JP2000338283A - 原子炉格納容器のフランジガスケット取付治具及び取付方法 - Google Patents

原子炉格納容器のフランジガスケット取付治具及び取付方法

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JP2000338283A
JP2000338283A JP11152496A JP15249699A JP2000338283A JP 2000338283 A JP2000338283 A JP 2000338283A JP 11152496 A JP11152496 A JP 11152496A JP 15249699 A JP15249699 A JP 15249699A JP 2000338283 A JP2000338283 A JP 2000338283A
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flange gasket
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フランジガスケットの取付溝への搬送を容易
確実に行うと共に、搬送に際して不均一な力が作用する
ことを未然に防止できる新規な原子炉格納容器のフラン
ジガスケット取付治具及び取付方法の提供。 【解決手段】 格納容器aの上鏡j側のフランジnに形
成されるボルト孔v内にこれを貫通するように挿入され
る筒状の治具本体2と、この治具本体2をそのボルト孔
vに吊り下げるハンガー3と、この治具本体2の下端に
設けられ、フランジガスケットsを保持するガスケット
ホルダー4とから構成する。従って、この取付治具1を
上鏡jのボルト孔v内に取り付けてフランジガスケット
を保持しながら上鏡と共に搬送することでその搬送が容
易確実に行なわれと共に、搬送に際して不均一な力が作
用することを未然に防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉格納容器の
上鏡を取り付けるに際して、その取付用フランジ面に形
成されたガスケット取付溝にリング状のフランジガスケ
ットを取り付けるためのフランジガスケット取付治具及
び取付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は、従来の原子力発電所の主要部
を構成する原子炉格納容器(PCV)の一つである鋼製
の格納容器aを用いたものがある。
【0003】図示するように、この鋼製の格納容器a
は、その内部に原子炉圧力容器(RPV)bが密閉収容
されると共に、この原子炉圧力容器bを支持するペデス
タルc及びダイヤフラムフロアdによって、その内部に
配管系eが引き廻されるドライウェルfと、冷却水wが
貯められるサプレッションチャンバ(圧力抑制室)gと
が上下に区画形成されている。
【0004】一方、この格納容器aの頂部には、定期点
検,緊急補修,燃料交換時等においてその内部を任意に
開閉するための上鏡jが着脱自在に設けられている。
【0005】この上鏡jは、図11に示すように、ドー
ム状をした上鏡本体kの頂部に複数の吊り耳m,mが備
えられると共に、その下部開口部に沿ってリング状のフ
ランジnが備えられた構造となっており、このフランジ
nを格納容器a頂部のフランジp上に載せた後、図12
に示すように、複数の締結ボルトrによって両者のフラ
ンジn,pを締結することによって鋼製格納容器a側に
着脱自在に取り付けられるようになっている。
【0006】また、この上鏡jを格納容器a側に取り付
けるに際しては、図12及び図13に示すように、これ
らフランジn,pの当接面に沿ってリング状に延びる一
対のフランジガスケットs,sがフランジp側に形成さ
れた一対の取付溝q,t内にそれぞれ嵌め込まれるよう
になっており、これら一対のフランジガスケットs,s
によって両フランジn,pを締結した際にその隙間が確
実にシールされて気密性が確保されるようになってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このフラン
ジガスケットs,sは、締付けボルトrの締結力による
変形によって気密性を確保するが、信頼性向上のため、
上記定期点検、緊急補修、燃料交換時において、上鏡j
を取り外した際にその都度新たなものに交換されるよう
になっているが、従来、このフランジガスケットs,s
の交換作業は、格納容器a内の原子炉圧力容器b側の上
鏡に被せた図示しない保温架台の上に作業員が載って手
作業によって行われるようになっている。
【0008】しかしながら、その保温架台上には接続配
管、弁等の作業の邪魔となる干渉物があるため、フラン
ジガスケットs,sを搬送する際に、他の機器に接触す
る等によりガスケットの表面にゴミやほこりが付着し
て、そのシール機能が損なわれてしまうおそれがある上
に、この搬送作業は手摺り等のない高所での作業となる
ため、危険を伴うといった問題があった。
【0009】また、このフランジガスケットs,sはシ
リコンゴム等の弾力性のある部材から形成されると共
に、多くの作業員の手渡しによって所定の取付溝q,t
まで搬送されるようになっているため、その搬送に際し
て不均一な力が局所的に作用することがあり、取付後に
本来のシール機能を十分に発揮できないといったおそれ
もある。
【0010】そこで、本発明はこのような課題を有効に
解決するために案出されたものであり、その目的は、フ
ランジガスケットの取付溝への搬送を容易確実に行うと
共に、搬送に際して不均一な力が作用することを未然に
防止できる新規な原子炉格納容器のフランジガスケット
取付治具及び取付方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、格納容器頂部の上鏡取付用フランジ面に形
成されたガスケット取付溝内にリング状に延びるフラン
ジガスケットを取り付けるための取付治具において、上
記上鏡側のフランジに多数形成されるいずれかのボルト
孔内にこれを貫通するように挿入される筒状の治具本体
と、この治具本体をそのボルト孔に吊り下げるハンガー
と、この治具本体の下端に設けられ、上記フランジガス
ケットを保持するガスケットホルダーとからものであ
る。
【0012】そして、このような構成をしたフランジガ
スケット取付治具を上記上鏡フランジのボルト孔内に一
定の間隔を隔てて複数取り付け、これら各フランジガス
ケット取付治具に上記フランジガスケットをリング状に
保持した後、このフランジガスケットを上記上鏡と共に
格納容器頂部の上鏡取付用フランジ側に搬送し、その直
上で一旦停止させた状態でこのフランジガスケットを上
記フランジガスケット取付治具から取り外して上記上鏡
取付用フランジ側のガスケット取付溝にそれぞれ取り付
けるようにしたものである。
【0013】従って、従来作業員の手渡しによって行わ
れてきたフランジガスケットの搬送作業が上鏡の搬送と
共に行われるようになるため、フランジガスケットの搬
送取付けに際して他の構造物に振れることがなくなるた
め、ゴミやほこりが付着することがなくなり、その機能
を十分に発揮することができる。
【0014】また、従来の手作業による取付作業のよう
に、フランジガスケットに対して局所的な力が作用する
ことがなくなるため、取付が良好に行われ、本来のシー
ル性能を十分に発揮することができる。
【0015】さらに、フランジガスケットの取付作業
は、建屋のフロアー側で行われるため、高所作業がなく
なり、作業時の安全性も向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施する好適一形
態を添付図面を参照しながら説明する。
【0017】図1は本発明に係るフランジガスケット取
付治具1(以下、取付治具と略す)の実施の一形態を示
す斜視図、図2はその側面図である。尚、図中s,sは
上述したようにそれぞれ本発明の取付け対象である断面
略矩形状をしたリング状のフランジガスケット、j,k
は上述した格納容器aの頂部に着脱される上鏡及びその
本体、nはこの上鏡本体kの下端部に溶接等によって取
り付けられるリング状のフランジ、pは格納容器aの頂
部に同じく溶接等によって取り付けられるリング状のフ
ランジ、q,tは格納容器a側のフランジpの上面に沿
ってリング状に形成されたフランジガスケット取付溝,
v,vはこれら両フランジn,pにそれぞれ形成された
ボルト孔である。
【0018】図示するように、この取付治具1は、上述
した上鏡jのフランジnに多数形成されるいずれかのボ
ルト孔v内にこれを貫通するように挿入される筒状の治
具本体2と、この治具本体2をそのボルト孔vの上面か
ら吊り下げるハンガー3と、上記フランジガスケット
s,sを保持するガスケットホルダー4とから構成され
ている。
【0019】この治具本体2は、その上端に一対の吊り
耳2a,2aが形成されており、矩形状の枠体からなる
ハンガー3の吊りロッド3aを貫通して揺動自在に吊り
下げられるようになっている。また、この治具本体2の
外径は、ボルト孔v内に挿入される関係上、ボルト孔v
の径よりも小さく、かつ、挿入後に大きくガタつかない
程度の大きさ、例えば、一般的なボルト孔vの径は、約
70mmであることから、これより小さい約55mm程
度に形成されている。さらに、この治具本体2の長さ
は、その下端部が露出してガスケットホルダー4が設け
られるようになっているため、少なくともボルト孔vの
長さ、すなわちフランジnの厚さよりも長い長さ、例え
ば、一般的なフランジnの厚さは、約86mmであるこ
とから、これより大きい約185mm程度に形成されて
いる。
【0020】一方、ガスケットホルダー4は、図示する
ように略L字形に折り曲げられた金属ロッドから形成さ
れており、その上端部は、さらに垂直に折り曲げられて
治具本体2を貫通して治具本体2の下端部に揺動自在に
吊り下げられるようになっている。また、このガスケッ
トホルダー4の下端部には上方に立設した一対の仕切ロ
ッド4a,4aが設けられており、各仕切ロッド4a,
4aで仕切られた区画部に上記一対のフランジガスケッ
トs,sの一部分がそれぞれ独立して支持されるような
っている。
【0021】そして、このような構成をした取付治具1
を用いてフランジガスケットs,sをフランジpの取付
溝q,tに取り付ける方法としては、先ず、この取付治
具1を複数(数十個)用意しておき、定期点検,緊急補
修,燃料交換時等の際に、上鏡jを天井クレーン(図示
せず)によって吊り上げてその近傍の安全な作業場所ま
で搬送し、ここでこれら各取付治具1を上鏡jのフラン
ジnに複数形成されたボルト孔v内に、図3に示すよう
に一定の間隔を置いて等間隔に配置した後、図1及び図
2に示すようにそのガスケットホルダー4にそれぞれ一
対のフランジガスケットs,sをリング状に引っ掛ける
ように吊り下げる。このとき、取付治具1の設置数は、
その数が少ないほどフランジガスケットsの取付作業は
容易になるが、逆に設置数が少ないと各ガスケットホル
ダー4によって保持されたフランジガスケットs,sが
大きく弛むおそれがあるため、適用する上鏡jの大き
さ、フランジガスケットsの太さ等、必要に応じて最適
に増減することはいうまでない。
【0022】次に、このようにしてフランジガスケット
s,sを上鏡jの下部にリング状に保持したならば、そ
の上鏡j全体を天井クレーン(図示せず)によって図3
に示すように格納容器aの直上まで搬送してから降下さ
せ、格納容器aのフランジpとの間隔が所定の距離、例
えば、約500mmとなったならば、その位置で上鏡j
の降下を一旦停止した後、作業員によって図2に示すよ
うにガスケットホルダー4に保持された各フランジガス
ケットs,sをそれぞれフランジpの上面に形成された
取付溝q,t内に嵌め込んで取り付けることになる。
【0023】従って、この取付に際してはフランジガス
ケットsに対して局所的に無理な力が作用することがな
くなるため、取付後におけるそのフランジガスケットs
本来のシール性能を確実に発揮させることができる。
【0024】また、このフランジガスケットsは上述し
たように上鏡jに仮取付けされた状態で、この上鏡jと
共にその取付溝q,tまで搬送されることとなるため、
従来の手渡し作業による搬送の如く、搬送に際して他の
機器や装置等に接触することもなくなり、ゴミや誇りの
付着によるその機能低下も未然に防止することができ
る。また、治具本体2は、その断面形状がボルト孔vと
相似形の円形となっていることから、搬送時においてボ
ルト孔v内で大きく揺れたりすることがなく、安定した
状態でフランジガスケットsを所定の位置まで搬送する
ことができる。さらにフランジガスケットs,sの取付
作業も従来法と異なり、高所作業がなくなるため、安全
性も向上する結果となる。
【0025】そして、このようにしてフランジガスケッ
トs,sを各取付溝q,tに嵌め込んだならば、この取
付治具1をそのまま上方に引き抜くか、あるいは一旦上
方に引き抜き、そのハンガー3をその吊りロッド3aを
軸として起立させてボルト孔vとの干渉を回避した後、
そのまま下方に引き抜くことでボルト孔vから取り外
し、次回の交換時において再利用されることとなる。従
って、その着脱作業も極めて容易にできることから、そ
の作業も極めて軽作業となる。尚、この取付溝q,t内
に嵌め込まれたフランジガスケットs,sは、その後上
鏡jをそのまま降下させて格納容器a上に載置し、締結
ボルトrで両フランジn,pを締結することで上下に潰
される結果、これらフランジn,p間の隙間を確実にシ
ールするように作用することになる。
【0026】次に、図4〜図7は本発明に係る取付治具
1のうち、ガスケットホルダー4に係る他の実施の形態
を示したものである。そして、これら各実施の形態のガ
スケットホルダー4にあっては、特に上述したようなフ
ランジガスケットsの保持搬送のみならず、以下に示す
ように、取付溝q,tへのフランジガスケットsの取付
自体も作業員の手作業に依らず自動的に行うようにした
ものである。
【0027】先ず、図4,図5に示すガスケットホルダ
ー4は、ハンガー3の下端部からそれぞれ上鏡jの中心
方向に水平に延びる一対の水平アーム5,5と、このア
ーム5,5の先端間に架け渡される連結ロッド6と、こ
の連結ロッド6にそれぞれ揺動自在に吊り下げられた一
対の保持アーム7,7とから構成されている。
【0028】そして、この保持アーム7,7はそれぞれ
その略中央部で互いに外側にく字形状に折り曲げられる
と共に、その下端部に鉄塊等の錘8を備え、さらにその
下端部がそれぞれ屈曲方向に湾曲した構造となってお
り、これら保持アーム7,7が連結ロッド6を軸として
互いに近接離間するように揺動することでその間にフラ
ンジガスケットsを保持すると同時にこれを取付溝q,
t内に落下して嵌め込むようにしたものである。
【0029】すなわち、図5(1)に示すように、この
ガスケットホルダー4は、フランジガスケットsの搬送
時においてその下端がフリーの状態の時にはその各保持
アーム7,7が錘8の自重により、互いに近接して接触
した状態となっているため、その間に挟まれたフランジ
ガスケットsは、搬送時において落下することなく、ガ
スケットホルダー4間に保持されたままの状態となって
いるが、このフランジガスケットsを一方の取付溝tの
上方に位置させた後、そのまま降下させると、図5
(2)に示すように、この保持アーム7,7の湾曲下端
部がフランジp面に接してそのまま屈曲方向へスライド
移動する結果、両保持アーム7,7が離間して保持され
ているフランジガスケットsが自重により落下して取付
溝t内に自動的に嵌め込まれて取り付けられることにな
る。
【0030】従って、このようなガスケットホルダー4
を採用すれば、上記実施の形態の効果に加えて取付溝
q,t内へのフランジガスケットsの取付作業も同時に
行うことができるため、さらなる労力の低減化と安全性
の向上を達成することができる。尚、本実施の形態で
は、二つある取付溝q,tのうち、外側の取付溝tに対
してフランジガスケットsを取り付ける例で説明した
が、このガスケットホルダー4を構成する水平アーム
5,5の長さを長くした取付治具1を用意し、これらを
フランジnのボルト孔vに交互に取り付けることによっ
てその内側の取付溝qに対するフランジガスケットsの
取付作業も同時に行うことができる。
【0031】次に、図6(1)に示すガスケットホルダ
ー4は、この水平アーム5先端に、く字形に折り曲げら
れた保持ロッド9の下端部に球形状の錘10を備えると
共に、その屈曲部上方にそれぞれ上記フランジガスケッ
トs,sをそれぞれ独立して保持するための一対のフッ
ク11,11を上下に備えたものであり、これら各フッ
ク11,11にそれぞれフランジガスケットs,sを独
立して保持するようにしたものである。
【0032】従って、本実施の形態も上記実施の形態と
同様に、取付治具1を所定の位置に位置させた後、これ
を上鏡jと共に降下させると、図6(1)に示すように
保持ロッド9下端の錘10がフランジpの上面に接触し
た後、これを径方向内側にスライドすることで保持ロッ
ド9が徐々に傾いてそのフック11,11上に保持され
た各フランジガスケットs,sがフック11,11先端
から滑り落ちて各取付溝q,t内へそれぞれ落下して自
動的に取り付けられる結果となる。
【0033】一方、図7(1)示すガスケットホルダー
4にあっては、この水平アーム5先端にガスケット保持
部12を吊り下げるように連結すると共にガスケット保
持部12内に各フランジガスケットs,sを各々載置す
る載置ロッド13,13を備え、これら載置ロッド1
3,13の端部に垂直下方に延びる揺動ロッド14を備
えたものであり、上記各実施の形態と同様に、フランジ
ガスケットs,sの搬送のみならず、その取付を自動的
に行うようにしたものである。
【0034】すなわち、図7(1)に示すように、この
揺動ロッド14の下端部には球形状の錘15が備えられ
ているため、その下端がフリーの状態の時にはその錘1
5の自重により揺動ロッド14が下がった状態となって
いる。そのため、この揺動ロッド14の上端部に係合さ
れている各載置ロッド13,13は水平状態を維持し、
各々のフランジガスケットs,sを載置して保持してい
る状態となっている。尚、これら各載置ロッド13,1
3には図示しないストッパーが設けられていることか
ら、水平状態より上方に起立することはない。そして、
この状態から図7(2)に示すように上鏡jを降下させ
ると、揺動ロッド14の下端部がフランジp面状に接す
ることで載置ロッド13,13が倒れ、これに載置され
ているフランジガスケットs,sがそのまま落下して各
々の取付溝q,t内に収容されることとなる。
【0035】従って、本実施の形態のガスケットホルダ
ー4であっても上記実施の形態のガスケットホルダー4
と同様に、フランジガスケットs,sの搬送のみなら
ず、その取付を自動的に行うことが可能となる。
【0036】次に、図8は、上述したハンガー3及びこ
のハンガー3を取り付ける治具本体2の吊り耳2a,2
aの他の実施の形態を示したものである。
【0037】図示するように、先ず、本実施の形態のハ
ンガー3は、対向する長辺部分の略中央部を同方向に窪
ませて係合部16,16を形成したものであり、この係
合部16,16を吊り耳2a,2a側に係合させること
で治具本体2を吊り下げるようにしたものである。一
方、本実施の形態の吊り耳2a,2aにあっては、図1
に示した吊り耳2a,2aをさらにそれぞれその付け根
部で90°捻り、治具本体2の径方向に沿うように加工
すると共にその頂部を水平方向に屈曲し、さらに、その
屈曲部から付け根部に亘ってそれぞれ長孔17,17を
形成し、この長孔17,17内に上記ハンガー3を貫通
させて係合させたものである。
【0038】すなわち、本実施の形態のように構成すれ
ば、図中破線に示すように、その長孔17,17を利用
してハンガー3を片側に寄せて立ち上げることにより、
ボルト孔vに挿入時にフランジnの上面より引き上げや
すくなる上に、上記実施の形態のものよりも治具本体2
の全長を短くすることができる。また、ハンガー3の短
辺の幅が治具本体2の直径よりも小さくなって治具本体
2の外側にはみ出すことがなくなるため、フランジnの
下面側からボルト孔v内に挿入することができる。この
結果、治具本体2の外径をボルト孔vの径と密に一致す
る程度まで大きくすることができるため、治具本体2を
ボルト孔vに挿着した際にそのがたつきをさらに小さく
することが可能となる。
【0039】一方、図9に示すように、ガスケットホル
ダー4の貫通孔を長孔18,18とすることによってこ
のガスケットホルダー4を水平に係合させると共に、そ
の治具本体2を回転させて仕切ロッド4a,4a側がフ
ランジnの径方向内方に向くように位置させ、この状態
でガスケットホルダーs,sをそれぞれ保持させるよう
にしても良い。すなわち、ガスケットホルダーs,s
は、輪ゴムの如き、その中心部に縮むように適度なテン
ションが加わった状態であるため、作業員の手作業によ
る交換作業を行う場合には、ガスケットホルダー4を本
実施の形態のようにして用いれば、ガスケットホルダー
s,sのテンションによる引張り応力を軽減できる上
に、ガスケットホルダーs,sがフランジnの内側に位
置するようになるため、フランジnの外側にいる作業者
の前方でガスケットホルダーs,sの取付作業が可能と
なり、その労力をより軽減することができる。
【0040】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、以下に示
すような優れた効果を発揮することができる。
【0041】上鏡と格納容器のフランジ間に取り付け
られるリング状のフランジガスケットを上鏡側に保持し
て上鏡と共に所定の位置まで搬送することができる。
【0042】この結果、フランジガスケットの取付け
に際して他の構造物に振れることがなくなるため、ゴミ
やほこりが付着することがなくなり、その機能を十分に
発揮することができる。
【0043】また、従来の手作業による取付作業のよ
うに、フランジガスケットに対して局所的な力が作用す
ることがなくなるため、取付が良好に行われ、本来のシ
ール性能を十分に発揮することができる。
【0044】原子炉圧力容器の保温架台上での高所作
業をなくすことができるため、作業の安全性が向上する
と同時に、作業の労力が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフランジガスケット取付治具の実
施の一形態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るフランジガスケット取付方法の実
施の一形態を示す側面図である。
【図3】本発明に係るフランジガスケット取付方法の実
施の一形態を示す側面図である。
【図4】本発明に係るフランジガスケット取付治具の他
の実施の形態を示す斜視図である。
【図5】図4に示すフランジガスケット取付治具を用い
た取付方法の実施の一形態を示す説明図である。
【図6】本発明に係るフランジガスケット取付治具及び
その取付方法の実施の一形態を示す説明図である。
【図7】本発明に係るフランジガスケット取付治具及び
その取付方法の実施の一形態を示す説明図である。
【図8】本発明のフランジガスケット取付治具のハンガ
ー付近の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図9】本発明のフランジガスケット取付治具のガスケ
ットホルダー付近の他の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図10】従来の鋼製格納容器を用いた原子炉格納容器
を示す一部破断全体図である。
【図11】図10中A部を示す部分拡大図である。
【図12】図11中A部を示す部分拡大図である。
【図13】(1)は図12中A−A線断面図である。
(2)は図12中B−B線断面図である。
【符号の説明】
1 フランジガスケット取付治具 2 治具本体 3 ハンガー 4 ガスケットホルダー a 格納容器 j 上鏡 n,p フランジ s フランジガスケット v ボルト孔 q,t 取付溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 格納容器頂部の上鏡取付用フランジ面に
    形成されたガスケット取付溝内にリング状に延びるフラ
    ンジガスケットを取り付けるための取付治具において、
    上記上鏡側のフランジに多数形成されるいずれかのボル
    ト孔内にこれを貫通するように挿入される筒状の治具本
    体と、この治具本体をそのボルト孔に吊り下げるハンガ
    ーと、この治具本体の下端に設けられ、上記フランジガ
    スケットを保持するガスケットホルダーとからなること
    を特徴とする原子炉格納容器のフランジガスケット取付
    治具。
  2. 【請求項2】 上記上鏡フランジのボルト孔内に請求項
    1記載のフランジガスケット取付治具を一定の間隔を隔
    てて複数取り付け、これら各フランジガスケット取付治
    具に上記フランジガスケットをリング状に保持した後、
    このフランジガスケットを上記上鏡と共に格納容器頂部
    の上鏡取付用フランジ側に搬送し、その直上で一旦停止
    させた状態でこのフランジガスケットを上記フランジガ
    スケット取付治具から取り外して上記上鏡取付用フラン
    ジ側のガスケット取付溝にそれぞれ取り付けるようにし
    たことを特徴とする原子炉格納容器のフランジガスケッ
    ト取付方法。
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