JP2000342503A

JP2000342503A - 拭掃用具及びその製造方法

Info

Publication number: JP2000342503A
Application number: JP11155309A
Authority: JP
Inventors: Kaoru Ito; 藤かおる伊
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1999-06-02
Filing date: 1999-06-02
Publication date: 2000-12-12

Abstract

(57)【要約】【課題】手指への装着が簡単で適度の力で固定するこ
とができると共に、装着後の拭掃面の変更も簡単で全面
を効率よく使用することができる、使用性及び経済性に
優れた拭掃用具を得る。【解決手段】繊維シートで袋状に形成した拭掃用具を
１Ａが、１つの指挿入口３と、該指挿入口３から異なる
複数方向に向けて指を挿入可能な内部が拡大した摺擦部
４とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、身体、ＯＡ機器、
電気製品、住居用建材、家具等の清掃や化粧等を目的と
してそれらの特定の部位を拭掃するための指サック状拭
掃用具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、身体、ＯＡ機器、電気製品、
住居用建材、家具等の清掃、化粧等を目的としてそれら
の特定の部位を拭掃する手段として、繊維素材からなる
様々なものが提案されている。その具体例として、例え
ばウェットティッシュ、ウェットワイパー、化粧用ウエ
ットティッシュ、ガーゼ、使い捨て化学雑巾等があげら
れる。このような拭掃用具は、広範な平滑面の拭掃に用
いられるだけでなく、細かな部分や凹凸のある部分等の
拭掃にもよく用いられる。

【０００３】このような拭掃用具で平滑面以外の部分を
拭掃する場合には、被拭掃部の凹凸に沿って手指が動
き、拭掃用具はその手指の動きに柔軟かつ確実に追随す
ることが必要である。そのためには、拭掃用具は指先に
しっかり固定できることが重要であるが、固定の度合い
があまり強過ぎると、拭掃用具を持ち替えたり拭掃面を
変更するのが難しくなり、かえって操作性が悪くなる。

【０００４】ところが、上記従来の拭掃用具は何れも、
単純なシート形状をしているためそのままでは手指に固
定しにくく、それを手指にしっかりと固定しようとする
と手指に巻き付けたり手指を包み込んだりしなければな
らず、使用性が悪かった。しかも、シートの面積の割り
には使用時の拭掃面積が小さくなるため、使用効率や経
済性が劣るという欠点もあった。

【０００５】上記の問題点を解決するために、指に貼り
付けたり嵌め付けたりして手指に固定するタイプの拭掃
用具が幾例か提案されている。例えば、口腔内を清掃す
る拭掃用具としては、指に貼りつけるテープ状の物（特
開昭６１ー４４８０７号公報、特開平１０ー９９３５２
号公報）や、指サック形に形成した物（特開昭６１ー２
０５４８号公報、特開平９ー２２０２４３号公報、実開
昭６１ー４３４２０号公報、実開昭６４ー１９４１７号
公報、実開平１ー１１９６２４号公報、実開平３ー３３
５２８号公報、実開平４ー６７４１７号公報、実開平５
ー３４９２３号公報、実開平７ー４４２９２号公報）等
が提案されている。さらに、ペットの口腔を清掃する指
サック式の歯ブラシ（実開平４ー１１８０２９号公報）
や義歯清掃用の清掃シート（実開平６ー４１１号公報）
等も提案されている。他に、手指固定性に優れる拭掃用
具としては、人差し指を入れる指サックブラシの基端部
を長く太い形状に加工し、この基端部を親指で押さえる
ことによってサックの移動を防止するようにした物（登
録実用新案第３０３５７９０号公報）や、拭掃用具の一
部をその袋状部分に挿入した指とは別の指で押さえなが
ら使用する物（実開平４−３７１４号公報、実開平５ー
２９５１６号公報）、あるいは指サック形清掃具の一部
を外方に延出させて握帯を形成すると共に、この握帯の
先端に略環状物を形成し、この環状物を清掃具に挿入し
た指とは別の指で握って脱落を防止するようにした物
（実開平５−６８５１０号公報）等も提案されている。

【０００６】しかしながらこれら既提案の拭掃用具は、
指に装着した後に拭掃面を簡単に変更できなかったり、
手指に対する固定性が十分でないために手指から外れ易
いだけでなく、使用中に容易に回転し、シートを袋状に
するために接着した硬いシール部で口腔内粘膜などを拭
掃して傷付けてしまうなどの問題点を有していた。

【０００７】また、上記従来の指サック形の拭掃用具の
場合は、製造に特殊な抜き金型を必要としたり、複数の
パーツからなっているために製造工程が複雑でコスト高
となり、デイリーユースに適した低コスト品を消費者に
提供するのは非常に困難であった。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明の主要な技術的
課題は、手指への装着が簡単であると共に不時に回転す
ることのないように適度の力で手指に固定することがで
き、しかも装着後の拭掃面の変更も簡単で全面を効率よ
く使用することができる、使用性及び経済性に優れた拭
掃用具を提供することにある。

【０００９】本発明の他の技術的課題は、上記拭掃用具
を特殊な抜き金型等を使用することなく、簡単かつ低コ
ストで製造するための方法を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の拭掃用具は、繊維シートにより袋状に形成
され、１つの指挿入口と、該指挿入口から異なる複数方
向に向けて指を挿入可能な内部が拡大した摺擦部とを有
することを特徴とするものである。

【００１１】上記構成を有する拭掃用具は、指挿入口か
ら摺擦部内に指を挿入し、該摺擦部の指が収容されない
部分を他の指で握持することにより手指に装着、固定す
る。そして、その状態で指を挿入した部分を口腔等の拭
掃対象部位に押し付けて拭掃する。この場合、上記摺擦
部が拡大した形状をしているため、指が挿入されない部
分を握持部として他の指で簡単に握持することができ、
これにより、使用時に不時に回転することのないよう手
指に適度の力で簡単かつ確実に装着、固定することがで
きる。

【００１２】摺擦部の一部が使用により汚れたら、指の
挿入方向を変えることにより摺擦部の他の未使用の部分
に指を挿入し、この部分を使用して同様に拭掃する。こ
の場合、拭掃用具を上下反転させることにより手指に同
様に装着、固定することができる。かくして、指の挿入
方向を変えることによって摺擦部全体を無駄なく有効に
使用することができ、非常に効率的であると共に経済的
である。

【００１３】本発明の好ましい具体的な実施形態によれ
ば、上記拭掃用具が略三角形状をしていて、１つの角部
の位置に上記指挿入口が形成されている。

【００１４】また本発明によれば、矩形状をした繊維シ
ートを対角線に沿って２つに折り重ね、重なり合う繊維
シートの端縁同士を、三角形の頂角部に指挿入口のため
の非接着部分を残して部分的に接着することを特徴とす
る拭掃用具の製造方法が提供される。

【００１５】この方法によれば、従来のような特殊で高
価な抜き金型を使用した複雑な工程を経ることなく、シ
ートの裁断工程と接着工程とにより、拭掃用具を簡単か
つ低コストで製造することができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しながら詳細に説明する。図１Ａ
には本発明に係る拭掃用具の第１実施例が示されてい
る。この拭掃用具１Ａは、図１Ｂに示すような矩形状を
した柔軟な繊維シート２Ａを対角線Ｄに沿って２つに折
り重ね、三角形の２辺において重なり合う繊維シート２
Ａの端縁同士を、頂角部の周辺に指挿入口３となる非接
着部分を残して接着部５により部分的に接着したもの
で、これにより、上記頂角部に形成された１つの指挿入
口３と、該指挿入口３から異なる複数方向に向けて指を
挿入可能な内部が拡大した摺擦部４とを有する略三角形
をした袋状に形成したものである。

【００１７】上記拭掃用具１Ａは、図２に示すように、
指挿入口３から摺擦部４内に三角形の一辺に沿って指を
挿入し、該摺擦部４の指が収容されていない下半部を他
の指で握持することにより手指に装着、固定し、指を挿
入した部分を口腔等の拭掃対象部位に押し付けて摺擦す
るものである。この場合、上記摺擦部４が指挿入口３か
ら次第に拡大した形状をしているため、指が挿入されな
い部分を握持部として他の指で簡単に握持することがで
き、これにより、使用時に不時に回転することのないよ
う手指に適度の力で簡単かつ確実に装着、固定すること
ができる。しかも、上記のように三角形の一辺に沿って
指を挿入した場合、該指の先端が納まる部分は角部で次
第に狭くなっているため、指先がこの角部の位置で拭掃
用具１Ａに密着、係止してずれや回転が一層生じにくく
なり、使用状態がより安定する。また、指の先端を納め
て摺擦する部分が次第に細くなっているため、口腔内の
奥、耳や鼻の中などのような狭い部分の摺擦に際し、布
がだぶついて余るなど邪魔になることがなく、一層操作
性に優れる。更に、摺擦は主として拭掃用具１Ａの底辺
１ａに形成される折り目を中心にしたシートの内面部分
を使用して行われ、硬質化したシート接着部や用具の外
周縁あるいは角部等が拭掃対象部位と接触しないため、
口腔内粘膜を拭掃する場合でも該粘膜を傷つけることが
なく、安全である。

【００１８】摺擦部４の上記指を挿入した部分が摺擦に
より汚れたら、指の挿入方向あるいは挿入位置を変える
ことにより、摺擦部４の他の未使用部分を使用して拭掃
することができる。例えば、拭掃用具１Ａの上下を反転
させ、三角形の他の一辺に沿って指を挿入することによ
りそれを手指に装着、固定して使用することができ、こ
れにより、摺擦部４全体を無駄なく有効に使用すること
ができるため、非常に効率的であると共に経済的であ
る。

【００１９】因みに、筒状をした従来の指サック式の拭
掃用具は、両方向から指を挿入して使用することができ
るが、どちらから指を挿入しても摺擦に利用できる部分
は必然的に筒の中間の一部分だけであり、大きさの割り
には使用効率が悪く、不経済である。

【００２０】上記シート２Ａを形成する繊維素材の材質
については特に限定されるものではなく、例えば親水性
繊維であっても疎水性繊維であっても良い。しかし、用
途範囲を拡大するためには、汚れ除去効果を高める洗浄
液や肌に塗布する化粧水のような各種の水溶性液状組成
物を含浸、保持できることが好ましいため、親水性繊維
か、又は親水性繊維と疎水性繊維とを混合した繊維集合
体からなることが望ましい。

【００２１】また、シート２Ａの坪量についても特別な
制限はないが、４０ｇ／ｍ² より小さいと拭掃中に破損
し易くなり、３００ｇ／ｍ² より大きいと剛性が大きす
ぎて使用中にごわつく感じがあって使用感が悪くなるた
め、坪量は４０〜３００ｇ／ｍ² であることが望まし
い。

【００２２】更に、拭掃用具１Ａの大きさについては、
その底辺１ａの長さ、即ち四角形状をしたシート２Ａを
対角線Ｄに沿って折曲することにより形成される底辺１
ａの長さが、人の人差し指の先端から第３関節までの長
さをＬとしたとき０．７Ｌ〜１．５Ｌであることが望ま
しい。該底辺１ａの長さが０．７Ｌより小さいと、一辺
に沿って指を挿入した場合に他辺側を他の指で握持する
のが困難となり、１．５Ｌを越えると、拭掃用具１Ａが
大きくなりすぎてシートの無駄が生じ、経済性に劣る。

【００２３】一方、拭掃用具１Ａを形成するシート２Ａ
の矩形形状は、正方形や菱形など、対角線Ｄに沿って２
つに折曲したとき両部片がほぼぴったりと重なり合うよ
うな形状であることが望ましいが、必ずしも完全な矩形
である必要はなく、それに類似する実質的な矩形状であ
れば、例えば角部が切除されていても、少なくとも一部
の辺が若干湾曲していても構わない。このような矩形状
のシートを使用することにより、それを２つに折曲して
２辺において部分的に接着するという簡単な方法によ
り、廃棄部分を生じることなく拭掃用具を簡単且つ経済
的に製造することができる。

【００２４】一方、上記シート２Ａの重合した端縁同士
を接着する方法については、ヒートシール、パンチン
グ、超音波ミシンによる接着、縫合などの種々の方法を
用いることができる。

【００２５】図３Ａには本発明に係る拭掃用具の第２実
施例が示されている。この第２実施例の拭掃用具１Ｂ
は、指挿入口３を簡単に広げて指を挿入できるように、
該指挿入口３において重合するシートの端部のうちの一
方を切除したものである。この拭掃用具１Ｂは、同図Ｂ
に示すように一つの角部を予め切除したシート２Ｂを使
用し、２つに折り重ねたシート２Ｂの重合する端縁同士
を三角形の２辺において点状の接着部５により接着した
ものである。

【００２６】図４Ａには本発明に係る拭掃用具の第３実
施例が示されている。この第３実施例の拭掃用具１Ｃ
は、指挿入口３を簡単に広げて指を挿入できるように、
該指挿入口３において重合するシートの端部のうちの一
方を切除すると共に、底辺１ａの両端部を角部とならな
いように丸みを帯びた形に形成したものである。この拭
掃用具１Ｃは、同図Ｂに示すように一つの角部を予め切
除すると共に、対角線Ｄの両端の角部を丸く切り込んだ
シート２Ｃを使用し、２つに折り重ねた該シート２Ｃの
重合する端縁同士を三角形の２辺において縫合した接着
部５により相互に接着したものである。

【００２７】次に、本発明の拭掃用具の一実施例につい
て、その拭掃性能を比較例と対比しながら説明する。

【００２８】［実験方法］本発明品の実験サンプルとし
て、図１Ａに示す第１実施例の拭掃用具１Ａと同じ構成
のものを使用した。この拭掃用具は、１．５デニールの
レーヨン繊維及び０．２デニールのポリエチレン繊維、
０．２デニールのナイロン繊維からなる坪量７０ｇ／ｍ
² の不織布より、一辺７８ｍｍの正方形シートを裁断
し、それを対角線上で２つ折りにし、直角三角形の２つ
の辺において重合するシートの端縁をそれぞれ、底辺１
ａ側の端部から８ｍｍと頂角側の端部から２８ｍｍとを
残してヒートシールして得られたものである。

【００２９】上記拭掃用具に水道水を含浸させて軽く絞
り、図２に示すように指挿入口から摺擦部内に三角形の
一辺に沿って指を挿入し、該摺擦部の指が収容されてい
ない下半部を他の指で握持することにより手指に装着、
固定し、指を挿入した部分で口腔内歯牙表面を拭掃し
た。そのときの使用性を以下の５段階で評価した。その
結果を表１に示す。一方、比較例として、ガーゼハンカ
チ、清浄綿、公知の筒状指サックについて同様の評価を
した。

【００３０】評価内容５点：非常に良い４点：やや良い３点：どちらともいえない２点：やや良くない１点：非常に良くない

【００３１】表１に示すごとく、上記拭掃用具は、従来
のシート状の拭掃用具や筒状指サック等に比較して把持
性、操作性、手指装着性等の使用性に優れることが明ら
かである。

【００３２】

【表１】

【００３３】

【発明の効果】このように本発明の拭掃用具は、手指へ
の装着が簡単であると共に不時に回転することのないよ
うに適度の力で手指に固定することができ、しかも装着
後の拭掃面の変更も簡単で全面を効率よく使用すること
ができ、使用性及び経済性に優れる。また、本発明の製
造方法によれば、上記拭掃用具を特殊な抜き金型等を使
用することなく、簡単かつ低コストで製造することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】Ａは本発明に係る拭掃用具１Ａの第１実施例を
示す側面図、Ｂはこの拭掃用具１Ａの展開図である。

【図２】拭掃用具１Ａの使用方法を示す斜視図である。

【図３】Ａは本発明に係る拭掃用具１Ａの第２実施例を
示す側面図、Ｂはこの拭掃用具１Ａの展開図である。

【図４】Ａは本発明に係る拭掃用具１Ａの第３実施例を
示す側面図、Ｂはこの拭掃用具１Ａの展開図である。

【符号の説明】

１Ａ，１Ｂ，１Ｃ拭掃用具２Ａ，２Ｂ，２Ｃシート３指挿入口４摺擦部Ｄ対角線

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１１年６月１７日（１９９９．６．１
７）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２８

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２８】［実験方法］本発明品の実験サンプルとし
て、図１Ａに示す第１実施例の拭掃用具１Ａと同じ構成
のものを使用した。この拭掃用具は、１．５デニールの
レーヨン繊維及び０．２デニールのポリエステル繊維、
０．２デニールのナイロン繊維からなる坪量７０ｇ／ｍ
² の不織布より、一辺７８ｍｍの正方形シートを裁断
し、それを対角線上で２つ折りにし、直角三角形の２つ
の辺において重合するシートの端縁をそれぞれ、底辺１
ａ側の端部から８ｍｍと頂角側の端部から２８ｍｍとを
残してヒートシールして得られたものである。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】繊維シートにより袋状に形成され、１つの
指挿入口と、該指挿入口から異なる複数方向に向けて指
を挿入可能な内部が拡大した摺擦部とを有することを特
徴とする拭掃用具。
【請求項２】外形が略三角形状をしていて、１つの角部
の位置に上記指挿入口が形成されていることを特徴とす
る請求項１に記載の拭掃用具。
【請求項３】矩形状をした繊維シートを対角線に沿って
２つに折り重ね、重なり合う繊維シートの端縁同士を、
三角形の頂角部に指挿入口のための非接着部分を残して
部分的に接着することを特徴とする拭掃用具の製造方
法。