JP2000342675A - 脱臭濾材の製造方法 - Google Patents
脱臭濾材の製造方法Info
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Abstract
すことなく、1枚のシート形状を有する脱臭濾材に脱臭
粉粒体を高密度で固着担持することができ、優れた脱臭
性能と加工性とを満足する製造技術を提供すること。 【解決手段】 ホットメルト不織布の表面に
略球形の脱臭粉粒体を配した後、加熱処理によって上述
のホットメルト不織布と上述の脱臭粉粒体とが接する部
分に樹脂凝集部を形成し、この樹脂凝集部と連結部とか
らなるウエブを形成することを特徴としている。
Description
された流体を濾過して清浄化するための脱臭濾材に関
し、特に、脱臭性能に優れた脱臭濾材の製造技術に関す
る。
濾材全般に求められる特性として圧力損失が小さいこと
に加え、当該濾材に担持される、活性炭や種々の化学脱
臭剤からなる粒子(以下、包括的に脱臭粉粒体と称す
る)の機能を最大限に発揮させることが必要である。こ
のような濾材を実現するため、本出願人は、特願平10
−46215号などにより、ホットメルト樹脂からなる
不織布に脱臭粉粒体を担持した脱臭濾材及びこれを製造
する技術を提案している。
るため、脱臭濾材を模式的な概略断面により示す図であ
る。まず、熱可塑性のホットメルト樹脂からなるホット
メルト不織布の表面に、活性炭などの脱臭粉粒体17を
散布する。次いで、この状態の不織布に対して、例えば
水蒸気などの高温の流体をホットメルト不織布側から当
てる。このような加熱処理によって、ホットメルト不織
布と脱臭粉粒体17とが接していた部分には樹脂凝集部
13が形成され、脱臭粉粒体17同士は、この樹脂凝集
部13とホットメルト不織布の繊維成分の一部が残存し
て構成される連結部11とによって、連続した構成成分
としてウエブ15に固定保持される。続いて、ウエブ1
5に固着していない余剰の脱臭粉粒体17を除去するこ
とによって、積層単位19が形成される。図2は、この
状態の脱臭粉粒体17のうちの1つに着目して、ウエブ
15側から積層単位19を見た平面図であるが、樹脂凝
集部13の形成と共に、ホットメルト不織布を構成して
いた比較的繊維径の太い構成繊維は、加熱処理によって
可塑化溶融しても切断されず、連結部11として強固な
網状構造を構成する。
メルト不織布の積層、脱臭粉粒体の散布、加熱処理及び
余剰粉粒体の除去を施すことによって、図1に示す脱臭
濾材21が得られる。このような積層単位19を複数備
えた脱臭濾材21にあっては、前述した加熱処理を高温
の流体によって行うことにより、1つの積層単位19上
に隣接する脱臭粉粒体17同士の間隙には、他の積層単
位19との間に渡る連通孔Aが形成される。従って、こ
のような技術を適用することにより、圧力損失が極めて
低い、優れた脱臭濾材を提供することが可能となる。
は、濾材に備えられた脱臭粉粒体の量や、これに対する
接触確率を大きく採ることによって向上させ得る。上述
の従来技術により得られる濾材では、積層単位を複数備
えることにより、濾材面積当たりの脱臭粉粒体をより多
く担持固着することができる。一方、濾材の利用形態と
して、所定の形状に折り加工を施したプリーツ状のフィ
ルタによって、濾材に対する汚染空気の接触確率を高め
る技術が広く用いられている。この折り加工に際して
は、濾材の厚さが小さいほど加工性に優れる。従って、
本発明者は前述した従来技術の手法を応用し、1つの積
層単位に、より多くの脱臭粉粒体を担持させる技術に着
目し、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
形状を有する脱臭濾材にあって、脱臭粉粒体を高密度で
固着することができ、優れた脱臭性能と加工性とを満足
する製造技術を提供することにある。
め、本発明に係る脱臭濾材の製造方法によれば、ホット
メルト不織布の表面に略球形の脱臭粉粒体を配した後、
加熱処理によって上述のホットメルト不織布と上述の脱
臭粉粒体とが接する部分に樹脂凝集部を形成し、この樹
脂凝集部と連結部とからなるウエブを形成することを特
徴としている。尚、本明細書に言う「略球形」の脱臭粉
粒体とは、当該粉粒体の断面形状が円形若しくは楕円形
などを表すものである。
係る製造技術の好適実施形態について説明する。尚、以
下の説明で参照する図中、既に説明した構成成分と同様
な機能を有するものについては、同一の符号を付して示
す。
脱臭濾材23を図1と同様な概略断面により示す説明図
である。始めに、同図に示すウエブ15を形成するた
め、ホットメルト不織布を用意する。このようなウエブ
を形成し得るホットメルト樹脂としては、熱可塑性ポリ
アミド系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポ
リウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、またはポリオレ
フィン変性樹脂などを、単独または混合して用いること
ができる。ここで言うポリオレフィン変性樹脂として
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体の鹸化物、エチレン−メタクリル酸共重合
体、エチレン−マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂
(エチレン−メタクリル酸共重合体に金属を付加した感
熱性樹脂)などが挙げられる。これら一連のホットメル
ト樹脂として、MIが50以上500以下のものを選択
して使用するのが好ましい。この好適範囲よりも低いM
Iの樹脂では、流動性が低いため加熱処理時に樹脂凝集
部が形成されにくく、脱臭粉粒体17aの固着が不完全
となることがある。さらに、上記範囲よりもMIが高い
樹脂では、加熱処理時の流動性が高く、樹脂凝集部形成
直後から室温程度の温度平衡に達するまでの工程通過性
を損なう場合がある。
ットメルト不織布として、面密度が10〜30g/m2
のものが好適であり、特に、15〜25g/m2のもの
が好ましい。これら好適範囲よりも小さな面密度とした
場合には、不織布としての均一性に欠けるため、ウエブ
に固着された脱臭粉粒体の均一性を損ない、臭気物質の
リークによる脱臭濾材の効率低下を来す。また、この好
適範囲を超えて大きな面密度のホットメルト不織布を採
用しても固着強度の向上は望めず、圧力損失の増大を来
すことになる。
粉粒体17aとしては、活性炭、これに種々の物質を添
着させて構成した添着炭、光触媒や酸化還元作用を利用
した略球形の触媒など、種々の粉粒体を組み合わせて用
いることができる。
述の脱臭粉粒体17aを配した後、加熱処理によって樹
脂凝集部13及び連結部11からなるウエブ15を形成
し、このウエブ15に脱臭粉粒体17aを固着させる。
然る後、固着されていない脱臭粉粒体を除去することに
よって図3に示す状態を得る。このような加熱処理に当
たっては、例えばカレンダー、熱風ヒーター、赤外線ヒ
ーター、水蒸気による加熱、対向する一対の無端ベルト
間に布帛を挟持して加熱する装置など、従来知られてい
る種々の手段とすることができる。また、特に好適な態
様として、例えば熱可塑性ポリアミド系樹脂またはエチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂など、湿熱状態で収縮切
断し易い樹脂で構成されるホットメルト不織布を用いた
場合、水蒸気による加熱処理を採用することにより、比
較的低圧損の脱臭濾材を実現することができる。
に伴う強度低下を補う必要がある場合には、塵埃捕集に
用いられてきたフィルタ素材を支持体として用いること
もできる。尚、図3ではウエブ1層のみの態様を例示し
ているが、多層構造の脱臭濾材として本発明の方法を適
用しても良い。
以下に示す実施例は、この発明の理解を容易とするため
の好適例に過ぎず、本発明はこれら例示条件にのみ限定
されるものではない。
る『BAC−SP』(呉羽化学工業(株)製,商品名:
平均粒径約0.4mm以下)を脱臭粉粒体17aに用い
た。まず、ポリエステルからなる、面密度50g/m2
のスパンボンドを支持体として、熱可塑性ポリアミド系
樹脂からなる面密度20g/m2のホットメルト不織布
を積層しておく。次いで、このように積層したホットメ
ルト不織布の表面に、上述した脱臭粉粒体17aを散布
する。続いて、約5Kg/cm2の水蒸気処理を支持体
側(ホットメルト不織布側)から約7秒間行い、上記ホ
ットメルト不織布を可塑化溶融して、ホットメルト樹脂
からなる連結部11と樹脂凝集部13とで構成されたウ
エブ15に、樹脂凝集部13を介して略球形の脱臭粉粒
体17aを固着させた。然る後、固着した脱臭粉粒体1
7a以外を除去した。さらに、この固着された脱臭粉粒
体17a上に、再度、ホットメルト不織布の積層、脱臭
粉粒体の散布、水蒸気処理、余剰な脱臭粉粒体除去を経
て、2層構造の実施例1に係る脱臭濾材を得た。
−MP』(呉羽化学工業(株)製,商品名:平均粒径
0.5±0.05mm)を用いたことを除いては、実施
例1と同一の条件で実施例2に係る脱臭濾材を得た。
−LP』(呉羽化学工業(株)製,商品名:平均粒径
0.6±0.05mm)を用いたことを除いては、実施
例1と同一の条件で実施例3に係る脱臭濾材を得た。
−70R』(呉羽化学工業(株)製,商品名:平均粒径
約0.7mm以上)を用いたことを除いては、実施例1
と同一の条件で実施例4に係る脱臭濾材を得た。
の粒状活性炭(クラレケミカル(株)製:粒径範囲60
メッシュ(0.25mm)〜32メッシュ(0.5m
m))を用いたことを除いては、実施例と同一の条件で
脱臭濾材を作製した。尚、上記5種類の脱臭濾材につい
て、使用した脱臭粉粒体の粒径及び形状、得られた脱臭
濾材の見掛け厚さと固着された単位面積当たりの脱臭粉
粒体重量とから計算した脱臭粉粒体の嵩密度、厚さ、脱
臭粉粒体の担持量を表1に示す。
粒体を用いた実施例に係る脱臭濾材では、比較例に比べ
て嵩密度を大きく採ることができ、高密度で脱臭粉粒体
を固着し得ることが明らかになった。
き説明する。評価は、圧力損失、脱臭効率並びに脱臭濾
材の破過時間とした。まず、圧力損失の測定は定法に従
い、平板状の各濾材に10cm/秒、30cm/秒、5
0cm/秒の3水準の風速で送風し、各々、濾材の上流
と下流との圧力差をフラジール型通気度試験器によって
求めた。
ンを用い、初期濃度25ppm、風速14cm/秒の条
件で行った。この測定では測定開始から1分後に試験条
件が定常に達したと見なして、ガスクロマトグラフによ
り濃度を測定した。結果は、初期濃度(上流側濃度)と
濾材を通過した後の下流側濃度との差を初期濃度で割
り、百分率で求めた。
エンの初期濃度を250ppm、風速を0.7cm/秒
としたことを除いては、上記脱臭効率の測定と同一条件
とし、各濾材通過後のトルエンが初期濃度の5%を初め
て越えた時点を破過時間とした。これら圧力損失、脱臭
効率、並びに破過時間の測定結果を表2に示す。
1〜4は多量の脱臭粉粒体を担持しているにもかかわら
ず、何れも実質的に同等であった。さらに、脱臭効率は
平均的な粒径が小さいほど優れるとの傾向が見られるも
のの、実施例、比較例共にほぼ同等の結果と認められ
た。破過時間は担持量にほぼ比例して長くなる傾向が見
てとれる。これらの結果から、略球形の脱臭粉粒体を用
いることによって、大きな圧力損失を生じることなく、
粒径に応じた担持量の増大を図り得ることが理解でき
る。
明の技術を適用することにより、実質的に圧力損失の増
加を来すことなく、1枚のシート形状を有する脱臭濾材
に脱臭粉粒体を高密度で固着担持させることができ、優
れた脱臭性能と加工性とを有する脱臭濾材を提供するこ
とができる。
式的に示す説明図、
を示す説明図、
と同様に示す説明図である。
ウエブ、17:脱臭粉粒体、 17a:(略球形の)脱
臭粉粒体、19:積層単位、 21,23:脱臭濾
材、 A:連通孔。
Claims (1)
- 【請求項1】 ホットメルト不織布の表面に略球形の脱
臭粉粒体を配した後、加熱処理によって前記ホットメル
ト不織布と前記脱臭粉粒体とが接する部分に樹脂凝集部
を形成し、該樹脂凝集部と連結部とからなるウエブを形
成することを特徴とする脱臭濾材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15325299A JP4242002B2 (ja) | 1999-06-01 | 1999-06-01 | 脱臭濾材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP15325299A JP4242002B2 (ja) | 1999-06-01 | 1999-06-01 | 脱臭濾材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000342675A true JP2000342675A (ja) | 2000-12-12 |
JP4242002B2 JP4242002B2 (ja) | 2009-03-18 |
Family
ID=15558402
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15325299A Expired - Lifetime JP4242002B2 (ja) | 1999-06-01 | 1999-06-01 | 脱臭濾材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4242002B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006015034A (ja) * | 2004-07-05 | 2006-01-19 | Japan Vilene Co Ltd | 脱臭濾材及び脱臭方法 |
KR101156611B1 (ko) | 2012-04-23 | 2012-06-14 | 한국코엔주식회사 | 핫멜트 스프레이 공법을 이용한 캐빈필터소재 제조방법 |
-
1999
- 1999-06-01 JP JP15325299A patent/JP4242002B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006015034A (ja) * | 2004-07-05 | 2006-01-19 | Japan Vilene Co Ltd | 脱臭濾材及び脱臭方法 |
KR101156611B1 (ko) | 2012-04-23 | 2012-06-14 | 한국코엔주식회사 | 핫멜트 스프레이 공법을 이용한 캐빈필터소재 제조방법 |
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