JP3646861B2 - 粒子含有不織布およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機能性粒子を高含有率で内部に有する不織布に関する。さらに詳しくは、気液フィルターや壁紙や建材からの揮発成分を吸着する建築資材あるいは車両用天井材、防護服などに特に有用な不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】
トルマリン粒子,光触媒粒子,活性炭などの機能性粒子を含有あるいは表面に保持する不織布が、衣料,防護服,フィルター,天井材,壁材,吸音材などに利用されており、例えば、特開平8−299720号公報や実開平5−63608号公報などに開示されており、産業上広く利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これらの機能性粒子含有不織布の機能を十分に発揮するためには、機能を発揮されるために接触する流体と機能性粒子の接触性を良くする必要があるが、従来の熱接着性粒子や熱接着性繊維を用いた不織布は通気抵抗あるいは通液抵抗が高く、その機能が十分に発揮できない場合があるという問題があった。また、不織布シートの曲げ抵抗が大きく、フィルターなどに用いる場合に襞折り成形加工がやりにくいという問題もあった。
【0004】
また、2種類の不織布などで粒子を単純に挟み込んだ場合は、用途に応じた任意の形状に切断して用いる際にその切断面から粒子の脱落を生ずることがあるという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、かかる問題点を解決するために以下の手段をとる。
まず、第1の発明は目付が5〜120g/m2、厚みが0.5〜2.0mm、かつ充填率が0.01〜0.15の不織布中に平均直径0.1〜0.8mmの粒子が、不織布繊維成分重量に対して50〜600%含有されている層をとし、不織布全体の厚みが0.7〜2.5mm、10cm/秒の通気抵抗が0.5〜3.0mmAqであることを特徴とする粒子含有不織布である。
【0006】
さらに第2の発明は、第1の発明において、粒子の球相当平均直径が0.1〜0.8mmの活性炭粒子が100〜500g/m2含有されていることを特徴とする粒子含有不織布である。
【0007】
また、第3の発明は、第1乃至2の発明において、粒子含有不織布の少なくとも片面に目付が10〜60g/m2、不織布平均開孔径がおおよそ0.01〜0.5mmである長繊維不織布が熱接着性繊維不織布で張り合わせてある粒子含有不織布である。
【0008】
第4の発明は第1乃至3の発明において、不織布の少なくとも片面にエレクトレット不織布を積層した粒子含有不織布である。
【0009】
さらに第5の発明は第4の発明において、エレクトレット不織布の少なくとも1つがスプリットフィルムあるいはメルトブローン繊維を含む不織布である粒子含有不織布である。
【0010】
また、第6の発明は、目付が5〜120g/m2、厚みが0.5〜2.0mm、かつ充填率が0.01〜0.15の不織布上に、平均直径0.1〜0.8mmの微粒子を不織布重量に対して50〜500%の重量を定量落下させて後、振動あるいは剪断、伸張などの外力を加えて粒子を不織布内部に浸透させた後、熱接着性不織布を用いて熱処理にて一体化する粒子含有不織布の製造方法である。
【0011】
第7の発明は、第6の発明において、微粒子を落下させる際、目付けが10〜60g/m2で不織布開孔径が0.01〜0.5mmの長繊維不織布の上面に熱融着性不織布をしき、更に粒子を内部に含有させる不織布を上面に積層した上で実施し、その後、180℃以下の温度で処理時間2分以内で熱プレス加工を行って不織布を一体化する方法である。
【0012】
そして第8の発明は、第6〜7の発明において、不織布の予熱あるいは熱接着繊維の溶融手段の一つとして、赤外線ヒータあるいは遠赤外線ヒータを用いる不織布の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる粒子を含有する不織布は以下の特性を有することが必要である。
まず、本発明において、不織布を構成する素材は、ポリエステルやポリオレフェン、ポリアミドなど合成繊維でも良く、レーヨンや綿などの天然素材を原料とする物でも良い。また、本発明の不織布は多孔フィルムや織編物などと積層して使用することが可能である。
【0014】
粒子を含有する層となる不織布は粒子とあまり強く接着していないことが望ましい。すなわち、本発明の粒子を含有する層の不織布は、不織布中の粒子の面内方向の移動を抑制する目的で利用される。構成する繊維が粒子と強く接着されると、粒子の表面が繊維に覆われてしまい粒子の機能発現を妨げられるため好ましくない。また、接着が強すぎると不織布全体の風合いが非常に硬い物となってしまい用途が限定されてしまいあまり好ましくない。従って、不織布の素材は熱融着性の物であっても良いが粒子と強く接着するような熱量や外力をかけることはあまり好ましくない。機能性粒子と繊維が強く接着されないことにより危惧される機能性粒子の脱落の防止は、機能性粒子を含有する不織布の表面に接着性繊維不織布あるいは接着性ポリマー粒子あるいはそれらのいずれかにより接着されたカバー材が覆うことにより実現される。接着性繊維や接着性ポリマー粒子で外側に脱落を防止するためのカバー材となるシート状物を張り合わせることが特に好ましい形態の一つとなる。粒子を含有する不織布層とカバー層が接着には熱接着性繊維不織布や熱接着性ポリマー粒子あるいはエマルジョン系接着剤などを用いることができる。
【0015】
粒子を含有する不織布は、粒子が不織布の中で移動するのを防止して固定する目的で使用される。この不織布の目付は5〜120g/m2の間にあることが必要である。好ましくは、10〜80g/m2の間であり、特に好ましくは15〜45g/m2である。目付が5g/m2より小さいと粒子を高含有率保持することが不可能である。また、粒子を固定するための熱接着性繊維あるいは粒子などで粒子表面が覆われてしまい流体との接触性が低下して好ましくない。一方、目付が120g/m2より大きいと通気抵抗あるいは通液抵抗が増加してしまい、流体との接触性が悪くなるため好ましくない。
【0016】
次に不織布の厚みは0.5〜2.0mmであることが必要である。厚みが0.5mmより小さいと粒子を高含有率保持するための空間を作ることが不可能であり好ましくない。厚みが2mmより大きいと、機能性粒子が不織布内で移動するのを抑制しにくいため好ましくない。
【0017】
さらに、粒子を含有する不織布は充填率が0.01〜0.15であることが必要である。さらに好ましくは、充填密度が0.02〜0.10g/ccの間にあることであり、特に好ましくは0.02〜0.05g/ccである。充填密度が小さいほど粒子を大量に含有することができるため好ましい。ただし充填率が0.01よりあまり小さくなると不織布の外荷重に対する圧縮あるいは引っ張り変形抵抗が小さくなり不織布の形態を保持することが難しくなるのであまり好ましくない。充填密度が0.15g/ccより大きいと、粒子を大量に含有することが難しく、通気抵抗も高くなり好ましくない。本発明の充填密度域では、繊維により形成される開孔径が適当な範囲となるためを、粒子を上方から落下させて不織布中に分散させる際に3次元的により均一に分散させることが可能である。
【0018】
不織布に含有される粒子の種類は、活性炭や光触媒粒子、トルマリン粒子など機能性を有する物であればよい。珪藻土などの非球形の異形の粒子を圧縮変形抵抗を高くするために含有させることも好ましい形態の一つである。キャビンフィルターや溶剤回収などのフィルター用途に用いる場合には活性炭を100〜600g/m2を含有させることが好ましい。また、粒子は、球形でなくても良いが、不織布中に含有される粒子は球相当平均直径0.1〜0.8mmの平均粒子径を持つことが好ましい。球相当粒子径とは、粒子と同じ体積を有する球の直径を意味する。粒子径が0.1mmより小さいと不織布の開孔から粒子が落下しやすくなるので好ましくない。粒子が0.8mmより大きいと粒子を不織布中に均一にばらまくのが難しくなったり、不織布を折り曲げるときに、粒子が不織布を破る等の問題を生じることがあり、あまり好ましくない。
【0019】
また、粒子は不織布繊維成分重量に対して50〜600%含有されていることが好ましい。粒子をより多く含有することで粒子の機能をより効果的に発現させることが可能となる。しかしながら、粒子含有率が600%を越えると粒子の移動を拘束する繊維の量が少なくなるため粒子脱落の可能性が高くなったり、不織布を折り曲げにくくなるなどの問題を生じやすい。
【0020】
1枚の不織布で含有できる粒子量は100〜300g/m2が特に好適であり、それ以上では粒子の脱落防止のため不織布の充填率を高めに設定することが必要である。300g/m2以上の粒子を含有させる場合には、粒子を200g/m2程度含んだ不織布を熱接着性不織布などで何枚か重ね合わせるのが、不織布の通気抵抗を小さく保つうえで好ましい形態のひとつである。粒子が不織布厚み方向に3個以上積み重なると粒子の移動の防止が難しく、また粒子の脱落が大きくなる問題が発生しやすい。
【0021】
本発明の粒子含有不織布は、使用されるときの不織布全体の厚みが0.7〜2.5mmであることが必要である。不織布厚みが0.7mmより薄いとで粒子が脱落しやすくなったり不織布が破れやすくなり、一方2.5mmより厚いと不織布の曲げ抵抗が大きくなり取り扱いにくくなって好ましくない。また、10cm/秒の通気抵抗が0.5〜3.0mmAqであることが必要である。好ましくは0.5〜1.5mmAqであり、特に好ましくは0.5〜1.0mmAqである。通気抵抗は小さいことが好ましいが、不織布が0.5mmAqより小さい通気抵抗を有するすることは粒子の脱落の問題が起こりやすい。通気抵抗が3.0mmAqより大きいと流体と粒子の接触が悪くなり問題である。
【0022】
本発明の粒子含有不織布の少なくとも片面に目付が10〜60g/m2、不織布平均開孔径が0.01〜0.5mmの長繊維不織布を熱接着性繊維不織布で張り合わせてあることが粒子の脱落を防止したり、成形性を向上させるなどの目的のうえで好ましい。積層する相手は多孔フィルムや織り編み物でもよいが、長繊維不織布が以下にのべる理由から特に好ましい。目付が10g/m2より小さいと粒子の脱落防止や成形性の改善に寄与しない。一方、60g/m2より大きいと通気抵抗があがりすぎて好ましくない。
【0023】
不織布が長繊維であることは、繊維の脱落の問題がないことや強度を改善する上で特に好ましい。不織布平均開孔径が0.01〜0.5mmであることは直接測るためには、コールター社のポロメータを用いて測定することが可能である。装置を使用することが難しい場合には0.5mm前後の粒子を不織布上に置いて手で軽く揺すった時に不織布開孔から粒子が30%以上脱落しないレベルと考えても良い。張り合わせに用いられる熱接着性不織布の融点は、粒子を含有する不織布構成ポリマーの融点より低いことが好ましい。
【0024】
本発明の不織布の片面にエレクトレット不織布を積層する事もエアーフィルター用途や防護服などに利用する場合に特に好ましい。接触流体中の粒子の除去性能を大幅に改善することが可能である。また、不織布からの粒子や粒子が摩耗したり割れたりした物を捕集して脱落防止する効果も期待できる。
【0025】
積層されるエレクトレット不織布の少なくとも1つがスプリットフィルムあるいはメルトブローン繊維を含む不織布であることが好ましい。スプリットフィルムは表面電荷密度が高く粒子捕集効率を高めることが可能であり、圧力損失も小さい。メルトブロー不織布も極細繊維故に、捕集効率を高くすることができるが圧力損失も大きくなるので適当な目付量に設定することが必要である。エレクトレット化の方法は特に規定されないが、一般的な方法として、10〜20kVの直流電圧を5〜20秒程度印加する事で容易に荷電処理できる。
【0026】
本発明の不織布を製造する好ましい形態の一つとして以下の方法があげられる。まず、粒子を内部に含有させる適当な開孔を有する不織布上に、平均直径0.1〜0.8mmの微粒子を不織布重量に対して50〜600%の重量分を定量落下させて後、振動あるいは剪断,伸張などの外力を加えて粒子を不織布内部に浸透させた後、熱接着性不織布を用いて熱処理にて一体化することが好ましい。
【0027】
粒子の供給方法は特に不織布に適当な振動与えたり、変形な変形を与えることで粒子が不織布内部まで均一に分散させることが可能となる。粒子の落下方法は特に規定されないがロータリーフィーダーなどで付与するのが効率的である。粒子の落下する量は、粒子が落下する部分のクリアランスとローターの回転周速度で調整する。クリアランスは、粒子径の約1〜2倍で、粒子と接触するローター表面周速度は5〜30m/分が好ましい。不織布を供給する速度はローターの周速度の比にして0.1〜0.9倍にすることが粒子を均一に分散する上で好ましい。振動は強制付与しても良いが、不織布の送り時に自然に発生する振動を利用できる場合もある。
【0028】
粒子の脱落防止には熱接着性不織布を用いて熱処理にて不織布を一体化することが好ましい。熱接着繊維が粒子を含有する不織布の表層と接着することで粒子の脱落は防止できる。一部の表層近くの粒子も熱接着性粒子で固定される。粒子含有不織布と熱接着性不織布を適切に接着するためには、不織布を予め予熱下後でベルト状のプレス機で適当な圧力をかけることが好ましい。圧力をかけすぎるとシート全体がつぶれてしまい通気抵抗が高くなりすぎたり、風合いが硬くなりすぎるなどの問題を生じる。適当な表層材を熱接着性不織布で積層する際には、フェルトカレンダーを用いることが特に好ましい。通常の加熱ロールカレンダーを用いるときはクリアランスの適切な調整が必要である。
【0029】
また、微粒子を落下させる際には、10〜60g/m2、不織布の平均開孔径がおおよそ0.01〜0.5mmの長繊維不織布の上面に熱融着性不織布をしき、更に粒子を内部に含有させる不織布を上面に積層して実施し、その後、180℃以下の温度で処理時間2分以内で熱プレス加工を行って不織布を一体化することが最も好ましい実施形態の一つである。プレス温度は180℃を越えると粒子を含有する不織布がつぶれすぎるために通気抵抗が高くなりすぎて問題となる。加熱処理時間は2分以内であることが、不織布自身の溶融防止や過度の軟化による潰れすぎることの防止、さらに生産性の観点から好ましい。
【0030】
不織布の予熱あるいは熱接着繊維の溶融手段の一つとして、赤外線ヒータあるいは遠赤外線ヒータを用いることが好ましい。赤外線ヒータあるいは遠赤外線ヒータを用いることより、不織布を均一に加熱することが可能となり、剥離の問題の生じにくい積層体とすることができる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。なお、本発明における特性値に関する測定法および測定条件は以下のとうりである。
【0032】
(目付)
30cm各の正方形に不織布を切り出し重量を測定して、1m2あたりの目付に換算した。なお、各値は10箇所の測定値の平均値を使用した。
【0033】
(厚み)
7g/cm2の荷重下での厚みをピーコック厚み計を用いて10cm間隔で幅方向および長手方向に合計20点測定し、その平均値を採用した。
【0034】
(充填率)
目付を厚みとポリマー密度で割り返した値を無次元数として採用した。なお、ポリプロピレンの場合はポリマー密度を0.90g/ccで計算した。
【0035】
(通気抵抗および濾過精度)
不織布から直径70mmの円形に切り抜いてサンプルを5枚切り出した。サンプルをホルダーにセットして、直径50mmの円板部に10cm/秒のエアーを流して、そのときの通気抵抗をマノメータにより測定し、5枚の平均値を採用した。また、エアー中の0.3〜0.5μmの大気塵粒子濃度をパーティクルカウンターにより測定し、入口濃度と出口濃度の比より捕集効率を求めた。
【0036】
(平均開孔径)コールター社ポリメータで、試験液を水にしておこなった。開孔が大きすぎて、水が自然落下するときにはポリメータを使用できないために、0.5mmのガラスビーズを不織布において30%以上落下しなければ開孔径が0.5mm以下であると判断した。水が落下することから、開孔径が0.01mm以上であることも保証されると推定される。
【0037】
(実施例1)
繊維径2.2dTex、目付15g/m2のポリプロピレン(PP)スパンボンド不織布に、ポリアミド樹脂の目付15g/m2のクレハテック株式会社製の熱融着不織布「ダイナックLNS−0015」およびメルトブロー法により得られたPP素材、目付35g/m2、厚み1.2mm、充填率0.03、平均繊維径10μmの不織布を順番に積層した。その上より、ロータリーフィーダーにより平均粒径0.4mmの活性炭粒子を200g/m2になるように落下させた。更に上部に先述の熱接着不織布とPPスパンボンド不織布を順番に積層して、フェルトカレンダーにて130℃、線圧1.5kg/cmで約15秒プレスした。不織布は得られた積層不織布の物性値を表1に示す。不織布を通気抵抗測定のため直径70mmに切り出してが断面からの粒子の脱落はなかった。また、プリーツ加工性も良好であった。得られた不織布は通気抵抗が0.64mmAqと小さくフィルターや防護服などに好適であった。
【0038】
(実施例2)
実施例1により得られた不織布を赤外線ヒータにより表面温度が150℃になるまで加熱したのちに先述のフィルトカレンダーにより、目付30g/mのスプリットフィルム不織布(東洋紡績製「エリトロン2」)と積層した。通気抵抗が0.79mmAqであり、0.3μm粒子の10cm/秒での濾過精度が51%と高いため、自動車のキャビンフィルターなどとして好適に利用可能であった。
【0039】
(比較例1)
実施例1の実験において、メルトブロー法により得られた不織布をPP素材、目付35g/m2、厚み0.18mm、充填率0.19、平均繊維径10μmの不織布にした以外は同様の実験を実施した。得られた不織布中に活性炭粒子が十分入り込んでいないため、通気抵抗測定用のサンプルを切り出した際に切断面から粒子が脱落して問題であった。また、粒子含有不織布の上に重ねたPPのスパンボンド不織布の接着が不十分であり、部分的に剥離を生じた。通気抵抗も2.87mmAqと高めであった。得られた不織布の特性を表1に示した。
【0040】
(比較例2)
比較例1で得られた不織布の脱落を防止するためにプレス線圧を0.30kg/cmにした。粒子の脱落は減少したが、通気抵抗が4.05mmAqと高く問題であった。
【0041】
(比較例3)
実施例1において、接着層を熱接着繊維不織布から平均粒径約0.3mmの低密度ポリエチレン(PE)バウダーに変更して試験を実施した。PEパウダーは活性炭粒子を撒く装置を利用してPPスパンボンド不織布上に1m2あたり15g落下させ、ガスバーナーで予め融着させておいた。PPスパンボンド不織布にPEパウダーをつけた面を内側になるようにして張り合わせた。得られた不織布の特性を表1に示した。活性炭粒子の脱落はほとんど見られなかったが、通気抵抗が3.59mmAqと高く問題であった。PEパウダーがPPスパンボンド不織布の開孔などを潰してしまうため通気抵抗が上昇したと推定される。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】
本発明により、トルマリン粒子、光触媒粒子、活性炭などの機能性粒子を大量に含み、かつ通気抵抗の小さいために、衣料、防護服、フィルター、天井材、壁材、吸音材などの用途に好適な不織布を提供することができる。
Claims (6)
- 目付が5〜120g/m2、厚みが0.5〜2.0mm、かつ充填率が0.01〜0.15の不織布中に平均直径0.1〜0.8mmの粒子が、不織布繊維成分重量に対して50〜600%含有されている層を有し、前記の粒子含有不織布の少なくとも片面に目付が10〜60g/m2、不織布平均開孔径が0.01〜0.5mmの長繊維不織布が熱接着性繊維不織布で張り合わせてある不織布全体の厚みが0.7〜2.5mm、10cm/秒の通気抵抗が0.5〜3.0mmAqであることを特徴とする粒子含有不織布。
- 前記の粒子の球相当平均直径が0.1〜0.8mmの活性炭粒子が100〜500g/m2含有されていることを特徴とする請求項1に記載の粒子含有不織布。
- 前記の不織布の少なくとも片面にエレクトレット不織布を積層した請求項1又は2記載の粒子含有不織布。
- 前記のエレクトレット不織布の少なくとも1つがスプリットフィルムあるいはメルトブローン繊維を含む不織布である請求項1〜3何れかに記載の粒子含有不織布。
- 目付けが10〜60g/m 2 で不織布開孔径が0.01〜0.5mmの長繊維不織布の上面に熱融着性不織布をしき、更に目付が5〜120g/m2、厚みが0.5〜2.0mmかつ充填率が0.01〜0.15の不織布を積層し、平均直径0.1〜0.8mmの微粒子を不織布重量に対して50〜500%の重量を定量落下させて後、振動あるいは剪断、伸張などの外力を加えて粒子を不織布内部に浸透させた後、熱処理にて一体化する粒子含有不織布の製造方法。
- 熱処理にて一体化する方法が、180℃以下の温度であって、処理時間2分以内で熱プレス加工によるものであることを特徴とする請求項5記載の粒子含有不織布の製造方法。
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