JP2000336539A - 動力伝達ベルト補強用コードおよびその製造方法 - Google Patents

動力伝達ベルト補強用コードおよびその製造方法

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JP2000336539A
JP2000336539A JP11151222A JP15122299A JP2000336539A JP 2000336539 A JP2000336539 A JP 2000336539A JP 11151222 A JP11151222 A JP 11151222A JP 15122299 A JP15122299 A JP 15122299A JP 2000336539 A JP2000336539 A JP 2000336539A
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cord
core
sheath
power transmission
fiber yarn
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Masaharu Taniguchi
雅春 谷口
Hiromitsu Shoji
宏光 東海林
Mitsuo Kato
三雄 加藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルト成形時にベルト端面に露出した繊維の
単繊維の解れを防止し、かつマトリックスゴムとの接着
性を向上させ、強力、耐疲労性が良好な動力伝達ベルト
補強用コードおよびその効率的な製造方法を提供する。 【解決手段】 強化用繊維糸条(a)と、芯成分が融点
230℃以上の熱可塑性重合体からなり、鞘成分が融点
120〜220℃の熱可塑性重合体からなる芯鞘複合繊
維糸条(b)とから構成されるコードに接着剤が含浸せ
しめられてなり、かつ前記複合繊維糸条(b)の鞘成分
の融点120〜220℃の熱可塑性重合体により前記コ
ードを構成する各糸条の単繊維間の少なくとも一部が融
着されていることを特徴とする動力伝達ベルト補強用コ
ード。その製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力伝達ベルト補
強用コードおよびその製造方法に関するものであり、さ
らに詳しくは、特にタイミングベルトやローエッジVベ
ルトなどベルトの側面から補強用コードが露出した形態
を有する動力伝達用ベルトとして適用した場合に、ベル
ト整形時にベルト端面に露出した繊維単繊維のホツレを
解消し、かつマトリックスゴムとの接着性が向上して、
強力、耐疲労性が良好なコードを得ることが可能な動力
伝達ベルト補強用コードおよびこの動力伝達ベルト補強
用コードを水系接着処理剤を使用して効率的に製造する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維やポリアミド繊維は、
強度、モジュラスが大きく、伸度、クリープが小さいな
どの物理的特性を有していることから、動力伝達ベルト
補強用繊維コードとして従来から使用されている。
【0003】一般に、ゴム補強用繊維は、糸条に撚りを
施してコードを形成した後、このコードに接着剤処理を
施してから実用に供されている。そして、この接着剤処
理において、タイミングベルトやローエッジVベルトな
どベルトの側面から補強用コードが露出した形態を有す
るベルト用の補強用繊維では、エポキシ化合物やイソシ
アヌレート或いはゴム糊などをトルエンなどの非水溶剤
に溶解させたものをゴムに含浸させることが行われてい
る。つまり、水系の処理剤ではフィラメント内部に接着
剤が浸透しにくく、側面において繊維単繊維のホツレが
生じるため、これを防止するためである。
【0004】すなわち、接着剤処理した繊維コードをタ
イミングベルトやローエッジVベルト用補強コードとし
て用いる場合には、予め筒状に成形し、加硫した後、引
き続き筒状に成形された繊維コード・補強ゴム複合体か
らカッターで輪状にカットすることによりベルトがつく
られるが、その際に、カット面に露出した繊維コードか
ら接着剤の含浸が不十分な単繊維が解れ(ほつれ)て、
ベルトの側面から突出することがあり、その場合にはベ
ルトとしての品質が著しく低下するばかりか、そのまま
ベルトとして用いプーリーにかけて運転すると、この単
繊維解れ部分がプーリーに擦られ、解れた単繊維が飛び
散ったり、あるいはこの解れが原因となってベルトの耐
久性が低下することになるため、上記したようにベルト
側面に特別な加工を行う必要があったのである。
【0005】これまでにも繊維コードを水系の接着処理
剤で処理する方法については種々の提案がなされてお
り、例えば特開平8−100370号公報には、無撚り
の状態の芳香族ポリアミド繊維にポリエポキシド化合物
を含む処理液を付与して熱処理した後、加撚し、次いで
レゾルシン・ホルマリン初期縮合物とゴムラテックスと
の混合物(RFL)を含む接着処理液を真空、加圧条件
下で含浸せしめた後、熱処理し、さらににRFLを含む
接着処理液で処理することによって動力伝達ベルト補強
用コードを製造する方法が記載されている。
【0006】また、特開平8−199484号公報に
は、加撚された芳香族ポリアミド繊維をポリエポキシド
化合物を含む加圧接着処理剤中を通過させた後に熱処理
し、次いでRFLを含む接着処理液で処理することによ
って、動力伝達ベルト補強用コードを製造する方法が記
載されている。
【0007】しかしながら、これらの従来方法のよう
に、水系接着処理剤を使用する場合には、コード側面か
らの繊維単繊維の解れを防止するために、上記したよう
な工程の負荷が大きな処理方法を使用しなければならな
いのが実情であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
【0009】したがって、本発明の課題は、タイミング
ベルトやローエッジVベルトなどベルトの側面から補強
用コードが露出した形態を有する動力伝達用ベルトとし
て適用した場合に、ベルト成形時にベルト端面に露出し
た繊維単繊維の解れを解消し、かつマトリックスゴムと
の接着性が向上して、強力、耐疲労性が良好なコードを
得ることが可能な動力伝達ベルト補強用コードおよびこ
の動力伝達ベルト補強用コードを水系接着処理剤を使用
して効率的に製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の動力伝達ベルト補強用コードは、主として
次の構成を有する。すなわち、強化用繊維糸条(a)
と、芯成分が融点230℃以上の熱可塑性重合体からな
り、鞘成分が融点120〜220℃の熱可塑性重合体か
らなる芯鞘複合繊維糸条(b)とから構成されるコード
に接着剤が含浸せしめられてなり、かつ前記複合繊維糸
条(b)の鞘成分の融点120〜220℃の熱可塑性重
合体により前記コードを構成する各糸条の単繊維間の少
なくとも一部が融着されていることを特徴とする動力伝
達ベルト補強用コードである。
【0011】本発明の動力伝達ベルト補強用コードにお
いては、強化用繊維糸条(a)と芯鞘複合繊維糸条
(b)との重量比a/bが100/20〜100/1の
範囲にあること、強化用繊維糸条(a)がポリエステル
繊維またはアラミド繊維であること、芯鞘複合繊維糸条
(b)の芯成分が融点230℃以上のポリエステルから
なり、同じく鞘成分が融点150〜200℃のポリエス
テルからなること、および芯鞘複合繊維糸条(b)の芯
成分と鞘成分の芯/鞘重量比が40/60〜80/20
の範囲であることが好ましい条件であり、これらの条件
を適用することにより一層すぐれた効果の取得を期待す
ることができる。
【0012】また、本発明の動力伝達ベルト補強用コー
ドの製造方法は、次の構成を有する。すなわち、強化用
繊維糸条(a)と、芯成分が融点230℃以上の熱可塑
性重合体からなり、鞘成分が融点120〜220℃の熱
可塑性重合体からなる芯鞘複合繊維糸条(b)とからな
るコードを、ポリエポキシド化合物を含む第1水系接着
処理剤で処理した後、引き続いてレゾルシン・ホルマリ
ン初期縮合物とゴムラテックスを含む第2水系接着処理
剤で処理する動力伝達ベルト補強用コードの製造方法で
あって、前記第1水系接着処理剤で処理した後および/
または前記第2水系接着処理剤で処理した後に、前記芯
鞘複合繊維糸条(b)の鞘成分の融点以上の温度で熱処
理することを特徴とする動力伝達ベルト補強用コードの
製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳述する。
本発明の動力伝達ベルト補強用コードは、強化用繊維糸
条(a)と、芯成分が融点230℃以上の熱可塑性重合
体からなり、鞘成分が融点120〜220℃の熱可塑性
重合体から構成される芯鞘複合繊維糸条(b)とからな
る。
【0014】本発明における強化用繊維糸条(a)と
は、動力伝達ベルト補強用コードの強度を主に受け持つ
繊維であり、その具体例としてはポリエステル繊維、ア
ラミド繊維、液晶性ポリエステル繊維、ポリビスベンズ
イミダゾベンゼンジフェナントリン繊維、ポリアミドイ
ミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール
繊維、ポリエーテルケトン繊維、ポリアミド繊維、ガラ
ス繊維および炭素繊維などのマルチフィラメントが挙げ
られる。特に、推奨されるのはポリエステル繊維、アラ
ミド繊維である。
【0015】ここで、ポリエステル繊維とは、エチレン
テレフタレートを主たる繰り返し単位とするジカルボン
酸とグリコールからなるポリエステル繊維をいう。ジカ
ルボン酸成分の具体例としては、テレフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸および1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。ま
た、グリコール成分の具体例としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコー
ルおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙
げられる。上記ジカルボン酸成分の一部を、アジピン
酸、セバシン酸、ダイマー酸およびスルホン酸金属置換
イソフタル酸などで置き換えてもよく、また上記のグリ
コール成分の一部を、ジエチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびポリアルキ
レングリコールなどに置き換えてもよい。これらの中で
も、ジカルボン酸成分の90モル%以上がテレフタル酸
からなり、グリコール成分の90モル%以上がエチレン
グリコールからなるポリエチレンテレフタレートが最も
好適である。このポリエステルには、酸化チタン、酸化
ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タル
ク、カオリンおよびジルコニウム酸などの各種無機粒子
や架橋高分子粒子、各種金属粒子などの粒子類のほか、
必要に応じて公知の抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、イオ
ン交換剤、着色防止剤、ワックス類、シリコーンオイル
および各種界面活性剤などが添加されていてもよい。
【0016】また、アラミド繊維とは、芳香族環がアミ
ド結合で結合された繰り返し単位が全体の少なくとも8
0%以上を占める重合体からなる繊維を意味する。これ
らの重合体または共重合体からなるアラミド繊維の代表
例としては、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊
維、ポリメタフェニレンテレフタルアミド繊維およびポ
リパラフェニレン−3,4’−ジフェニルエーテル−テ
レフタルアミド繊維などを挙げることができる、このア
ラミド繊維もまた上述した公知の添加剤などを含むこと
ができる。
【0017】一方、芯成分が融点230℃以上の熱可塑
性重合体からなり、鞘成分が融点120〜220℃の熱
可塑性重合体からなる芯鞘複合繊維糸条(b)とは、繊
維糸条のフィラメントの断面が、図1に示したような芯
鞘複合の構造をなしており、芯成分1を構成する熱可塑
性重合体の融点が230℃以上、鞘成分2を構成する熱
可塑性重合体の融点が120〜220℃の繊維糸条であ
る。
【0018】本発明の動力伝達ベルト補強用コードにお
いては、強化用繊維糸条(a)と芯鞘複合繊維糸条
(b)とからなるコードを接着剤処理、例えばディッピ
ング処理する際などに、コードを構成する各糸条の単繊
維間の少なくとも一部が融着する。すなわち、芯成分を
構成する熱可塑性重合体の融点が230℃以上であり、
鞘成分を構成する熱可塑性重合体の融点が120〜22
0℃の芯鞘複合繊維を使用すると、例えばディッピング
工程の熱処理を鞘成分の融点以上、芯成分の融点以下の
温度で行うことにより、鞘成分のみを溶融状態とし、芯
成分を完全に溶融しない状態とすることが可能である。
そして、例えばディッピング工程でコードにかかる張力
により、コードを構成する各糸条の単繊維が接触する際
に、内部に硬い芯成分が残っている複合繊維では、溶融
部分の接触面積が必然的に高くなる。したがって、本発
明の芯鞘複合繊維糸条(b)を用いた場合には、融点1
20〜220℃の熱可塑性重合体単独からなる非複合繊
維糸条を用いた場合に比較して、より低い温度でコード
を構成する各糸条の単繊維間を融着させることができる
のである。
【0019】このように、動力伝達ベルト補強用コード
を構成する各糸条の単繊維間の少なくとも一部が融着し
ていることによって、コード補強ゴム複合体からカッタ
ーで切り出した場合であっても、カット面に露出したコ
ード端面の単繊維の解れやベルトの側面から突出がな
く、ベルト製造工程において解れた単繊維を機械的に取
り除いたり、切断する作業が不要となる。また、コード
を構成する繊維の単繊維間の少なくとも一部が融着して
いることにより、コードを構成する繊維の各単繊維の集
束性が高く、ベルト使用時に各単繊維に均等に応力がか
かるようになり、繰り返し応力を受けることによる疲労
に対する耐性が高くなるという効果が得られる。
【0020】ここで、芯鞘複合繊維糸条(b)の鞘成分
の融点が220℃を超える場合には、コードを構成する
各糸条の単繊維間を熱融着させるためにより高温の熱処
理を施す必要があり、コード・ゴム間の接着性を得るた
めの最適な熱処理が採用できなくなるばかりか、コード
の強度が低下することになる。一方、鞘成分の融点が1
20℃を下回る場合には、伝動ベルトの使用時に溶融す
るなどの現象が生じ、疲労性に劣るコードとなる。な
お、芯鞘複合繊維糸条(b)の鞘成分の融点は、150
〜200℃の範囲にあることがさらに好ましい。
【0021】また、芯成分の融点が230℃に満たない
と、コードのディッピング時に芯鞘複合繊維糸条(b)
の全体が軟化し、内部に硬い芯が残っている熱可塑性重
合体において溶融部分の面圧が高くなるという効果が得
られにくくなる。
【0022】このような芯成分と鞘成分を持つ芯鞘複合
繊維糸条(b)は、従来公知の溶融紡糸方法によって得
ることができる。
【0023】本発明においては、特に、芯鞘複合繊維糸
条(b)の芯成分が融点230℃以上のポリエステルか
らなり、鞘成分が融点150〜200℃のポリエステル
からなることが、製造コストも観点も含めて好ましい形
態であるといえる。
【0024】芯成分の融点が230℃以上のポリエステ
ルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リプロピレンテレフタレート、ボリブチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン2,6ナフタレートあるいはこれら
の共重合体などが挙げられる。なかでも、芯鞘複合繊維
糸条(b)の製造コストの観点から、芯成分としてポリ
エチレンテレフタレートを用いることが最も好ましい。
ここで用いるポリエチレンテレフタレートの固有粘度
は、製糸を円滑にし、低コストに抑える観点から0.6
0以上とするのが好ましい。
【0025】また、鞘成分の融点が150〜200℃の
ポリエステルとしては、イソフタル酸やアジピン酸等の
共重合ポリエステルなどが挙げられ、これら共重合ポリ
エステルの固有粘度は前記同様の観点から一般に0.6
0以上であれば良い。
【0026】なお、本発明において、熱可塑性重合体の
融点とは、示差走査熱量測定(DSC)によってもとめ
た溶融ピーク温度をいう。
【0027】芯鞘複合繊維糸条(b)においては、芯成
分と鞘成分の芯/鞘重量比が40/60〜80/20、
特に60/40〜40/60の範囲にあることが好まし
い。芯成分と鞘成分の芯/鞘重量比が前記の範囲にする
ことによって、ディッピング工程において他のフィラメ
ントとの融着するポリマ量や接触面積が十分なものにな
り、単繊維解れの抑制効果が高くなる。
【0028】また、芯鞘複合繊維糸条(b)の単繊維繊
度が3〜10デニールのときに、単繊維の解れ抑制効果
が最も高くなるので好ましい。
【0029】本発明の動力伝達ベルト補強用コードにお
いては、強化用繊維糸条(a)と芯鞘複合繊維糸条
(b)の重量比a/bが、100/20〜100/1、
特に100/20〜100/5の範囲にあることが好ま
しい。重量比a/bをこの範囲にすることによって、各
単繊維間を融着するポリマ量や接触面積が十分なものに
なり、単繊維の解れ抑制効果とコード強度のバランスが
最も好ましいものになる。
【0030】本発明の動力伝達ベルト補強用コードは、
繊維糸条に所望の構造の撚りを施しコードとした後、こ
れに接着処理剤を付与することによって製造することが
できる。
【0031】強化用繊維糸条(a)と芯鞘複合繊維糸条
(b)とから補強コードを得る際には、第1段の撚り
(下撚り)を施すときに、強化用繊維糸条(a)と芯鞘
複合繊維糸条(b)とを混繊して撚糸することが好まし
い。
【0032】本発明の製造方法においては、コードを、
一分子中にエポキシ基を2個以上有するポリエポキシド
化合物を含む第1水系接着処理剤で処理した後、引き続
いてレゾルシン・ホルマリン初期縮合物とゴムラテック
スの混合物(RFL)を含む第2水系接着処理剤で処理
する。
【0033】第1水系接着処理剤としては、ポリエポキ
シド化合物を含む水系処理剤が好ましく使用される。こ
こで用いられるポリエポキシド化合物としては、一分子
中に少なくとも2個以上のエポキシ基を、該化合物10
0gあたり0.2g当量以上含有する化合物を挙げるこ
とができる。具体的には、ペンタエリスリトール、エチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、グリセロール、ソルビトールなどの多価ア
ルコール類と、エピクロルヒドリンの如きハロゲン含有
エポキシド類との反応生成物、レゾルシン・ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ジメチルメタン、フェノール・ホ
ルムアルデヒド樹脂などの多価フェノール類と、前記ハ
ロゲン含有エポキシド類との反応生成物、過酢酸または
過酸化水素などで不飽和化合物を酸化して得られるポリ
エポキシド化合物、具体的には、3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキセンカ
ルボキシレートやビス(3,4−エポキシ−6−メチル
−シクロヘキシルメチル)アジペートなどを挙げること
ができる。特に、多価アルコール類とエピクロルヒドリ
ンとの反応生成物、つまり多価アルコールのポリグリシ
ジルエーテル化合物が優れた性能を示す点で好ましく使
用される。第1水系接着処理剤には、ブロックドイソシ
アネートおよび/またはエチレン尿素を混合して使用こ
ともできる。
【0034】ここで用いるブロックドイソシアネート化
合物とは、熱によりブロック剤が遊離して活性なイソシ
アネート化合物を生じる化合物であり、具体的にはトリ
レンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチリ
ンジイソシアネートおよびトリフェニルメタントリイソ
シアネートなどのポリイソシアネート化合物と、フェノ
ール、クレゾール、レゾルシンなどのフェノール類、ε
−カプロラクタム、バレロラクタムなどのラクタム類、
アセトキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘ
キサンオキシムなどのオキシム類およびエチレンイミン
などから選ばれたブロック化剤との反応生成物などが挙
げられる。これらのブロックドイソシアネート化合物の
なかでも、とくにε−カプロラクタムでブロックされた
芳香族ポリイソシアネート化合物およびジフェニルメタ
ンジイソシアネートの芳香族化合物を好ましく使用する
ことができる。
【0035】エチレン尿素化合物とは、加熱によりエチ
レンイミン環が開環して活性なイソシアネート化合物を
生じる化合物であり、その代表的なものとしては、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニル
メタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソ
シアネートなどの芳香族、脂肪族イソシアネートと、エ
チレンイミンとの反応生成物が挙げられる。これらエチ
レン尿素化合物の中でも、特にジフェニルメタンジエチ
レン尿素の芳香族エチレン尿素化合物を使用することに
よって良好な結果を与ることができる。
【0036】さらに、第1水系接着処理剤には、上記し
たポリエポキシド化合物とブロックドイソシアネートお
よび/またはエチレン尿素に加えて、ゴムラテックスを
混合使用することもできる。ここで用いるゴムラテック
スとしては、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共
重合ラテックスがゴムラテックスの全量の50重量%以
上を占めるものが、耐熱性、接着性の観点から好ましい
結果を与える。
【0037】そして、なかでも第1水系接着処理剤が、
ポリエポキシド化合物、ブロックドイソシアネートおよ
び/またはエチレン尿素、およびゴムラテックスを含む
場合が、ベルト成形時のベルト端面に露出した繊維糸条
の単繊維の解れを防止したうえで、さらにゴムとの高い
接着性が得られる点で好ましい。
【0038】なお、第1水系接着処理剤には、本発明の
目的を損ねない範囲で、レゾルシン・ホルマリン初期縮
合物や、処理剤の安定性を高めるための界面活性剤、酸
化防止剤などの水溶性もしくは水分散性の薬剤をさらに
添加しても構わない。
【0039】本発明の製造方法において用いる第2水系
接着処理剤は、レゾルシン・ホルマリン初期縮合物とゴ
ムラテックスとの混合物(RFL)を含むものである。
ここで用いるレゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物
とは、アルカリ触媒または酸触媒の存在下で、レゾルシ
ンとホルムアルデヒドを縮合させたものである。からる
レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物としては、レ
ゾルシンとホルムアルデヒドの仕込みモル比が1:0.
7〜1:4.0、特に1:1.0〜1:2.5の範囲で
あることが好ましい。
【0040】さらには、レゾルシン・ホルムアルデヒド
初期縮合物として、あらかじめジヒドロキシベンゼンと
ホルムアルデヒドとを無触媒または酸性触媒の下で反応
させて得られるノボラック型の樹脂を用いることが好ま
しい。この化合物の好ましい具体例としては、例えばレ
ゾルシン1モルに対してホルムアルデヒド0.7モル以
下を縮合した化合物(例えば、“スミカノール700”
(登録商標)、住友化学(株)製)である。このレゾル
シンとホルムアルデヒドのノボラック型縮合物を使用す
るに際しては、アルカリ触媒水分散液に溶解後、ホルム
アルデヒドを添加し、レゾルシンとホルムアルデヒドの
モル比を1:10〜1:2.5に調整することが好まし
い。ノボラック型の樹脂を用いることによって、生スチ
ームなどの湿熱加硫時の接着性が得られ易くなる。
【0041】ゴムラテックスとしては、動力伝達ベルト
に使用されるゴムとの接着性が確保できるラテックスを
選定使用することが好ましい。使用されるラテックスの
具体例としては、クロルスルホン化ポリエチレンラテッ
クス(CSMラテックス)、クロロプレン系ゴムラテッ
クス(CRラテックス)、アクリロニトリル−ブタジエ
ン系共重合ゴムラテックス(NBRラテックス)、カル
ボキシル基変成アクリロニトリル−ブタジエン系共重合
ゴムラテックス(カルボキシル基変成NBRラテック
ス)、スチレン−ブタジエン系共重合ゴムラテックス
(SBRラテックス)、ビニルピリジン−スチレン−ブ
タジエン共重合ゴムラテックス(VPラテックス)、ポ
リブタジエンラテックス(PBラテックス)、ブチルゴ
ムラテックス(IIRラテックス)、エチレン−プロピ
レン系ラテックス(EPラテックス)、アクリレート系
ゴムラテックスおよび天然ゴムラテックス(NRラテッ
クス)などが挙げられ、これらのラテックスを単独で、
もしくは2種以上をブレンドして用いる。
【0042】また、本発明で使用される第2水系接着処
理液において、レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合
物(RF)とゴムラテックス(L)の固形分重量比の好
適な範囲はRF/L=1/3〜1/8である。レゾルシ
ン・ホルムアルデヒド初期縮合物の比率をかかる好まし
い範囲とすることによって、繊維を柔らかくすると共
に、ゴムとの接着性を一層良好にすることができる。
【0043】さらには、第2水系接着処理剤には、上記
したブロックドイソシアネートおよび/またはエチレン
尿素や、パラクロロフェノール・レゾルシン・ホルムア
ルデヒド共縮合物を混合使用することもできる。パラク
ロロフェノール・レゾルシン・ホルムアルデヒド共縮合
物としては、2,6−ビス(2′,4′−ジヒドロキシ
−フェニルメチル)−4−クロロフェノ−ル(商品名:
“カサボンド”トーマスワン(株)製、“デナボンド”
ナガセ化成工業(株)製)が挙げられるが、なかでも特
に3核体以上を主成分とするクロロフェノール化合物
が、接着性およびディッピング工程での汚れが少ないな
どの点から好ましく用いられる。
【0044】第1水系接着処理剤の好適な付着量は、繊
維コードに対して1〜5重量%であり、第2水系接着処
理剤の好適な付着量は、繊維コードに対して1〜5重量
%である。このような付着量とすることによって、ゴム
との接着性とコードの柔軟性を確保しやすくなる。各接
着処理剤液を繊維コードに付着させるには、浸漬、ノズ
ル噴霧、ローラーによる塗布などの任意の方法を採用す
ることができる。
【0045】本発明の製造方法においては、第1水系接
着処理剤を付与した後、第2水系接着処理剤を付与した
後のいずれか、もしくは双方において、コードを芯鞘複
合繊維糸条(b)の鞘成分の融点以上の温度で熱処理す
ることが重要な要件である。好ましくは鞘成分の融点よ
り30℃以上高い温度で熱処理する。この熱処理によっ
てコードを構成する各糸条の単繊維間の少なくとも一部
が融着し、単繊維の解れ性や耐疲労性に富んだコードを
得ることができる。なお、この熱処理工程においては、
コードに0.1g/d以上の張力をかけることがより好
ましい。
【0046】次に、本発明の動力伝達ベルト補強用コー
ドの製造方法の製造手順の例について説明する。ポリエ
ステル繊維のごとき強化用繊維糸条(a)に撚りを施す
際、第1段目の撚り工程において、この強化用繊維糸条
(a)と、芯成分が融点230℃以上の熱可塑性重合体
からなり鞘成分が融点120〜220℃の熱可塑性重合
体からなる芯鞘複合繊維糸条(b)とを引き揃えて、所
望の撚数の下撚りを施す。そして、この下撚りコードを
複数本引き揃えて第2段目以降の撚りを施し、接着剤処
理を施す前の未処理コードを得る。
【0047】次いで、上記未処理コードをエポキシ化合
物を含む第1水系接着処理剤で処理した後、芯鞘複合繊
維糸条(b)の鞘成分の融点以上の温度で熱処理する。
引き続いてレゾルシン・ホルマリン初期縮合物とゴムラ
テックスを含む水系処理剤で処理し、ゴムとの接着性を
得るに最適な熱処理を施し、動力伝達ベルト補強用コー
ドとする。
【0048】かくして得られる本発明の動力伝達ベルト
補強用コードは、ベルト成形時にベルト端面に露出した
繊維単繊維の解れを解消し、かつマトリックスゴムとの
接着性が向上して、強力、耐疲労性が良好なものであ
り、また本発明の動力伝達ベルト補強用コードの製造方
法によれば、水系接着処理剤を使用して上記のすぐれた
性能を有する動力伝達ベルト補強用コードを効率的に製
造することができる。
【0049】
【実施例】以下に、実施例を挙げて、本発明の構成およ
び効果をより具体的に説明する。なお、以下の実施例に
おける各物性の測定値は下記の方法により求めたもので
ある。 (1)コード強力 (株)オリエンテック社製引っ張り試験機“テンシロ
ン”UTU−4L型を使用してJIS L 1017
(1995)に基づき測定した。 (2)繊維への接着処理剤付着量 JIS L 1017(1995)のディップピックア
ップ−質量法により求めた。 (3)コード剥離接着力 処理コードとゴムとの剥離接着力を示すものである。ゴ
ムシートの表層近くに5本のコードを埋め、150℃、
30分間、50Kg/cm2 のプレス圧で加硫し、次い
で両端の2本のコードを取り除き残りの3本のコードを
ゴムシートから速度100mm/minで剥離するのに
要した力をKgf/3本で表示したものである。 (4)解れ性 上記コード剥離接着力測定と同様に加硫したコード/ゴ
ム複合体を、カッターナイフを用いてゴム中に配列した
コードの長さ方向に切断し、切断面にコード端面が現れ
るようにした。この端面をサンドペーパー(#AA−1
50)で摩擦し、単繊維の解れ状態を観察した。結果
は、◎(極めて良好)、○(良好)、△(やや不良)、
×(不良)の4段階で評価した。 (5)疲労時強力保持率 耐疲労性を現す尺度である。JIS L 1017(1
995年)のFS疲労試験(ファイアストン法)により
行った。すなわち、厚さ1mmのゴムシート2枚の間
に、14本/inchの間隔でコードを埋め込んだトッ
ピングシートを得た。このトッピングシート2枚をコー
ドが平行になるように重ね合わせ、150℃、30分
間、50Kg/cm2 のプレス圧で加硫し、幅25m
m、長さ35cmのコード・ゴム複合体を得た。このコ
ード・ゴム複合体をプーリー径25mm、荷重50Kg
に設定したFS疲労試験機にとりつけ、250rpmの
速度で24時間稼働させた後、プーリーと接触していな
い側のコード強力を測定し、疲労試験前の強力に対する
保持率を求めた。 (6)融点 示差走査熱量計装置(DSC−50:島津製作所製)を
用いた。予め、常温にて乾燥させた試料10mgを所定
のアルミニウム−パンに封入し、室温から300℃まで
速度16℃/minで昇温し、試料の溶融に対応する吸
熱ピークの位置を試料の融点とした。
【0050】[実施例1]芯成分が糸の固有粘度0.6
5、融点250℃のポリエチレンテレフタレートであ
り、鞘成分が融点70℃のイソフタル酸25モル%共重
合ポリエチレンテレフタレートである50デニール−6
フィラメントの芯鞘複合繊維を、常法による溶融紡糸、
延伸によって作製した。芯成分と鞘成分の重量比は50
/50とした。一方、糸の固有粘度0.95のポリエチ
レンテレフタレートを溶融紡糸し、延伸した1000デ
ニール196フィラメントを作製した。上記1000デ
ニールのポリエチレンテレフタレート繊維2糸条と50
デニールの芯鞘複合繊維2糸条とを引き揃え、80回/
mのZ撚りを施した。続けて、このZ撚りコード5本を
引き揃えて150回/mのS撚りを施し、処理剤未処理
コードを得た。ポリエポキシド化合物/ブロックイソシ
アネート化合物/ゴムラテックスを、固形分で11.0
重量%/23.0重量%/66.0重量%の割合で混合
した濃度5.5%の第1水系接着処理剤を準備した。ポ
リエポキシド化合物としてはナガセ化成工業(株)製の
ソルビトールグリシジルエーテル型ポリエポキシドを、
ブロックイソシアネートとしては明成化学(株)製ブロ
ックドイソシアネート“DM60A”を、ゴムラテック
スとしては住化エイビーエス・ラテックス(株)製ビニ
ルピリジン・スチレン・ブタジエン3元共重合ラテック
ス“ピラテックスFS”を、それぞれ用いた。また、レ
ゾルシン/ホルマリン(R/F)のモル比を1/1.
5、固形分濃度を10重量%とし、通常用いられるアル
カリ触媒下で4時間熟成したR/F初期縮合物を、住化
エイビーエス・ラテックス(株)製ビニルピリジン・ス
チレン・ブタジエン3元共重合ラテックス“ピラテック
スFS”100重量部に対し14.3重量部添加し、2
4時間熟成した固形分濃度20重量%のRFL100重
量部に、ジフェニルメタン−ビス4,4’−ジエチレン
尿素の水分散液10重量部を添加し、固形分濃度12重
量%の第2水系接着処理剤を用意した。次いで、上記未
処理コードを、リッツラー社製コンピュートリータ処理
機を用いて、第1接着処理液に浸漬し、コード張力を
0.15g/dとして220℃、60秒の熱処理を行っ
た。続けて、第2接着処理液に浸漬し、240℃で60
秒の熱処理を行った。このようにして得られた処理コー
ドの特性評価結果を表1に示す。
【0051】
【表1】 なお、表1におけるポリエステル繊維の欄の1000d
×10本との記載は、コード1本中に1000デニール
の原糸が10本含まれていることを表す。また、コード
剥離接着力の測定には、タイヤ・カーカス配合のSBR
ゴムを使用している。
【0052】[比較例1]1000デニールのポリエチ
レンテレフタレート繊維2糸条を引き揃え、80回/m
のZ撚りを施し、この下撚りコード5本を引き揃えて1
50回/mのS撚りを施し、処理剤未処理コードを得た
以外は、全て実施例1と同様にテストを行った。得られ
た処理コードの特性評価結果を表1に併せて示す。
【0053】[実施例2〜5]Z撚りを施す際のポリエ
ステル繊維と芯鞘複合繊維の割合、芯鞘複合繊維の鞘成
分のポリエステルのイソフタル酸共重合比率、鞘成分の
融点、芯鞘複合繊維の単繊維繊度を表1に示したように
変更した以外は、全て実施例1と同様にテストを行っ
た。得られた処理コードの特性評価結果を表1に併せて
示す。表1の結果から明らかなように、本発明の動力伝
達ベルト補強用コードは、単繊維の解れ性、耐疲労性、
接着性が良好である。
【0054】[実施例6]芯成分が糸の固有粘度0.6
5、融点250℃のポリエチレンテレフタレートであ
り、鞘成分が融点190℃のイソフタル酸25モル%共
重合ポリエチレンテレフタレートである100デニール
−12フィラメントの芯鞘複合繊維を用意した。一方、
1500デニール1000フィラメントのアラミド繊維
(デュポン(株)製,“ケブラー”−29)を用意し
た。上記1500デニールのアラミド繊維を1糸条と、
50デニールの芯鞘複合繊維2糸条を引き揃え、100
回/mのS撚りを施した。続けて、このS撚りコード2
本を引き揃えて200回/mのZ撚りを施した。さら
に、前記Z撚りコード3本を引き揃えて200回/mの
S撚りを施すことにより、処理剤未処理コードを得た。
第1水系接着処理剤、第2水系接着処理剤共に実施例1
と同じ処理剤を用意した。次いで、上記未処理コードを
リッツラー社製コンピュートリータ処理機を用いて、第
1処理液に浸漬し、コード張力を0.20g/dとして
240℃、60秒の熱処理を行った。続けて、第2処理
液に浸漬し、240℃で60秒の熱処理を行った。この
ようにして得られた処理コードの特性評価結果を表2に
示す。
【0055】
【表2】
【0056】[比較例2]1500デニールのアラミド
繊維に100回/mのS撚りを施した。続けて、このS
撚りコード2本を引き揃えて200回/mのZ撚りを施
した。さらに、上記Z撚りコード3本を引き揃えて20
0回/mのS撚りを施し、処理剤未処理コードとした以
外は、全て実施例5と同様にテストを行った。このよう
にして得られた処理コードの特性評価結果を表2に併せ
て示す。表2の結果から明らかなように、アラミド繊維
においても同様の効果が認められる。
【0057】
【発明の効果】本発明の動力伝達ベルト補強用コード
は、水系処理剤を用いたものであっても、筒状で成形さ
れ加硫された補強用コード・ゴム複合体から輪切り状に
カットしてベルトを成形する際に、繊維軸方向にカット
されたベルト端面に露出したコードから繊維単繊維が解
れがなく、またゴムと繊維との間の接着性が優れると共
に、強力、耐疲労性が良好であることから、タイミング
ベルトやローエッジVベルトなどに好適に用いることが
できる。
【0058】また、本発明の動力伝達ベルト補強用コー
ドの製造方法によれば、水系接着処理剤を使用して上記
のすぐれた性能を有する動力伝達ベルト補強用コードを
効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動力伝達ベルト補強用コードを構成す
る1成分である芯鞘複合繊維糸条(b)を表す模式的断
面図。
【符号の説明】
1:芯成分 2:鞘成分

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化用繊維糸条(a)と、芯成分が融点
    230℃以上の熱可塑性重合体からなり、鞘成分が融点
    120〜220℃の熱可塑性重合体からなる芯鞘複合繊
    維糸条(b)とから構成されるコードに接着剤が含浸せ
    しめられてなり、かつ前記複合繊維糸条(b)の鞘成分
    の融点120〜220℃の熱可塑性重合体により前記コ
    ードを構成する各糸条の単繊維間の少なくとも一部が融
    着されていることを特徴とする動力伝達ベルト補強用コ
    ード。
  2. 【請求項2】 強化用繊維糸条(a)と芯鞘複合繊維糸
    条(b)との重量比a/bが100/20〜100/1
    の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の動力伝
    達ベルト補強用コード。
  3. 【請求項3】 強化用繊維糸条(a)がポリエステル繊
    維であることを特徴とする請求項1または2に記載の動
    力伝達ベルト補強用コード。
  4. 【請求項4】 強化用繊維糸条(a)がアラミド繊維で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の動力伝
    達ベルト補強用コード。
  5. 【請求項5】 芯鞘複合繊維糸条(b)の芯成分が融点
    230℃以上のポリエステルからなり、同じく鞘成分が
    融点150〜200℃のポリエステルからなることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の動力伝達ベル
    ト補強用コード。
  6. 【請求項6】 芯鞘複合繊維糸条(b)の芯成分と鞘成
    分の芯/鞘重量比が40/60〜80/20の範囲であ
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の動
    力伝達ベルト補強用コード。
  7. 【請求項7】 強化用繊維糸条(a)と、芯成分が融点
    230℃以上の熱可塑性重合体からなり、鞘成分が融点
    120〜220℃の熱可塑性重合体からなる芯鞘複合繊
    維糸条(b)とからなるコードを、ポリエポキシド化合
    物を含む第1水系接着処理剤で処理した後、引き続いて
    レゾルシン・ホルマリン初期縮合物とゴムラテックスを
    含む第2水系接着処理剤で処理する動力伝達ベルト補強
    用コードの製造方法であって、前記第1水系接着処理剤
    で処理した後および/または前記第2水系接着処理剤で
    処理した後に、前記芯鞘複合繊維糸条(b)の鞘成分の
    融点以上の温度で熱処理することを特徴とする動力伝達
    ベルト補強用コードの製造方法。
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