JP2000337883A - 角速度センサ及び振動周波数調整方法 - Google Patents

角速度センサ及び振動周波数調整方法

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JP2000337883A
JP2000337883A JP11152933A JP15293399A JP2000337883A JP 2000337883 A JP2000337883 A JP 2000337883A JP 11152933 A JP11152933 A JP 11152933A JP 15293399 A JP15293399 A JP 15293399A JP 2000337883 A JP2000337883 A JP 2000337883A
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vibrator
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polarization
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Toshiyuki Kawamura
俊行 川村
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 角速度センサの振動子の共振周波数を所定の
周波数にする調整を容易に行い、なおかつ精度等を信頼
性のあるものにする。 【解決手段】 振動子1を励振させるとともに、回転運
動により生じるコリオリ力による当該振動子の振動方向
の変化を検出するための圧電素子2a,2bの圧電体2
aa,2baの分極量を調整することで、振動子1の共
振周波数を所定の周波数に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ一体型ビデ
オテープレコーダの手ぶれ検知、カーナビゲーションシ
ステムにおける方向検知等のために使用される角速度セ
ンサ、及びこの角速度センサの備える振動子の振動周波
数を調整するのに好適な振動周波数調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、慣性座標系の角速度を検出し
て航空機等の進行方向を算出するといった用途に角速度
センサが用いられている。また、近年、角速度センサ
は、自動車に搭載されるナビゲーションシステムの方向
検知、又はカメラ一体型ビデオテープレコーダの手ぶれ
補正機能の手ぶれ検知等に応用されており、その需要が
高まってきている。
【0003】例えば、三角柱状や四角柱状の恒弾性金属
により形成された音片に圧電素子を装着した構造や円柱
状に加工された圧電セラミクスに電極を印刷した構造の
振動ジャイロ型角速度センサが実用化されている。図1
0乃至図13を用いて従来の角速度センサについて説明
する。
【0004】図10及び図11に示す従来の角速度セン
サは、基体101が断面略正方形に形成されているもの
であって、この基体101の側面に取り付けられた第1
及び第2の圧電素子102,103と、基体101を基
台108上に支持する細線状の一対の支持部材106,
107とから振動子120が構成されている。
【0005】基体101は、例えば、エリンバ等の一般
に機械的な振動を生じるような恒弾性材料により成形さ
れている。この基体101には、基台108に向かう第
1及び第2の側面101a,101bに、第1及び第2
の圧電素子102,103がそれぞれ取り付けられてい
る。
【0006】第1及び第2の圧電素子102,103は
それぞれ、例えば、圧電特性を有する圧電体と、圧電体
の両面に形成された電極とから構成され、板形状とされ
ている。この第1及び第2の圧電素子102,103
は、圧電体の一の面に形成された電極が基体101の各
側面101a,101bに取り付けられている。
【0007】支持部材106,107は、基台108に
対向される支持部106a,107aに基体101の第
3及び第4の側面101c,101dの交わる稜部10
1cdが接合され、当該基体101を基台108上に吊
り下げるものとして、一本の細線によって形成されてい
る。
【0008】そして、支持部材106,107は、基台
108に形成された配線パターンに電気的に接続されて
いる。これにより、基体101の側面に設けられている
圧電素子102,103の電極は、基体101及び支持
部材106,107を介して基台108上に形成された
配線パターンに電気的に接続される。また、第1及び第
2の圧電素子102,103の他方の電極は、リード線
104,105を介して基台108上に形成されている
配線パターンに電気的に接続されている。
【0009】以上のように構成された従来の角速度セン
サにおいて、第1及び第2の圧電素子102,103に
駆動振動が供給されると基体101が支持部材106,
107により支持されている点を振動ノード点として屈
曲振動する。この状態で基体101が軸中心として回転
運動をすると、屈曲振動の振動方向に対し直交する方向
にコリオリ力が発生し、このコリオリ力により基体10
1の屈曲振動の振動方向が変化する。角速度センサは、
このように発生するコリオリ力による振動子120の屈
曲運動の振動方向の変化を第1及び第2の圧電素子10
2,103により検知することにより、角速度を検出し
ている。
【0010】次に、三角柱状の振動子を用いた角速度セ
ンサについて説明する。図12及び図13に示すよう
に、角速度センサは、断面が略三角形の柱状体に形成さ
れた基体201と、この基体201の側面に取り付けら
れた第1乃至第3の圧電素子202,203,204と
から振動子220が構成されている。そして、上述した
従来の角速度センサと同様に、振動子220が基台10
8上に一対の支持部材106,107により吊り下げら
れている。
【0011】この基体201には、第1乃至第3の側面
201a,201b,201cに、第1乃至第3の圧電
素子202,203,204がそれぞれ取り付けられて
いる。
【0012】第1乃至第3の圧電素子202,203,
204はそれぞれ、断面が略四角形の柱状体からなる基
体101を有する上述の角速度センサの第1及び第2の
圧電素子102,103と同様に、例えば、圧電特性を
有する圧電体と、この圧電体の両面に形成された電極と
から構成され、ともに板形状とされて、振動子201の
第1乃至第3の側面201a,201b,201cそれ
ぞれに取り付けられている。
【0013】このように構成された従来の角速度センサ
においては、例えば第2の圧電素子203が駆動用とさ
れ、例えば第1及び第3の圧電素子202,204が検
出用とされる。駆動用とされる第2の圧電素子203と
検出用とされる第1及び第3の圧電素子202,204
とは、一方の電極がそれぞれリード線207,205,
206を介して基台108上に形成された配線パターン
に電気的に接続され、また、他方の電極が基体201及
び支持部材106,107を介して、基台108上に形
成された配線パターンに電気的に接続されている。
【0014】この角速度センサにおいて、振動子220
は、第2の圧電素子203に駆動振動が供給されると振
動子201が支持部材106,107により支持されて
いる点を振動ノード点として屈曲振動をする。そして、
角速度センサは、上述した従来の角速度センサと同様
に、基体201が軸中心として回転運動をするとにより
発生するコリオリ力による屈曲運動の振動方向の変化を
検知することにより、角速度を検出している。
【0015】以上のような構成を有する従来の各角速度
センサにおいて、振動子の各振動方向の共振周波数を所
定の周波数に調整することは検出感度や残留ノイズなど
の電気的特性を満足する上で重要である。このようなこ
とから、従来より、振動子の共振周波数を所定の周波数
にするために、基体の稜や面及び圧電素子自体をグライ
ンダやレーザなどの工具を使用して機械的に切削してい
た。
【0016】図10及び図11に示した従来の角速度セ
ンサの振動子101に対して行われている従来の調整に
ついて説明する。
【0017】第1の側面101aと第2の側面101b
とが交わる第1の稜部101ab及び第3の側面101
cと第4の側面101dとが交わる第3の稜部101c
dが属する面内方向の振動について振動周波数を調整す
る場合、例えば、当該第1の稜部101ab又は第3の
稜部101cdが切削されていた。
【0018】また、第2の側面101bと第3の側面1
01cとが交わる第2の稜部101bc及び第1の側面
101aと第4の側面101dとが交わる第4の稜部1
01adが属する面内方向の振動について振動周波数を
調整する場合、例えば、当該第2の稜部101bc又は
第4の稜部101adが切削されていた。
【0019】また、第1及び第3の側面101a,10
1cに垂直方向の振動について振動周波数を調整する場
合、例えば、当該第1の側面101a又は第3の側面1
01c或いは第1の圧電素子102自体が切削されてい
た。
【0020】また、第2及び第4の側面101b,10
1dに垂直方向の振動について振動周波数を調整する場
合、例えば、当該第2の側面101b又は第4の側面1
01d或いは第2の圧電素子103自体が切削されてい
た。
【0021】このように振動子101の共振周波数を所
定の周波数にするために、基体101や第1及び第2の
圧電素子102,103自体が切削されており、その切
削には、例えば、グラインダやレーザ等が用いられてい
た。なお、図12及び図13に示した従来の角速度セン
サについても、振動子220の共振周波数を所定の周波
数に調整する場合には、基体201や圧電素子自体の切
削が行われていた。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところで、振動子や圧
電素子の表面状態が残留ノイズや温度特性に大きく影響
する。しかしながら、グラインダ等による切削の場合、
切削後の表面を均一にするのは困難であり、切削後には
少なからずバリ等が発生する。また、切削によりより発
生する切削粉は精度等の信頼性上の問題となり、また、
このようなことから、切削粉を除去するために洗浄が必
要とされていたが、これでは手間がかかる。さらに、レ
ーザを用いて切削するような場合、設備が大がかりにな
りコストアップに繋がる。
【0023】そこで、本発明は、上述の実情に鑑みてな
されたものであり、振動子の共振周波数を所定の周波数
にする調整を容易に行い、なおかつ精度等に信頼性のあ
る角速度センサ、及び振動周波数調整方法を提供するこ
とを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明に係る角速度セン
サは、上述した課題を解決するために、圧電体に同相電
圧を印加して振動子を励振させるとともに、回転運動に
より生じるコリオリ力による当該振動子の振動方向の変
化を圧電体により検出することで角速度を検出するもの
であって、圧電体の分極量が、振動子の振動周波数調整
工程において調整される。
【0025】この角速度センサは、圧電体の分極量が調
整されることにより、基体素子や圧電体を切削加工する
ことなく共振周波数が調整されて振動子が振動される。
【0026】また、本発明に係る振動周波数調整方法
は、上述した課題を解決するために、圧電体に同相電圧
を印加して振動子を励振させるとともに、回転運動によ
り生じるコリオリ力による当該振動子の振動方向の変化
を圧電体により検出することで角速度を検出する角速度
センサにおける振動子の振動周波数の調整を、圧電体の
分極量を調整することにより行う。
【0027】この振動周波数調整方法により、圧電体の
分極量を調整することで、基体素子や圧電体を切削加工
することなく振動子の共振周波数が所定の周波数に調整
される。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて詳しく説明する。なお、本発明は以下に
説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であること
はいうまでもない。
【0029】本発明を適用した角速度センサの一例につ
いて、図1乃至図3にその基本構成を示す。この角速度
センサは、振動ジャイロとして動作する振動子1を備え
ている。
【0030】この角速度センサは、第1及び第2の圧電
素子2a,2bと基体素子3とを有する振動子1を備え
ている。そして、第1の圧電素子2aを構成する第1の
圧電体2aaや第2の圧電素子2bを構成する第2の圧
電体2abが振動子1の共振周波数が所定の振動数にな
るように分極量が調整されている。圧電体の分極量の調
整については後で詳しく説明する。
【0031】基体素子3は、基体3aと、電極3b,3
c,3dとを備えている。基体素子3は、基体3aの表
面上に、一体とされて形成された電極3b,3c,3d
が配置されている。
【0032】基体3aは、断面略矩形の柱状の形状をな
している。この基体3aは、例えば、第1及び第2の圧
電素子2a,2bの圧電体2aa,2baに用いている
圧電材料と同一材料によりなる。例えば、圧電材料とし
て圧電セラミック材料であるPZTが用いられている。
【0033】電極3dは、基体3aにおいて第1及び第
2の圧電素子2a,2bとの接合面に配置されている電
極である。すなわち、電極3dは、第1及び第2の圧電
素子2a,2bと基体素子3とが接合された状態におい
て、第1の圧電素子2aの第1の圧電素子電極2ab及
び第2の圧電素子2bの第3の圧電素子電極2bbと電
気的に接続されている。以後、電極3bを接合面電極3
dという。
【0034】電極3cは、基体3aの長手方向の各端面
に配置されている電極である。以後、電極3cを端面電
極3cという。
【0035】電極3bは、基体3aにおいて、接合面電
極3dが配置されている面と対向されている面に配置さ
れている電極である。以後、電極3bを裏面電極3bと
いう。
【0036】このように基体3aの各面に配置されてい
る電極3b,3c,3dは、各々隣合う面の電極と一体
となっている。すなわち、電極3b,3c,3dは、電
気的に一体とされた電極を構成している。よって、例え
ば、相対向する面に配設されている接合面電極3dと裏
面電極3bとは、端面電極3cにより電気的に接続され
ている。これにより、接合面電極3dが第1及び第2の
圧電素子2a,2bそれぞれの圧電素子電極2ab,2
bbと電気的に接続された状態とされていることから、
圧電素子電極2ab,2bbと基体素子3の電極3b,
3c,3dとは、結果的に共通電極として働く。例え
ば、電極3b,3c,3dは、基体3aに電極メッキを
施すことにより、基体3aの表面に一体とされて形成さ
れる。
【0037】第1の圧電素子2aは、第1の圧電体2a
aと、その各面に配置されている第1及び第2の圧電素
子電極2ab,2acとを備え、板状に形成されてい
る。
【0038】第1の圧電体2aaは、圧電材料により断
面略矩形の板状の形状をなしている。この第1の圧電体
2aaは、上述した基体素子3の基体3aと同一材料を
用いて形成されており、例えば、圧電セラミック材料で
あるPZTにより形成されている。
【0039】第1の圧電素子電極2abは、第1の圧電
体2aaの一の面に形成され、第2の圧電素子電極2a
cは、第1の圧電体2aaの第1の圧電素子電極2ab
に対向される面に形成されている。また、第1の圧電素
子電極2abは、当該第1の圧電素子2aと基体素子3
が接合された状態において、基体素子3の接合面電極3
dと電気的に接続されている。すなわち、第1の圧電素
子電極2abは、接合面電極3dとの電気的接続によ
り、基体素子3の他の面に配置されている端面電極3c
と、さらには裏面電極3bと電気的に接続されることに
なる。
【0040】第2の圧電素子2bは、上述した第1の圧
電素子2aと同様な構成からなり、第2の圧電体2ba
と、その各面に配置されている第3及び第4の圧電素子
電極2bb,2bcとを備えている。
【0041】第2の圧電体2baは、圧電材料により断
面略矩形の板状の形状をなしている。この第2の圧電体
2baは、上述した第1の圧電体2aa及び基体素子3
の基体3aと同一材料を用いて形成されており、例え
ば、圧電セラミック材料であるPZTにより形成されて
いる。
【0042】この第2の圧電体2ba及び上述した第1
の圧電体2aaとは、分極処理により圧電特性を有する
ようになされている。そして、この第2の圧電体2ba
及び上述した第1の圧電体2aaの両方、或いは何れか
一方が、振動子1の振動が所定の周波数の共振周波数に
おいてなされるように分極量が調整されている。圧電体
の分極量を調整する場合については後述する。
【0043】第3の圧電素子電極2bbは、第2の圧電
体2baの一の面に形成され、第4の圧電素子2bb
は、第2の圧電体2baの第3の圧電素子電極2bbに
対向される面に形成されている。また、第3の圧電素子
電極2bbは、当該第2の圧電素子2bと基体素子3が
接合された状態において、基体素子3の接合面電極3d
と電気的に接続されている。すなわち、第3の圧電素子
電極2bbは、上述した第1の圧電素子電極3abと同
様に、接合面電極3dとの電気的接続により、基体素子
3の他の面に配置されている端面電極3cと、さらには
裏面電極3bと電気的に接続されることになる。
【0044】このような構成からなる第1及び第2の圧
電素子2aは、基体素子3上の短辺方向に並んで配置さ
れ、すなわち、基体素子3上の長手方向に一つの圧電素
子が分割されたような構成をなし配置されている。
【0045】また、角速度センサは、振動子1を振動さ
せるため及び回転運動により発生するコリオリ力による
振動方向の変化を検出するための回路として、加算器
4、増幅器5、移相器6、差動増幅器7、同期検波器
8、及びローパスフィルタ9を備えている。
【0046】具体的には、角速度センサは、加算器4
と、増幅器5と、移相器6と、第1及び第2の圧電素子
2a,2bの圧電素子電極2ac,2bcとから、振動
子1を振動させる振動駆動部を構成している。また、角
速度センサは、差動増幅器7と、加算器4の出力に接続
されている同期検波器8と、ローパスフィルタ9と、第
1及び第2の圧電素子2a,2bの各圧電素子電極2a
c,2bcとから、振動子1の回転運動により発生する
コリオリ力による振動方向の変化を検出する検出部を構
成している。
【0047】第1及び第2の圧電素子2a,2bから出
力された信号の流れに沿って説明すると、振動駆動部に
おいては、第1及び第2の圧電素子2a,2bの圧電素
子電極2ac,2bcの出力(S+,S−)が加算器4
に入力され、それらの加算値がこの加算器4により取ら
れる。そして、加算器4からの出力は、増幅器5に入力
され、ここで入力信号の増幅が行われる。そして、増幅
器5からの出力が、移相器6によりその位相が推移さ
れ、各圧電素子電極2ac,2bcに出力される。この
振動子駆動部をなす回路は、いわゆる移相発振回路を構
成しており、これにより振動子1を自励振動させてい
る。
【0048】ここで、第1及び第2の圧電素子2a,2
bの分極方向が図3に示すように、当該第1及び第2の
圧電素子2a,2bと基体素子3とを積層している方向
である矢印Z2の方向であることから、第1及び第2の
圧電素子2a,2bが長手方向に伸縮することになり、
振動子1は、振動子1の長手方向と垂直方向である図2
に示す矢印Z1の方向に屈曲振動する。
【0049】また、検出部においては、第1及び第2の
圧電素子2a,2bの圧電素子電極2ac,2bcから
の出力(S+,S−)はそれぞれ差動増幅器7に入力さ
れ、ここでその差動が取られる。
【0050】なお、第1の圧電素子2aの第1の圧電素
子電極2ab及び第2の圧電素子2bの第1の圧電素子
電極2bbを中点基準電位に接続する必要があるが、基
体素子3の下面電極3dが中点基準電位Cに接続される
ことにより、圧電素子電極2ab,2bbは基体素子3
の接合面電極3bを介して中点基準電位Cに接続され
る。
【0051】そして、角速度センサは、振動子1を振動
方向に振動させた際に、振動子1が回転することにより
当該振動子1に生じたコリオリ力による振動方向の変化
を、第1及び第2の圧電素子2a,2bにより検出し、
それらの差動を差動増幅器7により得ている。そして、
差動増幅器7から出力は、同期検波器8に入力され、こ
こで同期検波が行われる。このとき、同期検波器8に
は、同期検波を行うために、加算器4からの出力が同期
信号として供給される。そして、同期検波器8からの出
力が、ローパスフィルタ9を介して、振動子1に生じた
振動方向の変化を検出することにより得られた角速度信
号として出力される。
【0052】以上のような構成を有することにより、角
速度センサは、振動子駆動機能、及びその振動を検出す
る機能を合わせ持っている。これにより、角速度センサ
は、振動子駆動機能により振動子1を屈曲振動させ、屈
曲振動させているときに振動子1が回転することによっ
て生じたコリオリ力よる振動方向の変化を上述した検出
機能により検出することで、角速度を検出することがで
きる。
【0053】そして、この角速度センサは、第1の圧電
体2aaや第2の圧電体2baの分極量が調整されるこ
とにより、基体素子3や第1及び第2の圧電素子2a,
2bを切削することなく振動子1の共振周波数を所定の
周波数に調整されているので、精度等の信頼性が従来の
ものより向上されている。
【0054】以下、振動子1の共振周波数の所定の周波
数への調整を行う振動周波数調整工程について具体的に
説明する。振動周波数調整工程において行う振動子の調
整原理は、分極処理されて所定の分極量とされている圧
電素子の分極を破壊すること(分極の程度を変化させる
こと、或いは分極量をトリミングすること)により、圧
電素子の駆動状態を変化させ、この圧電素子により屈曲
振動させる振動子の振動周波数が変化することを利用し
て行うものである。
【0055】例えば、基体素子3の上下面(接合面電極
3dが形成されている面、裏面電極3bが形成されてい
る面)の垂直方向の振動子1の振動について調整する場
合には、第1及び第2の圧電体2aa,2baに共に同
程度の熱を加える。この第1及び第2の圧電体2aa,
2baでは、例えばキュリー温度以上に加熱されること
により分極が破壊され、これにより分極量が調整され
る。すなわち、例えば、図4に示すように、第1及び第
2の圧電素子2a,2bに対物レンズ21,22により
レーザ光を照射し、キュリー温度を超える温度まで加熱
することにより、第1及び第2の圧電体2aa,2ba
の所定位置、例えば長手方向における所定部分の分極量
を調整する。
【0056】また、基体素子3の対角方向の振動子1の
振動について調整する場合には、第1の圧電体2aa又
は第2の圧電体2baに熱を加え、第1の圧電体2aa
又は第2の圧電体2baの分極量を調整する。すなわ
ち、例えば、図5及び図6に示すように、第1の圧電素
子2a又は第2の圧電素子2bに対物レンズ21又は対
物レンズ22によりレーザ光を照射して、第1の圧電体
2aa又は第2の圧電体2baの所定位置、例えば長手
方向における所定部分の分極量を調整する。
【0057】また、第1及び第2の圧電体2aa,2b
aの分極の破壊は上述したように、熱を加えてすること
に限定されることはなく、逆電界を印加することにより
分極を破壊することができる。
【0058】例えば、基体素子3の上下面の垂直方向の
振動子1の振動について調整する場合には、第1及び第
2の圧電体2aa,2baに同程度の電圧を印加して第
1及び第2の圧電体2aa,2baの分極を破壊して分
極量を調整する。具体的には、図7に示すような回路か
らなる電圧印加手段23により、第1及び第2の圧電素
子2a,2bに抗電界を超える逆電界を加えて、第1及
び第2の圧電体2aa,2baの所定位置、例えば長手
方向における所定部分の分極量を調整する。
【0059】また、基体素子3の対角方向の振動子1の
振動について調整する場合には、第1の圧電体2aa又
は第2の圧電体2baに電圧を印加して第1の圧電体2
aa又は第2の圧電体2baの分極量を調整する。具体
的には、図8及び図9に示すような回路からなる電圧印
加手段24,25により、第1の圧電素子2a又は第2
の圧電素子2bに電圧を印加して、第1の圧電体2aa
又は第2の圧電体2baの所定位置、例えば長手方向に
おける所定部分の分極量を調整する。
【0060】以上のように、圧電体の分極を破壊して
(分極の程度を変化させて、或いは分極量をトリミング
して)、その分極量を変化させることで、従来のように
振動子の構成部分を切削することなく、振動子の共振周
波数を所定の周波数に調整することができる。よって、
残留ノイズや温度特性に影響する振動子や圧電素子の表
面状態を変化させることなく、振動子の共振周波数を所
定の周波数に調整することができるので、信頼性が高い
角速度センサを提供することができ、また、振動数の調
整も容易とされている。
【0061】すなわち、例えば、従来のように振動子を
切削して振動子の共振周波数を所定の周波数に調整する
とすれば、基体素子3や第1及び第2の基体素子2a,
2bが切削されることになるが、この場合、精度等の信
頼性上の問題が発生し、切削のための設備が大がかりに
なりコストアップに繋がる。しかし、本発明を適用する
ことにより、それらの問題は発生しない。
【0062】また、圧電体のキュリー温度は、その組成
により大きく異なるが、通常100〜300℃程度であ
るため、加熱により分極を破壊する手段としては、通常
の半田ごてや出力の小さい半導体レーザ等でも可能であ
る。また、逆電界を加える場合でも、3kV/mm程度で十
分である。よって、加熱により又は逆電界を加えること
により非分極化する場合には大がかりな装置は必要とし
ない。
【0063】また、周波数調整量は、温度、電圧、時間
でコントロールすることができるので、周波数の調整が
失敗した場合でも、再度圧電体に順電界を加えることに
より再生可能である。
【0064】なお、上述の実施の形態の説明では、圧電
体の一部分について分極量を調整しているがこれに限定
されるものではない。例えば、圧電体の全体にわたり一
様として分極量を変化させることにより、振動子の共振
周波数を所定の周波数に調整することもできる。
【0065】また、上述の実施の形態の説明では、基体
素子とは別個として設けられた圧電素子の圧電体につい
て分極量を調整しているがこれに限定されるものではな
い。例えば、圧電体自体が基体部をなす、すなわち、圧
電性部材に電極が印刷されて構成される振動子について
も共振周波数を所定の振動数に調整することができる。
この場合、基体部としても機能する圧電体の分極量を調
整する。
【0066】また、上述の実施の形態の説明では、分極
を破壊するというような表現からもわかるように分極量
を少なくする方向に調整しているが、これに限定される
ものではない。すなわち、順電界を印加して分極量を増
加させる方向に調整することもできる。
【0067】
【発明の効果】本発明に係る角速度センサは、圧電体に
同相電圧を印加して振動子を励振させるとともに、回転
運動により生じるコリオリ力による当該振動子の振動方
向の変化を圧電体により検出することで角速度を検出す
るものであって、圧電体の分極量が、振動子の振動周波
数調整工程において調整されていることにより、基体素
子や圧電体を切削加工することなく共振周波数が調整さ
れた振動子を振動させることができる。
【0068】また、本発明に係る振動周波数調整方法
は、圧電体に同相電圧を印加して振動子を励振させると
ともに、回転運動により生じるコリオリ力による当該振
動子の振動方向の変化を圧電体により検出することで角
速度を検出する角速度センサにおける振動子の振動周波
数の調整を、圧電体の分極量を調整することにより行う
ことで、基体素子や圧電体を切削加工することなく振動
子の共振周波数を所定の周波数に調整することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した角速度センサーの構成を示す
正面図である。
【図2】角速度センサーの構成を示す斜視図である。
【図3】角速度センサーの構成を示す側面図である。
【図4】レーザを照射することにより、第1及び第2の
圧電体の所定部分を非分極化して、振動子の共振周波数
を所定の周波数に調整するときを示す正面図である。
【図5】レーザを照射することにより、第1の圧電体の
所定部分の分極を破壊して、振動子の共振周波数を所定
の周波数に調整するときを示す正面図である。
【図6】レーザを照射することにより、第2の圧電体の
所定部分の分極を破壊して、振動子の共振周波数を所定
の周波数に調整するときを示す正面図である。
【図7】逆電界を印加することにより、第1及び第2の
圧電体の所定部分を非分極化して、振動子の共振周波数
を所定の周波数に調整するときを示す正面図である。
【図8】逆電界を印加することにより、第1の圧電体の
所定部分を非分極化して、振動子の共振周波数を所定の
周波数に調整するときを示す正面図である。
【図9】逆電界を印加することにより、第2の圧電体の
所定部分を非分極化して、振動子の共振周波数を所定の
周波数に調整するときを示す正面図である。
【図10】従来の角速度センサであって、振動子の基体
が四角柱形状とされたものの構成を示す正面図である。
【図11】基体が四角柱形状とされている角速度センサ
の構成を示す斜視図である。
【図12】従来の角速度センサであって、振動子の基体
が三角柱形状とされたものの構成を示す正面図である。
【図13】基体が三角柱形状とされている角速度センサ
の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 振動子、2aa 第1の圧電体、2ba 第2の圧
電体、3 基体素子

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分極された圧電体により振動される略柱
    形状の振動子を備え、 上記圧電体に同相電圧を印加して上記振動子を励振させ
    るとともに、回転運動により生じるコリオリ力による当
    該振動子の振動方向の変化を上記圧電体により検出する
    ことで角速度を検出するものであって、 上記圧電体は、上記振動子の振動周波数調整工程におい
    て分極量が調整されていることを特徴とする角速度セン
    サ。
  2. 【請求項2】 上記圧電体は、一部分について上記分極
    量が調整されていることを特徴とする請求項1記載の角
    速度センサ。
  3. 【請求項3】 上記圧電体は、全体にわたり一様に分極
    量が調整されていることを特徴とする請求項1記載の角
    速度センサ。
  4. 【請求項4】 上記振動子は、略柱形状の基体部と、こ
    の基体部の側面に設けられ、電極部により、上記圧電体
    に対して上記同相電圧を印加するとともに、上記基体部
    の振動方向の変化を上記圧電体を介して検出する圧電素
    子とを備えていることを特徴とする請求項1記載の角速
    度センサ。
  5. 【請求項5】 上記基体部の側面に複数の上記圧電素子
    を備えており、 少なくとも一の上記圧電素子の圧電体が上記所定の分極
    量に調整されていることを特徴とする請求項4記載の角
    速度センサ。
  6. 【請求項6】 圧電体に同相電圧を印加して振動子を励
    振させるとともに、回転運動により生じるコリオリ力に
    よる当該振動子の振動方向の変化を上記圧電体により検
    出することで角速度を検出する角速度センサにおける上
    記振動子の振動周波数の調整を、上記圧電体の分極量を
    調整することにより行うことを特徴とする振動周波数調
    整方法。
  7. 【請求項7】 上記圧電体に熱を加えて分極量を調整す
    ることを特徴とする請求項6記載の振動周波数調整方
    法。
  8. 【請求項8】 上記圧電体に逆電界を加えて分極量を調
    整することを特徴とする請求項6記載の振動周波数調整
    方法。
  9. 【請求項9】 上記圧電体の一部分について分極量を調
    整することを特徴とする請求項6記載の振動周波数調整
    方法。
  10. 【請求項10】 上記圧電体の全体にわたり一様に分極
    量を調整することを特徴とする請求項6記載の振動周波
    数調整方法。
  11. 【請求項11】 上記振動子は、略柱形状の基体部と、
    この基体部の側面に設けられ、電極部により、上記圧電
    体に対して上記同相電圧を印加するとともに、上記基体
    部の振動方向の変化を上記圧電体を介して検出する圧電
    素子を複数備え、 少なくとも一の上記圧電素子の圧電体の分極量を調整す
    ることを特徴とする請求項6記載の振動周波数調整方
    法。
JP11152933A 1999-05-31 1999-05-31 角速度センサ及び振動周波数調整方法 Withdrawn JP2000337883A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8763460B2 (en) 2011-05-20 2014-07-01 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Angular velocity sensor

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