JP3651155B2 - 振動ジャイロ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は振動ジャイロに関し、特にたとえば、カメラの手振れ防止用やカーナビゲーションシステムなどにおいて回転角速度を検出するために用いられる、振動ジャイロに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の振動ジャイロとしては、たとえば図10に示すようなワトソン型振動ジャイロがある。この振動ジャイロ1はU字状の振動体2を含み、振動体2の対向する面に駆動用圧電素子3が形成される。振動体2の2つの先端部には、振動体2の面と直交するようにして、板状の検出片4が形成される。検出片4の主面上には、検出用圧電素子5が形成される。この振動ジャイロ1では、駆動用圧電素子3に駆動信号が与えられ、振動体2がその主面に直交する方向に屈曲振動する。このとき、検出片4は、その主面に平行な方向に振動するため、検出用圧電素子5は屈曲しない。したがって、このときには、検出用圧電素子5から信号が出力されない。この状態で、ω0 で示すように、振動ジャイロ1の軸を中心として回転すると、振動体2の屈曲振動と直交する方向にコリオリ力が働く。このコリオリ力によって、検出片4は屈曲し、検出用圧電素子5も屈曲する。したがって、検出用圧電素子5からの出力信号を測定すれば、加わった回転角速度を検出することができる。
【0003】
また、図11に示すように、スペリー型振動ジャイロもある。この振動ジャイロ6では、U字状の振動体2が、支持部材7を介して、矩形板状の検出片8の一端の中央部に取り付けられている。振動体2の対向する面には、駆動用圧電素子3が形成される。また、検出片8の両面には、それぞれ検出用圧電素子9が形成される。これらの検出用圧電素子9は、支持部材7を挟んで両側に配置される。この振動ジャイロ6では、駆動用圧電素子3に駆動信号が与えられ、振動体2がその主面に直交する方向に屈曲振動する。このとき、2つの振動体2は互いに逆相となるように屈曲振動し、そのため検出片8は変位しない。そのため、検出用圧電素子9から信号が出力されない。この状態で、ω0 で示すように、振動ジャイロ6の軸を中心として回転すると、振動体2の屈曲振動と直交する方向にコリオリ力が働く。このコリオリ力によって、検出片8には、支持部材7を中心として回転するような力が働く。そのため、検出片8は、支持部材7を中心としてS字状に屈曲し、検出用圧電素子9も屈曲する。この屈曲によって、検出用圧電素子9から信号が出力される。したがって、検出用圧電素子9の出力信号を測定することによって、加わった回転角速度を検出することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ワトソン型振動ジャイロは、構造が複雑であり、製造時に高い加工精度が必要となる。また、検出片が振動体の先端部に形成されているため、検出片の振幅が大きく、検出用圧電素子に接続したリード線の処理が面倒である。また、駆動系と検出系との関係が非共振型であり、回転角速度の検出感度が低い。また、スペリー型振動ジャイロは、構造が複雑であり、製造時に高い加工精度が必要となる。また、駆動系と検出系との関係が非共振型であり、回転角速度の検出感度が低い。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、構造が簡単で、容易に製造でき、回転角速度の検出感度が高く、しかも安定して動作させることかできる振動ジャイロを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、板状の基部と、基部の対向する縁部から同一方向に延びるように形成される複数の板状の振動体と、基部の対向する縁部から延びた振動体を互いに逆相となるように屈曲振動させるために振動体上に形成される駆動用圧電素子と、回転角速度に対応した信号を得るために基部の中央部を境として対称に形成される検出用圧電素子とを含み、基部の対向する縁部から延びた振動体の面が基部の近傍において互いに重なり合わないように配置された、振動ジャイロである。
この振動ジャイロにおいて、たとえば、基部の一方縁部の両端側から2つの振動体が延びるように形成され、かつ基部の他方縁部の中央部から1つの振動体が延びるように形成される。
そして、基部の近傍において、基部の一方縁部側の振動体間の間隔が、基部の他方縁部側の振動体の幅より大きくなるようにしてもよい。
さらに、振動体の先端側の幅が振動体の基部側の幅より大きくなるようにしてもよい。
また、基部を支持するために、基部の一方縁部の中央部に支持部を形成することができる。
この振動ジャイロの駆動および検出を行うために、検出用圧電素子は基部の中央部で分割された2つの出力部を含み、2つの出力部の出力信号の和または差を帰還信号とする発振回路が構成され、かつ2つの出力部の出力信号の差または和が検出信号として取り出される。
また、検出用圧電素子は基部の中央部で分割される2つの出力部を含み、2つの出力部の出力信号の差または和が検出信号として取り出され、かつ基部の他方縁部から延びる振動体上に形成された駆動用圧電素子の出力信号を帰還信号とする発振回路が構成されてもよい。
【0007】
無回転時においては、基部の対向する縁部に形成された振動体が逆相となるように屈曲振動することにより、基部に反りが生じるとともに、振動体の屈曲振動によって基部にかかる回転力は相殺される。このとき、基部の中央部を境にして対称となるように形成された検出用圧電素子の分極方向が同じならば、これらの検出用圧電素子から出力される信号は同極性となる。したがって、これらの出力信号の差は0となり、回転角速度が加わっていないことがわかる。振動ジャイロに回転角速度が加わると、振動体の屈曲振動に直交する方向にコリオリ力が働く。このコリオリ力によって、基部の対向する縁部に形成された振動体には、互いに逆向きの力が加わる。それにより、基部は略S字状に屈曲し、検出用圧電素子からは、逆極性の信号が出力される。この基体の屈曲量は、コリオリ力に対応しているため、これらの出力信号の差をとれば、回転角速度に対応した信号が得られる。
【0008】
基部の近傍において、基部の一方縁部側の振動体間の間隔が、基部の他方縁部側の振動体の幅より大きくなるようにすれば、振動体の形成されていない基部のみの部分が大きくなり、コリオリ力による基部の屈曲を大きくすることができる。また、基部側の振動体の幅より先端側の幅を大きくすれば、振動体の先端側の質量を大きくすることができ、コリオリ力による基部の屈曲を大きくすることができる。さらに、基部の一方縁部の中央部に支持部を形成することにより、コリオリ力による基体の屈曲を妨げることなく、振動ジャイロを支持することができる。
【0009】
【発明の効果】
この発明によれば、検出用圧電素子から回転角速度に対応した信号を得ることができるため、この信号を測定することにより、回転角速度を検出することができる。無回転時においては、基部の対向する縁部に形成された振動体が互いに逆相となるように屈曲振動するが、それによって生じる回転力は相殺されるため、安定した支持を行うことができ、正確に回転角速度を検出することができる。
【0010】
また、たとえば板材を所定の形状に打ち抜き加工し、それを折り曲げることによって、基部と振動体を形成することができ、振動ジャイロを簡単に製造することができる。さらに、基部の対向する縁部における振動体の幅と振動体間の間隔を調整したり、各振動体の幅を調整することにより、コリオリ力による基部の屈曲を大きくすることができる。そのため、検出用圧電素子の屈曲も大きくなり、コリオリ力に対して大きい信号を得ることができる。したがって、回転角速度の検出感度を良好にすることができる。
【0011】
さらに、基部の一方縁部の中央部に支持部を形成することにより、コリオリ力による基体の屈曲を妨げることなく振動ジャイロを支持することができ、良好な特性を得ることができる。
【0012】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の振動ジャイロの一例を示す斜視図であり、図2は図1の線II−IIにおける断面図であり、図3は図1の線III−IIIにおける断面図である。振動ジャイロ20は、矩形板状の基部22を含む。基部22の幅方向の一方縁部には、第1の振動体24および第2の振動体26が、互いに平行して延びるように形成される。これらの振動体24,26は、基部22の長手方向の両端側に形成され、互いに間隔を隔てて形成される。また、基部22の幅方向の他方縁部には、第3の振動体28が2つの振動体24,26と平行して延びるように形成される。第3の振動体28は、基部22の他方縁部の中央部に形成される。これらの振動体24,26,28と基部22とは、互いに直交するように形成される。さらに、基部22の一方縁部の中央部には、棒状の支持部30が延びるように形成される。基部22,振動体24,26,28および支持部30は、一体的に形成される。
【0014】
第1の振動体24,第2の振動体26および第3の振動体28の一方面上には、それぞれ駆動用圧電素子32a,32b,32cが形成される。駆動用圧電素子32aは、たとえば圧電セラミックなどで形成される圧電層34aを含む。この圧電層34aの両面に、電極36a,38aが形成される。そして、一方の電極38aが、第1の振動体24に接着される。同様に、駆動用圧電素子32b,32cは圧電層34b,34cを含み、その両面に電極36b,38bおよび電極36c,38cが形成される。そして、一方の電極38b,38cが、第2の振動体26および第3の振動体28に接着される。
【0015】
駆動用圧電素子32a,32bの圧電層34a,34bと、駆動用圧電素子32cの圧電層34cとは、互いに逆向きに分極処理される。たとえば、圧電層34a,34bが外側から第1および第2の振動体24,26側に向かって分極されているならば、圧電層34cは第3の振動体28側から外側に向かって分極される。
【0016】
さらに、基部22の一方面上には、検出用圧電素子40が形成される。検出用圧電素子40は、圧電層42を含む。圧電層42の一方面上の全面には、電極44が形成される。また、圧電層42の他方面上には、その中央部で分割された電極46a,46bが形成される。そして、圧電層42の一方面上の電極44が、基部22に接着される。また、電極46a,46bは、検出用圧電素子40の2つの出力部として用いられる。
【0017】
この振動ジャイロ20を使用するために、図4に示すように、検出用圧電素子40と駆動用圧電素子32a,32b,32cとの間に発振回路50が接続される。発振回路50は、たとえば和動回路52,増幅回路54および位相補正回路56を含む。和動回路52の入力端には、検出用圧電素子40の2つの電極46a,46bが接続される。和動回路52の出力信号は増幅回路54で増幅され、さらに位相補正回路56で位相補正されて、駆動信号として駆動用圧電素子32a,32b,32cに与えられる。
【0018】
さらに、検出用圧電素子40の2つの電極46a,46bは、検出回路58に接続される。検出回路58は差動回路60を含み、この差動回路60の入力端に検出用圧電素子40の電極46a,46bが接続される。差動回路60の出力信号は、同期検波回路62によって、位相補正回路56の信号に同期して検波される。同期検波回路62の出力信号は平滑回路64で平滑され、さらに直流増幅回路66で増幅される。
【0019】
この振動ジャイロ20では、駆動用圧電素子32a,32bと駆動用圧電素子32cとが、互いに逆方向に分極されているため、同じ駆動信号が与えられることによって、駆動用圧電素子32a,32bと駆動用圧電素子32cとが、互いに逆位相の変位をする。そのため、第1の振動体24,第2の振動体26と第3の振動体28とは、互いに逆位相の屈曲振動を行う。たとえば、第1および第2の振動体24,26が下方向に屈曲したとき、第3の振動体28は上方向に屈曲する。逆に、第1および第2の振動体24,26が上方向に屈曲したとき、第3の振動体28は下方向に屈曲する。このような屈曲が連続して、第1および第2の振動体24,26と第3の振動体28とは、互いに逆位相の屈曲振動を行う。
【0020】
このとき、図5に示すように、基部22は、第1および第2の振動体24,26側と第3の振動体28側とで、互いに逆向きに変位し、基部22に反りが生じる。そのため、検出用圧電素子40にも、反りが生じる。このとき、検出用圧電素子40は、電極46a側と電極46b側とで、同じ屈曲状態となるため、これらの電極46a,46bからは同極性の信号が得られる。そのため、電極46a,46bの出力信号の和をとれば大きい信号が得られ、電極46a,46bの出力信号の差をとればその出力信号は0となる。つまり、発振回路50の和動回路52からは信号が出力されるが、検出回路58の差動回路60の出力信号は0である。和動回路52の出力信号が増幅回路54で増幅され、さらに位相補正回路56で位相補正される。この位相補正回路56の出力信号が駆動用圧電素子32a,32b,32cに与えられることによって、振動ジャイロ20は自励振駆動され、第1,第2および第3の振動体24,26,28の屈曲振動が連続する。
【0021】
振動ジャイロ20に回転角速度が加わっていないとき、差動回路60の出力信号は0であるため、直流増幅回路66の出力信号も0である。したがって、回転角速度が加わっていないことがわかる。図1にω0 で示すように、振動体24,26,28の軸を中心として回転すると、振動体24,26,28の振動方向に直交する方向にコリオリ力が働く。このコリオリ力によって、第1および第2の振動体24,26と第3の振動体28とが、互いに逆向きに変位する。たとえば、図6に示すように、第1および第2の振動体24,26が基部22の長手方向の一方側に向かって変位したとき、第3の振動体28は基部22の長手方向の他方側に向かって変位する。逆に、第1および第2の振動体24,26が基部22の長手方向の他方側に向かって変位したとき、第3の振動体28は基部22の長手方向の一方側に向かって変位する。このような振動体24,26,28の変位により、基部22はS字状に屈曲する。
【0022】
基部22の屈曲に対応して、検出用圧電素子40もS字状に屈曲し、電極46a,46bからその屈曲に対応した信号が出力される。このとき、検出用圧電素子40は、電極46a側と電極46b側とで逆向きに屈曲するため、電極46a,46bから逆極性の信号が出力される。そのため、電極46a,46bの出力信号の和は0となり、電極46a,46bの出力信号の差は大きい信号となる。したがって、回転角速度による検出用圧電素子40の出力信号は、第1,第2および第3の振動体24,26,28の屈曲振動には影響しない。
【0023】
差動回路60の出力信号は、同期検波回路62で検波される。このとき、位相補正回路56の出力信号に同期して検波されることにより、差動回路60の出力信号は、その正部分のみまたは負部分のみ、または正負いずれかを反転した両波が検波される。同期検波回路62の出力信号は平滑回路64で平滑され、さらに直流増幅回路66で増幅される。
【0024】
基部22の屈曲量はコリオリ力に対応しているため、検出用圧電素子40から出力される信号は、振動ジャイロ20に加わった回転角速度に対応している。したがって、直流増幅回路66の出力信号も回転角速度に対応しており、これを測定することによって、振動ジャイロ20に加わった回転角速度を検出することができる。なお、回転角速度の方向が逆になれば、検出用圧電素子40の出力信号は逆位相となるため、同期検波回路62で検波される信号の極性が逆になる。したがって、直流増幅回路66の出力信号の極性によって、回転角速度の向きを検出することができる。
【0025】
この振動ジャイロ20では、無回転時において、基部22の一方縁の両端側に形成された第1の振動体24,第2の振動体26と、基部22の他方縁の中央部に形成された第3の振動体28とが、互いに逆相となるように屈曲振動するため、これらの振動体24,26,28の屈曲振動により、基部22にかかる回転力が相殺される。そのため、基部22の一方縁の中央部に形成された支持部30を支持することにより、振動ジャイロ20を安定して動作させることができ、良好な特性を得ることができる。
【0026】
また、たとえば金属板を所定の形状に打ち抜き、第1の振動体24,第2の振動体26,第3の振動体28の各部分を折り曲げることにより、基部22,振動体24,26,28および支持部30を作製することができる。したがって、従来のワトソン型やスペリー型の振動ジャイロに比べて、簡単に製造することができ、小型で低コストの振動ジャイロを得ることができる。しかも、コリオリ力による変位を基部22で効率よく検出することができ、高感度の振動ジャイロを得ることができる。
【0027】
なお、図7に示すように、第3の振動体28の幅W1 を、第1および第2の振動体24,26間の間隔W2 より小さくすることにより、振動体の存在しない基部22のみの部分が大きくなり、コリオリ力が加わったときに、基部22の屈曲を大きくすることができる。そのため、コリオリ力による検出用圧電素子40からの出力信号を大きくすることができ、振動ジャイロ20の感度を良好にすることができる。
【0028】
また、図8に基部22,振動体24,26,28および支持部30の展開図を示すように、各振動体24,26,28の先端側の幅を、基部22側の幅より大きくしてもよい。この場合、各振動体24,26,28に附加質量が与えられたのと同じ効果があり、コリオリ力に対して振動体24,26,28の変位量を大きくすることができる。そのため、コリオリ力に対する感度を上げることができ、また材料の有効利用にもなる。さらに、各振動体24,26,28の幅を調整することによって、基部22の両側の振動体数の違いによる慣性モーメントを合わせることができ、支持部30からの振動漏れを小さくすることができる。
【0029】
なお、検出用圧電素子40については、外側の電極46a,46bを分割して2つの出力部を形成しているが、完全に分離された2つの圧電素子を用いてもよい。この場合、両方の検出用圧電素子は同じ方向に分極する必要はなく、互いに逆方向に分極されていてもよい。この場合、無回転時においては、2つの検出用圧電素子からは逆極性の信号が出力される。また、回転時においては、コリオリ力による基部22の屈曲によって、同極性の信号が出力される。したがって、発振回路50には、和動回路の代わりに差動回路が用いられる。また、検出回路58には、差動回路の代わりに和動回路が用いられる。
【0030】
また、図9に示すように、駆動用圧電素子32a,32b,32cのみを用いて、発振回路50を形成してもよい。ここでは、第3の振動体28に形成された駆動用圧電素子32cの出力信号が帰還用として用いられている。この場合、2つの信号の和をとる必要がないため、発振回路50には和動回路が設けられていない。したがって、駆動用圧電素子32cの出力信号が増幅回路54で増幅され、さらに位相補正回路56で位相補正されて、駆動用圧電素子32a,32bに与えられる。このような発振回路50を用いても、第1の振動体24,第2の振動体26と、第3の振動体28とが、互いに逆相となるように屈曲振動させることができる。もちろん、各振動体24,26,28を屈曲振動させるためには、自励振駆動に限らず、他励振駆動によってもよい。
【0031】
また、駆動用圧電素子32a,32bと駆動用圧電素子32cとは、各振動体24,26,28の同じ側に形成する必要はなく、全ての駆動用圧電素子32a,32b,32cを折り曲げられた振動体24,26,28の外側に形成してもよい。また、全ての駆動用圧電素子32a,32b,32cは、折り曲げられた振動体24,26,28の内側に形成されてもよい。このような場合、図4や図9に示す回路を用いるために、各駆動用圧電素子32a,32b,32cは、同じ方向に分極される。つまり、全ての駆動用圧電素子32a,32b,32cが外側から各振動体側に向かって分極されるか、または各振動体側から外側に向かって分極される。このようにしても、第1の振動体24,第2の振動体26と第3の振動体28とが逆相となるように屈曲振動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の振動ジャイロの一例を示す斜視図である。
【図2】図1の線II−IIにおける断面図である。
【図3】図1の線III−IIIにおける断面図である。
【図4】図1に示す振動ジャイロを使用するための回路を示すブロック図である。
【図5】無回転時の振動ジャイロの動きを示す図解図である。
【図6】回転時の振動ジャイロの動きを示す図解図である。
【図7】この発明の振動ジャイロの基部と各振動体との関係の変形例を示す平面図である。
【図8】各振動体の幅を変えたときの基部,各振動体および支持部の展開図である。
【図9】振動ジャイロに接続される回路の変形例を示すブロック図である。
【図10】従来の振動ジャイロの一例を示す斜視図である。
【図11】従来の振動シャイロの他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
20 振動ジャイロ
22 基部
24 第1の振動体
26 第2の振動体
28 第3の振動体
30 支持部
32a,32b,32c 駆動用圧電素子
40 検出用圧電素子
50 発振回路
52 和動回路
54 増幅回路
56 位相補正回路
58 検出回路
60 差動回路
62 同期検波回路
64 平滑回路
66 直流増幅回路

Claims (7)

  1. 板状の基部、
    前記基部の対向する縁部から同一方向に延びるように形成される複数の板状の振動体、
    前記基部の対向する縁部から延びた前記振動体を互いに逆相となるように屈曲振動させるために前記振動体上に形成される駆動用圧電素子、および
    回転角速度に対応した信号を得るために前記基部の中央部を境として対称に形成される検出用圧電素子を含み、
    前記基部の対向する縁部から延びた前記振動体の面が前記基部の近傍において互いに重なり合わないように配置された、振動ジャイロ。
  2. 前記基部の一方縁部の両端側から2つの前記振動体が延びるように形成され、かつ前記基部の他方縁部の中央部から1つの前記振動体が延びるように形成された、請求項1に記載の振動ジャイロ。
  3. 前記基部の近傍において、前記基部の一方縁部側の前記振動体間の間隔が、前記基部の他方縁部側の前記振動体の幅より大きくなるようにした、請求項2に記載の振動ジャイロ。
  4. 前記振動体の先端側の幅が前記振動体の前記基部側の幅より大きくなるようにした、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の振動ジャイロ。
  5. 前記基部を支持するために、前記基部の一方縁部の中央部に形成される支持部を含む、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の振動ジャイロ。
  6. 前記検出用圧電素子は前記基部の中央部で分割された2つの出力部を含み、2つの前記出力部の出力信号の和または差を帰還信号とする発振回路が構成され、かつ2つの前記出力部の出力信号の差または和が検出信号として取り出される、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の振動ジャイロ。
  7. 前記検出用圧電素子は前記基部の中央部で分割される2つの出力部を含み、2つの前記出力部の出力信号の差または和が検出信号として取り出され、かつ前記基部の他方縁部から延びる前記振動体上に形成された前記駆動用圧電素子の出力信号を帰還信号とする発振回路が構成された、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の振動ジャイロ。
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