JP2000337728A - 吸収式ヒートポンプ装置 - Google Patents

吸収式ヒートポンプ装置

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JP2000337728A
JP2000337728A JP11149884A JP14988499A JP2000337728A JP 2000337728 A JP2000337728 A JP 2000337728A JP 11149884 A JP11149884 A JP 11149884A JP 14988499 A JP14988499 A JP 14988499A JP 2000337728 A JP2000337728 A JP 2000337728A
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Japan
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flow path
absorber
evaporator
condenser
refrigerant
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JP11149884A
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Satoshi Matsumoto
松本  聡
Takashi Sawada
敬 澤田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
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    • Y02B30/62Absorption based systems

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凝縮器、蒸発器、吸収器の一体化により、装
置の小型化、簡略化を図る。 【解決手段】 凝縮器5、蒸発器7、吸収器8を一体に
するため、凝縮器流路78、蒸発器流路79、吸収器流
路81をそれぞれスリット状に形成した第1の流路プレ
ート62と、隔壁プレート63と、凝縮器流路および吸
収器流路と対向する位置には冷却水流路87を、蒸発器
流路と対向する位置には冷水流路88をそれぞれスリッ
ト状に形成した第2の流路プレート64とを複数組積層
し一体化した構造にしたものである。従来の凝縮器と蒸
発器と吸収器とを一体化することが可能となるため、装
置の構成が簡素になり、家庭用空調機器等に適した小型
の吸収式ヒートポンプ装置を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱を利用して冷熱
を得る吸収式ヒートポンプ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の吸収式ヒートポンプ装置は、その
構成を図4に示すように、管で環状に接続した溶液ポン
プ41、溶液熱交換器42、再生器43、精溜器44、
凝縮器45、膨張弁46、蒸発器47、過冷却器52、
吸収器48、溶液タンク49から構成される。
【0003】そして、溶液タンク49内の冷媒濃度の高
い濃溶液は、溶液ポンプ41により加圧され、溶液熱交
換器42へと送られる。濃溶液は、この溶液熱交換器4
2で、精溜器44から流出してくる冷媒濃度の低い希溶
液の顕熱を受けて昇温する。さらに、この濃溶液は、再
生器43で外部より加熱されて冷媒蒸気を発生し、気液
2相状態で精溜器44に流入する。再生器43は、いわ
ゆる貫流型の再生器であり、都市ガス等を用いたバーナ
50により、管内の濃溶液を加熱するものである。精溜
器44は密度差により気液を分離し、冷媒蒸気を凝縮器
45へ、冷媒濃度の低くなった希溶液を溶液熱交換器4
2へと流出させる。ここで、冷媒蒸気は冷媒だけでなく
吸収剤の蒸気も含んでいることから、精溜器44は、こ
の吸収剤蒸気を2次冷却水により冷却して凝縮させ、純
度の高い冷媒蒸気を凝縮器45に供給している。精溜器
44を出た希溶液は、その顕熱を溶液熱交換器42で濃
溶液に与えて降温し、例えばキャピラリ管からなる減圧
部51で減圧されて、吸収器48へ戻る。一方、精溜器
44を出た冷媒蒸気は、凝縮器45で外部に熱を放熱し
て液化する。その後、膨張弁46で減圧され低温となっ
て蒸発器47に流入し、外部より熱を吸熱して蒸発し、
過冷却器52を経由して吸収器48へ戻る。吸収器48
では、溶液熱交換器42から戻る希溶液に冷媒蒸気を吸
収させ、そのとき発生する吸収熱を外部に放熱してい
る。こうして冷媒濃度の高くなった濃溶液は、溶液タン
ク49に貯蔵され、再び溶液ポンプ41へと流出され
る。
【0004】このような吸収式ヒートポンプ装置で冷房
や冷凍を行う場合は、蒸発器47の冷熱により冷水を作
り利用する。また、暖房や給湯を行う場合は、凝縮器4
5および吸収器48の廃熱を冷却水に与え利用する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の吸収式ヒートポンプ装置では、以下のような
課題が生じている。
【0006】吸収式ヒートポンプ装置の構成要素として
は、少なくとも凝縮器45、蒸発器47、吸収器48の
3種類の熱交換器が必要である。これらの熱交換器に、
一般に使用されている二重管式熱交換器やプレート式熱
交換器を用いると、どうしても独立した3台の熱交換器
で構成する必要があり、装置の大型化を招くことにな
る。また、配管本数も多くなるため、装置の複雑化や配
管工数の増加を招き、装置コストが高くなるという課題
があった。
【0007】本発明は、上記課題を解決するために、少
なくとも凝縮器、蒸発器、吸収器を一体化した構造によ
り、装置の小型化と簡略を図り低コストの吸収式ヒート
ポンプ装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、少なくとも再生器、凝縮器、蒸発器、吸収
器を有する吸収式ヒートポンプ装置にあって、前記した
凝縮器と蒸発器と吸収器は、凝縮冷媒の流路となる凝縮
器流路と、冷媒蒸気の流路となる蒸発器流路と、冷媒蒸
気と希溶液との混合流の流路となる吸収器流路とをそれ
ぞれ形成した第1の流路プレートと、隔壁となるプレー
トと、前記隔壁プレートを介して前記凝縮器流路および
吸収器流路と対向する位置に冷却水流路を、前記蒸発器
流路と対向する位置に冷水流路をそれぞれ形成した第2
の流路プレートとを複数組積層して一体に形成したもの
である。
【0009】したがって、上記発明によれば、従来の凝
縮器と蒸発器と吸収器とを一体化することが可能である
ため、装置の小型・簡略化を図ることができる。また、
前記した一体化に伴って、配管本数を低減することも容
易になるため、装置の簡略化や配管工数の低減を招き、
家庭用空調機器等に適した小型で低コストな吸収式ヒー
トポンプ装置を提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、少なくとも再生器、凝縮器、蒸発器、吸収器を有す
る吸収式ヒートポンプ装置にあって、前記した凝縮器と
蒸発器と吸収器は、凝縮冷媒の流路となる凝縮器流路
と、冷媒蒸気の流路となる蒸発器流路と、冷媒蒸気と希
溶液との混合流の流路となる吸収器流路とをそれぞれ形
成した第1の流路プレートと、隔壁となるプレートと、
前記隔壁プレートを介して前記凝縮器流路および吸収器
流路と対向する位置には冷却水流路を、前記蒸発器流路
と対向する位置に冷水流路をそれぞれ形成した第2の流
路プレートとを複数組積層して一体に形成したものであ
る。
【0011】これによれば、第1の流路プレートと隔壁
プレートと第2の流路プレートとを複数組積層して一体
にするので、従来の凝縮器と蒸発器と吸収器とを一体化
することが可能になる。
【0012】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1に加えて、冷媒蒸気または冷媒蒸気と希溶液との混合
流が鉛直方向の上から下へと流れるように蒸発器流路お
よび吸収器流路を形成したものである。 これによれ
ば、熱交換器の一体化とともに、蒸発器および吸収器内
部の流れが鉛直方向の上から下へとなるため、例えば腐
食生成物や防錆剤の析出物等の不純物が流入したとして
も、これらを熱交換器内に滞留させることなく容易に排
出することが可能になる。
【0013】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1に加えて、冷媒蒸気の流路となる蒸発器流路と吸収器
流路とを連続したスリットとして第1の流路プレート上
に形成したものである。
【0014】これによれば、熱交換器の一体化ととも
に、配管本数を低減することが可能になる。
【0015】本発明の請求項4に記載の発明は、少なく
とも再生器、凝縮器、過冷却器、蒸発器、吸収器を有す
る吸収式ヒートポンプ装置にあって、前記した凝縮器と
過冷却器と蒸発器と吸収器は、凝縮冷媒の流路となる凝
縮器流路と、冷媒蒸気の流路となる蒸発器流路と、蒸発
器からの冷媒蒸気の流路となる低温冷媒流路と、冷媒蒸
気と希溶液との混合流の流路となる吸収器流路とをそれ
ぞれ形成した第1の流路プレートと、隔壁となるプレー
トと、前記隔壁プレートを介して前記凝縮器流路および
吸収器流路と対向する位置に冷却水流路を、前記蒸発器
流路と対向する位置に冷水流路を、前記低温冷媒流路と
対向する位置に凝縮器からの凝縮冷媒の流路となる高温
冷媒流路をそれぞれ形成した第2の流路プレートとを複
数組積層して一体に形成したものである。
【0016】これによれば、第1の流路プレートと隔壁
プレートと第2の流路プレートとを複数組積層して一体
にする従来の凝縮器と蒸発器と吸収器と過冷却器とを一
体化することが可能になる。そして、凝縮器からの高温
冷媒を蒸発器からの低温冷媒で冷却する過冷却器を設け
ることにより、蒸発器に流入する凝縮冷媒の温度を降下
させる。
【0017】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
4に加えて、冷媒蒸気または冷媒蒸気と希溶液との混合
流が鉛直方向の上から下へと流れるように、蒸発器流
路、低温冷媒流路および吸収器流路を形成したものであ
る。
【0018】これによれば、過冷却器を加えた熱交換器
の一体化とともに、蒸発器、低温冷媒流路および吸収器
内部の流れが鉛直方向の上から下へとなるため、例えば
先に記したような不純物が流入したとしても、熱交換器
内に滞留させることなく容易に排出することが可能にな
る。
【0019】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
4に加えて、冷媒蒸気の流路となる蒸発器流路と低温冷
媒流路と吸収器流路とを連続したスリットとして第1の
流路プレート上に形成したものである。 これによれ
ば、過冷却器を加えた熱交換器の一体化とともに、配管
本数を低減することが可能となる。
【0020】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項
1または請求項4に加えて、冷却水流路の冷却水の一部
は吸収器流路との熱交換のみを行い、他の一部は凝縮器
流路との熱交換を行った後に吸収器流路との熱交換を行
うように、吸収器流路および凝縮器流路および冷却水流
路を形成したものである。 これによれば、吸収器流路
と凝縮器流路とを同時に最も低い温度の冷却水と熱交換
させることが可能になり、吸収器の温度を上げることな
く、凝縮器の圧力を低減することができる。これは、吸
収特性の向上による濃溶液濃度の増加と凝縮圧力低減に
よる希溶液濃度の低減が図られることを意味する。濃溶
液と希溶液の濃度差の拡大は、冷媒発生量の増加をもた
らし、結果的に装置としての能力が向上することとな
る。
【0021】本発明の請求項8に記載の発明は、請求項
1または請求項4に加えて、吸収器流路と連通する希溶
液流路を設け、前記希溶液流路の等価直径を、前記吸収
器流路の等価直径よりも小さく形成したものである。
【0022】これによれば、希溶液は等価直径の小さい
希溶液流路において、圧力損失が与えられた後に、等価
直径の大きい吸収器流路に流入することになる。
【0023】本発明の請求項9に記載の発明は、請求項
2または請求項5に加えて、吸収器流路と連通する希溶
液流路を設け、前記希溶液流路は希溶液の流れが鉛直方
向の上から下へとなるように形成したものである。
【0024】これによれば、希溶液流路内部の流れが鉛
直方向の上から下へとなるため、例えば腐食生成物や防
錆剤の析出物等の不純物が流入したとしても、これらを
希溶液流路内に滞留させることなく容易に排出すること
が可能になる。
【0025】本発明の請求項10に記載の発明は、請求
項1または請求項4に加えて、蒸発器流路の入口部に、
前記蒸発器流路と連通する蒸発器入口流路を設け、この
蒸発器入口流路の等価直径を蒸発器流路の等価直径より
も小さく形成したものである。
【0026】これによれば、凝縮冷媒は等価直径の小さ
い蒸発器入口流路において、圧力損失が与えられた後
に、等価直径の大きい蒸発器流路に流入することにな
り、凝縮冷媒の蒸発器流路に対する分岐の均一化が図ら
れ、蒸発器流路内における凝縮冷媒の蒸発、すなわち冷
熱の生成が安定して行われる。
【0027】本発明の請求項11に記載の発明は、請求
項4に加えて、高温冷媒流路の入口部に前記高温冷媒流
路と連通する高温冷媒入口流路を設け、この高温冷媒入
口流路の等価直径を高温冷媒流路の等価直径よりも小さ
く形成したものである。
【0028】これによれば、凝縮器からの凝縮冷媒は、
等価直径の小さい高温冷媒入口流路において圧力損失が
与えられた後に、等価直径の大きい高温冷媒流路に流入
することになり、凝縮冷媒の高温冷媒流路に対する分岐
の均一化が図られ、高温冷媒流路内における凝縮冷媒の
過冷却が安定して行われる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を用い
て説明する。
【0030】図1は本発明による吸収式ヒートポンプ装
置の実施例における構成図で、その構成を模式的に示し
たものである。
【0031】本実施例の吸収式ヒートポンプ装置は、管
で環状に接続した溶液ポンプ1、溶液熱交換器2、再生
器3、精溜器4、凝縮器5、過冷却器11、膨張弁6、
蒸発器7、吸収器8、溶液タンク9から構成される。こ
のうち凝縮器5、過冷却器11、蒸発器7、吸収器8
は、吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器12として一体化
した熱交換器の構造としている。
【0032】そして、溶液タンク9内の冷媒濃度の高い
濃溶液は、例えば、ダイヤフラム等を用いた容積型ある
いはトロコイドギア等を用いたギア型の溶液ポンプ1に
より加圧され、溶液熱交換器2へと送られる。濃溶液
は、この溶液熱交換器2で、精溜器4から流出してくる
冷媒濃度の低い希溶液の顕熱を受けて昇温する。さら
に、この濃溶液は、再生器3で外部より加熱されて冷媒
蒸気を発生し、気液2相状態で精溜器4に流入する。再
生器3は、いわゆる貫流型の再生器であり、都市ガス等
を用いたバーナ10により、管内の濃溶液を加熱するも
のである。精溜器4は密度差により気液を分離し、冷媒
蒸気を吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器12の凝縮器5
へ、冷媒濃度の低くなった希溶液を溶液熱交換器2へと
それぞれ流出させる。ここで、冷媒蒸気は冷媒だけでな
く吸収剤の蒸気も含んでいることから、精溜器4は、こ
の吸収剤蒸気を2次冷却水により冷却して凝縮させ、純
度の高い冷媒蒸気を凝縮器5に供給している。精溜器4
を出た希溶液は、その顕熱を溶液熱交換器2で濃溶液に
与えて降温し、例えばキャピラリ管からなる減圧部13
で減圧されて、吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器12の
吸収器8へ戻る。一方、精溜器4を出た冷媒蒸気は、凝
縮器5で外部に熱を放熱して液化する。この凝縮器5で
液化した高温冷媒は過冷却器11に入り、蒸発器7から
の低温冷媒により過冷却される。その後、膨張弁6で減
圧され低温となって蒸発器7に流入し、外部より熱を吸
熱して蒸発し、過冷却器11を経て吸収器8へ戻る。吸
収器8では、溶液熱交換器2から戻る希溶液に冷媒蒸気
を吸収させ、そのとき発生する吸収熱を外部に放熱して
いる。こうして冷媒濃度の高くなった濃溶液は、溶液タ
ンク9に貯蔵され、再び溶液ポンプ1へと流出される。
【0033】このような吸収式ヒートポンプ装置を用い
て冷房や冷凍を行う場合は、吸収・凝縮・蒸発・過冷却
一体器12の蒸発器7における冷熱を利用する。また、
暖房や給湯を行う場合は、吸収・凝縮・蒸発・過冷却一
体器12の吸収器8および凝縮器5の廃熱を利用する。
このとき、冷却水は、図1に示したように、吸収器8お
よび凝縮器5とほぼ同時に熱交換を行うように流れてい
る。
【0034】図2(a)〜(f)は本発明の吸収式ヒー
トポンプ装置に用いる吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器
12を構成するエンドプレート、第1の流路プレート、
隔壁プレート、第2の流路プレート、隔壁プレート、エ
ンドプレートを示す平面図であり、積層式熱交換器を用
いて一体化した吸収器8、凝縮器5、蒸発器7、過冷却
器11の構成およびその作用が簡潔に説明できるよう
に、各プレートの流路構成を模式的に示したもので、図
3は図2(a)〜(f)各プレートを積層して一体にし
た吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器12の流路と入出口
を中心として模式的に示したものである。
【0035】吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器12は、
エンドプレート61、第1の流路プレート62、隔壁プ
レート63、第2の流路プレート64、隔壁プレート6
3、エンドプレート65を順に積層し一体化している。
すなわち、蒸発器流路79、低温冷媒流路80、吸収器
流路81および凝縮器流路78をスリット状に構成した
第1の流路プレート62と、隔壁となるプレート63
と、冷水流路88、高温冷媒流路86、冷却水流路87
をスリット状に構成した第2の流路プレート64とを交
互に複数組積層し、左右にエンドプレート61および6
5を設けて一体化したものである。なお、エンドプレー
ト61には、吸収式ヒートポンプ装置の各構成要素と吸
収・凝縮・蒸発・過冷却一体器12とを接続するための
配管を接合する入出口部を設けている。
【0036】さらに、各プレートの構成を具体的に説明
する。まず、第1の流路プレート62には、互いに連通
して上から順番に蒸発器入口流路82、蛇行状の蒸発器
流路79、低温冷媒流路80、希溶液流路77、吸収器
流路81を設け、さらに、これらと独立し、かつ吸収器
流路81の一部と隣接して蛇行状の凝縮器流路78を設
けている。また、第1の流路プレート62には、各プレ
ートを積層し一体化した際に、冷却水の入出口となる貫
通孔としてのヘッダー83dおよび83eとともに、冷
水の入出口となる貫通孔としてのヘッダー83fおよび
83g、凝縮器5からの高温冷媒の入出口となる貫通孔
としてのヘッダー83aおよび83bをそれぞれ設けて
いる。なお、蒸発器入口流路82および希溶液流路77
は、互いに連通する蒸発器流路79および吸収器流路8
1よりも、等価直径を小さく、すなわち流路幅を小さく
形成している。
【0037】また、熱交換を行う際の隔壁となる隔壁プ
レート63には、各プレートを積層し一体化した際に、
冷却水の入出口となる貫通孔としてのヘッダー84dお
よび84eとともに、冷水の入出口となる貫通孔として
のヘッダー84fおよび84g、凝縮器5からの高温冷
媒の入出口となる貫通孔としてのヘッダー84aおよび
84b、吸収器流路81に流入する貫通孔としての希溶
液のヘッダー84c、蒸発器入口流路82に流入する貫
通孔としての凝縮冷媒のヘッダー84j、吸収器流路8
1から流出する貫通孔としての濃溶液のヘッダー84
k、凝縮器5の入出口となる貫通孔としてのヘッダー8
4hおよび84iを設けている。
【0038】さらに、第2の流路プレート64には、隔
壁プレート63を介して、第1の流路プレート62の蒸
発器流路79と対向する位置に複数段に横方向へ並設し
た冷水流路88、第1の流路プレート62の低温冷媒流
路80と対向する位置に蛇行状の高温冷媒流路86、第
1の流路プレート62の吸収器流路81および凝縮器流
路78と対向する位置に縦方向へ並設した冷却水流路8
7をそれぞれ独立して設けている。そして、冷水流路8
8は左右のヘッダー84f、84gで連通され、また冷
却水流路87は、上下のヘッダー84e、84dで連通
され、冷却水が下から上方へ流れ、冷却水の一部は吸収
器流路81との熱交換のみを行い、他の一部は凝縮器流
路78との熱交換を行い、その後に吸収器流路81との
熱交換を行うように、吸収器流路81、凝縮器流路78
と対向させている。なお、高温冷媒流路86には互いに
連通する高温冷媒入口流路90を設けている。この高温
冷媒入口流路90は、高温冷媒流路86よりも等価直径
を小さく、すなわち流路幅を小さく構成している。この
第2の流路プレート64には同様に、各プレートを積層
し一体化した際に、吸収器流路81に流入する希溶液の
ヘッダー89c、蒸発器入口流路82に流入する貫通孔
としての凝縮冷媒のヘッダー89j、吸収器流路81か
ら流出する貫通孔としての濃溶液のヘッダー89k、凝
縮器5の入出口となる貫通孔としてのヘッダー89hお
よび89iを設けている。
【0039】これらのプレート62、63、64、63
を順番に重ねて1組とし、さらに複数組積層して一体化
することにより、1つの吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体
器12を形成するものである。なお、各プレートを一体
化接合する方法としては、例えば拡散溶接やロウ付けが
用いられる。拡散溶接は、真空内でプレートの母材の融
点より少し低い温度まで昇温し加圧するもので、プレー
ト材料の拡散によって一体化するものである。ロウ付け
は、プレートの母材よりも融点の低いロウ材を全ての接
合面につけて、真空または不活性雰囲気内でロウ材の融
点まで昇温し、ロウ材のみを溶融させて一体化するもの
である。
【0040】次に、本発明の実施例の作用について説明
する。精溜器4から送られた冷媒蒸気は、エンドプレー
ト61に設けた凝縮器入口66から、吸収・凝縮・蒸発
・過冷却一体器12の内部に流入する。この冷媒蒸気
は、隔壁プレート63のヘッダー84hおよび第2の流
路プレート64のヘッダー89hを経由し、第1の流路
プレート62の凝縮器流路78に送られる。凝縮器流路
78において、冷媒蒸気は、第2の流路プレート64の
冷却水流路87の一部(凝縮器流路78と対向する部
分)を流れる冷却水に放熱しながら徐々に液化され、最
終的には凝縮冷媒として、隔壁プレート63のヘッダー
84iおよび第2の流路プレート64のヘッダー89i
を経由し、凝縮器出口67から外部に送出され、過冷却
器11へと送られる。
【0041】凝縮器5から送られた凝縮冷媒は、図示し
ない配管を経由してエンドプレート61に設けた過冷却
器入口68から、吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器12
の内部に流入する。この凝縮冷媒は、第1の流路プレー
ト62のヘッダー83aおよび隔壁プレート63のヘッ
ダー84aを経由し、第2の流路プレート64の高温冷
媒入口流路90に送られ、ここで適度な圧力損失を与え
ることにより、積層方向の各高温冷媒流路86に均一に
分岐される。高温冷媒流路86において、凝縮冷媒は、
隔壁プレート63を介して第1の流路プレート62の低
温冷媒流路80を流れる蒸発器流路79からの低温冷媒
蒸気により冷却され過冷却状態となる。そして、最終的
には、第1の流路プレート62のヘッダー83bおよび
隔壁プレート63のヘッダー84bを経由し、エンドプ
レート61の過冷却器出口69から外部に送出され、膨
張弁6および蒸発器7へと送られる。
【0042】過冷却器11で過冷却状態になった凝縮冷
媒は、膨張弁6で減圧されて低温となった後、図示しな
い配管を経由してエンドプレート61に設けた蒸発器入
口70から、吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器12の内
部に流入する。この凝縮冷媒は、隔壁プレート63のヘ
ッダー84jおよび第2の流路プレート64のヘッダー
89jを経由し、第1の流路プレート62の蒸発器入口
流路82に送られ、ここで適度な圧力損失を与えること
により、積層方向の各蒸発器流路79に均一に分岐され
る。蒸発器流路79において、凝縮冷媒は、第2の流路
プレート64の冷水流路88を流れる水から吸熱し蒸発
する。そして、最終的には、低温冷媒として、第1の流
路プレート62の蒸発器流路79と連通する低温冷媒流
路80へと送られる。
【0043】低温冷媒流路80の冷媒蒸気は、先に記し
たように、隔壁プレート63を介して、高温冷媒流路8
6を流れる凝縮器5からの高温冷媒から吸熱し、過熱冷
媒蒸気となり、低温冷媒流路80と連通する第1の流路
プレート62の吸収器流路81へと送られる。
【0044】一方、精溜器4から溶液熱交換器2を経由
し、減圧部13で減圧された希溶液は、図示しない配管
を経由してエンドプレート61の吸収器希溶液入口71
から吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器12の内部に流入
する。この希溶液は、隔壁プレート63のヘッダー84
cおよび第2の流路プレート64のヘッダー89cを経
由し、第1の流路プレート62の希溶液流路77に送ら
れ、ここで適度な圧力損失を与えることにより、第1の
流路プレート62の積層方向の吸収器流路81に均一に
分岐される。
【0045】吸収器流路81において、希溶液は徐々に
冷媒蒸気を吸収し、その時に発生する吸収熱は、隔壁プ
レート63を介して第2の流路プレート64の冷却水流
路87の一部(吸収器流路81と対向する部分)を流れ
る冷却水に放熱する。そして、最終的には、ほぼ全ての
冷媒蒸気が希溶液に吸収され、冷媒濃度の高い濃溶液と
して、隔壁プレート63のヘッダー84kおよび第2の
流路プレート64のヘッダー89kを経由し、吸収器濃
溶液出口72から外部に送出され、溶液タンク9へ送ら
れる。
【0046】なお、冷水は、エンドプレート61に設け
た冷水入口75から吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器1
2の内部に送られ、第1の流路プレート62のヘッダー
83fおよび隔壁プレート63のヘッダー84fを経由
して、第2の流路プレート64の冷水流路88に送られ
るものである。この冷水は、凝縮冷媒の蒸発熱により生
成されたものであり、ヘッダー83gおよび84gを経
由して、冷水出口76から外部に送出される。
【0047】また、冷却水は、エンドプレート61に設
けた冷却水入口73から吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体
器12の内部に送られ、第1の流路プレート62のヘッ
ダー83dおよび隔壁プレート63のヘッダー84dを
経由して、第2の流路プレート64の冷却水流路87に
送られたものである。この冷却水は、希溶液への冷媒蒸
気の吸収熱と、冷媒蒸気の凝縮熱とを受け、第1の流路
プレート62のヘッダー83eおよび隔壁プレート63
のヘッダー84eを経由して、冷却水出口74から外部
に送出される。
【0048】このように、吸収式ヒートポンプ装置にあ
って、吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器12は、同一の
第1の流路プレート62内に蒸発器流路82、吸収器流
路81、凝縮器流路78を設け、そして隔壁プレート6
3を介して、冷水流路88、冷却水流路87を設けた第
2の流路プレート64と多数組積層化することにより、
吸収器と凝縮器と蒸発器とを一体的に構成したものであ
る。したがって、吸収式ヒートポンプ装置としての構成
が簡素になり、家庭用空調機器等に適した小型の吸収式
ヒートポンプ装置を提供することができる。
【0049】また、吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器1
2は、凝縮器5からの高温冷媒を蒸発器7からの低温冷
媒で冷却する過冷却器11を一体的に設けることによ
り、蒸発器7に流入する凝縮冷媒の温度を降下させ、蒸
発器7における冷凍効果を高めることができ、小型で性
能に優れた吸収式ヒートポンプ装置を提供することがで
きる。
【0050】さらに、図2に示す吸収・凝縮・蒸発・過
冷却一体器12は、蒸発器側が鉛直方向の上になるよう
に、ヒートポンプ装置に設置することにより、蒸発器流
路79、低温冷媒流路80、希溶液流路77、吸収器流
路81の各流路を流れる冷媒蒸気、希溶液、冷媒蒸気と
希溶液との混合流の流れが、鉛直方向の上から下向きへ
の流れとなる。したがって、吸収・凝縮・蒸発・過冷却
一体器12としての熱交換器内部に例えば腐食生成物や
防錆剤の析出物等の不純物が流入したとしても、これら
を流路内に滞留させることなく容易に排出することが可
能となり、信頼性に優れた吸収式ヒートポンプ装置を提
供することができる。
【0051】また、吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器1
2は、冷媒蒸気の流路となる蒸発器流路79と低温冷媒
流路80と吸収器流路81とを連続したスリットとして
第1の流路プレート62上に形成するため、配管本数が
低減され、装置の簡略化や配管工数の低減による低コス
ト化を図ることができる。 さらに、吸収・凝縮・蒸発
・過冷却一体器12は、図2に示したように、冷却水流
路87の冷却水の一部は吸収器流路81との熱交換のみ
を行い、他の一部は凝縮器流路78との熱交換を行った
後に吸収器流路81との熱交換を行うように、吸収器流
路81、凝縮器流路78、冷却水流路87を形成するた
め、吸収器流路81と凝縮器流路78とを同時に最も低
い温度の冷却水と熱交換させることが可能であることか
ら、吸収器8の温度を上げることなく、凝縮器5の圧力
を低減することができる。これは、吸収特性の向上によ
る濃溶液濃度の増加と凝縮圧力低減による希溶液濃度の
低減が図られることを意味する。よって濃溶液と希溶液
の濃度差の拡大は、冷媒発生量の増加をもたらし、結果
的に装置としての能力を向上できることとなる。したが
って、大能力で性能に優れた吸収式ヒートポンプ装置を
提供することができる。
【0052】また、吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器1
2は、蒸発器7の入口近傍には蒸発器入口流路82を、
吸収器8の希溶液入口近傍には希溶液流路77を、過冷
却器11の高温冷媒の入口近傍には高温冷媒入口流路9
0を設け、これらの等価直径をそれぞれと連通する蒸発
器流路79、吸収器流路81、高温冷媒流路86の等価
直径よりも小さく形成している。したがって、蒸発器流
路79、吸収器流路81、高温冷媒流路86に流入する
凝縮冷媒や希溶液が、各流路の入口部において適度な圧
力損失を与えられ、積層方向に複数存在する各流路に均
一に分岐されるため、それぞれの熱交換が安定して行わ
れ、信頼性に優れた吸収式ヒートポンプ装置を提供する
ことができる。
【0053】なお、本発明の実施例では、蒸発器7と吸
収器8との間に過冷却器11を設ける構成としたが、装
置の構成を簡略化する場合は、蒸発器流路79と吸収器
流路81とを直結し、過冷却器11となる低温冷媒流路
80および高温冷媒流路86を省略するような流路構成
としても良い。
【0054】また、吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器1
2は、蒸発器入口流路82および希溶液流路77を第1
の流路プレート62上に、高温冷媒入口流路90を第2
の流路プレート64上にそれぞれ設けるとしたが、適当
な貫通孔を設けることにより、異なる流路プレートまた
は隔壁プレートに設けるような構成としても良い。
【0055】さらに、全ての熱交換流体の流入・流出を
右側のエンドプレート61から行うものとしたが、装置
の構成に応じて、左側のエンドプレート65から行うこ
とも容易に可能である。
【0056】また、吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器1
2は、図2に示したように、第1の流路プレート62の
左面に位置する隔壁プレート63と、第2の流路プレー
ト64の左面に位置する隔壁プレート63は、全て同一
形状の貫通孔を有するものとしたが、流路の構成に応じ
て異なる形状としても良い。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に記載の発明は、少なくとも再生器、凝縮器、蒸発器、
吸収器を有する吸収式ヒートポンプ装置にあって、前記
した凝縮器と蒸発器と吸収器は、凝縮冷媒の流路となる
凝縮器流路と、冷媒蒸気の流路となる蒸発器流路と、冷
媒蒸気と希溶液との混合流の流路となる吸収器流路とを
それぞれ形成した第1の流路プレートと、隔壁となるプ
レートと、前記隔壁プレートを介して前記凝縮器流路お
よび吸収器流路と対向する位置に冷却水流路を、前記蒸
発器流路と対向する位置に冷水流路をそれぞれ形成した
第2の流路プレートとを複数組積層して一体に形成した
もので、従来の凝縮器と蒸発器と吸収器とを一体化する
ことが可能になり、装置の構成を簡素にできるととも
に、家庭用空調機器等に適した小型の吸収式ヒートポン
プ装置を提供することができる。
【0058】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1に加えて、冷媒蒸気または冷媒蒸気と希溶液との混合
流の流れが鉛直方向の上から下へとなるように、蒸発器
流路および吸収器流路を形成したもので、熱交換器の一
体化とともに、例えば腐食生成物や防錆剤の析出物等の
不純物が流入したとしても、これらを熱交換器内に滞留
させることなく容易に排出することが可能になり、小型
で、かつ信頼性に優れた吸収式ヒートポンプ装置を提供
することができる。
【0059】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1に加えて、冷媒蒸気の流路となる蒸発器流路と吸収器
流路とを連続したスリットとして第1の流路プレート上
に形成したもので、熱交換器の一体化とともに、配管本
数を低減することが可能になり、装置の簡略化や配管工
数の低減を招き、小型で低コストな吸収式ヒートポンプ
装置を提供することができる。
【0060】本発明の請求項4に記載の発明は、少なく
とも再生器、凝縮器、過冷却器、蒸発器、吸収器を有す
る吸収式ヒートポンプ装置にあって、前記した凝縮器と
過冷却器と蒸発器と吸収器は、凝縮冷媒の流路となる凝
縮器流路と、冷媒蒸気の流路となる蒸発器流路と、蒸発
器からの冷媒蒸気の流路となる低温冷媒流路と、冷媒蒸
気と希溶液との混合流の流路となる吸収器流路とをそれ
ぞれ形成した第1の流路プレートと、隔壁となるプレー
トと、前記隔壁プレートを介して前記凝縮器流路および
吸収器流路と対向する位置に冷却水流路を、前記蒸発器
流路と対向する位置に冷水流路を、前記低温冷媒流路と
対向する位置に凝縮器からの凝縮冷媒の流路となる高温
冷媒流路をそれぞれ形成した第2の流路プレートとを複
数組積層して一体に形成したもので、凝縮器からの高温
冷媒を蒸発器からの低温冷媒で冷却する過冷却器を設け
ることにより、蒸発器に流入する凝縮冷媒の温度を降下
させ、蒸発器における冷凍効果を高めることができる。
また、凝縮器と過冷却器と蒸発器と吸収器とを一体化す
ることが可能になり、装置の構成を簡素にできるととも
に、小型でより優れた性能の吸収式ヒートポンプ装置を
提供することができる。
【0061】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
4に加えて、冷媒蒸気または冷媒蒸気と希溶液との混合
流の流れが鉛直方向の上から下へとなるように、蒸発器
流路、低温冷媒流路および吸収器流路を形成したもの
で、過冷却器を加えた熱交換器の一体化とともに、蒸発
器、低温冷媒流路および吸収器内部の流れが鉛直方向の
上から下へとなるため、例えば先に記したような不純物
が流入したとしても、熱交換器内に滞留させることなく
容易に排出することが可能になる。したがって、小型で
かつ信頼性および性能に優れた吸収式ヒートポンプ装置
を提供することができる。
【0062】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
4に加えて、冷媒蒸気の流路となる蒸発器流路と低温冷
媒流路と吸収器流路とを連続したスリットとして第1の
流路プレート上に形成したもので、過冷却器を加えた熱
交換器の一体化とともに、配管本数を低減することが可
能になり、装置の簡略化や配管工数の低減を招き、小型
でかつ低コストで性能の優れた吸収式ヒートポンプ装置
を提供することができる。
【0063】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項
1または請求項4に加えて、冷却水流路の冷却水の一部
は吸収器流路との熱交換のみを行い、他の一部は凝縮器
流路との熱交換を行った後に吸収器流路との熱交換を行
うように、吸収器流路および凝縮器流路および冷却水流
路を形成したもので、吸収器流路と凝縮器流路とを同時
に最も低い温度の冷却水と熱交換させることが可能であ
ることから、吸収器の温度を上げることなく、凝縮器の
圧力を低減することができる。これは、吸収特性の向上
による濃溶液濃度の増加と凝縮圧力低減による希溶液濃
度の低減が図られることを意味する。よって、濃溶液と
希溶液の濃度差の拡大は、冷媒発生量の増加をもたら
し、結果的に装置としての能力が向上することになる。
したがって、小型でかつ大能力で性能に優れた吸収式ヒ
ートポンプ装置を提供することができる。
【0064】本発明の請求項8に記載の発明は、請求項
1または請求項4に加えて、吸収器流路と連通する希溶
液流路を設け、前記希溶液流路の等価直径を、前記吸収
器流路の等価直径よりも小さく形成したもので、希溶液
の吸収器流路に対する分岐の均一化が図られ、吸収器流
路内において冷媒蒸気の希溶液への吸収が安定して行わ
れ、信頼性に優れた吸収式ヒートポンプ装置を提供する
ことができる。
【0065】本発明の請求項9に記載の発明は、請求項
2または請求項5に加えて、吸収器流路と連通する希溶
液流路を設け、前記希溶液流路が希溶液の流れが鉛直方
向の上から下へとなるように形成したもので、例えば先
に記したような不純物が流入したとしても、希溶液流路
内に滞留させることなく容易に排出することが可能にな
り、信頼性に優れた吸収式ヒートポンプ装置を提供する
ことができる。
【0066】本発明の請求項10に記載の発明は、請求
項1または請求項4に加えて、蒸発器流路の入口部に前
記蒸発器流路と連通する蒸発器入口流路を設け、この蒸
発器入口流路の等価直径を蒸発器流路の等価直径よりも
小さく形成したもので、凝縮冷媒の蒸発器流路に対する
分岐の均一化が図られ、蒸発器流路内における凝縮冷媒
の蒸発、すなわち冷熱の生成が安定して行われ、信頼性
に優れた吸収式ヒートポンプ装置を提供することができ
る。
【0067】本発明の請求項11に記載の発明は、請求
項4に加えて、高温冷媒流路の入口部に前記高温冷媒流
路と連通する高温冷媒入口流路を設け、この高温冷媒入
口流路の等価直径を高温冷媒流路の等価直径よりも小さ
く形成したもので、凝縮冷媒の高温冷媒流路に対する分
岐の均一化が図られ、高温冷媒流路内における凝縮冷媒
の過冷却が安定して行われ、信頼性に優れた吸収式ヒー
トポンプ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における吸収式ヒートポンプ装
置を示す構成図
【図2】(a)同装置における吸収・凝縮・蒸発・過冷
却一体器のエンドプレートを示す平面図 (b)同装置における吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器
の第1の流路プレートを示す平面図 (c)同装置における吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器
の隔壁プレートを示す平面図 (d)同装置における吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器
の第2の流路プレートを示す平面図 (e)同装置における吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器
の隔壁プレートを示す平面図 (f)同装置における吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体器
のエンドプレートを示す平面図
【図3】同装置における吸収・凝縮・蒸発・過冷却一体
器の構成説明図
【図4】従来の吸収式ヒートポンプ装置を示す構成図
【符号の説明】
5 凝縮器 7 蒸発器 8 吸収器 62 第1の流路プレート 63 隔壁プレート 64 第2の流路プレート 78 凝縮器流路 79 蒸発器流路 81 吸収器流路 87 冷却水流路 88 冷水流路

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも再生器、凝縮器、蒸発器、吸収
    器を有するものにあって、前記した凝縮器と蒸発器と吸
    収器は、凝縮冷媒の流路となる凝縮器流路と、冷媒蒸気
    の流路となる蒸発器流路と、冷媒蒸気と希溶液との混合
    流の流路となる吸収器流路とをそれぞれ形成した第1の
    流路プレートと、隔壁となるプレートと、前記隔壁プレ
    ートを介して前記凝縮器流路および吸収器流路と対向す
    る位置に冷却水流路を、前記蒸発器流路と対向する位置
    に冷水流路をそれぞれ形成した第2の流路プレートとを
    複数組積層して一体に形成してなる吸収式ヒートポンプ
    装置。
  2. 【請求項2】冷媒蒸気または冷媒蒸気と希溶液との混合
    流が、鉛直方向の上から下へ流れるように蒸発器流路お
    よび吸収器流路を形成してなる請求項1記載の吸収式ヒ
    ートポンプ装置。
  3. 【請求項3】冷媒蒸気の流路となる蒸発器流路と吸収器
    流路とを、連続したスリット状に第1の流路プレート上
    に形成してなる請求項1記載の吸収式ヒートポンプ装
    置。
  4. 【請求項4】少なくとも再生器、凝縮器、過冷却器、蒸
    発器、吸収器を有するものにあって、前記した凝縮器と
    過冷却器と蒸発器と吸収器は、凝縮冷媒の流路となる凝
    縮器流路と、冷媒蒸気の流路となる蒸発器流路と、蒸発
    器からの冷媒蒸気の流路となる低温冷媒流路と、冷媒蒸
    気と希溶液との混合流の流路となる吸収器流路とをそれ
    ぞれ形成した第1の流路プレートと、隔壁となるプレー
    トと、前記隔壁プレートを介して前記凝縮器流路および
    吸収器流路と対向する位置に冷却水流路を、前記蒸発器
    流路と対向する位置に冷水流路を、前記低温冷媒流路と
    対向する位置に凝縮器からの凝縮冷媒の流路となる高温
    冷媒流路をそれぞれ形成した第2の流路プレートとを複
    数組積層して一体に形成してなる吸収式ヒートポンプ装
    置。
  5. 【請求項5】冷媒蒸気または冷媒蒸気と希溶液との混合
    流が、鉛直方向の上から下へ流れるように蒸発器流路、
    低温冷媒流路および吸収器流路を形成してなる請求項4
    記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  6. 【請求項6】冷媒蒸気の流路となる蒸発器流路と低温冷
    媒流路と吸収器流路とを、連続したスリット状に第1の
    流路プレート上に形成してなる請求項4記載の吸収式ヒ
    ートポンプ装置。
  7. 【請求項7】冷却水流路の冷却水の一部は吸収器流路と
    の熱交換のみを行い、他の一部は凝縮器流路との熱交換
    を行った後に吸収器流路との熱交換を行うように、吸収
    器流路および凝縮器流路および冷却水流路を形成してな
    る請求項1または請求項4記載の吸収式ヒートポンプ装
    置。
  8. 【請求項8】吸収器流路と連通する希溶液流路を設け、
    前記希溶液流路の等価直径を、前記吸収器流路の等価直
    径よりも小さく形成してなる請求項1または請求項4記
    載の吸収式ヒートポンプ装置。
  9. 【請求項9】吸収器流路と連通する希溶液流路を設け、
    前記希溶液流路を希溶液の流れが鉛直方向の上から下へ
    となるように形成してなる請求項2または請求項5記載
    の吸収式ヒートポンプ装置。
  10. 【請求項10】蒸発器流路の入口部に前記蒸発器流路と
    連通する蒸発器入口流路を設け、この蒸発器入口流路の
    等価直径を蒸発器流路の等価直径よりも小さく形成して
    なる請求項1または請求項4記載の吸収式ヒートポンプ
    装置。
  11. 【請求項11】高温冷媒流路の入口部に前記高温冷媒流
    路と連通する高温冷媒入口流路を設け、この高温冷媒入
    口流路の等価直径を高温冷媒流路の等価直径よりも小さ
    く形成してなる請求項4記載の吸収式ヒートポンプ装
    置。
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