以下、図面を参照しながら、各実施形態を説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態の熱交換器10は、冷媒が循環する冷凍サイクル回路12の一部を構成する。すなわち、冷凍サイクル回路12では、その冷凍サイクル回路12に含まれる圧縮機14が圧縮した冷媒が熱交換器10に流入し、その熱交換器10に流入した冷媒は、熱交換器10内を流通してから圧縮機14に吸い込まれる。
この熱交換器10は、冷房または暖房が行われる空調対象空間へ流れる空気と冷媒との熱交換を行う。例えば、その空調対象空間が冷房される場合には、熱交換器10は、その空調対象空間へ流れる空気を冷媒で冷却する。また、その空調対象空間が暖房される場合には、熱交換器10は、その空調対象空間へ流れる空気を冷媒で加熱する。
図1および図2に示すように、本実施形態の熱交換器10は、例えば、アルミニウム合金などの金属からなる複数の構成部材が互いにロウ付け接合されることにより構成されている。本実施形態の熱交換器10は、凝縮器として機能する凝縮部20と、蒸発器として機能する蒸発部22と、内部熱交換器として機能する内部熱交換部28と、一方側サイドプレート部30と、他方側サイドプレート部32と、管状の入口管34と、管状の出口管36とを備えている。
図2~図4に示すように、一方側サイドプレート部30と他方側サイドプレート部32は、所定の積層方向Dsを厚み方向とし且つ鉛直方向Dgを長手方向とした略板状を成している。その積層方向Dsは鉛直方向Dgに対して交差する方向、厳密に言えば鉛直方向Dgに対して直交する方向である。なお、図2は、図4のII-II断面を示している。また、本実施形態では、積層方向Dsと鉛直方向Dgとの両方に直交する方向を熱交換器幅方向Dwと呼ぶものとする。
一方側サイドプレート部30は、熱交換器10のうち積層方向Dsの一方側の端に配置され、他方側サイドプレート部32は、熱交換器10のうち積層方向Dsの他方側の端に配置されている。凝縮部20と蒸発部22と内部熱交換部28は、積層方向Dsにおいて、その一方側サイドプレート部30と他方側サイドプレート部32との間に配置されている。
すなわち、一方側サイドプレート部30は、凝縮部20と蒸発部22と内部熱交換部28とに対し積層方向Dsの一方側に配置され、他方側サイドプレート部32は、凝縮部20と蒸発部22と内部熱交換部28とに対し積層方向Dsの他方側に配置されている。そして、一方側サイドプレート部30および他方側サイドプレート部32は、その一方側サイドプレート部30と他方側サイドプレート部32との間に、凝縮部20と蒸発部22と内部熱交換部28とを挟んでいる。
凝縮部20は、積層方向Dsを厚み方向とし且つ鉛直方向Dgを長手方向とした凝縮構成部201が積層方向Dsに複数積層された積層構造を備えている。すなわち、凝縮部20は複数の凝縮構成部201を有しており、その複数の凝縮構成部201は積層方向Dsに積層されると共に、互いに接合されている。
そして、図2、図5、図6に示すように、複数の凝縮構成部201の内部にはそれぞれ、一方側凝縮タンク空間201aと他方側凝縮タンク空間201bと凝縮流路201cとからなる内部空間が形成されている。一方側凝縮タンク空間201aと他方側凝縮タンク空間201bと凝縮流路201cは、冷媒が流通する空間である。
一方側凝縮タンク空間201aは凝縮流路201cの一端に接続され、他方側凝縮タンク空間201bは凝縮流路201cの他端に接続されている。凝縮流路201cは、例えば、鉛直方向Dgに複数回往復する波形の経路に沿って延びている。本実施形態では、凝縮流路201cは、鉛直方向Dgに3往復する波形の経路に沿って延びている。
凝縮流路201cは、一方側凝縮タンク空間201aと他方側凝縮タンク空間201bとに対し鉛直方向Dgの上側に配置されている。また、一方側凝縮タンク空間201aは、他方側凝縮タンク空間201bに対し熱交換器幅方向Dwの一方側に配置されている。
また、図2および図7に示すように、互いに隣接した凝縮構成部201の相互間では、少なくとも、一方側凝縮タンク空間201a同士または他方側凝縮タンク空間201b同士が互いに連通している。
凝縮部20内には、圧縮機14(図1参照)が圧縮し吐出した冷媒が矢印Fi、F1aのように入口管34を介して流入し、その冷媒は各凝縮構成部201の凝縮流路201cへと流れる。そして、冷媒から放熱させる放熱部としての凝縮部20は、凝縮部20周りの空気と凝縮流路201cに流れる冷媒とを熱交換させ、それによって、その冷媒から放熱させると共にその冷媒を凝縮させる。
なお、図7の矢印F2a、F2b、F2cはそれぞれ、積層方向Dsに隣接して互いに接続された複数の一方側凝縮タンク空間201aにおける冷媒流れを示している。また、矢印F3a、F3bはそれぞれ、積層方向Dsに隣接して互いに接続された複数の他方側凝縮タンク空間201bにおける冷媒流れを示している。また、矢印F4a~F4hはそれぞれ、凝縮流路201cの冷媒流れを示している。
蒸発部22は、積層方向Dsを厚み方向とし且つ鉛直方向Dgを長手方向とした蒸発構成部221が積層方向Dsに複数積層された積層構造を備えている。すなわち、蒸発部22は複数の蒸発構成部221を有しており、その複数の蒸発構成部221は積層方向Dsに積層されると共に、互いに接合されている。
そして、図2、図5、図6に示すように、複数の蒸発構成部221の内部にはそれぞれ、一方側蒸発タンク空間221aと他方側蒸発タンク空間221bと蒸発流路221cとからなる内部空間が形成されている。一方側蒸発タンク空間221aと他方側蒸発タンク空間221bと蒸発流路221cは、冷媒が流通する空間である。
一方側蒸発タンク空間221aは蒸発流路221cの一端に接続され、他方側蒸発タンク空間221bは蒸発流路221cの他端に接続されている。蒸発流路221cは、例えば、鉛直方向Dgに複数回往復する波形の経路に沿って延びている。本実施形態では、蒸発流路221cは、鉛直方向Dgに2往復する波形の経路に沿って延びている。そして、蒸発流路221cは、凝縮流路201cに比して流路断面積が大きくなるように形成されている。
蒸発流路221cは、一方側蒸発タンク空間221aと他方側蒸発タンク空間221bとに対し鉛直方向Dgの下側に配置されている。また、一方側蒸発タンク空間221aは、他方側蒸発タンク空間221bに対し熱交換器幅方向Dwの一方側に配置されている。
また、図2および図8に示すように、互いに隣接した蒸発構成部221の相互間では、少なくとも、一方側蒸発タンク空間221a同士または他方側蒸発タンク空間221b同士が互いに連通している。
蒸発部22と内部熱交換部28と凝縮部20は、鉛直方向Dgにおいて、蒸発部22、内部熱交換部28、凝縮部20の順に並んで配置されている。詳しくは、蒸発部22と内部熱交換部28と凝縮部20は、その記載順で上側から鉛直方向Dgに並んで配置されている。すなわち、内部熱交換部28は蒸発部22に対し下側に重なるように配置されている。そして、凝縮部20は、蒸発部22と内部熱交換部28との両方に対し下側に重なるように配置されている。なお、鉛直方向Dgは、一方側サイドプレート部30に沿った方向でもあり、他方側サイドプレート部32に沿った方向でもある。
凝縮部20から流出した冷媒は、内部熱交換部28と、他方側サイドプレート部32に含まれる後述の絞り部321eとをその記載順に経て、絞り部321eで減圧されてから蒸発部22内に流入する。その凝縮部20から蒸発部22に至る冷媒流れは、例えば図2の矢印F1b~F1fで表されている。
絞り部321eから蒸発部22内に流入した冷媒は各蒸発構成部221の蒸発流路221cへと流れる。そして、蒸発部22は、蒸発部22周りの空気と蒸発流路221cに流れる冷媒とを熱交換させ、それによって、その冷媒に吸熱させると共にその冷媒を蒸発させる。
なお、図8の矢印F5a、F5bはそれぞれ、積層方向Dsに隣接して互いに接続された複数の一方側蒸発タンク空間221aにおける冷媒流れを示している。また、矢印F6a、F6bはそれぞれ、積層方向Dsに隣接して互いに接続された複数の他方側蒸発タンク空間221bにおける冷媒流れを示している。また、矢印F7a~F7gはそれぞれ、蒸発流路221cの冷媒流れを示している。
図2に示すように、一方側サイドプレート部30は、板状の部材である一方側第1板301と一方側第2板302と一方側第3板303とを有している。一方側サイドプレート部30は、それらの一方側第1板301と一方側第2板302と一方側第3板303とが積層され互いに接合されることで構成されている。その一方側第1板301と一方側第2板302と一方側第3板303は、一方側第1板301、一方側第2板302、一方側第3板303の順に積層方向Dsの他方側から一方側へ積層されている。
一方側サイドプレート部30には、凝縮部20と蒸発部22とがそれぞれ固定されている。詳細には、積層方向Dsにおける一方側第1板301の他方側に、凝縮部20と蒸発部22とが並列に接合されている。すなわち、複数の凝縮構成部201と複数の蒸発構成部221はそれぞれ、一方側サイドプレート部30に対し積層方向Dsの他方側に積層されている。
他方側サイドプレート部32は、板状の部材である他方側第1板321と他方側第2板322とを有し、それらの他方側第1板321と他方側第2板322とが積層され互いに接合されることで構成されている。その他方側第1板321と他方側第2板322は、他方側第1板321、他方側第2板322の順に積層方向Dsの一方側から他方側へ積層されている。
他方側サイドプレート部32には、凝縮部20と蒸発部22とがそれぞれ固定されている。詳細には、積層方向Dsにおける他方側第1板321の一方側に、凝縮部20と蒸発部22とが並列に接合されている。すなわち、複数の凝縮構成部201と複数の蒸発構成部221はそれぞれ、他方側サイドプレート部32に対し積層方向Dsの一方側に積層されている。
図2、図4、図9に示すように、内部熱交換部28は、凝縮部20から流出した冷媒と蒸発部22から流出した冷媒とを熱交換させる。そのために、内部熱交換部28は、積層方向Dsに延伸した二重管構造になっており、筒状の外側筒部281と、その外側筒部281の中に挿通された筒状の内側筒部282とを有している。内部熱交換部28は、一方側第1板301と他方側第1板321との間で凝縮部20および蒸発部22と並んで配置され、その一方側第1板301と他方側第1板321とにそれぞれ接合されている。
外側筒部281は複数の外側筒構成部281a、281bを有している。外側筒部281は、その複数の外側筒構成部281a、281bが積層方向Dsに直列に連結し互いに接合されることにより、積層方向Dsに延伸した筒形状になっている。
詳細には、外側筒部281は、複数の第1外側筒構成部281aと、その第1外側筒構成部281aとは形状が異なる複数の第2外側筒構成部281bとを、その複数の外側筒構成部281a、281bとして有している。例えば、その第1外側筒構成部281aと第2外側筒構成部281bは何れも積層方向Dsに延伸した筒形状を有し、第2外側筒構成部281bは、第1外側筒構成部281aに対し積層方向Dsに対称な形状とされている。そして、その複数の第1外側筒構成部281aと複数の第2外側筒構成部281bは、積層方向Dsに交互に直列に連結されると共に、互いにロウ付け接合されている。このようにして、外側筒部281は構成されている。
内側筒部282は、積層方向Dsに延伸した管部材で構成されている。その内側筒部282の一端は、図2および図10に示すように、一方側第2板302に形成された一端用貫通孔302aに挿入され、その一端用貫通孔302aにて一方側第2板302に対しロウ付け接合されている。また、内側筒部282の他端は、図2および図9に示すように、他方側第1板321に形成された他端用貫通孔321aに挿入され、その他端用貫通孔321aにて他方側第1板321に対しロウ付け接合されている。
このような構成により、内部熱交換部28には、積層方向Dsに延伸した2本の流路、具体的には、蒸発部22から流出した冷媒が流通する外側流路28aと、凝縮部20から流出した冷媒が流通する内側流路28bとが形成されている。そして、外側流路28aは外側筒部281の内側に配置され、内側流路28bは、外側流路28aに対しその外側流路28aの内側に内側筒部282の筒壁を挟んで配置されている。従って、内部熱交換部28では、外側流路28aに流れる冷媒と内側流路28bに流れる冷媒とが内側筒部282の筒壁を介して互いに熱交換する。
図4、図7、図9に示すように、他方側第1板321には、上記の他端用貫通孔321aの他に、入口用貫通孔321bと出口用貫通孔321cとが形成されている。そして、他方側第1板321には、オリフィス孔として機能する絞り孔321dも形成されている。すなわち、他方側サイドプレート部32は、他方側第1板321のうちその絞り孔321dが形成された部分を絞り部321eとして有している。この絞り部321eはオリフィスである。
入口用貫通孔321bには入口管34が挿入され、その入口管34は、その入口用貫通孔321bにて他方側第1板321に対しロウ付け接合されている。これにより、入口管34は凝縮部20内に連通するようにその凝縮部20に対して接続される。
出口用貫通孔321cには出口管36が挿入され、その出口管36は、その出口用貫通孔321cにて他方側第1板321に対しロウ付け接合されている。これにより、出口管36は内部熱交換部28の外側流路28aに連通するようにその内部熱交換部28に対して接続される。
図2、図4、図9に示すように、他方側サイドプレート部32において他方側第2板322は、他方側第1板321に対し積層方向Dsの他方側にロウ付け接合されており、これによって、他方側第1板321との間に他方側中継流路32aを形成している。
この他方側中継流路32aは鉛直方向Dgに延びており、冷媒流れにおいて内部熱交換部28の内側流路28bと絞り孔321dとの間に設けられている。すなわち、他方側中継流路32aは、内側流路28bの冷媒出口側と絞り孔321dの冷媒入口側とをつなぐ流路となっている。
図2および図8に示すように、複数の蒸発構成部221のうち積層方向Dsの他方側の端に位置する入口位置蒸発構成部222には、絞り流路としての絞り孔321dから蒸発部22内へ冷媒を流入させる蒸発部入口222aが設けられている。この蒸発部入口222aは、入口位置蒸発構成部222の一方側蒸発タンク空間221aに含まれている。そして、他方側サイドプレート部32の絞り孔321dは蒸発部入口222aに接続している。従って、蒸発部入口222aは、入口位置蒸発構成部222の一方側蒸発タンク空間221aのうち絞り孔321dの冷媒流れ下流端に接続する部分に該当する。
また、他方側サイドプレート部32の絞り孔321dの孔径は、その絞り孔321dを通過する冷媒に対し所定の減圧作用を生じるように設定されている。すなわち、絞り部321eは、冷媒流れを絞る固定絞りであり、凝縮部20から流出した冷媒を減圧してから蒸発部22へ流す減圧部として機能する。本実施形態では内部熱交換部28が設けられているので、詳細に言うと、絞り部321eの絞り孔321dには、凝縮部20から流出し内部熱交換部28の内側流路28bと他方側中継流路32aとを通った冷媒が流入する。
図11に示すように、一方側サイドプレート部30の一方側第1板301には、凝縮部用貫通孔301bと気液分離用貫通孔301cとが形成されている。この凝縮部用貫通孔301bは、気液分離用貫通孔301cよりも下側に位置している。
また、図10に示すように、一方側第2板302には、上記の一端用貫通孔302aの他に、凝縮部用貫通孔302bと気液分離用貫通孔302cとが形成されている。この凝縮部用貫通孔302bは、一端用貫通孔302aおよび気液分離用貫通孔302cよりも下側に位置し、一方側第1板301の凝縮部用貫通孔301bと同心になるように配置されている。
また、図2および図3に示すように、一方側第3板303は、流路カバー部303aと、その流路カバー部303aに対し上側に配置された気液分離カバー部303cとを有している。
図2および図7に示すように、複数の凝縮構成部201のうち積層方向Dsの一方側の端に位置する出口位置凝縮構成部202には、凝縮部20内から冷媒を流出させる凝縮部出口202aが設けられている。この凝縮部出口202aは、出口位置凝縮構成部202の一方側凝縮タンク空間201aに含まれている。そして、一方側第1板301の凝縮部用貫通孔301bと一方側第2板302の凝縮部用貫通孔302bは凝縮部出口202aに接続している。
また、一方側第3板303は一方側第2板302に対し積層方向Dsの一方側にロウ付け接合されており、これによって、一方側第3板303の流路カバー部303aは一方側第2板302との間に一方側中継流路30aを形成している。
この一方側中継流路30aは鉛直方向Dgに延びており、冷媒流れにおいて一方側第2板302の凝縮部用貫通孔302bと内部熱交換部28の内側流路28bとの間に設けられている。すなわち、一方側中継流路30aは、凝縮部20の凝縮部出口202aと内側流路28bの冷媒入口側とをつなぐ流路となっている。このような冷媒の流路構成により、他方側サイドプレート部32の絞り部321eは、冷媒流れにおいて凝縮部出口202aと蒸発部入口222aとの間に設けられていることになる。
図11に示すように、一方側第1板301の気液分離用貫通孔301cは、一方側貫通部301dと他方側貫通部301eと連結部301fとから構成されている。その一方側貫通部301dと他方側貫通部301eは鉛直方向Dgに延びるように形成されている。
他方側貫通部301eは、一方側貫通部301dに対し一方側貫通部301dから少し離れて、熱交換器幅方向Dwの一方側とは反対側の他方側に配置されている。そして、連結部301fは、一方側貫通部301dと他方側貫通部301eとの間に配置され、その一方側貫通部301dの上端部分と他方側貫通部301eの上端部分とを連結している。
また、図8および図11に示すように、蒸発部22には、蒸発部22内から冷媒を流出させる蒸発部出口22bが設けられている。この蒸発部出口22bは積層方向Dsを向いて開口した開口孔である。気液分離用貫通孔301cは、その気液分離用貫通孔301cのうち専ら他方側貫通部301eがその蒸発部出口22bに対し積層方向Dsの一方側に重なるように形成されている。
図10に示すように、一方側第2板302の気液分離用貫通孔302cは鉛直方向Dgに延びるように形成されている。そして、この気液分離用貫通孔302cは、一方側第1板301の他方側貫通部301eに対し重なるように配置されている。その一方で、一方側第2板302の気液分離用貫通孔302cは、一方側第1板301の一方側貫通部301dに対しては、熱交換器幅方向Dwの他方側へ離れて配置されている。
図2および図3に示すように、一方側第3板303の気液分離カバー部303cは積層方向Dsの一方側へ凹んだ形状を有し、一方側第2板302との間にカバー内空間303dを形成している。このカバー内空間303dは一方側第2板302の気液分離用貫通孔302cに連結した空間となっている。
この気液分離カバー部303cと、一方側第1板301のうち気液分離用貫通孔301cが形成された第1気液分離構成部301gと、一方側第2板302のうち気液分離用貫通孔302cが形成された第2気液分離構成部302dは気液分離部26を構成している。
すなわち、一方側サイドプレート部30は気液分離部26を有している。この気液分離部26には蒸発部22から冷媒が矢印F8(図2、図8参照)のように流入する。そして、気液分離部26は、蒸発部22から流入した冷媒の気液を分離するアキュムレータとして機能する。気液分離部26は、気液分離された冷媒のうち気相の冷媒を気液分離部26から内部熱交換部28の外側流路28aへ流出させると共に、気液分離部26に形成された液貯留空間26aに液相の冷媒を溜める。
その液貯留空間26aは、図3、図10、図11に示すように、一方側第1板301の他方側貫通部301eと一方側第2板302の気液分離用貫通孔302cとカバー内空間303dとから構成されている。図2、図3、図10、図11では、液貯留空間26aの下部に液相の冷媒が溜まっている様子がハッチングで示されている。
内部熱交換部28の内側筒部282は、一方側第1板301の一方側貫通部301dに挿通された上で一方側第2板302の一端用貫通孔302aにまで到達している。そして、一方側第1板301の一方側貫通部301dはその下部にて内部熱交換部28の外側流路28aに連通している。そのため、一方側第1板301の一方側貫通部301dと連結部301fは、気相の冷媒を矢印F9a、F9bのように液貯留空間26aから外側流路28aへ導く冷媒導出流路として機能する。
凝縮部20の構成について詳述すると、図2および図7に示すように、複数の凝縮構成部201はそれぞれ、板状の一対の凝縮板部201d、201hを有している。複数の凝縮構成部201のそれぞれでは、その一対の凝縮板部201d、201hが積層方向Dsに積層されている。そして、複数の凝縮構成部201はそれぞれ、一対の凝縮板部201d、201hが凝縮流路201cと凝縮タンク空間201a、201bとを一対の凝縮板部201d、201hの相互間に形成するように互いに接合されることによって構成されている。
具体的には、一対の凝縮板部201d、201hとは、一方側凝縮板部201dと、その一方側凝縮板部201dに対し積層方向Dsの他方側に配置された他方側凝縮板部201hとである。
図2、図5、図6に示すように、一対の凝縮板部201d、201hのうちの一方である一方側凝縮板部201dは、積層方向Dsの一方側へ窪んだ第1凝縮タンク形成部201eと第2凝縮タンク形成部201fと凝縮流路形成部201gとを有している。また、一対の凝縮板部201d、201hのうちの他方である他方側凝縮板部201hは、積層方向Dsの他方側へ窪んだ第1凝縮タンク形成部201iと第2凝縮タンク形成部201jと凝縮流路形成部201kとを有している。一方側凝縮タンク空間201aは、この両方の第1凝縮タンク形成部201e、201iの間に形成され、他方側凝縮タンク空間201bは、両方の第2凝縮タンク形成部201f、201jの間に形成されている。また、凝縮流路201cは、両方の凝縮流路形成部201g、201kの間に形成されている。
また、一方側凝縮板部201dでは、積層方向Dsにおいて第1凝縮タンク形成部201eの幅と第2凝縮タンク形成部201fの幅は互いに同じになっており、凝縮流路形成部201gの幅よりも大きくなっている。これと同様に、他方側凝縮板部201hでは、積層方向Dsにおいて第1凝縮タンク形成部201iの幅と第2凝縮タンク形成部201jの幅は互いに同じになっており、凝縮流路形成部201kの幅よりも大きくなっている。
そのため、凝縮部20において互いに隣接する凝縮構成部201同士の間では、第1凝縮タンク形成部201e、201i同士が互いに接合されると共に、第2凝縮タンク形成部201f、201j同士も互いに接合されている。その一方で、互いに隣接する凝縮構成部201同士の間のうち凝縮流路形成部201g、201k同士の間には空気が通過する通風空間20aが形成されている。
この通風空間20aは積層方向Dsに並んで複数形成されており、その複数の通風空間20aにはそれぞれ、凝縮流路形成部201g、201kの外側にロウ付け接合されたコルゲートフィンである凝縮部フィン203が配置されている。そして、その凝縮部フィン203は、通風空間20aを通る空気と凝縮部20内の冷媒との熱交換を促進する。
なお、図2および図7に示すように、複数の凝縮構成部201のうち積層方向Dsの一方側の端と他方側の端とのそれぞれに位置する凝縮構成部201は、それらの間に位置する凝縮構成部201とは形状が異なる。例えば、その一方側の端に位置する凝縮構成部201は、他方側凝縮板部201hと、一方側第1板301のうちその他方側凝縮板部201hに対し対向する部分301hとから構成されている。また、その他方側の端に位置する凝縮構成部201は、一方側凝縮板部201dと、他方側第1板321のうちその一方側凝縮板部201dに対し対向する部分321fとから構成されている。
また、図5~図7に示すように、一方側凝縮板部201dにおいて第1凝縮タンク形成部201eには、積層方向Dsに貫通した第1連通孔201mが形成され、第2凝縮タンク形成部201fには、積層方向Dsに貫通した第2連通孔201nが形成されている。これと同様に、他方側凝縮板部201hにおいて第1凝縮タンク形成部201iには、積層方向Dsに貫通した第1連通孔201oが形成され、第2凝縮タンク形成部201jには、積層方向Dsに貫通した第2連通孔201pが形成されている。
互いに隣接する凝縮構成部201のそれぞれの一方側凝縮タンク空間201aは、第1連通孔201m、201o同士が重なって配置されることで互いに連通している。また、互いに隣接する凝縮構成部201のそれぞれの他方側凝縮タンク空間201bは、第2連通孔201n、201p同士が重なって配置されることで互いに連通している。
但し、複数の凝縮構成部201の中には、第1および第2連通孔201m、201n、201o、201pのうちの何れかが設けられていないものもある。これにより、1または2以上の凝縮構成部201を有する凝縮構成部群204a~204dが複数構成されている。本実施形態では、その複数の凝縮構成部群204a~204dとして、第1凝縮構成部群204a、第2凝縮構成部群204b、第3凝縮構成部群204c、および第4凝縮構成部群204dが構成されている。
凝縮部20では、第1凝縮構成部群204aと第2凝縮構成部群204bと第3凝縮構成部群204cと第4凝縮構成部群204dは、その記載順で積層方向Dsの他方側から一方側へ並んで配置されている。そして、凝縮部20の冷媒流れにおいて、第1凝縮構成部群204aと第2凝縮構成部群204bと第3凝縮構成部群204cと第4凝縮構成部群204dは、その記載順で、上流側から下流側へ直列に連結されている。
また、複数の凝縮構成部群204a~204dのうち複数の凝縮構成部201を有する凝縮構成部群では、複数の凝縮流路201cが冷媒流れにおいて並列接続されている。
このような冷媒の流通経路を実現するために、図7のC1部に示すように、第2凝縮構成部群204bのうち積層方向Dsの他方側の端に位置する他方側凝縮板部201hには、第1連通孔201oが設けられていない。また、C2部に示すように、第2凝縮構成部群204bのうち積層方向Dsの一方側の端に位置する一方側凝縮板部201dには、第2連通孔201nが設けられていない。また、C3部に示すように、第4凝縮構成部群204dのうち積層方向Dsの他方側の端に位置する他方側凝縮板部201hには、第1連通孔201oが設けられていない。例えば、第2連通孔201pは設けられているが第1連通孔201oが設けられていない他方側凝縮板部201hは、図12に示されている。
蒸発部22の構成も基本的には上述した凝縮部20の構成と同様である。すなわち、図2および図8に示すように、複数の蒸発構成部221はそれぞれ、板状の一対の蒸発板部221d、221hを有している。複数の蒸発構成部221のそれぞれでは、その一対の蒸発板部221d、221hが積層方向Dsに積層されている。そして、複数の蒸発構成部221はそれぞれ、一対の蒸発板部221d、221hが蒸発流路221cと蒸発タンク空間221a、221bとを一対の蒸発板部221d、221hの相互間に形成するように互いに接合されることによって構成されている。
具体的には、一対の蒸発板部221d、221hとは、一方側蒸発板部221dと、その一方側蒸発板部221dに対し積層方向Dsの他方側に配置された他方側蒸発板部221hとである。
図2、図5、図6に示すように、一対の蒸発板部221d、221hのうちの一方である一方側蒸発板部221dは、積層方向Dsの一方側へ窪んだ第1蒸発タンク形成部221eと第2蒸発タンク形成部221fと蒸発流路形成部221gとを有している。また、一対の蒸発板部221d、221hのうちの他方である他方側蒸発板部221hは、積層方向Dsの他方側へ窪んだ第1蒸発タンク形成部221iと第2蒸発タンク形成部221jと蒸発流路形成部221kとを有している。一方側蒸発タンク空間221aは、この両方の第1蒸発タンク形成部221e、221iの間に形成され、他方側蒸発タンク空間221bは、両方の第2蒸発タンク形成部221f、221jの間に形成されている。また、蒸発流路221cは、両方の蒸発流路形成部221g、221kの間に形成されている。
また、一方側蒸発板部221dでは、積層方向Dsにおいて第1蒸発タンク形成部221eの幅と第2蒸発タンク形成部221fの幅は互いに同じになっており、蒸発流路形成部221gの幅よりも大きくなっている。また、積層方向Dsにおいて蒸発タンク形成部221e、221fの幅は、一方側凝縮板部201dの凝縮タンク形成部201e、201fの幅と同じになっている。
これと同様に、他方側蒸発板部221hでは、積層方向Dsにおいて第1蒸発タンク形成部221iの幅と第2蒸発タンク形成部221jの幅は互いに同じになっており、蒸発流路形成部221kの幅よりも大きくなっている。また、積層方向Dsにおいて蒸発タンク形成部221i、221jの幅は、他方側凝縮板部201hの凝縮タンク形成部201i、201jの幅と同じになっている。
そのため、蒸発部22において互いに隣接する蒸発構成部221同士の間では、第1蒸発タンク形成部221e、221i同士が互いに接合されると共に、第2蒸発タンク形成部221f、221j同士も互いに接合されている。その一方で、互いに隣接する蒸発構成部221同士の間のうち蒸発流路形成部221g、221k同士の間には空気が通過する通風空間22aが形成されている。
この通風空間22aは積層方向Dsに並んで複数形成されており、その複数の通風空間22aにはそれぞれ、蒸発流路形成部221g、221kの外側にロウ付け接合されたコルゲートフィンである蒸発部フィン223が配置されている。そして、その蒸発部フィン223は、通風空間22aを通る空気と蒸発部22内の冷媒との熱交換を促進する。
なお、図2および図8に示すように、複数の蒸発構成部221のうち積層方向Dsの他方側の端に位置する蒸発構成部221は、それ以外の蒸発構成部221とは形状が異なる。例えば、その他方側の端に位置する蒸発構成部221は、一方側蒸発板部221dと、他方側第1板321のうちその一方側蒸発板部221dに対し対向する部分321gとから構成されている。
図5、図6、図8に示すように、一方側蒸発板部221dにおいて第1蒸発タンク形成部221eには、積層方向Dsに貫通した第1連通孔221mが形成され、第2蒸発タンク形成部221fには、積層方向Dsに貫通した第2連通孔221nが形成されている。これと同様に、他方側蒸発板部221hにおいて第1蒸発タンク形成部221iには、積層方向Dsに貫通した第1連通孔221oが形成され、第2蒸発タンク形成部221jには、積層方向Dsに貫通した第2連通孔221pが形成されている。
互いに隣接する蒸発構成部221のそれぞれの一方側蒸発タンク空間221aは、第1連通孔221m、221o同士が重なって配置されることで互いに連通している。また、互いに隣接する蒸発構成部221のそれぞれの他方側蒸発タンク空間221bは、第2連通孔221n、221p同士が重なって配置されることで互いに連通している。
但し、複数の蒸発構成部221の中には、第1および第2連通孔221m、221n、221o、221pのうちの何れかが設けられていないものもある。これにより、1または2以上の蒸発構成部221を有する蒸発構成部群224a~224cが複数構成されている。本実施形態では、その複数の蒸発構成部群224a~224cとして、第1蒸発構成部群224a、第2蒸発構成部群224b、および第3蒸発構成部群224cが構成されている。
蒸発部22では、第1蒸発構成部群224aと第2蒸発構成部群224bと第3蒸発構成部群224cは、その記載順で積層方向Dsの他方側から一方側へ並んで配置されている。そして、蒸発部22の冷媒流れにおいて、第1蒸発構成部群224aと第2蒸発構成部群224bと第3蒸発構成部群224cは、その記載順で、上流側から下流側へ直列に連結されている。
また、複数の蒸発構成部群224a~224cのうち複数の蒸発構成部221を有する蒸発構成部群では、複数の蒸発流路221cが冷媒流れにおいて並列接続されている。
このような冷媒の流通経路を実現するために、図8のE1部に示すように、第1蒸発構成部群224aのうち積層方向Dsの一方側の端に位置する一方側蒸発板部221dには、第1連通孔221mが設けられていない。また、E2部に示すように、第3蒸発構成部群224cのうち積層方向Dsの他方側の端に位置する他方側蒸発板部221hには、第2連通孔221pが設けられていない。また、E3部に示すように、第3蒸発構成部群224cのうち積層方向Dsの一方側の端に位置する一方側蒸発板部221dには、第1連通孔221mが設けられていない。例えば、第2連通孔221nは設けられているが第1連通孔221mが設けられていない一方側蒸発板部221dは、図13に示されている。
図2、図5、図6に示すように、1つの一方側凝縮板部201dと1つの一方側蒸発板部221dと1つの第1外側筒構成部281aは単一の部品として構成されている。すなわち、その一方側凝縮板部201dと一方側蒸発板部221dと第1外側筒構成部281aは1枚の第1板部材381を構成している。その第1板部材381のうちでは、一方側凝縮板部201dと第1外側筒構成部281aと一方側蒸発板部221dとがその記載順で、鉛直方向Dgの下側から上側へ順番に並んで配置されている。
従って、第1板部材381は、内部熱交換部28の一部を構成する部分である第1外側筒構成部281aを、一方側凝縮板部201dと一方側蒸発板部221dとの間に有している。要するに、第1板部材381は、内部熱交換部28の一部を構成している。
これと同様に、1つの他方側凝縮板部201hと1つの他方側蒸発板部221hと1つの第2外側筒構成部281bは単一の部品として構成されている。すなわち、その他方側凝縮板部201hと他方側蒸発板部221hと第2外側筒構成部281bは1枚の第2板部材382を構成している。その第2板部材382のうちでは、他方側凝縮板部201hと第2外側筒構成部281bと他方側蒸発板部221hとがその記載順で、鉛直方向Dgの下側から上側へ順番に並んで配置されている。
従って、第2板部材382は、内部熱交換部28の一部を構成する部分である第2外側筒構成部281bを、他方側凝縮板部201hと他方側蒸発板部221hとの間に有している。要するに、第2板部材382は、内部熱交換部28の一部を構成している。
第1板部材381も第2板部材382も、例えばアルミニウム合金など熱伝導性の良好な金属で構成されている。また、複数の第1板部材381と複数の第2板部材382は積層方向Dsに交互に積層配置されると共に、互いにロウ付け接合されている。なお、本実施形態では、その第1板部材381と第2板部材382とによる積層構造のうち積層方向Dsの一方側の端に位置する板部材、すなわち一方側第1板301に接合される板部材は、第2板部材382とされている。そして、その積層構造のうち積層方向Dsの他方側の端に位置する板部材、すなわち他方側第1板321に接合される板部材は、第1板部材381とされている。
また、本実施形態では、第2板部材382は、連通孔201m、201n、201o、201p、221m、221n、221o、221pの有無を除けば、第1板部材381に対し、積層方向Dsの表裏を反転させた形状とされている。そして、第1板部材381も第2板部材382も、熱交換器幅方向Dwに対称な形状とされている。従って、複数の第1板部材381のうちの少なくとも一部と複数の第2板部材382のうちの少なくとも一部との間では、部品共通化が図られている。
また、一対を成す第1板部材381と第2板部材382との中では、凝縮構成部201の内部空間と蒸発構成部221の内部空間と内部熱交換部28の外側流路28aとが互いに独立した空間になっている。すなわち、第1板部材381は、その第1板部材381により形成された凝縮流路201cと外側流路28aと蒸発流路221cとを互いに隔てるように形成されている。そして、これと同様に、第2板部材382も、その第2板部材382により形成された凝縮流路201cと外側流路28aと蒸発流路221cとを互いに隔てるように形成されている。
上述のように構成された熱交換器10、および、その熱交換器10を含む冷凍サイクル回路12では、次のように冷媒が流れる。先ず、図1、図2、図7に示すように、圧縮機14から吐出された冷媒は、矢印Fi、F1aのように入口管34を介して、凝縮部20の第1凝縮構成部群204aのうち複数の一方側凝縮タンク空間201aが連なった上流側空間に流入する。その第1凝縮構成部群204aの上流側空間に流入した冷媒は、その上流側空間にて、矢印F2aのように積層方向Dsの一方側へ流れながら複数の凝縮流路201cへ分配される。その複数の凝縮流路201cに流れる冷媒は、矢印F4a、F4b、F4cのように互いに並列に流れながら、凝縮構成部201周りの空気と熱交換させられその空気へ放熱する。
そして、その冷媒は、複数の凝縮流路201cから、複数の他方側凝縮タンク空間201bが連なった下流側空間へ流入する。更に、その冷媒は、その第1凝縮構成部群204aの下流側空間から、矢印F3aのように、第2凝縮構成部群204bのうち複数の他方側凝縮タンク空間201bが連なった上流側空間に流入する。その第2凝縮構成部群204bの上流側空間に流入した冷媒は、その上流側空間にて、積層方向Dsの一方側へ流れながら複数の凝縮流路201cへ分配される。その複数の凝縮流路201cに流れる冷媒は、矢印F4d、F4eのように互いに並列に流れながら、凝縮構成部201周りの空気と熱交換させられその空気へ放熱する。
そして、その冷媒は、複数の凝縮流路201cから、複数の一方側凝縮タンク空間201aが連なった下流側空間へ流入する。更に、その冷媒は、その第2凝縮構成部群204bの下流側空間から、矢印F2bのように、第3凝縮構成部群204cのうち上流側空間としての一方側凝縮タンク空間201aに流入する。その第3凝縮構成部群204cの上流側空間に流入した冷媒は、その上流側空間から凝縮流路201cへ流れる。その凝縮流路201cに流れる冷媒は、矢印F4fのように流れながら、凝縮構成部201周りの空気と熱交換させられその空気へ放熱する。
そして、その冷媒は、その凝縮流路201cから、下流側空間としての他方側凝縮タンク空間201bへ流入する。更に、その冷媒は、その第3凝縮構成部群204cの下流側空間から、矢印F3bのように、第4凝縮構成部群204dのうち複数の他方側凝縮タンク空間201bが連なった上流側空間に流入する。その第4凝縮構成部群204dの上流側空間に流入した冷媒は、その上流側空間にて、積層方向Dsの一方側へ流れながら複数の凝縮流路201cへ分配される。その複数の凝縮流路201cに流れる冷媒は、矢印F4g、F4hのように互いに並列に流れながら、凝縮構成部201周りの空気と熱交換させられその空気へ放熱する。
そして、その冷媒は、複数の凝縮流路201cから、複数の一方側凝縮タンク空間201aが連なった下流側空間へ流入する。その第4凝縮構成部群204dの下流側空間に流入した冷媒は、矢印F1b、F2cのように、凝縮部出口202aから、一方側第1板301の凝縮部用貫通孔301bと一方側第2板302の凝縮部用貫通孔302bとを経て、一方側中継流路30aに流入する。
その一方側中継流路30aでは冷媒は、図2の矢印F1cのように鉛直方向Dgの下側から上側へ流れ、その冷媒は、矢印F1dのように一方側中継流路30aから内部熱交換部28の内側流路28bへと流れる。その内側流路28bでは冷媒は積層方向Dsの一方側から他方側へ流れ、その冷媒は、矢印F1eのように内側流路28bから他方側中継流路32aへと流れる。
その他方側中継流路32aでは冷媒は、鉛直方向Dgの下側から上側へ流れ、その冷媒は、他方側中継流路32aから他方側第1板321の絞り孔321dを介して蒸発部22内へ流入する。このとき、絞り孔321dでは冷媒流れが絞られ、それにより、絞り孔321dを通過した後の冷媒圧力は、その絞り孔321dの通過前の冷媒圧力よりも低下する。
図2および図8に示すように、絞り部321eの絞り孔321dを通った冷媒は蒸発部入口222aから蒸発部22内へ流入する。従って、凝縮部20に形成された複数の凝縮流路201cは全て、凝縮部出口202a(図7参照)と絞り部321eと蒸発部入口222aとを、その記載順に介して、蒸発部22の蒸発流路221cに接続されている。
蒸発部入口222aから蒸発部22内へ流入する冷媒は、先ず、第1蒸発構成部群224aのうち複数の一方側蒸発タンク空間221aが連なった上流側空間に流入する。その第1蒸発構成部群224aの上流側空間に流入した冷媒は、その上流側空間にて、矢印F5aのように積層方向Dsの一方側へ流れながら複数の蒸発流路221cへ分配される。その複数の蒸発流路221cに流れる冷媒は、矢印F7a、F7bのように互いに並列に流れながら、蒸発構成部221周りの空気と熱交換させられその空気から吸熱する。
そして、その冷媒は、複数の蒸発流路221cから、複数の他方側蒸発タンク空間221bが連なった下流側空間へ流入する。更に、その冷媒は、その第1蒸発構成部群224aの下流側空間から、矢印F6aのように、第2蒸発構成部群224bのうち複数の他方側蒸発タンク空間221bが連なった上流側空間に流入する。その第2蒸発構成部群224bの上流側空間に流入した冷媒は、その上流側空間にて、積層方向Dsの一方側へ流れながら複数の蒸発流路221cへ分配される。その複数の蒸発流路221cに流れる冷媒は、矢印F7c、F7dのように互いに並列に流れながら、蒸発構成部221周りの空気と熱交換させられその空気から吸熱する。
そして、その冷媒は、複数の蒸発流路221cから、複数の一方側蒸発タンク空間221aが連なった下流側空間へ流入する。更に、その冷媒は、その第2蒸発構成部群224bの下流側空間から、矢印F5bのように、第3蒸発構成部群224cのうち複数の一方側蒸発タンク空間221aが連なった上流側空間に流入する。その第3蒸発構成部群224cの上流側空間に流入した冷媒は、その上流側空間にて、積層方向Dsの一方側へ流れながら複数の蒸発流路221cへ分配される。その複数の蒸発流路221cに流れる冷媒は、矢印F7e、F7f、F7gのように互いに並列に流れながら、蒸発構成部221周りの空気と熱交換させられその空気から吸熱する。
そして、その冷媒は、複数の蒸発流路221cから、複数の他方側蒸発タンク空間221bが連なった下流側空間へ流入する。その第3蒸発構成部群224cの下流側空間に流入した冷媒は、矢印F6b、F8のように、蒸発部出口22bから、一方側サイドプレート部30が有する気液分離部26の液貯留空間26aへと流れる。
その気液分離部26では冷媒は気液分離され、その気液分離された冷媒のうち気相の冷媒は、矢印F9a、F9bのように内部熱交換部28の外側流路28aへ流れる。その一方で、その気液分離された冷媒のうち液相の冷媒は、液貯留空間26aに溜まる。
内部熱交換部28の外側流路28a内を流れる冷媒は、図2の矢印FA1、FA2のように積層方向Dsの一方側から他方側へ流れながら、内側流路28b内を流れる冷媒と熱交換させられる。そして、その外側流路28aを流れた冷媒は、矢印Foのように出口管36から熱交換器10の外部へ流出する。その出口管36から流出した冷媒は、図1に示すように圧縮機14に吸い込まれる。以上のようにして、熱交換器10および冷凍サイクル回路12では冷媒が流れる。
なお、上述したように本実施形態では凝縮部20が放熱部に対応するので、凝縮構成部201は放熱構成部と称されてもよく、凝縮流路201cは放熱流路と称されてもよい。また、一方側凝縮板部201dは一方側放熱板部と称されてもよく、他方側凝縮板部201hは他方側放熱板部と称されてもよく、出口位置凝縮構成部202は出口位置放熱構成部と称されてもよく、凝縮部出口202aは放熱部出口と称されてもよい。
上述したように、本実施形態によれば、図2、図7、図8に示すように、複数の凝縮構成部201と複数の蒸発構成部221はそれぞれ、他方側サイドプレート部32に対し積層方向Dsの一方側に積層されている。そして、蒸発部22は、その他方側サイドプレート部32に沿った方向(具体的には、鉛直方向Dg)に凝縮部20に対して並んで配置され、他方側サイドプレート部32には、凝縮部20と蒸発部22とがそれぞれ固定されている。
従って、凝縮部20と蒸発部22とが第1板部材381と第2板部材382とによって一体化しているか否かに拘わらず、他方側サイドプレート部32によって、凝縮部20と蒸発部22とを一体構成にすることが可能である。
更に、凝縮部20に形成された複数の凝縮流路201cは全て、凝縮部出口202aと蒸発部入口222aとを介して蒸発部22の蒸発流路221cに接続されている。すなわち、熱交換器10は、複数の凝縮流路201cの全てが冷媒流れにおいて並列接続されることに限定される構造ではない。従って、本実施形態では、図7のC1~C3部に示す連通孔201m、201n、201o、201pが設けられない箇所を任意に定めることで、複数の凝縮流路201cの互いの接続関係を凝縮部20内において所望の構成にすることが容易である。
例えば、連通孔201m、201n、201o、201p(図5、図6参照)の有無を図7に示すように定めることで、複数の凝縮流路201cの互いの接続関係を本実施形態のようにすることを容易に実現できる。すなわち、1または2以上の凝縮流路201cが形成された複数の凝縮構成部群204a~204dを冷媒流れにおいて直列接続にすると共に、個々の凝縮構成部群204a~204dの中では凝縮流路201cを並列接続にすることを容易に実現できる。
また、本実施形態とは異なるが、連通孔201m、201n、201o、201pが設けられない箇所の配置によっては、凝縮部20に形成された複数の凝縮流路201cを冷媒流れにおいて全て直列に接続することも容易に実現できる。
これにより、複数の凝縮流路201cの相互間における冷媒分配を、例えば特許文献1の熱交換器との比較で改善することが可能である。その冷媒分配を改善することとは、言い換えれば、冷媒流量のバラツキを抑制することである。
更に説明すると、上記のように例えば仮に凝縮部20の全ての凝縮流路201cが冷媒流れにおいて並列接続に限定されるとすれば、凝縮構成部201の積層数が多くなるほど、複数の凝縮流路201cへの冷媒分配性が悪化する。要するに、複数の凝縮流路201cそれぞれに対する冷媒の分配において冷媒流量のバラツキが大きくなる。これに対し、本実施形態の熱交換器10は、複数の凝縮流路201cの全てが冷媒流れにおいて並列接続されることに限定される構造ではないので、凝縮構成部201の積層数が多くなっても、複数の凝縮流路201cへの冷媒分配性の悪化を回避することが可能である。
また、図2および図8に示すように、蒸発流路221cについても同様に、熱交換器10は、複数の蒸発流路221cの全てが冷媒流れにおいて並列接続されることに限定される構造ではない。そのため、本実施形態では、図8のE1~E3部に示す連通孔221m、221n、221o、221pが設けられない箇所を任意に定めることで、複数の蒸発流路221cの互いの接続関係を蒸発部22内において所望の構成にすることが容易である。
従って、上述した複数の凝縮流路201cの相互間における冷媒分配と同様に、複数の蒸発流路221cの相互間における冷媒分配も、例えば特許文献1の熱交換器との比較で改善することが可能である。なお、冷媒分配性の悪化を回避できることは、凝縮部20よりも蒸発部22で特に有効である。また、各連通孔201m~201p、221m~221pの有無については、第1板部材381および第2板部材382の製造の際に、孔あけ工程の有無に応じて容易に選択可能である。
また、特許文献1に記載のように例えば仮に凝縮部20の全ての凝縮流路201cが冷媒流れにおいて並列接続に限定されるとすれば、凝縮部20内の冷媒の圧損は低くできるが、凝縮流路201c内の冷媒の流速を最適化しにくい。そのため、その場合、冷媒とその冷媒に接触する部材との間の熱伝達率が低くなり、冷房能力または暖房能力の最適化を図りにくい。
これに対し、本実施形態の熱交換器10では、冷房能力または暖房能力の最適化を実現できる冷媒流速が得られるように、連通孔201m、201n、201o、201pが設けられない箇所を定めることが容易である。
このような冷房能力または暖房能力の最適化についても、蒸発部22で同様の作用効果を得ることができる。
また、本実施形態の熱交換器10を製造する際には、一方側サイドプレート部30と他方側サイドプレート部32との片方を基礎として第1板部材381と第2板部材382とを交互に積層して熱交換器10を組み立てることが可能である。すなわち、熱交換器10は、構成部材を一方向に積層して組み立てる一方向組付けが可能である。これにより、熱交換器10の製造作業が簡潔なものになり、延いては、熱交換器10の低コスト化につながる。
また、図2、図5、図6に示すように、凝縮部20と蒸発部22と内部熱交換部28の外側筒部281とが第1および第2板部材381、382で一体化されている。そのため、それらが別々の構成である場合と比較して、熱交換器10の小型化および低コスト化を図りやすい。そして、蒸発部22で発生した凝縮水を第1および第2板部材381、382を伝わらせて凝縮部20へ導くことができるので、凝縮水の液飛び等の不具合を抑制し、凝縮部20の放熱に寄与する凝縮水のロスを低減することができる。このことは、延いては、熱交換器10の高性能化につながる。
それに、一方側凝縮板部201dと一方側蒸発板部221dとを1つの成形型で成形できると共に、一方側凝縮板部201dと一方側蒸発板部221dとを別々の形状(例えば、最適な形状)にすることができる。そして、このことは、他方側凝縮板部201hおよび他方側蒸発板部221hについても同様である。従って、このことによっても、熱交換器10の高性能化および低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、図2、図7、図8に示すように、他方側サイドプレート部32は、冷媒を減圧する減圧部としての絞り部321eを有し、その絞り部321eは、冷媒流れにおいて凝縮部出口202aと蒸発部入口222aとの間に設けられている。従って、絞り部321eを含めた熱交換器10の体格拡大を抑制することが可能である。そして、例えば特許文献1の流路ユニットが多数積層された熱交換器と比較して、絞り部321eを簡単に構成することが可能である。
詳しく言うと、例えば特許文献1の流路ユニットが多数積層された熱交換器では、その積層数と同数の絞り部が冷媒流れにおいて並列に設けられる。しかし、適切な冷媒の減圧作用を得るためには、その絞り部は、並列数が多くなるほど、微細で高精度な形状を必要とされ、部材加工やロウ付け等のバラツキに起因して複数の絞り部の相互間で形状バラツキが生じやすくなる。そのため、その特許文献1の熱交換器では、複数の絞り部の相互間の形状バラツキに起因した冷暖房性能の低下が生じやすい。
これに対し、本実施形態では、絞り部321eを複数並列に設ける必要がないので、例えば特許文献1の熱交換器と比較して、上記のように絞り部321eを簡単に構成することが可能であり、延いては、冷暖房性能の低下を回避することが可能である。そして、絞り部321eを、例えば1つの簡単な絞り部分として構成することができる。
また、他方側サイドプレート部32が絞り部321eを有するので、凝縮部20と蒸発部22とに加えて絞り部321eも含めて一体にロウ付けできる。そのため、凝縮部20と蒸発部22と絞り部321eとを合わせた全体の体格拡大を抑制することが可能である。そして、絞り部321eを含んだ熱交換器10の低コスト化も図りやすい。更に、熱交換器10を製造する際には、上記の一方向組付けが可能である。
また、本実施形態によれば、図2に示すように、積層方向Dsは鉛直方向Dgに交差する方向とされている。そして、凝縮部20は、蒸発部22に対し下側に重なるように配置されている。従って、蒸発部22で発生した凝縮水が重力の作用により凝縮部20に掛かる水かけ効果により、凝縮部20の放熱性能を向上させることが可能である。そして、蒸発部22で発生した凝縮水を凝縮部20の熱によって蒸発させる蒸発処理を行えるので、排出される凝縮水であるドレイン水を消滅または減少させることが可能である。
また、本実施形態によれば、図2、図5、図6に示すように、複数の凝縮構成部201はそれぞれ、板状の一対の凝縮板部201d、201hを有している。そして、複数の凝縮構成部201はそれぞれ、その一対の凝縮板部201d、201hが積層方向Dsに積層されると共に凝縮流路201cを一対の凝縮板部201d、201hの相互間に形成するように互いに接合されことによって構成されている。従って、凝縮構成部201を簡素な構成にすることができる。それと共に、凝縮流路201cの形状など凝縮構成部201の内部空間の形状によっては、一方側凝縮板部201dを構成する部品と他方側凝縮板部201hを構成する部品とを互いに同じ部品として容易に構成することができるというメリットがある。
また、本実施形態によれば、複数の蒸発構成部221はそれぞれ、板状の一対の蒸発板部221d、221hを有している。そして、複数の蒸発構成部221はそれぞれ、その一対の蒸発板部221d、221hが積層方向Dsに積層されると共に蒸発流路221cを一対の蒸発板部221d、221hの相互間に形成するように互いに接合されことによって構成されている。従って、蒸発構成部221を簡素な構成にすることができる。それと共に、蒸発流路221cの形状など蒸発構成部221の内部空間の形状によっては、一方側蒸発板部221dを構成する部品と他方側蒸発板部221hを構成する部品とを互いに同じ部品として容易に構成することができるというメリットがある。
また、本実施形態によれば、一方側凝縮板部201dと一方側蒸発板部221dと第1外側筒構成部281aは1枚の第1板部材381を構成している。それと共に、他方側凝縮板部201hと他方側蒸発板部221hと第2外側筒構成部281bは1枚の第2板部材382を構成している。
従って、両側のサイドプレート部30、32に加え第1板部材381と第2板部材382とによっても、凝縮部20と蒸発部22と内部熱交換部28の外側筒部281とを一体構成にすることが可能である。
また、両側のサイドプレート部30、32だけでなく第1板部材381と第2板部材382とによっても凝縮部20と蒸発部22と内部熱交換部28の外側筒部281とが互いに支え合うことになる。そのため、例えば両側のサイドプレート部30、32だけで凝縮部20と蒸発部22と内部熱交換部28の外側筒部281とが互いに連結された構成と比較して、熱交換器10を頑丈なものにすることが可能である。
また、本実施形態によれば、出口位置凝縮構成部202は、複数の凝縮構成部201のうち積層方向Dsの一方側の端に位置する凝縮構成部である。そして、入口位置蒸発構成部222は、複数の蒸発構成部221のうち積層方向Dsの他方側の端に位置する蒸発構成部である。従って、そのようになっていない場合と比較して、凝縮部出口202aから蒸発部入口222aに至る冷媒の経路を設けやすいので、その冷媒の経路を単純化することが容易である。例えば、その凝縮部出口202aから蒸発部入口222aに至る冷媒の経路を、サイドプレート部30、32を利用して設けることが可能である。
また、本実施形態によれば、図2、図5、図6に示すように、熱交換器10は内部熱交換部28を備え、第1板部材381および第2板部材382はそれぞれ内部熱交換部28の一部を構成している。従って、例えば内部熱交換部28がその板部材381、382とは別々に構成されている場合と比較して、内部熱交換部28を設けたことに起因した熱交換器10の体格拡大を抑えつつ、部品点数の削減を図りやすい。
また、本実施形態によれば、蒸発部22と内部熱交換部28と凝縮部20は、鉛直方向Dgにおいて、蒸発部22、内部熱交換部28、凝縮部20の順に並んで配置されている。第1板部材381は、内部熱交換部28の一部を構成する第1外側筒構成部281aを、一方側凝縮板部201dと一方側蒸発板部221dとの間に有している。そして、第2板部材382は、内部熱交換部28の一部を構成する部分である第2外側筒構成部281bを、他方側凝縮板部201hと他方側蒸発板部221hとの間に有している。従って、例えば、それとは異なる構成を板部材381、382が有する場合と比較して、蒸発部22と内部熱交換部28とをつなぐ冷媒流路と、凝縮部20と内部熱交換部28とをつなぐ冷媒流路とが互いに重複しにくい。
また、本実施形態によれば、図2および図8に示すように、一方側サイドプレート部30は、一方側第1板301と一方側第2板302と一方側第3板303とが積層方向Dsに積層されることで構成されている。一方側サイドプレート部30が有する気液分離部26には、液相の冷媒を溜める液貯留空間26aが形成されている。そして、その液貯留空間26aは、一方側第1板301の気液分離用貫通孔301cと一方側第2板302の気液分離用貫通孔302cとが互いに重ねられ且つ積層方向Dsにおける液貯留空間26aの一方側が一方側第3板303で覆われることで形成されている。
要するに、一方側サイドプレート部30が有する複数の板301、302のそれぞれに形成された貫通孔301c、302cが互いに重ねられ、且つその複数の板301、302とは別の板303で液貯留空間26aの一方側が覆われている。これによって、液貯留空間26aは形成されている。
従って、一方側サイドプレート部30の厚みを利用することにより気液分離部26が積層方向Dsに占める幅を抑制しつつ、その気液分離部26を一方側サイドプレート部30に設けることが可能である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。このことは後述の実施形態の説明においても同様である。
図14および図15に示すように、本実施形態の熱交換器10は、第1実施形態と同様に、凝縮部20と、蒸発部22と、絞り部321eとを備えている。しかし、本実施形態の熱交換器10は、第1実施形態とは異なり、気液分離部26(図2参照)と内部熱交換部28とを備えていない。その内部熱交換部28が設けられていないので、第1板部材381は、一方側凝縮板部201dと一方側蒸発板部221dとを含んで構成されているが、第1外側筒構成部281a(図2参照)を含んでいない。そして、第2板部材382は、他方側凝縮板部201hと他方側蒸発板部221hとを含んで構成されているが、第2外側筒構成部281b(図2参照)を含んでいない。
なお、図15では、第1板部材381、第2板部材382、凝縮部フィン203、および蒸発部フィン223のそれぞれの断面がハッチングではなく太線で表示されている。また、見やすい図示とするために、図15は、第1板部材381と第2板部材382と一方側サイドプレート部30と他方側サイドプレート部32との相互間に敢えて間隔(すなわち、実際には無い間隔)を空けた表示とされている。これらのことは、図15に相当する後述の図でも同様である。
本実施形態の冷凍サイクル回路12は、第1実施形態の気液分離部26に相当する気液分離器40を、熱交換器10とは別の機器として備えている。その気液分離器40は、気液分離部26と同じ機能を有するアキュムレータであり、熱交換器10の出口管36に対する冷媒流れ下流側で且つ圧縮機14に対する冷媒流れ上流側に設けられている。
図15および図16に示すように、本実施形態では、一方側サイドプレート部30は、複数の板が積層された積層構造ではなく、単層構造である。すなわち、本実施形態の一方側サイドプレート部30は一方側第1板301で構成され、第1実施形態の一方側第2板302および一方側第3板303(図2参照)に相当する部位を有していない。
入口管34は、一方側サイドプレート部30のうちの下部に形成された下部貫通孔30bに挿入され、その下部貫通孔30bにて一方側サイドプレート部30に対しロウ付け接合されている。これにより、入口管34は凝縮部20内に連通するようにその凝縮部20に対して接続される。
また、出口管36は、一方側サイドプレート部30のうちの上部に形成された上部貫通孔30cに挿入され、その上部貫通孔30cにて一方側サイドプレート部30に対しロウ付け接合されている。これにより、出口管36は蒸発部22内に連通するようにその蒸発部22に対して接続される。
図15および図17に示すように、他方側サイドプレート部32は、他方側第1板321と他方側第2板322とを有し、それらの他方側第1板321と他方側第2板322とが積層され互いに接合されることで構成されている。
他方側第1板321は、第1実施形態と同様に絞り部321eを有している。それに加え、他方側第1板321には、その他方側第1板321のうちの下部に設けられた貫通孔である凝縮部出口孔321hが形成されている。この凝縮部出口孔321hは、凝縮部出口202aに連通している。
他方側第2板322は、積層方向Dsの一方側から他方側へ凹んで鉛直方向Dgに延伸した溝部322aを有している。他方側第2板322は、他方側第1板321に対し積層方向Dsの他方側にロウ付け接合されており、これによって、他方側第2板322の溝部322aは他方側第1板321との間に側部中継流路322bを形成している。
この側部中継流路322bは鉛直方向Dgに延びており、冷媒流れにおいて他方側第1板321の凝縮部出口孔321hと絞り孔321dとの間に設けられている。すなわち、側部中継流路322bは、凝縮部20の凝縮部出口202aと絞り孔321dとをつなぐ流路となっている。このような冷媒の流路構成により、他方側サイドプレート部32の絞り部321eは、冷媒流れにおいて凝縮部出口202aと蒸発部入口222aとの間に設けられていることになる。
図15に示すように、本実施形態でも第1実施形態と同様に、鉛直方向Dgに並んだ1つの凝縮構成部201と1つの蒸発構成部221は、一対の板部材381、382が積層方向Dsに積層され互いに接合されることで構成されている。そして、その一対の板部材381、382のうち、第1板部材381は、第2板部材382に対し積層方向Dsの一方側に配置されている。
但し、本実施形態では図18および図19に示すように、一方側凝縮タンク空間201aは凝縮流路201cに対し鉛直方向Dgの下側に配置され、他方側凝縮タンク空間201bは凝縮流路201cに対し鉛直方向Dgの上側に配置されている。また、一方側蒸発タンク空間221aは蒸発流路221cに対し鉛直方向Dgの下側に配置され、他方側蒸発タンク空間221bは蒸発流路221cに対し鉛直方向Dgの上側に配置されている。
また、第1板部材381には、凝縮構成部201内の冷媒と蒸発構成部221内の冷媒との間の伝熱を妨げるために、複数の貫通孔である断熱用孔381a、381b、381cが形成されている。これと同様に、第2板部材382にも、複数の貫通孔である断熱用孔382a、382b、382cが形成されている。
図15に示すように、本実施形態の凝縮部20は、第1凝縮構成部群204aと第2凝縮構成部群204bと第3凝縮構成部群204cと第4凝縮構成部群204dとを有している。その第1凝縮構成部群204aと第2凝縮構成部群204bと第3凝縮構成部群204cと第4凝縮構成部群204dは、その記載順で積層方向Dsの一方側から他方側へ並んで配置されている。そして、凝縮部20の冷媒流れにおいて、第1凝縮構成部群204aと第2凝縮構成部群204bと第3凝縮構成部群204cと第4凝縮構成部群204dは、その記載順で、上流側から下流側へ直列に連結されている。
また、複数の凝縮構成部群204a~204dのそれぞれでは、複数の凝縮流路201cが冷媒流れにおいて並列接続されている。
このような冷媒の流通経路を実現するために、図15のC4部に示すように、第1凝縮構成部群204aのうち積層方向Dsの他方側の端に位置する他方側凝縮板部201hには、第1連通孔201oが設けられていない。また、C5部に示すように、第2凝縮構成部群204bのうち積層方向Dsの他方側の端に位置する他方側凝縮板部201hには、第2連通孔201pが設けられていない。また、C6部に示すように、第3凝縮構成部群204cのうち積層方向Dsの他方側の端に位置する他方側凝縮板部201hには、第1連通孔201oが設けられていない。
例えば、第2連通孔201pは設けられているが第1連通孔201oが設けられていない他方側凝縮板部201hは、図20に示されている。また、第1連通孔201oは設けられているが第2連通孔201pが設けられていない他方側凝縮板部201hは、図21に示されている。
図15に示すように、本実施形態では、蒸発部22に含まれる複数の蒸発構成部群224a~224dとして、第1蒸発構成部群224a、第2蒸発構成部群224b、第3蒸発構成部群224c、および第4蒸発構成部群224dが構成されている。
本実施形態の蒸発部22では、第1蒸発構成部群224aと第2蒸発構成部群224bと第3蒸発構成部群224cと第4蒸発構成部群224dは、その記載順で積層方向Dsの他方側から一方側へ並んで配置されている。そして、蒸発部22の冷媒流れにおいて、第1蒸発構成部群224aと第2蒸発構成部群224bと第3蒸発構成部群224cと第4蒸発構成部群224dは、その記載順で、上流側から下流側へ直列に連結されている。
また、複数の蒸発構成部群224a~224dのそれぞれでは、複数の蒸発流路221cが冷媒流れにおいて並列接続されている。
このような冷媒の流通経路を実現するために、図15のE4部に示すように、第2蒸発構成部群224bのうち積層方向Dsの他方側の端に位置する他方側蒸発板部221hには、第2連通孔221pが設けられていない。また、E5部に示すように、第3蒸発構成部群224cのうち積層方向Dsの他方側の端に位置する他方側蒸発板部221hには、第1連通孔221oが設けられていない。また、E6部に示すように、第4蒸発構成部群224dのうち積層方向Dsの他方側の端に位置する他方側蒸発板部221hには、第2連通孔221pが設けられていない。
例えば、第1連通孔221oは設けられているが第2連通孔221pが設けられていない他方側蒸発板部221hは、図20に示されている。また、第2連通孔221pは設けられているが第1連通孔221oが設けられていない他方側蒸発板部221hは、図21に示されている。
本実施形態の熱交換器10および冷凍サイクル回路12では、次のように冷媒が流れる。なお、図15に示された破線矢印は、熱交換器10における冷媒流れを示している。
先ず、図14および図15に示すように、圧縮機14から吐出された冷媒は、入口管34を介して、凝縮部20の第1凝縮構成部群204aのうち複数の一方側凝縮タンク空間201aが連なった上流側空間に流入する。その第1凝縮構成部群204aの上流側空間に流入した冷媒は、その上流側空間にて、積層方向Dsの他方側へ流れながら複数の凝縮流路201cへ分配される。その複数の凝縮流路201cに流れる冷媒は互いに並列に流れながら、凝縮構成部201周りの空気と熱交換させられその空気へ放熱する。
そして、その冷媒は、複数の凝縮流路201cから、複数の他方側凝縮タンク空間201bが連なった下流側空間へ流入する。更に、その冷媒は、その第1凝縮構成部群204aの下流側空間から、第2凝縮構成部群204bのうち複数の他方側凝縮タンク空間201bが連なった上流側空間に流入する。その第2凝縮構成部群204bの上流側空間に流入した冷媒は、その上流側空間にて、積層方向Dsの他方側へ流れながら複数の凝縮流路201cへ分配される。その複数の凝縮流路201cに流れる冷媒は互いに並列に流れながら、凝縮構成部201周りの空気と熱交換させられその空気へ放熱する。
そして、その冷媒は、複数の凝縮流路201cから、複数の一方側凝縮タンク空間201aが連なった下流側空間へ流入する。更に、その冷媒は、その第2凝縮構成部群204bの下流側空間から、第3凝縮構成部群204cのうち複数の一方側凝縮タンク空間201aが連なった上流側空間に流入する。その第3凝縮構成部群204cの上流側空間に流入した冷媒は、その上流側空間にて、積層方向Dsの他方側へ流れながら複数の凝縮流路201cへ分配される。その複数の凝縮流路201cに流れる冷媒は互いに並列に流れながら、凝縮構成部201周りの空気と熱交換させられその空気へ放熱する。
そして、その冷媒は、複数の凝縮流路201cから、複数の他方側凝縮タンク空間201bが連なった下流側空間へ流入する。更に、その冷媒は、その第3凝縮構成部群204cの下流側空間から、第4凝縮構成部群204dのうち複数の他方側凝縮タンク空間201bが連なった上流側空間に流入する。その第4凝縮構成部群204dの上流側空間に流入した冷媒は、その上流側空間にて、積層方向Dsの他方側へ流れながら複数の凝縮流路201cへ分配される。その複数の凝縮流路201cに流れる冷媒は互いに並列に流れながら、凝縮構成部201周りの空気と熱交換させられその空気へ放熱する。
そして、その冷媒は、複数の凝縮流路201cから、複数の一方側凝縮タンク空間201aが連なった下流側空間へ流入する。その第4凝縮構成部群204dの下流側空間に流入した冷媒は、凝縮部出口202aから、他方側サイドプレート部32の凝縮部出口孔321hを経て側部中継流路322bに流入する。
その側部中継流路322bでは冷媒は鉛直方向Dgの下側から上側へ流れ、その冷媒は、側部中継流路322bから絞り部321eの絞り孔321dを介して蒸発部22内へ流入する。このとき、冷媒は、その絞り孔321dを通ることによって減圧させられる。
絞り部321eの絞り孔321dを通った冷媒は蒸発部入口222aから蒸発部22内へ流入する。蒸発部入口222aから蒸発部22内へ流入する冷媒は、先ず、第1蒸発構成部群224aのうち複数の他方側蒸発タンク空間221bが連なった上流側空間に流入する。その第1蒸発構成部群224aの上流側空間に流入した冷媒は、その上流側空間にて、積層方向Dsの一方側へ流れながら複数の蒸発流路221cへ分配される。その複数の蒸発流路221cに流れる冷媒は互いに並列に流れながら、蒸発構成部221周りの空気と熱交換させられその空気から吸熱する。
そして、その冷媒は、複数の蒸発流路221cから、複数の一方側蒸発タンク空間221aが連なった下流側空間へ流入する。更に、その冷媒は、その第1蒸発構成部群224aの下流側空間から、第2蒸発構成部群224bのうち複数の一方側蒸発タンク空間221aが連なった上流側空間に流入する。その第2蒸発構成部群224bの上流側空間に流入した冷媒は、その上流側空間にて、積層方向Dsの一方側へ流れながら複数の蒸発流路221cへ分配される。その複数の蒸発流路221cに流れる冷媒は互いに並列に流れながら、蒸発構成部221周りの空気と熱交換させられその空気から吸熱する。
そして、その冷媒は、複数の蒸発流路221cから、複数の他方側蒸発タンク空間221bが連なった下流側空間へ流入する。更に、その冷媒は、その第2蒸発構成部群224bの下流側空間から、第3蒸発構成部群224cのうち複数の他方側蒸発タンク空間221bが連なった上流側空間に流入する。その第3蒸発構成部群224cの上流側空間に流入した冷媒は、その上流側空間にて、積層方向Dsの一方側へ流れながら複数の蒸発流路221cへ分配される。その複数の蒸発流路221cに流れる冷媒は互いに並列に流れながら、蒸発構成部221周りの空気と熱交換させられその空気から吸熱する。
そして、その冷媒は、複数の蒸発流路221cから、複数の一方側蒸発タンク空間221aが連なった下流側空間へ流入する。更に、その冷媒は、その第3蒸発構成部群224cの下流側空間から、第4蒸発構成部群224dのうち複数の一方側蒸発タンク空間221aが連なった上流側空間に流入する。その第4蒸発構成部群224dの上流側空間に流入した冷媒は、その上流側空間にて、積層方向Dsの一方側へ流れながら複数の蒸発流路221cへ分配される。その複数の蒸発流路221cに流れる冷媒は互いに並列に流れながら、蒸発構成部221周りの空気と熱交換させられその空気から吸熱する。
そして、その冷媒は、複数の蒸発流路221cから、複数の他方側蒸発タンク空間221bが連なった下流側空間へ流入する。その第4蒸発構成部群224dの下流側空間に流入した冷媒は、出口管36から熱交換器10の外部へ流出する。その出口管36から流出した冷媒は、図14に示すように気液分離器40へ流れ、その気液分離器40から圧縮機14に吸い込まれる。以上のようにして、本実施形態の熱交換器10および冷凍サイクル回路12では冷媒が流れる。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第2実施形態と異なる点を主として説明する。
図22に示すように、本実施形態の熱交換器10は、絞り部321e(図15参照)を有していない。本実施形態の冷凍サイクル回路12は、その絞り部321eに相当する減圧装置41を、熱交換器10とは別の機器として備えている。この点において、本実施形態は第2実施形態と異っている。
具体的に、絞り部321eは設けられていないので、他方側サイドプレート部32は、複数の板を積層した積層構造ではなく単層構造である。他方側サイドプレート部32のうちの下部には凝縮部流出管323が設けられ、その凝縮部流出管323は凝縮部出口202aへ接続されている。また、他方側サイドプレート部32のうちの上部には蒸発部流入管324が設けられ、その蒸発部流入管324は蒸発部入口222aへ接続されている。
減圧装置41は、第2実施形態の絞り部321eと同じ機能を有する機器である。減圧装置41の冷媒流れ上流側は凝縮部流出管323を介して凝縮部出口202aへ接続され、減圧装置41の冷媒流れ下流側は蒸発部流入管324を介して蒸発部入口222aへ接続されている。従って、減圧装置41は、凝縮部20から流出した冷媒を減圧し、その減圧した冷媒を蒸発部22へ流す。
例えば、減圧装置41は、第2実施形態の絞り部321eと同様のオリフィスであってもよいし、絞り開度が可変の膨張弁であってもよい。
以上説明したことを除き、本実施形態は第2実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第2実施形態と共通の構成から奏される効果を第2実施形態と同様に得ることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第2実施形態と異なる点を主として説明する。
図23~図25に示すように、本実施形態では、1つの一方側凝縮板部201dと1つの一方側蒸発板部221dは単一の部品として構成されておらず、別々の部品として構成されている。そして、1つの他方側凝縮板部201hと1つの他方側蒸発板部221hも単一の部品として構成されておらず、別々の部品として構成されている。従って、本実施形態では、第1板部材381(図15参照)は構成されておらず、第2板部材382も構成されていない。このような点において、本実施形態は第2実施形態と異っている。
上記のように、一方側凝縮板部201dと一方側蒸発板部221dは別々の部品として構成され、且つ、他方側凝縮板部201hと他方側蒸発板部221hも別々の部品として構成されている。そのため、凝縮部20と蒸発部22は、その凝縮部20と蒸発部22の両側に一方側サイドプレート部30と他方側サイドプレート部32とが接合されることで一体構成になっている。
本実施形態の冷媒の流通経路は、図23の破線矢印で示すように、第2実施形態と同じである。そのため、基本的には、図24に示すように、一方側凝縮板部201dには第1連通孔201mと第2連通孔201nとが設けられ、一方側蒸発板部221dにも第1連通孔221mと第2連通孔221nとが設けられる。そして、図25に示すように、他方側凝縮板部201hにも第1連通孔201oと第2連通孔201pとが設けられ、他方側蒸発板部221hにも第1連通孔221oと第2連通孔221pとが設けられる。
但し、図23および図26に示すように、図23のC4部において、第1凝縮構成部群204aのうち積層方向Dsの他方側の端に位置する他方側凝縮板部201hには、第1連通孔201oが設けられていない。また、図23および図27に示すように、図23のC5部において、第2凝縮構成部群204bのうち積層方向Dsの他方側の端に位置する他方側凝縮板部201hには、第2連通孔201pが設けられていない。また、図23および図26に示すように、図23のC6部において、第3凝縮構成部群204cのうち積層方向Dsの他方側の端に位置する他方側凝縮板部201hには、第1連通孔201oが設けられていない。
また、図23および図26に示すように、図23のE4部において、第2蒸発構成部群224bのうち積層方向Dsの他方側の端に位置する他方側蒸発板部221hには、第2連通孔221pが設けられていない。また、図23および図27に示すように、図23のE5部において、第3蒸発構成部群224cのうち積層方向Dsの他方側の端に位置する他方側蒸発板部221hには、第1連通孔221oが設けられていない。また、図23および図26に示すように、図23のE6部において、第4蒸発構成部群224dのうち積層方向Dsの他方側の端に位置する他方側蒸発板部221hには、第2連通孔221pが設けられていない。
また、図24~図27から判るように、複数の一方側凝縮板部201dの相互間および複数の一方側蒸発板部221dの相互間だけでなく、一方側凝縮板部201dと一方側蒸発板部221dとの相互間でも部品共通化が図られている。これと同様に、複数の他方側凝縮板部201hの相互間および複数の他方側蒸発板部221hの相互間だけでなく、他方側凝縮板部201hと他方側蒸発板部221hとの相互間でも部品共通化が図られている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第2実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第2実施形態と共通の構成から奏される効果を第2実施形態と同様に得ることができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第2実施形態と異なる点を主として説明する。
図28に示すように、本実施形態では、第1板部材381と第2板部材382は、互いに接合されることで、複数の凝縮構成部201の1つと複数の蒸発構成部221の1つとを含む板部材接合体39を構成している。そして、複数の板部材接合体39の各々では、第1板部材381は、第2板部材382に対し積層方向Dsの一方側に配置されている。この点では、本実施形態は第2実施形態と同様である。
しかし、図28~図30に示すように、本実施形態では第2実施形態と異なり、その板部材接合体39に、第1中間貫通孔39aと第2中間貫通孔39bとが形成されている。この第1中間貫通孔39aと第2中間貫通孔39bは、板部材接合体39に含まれる凝縮構成部201と蒸発構成部221との間に配置され、板部材接合体39をその板部材接合体39の厚み方向(すなわち、積層方向Ds)に貫通している。なお、図28は、図15に記載しきれなかった符号を示すための図であるので、図28に示された熱交換器10の図示形状は、図15に示された熱交換器10の図示形状と同じである。
板部材接合体39のうち第1板部材381に着目すると、その第1板部材381には、第1中間貫通孔39aのうち第1板部材381に属する部分である第1板部材第1中間孔381dが形成されている。更に、第1板部材381には、第2中間貫通孔39bのうち第1板部材381に属する部分である第1板部材第2中間孔381eも形成されている。
これと同様に第2板部材382に着目すると、その第2板部材382には、第1中間貫通孔39aのうち第2板部材382に属する部分である第2板部材第1中間孔382dが形成されている。更に、第2板部材382には、第2中間貫通孔39bのうち第2板部材382に属する部分である第2板部材第2中間孔382eも形成されている。
別言すると、第1板部材第1中間孔381dと第2板部材第1中間孔382dは互いに同じ大きさであり、積層方向Dsへ直列に連結されることで第1中間貫通孔39aを構成している。そして、第1板部材第2中間孔381eと第2板部材第2中間孔382eは互いに同じ大きさであり、積層方向Dsへ直列に連結されることで第2中間貫通孔39bを構成している。
本実施形態の第1板部材第1中間孔381dと第1板部材第2中間孔381eは、第2実施形態の断熱用孔381a、381b、381c(図18参照)の替わりに設けられた孔である。従って、本実施形態では、その断熱用孔381a、381b、381cは設けられていない。また、本実施形態の第2板部材第1中間孔382dと第2板部材第2中間孔382eは、第2実施形態の断熱用孔382a、382b、382c(図19参照)の替わりに設けられた孔である。従って、本実施形態では、その断熱用孔382a、382b、382cは設けられていない。
本実施形態の第1中間貫通孔39aと第2中間貫通孔39bは、第2実施形態の断熱用孔381a、382a等と同様に、凝縮構成部201内の冷媒と蒸発構成部221内の冷媒との間の伝熱を妨げる断熱を目的として設けられている。
具体的に、本実施形態の第1中間貫通孔39aおよび第2中間貫通孔39bは、図29および図30に示すように、それぞれ熱交換器幅方向Dwに延びている。例えば、第1中間貫通孔39aおよび第2中間貫通孔39bはそれぞれ、熱交換器幅方向Dwに細長く延びたスリット状のスリット孔である。そして、第1中間貫通孔39aは、第2中間貫通孔39bに対し、凝縮構成部201と蒸発構成部221との並び方向である構成部並び方向Dhの一方側に部分的に重複するように配置されている。
なお、本実施形態において熱交換器幅方向Dwは、板部材接合体39の幅方向である接合体幅方向でもあり、構成部並び方向Dhに交差する方向(厳密に言えば、構成部並び方向Dhに直交する方向)である。また、構成部並び方向Dhは鉛直方向Dgと一致する必要はないが、本実施形態では鉛直方向Dgと一致する。また、構成部並び方向Dhの一方側は、本実施形態では鉛直方向Dgの下側になっている。
上述したように、本実施形態によれば、第1中間貫通孔39aおよび第2中間貫通孔39bはそれぞれ熱交換器幅方向Dwに延びている。そして、第1中間貫通孔39aは、第2中間貫通孔39bに対し、凝縮構成部201と蒸発構成部221との並び方向である構成部並び方向Dhの一方側に部分的に重複するように配置されている。従って、板部材接合体39に第1および第2中間貫通孔39a、39bが設けられていない場合と比較して、凝縮構成部201内の冷媒と蒸発構成部221内の冷媒との間で板部材接合体39を介して熱が伝わる伝熱経路PHを延ばすことが可能である。
これにより、凝縮部20において凝縮構成部201内の冷媒とその冷媒から吸熱する吸熱媒体(具体的には、凝縮構成部201周りの空気)との間で熱交換する際の伝熱ロスを低減することができる。それと共に、蒸発部22において蒸発構成部221内の冷媒とその冷媒へ放熱する放熱媒体(具体的には、蒸発構成部221周りの空気)との間で熱交換する際の伝熱ロスを低減することができる。
以上説明したことを除き、本実施形態は第2実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第2実施形態と共通の構成から奏される効果を第2実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第2実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第1実施形態または第3実施形態と組み合わせることも可能である。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第5実施形態と異なる点を主として説明する。
図31および図32に示すように、本実施形態では、板部材接合体39に、第1中間貫通孔39aと第2中間貫通孔39bとに加えて、第3中間貫通孔39cも形成されている。従って、第1板部材381には、第1板部材第1中間孔381dと第1板部材第2中間孔381eとに加えて、第3中間貫通孔39cのうち第1板部材381に属する部分である第1板部材第3中間孔381fも形成されている。また、第2板部材382には、第2板部材第1中間孔382dと第2板部材第2中間孔382eとに加えて、第3中間貫通孔39cのうち第2板部材382に属する部分である第2板部材第3中間孔382fも形成されている。これらの点において、本実施形態は第5実施形態と異なっている。
具体的に、本実施形態の第3中間貫通孔39cは熱交換器幅方向Dwに延びている。そして、第3中間貫通孔39cは、構成部並び方向Dhにおいて第1中間貫通孔39aと第2中間貫通孔39bとの間に配置されている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第5実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第5実施形態と共通の構成から奏される効果を第5実施形態と同様に得ることができる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第5実施形態と異なる点を主として説明する。
図33~図35に示すように、本実施形態の第1板部材381は、互いに異なる箇所に設けられた第1孔周縁板部381hと第2孔周縁板部381iとを有している。そして、本実施形態の第2板部材382も、互いに異なる箇所に設けられた第1孔周縁板部382hと第2孔周縁板部382iとを有している。この点において、本実施形態は第5実施形態と異なっている。
具体的に、第1板部材381の第1孔周縁板部381hは、第1板部材第1中間孔381dの周縁部分381jから積層方向Dsの一方側へ曲げ起こされた形状を成している。そして、第1板部材381の第2孔周縁板部381iは、第1板部材第2中間孔381eの周縁部分381kから積層方向Dsの一方側へ曲げ起こされた形状を成している。その積層方向Dsの一方側とは、別言すれば、図35から判るように、積層方向Dsで第1板部材381に対し、その第1板部材381との接合により板部材接合体39を構成する第2板部材382の側とは反対側であるとも言える。
第1板部材381の第1孔周縁板部381hは、第1板部材第1中間孔381dの周縁部分381jに沿って熱交換器幅方向Dwに延びている。これと同様に、第1板部材381の第2孔周縁板部381iは、第1板部材第2中間孔381eの周縁部分381kに沿って熱交換器幅方向Dwに延びている。
そして、第1板部材381の第1孔周縁板部381hは、第1板部材381の第2孔周縁板部381iに対し構成部並び方向Dhの一方側に部分的に重複するように配置されている。
このように構成された第1板部材381に対し第2板部材382は、板部材接合体39において、積層方向Dsに対称的な形状とされている。すなわち、第2板部材382の第1孔周縁板部382hは、第2板部材第1中間孔382dの周縁部分382jから積層方向Dsの他方側へ曲げ起こされた形状を成している。そして、第2板部材382の第2孔周縁板部382iは、第2板部材第2中間孔382eの周縁部分382kから積層方向Dsの他方側へ曲げ起こされた形状を成している。その積層方向Dsの他方側とは、別言すれば、図35から判るように、積層方向Dsで第2板部材382に対し、その第2板部材382との接合により板部材接合体39を構成する第1板部材381の側とは反対側であるとも言える。
第2板部材382の第1孔周縁板部382hは、第2板部材第1中間孔382dの周縁部分382jに沿って熱交換器幅方向Dwに延びている。これと同様に、第2板部材382の第2孔周縁板部382iは、第2板部材第2中間孔382eの周縁部分382kに沿って熱交換器幅方向Dwに延びている。
そして、第2板部材382の第1孔周縁板部382hは、第2板部材382の第2孔周縁板部382iに対し構成部並び方向Dhの一方側に部分的に重複するように配置されている。
上述したように、本実施形態によれば、第1板部材381の第1孔周縁板部381hは、第1板部材第1中間孔381dの周縁部分381jから積層方向Dsの一方側へ曲げ起こされた形状を成している。これと同様に、第1板部材381の第2孔周縁板部381iは、第1板部材第2中間孔381eの周縁部分381kから積層方向Dsの一方側へ曲げ起こされた形状を成している。そして、第1板部材381の第1および第2孔周縁板部381h、381iはそれぞれ熱交換器幅方向Dwに延びている。
従って、第1板部材381の単体の強度アップと板部材接合体39の強度アップとを第1および第2孔周縁板部381h、381iによって実現することが可能である。そして、冷媒と吸熱媒体または放熱媒体である空気との間で熱交換する際の上記伝熱ロスを低減する中間貫通孔39a、39bを形成することに伴って、その強度アップ用の第1および第2孔周縁板部381h、381iも併せて形成することが可能である。
また、本実施形態によれば、第1板部材381の第1孔周縁板部381hは、第1板部材381の第2孔周縁板部381iに対し構成部並び方向Dhの一方側に部分的に重複するように配置されている。従って、2つの孔周縁板部381h、381iにより、第1板部材381の単体の強度アップと板部材接合体39の強度アップとを、熱交換器幅方向Dwの広範囲にわたって実現することが可能である。また、第2板部材382にも第1および第2孔周縁板部382h、382iが設けられているので、上記したような強度アップを生じる作用効果は更に大きいものになる。
また、図36に示すように、第1板部材381の第1孔周縁板部381hは、凝縮構成部201周りを矢印FBのように通過する空気流れを熱交換器幅方向Dwに沿ってガイドする役割を果たし、第2板部材382の第1孔周縁板部382hもこれと同様である。従って、矢印FBの空気流れから矢印FBaのように構成部並び方向Dhの他方側へ外れようとする空気流れを、これらの第1孔周縁板部381h、382hによって抑えることができる。要するに、複数の凝縮構成部201の相互間からの風漏れを低減することが可能である。
また、図33~図35に示すように、熱交換器10の製造工程において、第1板部材381の第1孔周縁板部381hは、ロウ付け接合前の凝縮部フィン203が構成部並び方向Dhの他方側へずれることを防止する役割を果たす。第2板部材382の第1孔周縁板部382hもこれと同様である。すなわち、熱交換器10の製造工程では、ロウ付け接合前の凝縮部フィン203を位置決めするためのフィンストッパーとして、第1孔周縁板部381h、382hを機能させることが可能である。
このような第1孔周縁板部381h、382hが凝縮部20にて奏する効果は、蒸発部22において第2孔周縁板部381i、382iにより同様に奏される。すなわち、図36に示すように、第1板部材381の第2孔周縁板部381iは、蒸発構成部221周りを矢印FCのように通過する空気流れを熱交換器幅方向Dwに沿ってガイドする役割を果たし、第2板部材382の第2孔周縁板部382iもこれと同様である。従って、矢印FCの空気流れから矢印FCaのように構成部並び方向Dhの一方側へ外れようとする空気流れを、これらの第2孔周縁板部381i、382iによって抑えることができる。要するに、複数の蒸発構成部221の相互間からの風漏れを低減することが可能である。
このように各板部材381、382の孔周縁板部381h、381i、382h、382iは、凝縮部20と蒸発部22との間で図35の矢印FDのように板部材381、382に沿って空気が流通することを抑制することが可能である。
また、図33~図35に示すように、熱交換器10の製造工程において、第1板部材381の第2孔周縁板部381iは、ロウ付け接合前の蒸発部フィン223が構成部並び方向Dhの一方側へずれることを防止する役割を果たす。第2板部材382の第2孔周縁板部382iもこれと同様である。すなわち、熱交換器10の製造工程では、ロウ付け接合前の蒸発部フィン223を位置決めするためのフィンストッパーとして、第2孔周縁板部381i、382iを機能させることが可能である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第5実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第5実施形態と共通の構成から奏される効果を第5実施形態と同様に得ることができる。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第7実施形態と異なる点を主として説明する。
第7実施形態では、板部材接合体39に2つの中間貫通孔39a、39bが形成されているが、本実施形態では図37および図38に示すように、板部材接合体39に2つではなく1つの中間貫通孔39aが形成されている。
具体的に、本実施形態の中間貫通孔39aは、第7実施形態の2つの中間貫通孔39a、39bを連結させたような形状を成している。例えば、本実施形態の中間貫通孔39aは、その開口形状が複数箇所で屈曲した形状になるように、板部材接合体39に形成されている。
また、板部材接合体39の中間貫通孔39aは1つなので、第1板部材381の第1板部材中間孔381dも1つであり、第2板部材382の第2板部材中間孔382dも1つである。
また、第1板部材381の第1および第2孔周縁板部381h、381iはそれぞれ、第1板部材中間孔381dの周縁部分381jから積層方向Dsの一方側へ曲げ起こされた形状を成している。また、第2板部材382の第1および第2孔周縁板部382h、382iはそれぞれ、第2板部材中間孔382dの周縁部分382jから積層方向Dsの他方側へ曲げ起こされた形状を成している。
以上説明したことを除き、本実施形態は第7実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第7実施形態と共通の構成から奏される効果を第7実施形態と同様に得ることができる。
(第9実施形態)
次に、第9実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第7実施形態と異なる点を主として説明する。
図39に示すように、本実施形態では、孔周縁板部381h、381i、382h、382iが第7実施形態に対して異なっている。
なお、本実施形態でも第7実施形態と同様に、複数の板部材接合体39が積層方向Dsに積層配置されているが、本実施形態では、互いに隣接する板部材接合体39同士の一方を「一方の板部材接合体39」と称し、他方を「他方の板部材接合体39」と称する。また、その一方の板部材接合体39は、他方の板部材接合体39に対し積層方向Dsの一方側に配置されている。このことは、以降の実施形態の説明でも同様である。
具体的に、一方の板部材接合体39に含まれる第2板部材382の第1孔周縁板部382hは、他方の板部材接合体39に含まれる第1板部材381の第1孔周縁板部381hに対し構成部並び方向Dhの他方側に部分的に重なっている。例えば、その第2板部材382の第1孔周縁板部382hは、その第1板部材381の第1孔周縁板部381hに接している。
そして、一方の板部材接合体39に含まれる第2板部材382の第2孔周縁板部382iは、他方の板部材接合体39に含まれる第1板部材381の第2孔周縁板部381iに対し構成部並び方向Dhの一方側に部分的に重なっている。例えば、その第2板部材382の第2孔周縁板部382iは、その第1板部材381の第2孔周縁板部381iに接している。
これにより、凝縮部20と蒸発部22との間で矢印FD(図35参照)のように板部材381、382に沿って空気が流通する風漏れを抑制する効果を、第7実施形態よりも更に高めることが可能である。
また、熱交換器10の製造工程でのロウ付け接合前において、一方の板部材接合体39に含まれる第2板部材382が、他方の板部材接合体39に含まれる第1板部材381に対して構成部並び方向Dhに位置ズレすることを防止することが可能である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第7実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第7実施形態と共通の構成から奏される効果を第7実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第7実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第8実施形態と組み合わせることも可能である。
(第10実施形態)
次に、第10実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第5実施形態と異なる点を主として説明する。
図40~図42に示すように、本実施形態では、中間貫通孔39aが、第8実施形態と同様に、板部材接合体39に2つではなく1つ形成されている。また、第1板部材381は、第1板部材本体383と2つの第1外縁板部381m、381nとを有している。また、第2板部材382は、第2板部材本体384と2つの第2外縁板部382m、382nとを有している。これらの点で本実施形態は第5実施形態と異なっている。
ここで、本実施形態の第1板部材本体383は、第1板部材381を構成する一方側凝縮板部201dと一方側蒸発板部221dとを含んでおり、構成部並び方向Dhと熱交換器幅方向Dwとへ拡がっている。従って、本実施形態の第1板部材本体383は、第5実施形態で言えば、第5実施形態の第1板部材381に相当する。
また、本実施形態の第2板部材本体384は、第2板部材382を構成する他方側凝縮板部201hと他方側蒸発板部221hとを含んでおり、構成部並び方向Dhと熱交換器幅方向Dwとへ拡がっている。従って、本実施形態の第2板部材本体384は、第5実施形態で言えば、第5実施形態の第2板部材382に相当する。
なお、図40の(a)は、第1板部材381の製造工程において2つの第1外縁板部381m、381nが第1板部材本体383に対し曲げ起こされる前の状態を示し、図40の(b)は、完成した第1板部材381の単体を示している。これと同様に、図41の(a)は、第2板部材382の製造工程において2つの第2外縁板部382m、381nが第2板部材本体384に対し曲げ起こされる前の状態を示し、図41の(b)は、完成した第2板部材382の単体を示している。
具体的に本実施形態では、図40の(b)および図43に示すように、第1板部材381の2つの第1外縁板部381m、381nはそれぞれ、第1板部材本体383の外縁部分383aから積層方向Dsの一方側へ立ち上がった形状を成している。
詳細には、その2つの第1外縁板部381m、381nのうちの一方である一方側第1外縁板部381mは、熱交換器幅方向Dwにおいて第1板部材本体383の一方側に設けられている。これに対し、2つの第1外縁板部381m、381nのうちの他方である他方側第1外縁板部381nは、熱交換器幅方向Dwにおいて第1板部材本体383の他方側に設けられている。
そして、その一方側第1外縁板部381mと他方側第1外縁板部381nはそれぞれ、互いに異なる箇所で第1板部材本体383の外縁部分383aから積層方向Dsの一方側へ曲げ起こされた構成となっている。なお、図40の(a)では、一方側第1外縁板部381mが第1板部材本体383の外縁部分383aから曲げ起こされる際に屈曲する屈曲箇所が一点鎖線LA1で示されている。また、他方側第1外縁板部381nが第1板部材本体383の外縁部分383aから曲げ起こされる際に屈曲する屈曲箇所が一点鎖線LA2で示されている。
図41の(b)および図43に示すように、第2板部材382の2つの第2外縁板部382m、382nはそれぞれ、第2板部材本体384の外縁部分384aから積層方向Dsの他方側へ立ち上がった形状を成している。
詳細には、その2つの第2外縁板部382m、382nのうちの一方である一方側第2外縁板部382mは、熱交換器幅方向Dwにおいて第2板部材本体384の一方側に設けられている。これに対し、2つの第2外縁板部382m、382nのうちの他方である他方側第2外縁板部382nは、熱交換器幅方向Dwにおいて第2板部材本体384の他方側に設けられている。
そして、その一方側第2外縁板部382mと他方側第2外縁板部382nはそれぞれ、互いに異なる箇所で第2板部材本体384の外縁部分384aから積層方向Dsの他方側へ曲げ起こされた構成となっている。なお、図41の(a)では、一方側第2外縁板部382mが第2板部材本体384の外縁部分384aから曲げ起こされる際に屈曲する屈曲箇所が一点鎖線LB1で示されている。また、他方側第2外縁板部382nが第2板部材本体384の外縁部分384aから曲げ起こされる際に屈曲する屈曲箇所が一点鎖線LB2で示されている。
図40の(b)、図42、図43に示すように、中間貫通孔39aは、第1板部材381では第1板部材本体383から一方側第1外縁板部381mと他方側第1外縁板部381nとのそれぞれへ及ぶように延びている。それと共に、図41の(b)、図42、図43に示すように、中間貫通孔39aは、第2板部材382では第2板部材本体384から一方側第2外縁板部382mと他方側第2外縁板部382nとのそれぞれへ及ぶように延びている。
そのため、中間貫通孔39aは、図40の(b)および図41の(b)に示すように、板部材接合体39のうち第1板部材本体383と第2板部材本体384とからなる本体積層部385(図43参照)が熱交換器幅方向Dwに有する全幅にわたって延びている。そして、中間貫通孔39aは、その本体積層部385と一方側第1外縁板部381mと他方側第1外縁板部381nと一方側第2外縁板部382mと他方側第2外縁板部382nとを貫通している。要するに、中間貫通孔39aは板部材接合体39を貫通している。
このような形状により、中間貫通孔39aは、第1板部材本体383内および第2板部材本体384内では凝縮構成部201を蒸発構成部221から離隔している。言い換えれば、中間貫通孔39aは、本体積層部385内では凝縮構成部201を蒸発構成部221から離隔している。
そして、板部材接合体39において凝縮構成部201と蒸発構成部221は、一方側第1外縁板部381mと他方側第1外縁板部381nと一方側第2外縁板部382mと他方側第2外縁板部382nとのそれぞれを介して互いに連結している。
上述したように、本実施形態によれば、中間貫通孔39aは、第1板部材381では第1板部材本体383から2つの第1外縁板部381m、381nのそれぞれへ及ぶように延びている。それと共に、中間貫通孔39aは、第2板部材382では第2板部材本体384から2つの第2外縁板部382m、382nのそれぞれへ及ぶように延びている。
従って、凝縮構成部201内の冷媒と蒸発構成部221内の冷媒との間で板部材接合体39を介して熱が伝わる伝熱経路、要するに凝縮構成部201と蒸発構成部221との間の伝熱経路が、外縁板部381m、381n、382m、382nの何れかを必ず経由することになる。そのため、これらの外縁板部381m、381n、382m、382nが設けられていない場合と比較して、その伝熱経路を延ばすことが可能である。これにより、凝縮部20と蒸発部22との各々における熱交換時の伝熱ロスを低減することができる。
また、外縁板部381m、381n、382m、382nは何れも、上記の立ち上がった形状を成しているので、板部材接合体39を熱交換器幅方向Dwに殆ど拡幅させず、熱交換器10の体格には殆ど影響しない。
また、熱交換器10の製造工程でのロウ付け接合前の第1板部材381、要するに単体の第1板部材381において、2つの第1外縁板部381m、381nにより、次のように曲げ剛性を大きくすることが可能である。すなわち、単体の第1板部材381において、構成部並び方向Dhの一方側の端を他方側の端に対し第1板部材381の厚み方向へ変位させようとする曲げに対抗する曲げ剛性を大きくすることが可能である。このことは第2板部材382に関しても同様である。
また、図40の(b)および図41の(b)に示すように、板部材接合体39の外縁板部381m、381n、382m、382nはそれぞれ、構成部並び方向Dhにおける凝縮構成部201と蒸発構成部221との間の中間位置に配置されている。従って、図44に示すように、凝縮構成部201周りを矢印FBのように通過する空気流れと、蒸発構成部221周りを矢印FCのように通過する空気流れとを分離する機能を、外縁板部381m、381n、382m、382nに持たせることが可能である。例えば矢印FEのように蒸発部22側から凝縮部20側へ流れようとする空気流れを、他方側第1外縁板部381nと他方側第2外縁板部382nとによって抑えることができる。
なお、図44には、熱交換器10に対し熱交換器幅方向Dwの一方側に設けられた一方側仕切板44と、熱交換器10に対し熱交換器幅方向Dwの他方側に設けられた他方側仕切板45とが示されている。この他方側仕切板45は、熱交換器10に対する空気流れ上流側で、矢印FBのように凝縮部20へ向かう空気流れと、矢印FCのように蒸発部22へ向かう空気流れとを仕切り分ける。また、一方側仕切板44は、熱交換器10に対する空気流れ下流側で、矢印FBのように凝縮部20から流出した空気流れと、矢印FCのように蒸発部22から流出した空気流れとを仕切り分ける。
また、本実施形態によれば、一方側第1外縁板部381mと他方側第1外縁板部381nはそれぞれ、第1板部材本体383の外縁部分383aから曲げ起こされた構成となっている。従って、例えば第1外縁板部381m、381nが第1板部材本体383にロウ付け接合されている場合と比較して、高い強度を得ることが可能である。このことは、第2板部材382の第2外縁板部382m、382nについても同様である。
また、本実施形態によれば、中間貫通孔39aは、板部材接合体39のうち第1板部材本体383と第2板部材本体384とからなる本体積層部385(図43参照)内では凝縮構成部201を蒸発構成部221から離隔している。そして、板部材接合体39において凝縮構成部201と蒸発構成部221は、一方側第1外縁板部381mと他方側第1外縁板部381nと一方側第2外縁板部382mと他方側第2外縁板部382nとのそれぞれを介して互いに連結している。従って、凝縮構成部201と蒸発構成部221とを一体物として構成しつつ、第1板部材本体383および第2板部材本体384では、凝縮構成部201と蒸発構成部221との間の伝熱を大きく妨げることができる。
以上説明したことを除き、本実施形態は第5実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第5実施形態と共通の構成から奏される効果を第5実施形態と同様に得ることができる。
(第11実施形態)
次に、第11実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第10実施形態と異なる点を主として説明する。
図45に示すように、本実施形態では、第1外縁板部381m、381nと第2外縁板部382m、382nとがそれぞれ第10実施形態に対して異なっている。
具体的に、一方の板部材接合体39に含まれる第2板部材382の一方側第2外縁板部382mは、他方の板部材接合体39に含まれる第1板部材381の一方側第1外縁板部381mに対し熱交換器幅方向Dwの一方側に部分的に重なっている。例えば、その一方側第2外縁板部382mは、一方側第1外縁板部381mに接している。
そして、一方の板部材接合体39に含まれる第2板部材382の他方側第2外縁板部382nは、他方の板部材接合体39に含まれる第1板部材381の他方側第1外縁板部381nに対し熱交換器幅方向Dwの他方側に部分的に重なっている。例えば、その他方側第2外縁板部382nは、他方側第1外縁板部381nに接している。
これにより、凝縮構成部201周りを矢印FB(図44参照)のように通過する空気流れと、蒸発構成部221周りを矢印FC(図44参照)のように通過する空気流れとを分離する機能を、第10実施形態よりも更に高めることが可能である。
また、熱交換器10の製造工程でのロウ付け接合前において、一方の板部材接合体39に含まれる第2板部材382が、他方の板部材接合体39に含まれる第1板部材381に対して熱交換器幅方向Dwに位置ズレすることを防止することが可能である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第10実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第10実施形態と共通の構成から奏される効果を第10実施形態と同様に得ることができる。
(他の実施形態)
(1)上述の第1実施形態では図1および図2に示すように、熱交換器10は、アキュムレータとしての気液分離部26を備えているが、これは一例である。例えば図46に示すように、熱交換器10は、その気液分離部26に替えて、気液分離器として機能するレシーバ42を備えていてもよい。
図46に示すように、そのレシーバ42は、冷媒流れにおいて凝縮部出口202aと内部熱交換部28の内側流路28b(図2参照)との間に配置される。そして、レシーバ42は、凝縮部20からレシーバ42に流入した冷媒(具体的には、気液ニ相の冷媒もしくは液単相の冷媒)を貯留すると共に気液分離し、その気液分離された液冷媒を内部熱交換部28の内側流路28bへ流す。
例えば、図46のレシーバ42は、図2の気液分離部26と同様に複数の板を積層させることで一方側サイドプレート部30に設けられてもよいし、一方側サイドプレート部30に対する積層方向Dsの一方側に固定するようにして設けられてもよい。
(2)上述の第1実施形態では図7に示すように、凝縮部出口202aが設けられた出口位置凝縮構成部202は、複数の凝縮構成部201のうち積層方向Dsの一方側の端に位置するが、これは一例である。熱交換器10における冷媒流れの構成によっては、その出口位置凝縮構成部202は、複数の凝縮構成部201のうち積層方向Dsの他方側の端に位置することもある。要するに、その出口位置凝縮構成部202は、複数の凝縮構成部201のうち、その凝縮構成部201の並びの端部にあればよい。
(3)上述の第1実施形態では図8に示すように、蒸発部入口222aが設けられた入口位置蒸発構成部222は、複数の蒸発構成部221のうち積層方向Dsの他方側の端に位置するが、これは一例である。熱交換器10における冷媒流れの構成によっては、その入口位置蒸発構成部222は、複数の蒸発構成部221のうち積層方向Dsの一方側の端に位置することもある。要するに、その入口位置蒸発構成部222は、複数の蒸発構成部221のうち、その蒸発構成部221の並びの端部にあればよい。
(4)上述の第1実施形態では図2、図5、図6に示すように、一方側凝縮板部201dと一方側蒸発板部221dと第1外側筒構成部281aは1枚の第1板部材381を構成している。それと共に、他方側凝縮板部201hと他方側蒸発板部221hと第2外側筒構成部281bは1枚の第2板部材382を構成している。しかしながら、これは一例である。例えば、一方側凝縮板部201dと一方側蒸発板部221dと第1外側筒構成部281aとの組合せと、他方側凝縮板部201hと他方側蒸発板部221hと第2外側筒構成部281bとの組合せとの一方は、別々に構成された複数の部品の組合せになっていてもよい。
(5)上述の第1実施形態では図2および図7に示すように、複数の凝縮構成部201の何れでも、一対の凝縮板部201d、201hが積層方向Dsに積層されているが、これは一例である。例えば、凝縮部20に含まれる複数の凝縮構成部201のうちの一部では、一対の凝縮板部201d、201hが積層方向Dsに積層された構成になっていなくても差し支えない。要するに、凝縮部20に含まれる複数の凝縮構成部201のうちの少なくとも何れかが一対の凝縮板部201d、201hを有していればよい。
(6)上述の第1実施形態では図2および図8に示すように、複数の蒸発構成部221はそれぞれ、一対の蒸発板部221d、221hを有しているが、これは一例である。例えば、蒸発部22に含まれる複数の蒸発構成部221のうちの一部では、一対の蒸発板部221d、221hが積層方向Dsに積層された構成になっていなくても差し支えない。要するに、蒸発部22に含まれる複数の蒸発構成部221のうちの少なくとも何れかが一対の蒸発板部221d、221hを有していればよい。
(7)上述の第1実施形態では図2、図5、図6に示すように、凝縮構成部201の内部空間は、積層方向Dsの一方側へ一方側凝縮板部201dが窪んだ形状と積層方向Dsの他方側へ他方側凝縮板部201hが窪んだ形状とによって形成されている。しかしながら、これは一例である。例えば、一方側凝縮板部201dと他方側凝縮板部201hとの一方は、積層方向Dsに窪んだ形状を有さずに平板状であっても差し支えない。このことは、一方側蒸発板部221dと他方側蒸発板部221hとの形状に関しても同様である。
(8)上述の第2実施形態では図15および図17に示すように、他方側第2板322の溝部322aは、冷媒流れを絞って冷媒を減圧させる機能を備えていないが、これは一例である。例えば、その溝部322aは、冷媒流れを絞るキャピラリとして構成され、冷媒を減圧させる機能を備えていても差し支えない。
(9)上述の第1実施形態では図2に示すように、蒸発部22と内部熱交換部28と凝縮部20は、その記載順で上側から鉛直方向Dgに並んで配置されているが、それらの並び順および並び方向に限定はない。例えば、蒸発部22と内部熱交換部28と凝縮部20は水平方向に並んで配置されてもよいし、凝縮部20が蒸発部22に対し鉛直方向Dgの上側に配置されていてもよい。
(10)上述の第1実施形態では図2に示すように、熱交換器10は、蒸発部22と凝縮部20とに加え、気液分離部26と内部熱交換部28と絞り部321eとを備えているが、これは一例である。例えば、熱交換器10が気液分離部26と内部熱交換部28と絞り部321eとのうちの全部または何れかを備えていないことも考え得る。
(11)上述の第2実施形態では図18および図19に示すように、凝縮流路201cと蒸発流路221cは互いに同一の形状とされているが、これは一例である。例えば図47に示すように、凝縮流路201cと蒸発流路221cは互いに異なる形状とされていても差し支えない。このことは、例えば図48に示すように、凝縮板部201d、201hと蒸発板部221d、221hとが別々の部品として構成された第4実施形態においても同様である。
(12)上述の第2実施形態では図18および図19に示すように、一方側凝縮タンク空間201aと他方側凝縮タンク空間201bとの一方は、凝縮流路201cに対し鉛直方向Dgの上側に配置されている。そして、その一方側凝縮タンク空間201aと他方側凝縮タンク空間201bとの他方は、凝縮流路201cに対し鉛直方向Dgの下側に配置されている。しかしながら、これは一例である。例えば図49または図50に示すように、一方側凝縮タンク空間201aと他方側凝縮タンク空間201bとの両方が、凝縮流路201cに対し鉛直方向Dgの上側と下側との一方に偏って配置されていても差し支えない。図49、図50には、一方側凝縮タンク空間201aと他方側凝縮タンク空間201bとの両方が凝縮流路201cに対し鉛直方向Dgの下側に偏って配置された例が示されている。
このことは、蒸発部22の構成に関しても同様である。すなわち、図49または図50に示すように、一方側蒸発タンク空間221aと他方側蒸発タンク空間221bとの両方が、蒸発流路221cに対し鉛直方向Dgの上側と下側との一方に偏って配置されていても差し支えない。図49、図50には、一方側蒸発タンク空間221aと他方側蒸発タンク空間221bとの両方が蒸発流路221cに対し鉛直方向Dgの上側に偏って配置された例が示されている。
更に言えば、上記のことは、例えば図51および図52に示すように、凝縮板部201d、201hと蒸発板部221d、221hとが別々の部品として構成された第4実施形態においても同様である。
(13)上述の第2実施形態では図14に示すように、アキュムレータとしての気液分離器40は、熱交換器10とは別の機器として設けられているが、これは一例である。例えば図53に示すように、気液分離器40は熱交換器10の一部として構成され、凝縮部20、蒸発部22、および絞り部321eと一体化されていても差し支えない。
(14)上述の第1実施形態では例えば図2および図8に示すように、他方側サイドプレート部32に設けられた絞り部321eはオリフィスであるが、これは一例である。絞り部321eは、キャピラリであってもよいし、キャピラリとオリフィスとを連結したものであってもよいし、図54に示すように絞り孔321dが形成されたブロックであってもよい。
図54の例では、絞り部321eがブロック状の部材として構成され、他方側第1板321に形成された孔に嵌め込まれその他方側第1板321に固定されている。
(15)上述の第7実施形態では図35に示すように、第1板部材381の第1孔周縁板部381hは、第1板部材第1中間孔381dの周縁部分381jから積層方向Dsの一方側へ曲げ起こされた形状を成しているが、これは一例である。逆に、第1板部材381の第1孔周縁板部381hは、第1板部材第1中間孔381dの周縁部分381jから積層方向Dsの他方側へ曲げ起こされた形状を成していてもよい。その場合、その第1孔周縁板部381hは、第2板部材382に対して干渉するのを避けるため、例えば第2板部材第1中間孔382d内に挿入される位置で、積層方向Dsの他方側へ曲げ起こされる。なお、第1板部材381の第2孔周縁板部381i、第2板部材382の第1および第2孔周縁板部382h、382iに関しても、これと同様のことが言える。
(16)上述の第9実施形態では図39に示すように、第2板部材382の第1孔周縁板部382hが、第1板部材381の第1孔周縁板部381hに対し構成部並び方向Dhの他方側に重なっているが、例えば、この重なり方は逆でもよい。すなわち、一方の板部材接合体39に含まれる第2板部材382の第1孔周縁板部382hは、他方の板部材接合体39に含まれる第1板部材381の第1孔周縁板部381hに対し構成部並び方向Dhの一方側に部分的に重なっていてもよい。
そして、第2板部材382の第2孔周縁板部382iと第1板部材381の第2孔周縁板部381iとの重なり方についてもこれと同様である。すなわち、図39とは逆に、一方の板部材接合体39に含まれる第2板部材382の第2孔周縁板部382iは、他方の板部材接合体39に含まれる第1板部材381の第2孔周縁板部381iに対し構成部並び方向Dhの他方側に部分的に重なっている。
(17)上述の第10実施形態では図40の(b)および図41の(b)に示すように、板部材接合体39に形成されている中間貫通孔39aは1つであるが、これは一例である。例えば図29、図30に示されているように、その中間貫通孔39aは複数に分かれて板部材接合体39に形成されていてもよい。
(18)上述の第11実施形態では図45に示すように、一方の板部材接合体39に含まれる一方側第2外縁板部382mは、他方の板部材接合体39に含まれる一方側第1外縁板部381mに対し熱交換器幅方向Dwの一方側に重なっているが、これは一例である。例えば、この重なり方は逆でもよい。すなわち、一方の板部材接合体39に含まれる一方側第2外縁板部382mは、他方の板部材接合体39に含まれる一方側第1外縁板部381mに対し熱交換器幅方向Dwの他方側に重なっていてもよい。
そして、第2板部材382の他方側第2外縁板部382nと第1板部材381の他方側第1外縁板部381nとの重なり方についてもこれと同様である。すなわち、図45とは逆に、一方の板部材接合体39に含まれる第2板部材382の他方側第2外縁板部382nは、他方の板部材接合体39に含まれる第1板部材381の他方側第1外縁板部381nに対し熱交換器幅方向Dwの一方側に重なっていてもよい。
(19)上述の第7実施形態では図33に示すように、第1板部材381の第1孔周縁板部381hは、第1板部材第1中間孔381dの周縁部分381jの一部に設けられているが、これは一例である。例えば、その第1孔周縁板部381hは、第1板部材第1中間孔381dの周縁部分381jの全体にわたって設けられていても差し支えない。このことは、第1板部材381の第1孔周縁板部381h以外の孔周縁板部381i、382h、382iに関しても同様である。
(20)なお、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。
また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、放熱部は、サイドプレート部に対し積層方向の一方側に積層されると共に互いに接合された複数の放熱構成部を有し、その放熱構成部内の放熱流路に流れる冷媒から放熱させる。蒸発部は、サイドプレート部に対し積層方向の一方側に積層されると共に互いに接合された複数の蒸発構成部を有し、その蒸発構成部内の蒸発流路に流れる冷媒に吸熱させその冷媒を蒸発させる。その蒸発部は、サイドプレート部に沿った方向に放熱部に対して並んで配置され、放熱部と蒸発部はそれぞれサイドプレート部に固定される。複数の放熱構成部の端部にある出口位置放熱構成部には放熱部出口が設けられ、複数の蒸発構成部の端部にある入口位置蒸発構成部には蒸発部入口が設けられる。そして、複数の放熱構成部に形成された放熱流路は全て放熱部出口と蒸発部入口とを介して蒸発流路に接続される。
また、第2の観点によれば、サイドプレート部は、冷媒流れにおいて放熱部出口と蒸発部入口との間に設けられ冷媒を減圧する減圧部を有している。従って、減圧部を含めた熱交換器の体格拡大を抑制することが可能である。そして、例えば特許文献1の流路ユニットが多数積層された熱交換器と比較して、減圧部を簡単に構成することが可能である。
また、第3の観点によれば、積層方向は鉛直方向に交差する方向とされる。そして、放熱部は、蒸発部に対し下側に重なるように配置される。従って、蒸発部で発生した凝縮水が重力の作用により放熱部に掛かる水かけ効果により、放熱部の放熱性能を向上させることが可能である。そして、蒸発部で発生した凝縮水を放熱部の熱によって蒸発させる蒸発処理を行えるので、排出される凝縮水であるドレイン水を消滅または減少させることが可能である。
また、第4の観点によれば、複数の放熱構成部のうちの少なくとも何れかは板状の一対の放熱板部を有し、その一対の放熱板部が積層方向に積層されると共に放熱流路を一対の放熱板部の相互間に形成するように互いに接合されことによって構成されている。従って、放熱構成部を簡素な構成にすることができると共に、放熱流路の形状など放熱構成部の内部空間の形状によっては一対の放熱板部を互いに同じ部品として容易に構成することができるというメリットがある。
また、第5の観点によれば、複数の蒸発構成部のうちの少なくとも何れかは板状の一対の蒸発板部を有し、その一対の蒸発板部が積層方向に積層されると共に蒸発流路を一対の蒸発板部の相互間に形成するように互いに接合されことによって構成されている。従って、蒸発構成部を簡素な構成にすることができると共に、蒸発流路の形状など蒸発構成部の内部空間の形状によっては一対の蒸発板部を互いに同じ部品として容易に構成することができるというメリットがある。
また、第6の観点によれば、複数の放熱構成部のうちの少なくとも何れかは板状の一対の放熱板部を有し、その一対の放熱板部が積層方向に積層されると共に放熱流路を一対の放熱板部の相互間に形成するように互いに接合されことによって構成される。そして、複数の蒸発構成部のうちの少なくとも何れかは板状の一対の蒸発板部を有し、その一対の蒸発板部が積層方向に積層されると共に蒸発流路を一対の蒸発板部の相互間に形成するように互いに接合されことによって構成される。更に、一対の放熱板部のうちの一方と一対の蒸発板部のうちの一方は1枚の板部材を構成している。従って、サイドプレート部だけでなくその板部材によっても放熱部と蒸発部とが互いに支え合うので、サイドプレート部だけで放熱部と蒸発部とが互いに連結された構成と比較して、熱交換器を頑丈なものにすることが可能である。
また、第7の観点によれば、上記板部材は第1板部材である。一対の放熱板部のうちの他方と一対の蒸発板部のうちの他方は1枚の第2板部材を構成している。第1板部材と第2板部材は、互いに接合されることで、複数の放熱構成部の1つと複数の蒸発構成部の1つとを含む板部材接合体を構成する。板部材接合体には、その板部材接合体に含まれる放熱構成部と蒸発構成部との間に配置され板部材接合体を貫通する第1中間貫通孔および第2中間貫通孔が形成されている。その第1中間貫通孔および第2中間貫通孔はそれぞれ、放熱構成部と蒸発構成部との並び方向に交差する接合体幅方向に延びており、第1中間貫通孔は、第2中間貫通孔に対し上記並び方向の一方側に部分的に重複するように配置されている。
従って、板部材接合体にこれらの第1および第2中間貫通孔が設けられていない場合と比較して、放熱構成部内の冷媒と蒸発構成部内の冷媒との間で板部材接合体を介して熱が伝わる伝熱経路を延ばすことが可能である。これにより、放熱部において放熱構成部内の冷媒とその冷媒から吸熱する吸熱媒体との間で熱交換する際の伝熱ロス、および、蒸発部において蒸発構成部内の冷媒とその冷媒へ放熱する放熱媒体との間で熱交換する際の伝熱ロスを低減することができる。
また、第8の観点によれば、板部材接合体には、その板部材接合体に含まれる放熱構成部と蒸発構成部との間に配置され板部材接合体を貫通する中間貫通孔が形成される。第1板部材には、中間貫通孔のうち第1板部材に属する部分である第1板部材中間孔が形成され、第1板部材は、第1板部材中間孔の周縁部分から積層方向へ曲げ起こされた形状を成す孔周縁板部を有する。そして、その孔周縁板部は、放熱構成部と蒸発構成部との並び方向に交差する接合体幅方向に延びている。従って、第1板部材の単体の強度アップと板部材接合体の強度アップとを孔周縁板部によって実現することが可能である。そして、上記伝熱ロスを低減する中間貫通孔を形成することに伴って、その強度アップ用の孔周縁板部も併せて形成することが可能である。
また、第9の観点によれば、第1板部材は、互いに異なる箇所に設けられた第1孔周縁板部と第2孔周縁板部とを、孔周縁板部として有する。そして、第1孔周縁板部は、第2孔周縁板部に対し上記並び方向の一方側に部分的に重複するように配置されている。従って、2つの孔周縁板部により、第1板部材の単体の強度アップと板部材接合体の強度アップとを、接合体幅方向の広範囲にわたって実現することが可能である。
また、第10の観点によれば、第1板部材は、その第1板部材を構成する放熱板部と蒸発板部とを含む第1板部材本体と、その第1板部材本体の外縁部分から立ち上がった形状を成す第1外縁板部とを有する。第2板部材は、その第2板部材を構成する放熱板部と蒸発板部とを含む第2板部材本体と、その第2板部材本体の外縁部分から立ち上がった形状を成す第2外縁板部とを有する。そして、中間貫通孔は、第1板部材では第1板部材本体から第1外縁板部へ及ぶと共に第2板部材では第2板部材本体から第2外縁板部へ及ぶように延びている。
従って、放熱構成部内の冷媒と蒸発構成部内の冷媒との間で板部材接合体を介して熱が伝わる伝熱経路、要するに放熱構成部と蒸発構成部との間の伝熱経路が、第1外縁板部または第2外縁板部を経由することになる。そのため、これらの第1および第2外縁板部が設けられていない場合と比較して、その伝熱経路を延ばすことが可能である。これにより、放熱部と蒸発部との各々における熱交換時の伝熱ロスを低減することができる。なお、第1外縁板部と第2外縁板部は何れも、上記の立ち上がった形状を成しているので、板部材接合体を殆ど拡幅させず、熱交換器10の体格には殆ど影響しない。
また、第11の観点によれば、第1外縁板部は、第1板部材本体の外縁部分から曲げ起こされた構成となっている。従って、例えば第1外縁板部が第1板部材本体にロウ付け接合されている場合と比較して、高い強度を得ることが可能である。
また、第12の観点によれば、第1板部材は、接合体幅方向において第1板部材本体の一方側に設けられた一方側第1外縁板部と、接合体幅方向において第1板部材本体の他方側に設けられた他方側第1外縁板部とを、上記第1外縁板部として有する。第2板部材は、接合体幅方向において第2板部材本体の一方側に設けられた一方側第2外縁板部と、接合体幅方向において第2板部材本体の他方側に設けられた他方側第2外縁板部とを、第2外縁板部として有する。中間貫通孔は、第1板部材では第1板部材本体から一方側第1外縁板部と他方側第1外縁板部とのそれぞれへ及ぶと共に第2板部材では第2板部材本体から一方側第2外縁板部と他方側第2外縁板部とのそれぞれへ及ぶように延びている。更に、中間貫通孔は、第1板部材本体内および第2板部材本体内では放熱構成部を蒸発構成部から離隔している。そして、板部材接合体において放熱構成部と蒸発構成部は、一方側第1外縁板部と他方側第1外縁板部と一方側第2外縁板部と他方側第2外縁板部とのそれぞれを介して連結している。従って、放熱構成部と蒸発構成部とを一体物として構成しつつ、第1板部材本体および第2板部材本体では、放熱構成部と蒸発構成部との間の伝熱を大きく妨げることができる。
また、第13の観点によれば、出口位置放熱構成部は、複数の放熱構成部のうち積層方向の一方側の端または他方側の端に位置する放熱構成部である。そして、入口位置蒸発構成部は、複数の蒸発構成部のうち積層方向の一方側の端または他方側の端に位置する蒸発構成部である。従って、そのようになっていない場合と比較して、放熱部出口から蒸発部入口に至る冷媒の経路を設けやすいので、その冷媒の経路を単純化することが容易である。例えば、その放熱部出口から蒸発部入口に至る冷媒の経路を、サイドプレート部を利用して設けることが可能である。