JP2000342976A - 軽油の水素化処理触媒及び軽油の水素化処理方法 - Google Patents
軽油の水素化処理触媒及び軽油の水素化処理方法Info
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Abstract
用いた軽油の水素化処理方法を提供する。 【解決手段】 80質量%より多く99.5質量%以下
のアルミナと、0.5質量%以上20質量%未満のゼオ
ライト、ボリア、シリカ、及びジルコニアから選ばれる
一種以上とを有する複合酸化物担体に、含浸法により、
触媒基準、酸化物換算で、3〜6質量%のCo、16〜
24質量%のMo、0.8〜4.5質量%のPを含ま
せ、〔CoO〕/〔CoO+MoO3〕が0.12〜
0.2(質量比)、〔P2O5〕/〔MoO3〕が0.
05〜0.25(質量比)、比表面積(窒素吸着法)2
20〜300m2/g、細孔容積(水銀圧入法)0.4
〜0.6ml/g、平均細孔直径(水銀圧入法による細
孔分布での)80〜95Å、平均細孔直径±15Åの範
囲の細孔容積が全細孔容積の少なくとも75%、硫化処
理後の触媒中のモリブデン金属への硫黄の配位数(XA
FS測定)5〜6である。上記触媒の存在下、水素分圧
3〜8MPa、300〜420℃、液空間速度0.3〜
5hr−1で、硫黄分を含む軽油留分の接触反応を行
う。
Description
触媒と、この触媒を用いた軽油の水素化処理方法とに関
し、詳しくは、軽油を水素化処理する際に、軽油中の硫
黄分を従来のこの種の触媒を使用する場合よりも大幅に
低減することができる優れた活性を有する触媒と、この
触媒を用いる方法とに関する。
分は、一般に、硫黄化合物を含み、これらの油を燃料と
して使用する場合には、この硫黄化合物に起因する硫黄
酸化物等の大気汚染物質が大気中に放出される。特に、
ディ−ゼル機関からの排ガスによる大気汚染が深刻化し
ており、その燃料面からの対策として、軽油中の硫黄分
の低減が強く要望されている。実際に、ディ−ゼル車排
ガス中のNOxと粒子状物質の排出規制に対応して、日
本では、1997年10月から軽油中の硫黄分の規制値
が500ppm以下に改定され、ヨーロッパでは、軽油
中の硫黄分を2000年までに350ppm以下、20
05年までに50ppm以下とすることが決定してい
る。
幅に除去する超深度脱硫技術の開発が重要視されつつあ
る。軽油中の硫黄分の低減化技術として、通常、水素化
脱硫の運転条件、例えば、反応温度、液空間速度等を過
酷にすることが行われている。しかし、反応温度を上げ
ると、触媒上に炭素質が析出して触媒の活性が急速に低
下し、また液空間速度を下げると、脱硫能は向上するも
のの、精製処理能力が低下するため設備の規模を拡張す
る必要が生じる。しかも、このような過酷な運転条件
は、色相や貯蔵安定性等の性状面への悪影響もある。従
って、運転条件を過酷にしないで、軽油の超深度脱硫を
達成し得る最も良い方法は、格段に優れた脱硫活性を有
する触媒を開発することである。
0.05質量%)程度であれば、現在の脱硫技術で、容
易に達成することができるが、超深度脱硫領域(生成油
硫黄分0.04質量%以下)は、急激に困難になる。こ
れは、4−メチルジベンゾチオフェン(4−MDBT)
や4,6−ジメチルジベンゾチオフェン(4,6−DM
DBT)のような、アルキル置換基の位置が硫黄原子の
近傍にあるため触媒の脱硫活性点と接触する際に立体障
害を起こす硫黄化合物が、脱硫を極めて困難にしている
からである。
を行わせるには、これら脱硫活性点への立体障害を有す
る物質の脱硫反応を効率的に進行させるように、 1)触媒の活性点数を増やすこと、 2)活性金属量当たりの脱硫活性を上げること、 3)難脱硫性物質を易脱硫性物質に変化させること、 4)難脱硫性物質の細孔内拡散を容易にすること、が可
能な精密化学的触媒調製の技術が必要となる。
は、基本的には、CoO−MoO3/Al2O3触媒
と、NiO−MoO3/Al2O3触媒である。軽油の
水素化処理条件下では、CoO−MoO3/Al2O3
触媒が、NiO−MoO3/Al2O3触媒よりも高い
脱硫活性を示すため、軽油用の脱硫触媒として多く使用
されている。
す高脱硫活性のCoO−MoO3/Al2O3触媒を提
供し、かつこの触媒を使用した軽油の水素化処理方法を
提供することを目的とする。
に、CoO−MoO3/Al2O3触媒において、 α)難脱硫性物質の細孔内拡散を容易にするために、A
l2O3担体に、特定の成分を特定の量で複合化させ
て、細孔直径を精密に制御し、 β)難脱硫性物質を易脱硫性物質に変化させるために、
上記特定の成分を、難脱硫性物質のアルキル基の異性化
やベンゼン環の水素化を生起させるブレンステッド酸点
やルイス酸点を付与する成分、具体的には、ゼオライ
ト、シリカ、ボリア、ジルコニアのうちの少なくとも1
つとし、 γ)触媒の活性点数を増やすために、CoO−MoO3
の含有比率を最適化し、 δ)活性金属量当たりの脱硫活性を向上させるために、
活性点の質的向上を図る成分として、最適量のP2O5
を加えたところ、高活性なCo−Mo−S相(脱硫活性
点)を精密に創製することができ、これらの結果とし
て、脱硫反応が効率的に進行し、反応条件を過酷にせず
に、超深度脱硫領域を容易に達成することができる高性
能脱硫触媒を得ることができるとの知見を得た。
で、アルミナに、ゼオライト、ボリア、シリカ、及びジ
ルコニアから選ばれる一種以上を複合化させた複合酸化
物担体に、活性金属としてのコバルト及びモリブデン、
活性点の質的向上を図るための成分としてのリンを含む
水溶液を含浸して得られる触媒であって、複合酸化物担
体において、アルミナが80質量%より多く99.5質
量%以下で、ゼオライト、ボリア、シリカ、及びジルコ
ニアから選ばれる一種以上が0.5質量%以上20質量
%未満であり、この担体に含有させる各成分が、触媒基
準、酸化物換算で、コバルト3〜6質量%、モリブデン
16〜24質量%、リン0.8〜4.5質量%であり、
触媒の活性点数を増やすために、コバルトとモリブデン
の質量比が、〔酸化コバルト〕/〔酸化コバルト+三酸
化モリブデン〕の値で、0.12〜0.2であり、活性
金属量当たりの脱硫活性を向上させる(活性点の質的向
上を図る)ために、モリブデンとリンの質量比が、〔五
酸化二リン〕/〔三酸化モリブデン〕の値で、0.05
〜0.25であり、窒素吸着法で測定した比表面積が2
20〜300m2/g、水銀圧入法で測定した細孔容積
が0.4〜0.6ml/g、水銀圧入法で測定した細孔
分布での平均細孔直径80〜95Å、平均細孔直径±1
5Åの範囲の細孔容積が全細孔容積の少なくとも75
%、硫化処理後の触媒中のモリブデン金属への硫黄の配
位数が、XAFS測定で、5〜6であることを特徴とす
る。このとき、アンモニア−TPDで測定した複合酸化
物担体の酸量が0.5〜0.8mmol/gであるこ
と、またアルミナ担体に複合化させる成分のうちゼオラ
イトは、平均粒子径が2.5〜6μm、粒子径6μ
m以下のものがゼオライト全粒子の70〜98%の特性
を有することが好ましい。
触媒の存在下、水素分圧3〜8MPa、300〜420
℃、液空間速度0.3〜5hr−1で、硫黄分を含む軽
油留分の接触反応を行うことを特徴とする。
触分解軽油、熱分解軽油、水素化処理軽油、脱硫処理軽
油、減圧蒸留軽油(VGO)等の軽油留分が適してい
る。これら原料油の代表的な性状例として、沸点範囲が
150〜450℃、硫黄分が5質量%以下のものが挙げ
られる。
−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、δ−アルミ
ナ等の種々のアルミナを使用することができるが、多孔
質で高比表面積であるアルミナが好ましく、中でもγ−
アルミナが適している。アルミナの純度は、約98質量
%以上、好ましくは約99質量%以上のものが適してい
る。アルミナ中の不純物としては、SO4 2−、C
l−、Fe2O3、Na2O等が挙げられるが、これら
の不純物はできるだけ少ないことが望ましく、不純物全
量で2質量%以下、好ましくは1質量%以下で、成分毎
ではSO4 2−<1.5質量%、Cl−,Fe2O3,
Na2O<0.1質量%であることが好ましい。
ト、ボリア、シリカ、及びジルコニアから選ばれる一種
以上である。このうちゼオライトは、電子顕微鏡写真で
の測定による平均粒子径が約2.5〜6μm、好ましく
は約3〜5μm、より好ましくは約3〜4μmのもので
ある。また、このゼオライトは、粒子径6μm以下のも
のがゼオライト全粒子に対して占める割合が、約70〜
98%、好ましくは約75〜98%、より好ましくは約
80〜98%のものである。ゼオライトのこのような特
性は、上記α)の難脱硫性物質の細孔内拡散を容易にす
るために細孔直径を精密に制御する上で必須であり、例
えば、平均粒子径が大きすぎたり、大きな粒子径の含有
量が多かったりすると、複合酸化物担体を調製する過程
で、アルミナとゼオライトの吸着水量や結晶性の違いか
ら、加熱焼成時のアルミナとゼオライトの収縮率が異な
り、複合酸化物担体の細孔として比較的大きなメゾある
いはマクロポアーが生じる。また、これらの大きな細孔
は、表面積を低下させるばかりでなく、残油を処理する
ような場合には触媒毒となるメタル成分の内部拡散を容
易ならしめ、延いては脱硫、脱窒素及び分解活性を低下
させることとなる。
ジャサイトX型ゼオライト、フォージャサイトY型ゼオ
ライト、βゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、Z
SM系ゼオライト(ZSM−4、5、8、11、12、
20、21、23、34、35、38、46等があ
る)、MCM−41、MCM−22、MCM−48、S
SZ−33、UTD−1、CIT−5、VPI−5、T
S−1、TS−2等が使用でき、特にY型ゼオライト、
安定化Yゼオライト、βゼオライトが好ましい。また、
ゼオライトは、プロトン型が好ましい。上記のボリア、
シリカ、ジルコニアは、一般に、この種触媒の担体成分
として使用されるものを使用することができる。
ジルコニアは、それぞれ単独で、あるいは二種以上を組
合せて使用することができる。これらの成分の配合量
は、複合酸化物担体中、アルミナが約80質量%より多
く99.5質量%以下に対し、約0.5質量%以上20
質量%未満であり、好ましくはアルミナが約85〜9
9.5質量%に対し、約0.5〜10質量%であり、よ
り好ましくはアルミナが約90〜99.5質量%に対
し、約0.5〜10質量%である。これらの成分は、少
なすぎても多すぎても上記α)の細孔直径の制御は不十
分となり、また少なすぎるとβ)のブレンステッド酸点
やルイス酸点の付与が不十分となり、多すぎるとMoが
高分散化できなくなる。
び平均細孔直径は、特に制限されないが、軽油に対する
水素化脱硫活性の高い触媒にするためには、比表面積が
約240〜500m2/g、好ましくは約300〜45
0m2/g、細孔容積が約0.55〜0.9ml/g、
好ましくは約0.65〜0.8ml/g、平均細孔径が
約60〜120Å、好ましくは約65〜90Åのものが
適している。
性金属の分散性が悪くなるため、低脱硫活性の触媒とな
る。比表面積が約400m2/gより大きいと、細孔直
径が極端に小さくなるため、触媒の細孔直径も小さくな
る。触媒の細孔直径が小さいと、硫黄化合物の触媒細孔
内への拡散が不十分となり、脱硫活性が低下する。
通常の含浸法で触媒を調製する場合、細孔容積内に入り
込む溶媒が少量となる。溶媒が少量であると、活性金属
化合物の溶解性が悪くなり、金属の分散性が低下し、低
活性の触媒となる。活性金属化合物の溶解性を上げるた
めには、硝酸等の酸を多量に加える方法があるが、余り
加えすぎると担体の低表面積化が起こり、脱硫性能低下
の主原因となる。細孔容積が約0.9ml/gより大き
いと、比表面積が極端に小さくなって、活性金属の分散
性が悪くなり、脱硫活性の低い触媒となる。
担持した触媒の細孔直径も小さくなる。触媒の細孔直径
が小さいと、硫黄化合物の触媒細孔内への拡散が不十分
となり、脱硫活性が低下する。細孔直径が約120Åよ
り大きいと、比表面積が小さくなる。比表面積が小さい
と、活性金属の分散性が悪くなり、脱硫活性の低い触媒
となる。
測定される酸量は、約0.5〜0.8mmol/gが好
ましい。約0.5mmol/g未満では、水酸基量が少
なくなりすぎて、Moが高分散化できず、脱硫活性の低
い触媒となることがあり、約0.8mmol/gより大
きいと、酸点上で軽油留分が急激に過分解し、活性劣化
の主原因となる炭素析出を招くことになる。
Mo、リン成分のうち、Co化合物としては、炭酸塩、
酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物が挙げられ、好ましく
は炭酸塩、酢酸塩、より好ましくは炭酸塩である。Mo
化合物としては、三酸化モリブデン、モリブドリン酸、
モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸等が挙げら
れ、好ましくはモリブドリン酸、三酸化モリブデンであ
る。リンは、上記の活性成分の化合物として、モリブド
リン酸等のリンを含む化合物を使用する場合には、これ
らの化合物に由来するものであってもよいし、リン化合
物以外の化合物を使用する場合や、リン化合物に由来す
るリンのみでは不足する場合には、この化合物と共に他
のリン源を使用する。他のリン源としては、種々のリン
酸が挙げられ、具体的には、オルトリン酸、メタリン
酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸、ポリリン酸等が
挙げられ、特にオルトリン酸が好ましい。
は、触媒基準、酸化物換算で、約3〜6質量%、好まし
くは約3.5〜6質量%とする。Coが約3質量%未満
では、Coに帰属する活性点が十分に得られず、約6質
量%を超えると、Co化合物の凝集によって活性金属の
分散性が悪くなるばかりか、不活性な前駆体であるCo
3O4種(触媒硫化後や水素化処理中はCo9S 8種と
して存在する)や、担体の格子内に取り込まれたCoス
ピネル種を生成するため、触媒活性の向上がみられない
上、逆に触媒活性が低下する。
で、約16〜24質量%、好ましくは約18〜22質量
%とする。Moが約16質量%未満では、Moに起因す
る効果を発現させるには不十分であり、約24質量%を
超えると、Moの凝集によって活性金属の分散性が悪く
なるばかりか、効率的に分散する活性金属含有量の限度
を超えたり、触媒表面積が大幅に低下する等により、触
媒活性の向上がみられない。
で、約0.8〜4.5質量%、好ましくは約1.0〜4
質量%とする。リンは、上記δ)の活性金属量当たりの
脱硫活性を向上させるために活性点の質的向上を図る成
分として加えられものであり、高活性なCo−Mo−S
相(脱硫活性点)を精密に創製する役割をなす。すなわ
ち、リンは、触媒の酸性質を向上させる作用をなし、触
媒が好適な酸性質の値を示す場合には、活性成分の分散
性が向上し、担体上の酸点の量が最適値を示して、硫黄
化合物の吸着を促進し、硫黄化合物の水素化脱硫活性を
向上させる。なお、リンが多すぎると、触媒の表面積や
細孔容積の減少が起こり、脱硫活性が低下する。リンが
約0.8質量%未満では、上記作用(役割)が十分に発
現せず、軽油留分中の硫黄分を効率的に除去することが
できず、約4.5質量%を超えても、この作用(役割)
は飽和し、不経済となる。
において、活性金属であるCoとMoの最適質量比は、
〔CoO〕/〔CoO+MoO3〕の値で、約0.12
〜0.2であり、活性金属であるMoと触媒の酸性質向
上成分であるリンの最適質量比は、〔P2O5〕/〔M
oO3〕の値で、約0.05〜0.25である。Coと
Moの質量比が上記の値で約0.12未満では、脱硫の
活性点と考えられるCo−Mo−S相が十分に生成でき
ず、脱硫活性が向上しない。約0.2より大きいと、活
性に関与しない無駄なCo種(Co9S8種や、担体の
格子内に取り込まれたCoスピネル種)が生成し、触媒
活性が低下する。Moとリンの質量比が上記の値で約
0.05未満では、CoとMoの渾然一体化が図れず、
最終的に脱硫の活性点であるCo−Mo−S相が得られ
難く、活性の低い触媒となる。約0.25より大きい
と、触媒の表面積及び細孔容積の減少を招き、触媒の活
性が低下するのみならず、酸量が増えることとなり、炭
素析出を招いて活性劣化を引き起こし易くなる。
て、Mo金属への硫黄の配位数が、XAFS(X−ra
y Absorption Fine Structu
re《X線吸収微細構造》)測定で、約5〜6である。
硫黄の配位数が約5未満(即ち、Moの硫化度が低い触
媒)では、十分な脱硫活性が得られない。なお、Moへ
の硫黄の配位数の理論的上限は約6である。
Oを吸着させ、拡散反射法FT−IRで観察した際に、
Coに吸着したNOスペクトル(約1860cm−1)
の強度をICo、Moに吸着したNOスペクトル(約1
690cm−1)の強度をIMoとした場合、ICo/
(ICo+IMo)の値が、約0.3〜0.55の範囲
内にあることが好ましい。約0.3未満では、脱硫の活
性点であると考えられるCo−Mo−S相が十分に生成
しておらず、脱硫活性が向上しない。約0.55より大
きいと、活性に関与しない無駄なCo種(Co9S8種
や、担体の格子内に取り込まれたCoスピネル種)が生
成し、触媒活性が低下する。
ライト、ボリア、シリカ、及びジルコニアから選ばれる
一種以上を複合化させ、この複合酸化物担体に、水、酸
等の溶媒に上記各成分の化合物を溶解させて調製した溶
液を含浸させて調製することができる。アルミナと、ゼ
オライト、ボリア、シリカ、及びジルコニアから選ばれ
る一種以上とを複合化させる方法は、共沈法、混練法等
が挙げられる。
の各成分を含浸させる方法は、これら各成分を同時に含
浸させる一段含浸法が好ましい。一段含浸法は、脱硫活
性点数、酸性質、細孔等の触媒の特性の面、あるいは操
作性の面から、有利と考えられるからである。即ち、一
段含浸法によれば、CoとMoが渾然一体化して担体に
取り込まれることとなるため、最終的に脱硫の活性点で
あるCo−Mo−S相を大幅に増加させることができ
る。このとき、リン成分が含浸溶液に存在していると、
CoとMoの渾然一体化が促進される。これに対し、C
oとMoを二段含浸させる方法では、CoとMoは十分
に渾然一体化せず、最終的に脱硫の活性点であるCo−
Mo−S相の形成が困難になると考えられる。例えば、
Coは、前述した不活性な前駆体であるCo3O4種
や、担体の格子内に取り込まれた活性に関与しないCo
スピネル種となることがある。
は、次の通りである。Co、Mo、リンの各化合物(M
o化合物にリンが含まれている場合はリン化合物を加え
ないか、適当量のリン化合物を添加する)を含む溶液を
調製する。調製時、これらの化合物の溶解を促進するた
めに、加温(約30〜100℃)や、酸(硝酸、有機酸
《クエン酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸等》)の添加を行
ってもよい。調製した溶液を、担体に、均一になるよう
徐々に添加して含浸する。含浸時間は約1分〜5時間、
好ましくは約5分〜3時間、温度は約5〜100℃、好
ましくは約10〜80℃、雰囲気は特に限定しないが、
大気中、窒素中、真空中が適している。
中、空気気流中、あるいは真空中で、水分をある程度
(LOI《Loss on ignition》約50
%以下となるように)除去し、乾燥炉、空気気流中、約
80〜150℃で、約10分〜10時間乾燥する。次い
で、焼成炉、空気気流中、約300〜700℃で、約1
0分〜10時間焼成を行う。
は、軽油留分に対する水素化活性及び脱硫活性を高める
ために、その比表面積、細孔容積及び平均細孔径が、以
下の値に制限される。窒素吸着法(BET法)で測定し
た比表面積は、約220〜300m2/g、好ましくは
約230〜270m2/gとする。約220m2/g未
満では、活性金属の分散性が悪くなって低脱硫活性の触
媒となり、約300m2/gより大きいと、細孔直径が
極端に小さくなるため、触媒の細孔直径も小さくなっ
て、水素化処理の際、硫黄化合物の触媒細孔内への拡散
が不十分となり、脱硫活性が低下する。
4〜0.6ml/g、好ましくは約0.45〜0.55
ml/gとする。約0.4ml/g未満では、水素化処
理の際、硫黄化合物の触媒細孔内での拡散が不十分とな
って脱硫活性が不十分となり、約0.6ml/gより大
きいと、触媒の比表面積が極端に小さくなって、活性金
属の分散性が低下し、低脱硫活性の触媒となる。
孔直径は、約80〜95Å、好ましくは約82〜90Å
とする。約80Å未満では、反応物質が細孔内に拡散し
難くなるため、脱硫反応が効率的に進行せず、約95Å
より大きいと、細孔内の拡散性は良いものの、細孔内表
面積が減少するため、触媒の有効比表面積が減少し、活
性が低くなる。また、上記の細孔条件を満たす細孔の有
効数を多くするために、触媒の細孔径分布、即ち平均細
孔径±約15Åの細孔径を有する細孔の割合は、約75
%以上、好ましくは約80%以上とする。しかも、細孔
分布は、モノモーダルであることが好ましい。触媒の細
孔径分布がシャープなものでないと、活性に関与しない
細孔が増大し、脱硫活性が減少する。
種の触媒に用いられている種々の形状、例えば、円柱
状、三葉型、四葉型等を採用することができる。触媒の
大きさは、通常、直径が約1〜2mm、長さ約2〜5m
mが好ましい。触媒の機械的強度は、側面破壊強度(S
CS《Side crush strength》)で
約2lbs/mm以上が好ましい。SCSが、これより
小さいと、反応装置に充填した触媒が破壊され、反応装
置内で差圧が発生し、水素化処理運転の続行が不可能と
なる。触媒の最密充填かさ密度(CBD:Compac
ted Bulk Density)は、約0.6〜
1.2が好ましい。
活性金属が均一に分布しているユニフォーム型が好まし
い。
〜8MPa、約300〜420℃、及び液空間速度約
0.3〜5hr−1の条件で、以上の触媒と硫黄化合物
を含む軽油留分とを接触させて脱硫を行い、軽油留分中
の難脱硫性硫黄化合物を含む硫黄化合物を減少する方法
である。本発明の方法で得られる生成油の硫黄分含有量
は、500ppm以下、より具体的には20〜300p
pm程度であり、従来技術によるよりも硫黄分を少なく
することができる。
には、本発明の触媒の固定床、移動床、あるいは流動床
式の触媒層を反応装置内に形成し、この反応装置内に原
料油を導入し、上記の条件下で水素化反応を行えばよ
い。最も一般的には、固定床式触媒層を反応装置内に形
成し、原料油を反応装置の上部に導入し、固定床を上か
ら下に通過させ、反応装置の下部から生成物を流出させ
るものか、反対に原料油を反応装置の下部に導入し、固
定床を下から上に通過させ、反応装置の上部から生成物
を流出させるものである。
を、単独の反応装置に充填して行う一段の水素化処理方
法であってもよいし、幾つかの反応装置に充填して行う
多段連続水素化処理方法であってもよい。
本発明の水素化処理方法を行うのに先立って)、反応装
置中で硫化処理して活性化する。この硫化処理は、約2
00〜400℃、好ましくは約250〜350℃、常圧
あるいはそれ以上の水素分圧の水素雰囲気下で、硫黄化
合物を含む石油蒸留物、それにジメチルジスルファイド
や二硫化炭素等の硫化剤を加えたもの、あるいは硫化水
素を用いて行う。
(平均粒子径3.5μm、粒子径6μm以下のものがゼ
オライト全粒子の87%)と、アルミナ水和物を混練
し、押出成形後、600℃で2時間焼成して直径1/1
6インチの柱状成形物のゼオライト−アルミナ複合担体
(ゼオライト/アルミナ質量比=2/98、酸量0.5
6mmol/g、細孔容積0.71ml/g、比表面積
365m2/g、平均細孔直径69Å)を得た。
バルト5.51gと、モリブドリン酸19.02gと、
オルトリン酸1.95gを溶解させた含浸用の溶液を調
製した。
アルミナ複合担体50.0gを投入し、そこへ上記の含
浸用溶液の全量をピペットで添加し、約25℃で1時間
浸漬した。この後、窒素気流中で風乾し、マッフル炉中
120℃で約1時間乾燥させ、500℃で4時間焼成
し、触媒Aを得た。
1と同様にして、実施例1と同一形状のゼオライト−ア
ルミナ複合担体(ゼオライト/アルミナ質量比=5/9
5、酸量0.60mmol/g、細孔容積0.69ml
/g、比表面積374m2/g、平均細孔直径67Å)
を得た。このゼオライト−アルミナ複合担体50.0g
をナス型フラスコ中に投入し、そこへ実施例1と同じ含
浸用溶液の全量を実施例1と同様にして添加浸漬後、実
施例1と同様にして風乾、乾燥、焼成を行い、触媒Bを
得た。
0℃で2時間焼成して直径1/16インチの柱状成形物
のシリカ−アルミナ複合担体(シリカ/アルミナ質量比
=1/99、酸量0.60mmol/g、細孔容積0.
70ml/g、比表面積359m2/g、平均細孔直径
70Å)を得た。このシリカ−アルミナ複合担体50.
0gをナス型フラスコ中に投入し、そこへ実施例1と同
じ含浸用溶液の全量を実施例1と同様にして添加浸漬
後、実施例1と同様にして風乾、乾燥、焼成を行い、触
媒Cを得た。
後、600℃で2時間焼成して直径1/16インチの柱
状成形物のボリア−アルミナ複合担体(ボリア/アルミ
ナ質量比=2/98、酸量0.66mmol/g、細孔
容積0.71ml/g、比表面積363m2/g、平均
細孔直径72Å)を得た。このボリア−アルミナ複合担
体50.0gをナス型フラスコ中に投入し、そこへ実施
例1と同じ含浸用溶液の全量を実施例1と同様にして添
加浸漬後、実施例1と同様にして風乾、乾燥、焼成を行
い、触媒Dを得た。
600℃で2時間焼成して直径1/16インチの柱状成
形物のジルコニア−アルミナ複合担体(ジルコニア/ア
ルミナ質量比=2/98、酸量0.54mmol/g、
細孔容積0.69ml/g、比表面積348m2/g、
平均細孔直径70Å)を得た。このジルコニア−アルミ
ナ複合担体50.0gをナス型フラスコ中に投入し、そ
こへ実施例1と同じ含浸用溶液の全量を実施例1と同様
にして添加浸漬後、実施例1と同様にして風乾、乾燥、
焼成を行い、触媒Eを得た。
実施例1と同様にして、実施例1と同一形状のゼオライ
ト−アルミナ複合担体(ゼオライト/アルミナ質量比=
18/82、酸量0.79mmol/g、細孔容積0.
60ml/g、比表面積422m2/g、平均細孔直径
67Å)を得た。このゼオライト−アルミナ複合担体5
0.0gをナス型フラスコ中に投入し、そこへ実施例1
と同じ含浸用溶液の全量を実施例1と同様にして添加浸
浸後、実施例1と同様にして風乾、乾燥、焼成を行い、
触媒Fを得た。
均粒子径3.4μm、粒子径6μm以下のものがZSM
−5全粒子の91%)とアルミナ水和物を使用し、実施
例1と同様にして、実施例1と同一形状のZSM−5−
アルミナ複合担体(ZSM−5/アルミナ質量比=7/
93、酸量0.61mmol/g、細孔容積0.60m
l/g、比表面積422m2/g、平均細孔直径67
Å)を得た。このゼオライト−アルミナ複合担体50.
0gをナス型フラスコ中に投入し、そこへ実施例1と同
じ含浸用溶液の全量を実施例1と同様にして添加浸浸
後、実施例1と同様にして風乾、乾燥、焼成を行い、触
媒Gを得た。
粉末(平均粒子径3.7μm、粒子径6μm以下のもの
がゼオライトベータ全粒子の83%)とアルミナ水和物
を使用し、実施例1と同様にして、実施例1と同一形状
のゼオライトベータ−アルミナ複合担体(ゼオライトベ
ータ/アルミナ質量比=7/93、酸量0.79mmo
l/g、細孔容積0.61ml/g、比表面積422m
2/g、平均細孔直径67Å)を得た。このゼオライト
ベータ−アルミナ複合担体50.0gをナス型フラスコ
中に投入し、そこへ実施例1と同じ含浸用溶液の全量を
実施例1と同様にして添加浸浸後、実施例1と同様にし
て風乾、乾燥、焼成を行い、触媒Hを得た。
面積348m2/g、平均細孔直径70Å、酸量0.4
9mmol/g、直径1/16インチの柱状成形物のア
ルミナ担体50.0gを投入し、そこへ実施例1と同じ
含浸用溶液の全量を実施例1と同様にして添加浸漬後、
実施例1と同様にして風乾、乾燥、焼成を行い、触媒a
を得た。
は、実施例1と同様にして、実施例1と同一形状のゼオ
ライト−アルミナ複合担体(細孔容積0.60ml/
g、比表面積422m2/g、平均細孔直径67Å、酸
量0.83mmol/g)を得た。このゼオライト−ア
ルミナ複合担体50.0gをナス型フラスコ中に投入
し、そこへ実施例1と同じ含浸用溶液の全量を実施例1
と同様にして添加浸漬後、実施例1と同様にして風乾、
乾燥、焼成を行い、触媒bを得た。
分析値を表1に示し、物性値を表2に示す。なお、触媒
の分析に用いた方法及び分析機器を以下に示す。
た。窒素吸着装置は、日本ベル(株)製の表面積測定装
置(ベルソープ28)を使用した。 ・細孔容積、平均細孔直径、及び細孔分布は、水銀圧入
法により測定した。水銀圧入装置は、ポロシメーター
(MICROMERITICS AUTO−PORE
9200:島津製作所製)を使用した。
筒細孔の場合には、この法則は次式で表される。 D=−(1/P)4γcosθ 式中、Dは細孔直径、Pは掛けた圧力、γは表面張力、
θは接触角である。掛けた圧力Pの関数としての細孔へ
の進入水銀体積を測定する。なお、触媒の細孔水銀の表
面張力は484dyne/cmとし、接触角は130度
とした。 ・細孔容積は、細孔へ進入した触媒グラム当たりの全水
銀体積量である。平均細孔直径は、Pの関数として算出
されたDの平均値である。 ・細孔分布は、Pを関数として算出されたDの分布であ
る。
度5×10−2Torr以下になることを確認する。 サンプルビュレットを空のまま真空加熱脱気装置に掛
ける。 真空度が5×10−2Torr以下となったなら、サ
ンプルビュレットを、そのコックを閉じて真空加熱脱気
装置から取外し、冷却後、重量を測定する。 サンプルビュレットに試料(触媒)を入れる。 試料入りサンプルビュレットを真空加熱脱気装置に掛
け、真空度が5×10 −2Torr以下になってから1
時間以上保持する。 試料入りサンプルビュレットを真空加熱脱気装置から
取外し、冷却後、重量を測定し、試料重量を求める。 AUTO−PORE 9200用セルに試料を入れ
る。 AUTO−PORE 9200により測定する。
CPS−2000:島津製作所製)を用いて行った。 ・金属の定量は、絶対検量線法にて行った。
l、フッ酸一滴、及び純水1ccを投入し、加熱して溶
解する。 溶解後、ポリプロピレン製メスフラスコ(50ml)
に移し換え、純水を加えて、50mlに秤量する。 この溶液をICPS−2000により測定する。
測定 硫化処理後の触媒中のモリブデン金属への硫黄の配位数
をXAFS測定により調べた。 a)触媒の前処理と測定用ディスクの作成:触媒の前処
理は、触媒を流通式反応管に詰め、室温で窒素気流中5
分処理し、雰囲気ガスをH2S(5%)/H2に切り換
え、速度5℃/minで昇温し、400℃に達した後、
4時間保持した。その後、同雰囲気下で200℃まで降
温し、雰囲気ガスを窒素に切り換え、常温まで降温し、
前処理(硫化処理)を終了した。測定用ディスクは、上
記の前処理後、反応管に窒素ガスを通気したまま出口、
入口の順でバルブを閉めた反応管をそのまま、窒素置換
したグローブバッグ中に移し、グローブバッグ内で、反
応管内の触媒をメノウ乳鉢に移して粉砕し、直径13m
mのIR用ディスク成型器で、180kg/cm2の圧
力で成型した。成型したディスクは、XAFS測定を行
うまで窒素置換したグローブボックス中で保存した。
エネルギー加速器研究機構放射光実験施設(KEK−P
F)の硬X線ビームラインを使用し、XAFS測定装置
BL−10Bを用いて、上記のディスクを測定した。
ン結晶(MoS2)のXAFS測定を行い、触媒上のモ
リブデン硫化物でのMo−Sのピーク強度をモリブデン
金属への硫黄の配位原子数に対応するものとして、各触
媒のXAFS動径分布関数からモリブデンへの硫黄の平
均配位原子数を算出した。
ず、結晶構造の明確な標準試料(二硫化モリブデン結
晶)のXAFS測定を行い、(1)、(2)式により、
ΔR、Kを求める。 ΔR=Rr−Robs,r (1) Nr=K・hr・Rr2 (2) 式中、Rr :結晶学的データによる原子間距離
(Å) Robs,r:動径分布関数における原子間距離(Å) Nr :結晶学的データによる配位数 hr :動径分布関数におけるピーク強度 K :定数
入し、原子間距離(R)を求め、各触媒の平均配位原子
数(N)を求める。 Rr=Robs,s+ΔR (3) Nr=K・hs・R2 (4) 式中、Robs,s:各触媒の動径分布関数における原
子間距離(Å) hs :各触媒の動径分布関数におけるピーク強
度
赤外分光光度)測定 前処理後の触媒中の活性金属(Co、Mo)へのNOガ
ス吸着量を調べるために、前処理後の触媒にNOを吸着
させ、拡散反射法FTIR(FTIR−8100M、島
津製作所製)で観察した。このときの加熱真空型拡散反
射用セル(KBr窓板)は、スペクトラテック社製を使
用した。
粉砕後拡散反射用セルに入れ、He気流中で昇温し、4
00℃に達した後、30分保持し、次いでH2S(5
%)/H2ガスに切り替え、2時間保持し、続いてHe
ガスに切り替え、30分フラッシュイングした後、同気
流中で常温まで降温し、前処理を終了した。
流中で30分保持した後、Heガスに切り替え、30分
排気処理後、FT−IR測定を行った。
スペクトル(1860cm−1)、及びMoに吸着した
NOスペクトル(1690cm−1)のそれぞれの強度
を調べ、以下の式で示す値で、各触媒を比較した。 ICoMoS=ICo/(ICo+IMo) 式中、ICo:コバルトに吸着したNOスペクトルの強
度 IMo:モリブデンに吸着したNOスペクトルの強度
配位数 ICoMoS:IR測定による相対的NO吸着量
施例及び比較例で調製した触媒A〜H、a〜bを用い、
以下の要領にて、下記性状の直留軽油の水素化処理を行
った。先ず、触媒を高圧流通式反応装置に充填して固定
床式触媒層を形成し、下記の条件で前処理した。次に、
反応温度に加熱した原料油と水素含有ガスとの混合流体
を、反応装置の上部より導入して、下記の条件で水素化
反応を進行させ、生成油とガスの混合流体を、反応装置
の下部より流出させ、気液分離器で生成油を分離した。
にて1hr維持のステップ昇温
が315.5℃、90%点が371.0℃、終点が38
9.0℃ 硫黄成分 ;1.364質量% 窒素成分 ;150ppm 動粘度(@30℃);6.608cSt 流動点 ;5.0℃ くもり点 ;6.0℃ セタン指数 ;57.1 セイボルトカラー ;−10 ASTM色 ;0.5 アニリン点 ;74.3℃
た。340℃で反応装置を運転し、6日経過した時点で
生成油を採取し、その性状を分析した。 〔1〕脱硫率(HDS)(%):原料中の硫黄分を脱硫
反応によって硫化水素に転換することにより、原料油か
ら消失した硫黄分の割合を脱硫率と定義し、原料油及び
生成油の硫黄分析値から以下の式により算出した。 〔2〕脱硫反応速度定数(Ks):生成油の硫黄分(S
p)の減少量に対して、1.5次の反応次数を得る反応
速度式の定数を脱硫反応速度定数(Ks)とする。な
お、反応速度定数が高い程、触媒活性が優れていること
を示している。これらの結果は、表3の通りであった。
00 脱硫反応速度定数=〔1/√(Sp)−1/√(S
f)〕×(LHSV) 式中、Sf:原料油中の硫黄分(質量%) Sp:反応生成油中の硫黄分(質量%) LHSV:液空間速度(hr−1) 比活性(%)=各脱硫反応速度定数/比較触媒aの脱硫
反応速度定数×100
黄分0.2〜0.05質量%)であれば、既存の触媒
(比較触媒a)や、ゼオライトとアルミナとの比率が本
発明の範囲外の触媒(比較触媒b)でも容易に脱硫する
ことができるが、深度脱硫領域(硫黄分0.05質量%
よりも更に低硫黄分)では、4,6−ジメチルジベンゾ
チオフェンや4−メチルジベンゾチオフェン等の難脱硫
性硫黄化合物の存在により、桁違いに脱硫が困難とな
る。これに対し、本発明の触媒A〜Hを用いれば、0.
05質量%の1/2以下もの超深度脱硫領域を容易にク
リアーできることがわかる。
活性が最も高い触媒Cを用い、水素化反応条件の反応温
度を355℃とする以外は、〔直留軽油の水素化処理反
応1〕と同様にして直留軽油の水素化処理を行った。こ
の結果は、表4の通りであった。
触媒は、従来の軽油水素化処理の場合とほぼ同じ水素分
圧や反応温度等の条件下で、超深度脱硫領域での軽油の
脱硫反応に対して、極めて優れた活性を有することが判
る。
次のような効果を奏することができる。 (1)高い脱硫活性を有するため、軽油中の硫黄分の含
有率を、大幅に低減させることができる。 (2)反応条件を従来の水素化処理の際の反応条件とほ
ぼ同じとすることができるため、従来の装置を大幅改造
することなく転用できる。 (3)硫黄含有量の少ない軽油基材を、容易に供給する
ことができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 80質量%より多く99.5質量%以下
のアルミナと、0.5質量%以上20質量%未満のゼオ
ライト、ボリア、シリカ、及びジルコニアから選ばれる
一種以上とを有する複合酸化物担体に、コバルト、モリ
ブデン、及びリンを含む水溶液を含浸して得られる触媒
であって、 触媒基準、酸化物換算で、3〜6質量%のコバルト、1
6〜24質量%のモリブデン、及び0.8〜4.5質量
%のリンを含み、 コバルトとモリブデンの質量比が、〔酸化コバルト〕/
〔酸化コバルト+三酸化モリブデン〕の値で、0.12
〜0.2、 モリブデンとリンの質量比が、〔五酸化二リン〕/〔三
酸化モリブデン〕の値で、0.05〜0.25、 窒素吸着法で測定した比表面積が220〜300m2/
g、 水銀圧入法で測定した細孔容積が0.4〜0.6ml/
g、 水銀圧入法で測定した細孔分布での平均細孔直径80〜
95Å、平均細孔直径±15Åの範囲の細孔容積が全細
孔容積の少なくとも75%、 硫化処理後の触媒中のモリブデン金属への硫黄の配位数
が、XAFS測定で、5〜6であることを特徴とする軽
油の水素化処理触媒。 - 【請求項2】 アンモニア−TPDで測定した複合酸化
物担体の酸量が0.5〜0.8mmol/gであること
を特徴とする請求項1記載の軽油の水素化処理触媒。 - 【請求項3】 ゼオライトの特性が、 平均粒子径が2.5〜6μm、 粒子径6μm以下のものがゼオライト全粒子の70〜
98%、であることを特徴とする請求項1又は2記載の
軽油の水素化処理触媒。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の触媒の
存在下、水素分圧3〜8MPa、300〜420℃、液
空間速度0.3〜5hr−1で、硫黄分を含む軽油留分
の接触反応を行うことを特徴とする軽油の水素化処理方
法。
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JP11-85936 | 1999-03-29 | ||
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- 1999-08-30 JP JP24319299A patent/JP3553429B2/ja not_active Expired - Lifetime
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