JP2000340121A - 冷陰極電界電子放出素子の検査方法、冷陰極電界電子放出表示装置用のカソード・パネルの検査方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法 - Google Patents

冷陰極電界電子放出素子の検査方法、冷陰極電界電子放出表示装置用のカソード・パネルの検査方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】欠陥電界放出素子の実質的な除去することを可
能とする冷陰極電界電子放出素子の検査方法(欠陥部除
去方法)を提供する。 【解決手段】冷陰極電界電子放出素子の検査方法は、電
子放出部26及びゲート電極24が支持体21上に形成
されて成る冷陰極電界電子放出素子を酸化性雰囲気に置
き、電子放出部26とゲート電極24との間に電圧を印
加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷陰極電界電子放
出素子の検査方法、かかる検査方法を適用した冷陰極電
界電子放出表示装置用のカソード・パネルの検査方法、
及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在主流の陰極線管(CRT)に代わる
画像表示装置として、平面型(フラットパネル形式)の
表示装置が種々検討されている。このような平面型の表
示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロル
ミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置
(PDP)を例示することができる。また、熱的励起に
よらず固体から真空中に電子を放出することが可能な冷
陰極電界電子放出表示装置、所謂フィールド・エミッシ
ョン・ディスプレイ(FED)も提案されており、高解
像度、高輝度のカラー表示、及び低消費電力の観点から
注目を集めている。
【0003】冷陰極電界電子放出表示装置(以下、表示
装置と略称する場合がある)は、一般に、2次元マトリ
クス状に配列された各画素に対応して電子放出領域が形
成された冷陰極電界電子放出表示装置用のカソード・パ
ネル(以下、カソード・パネルと略称する場合がある)
と、電子放出領域から放出された電子との衝突により励
起されて発光する蛍光体層を有するアノード・パネルと
が、真空層を介して対向配置された構成を有する。カソ
ード・パネル上に形成された各電子放出領域は、通常、
1つあるいは複数の冷陰極電界電子放出素子(以下、電
界放出素子と略称する場合がある)から構成されてい
る。
【0004】電界放出素子は、一般に、スピント型、エ
ッジ型及び平面型に分類することができる。
【0005】一例として、スピント型電界放出素子を適
用した表示装置の概念図を図1に示し、カソード・パネ
ル10及びアノード・パネル60の一部分の模式的な分
解斜視図を図2に示す。かかる表示装置を構成するスピ
ント型電界放出素子は、支持体21に形成されたカソー
ド電極22と、絶縁層23と、絶縁層23上に形成され
たゲート電極24と、ゲート電極24及び絶縁層23を
貫通して設けられた開口部25内に形成された円錐形の
電子放出電極(エミッタ電極)26から構成されてい
る。電子放出電極26が所定数、2次元マトリクス状に
配列されて、1画素を構成する電子放出領域が形成され
る。カソード電極22は、第1の方向に延びるストライ
プ状であり、ゲート電極24は、第1の方向とは異なる
第2の方向に延びるストライプ状である(図2参照)。
ストライプ状のカソード電極22とストライプ状のゲー
ト電極24とが重複する領域が、電子放出領域12に相
当する。カソード・パネル10は、支持体21、及び、
かかる複数の電子放出領域12から構成されている。
【0006】一方、アノード・パネル60は、基板61
上に所定のパターンを有する蛍光体層62(具体的に
は、図2に示すように、赤色を発光する蛍光体層62
B、緑色を発光する蛍光体層62G、及び、青色を発光
する蛍光体層62B)が形成され、蛍光体層62がアノ
ード電極63で覆われた構造を有する。尚、これらの蛍
光体層62R,62G,62Bの間は、カーボン等の光
吸収性材料から成るブラック・マトリクス64で埋め込
まれており、表示画像の色濁りが防止されている。基板
61上における蛍光体層62とアノード電極63の積層
順を上記と逆にしても構わないが、この場合には、表示
装置の観察面側から見てアノード電極63が蛍光体層6
2の手前に来るため、アノード電極63をITO(イン
ジウム・錫酸化物)等の透明導電材料にて構成する必要
がある。
【0007】走査回路からカソード電極22に電圧を印
加し、制御回路からゲート電極24に電圧を印加し、カ
ソード電極22とゲート電極24との間の電位差により
生じた電界によって電子放出部に相当する電子放出電極
26の先端から電子が放出される。そして、電子は、ア
ノード・パネル60に設けられたアノード電極63に引
き付けられ、アノード電極63と透明基板61との間に
形成された発光体層である蛍光体層62に衝突する。
尚、アノード電極63には加速電源から正の電位が加え
られる。その結果、蛍光体層62が励起されて発光し、
所望の画像を得ることができる。電界放出素子の動作
は、基本的に、ゲート電極24に印加される電圧によっ
て制御される。
【0008】図1及び図2に示した表示装置におけるス
ピント型電界放出素子の製造方法の概要を、以下、支持
体等の模式的な一部端面図である図6及び図7を参照し
ながら説明する。この製造方法は、基本的には、円錐形
の電子放出電極26を金属材料の垂直蒸着により形成す
る方法である。即ち、開口部25に対して蒸着粒子は垂
直に入射するが、開口端付近に形成されるオーバーハン
グ状の堆積物による遮蔽効果を利用して、開口部25の
底部に到達する蒸着粒子の量を漸減させ、円錐形の堆積
物である電子放出電極26を自己整合的に形成する。こ
こでは、不要なオーバーハング状の堆積物の除去を容易
とするために、ゲート電極24上に剥離層27を予め形
成しておく方法について、図6及び図7を参照して説明
する。
【0009】[工程−100]先ず、例えばガラス基板
から成る支持体21の上に、例えばポリシリコンから成
るカソード電極用導電材料層をプラズマCVD法にて製
膜した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術
に基づきカソード電極用導電材料層をパターニングして
カソード電極22を形成する。パターニングされたカソ
ード電極用導電材料層はストライプ形状を有する。その
後、全面にSiO2から成る絶縁層23をCVD法に
て、ゲート電極用導電材料層(例えば、TiN層)をス
パッタ法にて、順次製膜し、次いで、ゲート電極用導電
材料層をリソグラフィ技術及びドライエッチング技術に
てパターニングすることによってゲート電極用導電材料
層から成り、開口部25を有するゲート電極24を形成
する。パターニングされたゲート電極用導電材料層はス
トライプ形状を有する。その後、ゲート電極24をエッ
チング用マスクとして用いて、絶縁層23に、例えば直
径1μm程度の開口部25を形成する(図6の(A)参
照)。尚、ストライプ状のカソード電極用導電材料層は
第1の方向に延び、ストライプ状のゲート電極用導電材
料層は第1の方向とは異なる第2の方向に延び、例え
ば、第1の方向と第2の方向とは直角の関係にある。
【0010】[工程−110]次に、支持体21を回転
させながらゲート電極24上を含む絶縁層23上にニッ
ケル(Ni)を斜め蒸着することにより、剥離層27を
形成する(図6の(B)参照)。このとき、支持体21
の法線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選択す
ることにより(例えば、入射角65度〜85度)、開口
部25の底部にニッケルを殆ど堆積させることなく、ゲ
ート電極24の上に剥離層27を形成することができ
る。剥離層27は、開口部25の開口端から庇状に張り
出しており、これによって開口部25が実質的に縮径さ
れる。
【0011】[工程−120]次に、全面に例えば導電
材料としてモリブデン(Mo)を垂直蒸着する(入射角
3度〜10度)。このとき、図7の(A)に示すよう
に、剥離層27上でオーバーハング形状を有する導電材
料層28が成長するに伴い、開口部25の実質的な直径
が次第に縮小されるので、開口部25の底部において堆
積に寄与する蒸着粒子は、次第に開口部25の中央付近
を通過するものに限られるようになる。その結果、開口
部25の底部には円錐形の堆積物が形成され、この円錐
形の堆積物が電子放出電極26となる。
【0012】[工程−130]その後、リフト・オフ法
にて剥離層27をゲート電極24の表面から剥離し、ゲ
ート電極24の上方の導電材料層28を選択的に除去す
る(図7の(B)参照)。こうして、複数のスピント型
電界放出素子が形成されたカソード・パネルを得ること
ができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、大型の表示
装置を製造するためには、極めて清浄な処理と高い加工
精度が要求される。例えば、38万画素のカラー表示装
置を製造するためには114万の電子放出領域を形成す
る必要がある。また、スピント型電界放出素子から表示
装置を構成する場合には、1つの電子放出領域を数十乃
至千個程度のスピント型電界放出素子から構成しなけれ
ばならない。従って、数μm未満にそれぞれが近接した
数千万以上の微細な電界放出素子を作製する必要があ
る。
【0014】然るに、上述のスピント型電界放出素子の
製造工程においては、大面積の表示装置を製造するため
に大面積の支持体(例えば、ガラス基板)全体に亙って
剥離層27の剥離を行う必要があるが、かかる剥離層2
7の剥離は電界放出素子の欠陥発生の原因となる。ま
た、ドライプロセスにおいても、大面積の支持体の加工
に際して反応生成物の蓄積量が増加し、パーティクルに
より電界放出素子に欠陥が発生し易くなる。ゲート電極
24と電子放出電極26との間に導電性の異物が存在す
ると、ゲート電極24と電子放出電極26とが短絡する
結果、電界放出素子から電子が放出されなくなり、表示
装置においては暗点(滅点)が出現する。カソード・パ
ネルにおいては、通常、複数の電子放出領域が1次元的
(ストライプ状)に配列された電子放出領域列が複数並
置されているので、電界放出素子の短絡が発生すると、
かかる電界放出素子を含むストライプ状の電子放出領域
列の一列全体の完全なる表示が出来なくなる場合もあ
る。
【0015】電界放出素子製造後の異物の除去は、現
在、2−(2アミノエトキシ)エタノールを主成分とす
る清浄剤を用いた支持体全体の洗浄、純水を用いた超音
波清浄、ブラシスクラブ法等によって行われているが、
異物の完全なる除去は困難である。
【0016】また、開口部25の側面に剥離層27やそ
の剥離残渣、導電材料層28が付着したままの状態にな
ると、ゲート電極24と電子放出電極26とが短絡する
結果、電界放出素子から電子が放出されなくなり、表示
装置においては暗点(滅点)が出現する。
【0017】尚、以下、ゲート電極24と電子放出電極
26との間に導電性の異物が存在し、ゲート電極24と
電子放出電極26とが短絡している状態の電界放出素
子、及び、開口部25の側面に剥離層27やその剥離残
渣、導電材料層28が付着したままの状態になり、ゲー
ト電極24と電子放出電極26とが短絡している状態の
電界放出素子を総称して、欠陥電界放出素子と呼び、こ
れらの状態を欠陥部と呼ぶ。
【0018】従って、本発明の目的は、欠陥電界放出素
子の実質的な除去することを可能とする冷陰極電界電子
放出素子の検査方法(欠陥部除去方法)、かかる検査方
法を適用した冷陰極電界電子放出表示装置用のカソード
・パネルの検査方法(欠陥部状方法)、及び、冷陰極電
界電子放出表示装置の製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の冷陰極電界電子放出素子の検査方法は、電
子放出部及びゲート電極が支持体上に形成されて成る冷
陰極電界電子放出素子を酸化性雰囲気に置き、電子放出
部とゲート電極との間に電圧を印加することを特徴とす
る。
【0020】上記の目的を達成するための本発明の冷陰
極電界電子放出表示装置用のカソード・パネルの検査方
法は、支持体上に電子放出部及びゲート電極から成る冷
陰極電界電子放出素子が形成されたカソード・パネルを
酸化性雰囲気に置き、電子放出部とゲート電極との間に
電圧を印加することを特徴とする。
【0021】上記の目的を達成するための本発明の冷陰
極電界電子放出表示装置の製造方法は、複数の画素から
構成され、各画素は、カソード・パネルに設けられた冷
陰極電界電子放出素子と、冷陰極電界電子放出素子に対
向してアノード・パネル上に設けられたアノード電極及
び蛍光体層とから構成された冷陰極電界電子放出表示装
置の製造方法であって、(イ)電子放出部及びゲート電
極から成る冷陰極電界電子放出素子を形成し、以て、支
持体及び冷陰極電界電子放出素子から構成されたカソー
ド・パネルを得る工程と、(ロ)該カソード・パネルと
アノード・パネルとを張り合わせる工程と、(ハ)張り
合わされたカソード・パネルとアノード・パネルとによ
って形成された空間を酸化性雰囲気とし、電子放出部と
ゲート電極との間に電圧を印加する工程と、(ニ)張り
合わされたカソード・パネルとアノード・パネルとによ
って形成された空間を排気し、所望の真空状態とする工
程、から成ることを特徴とする。
【0022】本発明の冷陰極電界電子放出素子の検査方
法、冷陰極電界電子放出表示装置用のカソード・パネル
の製造方法、及び冷陰極電界電子放出表示装置の製造方
法(これらを総称して、単に、本発明と呼ぶ場合があ
る)においては、冷陰極電界電子放出素子(以下、単
に、電界放出素子と呼ぶ)あるいはカソード・パネルを
酸化性雰囲気に置き、電子放出部とゲート電極との間に
電圧を印加することにより、放出部とゲート電極との間
が短絡状態にあるとき、電子放出部及び/又はゲート電
極を構成する材料の少なくとも一部を酸化し、以て、電
子放出部とゲート電極との間を不導電状態とすることが
好ましい。
【0023】本発明においては、酸化性雰囲気に置かれ
た電子放出部とゲート電極との間に電圧を印加する。欠
陥部が存在する場合には電子放出部とゲート電極との間
に電流が流れる結果、欠陥部近傍の電子放出部及び/又
はゲート電極が発熱し、電子放出部及び/又はゲート電
極を構成する材料が化学変化を起こし、電子放出部とゲ
ート電極との間が不導電状態となる。それ故、欠陥部
(欠陥電界放出素子)が実質的に除去される結果、かか
る欠陥電界放出素子を含む電子放出部あるいはストライ
プ状の電子放出部列の一列全体の完全なる表示が出来な
くなるといった問題の発生を回避することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0025】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
の電子放出素子の検査方法(電子放出素子の製造方法に
包含される)、表示装置用のカソード・パネルの検査方
法(カソード・パネルの製造方法に包含される)、及び
表示装置の製造方法に関する。実施の形態1において
は、1つの電子放出領域12は、複数(例えば、数十乃
至千個程度)のスピント型電界放出素子から構成されて
いる。この表示装置の概念図を図1に示し、カソード・
パネル10及びアノード・パネル60の一部分の模式的
な分解斜視図を図2に示す。また、カソード・パネル1
0の模式的な部分的斜視図を図3の(A)に示し、カソ
ード電極22、ゲート電極24、電子放出電極26等の
配置を示すための分解斜視図を図3の(B)に示す。
尚、図3の(B)においては、支持体や絶縁層等の図示
を省略している。
【0026】スピント型電界放出素子の構造は、図7の
(B)に示したとおりである。即ち、スピント型電界放
出素子は、(A)支持体21上に形成されたカソード電
極22、(B)カソード電極22上を含む支持体21上
に形成された絶縁層23、(C)絶縁層23上に形成さ
れたゲート電極24、(D)ゲート電極24及び絶縁層
23を貫通した開口部25、並びに、(E)開口部25
の底部に位置するカソード電極22上に形成された錐状
形状を有する電子放出電極26、から構成されており、
電子放出電極26が電子放出部に相当する。即ち、電子
放出電極26の先端部から電子が放出される。スピント
型電界放出素子の基本的な製造方法は、図6及び図7を
参照して、[工程−100]〜[工程−130]にて先
に説明したとおりである。また、カソード・パネル10
及びアノード・パネル60の基本的な構成は、図1及び
図2を参照して先に説明したとおりである。
【0027】スピント型電界放出素子にあっては、ゲー
ト電極24及び/又は電子放出電極26は、電子放出電
極26とゲート電極24との間が短絡状態にあるとき、
酸化性雰囲気において電子放出電極26とゲート電極2
4との間に電圧を印加することにより、少なくとも一部
が酸化され、以て、電子放出電極26とゲート電極24
との間が不導電状態となるような材料から構成されてい
ることが望ましい。一部の酸化は、ゲート電極24のみ
であってもよいし、電子放出電極26のみであってもよ
いし、ゲート電極24と電子放出電極26の両方であっ
てもよい。電子放出電極26は全体が酸化されてもよい
し、一部分が酸化されてもよい。
【0028】ストライプ状にパターニングされたカソー
ド電極用導電材料層22A(図3の(A)には1つのみ
を点線で示す)に、電子放出領域12を構成するスピン
ト型電界放出素子のカソード電極22が所望の数だけ存
在している。具体的には、ストライプ状のカソード電極
用導電材料層22Aそれ自体がカソード電極22に相当
し、開口部25の底部に位置するカソード電極用導電材
料層22Aの領域がカソード電極22に該当する。ま
た、ストライプ状にパターニングされたゲート電極用導
電材料層24Aに、電子放出領域12を構成するスピン
ト型電界放出素子のゲート電極24が所望の数だけ存在
している。具体的には、ストライプ状のゲート電極用導
電材料層24Aそれ自体がゲート電極24に相当し、開
口部25の近傍に位置するゲート電極用導電材料層24
Aの領域がゲート電極24に該当する。そして、ストラ
イプ状のカソード電極用導電材料層22Aとストライプ
状のゲート電極用導電材料層24Aとが重複する領域
が、各電子放出領域12に相当する。ストライプ状のカ
ソード電極用導電材料層22Aの延びる方向(第1の方
向とする)と、ストライプ状のゲート電極用導電材料層
24Aの延びる方向(第2の方向とする)とは異なる。
第2の方向は、第1の方向に対して直角であることが好
ましい。
【0029】図4の(A)に示すように、電子放出部に
相当する電子放出電極26とゲート電極24との間が短
絡状態にある電界放出素子が存在するとする。即ち、電
子放出電極26とゲート電極24との間に導電性の異物
30がある電界放出素子が存在するとする。このような
場合、複数の電子放出領域が1次元的(ストライプ状)
に配列されているので、即ち、電界放出素子があたかも
並列に接続された状態となっているので、カソード電極
22とゲート電極24との間が短絡状態にあると、最悪
の場合、かかる電界放出素子を含むストライプ状の電子
放出領域列の一列全体の完全なる表示が出来なくなる場
合がある。
【0030】実施の形態1においては、カソード電極2
2、電子放出電極26及びゲート電極24は、タングス
テンから作製されている。電子放出部である電子放出電
極26、及びゲート電極24が支持体21上に形成され
て成る冷陰極電界電子放出素子を酸化性雰囲気に置く。
具体的には、酸素ガスを含有するアルゴンガス雰囲気が
形成されたチャンバー内に、カソード・パネル10を置
く。そして、電子放出部とゲート電極との間に電圧を印
加する。即ち、電子放出電極26が接続されたカソード
電極22とゲート電極24との間に電圧を印加する。具
体的には、例えば1つのストライプ状のカソード電極用
導電材料層22Aの一端に電圧を印加した状態で、ゲー
ト電極用導電材料層24Aに順次、電圧を印加し、全て
のゲート電極用導電材料層24Aに対して係る操作が終
わったならば、次のカソード電極用導電材料層22Aに
電圧を印加した状態で、ゲート電極用導電材料層24A
に順次、電圧を印加し、全てのゲート電極用導電材料層
24Aに対して係る操作が終わったならば、次のカソー
ド電極用導電材料層22Aに電圧を印加するといった操
作を、全てのカソード電極用導電材料層22Aに対して
繰り返す。尚、これとは逆に、例えば、1つにゲート電
極用導電材料層24Aに電圧を印加した状態で、カソー
ド電極用導電材料層22Aに順次、電圧を印加し、全て
のカソード電極用導電材料層22Aに対して係る操作が
終わったならば、次のゲート電極用導電材料層24Aに
電圧を印加した状態で、カソード電極用導電材料層22
Aに順次、電圧を印加し、全てのカソード電極用導電材
料層22Aに対して係る操作が終わったならば、次のゲ
ート電極用導電材料層24Aに電圧を印加するといった
操作を、全てのゲート電極用導電材料層24Aに対して
繰り返してもよい。
【0031】尚、カソード電極用導電材料層22A及び
ゲート電極用導電材料層24Aに印加する電圧は、走査
用電圧及び制御用電圧に限定されない。要は、電子放出
部である電子放出電極26とゲート電極24との間が短
絡状態にあるとき、電子放出電極26及び/又はゲート
電極24を構成する材料の少なくとも一部が酸化され、
以て、電子放出電極26とゲート電極24との間が不導
電状態となるような電圧であればよい。場合によって
は、電子放出領域12の抵抗値や異常発熱を測定して短
絡の有無を検査する配線短絡試験を予め行い、欠陥電界
放出素子を含む電子放出領域12に対してのみ、電子放
出電極26及び/又はゲート電極24を構成する材料の
少なくとも一部が酸化され、以て、電子放出電極26と
ゲート電極24との間が不導電状態となるような電圧を
印加してもよい。
【0032】電子放出電極26とゲート電極24との間
が短絡状態にある電界放出素子にあっては電流が流れる
結果、電子放出電極26及び/又はゲート電極24が発
熱し、酸化され、電子放出電極26及び/又はゲート電
極24は不導電状態となる。この状態を図4の(B)に
模式的に示すが、参照番号26Aは酸化された電子放出
電極を示し、参照番号24Bはゲート電極の酸化された
部分を示す。以上の結果、電子放出電極26とゲート電
極24との間の短絡状態が解消され、欠陥部が実質的に
除去される結果、かかる電界放出素子を含むストライプ
状の電子放出領域列の一列全体の完全なる表示が出来な
くなるといった問題の発生を回避することができる。
尚、電子放出電極26あるいはゲート電極24のどちら
が酸化されるか、若しくは両方が酸化されるかは、更に
は、電子放出電極26やゲート電極24がどの程度、酸
化されるかは、電子放出電極26とゲート電極24を構
成する材料、カソード電極用導電材料層22A及びゲー
ト電極用導電材料層24Aに印加する電圧、酸化性雰囲
気の条件等に依存する。
【0033】場合によっては、図5の(A)に模式的に
示すように、開口部25の側面に剥離層やその剥離残
渣、導電材料層が付着したままの状態になっている場合
がある。尚、図5の(A)においては、これらを導電性
薄膜31で表す。このような状態にあっても、ゲート電
極24と電子放出電極26とが短絡状態となる。この場
合にも、電子放出部である電子放出電極26、及びゲー
ト電極24が支持体21上に形成されて成る冷陰極電界
電子放出素子を酸化性雰囲気に置く。具体的には、酸素
ガスを含有するアルゴンガス雰囲気が形成されたチャン
バー内に、カソード・パネル10を置く。そして、電子
放出部とゲート電極との間に電圧を印加する。具体的に
は、電子放出電極26が接続されたカソード電極22と
ゲート電極24との間に電圧を印加する。電子放出電極
26とゲート電極24との間が短絡状態にある電界放出
素子にあっては電流が流れる結果、電子放出電極26及
び/又はゲート電極24が発熱し、酸化され、電子放出
電極26及び/又はゲート電極24は不導電状態とな
る。この状態を図5の(B)に模式的に示す。以上の結
果、電子放出電極26とゲート電極24との間の短絡状
態が解消され、欠陥部が実質的に除去される結果、かか
る電界放出素子を含むストライプ状の電子放出領域列の
一列全体の完全なる表示が出来なくなるといった問題の
発生を回避することができる。
【0034】こうして電子放出素子の検査(欠陥部除
去)が完了し、あるいは又、表示装置用のカソード・パ
ネルの検査(欠陥部除去)が完了する。次いで、かかる
電界放出素子が多数形成されたカソード・パネル10を
アノード・パネル60と組み合わせることにより、表示
装置を作製する。具体的には、セラミックスやガラス、
石英から作製された高さ約1mmの枠体を用意し、枠体
とアノード・パネル60、及び枠体とカソード・パネル
10との間にフリットガラスから成るシール材を塗布し
ておき、かかるシール材を乾燥した後、約450゜Cで
10〜30分焼成すればよい。その後、表示装置の内部
を10-4Pa程度の真空度となるまで排気し、適当な方
法で封止する。
【0035】尚、電界放出素子の検査(欠陥部除去)
を、表示装置を作製した後に行ってもよい。即ち、電子
放出部である電子放出電極26及びゲート電極24から
成るスピント型電界放出素子を形成して、支持体21及
びスピント型電界放出素子から構成されたカソード・パ
ネル10を得た後、カソード・パネル10とアノード・
パネル60とを上述の方法にて張り合わせる。そして、
張り合わされたカソード・パネル10とアノード・パネ
ル60と枠体によって形成された空間を酸化性雰囲気
(例えば、酸素ガスを含有するアルゴンガス雰囲気)と
し、電子放出部である電子放出電極26とゲート電極2
4との間に電圧を印加する。電圧の印加方法は前述と同
様とすればよい。その結果、電子放出電極26とゲート
電極24との間が短絡状態にある電界放出素子にあって
は電流が流れ、電子放出電極26及び/又はゲート電極
24が発熱し、酸化され、電子放出電極26及び/又は
ゲート電極24は不導電状態となる。あるいは又、開口
部25の側面に剥離層やその剥離残渣、導電材料層が付
着したままの状態になっている場合にあっても、かかる
電界放出素子にあっては電流が流れる結果、電子放出電
極26及び/又はゲート電極24が発熱し、酸化され、
電子放出電極26及び/又はゲート電極24は不導電状
態となる。以上の結果、電子放出電極26とゲート電極
24との間の短絡状態が解消され、欠陥部が実質的に除
去される結果、かかる電界放出素子を含むストライプ状
の電子放出領域列の一列全体の完全なる表示が出来なく
なるといった問題の発生を回避することができる。
【0036】尚、表示装置の組立後におけるカソード電
極22及びゲート電極24に印加する電圧は、走査用電
圧及び制御用電圧に限定されない。要は、電子放出部で
ある電子放出電極26とゲート電極24との間が短絡状
態にあるとき、電子放出電極26及び/又はゲート電極
24を構成する材料の少なくとも一部が酸化され、以
て、電子放出電極26とゲート電極24との間が不導電
状態となるような電圧であればよい。場合によっては、
電子放出領域12の抵抗値や異常発熱を測定して短絡の
有無を検査する配線短絡試験を予め行い、欠陥電界放出
素子を含む電子放出領域12に対してのみ、電子放出電
極26及び/又はゲート電極24を構成する材料の少な
くとも一部が酸化され、以て、電子放出電極26とゲー
ト電極24との間が不導電状態となるような電圧を印加
してもよい。
【0037】その後、張り合わされたカソード・パネル
10とアノード・パネル60と枠体によって形成された
空間を排気し、所望の真空状態とし、適当な方法で封止
すれば、表示装置が完成する。
【0038】(実施の形態2)実施の形態2は実施の形
態1の変形であり、スピント型電界放出素子の構造及び
製造工程が、実施の形態1における電界放出素子と異な
っている。実施の形態2におけるスピント型電界放出素
子の構造は、図8に模式的な一部端面図を示すように、
密着層40が形成されている点を除き、実質的に実施の
形態1のスピント型電界放出素子と同じである。尚、電
子放出素子の検査方法、表示装置用のカソード・パネル
の検査方法、及び表示装置の製造方法に関しては、実質
的に実施の形態1と同じとすることができるので、詳細
な説明は省略する。
【0039】図8に示したスピント型電界放出素子の製
造方法を、以下、支持体等の模式的な一部端面図である
図9〜図11を参照して説明するが、このスピント型電
界放出素子は、基本的には、以下の工程に基づき作製さ
れる。即ち、 (a)支持体21上にカソード電極22を形成する工程 (b)カソード電極22上を含む支持体21上に絶縁層
23を形成する工程 (c)絶縁層23上にゲート電極24を形成する工程 (d)底部にカソード電極22が露出した開口部25
を、少なくとも絶縁層23に形成する工程 (e)開口部25内を含む全面に電子放出電極形成用の
導電材料層41を形成する工程 (f)開口部25の中央部に位置する導電材料層41の
領域を遮蔽するように、マスク材料層42を導電材料層
41上に形成する工程 (g)導電材料層41の支持体21に対して垂直な方向
におけるエッチング速度がマスク材料層42の支持体に
対して垂直な方向におけるエッチング速度よりも速くな
る異方性エッチング条件下で導電材料層41とマスク材
料層42とをエッチングすることにより、導電材料層4
1から成り、先端部が錐状形状を有する電子放出電極2
6を開口部25内に形成する工程
【0040】[工程−200]先ず、例えばガラス基板
上に厚さ約0.6μmのSiO2層を形成して成る支持
体21上に、クロム(Cr)から成るカソード電極22
を設ける。具体的には、支持体21上に、例えばスパッ
タ法やCVD法にてクロムから成るカソード電極用導電
材料層を堆積させ、かかるカソード電極用導電材料層を
パターニングすることによって、複数のカソード電極2
2を含む、行方向に平行に延びるストライプ状のカソー
ド電極用導電材料層を形成することができる。カソード
電極用導電材料層の幅を例えば50μm、カソード電極
用導電材料層間スペースを例えば30μmとする。その
後、カソード電極22、カソード電極用導電材料層上を
含む支持体21上に、SiO2から成る絶縁層23をプ
ラズマCVD法にて形成する。原料ガスとしてTEOS
(テトラエトキシシラン)を使用する場合のCVD条件
を、以下の表1に例示する。絶縁層23の厚さを約1μ
mとする。次に、絶縁層23上の全面にクロムから成る
ゲート電極用導電材料層をスパッタ法にて製膜し、ゲー
ト電極用導電材料層のパターニングを行う。これによっ
て、複数のゲート電極24を含む、列方向、即ちカソー
ド電極用導電材料層と直交する方向に平行に延びるスト
ライプ状のゲート電極用導電材料層を得ることができ
る。ゲート電極用導電材料層のスパッタ条件を以下の表
2に例示する。また、ゲート電極用導電材料層のパター
ニングを行うためのエッチング条件を、以下の表3に例
示する。
【0041】[表1] [絶縁層23の形成条件] TEOS流量:800SCCM O2流量 :600SCCM 圧力 :1.1kPa RFパワー :0.7kW(13.56MHz) 製膜温度 :40°C
【0042】[表2] [ゲート電極用導電材料層の形成条件] Ar流量 :100SCCM 圧力 :5Pa DCパワー :2kW スパッタ温度:200°C
【0043】[表3] [ゲート電極用導電材料層のエッチング条件] Cl2流量 :100SCCM O2流量 :100SCCM 圧力 :0.7Pa RFパワー :0.8kW(13.56MHz) エッチング温度:60°C
【0044】次に、カソード電極用導電材料層とゲート
電極用導電材料層との重複領域、即ち、1画素領域にお
いて、ゲート電極用導電材料層と絶縁層23とを貫通す
る開口部25を形成する。開口部25の平面形状は、例
えば、直径0.3μmの円形である。開口部25は、通
常、1画素領域に数百乃至千個程度形成される。開口部
25を形成するには、通常のフォトリソグラフィ技術に
より形成されたレジスト層をマスクとして、先ず、塩素
系のエッチングガスを用いたRIE(反応性イオン・エ
ッチング)法によりゲート電極用導電材料層に開口部を
形成し、続いて、フルオロカーボン系のエッチングガス
を用いたRIE法により絶縁層23に開口部を形成す
る。ゲート電極用導電材料層に開口部25を形成する際
のRIE条件は、例えば表3に示したと同様とすればよ
い。絶縁層23に開口部25を形成する際のRIE条件
を、以下の表4に例示する。RIE終了後のレジスト層
をアッシングにより除去する。アッシング条件を以下の
表5に例示する。このようにして、図9の(A)に示す
構造を得ることができる。
【0045】[表4] [開口部25の形成条件] エッチング装置:平行平板型RIE装置 C48流量 :30SCCM CO流量 :70SCCM Ar流量 :300SCCM 圧力 :7.3Pa RFパワー :1.3kW(13.56MHz) エッチング温度:20°C
【0046】[表5] [アッシング条件] O2流量 :1200SCCM 圧力 :75Pa RFパワー :1.3kW(13.56MHz) アッシング温度:300°C
【0047】[工程−210]次に、全面に密着層40
をスパッタ法にて形成する(図9の(B)参照)。この
密着層40は、ゲート電極用導電材料層の非形成部や開
口部25の側壁面に露出している絶縁層23と、次の工
程で全面的に製膜される導電材料層41との間の密着性
を高めるために設けられる層である。導電材料層41を
タングステンで形成することを前提とし、タングステン
から成る密着層40を、DCスパッタ法により0.07
μmの厚さに形成する。このときのスパッタ条件を以下
の表6に例示する。
【0048】[表6] [密着層40の形成条件] Ar流量 :100SCCM 圧力 :0.67Pa RFパワー :3kW(13.56MHz) スパッタ温度:200°C
【0049】[工程−220]次に、開口部25内を含
む全面に、厚さ約0.6μmのタングステンから成る電
子放出電極形成用の導電材料層41を水素還元減圧CV
D法により形成する(図10の(A)参照)。製膜条件
を以下の表7に例示する。製膜された導電材料層41の
表面には、開口部25の上端面と底面との間の段差を反
映した凹部41Aが形成される。
【0050】[表7] [導電材料層41の形成条件] WF6流量:95SCCM H2流量 :700SCCM 圧力 :1.2×104Pa 製膜温度 :430゜C
【0051】[工程−230]次に、開口部25の中央
部に位置する導電材料層41の領域(具体的には凹部4
1A)を遮蔽するようにマスク材料層42を形成する。
具体的には、先ず、ピンコート法により厚さ0.35μ
mのレジスト層をマスク材料層42として導電材料層4
1の上に形成する(図10の(B)参照)。マスク材料
層42は、導電材料層41の凹部41Aを吸収し、ほぼ
平坦な表面となる。次に、マスク材料層42を酸素系ガ
スを用いたRIE法によりエッチングする。このときの
RIE条件を以下の表8に例示する。このエッチング
は、導電材料層41の平坦面が露出した時点で終了す
る。これにより、導電材料層41の凹部41Aを平坦に
埋め込むようにマスク材料層42が残る(図11の
(A)参照)。
【0052】[表8] [マスク材料層42のエッチング条件] O2流量 :100SCCM 圧力 :5.3Pa RFパワー :0.7kW(13.56MHz) エッチング温度:20°C
【0053】[工程−240]次に、導電材料層41と
マスク材料層42と密着層40とをエッチングし、円錐
形状の電子放出電極26を形成する(図11の(B)参
照)。これらの層のエッチングは、導電材料層41のエ
ッチング速度がマスク材料層42のエッチング速度より
も速くなる異方性エッチング条件下で行う。エッチング
条件を以下の表9に例示する。
【0054】[表9] [導電材料層41等のエッチング条件] SF6流量 :150SCCM O2流量 :30SCCM Ar流量 :90SCCM 圧力 :35Pa RFパワー:0.7kW(13.56MHz)
【0055】[工程−250]その後、等方的なエッチ
ング条件にて開口部25の内部において絶縁層23に設
けられた開口部の側壁面を後退させると、図8に示した
電界放出素子が完成される。等方的なエッチングは、ケ
ミカルドライエッチングのようにラジカルを主エッチン
グ種として利用するドライエッチング、あるいは、エッ
チング液を利用するウェットエッチングにより行うこと
ができる。エッチング液として、例えば49%フッ酸水
溶液と純水の1:100(容積比)混合液を用いること
ができる。
【0056】ここで、[工程−240]において、電子
放出電極26が形成される機構について、図12を参照
して説明する。図12の(A)は、エッチングの進行に
伴って、被エッチング物の表面プロファイルが一定時間
毎にどのように変化するかを示す模式図であり、図12
の(B)は、エッチング時間と開口部中心における被エ
ッチング物の厚さとの関係を示すグラフである。開口部
中心におけるマスク材料層の厚さをhp、開口部中心に
おける電子放出電極26の高さをheとする。
【0057】表9に示したエッチング条件では、レジス
ト材料から成るマスク材料層42のエッチング速度より
も、導電材料層41のエッチング速度の方が当然速い。
マスク材料層42が存在しない領域では、導電材料層4
1が直ぐにエッチングされ始め、被エッチング物の表面
が速やかに下降してゆく。これに対して、マスク材料層
42が存在する領域では、最初にマスク材料層42が除
去されないとその下の導電材料層41のエッチングが始
まらないので、マスク材料層42がエッチングされてい
る間は被エッチング物の厚さの減少速度は遅く(hp
少区間)、マスク材料層42が消失した時点で初めて、
被エッチング物の厚さの減少速度がマスク材料層42の
存在しない領域と同様に速くなる(he減少区間)。hp
減少区間の開始時期は、マスク材料層42が厚さが最大
となる開口部25の中心で最も遅く、マスク材料層42
の薄い開口部25の周辺に向かって早くなる。このよう
にして、円錐形状の電子放出電極26が形成される。
【0058】レジスト材料から成るマスク材料層42の
エッチング速度に対する導電材料層41のエッチング速
度の比を、「対レジスト選択比」と称することにする。
この対レジスト選択比が、電子放出電極26の高さと形
状を決定する重要な因子であることを、図13を参照し
て説明する。図13の(A)は、対レジスト選択比が相
対的に小さい場合、図13の(C)は、対レジスト選択
比が相対的に大きい場合、図13の(B)はこれらの中
間である場合の、電子放出電極26の形状を示してい
る。対レジスト選択比が大きいほど、マスク材料層42
の膜減りに比べて導電材料層41の膜減りが激しくなる
ので、電子放出電極26はより高く、且つ鋭くなること
が判る。対レジスト選択比は、SF6流量に対するO2
量の割合を高めると低下する。また、基板バイアスを併
用してイオンの入射エネルギーを変化させることが可能
なエッチング装置を用いる場合には、RFバイアスパワ
ーを高めたり、バイアス印加用の交流電源の周波数を下
げることで、対レジスト選択比を下げることができる。
対レジスト選択比の値は1.5以上、好ましくは2以
上、より好ましくは3以上に選択される。
【0059】尚、上記のエッチングにおいては当然、ゲ
ート電極24やカソード電極22に対して高い選択比を
確保する必要があるが、表9に示した条件で全く問題は
ない。なぜなら、ゲート電極24とカソード電極22を
構成するクロムは、フッ素系のエッチング種では殆どエ
ッチングされず、上記の条件であれば、概ね10以上の
対クロム選択比が得られるからである。
【0060】実施の形態2においては、電界放出素子あ
るいはカソード・パネル10を酸化性雰囲気に置き、電
子放出部とゲート電極との間に電圧を印加することによ
り、電子放出部とゲート電極との間が短絡状態にあると
き、電子放出部及び/又はゲート電極を構成する材料の
少なくとも一部が酸化され、以て、電子放出部とゲート
電極との間が不導電状態となる。ここで、電子放出電極
26及び密着層40が電子放出部に相当する。尚、電子
放出電極26、密着層40及びゲート電極24のいずれ
が酸化されるかは、更には、電子放出電極26や、密着
層40、ゲート電極24がどの程度、酸化されるかは、
電子放出電極26、密着層40及びゲート電極24を構
成する材料、カソード電極用導電材料層22A及びゲー
ト電極用導電材料層24Aに印加する電圧、酸化性雰囲
気の条件等に依存する。
【0061】(実施の形態3)実施の形態3は実施の形
態2の変形である。実施の形態3においては、マスク材
料層により遮蔽される導電材料層の領域を、実施の形態
2における製造方法におけるよりも狭くすることが可能
である。即ち、実施の形態3のスピント型電界放出素子
の製造方法においては、開口部の上端面と底面との間の
段差を反映して、柱状部とこの柱状部の上端に連通する
拡大部とから成る略漏斗状の凹部を導電材料層の表面に
生成させ、工程(f)において、導電材料層の全面にマ
スク材料層を形成した後、マスク材料層と導電材料層と
を支持体の表面に対して平行な面内で除去することによ
り、柱状部にマスク材料層を残す。尚、電子放出素子の
検査方法、表示装置用のカソード・パネルの検査方法、
及び表示装置の製造方法に関しては、実質的に実施の形
態1と同じとすることができるので、詳細な説明は省略
する。
【0062】以下、実施の形態3におけるスピント型電
界放出素子の製造方法を、支持体等の模式的な一部端面
図である図14〜図16を参照して説明する。
【0063】[工程−300]先ず、支持体21上にカ
ソード電極22を形成する。カソード電極22を含むカ
ソード電極用導電材料層は、例えば以下の表10に例示
する条件に基づくDCスパッタ法により、TiN層(厚
さ0.1μm)、Ti層(厚さ5nm)、Al−Cu層
(厚さ0.4μm)、Ti層(厚さ5nm)、TiN層
(厚さ0.02μm)及びTi層(0.02μm)をこ
の順に積層して積層膜を形成し、続いてこの積層膜をパ
ターニングして形成する。尚、図ではカソード電極22
を単層として表した。次に、支持体21とカソード電極
22の上に、絶縁層23を形成する。絶縁層23は、T
EOS(テトラエトキシシラン)を原料ガスとするプラ
ズマCVD法により、0.7μmの厚さに形成する。次
いで、絶縁層23の上にゲート電極24を含むゲート電
極用導電材料層は、スパッタ法により形成された厚さ
0.1μmのTiN層をパターニングすることによって
形成される。TiN層のパターニングは以下の表11に
例示する条件のRIE法によって行うことができる。
【0064】[表10] [Ti層、TiN層の形成条件] Ar流量 :30SCCM N2流量 :60SCCM(TiN層の製膜時のみ) 圧力 :0.67Pa DCパワー :3kW スパッタ温度:200°C
【0065】[表11] [TiN層のエッチング条件] エッチング装置:平行平板型RIE装置 BCl3流量 :30SCCM Cl2流量 :70SCCM 圧力 :7Pa RFパワー :1.3kW(13.56MHz) エッチング温度:60°C
【0066】更に、全面に例えば SiO2から成る厚さ
0.2μmのエッチング停止層43を形成する。エッチ
ング停止層43は、電界放出素子の機能上不可欠な部材
ではなく、後工程で行われる導電材料層41のエッチン
グ時に、ゲート電極24を保護する役割を果たす。エッ
チング停止層43の形成条件は、表1に示したと同様と
することができる。尚、導電材料層41のエッチング条
件に対してゲート電極24が十分に高いエッチング耐性
を持ち得る場合には、エッチング停止層43を省略して
も構わない。その後、RIE法により、エッチング停止
層43、ゲート電極24、絶縁層23を貫通し、底部に
カソード電極22が露出した開口部25を形成する。エ
ッチング停止層43と絶縁層23のRIE条件は、表4
に示したと同様とすることができる。ゲート電極24の
RIE条件を以下の表12に例示する。このようにし
て、図14の(A)に示す状態が得られる。
【0067】[表12] [ゲート電極24のエッチング条件] Cl2流量 :30SCCM Ar流量 :300SCCM 圧力 :5.3Pa RFパワー :0.7kW(13.56MHz) エッチング温度:20°C
【0068】[工程−310]次に、開口部25内を含
む全面に、例えば厚さ0.03μmのタングステンから
成る密着層40を形成する(図14の(B)参照)。次
いで、開口部25内を含む全面に電子放出電極形成用の
導電材料層41を形成する。但し、実施の形態3におけ
る導電材料層41は、実施の形態2で述べた凹部41A
よりも深い凹部41Aが表面に生成されるように、導電
材料層41の厚さを選択する。即ち、導電材料層41の
厚さを適切に設定することによって、開口部25の上端
面と底面との間の段差を反映して、柱状部41Bとこの
柱状部41Bの上端に連通する拡大部41Cとから成る
略漏斗状の凹部41Aを導電材料層41の表面に生成さ
せることができる。
【0069】[工程−320]次に、導電材料層41の
全面に、例えば無電解メッキ法により、厚さ約0.5μ
mの銅(Cu)から成るマスク材料層42を形成する
(図15の(A)参照)。無電解メッキ条件を以下の表
13に例示する。
【0070】 [表13] メッキ液 :硫酸銅(CuSO4・5H2O) 7g/リットル ホルマリン(37%HCHO) 20ml/リットル 水酸化ナトリウム(NaOH) 10g/リットル 酒石酸ナトリウムカリウム 20g/リットル メッキ浴温度:50゜C
【0071】[工程−330]次に、マスク材料層42
と導電材料層41とを支持体21の表面に対して平行な
面内で除去することにより、柱状部41Bにマスク材料
層42を残す(図15の(B)参照)。この除去は、例
えば以下の表14に例示する条件に基づき化学的機械的
研磨法(CMP法)により行うことができる。
【0072】 [表14] 支持体押圧圧力 :3.4×104Pa(=5psi) デルタ圧力 :0Pa 定盤回転数 :280rpm 支持体保持台回転数:16rpm スラリー流量 :150ml/分
【0073】[工程−340]次に、導電材料層41と
密着層40のエッチング速度がマスク材料層42のエッ
チング速度よりも速くなる異方性エッチング条件下で、
導電材料層41とマスク材料層42と密着層40とを、
以下の表15に例示する条件にてエッチングする。その
結果、開口部25内に錐状形状を有する電子放出電極2
6が形成される(図16の(A)参照)。尚、電子放出
電極26の先端部にマスク材料層42が残存する場合に
は、希フッ酸水溶液を用いたウェットエッチングにより
マスク材料層42を除去することができる。
【0074】 [表15] [導電材料層41等のエッチング条件] エッチング装置 :有磁場マイクロ波プラズマエッチング装置 SF6流量 :100SCCM Cl2流量 :100SCCM Ar流量 :300SCCM 圧力 :3Pa マイクロ波パワー :1.1kW(2.45GHz) RFバイアスパワー:40W(13.56MHz) 上段コイル電流 :13A 中段コイル電流 :17A 下段コイル電流 :5.5A エッチング温度 :−40°C
【0075】[工程−350]その後、等方的なエッチ
ング条件で開口部25の内部において絶縁層23に設け
られた開口部の側壁面を後退させると、図16の(B)
に示す電界放出素子が完成される。等方的なエッチング
については、実施の形態2で説明したと同様とすればよ
い。かかる電界放出素子を用いて、実施の形態1で述べ
たと同様に表示装置を構成することができる。
【0076】ところで、実施の形態3で形成された電子
放出電極26においては、実施の形態2で形成された電
子放出電極26に比べ、より鋭い錐状形状が達成されて
いる。これは、マスク材料層42の形状と、マスク材料
層42のエッチング速度に対する導電材料層41のエッ
チング速度の比の違いに起因する。この違いについて、
図17を参照しながら説明する。図17は、被エッチン
グ物の表面プロファイルが一定時間毎にどのように変化
するかを示す図であり、図17の(A)は銅から成るマ
スク材料層42を用いた場合、図17の(B)はレジス
ト材料から成るマスク材料層42を用いた場合をそれぞ
れ示す。尚、簡略化のために導電材料層41のエッチン
グ速度と密着層40のエッチング速度とをそれぞれ等し
いものと仮定し、図17においては密着層40の図示を
省略する。
【0077】銅から成るマスク材料層42を用いた場合
(図17の(A)参照)は、マスク材料層42のエッチ
ング速度が導電材料層41のエッチング速度に比べて十
分に遅いために、エッチング中にマスク材料層42が消
失することがなく、従って、先端部の鋭い電子放出電極
26を形成することができる。これに対して、レジスト
材料から成るマスク材料層42を用いた場合(図17の
(B)参照)は、マスク材料層42のエッチング速度が
導電材料層41のエッチング速度に比べてそれ程遅くな
いために、エッチング中にマスク材料層42が消失し易
く、従って、マスク材料層消失後の電子放出電極26の
錐状形状が鈍化する傾向がある。
【0078】また、柱状部41Bに残るマスク材料層4
2には、柱状部41Bの深さが多少変化しても、電子放
出電極26の形状は変化し難いというメリットもある。
即ち、柱状部41Bの深さは、導電材料層41の厚さや
ステップカバレージのばらつきによって変化し得るが、
柱状部41Bの幅は深さによらずほぼ一定なので、マス
ク材料層42の幅もほぼ一定となり、最終的に形成され
る電子放出電極26の形状には大差が生じない。これに
対して、凹部41Aに残るマスク材料層42において
は、凹部41Aが浅い場合と深い場合とでマスク材料層
の幅も変化してしまうため、凹部41Aが浅くマスク材
料層42の厚さが薄い場合ほど、より早期に電子放出電
極26の錐状形状の鈍化が始まる。電界放出素子の電子
放出効率は、ゲート電極とカソード電極との間の電位
差、ゲート電極とカソード電極との間の距離、電子放出
部の構成材料の仕事関数の他、電子放出部の先端部の形
状によっても変化する。このため、必要に応じて上述の
ようにマスク材料層の形状やエッチング速度を選択する
ことが好ましい。
【0079】実施の形態3においても、電界放出素子あ
るいはカソード・パネル10を酸化性雰囲気に置き、電
子放出部とゲート電極との間に電圧を印加することによ
り、電子放出部とゲート電極との間が短絡状態にあると
き、電子放出部及び/又はゲート電極を構成する材料の
少なくとも一部が酸化され、以て、電子放出部とゲート
電極との間が不導電状態となる。ここで、電子放出電極
26及び密着層40が電子放出部に相当する。尚、電子
放出電極26、密着層40及びゲート電極24のいずれ
が酸化されるかは、更には、電子放出電極26や、密着
層40、ゲート電極24がどの程度、酸化されるかは、
電子放出電極26、密着層40及びゲート電極24を構
成する材料、カソード電極用導電材料層22A及びゲー
ト電極用導電材料層24Aに印加する電圧、酸化性雰囲
気の条件等に依存する。
【0080】(実施の形態4)実施の形態4は、実施の
形態3のスピント型電界放出素子の製造方法の変形であ
る。実施の形態4においては、工程(e)において、開
口部の上端面と底面との間の段差を反映して、柱状部と
この柱状部の上端に連通する拡大部とから成る略漏斗状
の凹部を導電材料層の表面に生成させ、工程(f)にお
いて、導電材料層の全面にマスク材料層を形成した後、
導電材料層上と拡大部内のマスク材料層を除去すること
により、柱状部にマスク材料層を残す。尚、電子放出素
子の検査方法、表示装置用のカソード・パネルの検査方
法、及び表示装置の製造方法に関しては、実質的に実施
の形態1と同じとすることができるので、詳細な説明は
省略する。以下、実施の形態4におけるスピント型電界
放出素子の製造方法を、支持体等の模式的な一部端面図
である図18及び図19を参照して説明する。
【0081】[工程−400]先ず、図15の(A)に
示したマスク材料層42の形成までを実施の形態3の
[工程−300]〜[工程−320]と同様に行った
後、導電材料層41上と拡大部41C内のマスク材料層
42のみを除去することにより、柱状部41Bにマスク
材料層42を残す(図18の(A)参照)。このとき、
例えば希フッ酸水溶液を用いたウェットエッチングを行
うことにより、タングステンから成る導電材料層41を
除去することなく、銅から成るマスク材料層42のみを
選択的に除去することができる。柱状部41B内に残る
マスク材料層42の高さは、エッチング時間に依存する
が、このエッチング時間は、拡大部41Cに埋め込まれ
たマスク材料層42の部分が十分に除去される限りにお
いて、それ程の厳密さを要しない。なぜなら、マスク材
料層42の高低に関する議論は、図17の(A)を参照
しながら前述した柱状部41Bの浅深に関する議論と実
質的に同じであり、マスク材料層42の高低は最終的に
形成される電子放出電極26の形状に大きな影響を及ぼ
さないからである。
【0082】[工程−410]次に、導電材料層41と
マスク材料層42と密着層40のエッチングを、実施の
形態3と同様に行い、図18の(B)に示すような電子
放出電極26を形成する。この電子放出電極26は、図
16の(A)に示したように全体が錐状形状を有してい
ても勿論構わないが、図18の(B)には先端部のみが
錐状形状を有する変形例を示した。かかる形状は、柱状
部41Bに埋め込まれたマスク材料層42の高さが低い
か、若しくは、マスク材料層42のエッチング速度が比
較的速い場合に生じ得るが、電子放出電極26としての
機能に何ら支障はない。
【0083】[工程−420]その後、等方的なエッチ
ング条件で開口部25の内部において絶縁層23に設け
られた開口部の側壁面を後退させると、図19に示す電
界放出素子が完成される。等方的なエッチングについて
は、実施の形態2で説明したと同様とすればよい。かか
る電界放出素子を用いて、実施の形態1で述べたと同様
に表示装置を構成することができる。
【0084】(実施の形態5)実施の形態5のスピント
型電界放出素子は、実施の形態2における電界放出素子
の変形である。実施の形態5の電界放出素子の模式的な
一部端面図を図20に示す。実施の形態5の電界放出素
子が実施の形態2の態様の電界放出素子と異なる点は、
電子放出部が、基部50と、基部50上に積層された錐
状の電子放出電極26とから構成されている点にある。
ここで、基部50と電子放出電極26とは異なる導電材
料から構成されている。具体的には、基部50は、電子
放出電極26とゲート電極24の開口端部との間の距離
を調節するための部材であり、且つ、電子放出部とゲー
ト電極24との間が短絡状態にあるとき、酸化され、以
て、電子放出部とゲート電極24との間を不導電状態と
するための部材であり、不純物を含有するポリシリコン
層から構成されている。電子放出電極26はタングステ
ンから構成されており、錐状形状、より具体的には円錐
形状を有する。尚、基部50と電子放出電極26との間
には、TiNから成る密着層40が形成されている。
尚、密着層40は、電子放出部の機能上不可欠な構成要
素ではなく、製造上の理由で形成されている。絶縁層2
3がゲート電極24の直下から基部50の上端部にかけ
てえぐられることにより、開口部25が形成されてい
る。
【0085】尚、電子放出素子の検査方法、表示装置用
のカソード・パネルの検査方法、及び表示装置の製造方
法に関しては、実質的に実施の形態1と同じとすること
ができるので、詳細な説明は省略する。以下、実施の形
態5に係る電界放出素子の製造方法を、支持体等の模式
的な一部端面図である図21〜図23を参照して説明す
る。
【0086】[工程−500]先ず、開口部25の形成
までを、実施の形態2の[工程−200]と同様に行
う。続いて、開口部25内を含む全面に基部形成用の導
電材料層50Aを形成する。導電材料層50Aは、例え
ば、不純物として燐(P)を1015/cm3のオーダー
で含むポリシリコン層から構成され、プラズマCVD法
により形成することができる。次いで、全面に、スピン
コート法にてレジスト層から成る平坦化層51を表面が
略平坦となるように形成する(図21の(A)参照)。
次に、平坦化層51と導電材料層50Aのエッチング速
度が共に略等しくなる条件で両層をエッチングし、開口
部25の底部を上面が平坦な基部50で埋め込む(図2
1の(B)参照)。エッチングは、塩素系ガスと酸素系
ガスとを含むエッチングガスを用いたRIE法により行
うことができる。導電材料層50Aの表面を平坦化層5
1で一旦平坦化してからエッチングを行っているので、
基部50の上面が平坦となる。
【0087】[工程−510]次に、開口部25の残部
を含む全面に密着層40を製膜し、更に、開口部25の
残部を含む全面に電子放出電極形成用の導電材料層41
を製膜し、開口部25の残部を導電材料層41で埋め込
む(図22の(A)参照)。密着層40は、スパッタ法
により形成される厚さ0.07μmのTiN層であり、
導電材料層41は減圧CVD法により形成される厚さ
0.6μmのタングステン層である。密着層40を製膜
するためのスパッタ条件は表6に示した条件と同様とす
ればよいし、導電材料層41を製膜するためのCVD条
件は表7に示した条件と同様とすればよい。導電材料層
41の表面には、開口部25の上端面と底面との間の段
差を反映して凹部41Aが形成されている。
【0088】[工程−520]次に、導電材料層41の
全面に、スピンコート法によりレジスト層から成るマス
ク材料層42を表面が略平坦となるように形成する(図
22の(B)参照)。マスク材料層42は、導電材料層
41の表面の凹部41Aを吸収して平坦な表面となって
いる。次に、マスク材料層42を酸素系ガスを用いたR
IE法によりエッチングする(図23の(A)参照)。
このエッチングは、導電材料層41の平坦面が露出した
時点で終了する。これにより、導電材料層41の凹部4
1Aにマスク材料層42が平坦に残され、マスク材料層
42は、開口部25の中央部に位置する導電材料層41
の領域を遮蔽するように形成されている。
【0089】[工程−530]次に、実施の形態2の
[工程−240]と同様にして、導電材料層41、マス
ク材料層42及び密着層40を共にエッチングすると、
前述の機構に基づき対レジスト選択比の大きさに応じた
円錐形状を有する電子放出電極26と密着層40とが形
成され、電子放出部が完成される(図23の(B)参
照)。その後、開口部25の内部において絶縁層23に
設けられた開口部の側壁面を後退させると、図20に示
した電界放出素子を得ることができる。
【0090】実施の形態5においても、電界放出素子あ
るいはカソード・パネル10を酸化性雰囲気に置き、電
子放出部とゲート電極との間に電圧を印加することによ
り、電子放出部とゲート電極との間が短絡状態にあると
き、電子放出部及び/又はゲート電極を構成する材料の
少なくとも一部が酸化され、以て、電子放出部とゲート
電極との間が不導電状態となる。ここで、電子放出電極
26、密着層40及び基部50が電子放出部に相当す
る。尚、電子放出電極26、密着層40、基部50及び
ゲート電極24のいずれが酸化されるかは、更には、電
子放出電極26や、密着層40、基部50、ゲート電極
24がどの程度、酸化されるかは、電子放出電極26、
密着層40、基部50、及びゲート電極24を構成する
材料、カソード電極用導電材料層22A及びゲート電極
用導電材料層24Aに印加する電圧、酸化性雰囲気の条
件等に依存する。電子放出電極26は全体が酸化されて
もよいし、一部分が酸化されてもよい。例えばポリシリ
コンから基部50を構成すれば、基部50は容易に酸化
され得る。
【0091】(実施の形態6)実施の形態6のスピント
型電界放出素子は、実施の形態3における電界放出素子
の変形である。実施の形態6の電界放出素子の模式的な
一部端面図を図25の(B)に示す。実施の形態6の電
界放出素子が実施の形態3の態様の電界放出素子と異な
る点は、電子放出部が、実施の形態5の電界放出素子と
同様に、基部50と、基部50上に積層された錐状の電
子放出電極26とから構成されている点にある。ここ
で、基部50と電子放出電極26とは異なる導電材料か
ら構成されている。具体的には、基部50は、電子放出
電極26とゲート電極24の開口端部との間の距離を調
節するための部材であり、且つ、電子放出部とゲート電
極24との間が短絡状態にあるとき、酸化され、以て、
電子放出部とゲート電極24との間を不導電状態とする
ための部材であり、不純物を含有するポリシリコン層か
ら構成されている。電子放出電極26はタングステンか
ら構成されており、錐状形状、より具体的には円錐形状
を有する。尚、基部50と電子放出電極26との間に
は、TiNから成る密着層40が形成されている。尚、
密着層40は、電子放出部の機能上不可欠な構成要素で
はなく、製造上の理由で形成されている。絶縁層23が
ゲート電極24の直下から基部50の上端部にかけてえ
ぐられることにより、開口部25が形成されている。
【0092】尚、電子放出素子の検査方法、表示装置用
のカソード・パネルの検査方法、及び表示装置の製造方
法に関しては、実質的に実施の形態1と同じとすること
ができるので、詳細な説明は省略する。以下、実施の形
態6に係る電界放出素子の製造方法を、支持体等の模式
的な一部端面図である図24及び図25を参照して説明
する。
【0093】[工程−600]先ず、開口部25の形成
までを、実施の形態2の[工程−200]と同様に行
う。次に、開口部25内を含む全面に基部形成用の導電
材料層を形成し、導電材料層をエッチングすることによ
って、開口部25の底部を埋め込む基部50を形成する
ことができる。尚、図示される基部50は平坦化された
表面を有しているが、表面が窪んでいてもよい。尚、平
坦化された表面を有する基部50は、実施の形態5の
[工程−500]と同様のプロセスによって形成可能で
ある。更に、開口部25の残部を含む全面に、密着層4
0、及び電子放出電極形成用の導電材料層41を順次形
成する。このとき、開口部25の残部の上端面と底面と
の間の段差を反映した柱状部41Bとこの柱状部41B
の上端に連通する拡大部41Cとから成る略漏斗状の凹
部41Aが導電材料層41の表面に生成されるように、
導電材料層41の厚さを選択する。次に、導電材料層4
1上にマスク材料層42を形成する。このマスク材料層
42は、例えば銅を用いて形成する。図24の(A)
は、ここまでのプロセスが終了した状態を示している。
【0094】[工程−610]次に、マスク材料層42
と導電材料層41とを支持体21の表面に対して平行な
面内で除去することにより、柱状部41Bにマスク材料
層42を残す(図24の(B)参照)。この除去は、実
施の形態3の[工程−330]と同様に、化学的機械的
研磨法(CMP法)により行うことができる。
【0095】[工程−620]次に、導電材料層41と
マスク材料層42と密着層40とをエッチングすると、
前述の機構に基づき対レジスト選択比の大きさに応じた
円錐形状を有する電子放出電極26が形成される。これ
らの層のエッチングは、実施の形態3の[工程−34
0]と同様に行うことができる。電子放出電極26と基
部50、及び、電子放出電極26と基部50の間に残存
する密着層40とによって、電子放出部が形成される。
電子放出部は、全体が錐状形状を有していても勿論構わ
ないが、図25の(A)には基部50の一部が開口部2
5の底部を埋め込むように残存した状態を示した。かか
る形状は、柱状部41Bに埋め込まれたマスク材料層4
2の高さが低いか、若しくは、マスク材料層42のエッ
チング速度が比較的速い場合に生じ得るが、電子放出部
としての機能に何ら支障はない。
【0096】[工程−630]その後、等方的なエッチ
ング条件で開口部25の内部において絶縁層23の側壁
面を後退させると、図25の(B)に示した電界放出素
子が完成される。等方的なエッチング条件は、実施の形
態2で説明したと同様とすればよい。かかる電界放出素
子を用いて、実施の形態1で述べたと同様に表示装置を
構成することができる。
【0097】(実施の形態7)実施の形態7は、実施の
形態4のスピント型電界放出素子の製造方法の変形であ
る。実施の形態7の電界放出素子が実施の形態4の態様
の電界放出素子と異なる点は、電子放出部が、実施の形
態5の電界放出素子と同様に、基部50と、基部50上
に積層された錐状の電子放出電極26とから構成されて
いる点にある。以下、実施の形態7におけるスピント型
電界放出素子の製造方法を、支持体等の模式的な一部端
面図である図26を参照して説明する。
【0098】[工程−700]マスク材料層42の形成
までを実施の形態6の[工程−600]と同様に行う。
その後、導電材料層41上と拡大部41B内のマスク材
料層42のみを除去することにより、柱状部41Bにマ
スク材料層42を残す(図26参照)。例えば希フッ酸
水溶液を用いたウェットエッチングを行い、タングステ
ンから成る導電材料層41を除去することなく、銅から
成るマスク材料層42のみを選択的に除去することがで
きる。この後の導電材料層41とマスク材料層42のエ
ッチング、絶縁層23の等方的なエッチング等のプロセ
スは、全て実施の形態6と同様に行うことができる。
【0099】(実施の形態8)実施の形態8も実施の形
態1の変形であるが、電界放出素子の構造及び製造工程
が、実施の形態1における電界放出素子と異なってい
る。実施の形態8におけるエッジ型電界放出素子は、図
27の(A)に模式的な一部端面図を示すように、
(A)支持体71上に形成された第1絶縁層73、
(B)第1絶縁層73上に形成された電子放出層74、
(C)電子放出層74上を含む第1絶縁層73上に形成
された第2絶縁層75、(D)第2絶縁層75上に形成
されたゲート電極76、並びに、(E)少なくとも、ゲ
ート電極76、第2絶縁層75及び電子放出層74を貫
通した開口部78、から成り、開口部78の壁面から突
出した電子放出層74の端部74A(電子放出部に相当
する)から電子が放出される。尚、このような構成のエ
ッジ型電界放出素子を、便宜上、第1の構造のエッジ型
電界放出素子と呼ぶ。1つの電子放出領域12は、複数
(例えば、数十乃至数百個程度)のエッジ型電界放出素
子から構成することができる。
【0100】第1の構造のエッジ型電界放出素子にあっ
ては、電子放出層74及び/又はゲート電極76は、電
子放出層74の端部74Aとゲート電極76との間が短
絡状態にあるとき、酸化性雰囲気において電子放出層7
4とゲート電極76との間に電圧を印加することによ
り、少なくとも一部が酸化され、以て、電子放出層74
の端部74Aとゲート電極76との間が不導電状態とな
るような材料から構成することが望ましい。一部の酸化
は、ゲート電極76のみであってもよいし、電子放出層
74Aの端部74Aのみであってもよいし、ゲート電極
76と電子放出層74の端部74Aの両方であってもよ
い。
【0101】あるいは又、エッジ型電界放出素子の変形
例の模式的な一部端面図を、図27の(B)に示す。こ
のエッジ型電界放出素子は、(A)支持体71上に形成
された第1ゲート電極72、(B)第1ゲート電極72
上を含む支持体71上に形成された第1絶縁層73、
(C)第1絶縁層73上に形成された電子放出層74、
(D)電子放出層74上を含む第1絶縁層73上に形成
された第2絶縁層75、(E)第2絶縁層75上に形成
された第2ゲート電極77、並びに、(F)第2ゲート
電極77、第2絶縁層75、電子放出層74及び第1絶
縁層73を貫通し、底部に第1ゲート電極72の表面が
露出した開口部78、から成り、開口部78の壁面から
突出した電子放出層74の端部74A(電子放出部に相
当する)から電子が放出される。ゲート電極は、第1ゲ
ート電極72と第2ゲート電極77から構成される。開
口部78近傍の支持体71等を一部切断して露出させた
模式的な斜視図を図28に示す。ここで、図27の
(B)に示した模式的な一部端面図は、図28の線A−
Aに沿った端面図である。このような構成のエッジ型電
界放出素子を、便宜上、第2の構造のエッジ型電界放出
素子と呼ぶ。第2の構造のエッジ型電界放出素子におい
ては、電子放出層74の下方に第1ゲート電極72が設
けられているので、第1の構造のエッジ型電界放出素子
と比較して、開口部78の壁面から突出した電子放出層
74の端部74Aの近傍に一層高強度の電界を形成する
ことができる。尚、1つの電子放出領域12は、複数
(例えば、数十乃至数百個程度)のエッジ型電界放出素
子から構成することができる。
【0102】第2の構造のエッジ型電界放出素子にあっ
ては、電子放出部及び/又はゲート電極は、電子放出部
とゲート電極との間が短絡状態にあるとき、酸化性雰囲
気において電子放出部とゲート電極との間に電圧を印加
することにより、少なくとも一部が酸化され、以て、電
子放出部とゲート電極との間が不導電状態となるような
材料から構成することが望ましい。具体的には、電子放
出層74と第1ゲート電極72の間で短絡状態になる場
合があるし、電子放出層74と第2ゲート電極77の間
で短絡状態になる場合があるし、第1ゲート電極72と
第2ゲート電極77の間で短絡状態になる場合がある。
従って、電子放出層74、第1ゲート電極72及び第2
ゲート電極77のいずれもが、いずれかの部位が短絡状
態にあるとき、酸化性雰囲気において電子放出層74と
第1ゲート電極72との間、及び電子放出層74と第2
ゲート電極77との間に電圧を印加することにより、少
なくとも一部が酸化され、以て、短絡状態にある電子放
出層74の端部74Aと第1ゲート電極72、短絡状態
にある電子放出層74の端部74Aと第2ゲート電極7
7、あるいは短絡状態にある第1ゲート電極72と第2
ゲート電極77との間が不導電状態となるような材料か
ら構成することが望ましい。一部の酸化は、短絡状態に
ある第1ゲート電極72、第2ゲート電極77、電子放
出層74Aの端部74Aのいずれか1つあってもよい
し、両方であってもよい。
【0103】図27(A)に示した構造を有するエッジ
型電界放出素子から構成された1つの電子放出領域12
においては、ストライプ状にパターニングされた電子放
出層用導電材料層に、電子放出領域12を構成するエッ
ジ型電界放出素子の電子放出層74が所望の数だけ存在
している。具体的には、ストライプ状の電子放出層用導
電材料層それ自体が電子放出層74に相当し、開口部7
8の近傍に位置する電子放出層用導電材料層の領域が電
子放出層74に該当する。更には、ストライプ状にパタ
ーニングされたゲート電極用導電材料層に、電子放出領
域12を構成するエッジ型電界放出素子のゲート電極7
6が所望の数だけ存在している。具体的には、ストライ
プ状のゲート電極用導電材料層それ自体がゲート電極7
6に相当し、開口部78の近傍に位置するゲート電極用
導電材料層の領域がゲート電極76に該当する。そし
て、ストライプ状のカソード電極用導電材料層とストラ
イプ状のゲート電極用導電材料層とが重複する領域が、
各電子放出領域12に相当する。ストライプ状の電子放
出層用導電材料層の延びる方向(第1の方向とする)
と、ストライプ状のゲート電極用導電材料層の延びる方
向(第2の方向とする)とは異なる。第2の方向は、第
1の方向に対して直角であることが好ましい。
【0104】更には、図27の(B)に示した構造を有
するエッジ型電界放出素子から構成された1つの電子放
出領域12においては、ストライプ状にパターニングさ
れた第1ゲート電極用導電材料層に、電子放出領域12
を構成するエッジ型電界放出素子の第1ゲート電極72
が所望の数だけ存在している。具体的には、ストライプ
状の第1ゲート電極用導電材料層それ自体が第1ゲート
電極72に相当し、開口部78の底部に位置する第1ゲ
ート電極用導電材料層の領域が第1ゲート電極72に該
当する。また、ストライプ状にパターニングされた電子
放出層用導電材料層に、電子放出領域12を構成するエ
ッジ型電界放出素子の電子放出層74が所望の数だけ存
在している。具体的には、ストライプ状の電子放出層用
導電材料層それ自体が電子放出層74に相当し、開口部
78の近傍に位置する電子放出層用導電材料層の領域が
電子放出層74に該当する。更には、ストライプ状にパ
ターニングされた第2ゲート電極用導電材料層に、電子
放出領域12を構成するエッジ型電界放出素子の第2ゲ
ート電極77が所望の数だけ存在している。具体的に
は、ストライプ状の第2ゲート電極用導電材料層それ自
体が第2ゲート電極77に相当し、開口部78の近傍に
位置する第2ゲート電極用導電材料層の領域が第2ゲー
ト電極77に該当する。ストライプ状の電子放出層用導
電材料層の延びる方向と(第1の方向とする)と、スト
ライプ状の第1ゲート電極用導電材料層の延びる方向
(第2の方向とする)とは異なる。第2の方向は、第1
の方向に対して直角であることが好ましい。ストライプ
状の第2ゲート電極用導電材料層の延びる方向は、第1
の方向であってもよいし、第2の方向であってもよい
が、構成の簡素化の面からは、第1の方向に延びている
ことが好ましい。
【0105】電子放出素子の検査方法、表示装置用のカ
ソード・パネルの検査方法、及び表示装置の製造方法に
関しては、実質的に実施の形態1と同じとすることがで
きるので、詳細な説明は省略する。図27の(B)に示
したエッジ型電界放出素子の製造方法を、以下、支持体
等の模式的な一部端面図である図29〜図31を参照し
て説明する。
【0106】[工程−800]先ず、例えばガラス基板
から成る支持体71の上に、スパッタ法にて厚さ約0.
2μmのタングステンから成る第1ゲート電極用導電材
料層を成膜し、通常の手順に基づきリソグラフィ技術及
びドライエッチング技術により第1ゲート電極用導電材
料層をパターニングして、第1ゲート電極72を形成す
る(図29の(A)参照)。パターニングされた第1ゲ
ート電極用導電材料層はストライプ形状を有する。
【0107】[工程−810]次に、全面に、例えば約
0.3μmの厚さのSiO2から成る第1絶縁層73を
形成する。更に、この第1絶縁層23の上にタングステ
ンから成る電子放出層用導電材料層を0.2μmの厚さ
に形成した後、所定の形状にパターニングし、電子放出
層74を形成する(図29の(B)参照)。パターニン
グされた電子放出層用導電材料層はストライプ形状を有
する。
【0108】[工程−820]次に、全面に例えばSi
2から成る第2絶縁層75を例えば約0.7μmの厚
さに形成する。更に、この第2絶縁層75の上に厚さ約
0.2μmのタングステンから成る第2ゲート電極用導
電材料層を形成し、所定のパターニングを行うことによ
って、第2ゲート電極77を得ることができる(図29
の(C)参照)。パターニングされた第2ゲート電極用
導電材料層はストライプ形状を有する。第2ゲート電極
77の構成材料や厚さは、第1ゲート電極72と同じで
あってもよいし、異なっていてもよい。
【0109】[工程−830]その後、全面にレジスト
層79を形成し、更にこのレジスト層79に、第2ゲー
ト電極77の表面を一部露出させるようにレジスト開口
部79Aを形成する。レジスト開口部79Aの平面形状
は矩形であり、矩形の長辺はおおよそ100μm、短辺
は数μm〜10μmである。続いて、レジスト開口部7
9Aの底面に露出した第2ゲート電極77を例えばRI
E(反応性イオン・エッチング)法により異方的にエッ
チングし、開口部78Aを形成する(図30の(A)参
照)。尚、第2ゲート電極77をタングステンを用いて
構成しているので、SF6ガスを用いたエッチングによ
り垂直壁を有する開口部78Aを形成することができ
る。
【0110】[工程−840]次に、開口部78Aの底
面に露出した第2絶縁層75を等方的にエッチングし、
開口部78Bを形成する(図30の(B)参照)。第2
絶縁層をSiO2を用いて形成しているので、緩衝化フ
ッ酸水溶液を用いたウェットエッチングを行う。開口部
78Bの壁面は、開口部78Aの開口端面よりも後退す
るが、このときの後退量はエッチング時間の長短により
制御することができる。開口部78Bの下端が開口部7
8Aの開口端面よりも後退するまで、ウェットエッチン
グを行う。
【0111】[工程−850]次に、開口部78Bの底
面に露出した電子放出層74を、イオンを主エッチング
種とする条件によりドライエッチングする(図31の
(A)参照)。イオンを主エッチング種とするドライエ
ッチングでは、被エッチング物へのバイアス電圧の印加
やプラズマと磁界との相互作用を利用して荷電粒子であ
るイオンを加速することができるため、一般には異方性
エッチングが進行し、被エッチング物の加工面は垂直壁
となる。しかし、この[工程−850]では、プラズマ
中の主エッチング種の中にも垂直以外の角度を有する入
射成分が若干存在すること、及び開口部78Aの端部に
おける散乱によってもこの斜め入射成分が生ずることに
より、電子放出層74の露出面の中で、本来であれば開
口部78Aによって遮蔽されてイオンが到達しないはず
の領域にも、ある程度の確率で主エッチング種が入射す
る。このとき、電子放出層74の法線に対する入射角の
小さい主エッチング種ほど入射確率は高く、入射角の大
きい主エッチング種ほど入射確率は低い。従って、電子
放出層74に形成された開口部78Cの上端部の位置は
開口部78Bの下端部とほぼ揃っているものの、開口部
78Cの下端部の位置はその上端部よりも突出した状態
となる。つまり、電子放出層74の厚さが、突出方向の
先端部に向けて薄くなり、端部が先鋭化される。エッチ
ング・ガスとしてSF6を用いることにより、電子放出
層74の良好な加工を行うことができる。
【0112】[工程−860]次に、開口部78Cの底
面に露出した第1絶縁層73を等方的にエッチングし、
開口部78Dを形成し、開口部78を完成させる(図3
1の(B)参照)。上述の第2絶縁層75の場合と同様
に、緩衝化フッ酸水溶液を用いたウェットエッチングを
行う。開口部78Dの壁面は開口部78Cの下端部より
も後退する。このときの後退量はエッチング時間の長短
により制御可能である。このとき、先に形成された開口
部78Bの壁面は更に後退する。尚、開口部78の完成
後にレジスト層79を除去すると、図27の(B)に示
した構造を有するエッジ型電界放出素子が形成されたカ
ソード・パネルを得ることができる。
【0113】(実施の形態9)平面型電界放出素子の模
式的な一部端面図を、図32に示す。この平面型電界放
出素子は、(A)支持体81上に形成された電子放出層
84、(B)電子放出層84上を含む支持体81上に形
成された絶縁層85、(C)絶縁層85上に形成された
ゲート電極86、並びに、(D)ゲート電極86及び絶
縁層85を貫通し、底部に電子放出層84の表面が露出
した開口部88、から成り、開口部88の底部に露出し
た電子放出層84の表面(電子放出部に相当する)から
電子が放出される。1つの電子放出領域12は、1つ若
しくは複数の平面型電界放出素子から構成することがで
きる。
【0114】図32に示した構造を有する平面型電界放
出素子から構成された1つの電子放出領域12において
は、ストライプ状にパターニングされた電子放出層用導
電材料層に、電子放出領域12を構成する平面型電界放
出素子の電子放出層84が所望の数だけ存在している。
具体的には、ストライプ状の電子放出層用導電材料層そ
れ自体が電子放出層84に相当し、開口部88の底部に
位置する電子放出層用導電材料層の領域が電子放出層8
4に該当する。更には、ストライプ状にパターニングさ
れたゲート電極用導電材料層に、電子放出領域12を構
成するエッジ型電界放出素子のゲート電極86が所望の
数だけ存在している。具体的には、ストライプ状のゲー
ト電極用導電材料層それ自体がゲート電極86に相当
し、開口部88の近傍に位置するゲート電極用導電材料
層の領域がゲート電極86に該当する。ストライプ状の
電子放出層用導電材料層の延びる方向(第1の方向とす
る)と、ストライプ状のゲート電極用導電材料層の延び
る方向(第2の方向とする)とは異なる。第2の方向
は、第1の方向に対して直角であることが好ましい。
【0115】平面型電界放出素子にあっては、電子放出
層84及び/又はゲート電極86は、開口部88の底部
に露出した電子放出層84の表面とゲート電極86との
間が短絡状態にあるとき、酸化性雰囲気において電子放
出層84とゲート電極86との間に電圧を印加すること
により、少なくとも一部が酸化され、以て、開口部88
の底部に露出した電子放出層84の表面とゲート電極8
6との間が不導電状態となるような材料から構成するこ
とが望ましい。一部の酸化は、開口部88の底部に露出
した電子放出層84の表面のみであってもよいし、ゲー
ト電極24のみであってもよいし、両方であってもよ
い。
【0116】電子放出素子の検査方法、表示装置用のカ
ソード・パネルの検査方法、及び表示装置の製造方法に
関しては、実質的に実施の形態1と同じとすることがで
きるので、詳細な説明は省略する。図32に示した平面
型電界放出素子の製造方法を、以下、支持体等の模式的
な一部端面図である図33を参照して説明する。
【0117】[工程−900]先ず、例えばガラス基板
から成る支持体81の上に、スパッタ法により厚さ約
0.2μmのタングステンから成る電子放出層用導電材
料層を製膜し、通常の手順に基づき電子放出層用導電材
料層をパターニングし、電子放出層84を形成する。パ
ターニングされた電子放出層用導電材料層はストライプ
形状を有する。次に、電子放出層84上を含む支持体8
1上に絶縁層85を形成する。例えばTEOS(テトラ
エトキシシラン)原料ガスとして用いるCVD法によ
り、SiO2層を約1μmの厚さに形成する。更に、こ
の絶縁層85の上に、例えば厚さ約0.2μmのタング
ステンから成るゲート電極用導電材料層を製膜し、パタ
ーニングしてゲート電極86を形成する。パターニング
されたゲート電極用導電材料層はストライプ形状を有す
る。ここまでのプロセスが終了した状態を、図33の
(A)に示す。
【0118】[工程−910]次に、全面にレジスト層
89を形成し、更にこのレジスト層89に、ゲート電極
86の表面を一部露出させるようにレジスト開口部89
Aを形成する。レジスト開口部89Aの平面形状は、例
えば円形である。続いて、レジスト開口部89Aの底部
に露出したゲート電極86を例えばRIE法により異方
的にエッチングする。ゲート電極86をタングステンを
用いて構成しているので、SF6ガスを用いたエッチン
グを行うことができる。ここまでのプロセスが終了した
状態を、図33の(B)に示す。
【0119】[工程−920]次に、レジスト開口部8
9Aの内部に露出した絶縁層85を等方的にエッチング
し、開口部88を形成する(図33の(C)参照)。絶
縁層85をSiO2を用いて形成しているので、緩衝化
フッ酸水溶液を用いたウェットエッチングを行う。絶縁
層85の壁面は、ゲート電極86の先端部よりも後退す
るが、このときの後退量はエッチング時間の長短により
制御することができる。こうして、図32に示す平面型
電界放出素子が形成されたカソード・パネルを得ること
ができる。
【0120】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0121】スピント型電界放出素子における電子放出
電極26(電子放出部に相当する)は、タングステン
(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン
(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、アル
ミニウム(Al)、銅(Cu)等の金属又はこれらの金
属元素を含む合金や化合物を用いて形成することができ
るが、中でも所謂高融点金属あるいはその合金を用いて
形成することが好ましい。電子放出電極26は、例え
ば、蒸着法やスパッタ法によって形成することができ
る。スピント型電界放出素子における密着層40や基部
50は、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブ
デン(Mo)、タンタル(Ta)、ハフニウム(Hf)
といった所謂高融点金属又はこれらの金属元素を含む合
金や化合物、不純物を含有したシリコン(例えば、アモ
ルファスシリコンあるいはポリシリコン)を用いて形成
することができるが、中でも所謂高融点金属あるいはそ
の合金、若しくは不純物を含有したアモルファスシリコ
ンあるいはポリシリコンを用いて形成することが好まし
い。尚、電子放出電極26を構成する材料よりも密着層
40や基部50を構成する材料の方が、酸化され易いこ
とが好ましい。
【0122】エッジ型電界放出素子あるいは平面型電界
放出素子における電子放出層74,84は、典型的に
は、タングステン(W)やタンタル(Ta)、チタン
(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ある
いはこれらの合金や化合物(例えばTiN等の窒化物
や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシ
リサイド)、あるいはダイヤモンド等の半導体から構成
することができる。電子放出層74,84の形成方法と
して、蒸着法、スパッタ法、CVD法、イオン・プレー
ティング法、印刷法、メッキ法等、通常の薄膜作製プロ
セスを利用できる。電子放出層74,84の厚さは、お
およそ0.05〜0.5μm、好ましくは0.1〜0.
3μmの範囲とすることが望ましいが、かかる範囲に限
定するものではない。電子放出層74,84を構成する
材料は、ゲート電極を構成する材料と同じであっても、
異なっていてもよい。
【0123】スピント型電界放出素子におけるカソード
電極22、ゲート電極24、エッジ型電界放出素子にお
けるゲート電極76、若しくは、第1ゲート電極72、
第2ゲート電極77、平面型電界放出素子におけるゲー
ト電極86を構成する材料として、タングステン
(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデ
ン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、
銅(Cu)等の金属、これらの金属元素を含む合金ある
いは化合物、あるいはシリコン(Si)等の半導体やダ
イヤモンド、カーボンを例示することができる。尚、第
これらの電極を構成する材料を、同一の材料としてもよ
いし、同種材料としてもよいし、異種の材料としてもよ
い。これらの電極の形成方法として、蒸着法、スパッタ
法、CVD法、イオン・プレーティング法、印刷法、メ
ッキ法等、通常の薄膜作製プロセスを利用できる。
【0124】絶縁層23、第1絶縁層73、第2絶縁層
75、絶縁層85の構成材料としては、SiO2、Si
N、SiON、ガラス・ペースト硬化物を単独あるいは
適宜積層して使用することができ、製膜には、CVD
法、塗布法、スパッタ法、印刷法等の公知のプロセスが
利用できる。
【0125】支持体21,71,81は、少なくとも表
面が絶縁性を有する材料から構成されていればよく、ガ
ラス基板、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板、石英
基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁
膜が形成された半導体基板を挙げることができる。アノ
ード・パネル60を構成する基板61としても、少なく
とも表面が絶縁性を有する材料から構成されていればよ
く、ガラス基板、表面に絶縁膜が形成されたガラス基
板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表
面に絶縁膜が形成された半導体基板を挙げることがで
き、表示装置の構成に依っては、透明性が要求される。
【0126】本発明においては、ゲート電極や第2ゲー
ト電極上を含む全面に更に層間絶縁層を形成し、かかる
層間絶縁層上にフォーカス電極を形成する構成とするこ
ともできる。例えば、第2の構造のエッジ型電界放出素
子に、フォーカス電極を組み込んだ例を、図34の模式
的な一部端面図に示す。この電界放出素子においては、
第2ゲート電極77上を含む全面に更に層間絶縁層94
が形成され、かかる層間絶縁層94上にフォーカス電極
95が形成されている。層間絶縁層94には開口部78
に連通する第2開口部96が設けられている。尚、フォ
ーカス電極95は、必ずしも各電界放出素子毎に設ける
必要はなく、例えば、電界放出素子の所定の配列方向に
沿って配設することにより、複数の電界放出素子に共通
の収束効果を及ぼすこともできる。従って、層間絶縁層
94に設けられる第2開口部96は、必ずしもフォーカ
ス電極95を構成する材料層に設けられている必要はな
い。また、フォーカス電極95の電位は、通常、電子放
出層74の電位と近似あるいは同一であるため、フォー
カス電極95の開口端部が開口部78や第2開口部96
の内部に向けて突出していると、フォーカス電極95か
ら第1ゲート電極72や第2ゲート電極77へ向かって
電子放出が生ずる虞がある。従って、フォーカス電極9
5は第2開口部96内へ突出しないように設けられてい
ることが特に望ましい。尚、第2ゲート電極77の先端
部を層間絶縁層94から突出させることが、電子放出層
74の開口部78から突出した端部74A近傍の電界強
度を高める観点から特に好ましい。第2開口部96の平
面形状は、フォーカス電極95の構成に依り、開口部7
8の平面形状と合同又は相似としてもよいし、異なって
いてもよい。
【0127】電界放出素子を、図35の(A)に模式的
な一部端面図を示し、図35の(B)に模式的な分解斜
視図を示すように、所謂シャント構造を有する幹配線2
2C,22Dを備えた構成とすることもできる。即ち、
[工程−100]において、例えばガラス基板から成る
支持体21の上に、例えばポリシリコンから成るカソー
ド電極用導電材料層をプラズマCVD法にて製膜した
後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づ
きカソード電極用導電材料層をパターニングして、平面
形状が矩形のカソード電極群、枝配線22B及び幹配線
22Cを形成する。その後、全面にSiO2から成る絶
縁層23’をCVD法にて製膜し、幹配線22Cの上方
の絶縁層23’に孔部を形成する。その後、孔部内を含
む絶縁層23’上に例えばアルミニウム系合金層をスパ
ッタ法にて製膜し、かかるアルミニウム系合金層をパタ
ーニングすることによって、絶縁層23’上にも幹配線
22Dを形成する。かかる幹配線22Dは、孔部及び孔
部に充填されたアルミニウム系合金層(これらを総称し
てコンタクトホールと呼ぶ)によって幹配線22Cと電
気的に接続されている。次いで、全面に絶縁層53”を
形成し、ゲート電極用導電材料層(例えば、TiN層)
をスパッタ法にて、順次製膜し、次いで、ゲート電極用
導電材料層をリソグラフィ技術及びドライエッチング技
術にてパターニングすることによってストライプ状のゲ
ート電極用導電材料層から成り、開口部25を有するゲ
ート電極群を形成する。その後、ゲート電極群をエッチ
ング用マスクとして用いて、絶縁層23”,23’に、
例えば直径1μm程度の開口部25を形成する。
【0128】このようにシャント構造を有する幹配線2
2C,20を採用することによって、信号の遅れ等の発
生を回避することができる。かかるシャント構造は、エ
ッジ型電界放出素子や平面型電界放出素子から構成され
た電子放出領域12を備えたカソード・パネルに対して
も適用することができる。
【0129】また、図36の(A)に模式的な一部端面
図を示し、図36の(B)に模式的な分解斜視図を示す
ように、支持体21上に幹配線22Cを形成せずに、絶
縁層23’上にのみ幹配線22Dを形成し、コンタクト
ホールを介して、支持体21上に形成された枝配線22
Bと幹配線22Dとを接続する構造とすることもでき
る。
【0130】
【発明の効果】本発明においては、欠陥部が存在する場
合には電子放出部とゲート電極との間に電流が流れる結
果、電子放出部とゲート電極との間が不導電状態となる
ので、欠陥電界放出素子が実質的に除去される結果、か
かる欠陥電界放出素子を含む電子放出領域あるいはスト
ライプ状の電子放出領域列の一列全体の完全なる表示が
出来なくなるといった問題の発生を回避することができ
る。その結果、冷陰極電界電子放出表示装置用のカソー
ド・パネルあるいは冷陰極電界電子放出表示装置の製造
歩留や生産性の向上を図ることができる。また、電界放
出素子やカソード・パネルを特別な清浄度の環境内で製
造する必要が無くなるし、特別な清浄装置や電界放出素
子の補修装置等も不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スピント型電界放出素子を適用した冷陰極電界
電子放出表示装置の概念図である。
【図2】スピント型電界放出素子を適用した冷陰極電界
電子放出表示装置におけるカソード・パネル及びアノー
ド・パネルの一部分の模式的な分解斜視図である。
【図3】カソード・パネルの模式的な部分的斜視図、及
び、カソード電極、ゲート電極、電子放出電極等の配置
を示すための分解斜視図である。
【図4】電子放出部とゲート電極との間が短絡状態にあ
る電界放出素子の模式図、及び、電子放出部及びゲート
電極が不導電状態となった電界放出素子の模式図であ
る。
【図5】電子放出部とゲート電極との間が短絡状態にあ
る電界放出素子の模式図、及び、電子放出部及びゲート
電極が不導電状態となった電界放出素子の模式図であ
る。
【図6】スピント型電界放出素子の製造方法を説明する
ための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図7】図6に引き続き、スピント型電界放出素子の製
造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図
である。
【図8】発明の実施の形態2におけるスピント型電界放
出素子を示す模式的な一部端面図である。
【図9】図8に示したスピント型電界放出素子の製造方
法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図であ
る。
【図10】図9に引き続き、図8に示したスピント型電
界放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式
的な一部端面図である。
【図11】図10に引き続き、図8に示したスピント型
電界放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模
式的な一部端面図である。
【図12】円錐形状の電子放出電極が形成される機構を
説明するための図である。
【図13】対レジスト選択比と、電子放出電極の高さと
形状の関係を模式的に示す図である。
【図14】発明の実施の形態3におけるスピント型電界
放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的
な一部端面図である。
【図15】図14に引き続き、発明の実施の形態3にお
けるスピント型電界放出素子の製造方法を説明するため
の支持体等の模式的な一部端面図である。
【図16】図15に引き続き、発明の実施の形態3にお
けるスピント型電界放出素子の製造方法を説明するため
の支持体等の模式的な一部端面図である。
【図17】被エッチング物の表面プロファイルが一定時
間毎にどのように変化するかを示す図である。
【図18】発明の実施の形態4におけるスピント型電界
放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的
な一部端面図である。
【図19】図18に引き続き、発明の実施の形態4にお
けるスピント型電界放出素子の製造方法を説明するため
の支持体等の模式的な一部端面図である。
【図20】発明の実施の形態5におけるスピント型電界
放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的
な一部端面図である。
【図21】図20に引き続き、発明の実施の形態5にお
けるスピント型電界放出素子の製造方法を説明するため
の支持体等の模式的な一部端面図である。
【図22】図21に引き続き、発明の実施の形態5にお
けるスピント型電界放出素子の製造方法を説明するため
の支持体等の模式的な一部端面図である。
【図23】図22に引き続き、発明の実施の形態5にお
けるスピント型電界放出素子の製造方法を説明するため
の支持体等の模式的な一部端面図である。
【図24】発明の実施の形態6におけるスピント型電界
放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的
な一部端面図である。
【図25】図24に引き続き、発明の実施の形態6にお
けるスピント型電界放出素子の製造方法を説明するため
の支持体等の模式的な一部端面図である。
【図26】発明の実施の形態7におけるスピント型電界
放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的
な一部端面図である。
【図27】発明の実施の形態8におけるエッジ型電界放
出素子を示す模式的な一部端面図である。
【図28】発明の実施の形態8におけるエッジ型電界放
出素子を示す模式的な一部斜視図である。
【図29】発明の実施の形態8におけるエッジ型電界放
出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な
一部端面図である。
【図30】図29に引き続き、発明の実施の形態8にお
けるエッジ型電界放出素子の製造方法を説明するための
支持体等の模式的な一部端面図である。
【図31】図30に引き続き、発明の実施の形態8にお
けるエッジ型電界放出素子の製造方法を説明するための
支持体等の模式的な一部端面図である。
【図32】発明の実施の形態9における平面型電界放出
素子を示す模式的な一部端面図である。
【図33】発明の実施の形態9における平面型電界放出
素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部端面図である。
【図34】第2の構造のエッジ型電界放出素子に、フォ
ーカス電極を組み込んだ電界放出素子の模式的な一部端
面図である。
【図35】シャント構造を有する幹配線を備えたカソー
ド・パネル・ユニットの模式的な一部端面図及び模式的
な分解斜視図である。
【図36】幹配線の構造の変形例を示す模式的な一部端
面図及び模式的な分解斜視図である。
【符号の説明】
10・・・カソード・パネル、12・・・電子放出領
域、21支持体、22・・・カソード電極、22A・・
・カソード電極用導電材料層、23・・・絶縁層、24
・・・ゲート電極、24A・・・ゲート電極用導電材料
層、24B・・・ゲート電極の酸化された部分、25・
・・開口部、26・・・電子放出電極、26A・・・酸
化された電子放出電極、27・・・剥離層、28・・・
導電材料層、30・・・導電性異物、31・・・導電性
薄膜、40・・・密着層、41・・・導電材料層、42
・・・マスク材料層、43・・・エッチング停止層、5
0・・・基部、51・・・平坦化層、60・・・アノー
ド・パネル、61・・・基板、62,62R,62G,
62B・・・蛍光体層、63・・・アノード電極、64
・・・ブラック・マトリクス、71・・・支持体、72
・・・第1ゲート電極、73・・・第1絶縁層、74・
・・電子放出層、75・・・第2絶縁層、76・・・ゲ
ート電極、77・・・第2ゲート電極、78,78A,
78B,78C,78D・・・開口部、79・・・レジ
スト層、79A・・・レジスト開口部、81・・・支持
体、84・・・電子放出層、85・・・絶縁層、86・
・・ゲート電極、88・・・開口部、89・・・レジス
ト層、89A・・・レジスト開口部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子放出部及びゲート電極が支持体上に形
    成されて成る冷陰極電界電子放出素子を酸化性雰囲気に
    置き、電子放出部とゲート電極との間に電圧を印加する
    ことを特徴とする冷陰極電界電子放出素子の検査方法。
  2. 【請求項2】冷陰極電界電子放出素子を酸化性雰囲気に
    置き、電子放出部とゲート電極との間に電圧を印加する
    ことにより、電子放出部とゲート電極との間が短絡状態
    にあるとき、電子放出部及び/又はゲート電極を構成す
    る材料の少なくとも一部を酸化し、以て、電子放出部と
    ゲート電極との間を不導電状態とすることを特徴とする
    請求項1に記載の冷陰極電界電子放出素子の検査方法。
  3. 【請求項3】冷陰極電界電子放出素子は、 (A)支持体上に形成されたカソード電極、 (B)カソード電極上を含む支持体上に形成された絶縁
    層、 (C)絶縁層上に形成されたゲート電極、 (D)ゲート電極及び絶縁層を貫通した開口部、並び
    に、 (E)開口部の底部に位置するカソード電極上に形成さ
    れた錐状形状を有する電子放出電極、から構成されてお
    り、 電子放出電極が電子放出部に相当することを特徴とする
    請求項1に記載の冷陰極電界電子放出素子の検査方法。
  4. 【請求項4】(F)電子放出電極とカソード電極との間
    に形成された密着層を更に備え、 電子放出電極及び密着層が電子放出部に相当することを
    特徴とする請求項3に記載の冷陰極電界電子放出素子の
    検査方法。
  5. 【請求項5】密着層を構成する材料は、チタン、タング
    ステン、モリブデン、タンタル、ハフニウム及び不純物
    を含有したシリコンから成る群から選択された材料であ
    ることを特徴とする請求項4に記載の冷陰極電界電子放
    出素子の検査方法。
  6. 【請求項6】支持体上に電子放出部及びゲート電極から
    成る冷陰極電界電子放出素子が形成されたカソード・パ
    ネルを酸化性雰囲気に置き、電子放出部とゲート電極と
    の間に電圧を印加することを特徴とする冷陰極電界電子
    放出表示装置用のカソード・パネルの検査方法。
  7. 【請求項7】カソード・パネルを酸化性雰囲気に置き、
    電子放出部とゲート電極との間に電圧を印加することに
    より、電子放出部とゲート電極との間が短絡状態にある
    とき、電子放出部及び/又はゲート電極を構成する材料
    の少なくとも一部を酸化し、以て、電子放出部とゲート
    電極との間を不導電状態とすることを特徴とする請求項
    6に記載の冷陰極電界電子放出表示装置用のカソード・
    パネルの検査方法。
  8. 【請求項8】複数の画素から構成され、 各画素は、カソード・パネルに設けられた冷陰極電界電
    子放出素子と、冷陰極電界電子放出素子に対向してアノ
    ード・パネル上に設けられたアノード電極及び蛍光体層
    とから構成された冷陰極電界電子放出表示装置の製造方
    法であって、 (イ)電子放出部及びゲート電極から成る冷陰極電界電
    子放出素子を形成し、以て、支持体及び冷陰極電界電子
    放出素子から構成されたカソード・パネルを得る工程
    と、 (ロ)該カソード・パネルとアノード・パネルとを張り
    合わせる工程と、 (ハ)張り合わされたカソード・パネルとアノード・パ
    ネルとによって形成された空間を酸化性雰囲気とし、電
    子放出部とゲート電極との間に電圧を印加する工程と、 (ニ)張り合わされたカソード・パネルとアノード・パ
    ネルとによって形成された空間を排気し、所望の真空状
    態とする工程、から成ることを特徴とする冷陰極電界電
    子放出表示装置の製造方法。
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