JP2000337352A - ゴムローラの製造方法、加熱定着ローラおよびそれを用いる定着装置 - Google Patents

ゴムローラの製造方法、加熱定着ローラおよびそれを用いる定着装置

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JP2000337352A
JP2000337352A JP11143088A JP14308899A JP2000337352A JP 2000337352 A JP2000337352 A JP 2000337352A JP 11143088 A JP11143088 A JP 11143088A JP 14308899 A JP14308899 A JP 14308899A JP 2000337352 A JP2000337352 A JP 2000337352A
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rubber
layer
roller
substrate
primer
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Kazuo Kishino
一夫 岸野
Masaaki Takahashi
正明 高橋
Hideo Kawamoto
英雄 川元
Osamu Saotome
修 五月女
Yuji Kitano
祐二 北野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基体とゴム層との接着強度の優れたゴムロー
ラを製造する方法を提供する。 【解決手段】 予めプライマー処理をした基体上に未架
橋ゴムを被覆し、加熱開始時におけるこの未架橋ゴム層
のプライマー層との界面の温度が、上記の未架橋ゴム層
表面の温度より高くなるようにして加熱硬化させるゴム
ローラの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やファクシ
ミリ等のOA機器に使用されるゴムローラの製造方法に
関し、詳しくは、多層のゴム層を形成した多層ゴムロー
ラの製造方法に係るものである。本発明は、また多層ゴ
ム加熱定着ローラおよびそれを用いる加熱定着装置にも
関する。
【0002】
【従来の技術】複写機やファクシミリ等のOA機器のよ
うに、紙等の搬送手段を有する装置では各種のゴムロー
ラが多用されている。例えば、複写機、LBPの電子写
真装置においても、帯電ローラ、転写ローラ、現像ロー
ラ、レジスト及び排紙ローラ等の記録紙の搬送用ロー
ラ、熱定装置内の各種ローラなど種々の部分においてゴ
ムローラが用いられている。これらのゴムローラは芯金
に直接ゴムが被覆されたものや、低硬度と電気特性の両
立のためスポンジゴムの表層にソリッドゴムを積層した
現像ローラのように機能を分離された多層ゴムローラも
使われている。
【0003】電子写真装置の加熱定着装置に用いられる
加熱定着ローラは、加熱面にトナー像を有する記録紙を
押圧してこれを定着させる機能を有するものである。特
に、フルカラー複写機においては、トナー層がモノクロ
の場合に比べて厚く、シャープメルトトナーを用いるこ
とによって混色を出し、微妙な色合いを表現する為、高
い離型性能が要求され、その表面にシリコーンオイルが
塗布された状態で用いられる場合が多い。従って、この
熱定着ローラには、適度な弾性(硬度)、耐熱性、耐オ
イル性、トナー離型性といったようないくつかの複合特
性が要求される。しかし、これを単一の材料、つまり単
層の弾性ローラで種々の要求特性を同時に満たすことは
困難であり、現在では、それぞれの機能を各層に分担さ
せた複数の層を組み合せた多層構成ローラを採用して、
各種の要求特性を複合的に満たす方法が取られている。
【0004】例えば、加熱定着ローラとして、表層には
高離型性シリコーンゴム、下層には高耐熱性シリコーン
ゴムを積層した2層構成のローラ、さらに、中間層にシ
リコーンオイルの内部進入による最下層シリコーンゴム
層の破壊等を防止するためのオイルバリアー層としての
フッ素ゴム層を有する3層構成のローラが知られてい
る。なお、これらの層の接着には、極薄いプライマー層
が通常利用されている。従来のゴムローラは芯金に接着
剤を塗布し、ついで予め加熱された専用の金型を用いて
ここにコンプレッション成形または射出成形により未架
橋ゴムを注入、架橋時にゴムと芯金を一体化成形するこ
とが知られている。またこの時、未架橋ゴムを室温で金
型に注入後、引き続き金型を加熱する方法もとられてい
る。
【0005】さらに、多層ゴムローラの製造法として
は、例えば、2層ゴムローラは、弾性ローラ成形後、そ
の上に未加硫ゴムを加硫接着する方法(特開平9−12
4180)が知られているが、ここではゴムローラに未
加硫ゴムチューブを被覆したものをパイプ金型に装填し
電気炉内で加熱加硫する方法が例示されている。
【0006】発明者らは、フッ素ゴムの表面処理により
シリコーンゴムとフッ素ゴムの接着性を改善する方法を
提案し(特開平9−325632)、パイプ金型を用い
た3層加熱定着ローラの製法を例示してある。
【0007】いずれの場合も、金型側から加熱すること
により未架橋ゴムの硬化と、芯金あるいは基材(ゴムロ
ーラ)との接着を同時に行い一体化するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金型側
から加熱することにより未架橋ゴムの硬化と、芯金ある
いは基材の接着を同時に行い一体化する場合、未架橋ゴ
ムは金型側から架橋反応が進み、接着反応は遅れ気味に
進行する傾向がある。この傾向は熱伝導性に起因するも
のであり当然、パイプ状芯金を用いた場合、基材がゴム
ローラのように熱容量の大きい場合、あるいは、未加硫
ゴムの厚みが厚い場合、顕著となる。この時、架橋反応
が接着反応に先立って完結してしまうと芯金あるいは基
材との接着に関しては充分に強固な初期接着力が得られ
ず、用途によっては信頼性に乏しい場合があった。初期
接着力がある程度確保された場合においても、特に、高
温下、高圧力下、高湿下等の苛酷な耐久条件においては
その初期接着性能及び耐久性能に問題があり、ゴム層と
プライマー層間での接着剥がれなどの不良が生じる場合
があった。
【0009】例えば、上記の3層構造の弾性ローラを電
子写真装置の加熱定着ローラに用いた場合、使用時の大
部分において、高温下、高圧下、高湿下でシリコーンオ
イルに曝された状態、すなわち高劣化条件の重なった状
態で長期の繰り返し変形を受けることになり、従来の一
体成形手法で得られた接着性では長期の繰り返し使用に
おける充分な耐久性を得ることができずに層間での剥離
や、中間層であるオイルバリアー層の裂けによる最下ゴ
ム層の破壊などの不良が生じる場合があった。本発明の
目的は、基体とゴム層との接着面の接着強度を大幅に向
上可能なゴムローラの製造方法を提供することにある。
【0010】本発明のいま一つの目的は、最外ゴム層の
接着耐久性が高い、電子写真装置の加熱定着装置用多層
ゴム加熱定着ローラを提供することにある。
【0011】さらに、本発明の目的は、多層ゴム加熱定
着ローラの最外層の接着耐久性が高い、電子写真装置用
加熱定着装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下に記載する発明により達成される。 (1)予めプライマーで処理した基体上に未架橋ゴムを
被覆して加熱硬化することからなるゴムローラの製造方
法において、該未架橋ゴムの層と該プライマーの層との
界面が該未架橋ゴム層の表面よりも高温となるように加
熱して該未架橋ゴムを該基体と接着一体化することを特
徴とするゴムローラの製造方法。 (2)前記基体が芯金であり、加熱が芯金側より行われ
る上記(1)に記載のゴムローラの製造方法。 (3)前記基体が円筒または円柱状基材であり、加熱が
基材側から行われ、それによって多層ゴムローラが形成
される上記(1)に記載のゴムローラの製造方法。 (4)前記基体が芯金であり、該基体の表面の赤外線の
吸収が該未架橋ゴムの層のそれよりも大きく、かつ、加
熱が未架橋ゴムの層の外側から赤外線により行われる上
記(1)に記載のゴムローラの製造方法。 (5)前記基体が円筒または円柱状基材であり、該基材
の表面の赤外線吸収が該未架橋ゴムの層のそれよりも大
きく、かつ、加熱が該未架橋ゴムの層の外側から赤外線
により行われ、それによって多層ゴムローラが形成され
る上記(1)に記載のゴムローラの製造方法。 (6)電子写真装置の加熱定着装置に用いられる多層の
ゴム層を有する加熱定着ローラであって、少なくとも最
外層は、表面が予めプライマーで処理された円筒または
円筒状基材上に未架橋ゴムを被覆し、該基材側から加熱
することにより該未架橋ゴムと該基材とが接着一体化さ
れたものであることを特徴とする多層ゴム加熱定着ロー
ラ。 (7)電子写真装置の加熱定着装置に用いられる多層の
ゴム層を有する加熱定着ローラであって、少なくとも最
外層は、表面が予めプライマーで処理された円筒または
円柱状基材上に未架橋ゴムを被覆し、該基材の表面の赤
外線吸収が該未架橋ゴムの層のそれよりも大であり、か
つ、該未架橋ゴムの層の外側から赤外線により加熱され
て該未架橋ゴムと該基体とが接着一体化されたものであ
ることを特徴とする多層ゴム加熱定着ローラ。 (8)電子写真装置に用いられる加熱定着装置であっ
て、上記(6)または(7)に記載された多層ゴム加熱
定着ローラを有することを特徴とする加熱定着装置。
【0013】上記(1)の発明においては、予めプライ
マー処理した基体上に被覆した未架橋ゴム層の加熱硬化
を、加熱開始時において未架橋ゴムの層とプライマー層
との界面が、未架橋ゴムの層の表面よりも高温となるよ
うにして行うことにより、基体と未架橋ゴムとの接着反
応が、未架橋ゴムの架橋反応に優先して進行し、確実に
完結するので、強固な接着が可能となる。
【0014】上記(2)の発明においては、未架橋ゴム
の層を基体である芯金側から加熱することによって、基
体表面と未架橋ゴムとの接着反応が、未架橋ゴムの架橋
反応に優先して進行し、確実に完結するので、強固な接
着が可能となる。
【0015】上記(3)の発明においては、円筒または
円柱状基材上に被覆された未架橋ゴムを基材側から加熱
することにより上記(2)におけると同様に基材と未架
橋ゴムとの接着反応が架橋反応に優先して確実に完結
し、基材とゴム層との接着面での接着強度が大きい多層
ゴムローラを得ることができる。
【0016】上記(4)の発明においては、芯金表面の
赤外線の吸収を未架橋ゴムの層の赤外線吸収よりも大と
し、加熱をゴム層の外側から赤外線により行うことによ
って、芯金表層を選択的に加熱することができ、芯金表
面と未架橋ゴムとの接着反応が架橋反応に優先して進行
する。したがって接着反応が確実に完結して強固な接着
が可能となる。
【0017】上記(5)の発明においては、円筒または
円柱状基材の表面の赤外線吸収を未架橋ゴムの層の赤外
線吸収よりも大とし、加熱をゴム層の外側から赤外線に
より行うことによって上記(3)と同様に、基材と未架
橋ゴムとの接着反応が架橋反応に優先して確実に進行
し、基材とゴム層との接着面の接着強度が大きい多層ゴ
ムローラが得られる。
【0018】上記(6)および(7)の発明によって、
それぞれ最外層の接着耐久性の高い、信頼性のある多層
のゴム層を有する加熱定着ローラが提供される。
【0019】上記(8)の発明においては、上記(6)
または(7)の多層ゴム加熱定着ローラを用いることに
より、このローラの最外層の接着耐久性が高い、電子写
真装置用加熱定着装置が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明において未架橋ゴムが被覆
される基体は、ローラ芯金または円筒または円柱状基材
である。後者は具体的には芯金上に被覆されたゴム層、
またはその上に被覆されたフッ素ゴムからなるオイルバ
リアー層である。芯金としては、アルミニウム製などの
周知のものが用いられる。
【0021】基体表面は、予めプライマー処理される。
プライマーは、その上に被覆される未架橋ゴムの種類に
より適当なものが市場で入手可能である。
【0022】プライマーを介して基体上に被覆される未
架橋ゴムとしては、未架橋のシリコーンゴムが好ましく
は用いられる。シリコーンゴムとしてはジメチルポリシ
ロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルビニ
ルポリシロキサン、メチルフルオロアルキルポリシロキ
サンなどのオルガノポリシロキサンが用いられるが、電
子写真装置の加熱定着装置用の定着ローラに用いる場合
はジメチルポリシロキサンゴムがトナー離型性に優れ、
低硬度であるので好ましい。これらのシリコーンゴムは
ミラブル型のものでも液状のものでもよい。これらのシ
リコーンゴムは加硫剤、加硫助剤などとともに用いられ
る。
【0023】予めプライマー処理した基体は、後記する
実施例に示されているように所望により円筒状金型内に
装着され、加熱開始時において未架橋ゴムの層とプライ
マーの層との界面の温度が未架橋ゴムの層の表面の温度
よりも高温となるように加熱される。具体的には、芯金
または円筒もしくは円柱状基材上にプライマーを介して
未架橋ゴムを被覆した場合は、芯金内にハロゲンヒータ
のようなヒータを設置して芯金または円筒もしくは円柱
状基材側から加熱するか、または芯金が磁性体の場合
は、誘導加熱により芯金を直接加熱することにより、芯
金または基材側から加熱する。
【0024】基体側からの加熱に代えて、円筒状金型を
用いることなく、赤外線により未架橋ゴムの層の外側か
ら加熱することができる。この場合は未架橋ゴムは赤外
線を、基体とプライマーとの界面よりも少なく吸収する
ものであることが必要である。このためには、基体、す
わなち芯金または円筒もしくは円柱状基材の表面が赤外
線を吸収しやすいように処理すればよい。例えばアルミ
ニウム製芯金の表面をブラックアルマイト加工をすると
か、プライマーそのものに色を付けるとか、あるいは赤
外線の吸収のよい材料を被覆することが行われる。ま
た、未架橋ゴムは赤外線の吸収率の小さいもの、例えば
液状付加反応型シリコーンが用いられる。
【0025】上記いずれの加熱方法をとっても、未架橋
ゴムの層の厚みが厚くてゴムの架橋が遅れすぎる場合に
はオーブンなどによりゴム層の表面側からの加熱を併用
することもできる。
【0026】多層ゴム加熱定着ローラは円筒または円柱
状基材、例えば芯金上に設けられたシリコーンゴムの層
上にオイルバリアー層としてフッ素ゴムの層を設け、そ
の層をプライマー処理し、ついでその上に未架橋シリコ
ーンゴムの層を被覆し、プライマー層と未架橋シリコー
ンゴムの層との界面が優先的に高温となるように加熱し
て基材とシリコーンゴムの層とを接着一体化成形するこ
とにより製造される。
【0027】このような多層シリコーンゴムローラは、
後記する実験例に示されるように、定着ローラおよび加
圧ローラとして用いることにより電子写真装置の加熱定
着装置が得られる。この加熱定着装置は、ローラの最外
層の接着耐久性が高く、したがって表層剥離、下層剥離
に基因する紙シワ等の搬送不良および画像不良は認めら
れない。
【0028】
【実施例】以下に実施例、比較例および実験例を示して
本発明およびその効果を具体的に示す。 実施例1 本実施例の構成の概略を示す断面図である図1および2
において、両端に軸受け部を有する外形56mm、厚み
10mmのアルミ製円筒状芯金11の表面をプライマー
12により処理した。すなわち、プライマーは過酸化物
硬化型シリコーンゴム用のDY39−012プライマー
(トーレ・ダウコーニング・シリコーン社製)を用い
た。このプライマーをおよそ5μmの厚みでスプレー塗
布し、風乾後、200℃の温風循環炉内で焼き付けるプ
ライマー処理を行った。
【0029】冷却後、ゴム厚が2mmになるように内径
が調整された鉄製パイプ状金型(円筒金型)13に芯金
11を装着した。芯金11は金型内に金型両端に注入口
(図示せず)を有する鉄製の金型駒14を介して固定さ
れている。インジェクション成形機(図示せず)を用い
て未架橋シリコーンゴムを金型内に室温で注入した。該
シリコーンゴムは予めパーオキサイド加硫剤としてRC
4(トーレ・ダウコーニング・シリコーン社製)を添加
混練したDY32−542Uを用いた。
【0030】続いて金型13に装着された芯金11内部
に芯金長と略同長の1KWの棒状ハロゲンヒータ16を
ほぼ中心に配置されるように挿入し、芯金内部から加熱
を行った。芯金内面が均一に加熱されるように金型13
と一体化された芯金11はハロゲンヒータを中心におよ
そ10rpmの回転速度で回転させた。金型表面が15
0℃に達するのにおよそ15分を要し、金型表面が15
0℃を維持するようハロゲンヒータをON/OFF制御
し5分間加熱を継続した。
【0031】冷却、脱型後200℃の温風循環炉内で4
時間2次加硫を行い、過酸化物硬化型シリコーンゴム層
を有するローラを得た。
【0032】得られたシリコーンゴムゴムローラの芯金
と過酸化物硬化型シリコーンゴム層の接着性は充分なも
のであった。 比較例1 実施例1と同様にしてインジェクション成形機を用いて
未架橋シリコーンゴムを金型内に室温で注入した。続い
て該金型を200℃の熱盤内で20分加熱した。
【0033】冷却、脱型後200℃の温風循環炉内で4
時間2次加硫を行い、過酸化物硬化型シリコーンゴムロ
ーラローラを得たが、得られたシリコーンゴムゴムロー
ラの芯金とシリコーンゴム層の接着性は、プライマーと
シリコーンゴム層界面で容易に剥離する部分があり不充
分なものであった。 実施例2 本実施例の構成の概略を示す図5を参照して、多層シリ
コーンゴム定着ローラの製造について説明する。実施例
1において得られた円筒状芯金21上にプライマー22
を介してシリコーンゴム層23を一体化形成したシリコ
ーンゴムローラ表面に50μmの厚さのフッ素ゴムから
なるオイルバリアー層24を形成したゴムローラを円筒
状基材として用意した。
【0034】該基材のゴムローラ表面をプライマー25
により処理した。プライマーは、付加反応型シリコーン
ゴム用のXP81−405プライマー(東芝シリコーン
社製)を用いた。このプライマーをおよそ5μmの厚み
でスプレー塗布し、風乾後、150℃の温風循環炉内で
30分焼き付けるプライマー処理を行った。
【0035】冷却後、表層26となる液状付加反応型シ
リコーン(DY35−446A/B:トーレ・ダウコー
ニング・シリコーン社製)を厚みがおよそ250μmに
なるようナイフコート法により被覆した。
【0036】続いて芯金21の内部に、実施例1と同様
にして、芯金長と略同長の1KWの棒状ハロゲンヒータ
をほぼ中心に配置されるように挿入し、芯金内部から加
熱を行った。円筒状基材のゴムローラが均一に加熱され
るように芯金21はハロゲンヒータを中心におよそ10
rpmの回転速度で回転させた。円筒状基材であるゴム
ローラ表面が150℃に達するのにおよそ10分を要
し、金型表面が150℃を維持するようハロゲンヒータ
をON/OFF制御し5分間加熱を継続した。
【0037】冷却、脱型後200℃の温風循環炉内で4
時間2次加硫を行い表層が付加反応型シリコーンゴムか
ら成る多層シリコーンゴム定着ローラを得た。 比較例2 実施例2と同様にして得た表面をプライマー処理を施し
た円筒状基材であるゴムローラを表層ゴム厚が250μ
mになるように内径が調整された鉄製パイプ状金型に上
記ゴムローラの芯金を装着した。
【0038】続いて該金型を200℃に維持された熱盤
に装着し、液状付加反応型シリコーンを加圧注入し、1
5分かけて硬化させた。冷却、脱型後200℃の温風循
環炉内で4時間2次加硫を行い表層が付加反応型シリコ
ーンゴムから成る多層シリコーンゴム定着ローラを得
た。 実施例3 本実施例の構成の概略を示す断面図である図3および図
4において、両端に軸受け部を有する外形56mm、厚
み10mmのアルミ製円筒状芯金11の表面をブラック
アルマイト処理し、その後プライマー12で処理した。
ブラックアルマイト処理する前の芯金11の表面は赤外
線をほぼ100%反射してしまうが、ブラックアルマイ
ト処理をする事により約60%を吸収するようにした。
プライマーは、付加反応型シリコーンゴム用のXP81
−405プライマー(東芝シリコーン社製)を用いてい
る。このプライマーをおよそ5μmの厚みでスプレー塗
布し、風乾後、150℃の温風循環炉内で30分焼き付
けるプライマー処理を行った。
【0039】冷却後、表層のシリコーンゴム15の層と
成る液状付加反応型シリコーン(DY35−446A/
B:トーレ・ダウコーニング・シリコーン社製)を厚み
がおよそ250μmになるようナイフコート法により被
覆した。上記液状付加反応型シリコーンは赤外線を約5
%しか吸収しない赤外線に対しほぼ透明なゴム材料であ
る。
【0040】続いて上記ローラと平行にローラ表面から
約150mm離してローラコーティング部とほぼ同じ長
さの赤外線ラインヒータ17を配し、ローラを約60r
pmで回転させながら、約2KWの出力で20分間ロー
ラの加熱を行った。赤外線加熱によりシリコーンゴム1
5と芯金の接着界面を選択的に加熱した。本実施例で
は、ローラ表面が20分で約160℃に達していた。
【0041】冷却後200℃の温風循環炉内で4時間2
次加硫を行い、付加反応型シリコーンゴム層を有するシ
リコーンゴム定着ローラを得た。
【0042】得られたシリコーンゴムゴムローラの芯金
と付加反応型シリコーンゴム層の接着性は充分なもので
あった。 実施例4 本実施例の構成の概要を示す断面図である図5において
表層26が付加反応型シリコーンゴムからなる多層シリ
コーンゴム定着ローラを作成した。
【0043】円筒状のアルミ芯金21上にプライマー2
2を介し過酸化物反応型シリコーンゴム23が接着一体
化成形されたローラ表面に、50μmの厚さのフッ素ゴ
ムからなるオイルバリアー層24を形成したゴムローラ
を基材として用意した。
【0044】フッ素ゴムは赤外線を約90%吸収するも
のである。この基材のゴムローラ表面をプライマー25
で処理した。プライマーは付加反応型シリコーンゴム用
のXP81−405プライマー(東芝シリコーン社製)
を用いた。このプライマーをおよそ5μmの厚みでスプ
レー塗布し、風乾後、150℃の温風循環炉内で30分
焼き付けるプライマー処理を行った。
【0045】冷却後、表層26と成る液状付加反応型シ
リコーン(DY35−446A/B:トーレ・ダウコー
ニング・シリコーン社製)を厚みがおよそ250μmに
なるようナイフコート法により被覆した。上記液状付加
反応型シリコーンは赤外線を約5%しか吸収しない赤外
線に対しほぼ透明なゴム材料である。
【0046】続いて上記ローラと平行にローラ表面から
約150mm離してローラコーティング部とほぼ同じ長
さの赤外線ラインヒータを配し、ローラを約60rpm
で回転させながら、約2KWの出力で15分間ローラの
加熱を行った。赤外線加熱によりシリコーンゴムとオイ
ルバリアー層24の接着界面を選択的に加熱した。本実
施例では、ローラ表面が15分で約160℃に達してい
た。
【0047】冷却後200℃の温風循環炉内で4時間2
次加硫を行い表層が付加反応型シリコーンゴムから成る
多層シリコーンゴム定着ローラを得た。 実験例1 本発明の効果を実証するために、図6にその概要を示し
た加熱加圧定着装置を用いて接着耐久試験を行った。こ
の加熱加圧定着装置においては、実施例2により作成し
た多層シリコーンゴム定着ローラを、定着ローラ31、
及び加圧ローラ32として用いた。それぞれのローラの
中心には、ハロゲンランプからなるヒータ33が位置し
ている。定着ローラ31、及び加圧ローラ32は、表面
に接した温度測定素子(図示せず)により測定された温
度を元に、ヒータ33の出力が制御され、設定温度に保
たれる。定着ローラ31には、オイル塗布ローラ34が
接しており、定着ローラに従動している。オイル塗布ロ
ーラ34は、定着ローラ表面に、一定量の離型補助オイ
ルを塗布する。定着ローラ31には、弾性体ブレード3
5が、加圧ローラ32には、弾性体ブレード36が、押
し当てられている。これら弾性体ブレードは、長軸に平
行なエッジの一角が、ローラ表面に一定圧力で押し当て
られている。
【0048】該加熱加圧定着装置は、外部空回転機にセ
ットし、定着ローラ及び加圧ローラの温度と、回転速度
を制御し、所定の未定着トナー画像ののった転写紙(A
4サイズ紙)37を通紙した。外部空回転機は、該加熱
加圧定着装置を動作させる機械であり、定着ローラ及び
加圧ローラを回転させるためのモータと、温度及びモー
タ回転数を制御する制御装置で構成されている。黒べた
トナー画像通紙の際には、温度を180℃に設定し、ロ
ーラ回転数を40r.p.m.に設定した。
【0049】50000枚の連続通紙の間、表層剥離、
下層剥離に起因する紙シワなどの搬送不良、画像不良は
認められなかった。
【0050】一方、比較例2により作成した多層シリコ
ーンゴム定着ローラを、定着ローラ31、及び加圧ロー
ラ32として用い、同様の連続通紙実験を行ったとこ
ろ、20000枚通紙後より紙シワが確認されるように
なり、その後、定着ローラ表層の部分的剥離が確認さ
れ、テスト継続不能となった。 実験例2 実施例4により作成した多層シリコーンゴム定着ローラ
を用いて実験例1と同様に試験した結果、50000枚
の連続通紙の間、表層剥離、下層剥離に基因する紙シワ
等の搬送不良、画像不良は認められなかった。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、芯金上にゴムを被覆す
るゴムローラの製造方法において、芯金とゴム層の接着
面の接着強度を大幅に向上することが可能となり、また
円筒または円柱状基材上にゴム層を被覆する多層ゴムロ
ーラの製造方法において、基材とゴム層の接着面の接着
強度を大幅に向上することができた。
【0052】また、電子写真装置の熱定着装置に用いら
れる多層のゴム層を有する定着ローラであって、最外ゴ
ム層の接着耐久性が高く信頼性のある定着ローラを提供
することが可能となった。
【0053】さらに、本発明の加熱定着ローラを用いる
ことにより、信頼性の高い電子写真装置用の加熱定着装
置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の構成の概略を示すローラ軸
方向の断面図である。
【図2】本発明の実施例1の構成の概略を示すローラ軸
に垂直の断面図である。
【図3】本発明の実施例3の構成の概略を示すローラ軸
方向の断面図である。
【図4】本発明の実施例3の構成の概略を示すローラ軸
に垂直の断面図である。
【図5】本発明の実施例2及び4の多層ゴムローラの構
成の概略を示すローラ軸に垂直の断面図である。
【図6】本発明の実験例に用いた加熱加圧定着装置の概
略を示すローラ軸に垂直の断面図である。
【符号の説明】
11 円筒状芯金 12 プライマー 13 円筒金型 14 金型駒 15 シリコーンゴム 16 ハロゲンヒータ 17 赤外線ラインヒータ 21 円筒状芯金 22 プライマー 23 シリコーンゴム層 24 オイルバリアー層 25 プライマー 26 表層 31 定着ローラ 32 加圧ローラ 33 ヒータ 34 オイル塗布ローラ 35 弾性ブレード 36 弾性ブレード 37 転写紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川元 英雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 五月女 修 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 北野 祐二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA25 BB12 BB15 BB26 3J103 AA02 AA15 AA51 BA05 BA41 EA02 EA07 EA11 EA20 FA01 FA07 FA12 FA15 GA02 GA33 GA52 GA57 GA60 GA66 GA74 HA03 HA12 HA53

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予めプライマーで処理した基体上に未架
    橋ゴムを被覆して加熱硬化することからなるゴムローラ
    の製造方法において、加熱開始時において該未架橋ゴム
    の層と該プライマーの層との界面が該未架橋ゴムの層の
    表面よりも高温となるように加熱して該未架橋ゴムを該
    基体と接着一体化することを特徴とするゴムローラの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記基体が芯金であり、加熱が基体側よ
    り行われる請求項1に記載のゴムローラの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記基体が円筒または円柱状基材であ
    り、加熱が基材側から行われ、それによって多層ゴムロ
    ーラが形成される請求項1に記載のゴムローラの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記基体が芯金であり、該芯金の表面の
    赤外線の吸収が該未架橋ゴムの層のそれよりも大きく、
    かつ、加熱が未架橋ゴムの層の外側から赤外線により行
    われる請求項1に記載のゴムローラの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記基体が円筒または円柱状基材であ
    り、該基材の表面の赤外線吸収が該未架橋ゴムの層のそ
    れよりも大きく、かつ、加熱が該未架橋ゴムの層の外側
    から赤外線により行われ、それによって多層ゴムローラ
    が形成される請求項1に記載のゴムローラの製造方法。
  6. 【請求項6】 電子写真装置の加熱定着装置に用いられ
    る多層のゴム層を有する加熱定着ローラであって、少な
    くとも最外層は、表面が予めプライマーで処理された円
    筒または円筒状基材上に未架橋ゴムを被覆し、該基材側
    から加熱することによって該未架橋ゴムと該基材とが接
    着一体化されたものであることを特徴とする多層ゴム加
    熱定着ローラ。
  7. 【請求項7】 電子写真装置の加熱定着装置に用いられ
    る多層のゴム層を有する加熱定着ローラであって、少な
    くとも最外層は、表面が予めプライマーで処理された円
    筒または円柱状基材上に未架橋ゴムを被覆し、該基材の
    表面の赤外線吸収が該未架橋ゴムの層のそれよりも大で
    あり、かつ、該未架橋ゴムの層の外側から赤外線により
    加熱されて該未架橋ゴムと該基体とが接着一体化された
    ものであることを特徴とする多層ゴム加熱定着ローラ。
  8. 【請求項8】 電子写真装置に用いられる加熱定着装置
    であって、請求項6または7に記載された多層ゴム加熱
    定着ローラを有することを特徴とする加熱定着装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005313589A (ja) * 2003-08-12 2005-11-10 Suzuka Fuji Xerox Co Ltd ゴムロールの製造装置、製造機構、およびゴムロールの製造方法
CN109318608A (zh) * 2018-11-14 2019-02-12 安徽宁国天嘉橡塑制品有限公司 一种打印机搓纸辊

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