族炭化水素基、一つ以上のアミド結合
    を含む炭素数1〜10の直鎖または分枝の脂肪族炭化水
    素基、一つ以上の水酸基を含む炭素数1〜10の直鎖ま
    たは分枝の脂肪族炭化水素基、一つ以上の水酸基を含む
    炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、一つ以上のアミド
    結合を含む炭素数3〜10の脂環式炭化水素基あるいは
    水素原子を示す。)で表される繰り返し単位を含む高分
    子化合物。
  8. 【請求項8】請求項1の繰り返し単位と他種の重合性単
    量体により合成できる請求項7記載の高分子化合物。
  9. 【請求項9】高分子鎖末端にカルボキシル基、水酸基、
    アミノ基、ニトリル基、炭素数1〜20の直鎖もしくは
    分枝のアルキル基、シアノ基などの官能基を有する請求
    項7または8記載の高分子化合物。
  10. 【請求項10】架橋材を用いて合成される、請求項7、
    8および9のいずれか1項記載の構造を含む高分子ゲ
    ル。
  11. 【請求項11】下限臨界温度もしくは上限臨界温度また
    はその両方を水溶液系中で示す請求項7、8、9および
    10のいずれか1項記載の高分子化合物。
  12. 【請求項12】上限臨界温度もしくは下限臨界温度のよ
    うな曇点を堺にして親水性、疎水性の極性あるいは水素
    結合性能が水溶液系中で変化する請求項7、8、9、1
    0および11のいずれか1項記載の高分子化合物。
  13. 【請求項13】上限臨界温度もしくは下限臨界温度のよ
    うな曇点が水溶液系中、Rの側鎖の大きさ、塩濃度、p
    H濃度、高分子の濃度、高分子の密度、有機溶媒の濃
    度、ホモポリマーもしくは他種の重合性単量体との共重
    合体の組成、および高分子の分子量で制御できる請求項
    7、8、9、10および11のいずれか1項記載の高分
    子化合物。
  14. 【請求項14】下式 【化3】 (式中、Zはメチル基もしくは水素原子を示す。nは2
    以上の整数を示す。X1、X2、X3、X4、X5は同一も
    しくは異なって、水素原子、基Rまたは基−CO−NH
    −Rを示し、X1〜X5のうち最低1つは基−CO−NH
    −Rである(Rは炭素数1〜6の直鎖または分岐の脂肪
    族炭化水素基、一つ以上のアミド結合を含む炭素数1〜
    10の直鎖または分枝の脂肪族炭化水素基、一つ以上の
    水酸基を含む炭素数1〜10の直鎖または分枝の脂肪族
    炭化水素基、一つ以上の水酸基を含む炭素数3〜10の
    脂環式炭化水素基、一つ以上のアミド結合を含む炭素数
    3〜10の脂環式炭化水素基あるいは水素原子を示
    す)。A1、A2、A3、A4、A5は同一もしくは異なっ
    て、炭素原子または基−CO−NH−Rもしくは−CO
    −Rを有するXn(nは1〜5のいずれかの整数を示
    す)と結合する窒素原子を示し、A1〜A5のうち最低1
    つは基−CO−NH−Rもしくは−CO−Rを有するX
    n(nは1〜5の整数を示す)と結合する窒素原子であ
    る(Rは前記と同じ意味を表す)。iは0〜6のいずれ
    かの整数を示す。)で表される繰り返し単位を含む高分
    子化合物。
  15. 【請求項15】高分子鎖末端にカルボキシル基、水酸
    基、アミノ基、ニトリル基、炭素数1〜20の直鎖もし
    くは分枝のアルキル基、シアノ基などの官能基を有する
    請求項14記載の高分子化合物。
  16. 【請求項16】架橋材を用いて合成される、請求項14
    または15記載の構造を含む高分子ゲル。
  17. 【請求項17】下限臨界温度もしくは上限臨界温度また
    はその両方を水溶液系中で示す請求項14、15または
    16のいずれか1項記載の高分子化合物。
  18. 【請求項18】上限臨界温度もしくは下限臨界温度のよ
    うな曇点を堺にして親水性、疎水性の極性あるいは水素
    結合性能が水溶液系中で変化する請求項14、15、1
    6または17のいずれか1項記載の高分子化合物。
  19. 【請求項19】上限臨界温度もしくは下限臨界温度のよ
    うな曇点が水溶液系中、Rの側鎖の大きさ、塩濃度、p
    H濃度、高分子の濃度、高分子の密度、有機溶媒の濃
    度、ホモポリマーもしくは他種の重合性単量体との共重
    合体の組成、および高分子の分子量で制御できる請求項
    14、15、16または17のいずれか1項記載の高分
    子化合物。
  20. 【請求項20】下式 【化4】 (式中、n、mはn+m=1.0となるような任意の数
    値を示す。Zはメチル基もしくは水素原子を示す。nは
    2以上の整数を示す。X1、X2、X3、X4、X5は同一
    もしくは異なって、水素原子、基Rまたは基−CO−N
    H−Rを示し、X 1〜X5のうち最低1つは基−CO−N
    H−Rである(Rは炭素数1〜6の直鎖または分岐の脂
    肪族炭化水素基、一つ以上のアミド結合を含む炭素数1
    〜10の直鎖または分枝の脂肪族炭化水素基、一つ以上
    の水酸基を含む炭素数1〜10の直鎖または分枝の脂肪
    族炭化水素基、一つ以上の水酸基を含む炭素数3〜10
    の脂環式炭化水素基、一つ以上のアミド結合を含む炭素
    数3〜10の脂環式炭化水素基あるいは水素原子を示
    す)。A1、A2、A3、A4、A5は同一もしくは異なっ
    て、炭素原子または基−CO−NH−Rあるいは基−C
    O−Rを有するXn(nは1〜5のいずれかの整数を示
    す)と結合する窒素原子を示し、A1〜A5のうち最低1
    つは基−CO−NH−Rあるいは基−CO−Rを有する
    n(nは1〜5のいずれかの整数を示す)と結合する
    窒素原子である(Rは前記と同じ意味を表す)。iは0
    〜6のいずれかの整数を示す。Yは酸素原子もしくは窒
    素原子を示す。R’は炭素数1〜6の直鎖または分岐の
    脂肪族炭化水素基、一つ以上のアミド結合を含む炭素数
    1〜10の直鎖または分枝の脂肪族炭化水素基、一つ以
    上の水酸基を含む炭素数1〜10の直鎖または分枝の脂
    肪族炭化水素基、一つ以上の水酸基を含む炭素数3〜1
    0の脂環式炭化水素基、一つ以上のアミド結合を含む炭
    素数3〜10の脂環式炭化水素基あるいは水素原子を示
    す。)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物。
  21. 【請求項21】請求項1の繰り返し単位と他種の重合性
    単量体により合成できる請求項20記載の高分子化合
    物。
  22. 【請求項22】高分子鎖末端にカルボキシル基、水酸
    基、アミノ基、ニトリル基、炭素数1〜20の直鎖もし
    くは分枝のアルキル基、シアノ基などの官能基を有する
    請求項20または21記載の高分子化合物。
  23. 【請求項23】架橋材を用いて合成される、請求項2
    0、21、または22のいずれか1項記載の構造を含む
    高分子ゲル。
  24. 【請求項24】下限臨界温度もしくは上限臨界温度また
    はその両方を水溶液系中で示す請求項20、21、22
    および23のいずれか1項記載の高分子化合物。
  25. 【請求項25】上限臨界温度もしくは下限臨界温度のよ
    うな曇点を堺にして親水性、疎水性の極性あるいは水素
    結合性能が水溶液系中で変化する請求項22、21、2
    2、23および24のいずれか1項記載の高分子化合
    物。
  26. 【請求項26】上限臨界温度もしくは下限臨界温度のよ
    うな曇点が水溶液系中、Rの側鎖の大きさ、塩濃度、p
    H濃度、高分子の濃度、高分子の密度、有機溶媒の濃
    度、ホモポリマーもしくは他種の重合性単量体との共重
    合体の組成、および高分子の分子量で制御できる請求項
    22、21、22、23および24のいずれか1項記載
    の高分子化合物。
  27. 【請求項27】溶液中の塩濃度を変化させることで、温
    度応答性を制御することを特徴とする下式 【化5】 (式中、nは0.005≦n≦0.995の範囲に含ま
    れる任意の数値を示す。R1およびR2は、同一または異
    なって、水素原子またはメチル基を示す。X1およびX2
    は、同一または異なって、2級または3級のアミド基、
    エステル基を示す。Z1、Z2またはZ3は、同一または
    異なって、水素原子、炭素数1〜8の直鎖または分岐の
    炭化水素基、1個または2個以上の水酸基を有する炭素
    数1〜8の直鎖または分岐の炭化水素基、1個または2
    個以上のエーテル基を有する炭素数1〜8の直鎖または
    分岐の炭化水素基、炭素数3〜12の配糖体または炭素
    数1〜8の直鎖または分岐の炭化水素基を有する炭素数
    3〜12の配糖体を示す。Z1またはZ3は、X1または
    2が3級アミドのときに有する官能基である。Z4は水
    素原子、水酸基、アミド基、1個または2個以上のアミ
    ド基を有する炭素数1〜8の直鎖または分岐の炭化水素
    基、1個または2個以上のカルボニル基を有する炭素数
    1〜8の直鎖または分岐の炭化水素基、1個または2個
    以上の水酸基を有する炭素数1〜8の直鎖または分岐の
    炭化水素基を示し、オルト、メタ、パラ位のいずれでも
    よい。)で表される繰り返し単位を含む重合体および該
    重合体を含む架橋物よりなる群から選択される温度応答
    性高分子化合物。
  28. 【請求項28】生体分子、生体試料、物質を温度変化に
    より吸着、放出もしくは分離することのできる、請求項
    1〜27のいずれか1項記載の高分子材料を用いること
    を特徴とする、物質の吸着、分離、回収、放出材料。
  29. 【請求項29】請求項28に記載された高分子材料をク
    ロマトグラフィー用充填材に固定化し、固定相に物質を
    保持させた後、外部温度を段階的に変化させる温度グラ
    ディジエント法により固定相表面の疎水性、親水性もし
    くは水素結合性の大きさのバランスを変化させ、同一の
    移動相を通過させることによって物質を分離することを
    特徴とする物質の分離方法。
  30. 【請求項30】アクリル酸クロライド、メタクリル酸ク
    ロライド、アクリル酸無水物あるいはメタクリル酸無水
    物とアミド基を有するような環状の2級アミン化合物と
    を反応させることにより合成する請求項1に記載の単量
    体の製造方法。
  31. 【請求項31】アクリル酸クロライド、メタクリル酸ク
    ロライド、アクリル酸無水物あるいはメタクリル酸無水
    物と一カ所以上のアシル結合を有する2級アミンのよう
    な化合物とを反応させることにより合成する請求項14
    に記載の単量体の製造方法。
  32. 【請求項32】請求項1に記載された単量体を重合溶媒
    中に場合によっては重合開始剤と共に加え、光もしくは
    重合開始剤からラジカルが発生する温度により重合させ
    て得られる請求項1記載の高分子化合物の製造方法。
  33. 【請求項33】請求項7に記載された単量体を重合溶媒
    中に場合によっては重合開始剤と共に加え、光もしくは
    重合開始剤からラジカルが発生する温度により重合させ
    て得られる請求項7記載の高分子化合物の製造方法。
  34. 【請求項34】請求項14に記載された単量体を重合溶
    媒中に場合によっては重合開始剤と共に加え、光もしく
    は重合開始剤からラジカルが発生する温度により重合さ
    せて得られる請求項14記載の高分子化合物の製造方
    法。
  35. 【請求項35】請求項20に記載された単量体を重合溶
    媒中に場合によっては重合開始剤と共に加え、光もしく
    は重合開始剤からラジカルが発生する温度により重合さ
    せて得られる請求項20記載の高分子化合物の製造方
    法。
  36. 【請求項36】請求項27に記載された単量体を重合溶
    媒中に場合によっては重合開始剤と共に加え、光もしく
    は重合開始剤からラジカルが発生する温度により重合さ
    せて得られる請求項14記載の高分子化合物の製造方
    法。
  37. 【請求項37】請求項27に記載された単量体を重合溶
    媒中に場合によっては重合開始剤と共に加え、光もしく
    は重合開始剤からラジカルが発生する温度により重合さ
    せて得られる請求項20記載の高分子化合物の製造方
    法。
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