JP2004316027A - 繊維補強ゴムホース - Google Patents

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Abstract

【課題】エチレンプロピレン系ゴムと繊維との接着性に優れ、しかも、自動車のブレーキオイルホース用として好適に使用することができる繊維補強ゴムホースを提供すること。
【解決手段】少なくとも一方の層がエチレンプロピレン系ゴムからなる内層ゴム層と外層ゴム層との間に、予めポリエポキシド化合物が付着されたポリエチレンナフタレート繊維に撚糸を施すか、または、ポリエチレンナフタレート繊維に撚糸を施してからポリエポキシド化合物が付着された繊維コードに、レゾルシン・フォルマリン・ゴムラテックス(RFL)、ブロックドイソシアネート化合物、およびパラクロロフェノールとレゾルシンとをフォルムアルデヒドで共縮合した化合物を含有する処理剤を付与したポリエステル繊維コードからなる繊維補強層を設けた繊維補強ゴムホース。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維とゴムとの複合体である繊維補強ゴムホースに関するものである。さらに詳しくは、エチレンプロピレン系ゴム(EPDM)などのα−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムを使用していても繊維とゴムとの接着性に優れ、特に自動車のオイルブレーキ用高圧ゴムホースとして好適に使用することができる繊維補強ゴムホースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリエチレンテレフタレート繊維で代表されるポリエステル繊維は、比較的強度および弾性率が高いことから、タイヤ、ホース、ベルトなどのゴム補強用繊維として広く利用されている。しかし、近年ホース自身の使用される環境、条件がより厳しいものになり、より高強度、高弾性率、高耐熱性の補強繊維が求められ、またゴムについてもより耐薬品性および耐熱性に優れたエチレンプロピレン系ゴムが用いられるようになってきた。
【0003】
例えばポリエチレンテレフタレート繊維よりも高強度、高弾性率、高耐熱性であるポリエチレンナフタレート繊維から構成された補強層を有する繊維補強ゴムホースにおいて、例えば最内層に配された内面ゴム層上に、ポリエチレンナフタレート繊維からなる第1補強層が配設され、この上に補強層を保護するための外面ゴム層が配設されている。あるいは、最内層に配された内面ゴム層上に、ポリエチレンナフタレート繊維からなる第1補強層が配設され、中間ゴム層を介して第2補強層が配設され、この上に補強層を保護するための外面ゴム層が配設されている。そして、オイルブレーキホースのような場合には、通常内面ゴム層および外面ゴム層として、エチレンプロピレン系ゴム(EPDM)、あるいはエチレンプロピレン系ゴムにクロロプレンゴム(CR)やスチレンブタジエンゴム(SBR)をブレンドしたゴムが使用される。
【0004】
しかし、ポリエチレンナフタレート繊維やエチレンプロピレン系ゴムはいずれも反応性に乏しいため、繊維とゴムとの間の接着が非常に困難であるという問題がある。
【0005】
このような接着の問題を解消するため、予めエポキシ化合物を含む処理剤で処理したポリエステル繊維コードを、レゾルシン・ホルマリン・ポリブタジエンラテックス(RFL)、ブロックドイソシアネート化合物およびクロロフェノール化合物を含む処理剤で処理する方法が提案されている(特開平11−286875号公報)。しかしながら、一般にポリブタジエンラテックスは分子量が小さく、乳化しやすいために良好な接着性が得られやすい反面、加工性に問題を有している。すなわち、接着処理を施したポリエステル繊維コードを取り扱う際、該繊維コードが通過するガイド等に接着剤のスカムが推積しやすいという問題がある。このスカムの椎積が著しい場合には、該スカムが剥がれて処理コード中に混入するようになり、得られるゴムホースの品質を低下させるため、堆積したスカムを度々掃除をして除去する必要があるという工程管理上の問題となる。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−286875号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的は、エチレンプロピレン系ゴムと繊維との接着性に優れ、しかも、自動車のオイルブレーキホース用として好適に使用することができる繊維補強ゴムホースを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らの研究によれば、上記目的は、「内層ゴム層と外層ゴム層の少なくとも一方の層がエチレンプロピレン系ゴムで構成され、かつ、該内層ゴム層と外層ゴム層との間にポリエチレンナフタレートからなるポリエステル繊維コードからなる補強層を有する繊維補強ゴムホースにおいて、該ポリエステル繊維コードが、予めポリエポキシド化合物が付着されたポリエチレンナフタレート繊維に撚糸を施すか、または、ポリエチレンナフタレート繊維に撚糸を施してからポリエポキシド化合物が付着された繊維コードに、レゾルシン・フォルマリン・ゴムラテックス(RFL)、ブロックドイソシアネート化合物、および、パラクロロフェノールとレゾルシンとをフォルムアルデヒドで共縮合した化合物を含有する処理剤が付着されたポリエステル繊維コードであることを特徴とする繊維補強ゴムホース。」により達成できることが見いだされた。
【0009】
その際、ゴムラテックスは、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合ラテックスおよび/またはクロロプレンラテックスであり、全ゴムラテックス重量を基準としてクロロプレンラテックスの割合が80重量%以下であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明でいうポリエチレンナフタレートは、エチレン―2,6―ナフタレート単位を90モル%以上含んであればよく、10モル%以下の割合で適当な第3成分を含む重合体であっても差し支えない。一般にポリエチレン―2,6―ナフタレートは、ナフタレン―2,6―ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を触媒の存在下適当な反応条件のもとにエチレングリコールと縮重合せしめることによって合成される。このとき、ポリエチレン―2,6―ナフタレートの重合完結前に適当な1種または2種以上の第3成分を添加すれば、共重合ポリエステルが合成される。
【0011】
適当な第3成分としては、(a)2個のエステル形成性官能基を有する化合物;例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸;ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン―2,7―ジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのジカルボン酸;グリコール酸、p―オキシ安息香酸、p―オキシエトキシ安息香酸などのオキシカルボン酸;トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチレングリコール、p―キシリレングリコール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、p,p′―ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,4―ビス(β―ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2―ビス(p―β―ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどが挙げられる。
【0012】
上記ポリエチレンナフタレート中に二酸化チタンなどの艶消剤やリン酸、亜リン酸およびそれらのエステルなどの安定剤が含まれていてよいことはいうまでもない。
【0013】
また、ポリエチレンナフタレートの固有粘度は、0.65以上、特に0.7〜1.0の範囲であることが好ましい。ここでいう固有粘度は、ポリマーあるいは延伸前の未延伸糸をフェノールとオルトジクロロベンゼンとの混合溶媒に(容量比6:4)に溶解し、35℃で測定した粘度から求めた値である。固有粘度が0.65未満では、補強用繊維として要求される高強度、高タフネスな糸質の繊維を得難くなる。一方、1.0を超える場合には、紡糸工程が不良となりやすく、実用上望ましくない。
【0014】
これらのポリエチレンナフタレート繊維は、その単繊維繊度、フィラメント数、断面形状、繊維物性、微細構造などは特に限定を受けるものではなく、目的に応じて適宜選択設定すればよい。
【0015】
本発明にかかるポリエステル繊維コードは、上記ポリエチレンナフタレート繊維を素材としてなるフィラメント糸、スパン糸またはフィラメント糸とスパン糸からなる繊維コードに後述する接着処理を施したものであり、その単繊維繊度や糸繊度、撚り数、合糸数を用途に応じて適宜設定すればよい。
【0016】
ここで接着処理は、まず第1に、ポリエチレンナフタレート繊維を撚糸してコードとする前に、例えば製糸段階などでポリエポキシ化合物を付与するか、または撚糸して繊維コードとした後にポリエポキシ化合物を付与する。
【0017】
ここで使用されるポリエポキシド化合物は、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を該化合物100g当たり0.2g当量以上含有する化合物が好ましい。例えば、エチレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類とエピクロルヒドリンの如きハロゲン含有エポキシド類との反応生成物、レゾルシン・ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルメタン、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類と前記ハロゲン含有エポキシド類との反応生成物、過酢酸または過酸化水素等で不飽和化合物を酸化して得られるポリエポキシド化合物などを挙げることができ、具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキセンエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキセンメチル−3,4−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチル−シクロヘキシルメチル)アジペートなどを挙げることができる。これらのうち、特に多価アルコールとエピクロルヒドリンとの反応生成物、すなわち多価アルコールのポリグリシジルエーテル化合物が優れた性能を発現するので好ましい。
【0018】
かかるポリエポキシド化合物は、通常乳化液または溶液として使用する。乳化液または溶液とするには、例えばこれらポリエポキシド化合物をそのまま、あるいは必要に応じて少量の溶媒に溶解したものを、公知の乳化剤、例えばアルキルベンゼンスルフォン酸ソーダ、ジオクチルスルフォサクシネートナトリウム塩、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物等を用いて乳化または溶解する。
【0019】
かかるポリエポキシ化合物を含む処理剤を、予めポリエチレンナフタレート繊維に付与した後に撚糸して繊維コードとする場合には、該処理剤は通常油剤と共に製糸工程で付与する。この際、該ポリエポキシド化合物の付着量は、0.1〜5.0重量%の範囲とするのが好ましい。該ポリエポキシド化合物の付着量が0.1重量%未満では、ポリエポキシド化合物の効果が十分に発揮されず、対象ゴムとの間で満足できる接着性が得られなくなるおそれがある。一方、該ポリエポキシド化合物の付着量が5.0重量%を超える場合には繊維が非常に硬くなり、製糸の工程安定性が低下するだけでなく、後述する工程での処理剤の浸透性が低下する結果、接着性能が低下するので好ましくない場合が多い。
【0020】
一方、ポリエチレンナフタレート繊維に撚糸を施した後にポリエポキシ化合物を付与する場合には、該ポリエポキシ化合物を含む処理剤と共にブロックドポリイソシアネート化合物を併用することが好ましい。ここでブロックドポリイソシアネート化合物とは、ポリイソシアネート化合物とブロック化剤との付加物であり、加熱によりブロック成分が遊離して活性なポリイソシアネート化合物を生ぜしめるものである。ポリイソシアネート化合物としては、例えばトリレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のポリイソシアネート、あるいはこれらポリイソシアネートと活性水素原子を2個以上有する化合物、例えばトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリアルキレングリコール等とをイソシアネート基(−NCO)とヒドロキシル基(−OH)の比が1を越えるモル比で反応させて得られる末端イソシアネート基含有の多価アルコールアダクトポリイソシアネートなどがあげられる。特にトリレジンイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートの如き芳香族ポリイソシアネートが優れた性能を発現するので好ましい。
【0021】
ブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、クレゾール、レゾルシノール等のフェノール類、ジフェニルアミン、キシリジン等の芳香族第2級アミン類、フタル酸イミド類、カプロラクタム、バレロラクタム等のラクタム類、アセトキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサンオキシム等のオキシム類および酸性亜硫酸ソーダなどがある。
【0022】
かかるブロックドイソシアネート化合物、通常乳化液、分散液または溶液として使用する。乳化液、分散液または溶液とするには、例えばこれらブロックドイソシアネート化合物をそのまま、あるいは必要に応じて少量の溶媒に溶解したものを、公知の乳化剤、例えばアルキルベンゼンスルフォン酸ソーダ、ジオクチルスルフォサクシネートナトリウム塩、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物等を用いて乳化、分散または溶解する。
【0023】
上記ポリエポキシド化合物とブロクッドポリイソシアネート化合物と配合比は特に限定する必要はないが、通常はポリエポキシド化合物1重量部に対してブロクッドポリイソシアネート化合物を2〜5重量部配合する。なお、処理剤中のポリエポキシ化合物の濃度は3.0重量%以下、好ましくは0.5〜2.0重量%の範囲とするのが、取扱い性の点で好ましい。
【0024】
このように、撚糸した繊維コードにポリエポキシド化合物とブロクッドポリイソシアネート化合物とが配合された処理剤を付与する場合には、その付着量を繊維重量に対して1.0〜8.0重量%、好ましくは3.0〜5.0重量%の範囲とするのが好ましい。
【0025】
本発明においては、上述のポリエポキシド化合物が付与された繊維コードに、レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテック(RFL)、上述と同様のブロックドイソシアネート化合物、および、パラクロロフェノールとレゾルシンとをフォルムアルデヒドで共縮合した化合物(特殊クロロフェノール化合物)を含有する処理剤を付与する。ここでレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスは、通常RFLと呼ばれているものであり、レゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物(RF)とゴムラテックス(L)とを混合熟成したものが使用される。該レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比は1:0.1〜1:8の範囲、好ましくは1:0.5〜1:5、特に1:1〜1:3とすることが望ましい。また、RFとLの混合比は、後述する特殊クロロフェノール化合物の含有量によって変わるが、RFと特殊クロロフェノール化合物の合計量とゴムラテックスとの固形分量比が1:1〜15、好ましくは1:3〜12の範囲となるようにするのが望ましい。なお、ここで用いられるゴムラテックは、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合ラテックスおよび/またはクロロプレンゴムラテックスであり、全ゴムラテックス重量を基準としてクロロプレンゴムラテックスの割合が80重量%以下であることが好ましく、特に両ラテックスの混合物でありその混合重量比がスチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合ラテックス/クロロプレンゴムラテックスラテックス=2/8〜8/2の範囲にあることが好ましい。
【0026】
次に、上記RFLと併用しうるブロックドイソシアネート化合物としては、前述の化合物をあげることができる。その使用量は多すぎても少なすぎても充分な接着性を得ることが困難になるので、RFL固形分重量を基準として2〜40重量%、好ましくは5〜35重量%の範囲とするのが適当である。
【0027】
また、上記RFLに配合される特殊クロロフェノール化合物は、パラクロルフェノールおよびレゾルシンをホルムアルデヒドと共縮合した化合物であり、例えばナガセ化成株式会社製:「デナボンド」が好ましく用いられる。かかる特殊クロロフェノール化合物とRFとの配合比率は、被着ゴムの配合によっても微妙に変化するが、1/1.5〜1/2.5(RF/特殊フェノール化合物:重量比)の範囲とするのが好ましい。
【0028】
かかる処理剤の付着量は、繊維重量に対して0.5〜6.0重量%、好ましくは1.0〜5.0重量%の範囲となるようにするのが好ましい。
【0029】
本発明においては、前記の撚糸したポリエチレンナフタレート繊維コードにポリエポキシ化合物含有処理剤を付与する際には、100〜180℃で1〜5分間、好ましくは1〜3分間乾燥し、ついで180〜260℃、好ましくは220〜250℃の温度で0.5〜5.0分間、好ましくは1〜3分間熱処理する。次いでRFL、ブロックドイソシアネート化合物および特殊フェノール化合物を含有する処理剤を付与する際には、130〜250℃で0.5〜5分間、好ましくは1〜3分間乾燥し、ついで150〜260℃、好ましくは220〜250℃の温度で0.5〜5.0分間、好ましくは1〜3分間熱処理する。熱処理温度が低すぎるとゴム類との接着が不十分となりやすく、一方温度が高すぎると処理剤自身の硬化が起こり、繊維を硬くしたり、コード強力劣化を起こしたりして実用に供し難くなる。
【0030】
処理されたポリエステル繊維コードは、公知の技術、例えば、チューブゴムよりなる内層ゴム層の上に、ブレーダーにより所定密度になるよう所定の角度を付けて配設される。必要に応じて、さらにこの上に層間ゴムシートを配した後、再度該ポリエステル繊維コードはブレーダーにより所定回数配設される。最後に、外側繊維コードを保護するためのカバーゴムからなる外層ゴム層が配設された後、例えば蒸気加硫釜中で蒸気加硫されて繊維補強ゴムホースとされる。なお、前記繊維コードの配設は共にスパイラル構造にしてもよい。また、加硫は蒸気加硫でも金型を利用したプレス法でもよい。
【0031】
本発明においては、自動車のエンジンルーム内などで使用されるホース、特にブレーキオイル用の高圧ゴムホースのような、耐候性、耐薬品性を良好にし、高温高圧の雰囲気下で使用できるようにするため、内層ゴム層と外層ゴム層の少なくとも一方の層、好ましくは内層ゴム層、層間ゴム層及び外層ゴム層のいずれにも、高温特性に優れたエチレンプロピレン系共重合体ゴムとすることが必要である。
【0032】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例における特性の評価は下記の方法にしたがって測定した。
【0033】
<コード剥離接着力>
接着処理された繊維コードを25.4mm間に25本並べ、エチレンプロピレン系共重合体(表1に記載の配合)未加硫ゴムに埋め込み、温度150℃、圧力4.91MPa(50kg/cm)下、30分間プレス加硫する。次いで、繊維コードをゴムから剥離させるときに要した力(N/25.4mm)を測定する。
【0034】
<スカム発生状態>
接着処理された繊維コードを2本合糸した後、ブレーダーを使用して編組した。このときのガイド付近に発生するディップカスの様子を目視で確認した。スカムがほとんど発生することなく良好な工程通過性を示した場合は○、スカムが発生しブレーダー装置に付着した場合は×とした。
【0035】
<ホース接着力>
JIS K 6330−6:1998により加硫後のホースを幅1インチのリング状に切断して剥離試験に供した。剥離速度は50mm/分になるように調節し剥離後の繊維側のゴム付を確認し、ゴム付良好なものは○、ゴム付不良の場合は×で表した。
【0036】
[実施例1〜2、比較例1〜2]
ポリエチレンナフタレートからなる1110dtex、250フィラメントのポリエステル繊維(帝人株式会社製)に10T/10cmの撚りをかけ撚糸コードとし、ポリエポキシド化合物(商品名:デナコールEX611;ナガセ化成株式会社製、ソルビトールグリシジルエーテル)とブロックドポリイソシアネート化合物(商品名:S3;明成化学工業株式会社製)を有効成分量比率で20:80に混合したものを、5重量%水分散液に調整した処理液に浸漬し、たるまない程度のテンションをかけ150℃下2分間乾燥させ、次いで235℃で1分間の熱処理を行った。
【0037】
次いで、下記方法で調整した処理剤中に上記処理コードを浸漬した後、220℃で1分間の熱処理を行った。得られた接着処理ポリエステル繊維コードには、ポリエポキシド化合物処理剤の付着量が0.8重量%、RFL処理剤の固形分が1.2重量%付着していた。
【0038】
処理剤の調整
苛性ソーダ水溶液およびアンモニア水溶液を加えた水に、酸性触媒で反応したレゾルシン・ホルマリン初期縮合物(住友化学(株)製、スミカノール700S:65%水溶液)を添加して十分に攪拌し分散させる。これにホルマリンをレゾルシン/ホルマリン(R:F)比が1:2(モル比)となるように添加して均一に混合し、温度20℃で2時間熟成させた。次に、ニッポール2518FS(日本ゼオン(株)製、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジンターポリマー(Vp)水乳化物)およびLT−50(電気化学工業(株)製、クロロプレンゴムラテックス(CR):50%乳化物)を所定の割合で混合したものを、前記レゾルシン・ホルマリン初期縮合分散液と固形分比率(RF/L比)で1:9(重量比)、また、エラストロンBN69(第一工業製薬(株)製、ジフェニルメタンジイソシアネートメチルエチルケトンオキシムブロック化合物:33%水分散物)をRFLと固形分比率で6:1(重量比)となるよう加えてさらに温度20℃で24時間熟成させた。繊維処理使用直前にデナボンド(ナガセ化成工業(株)製、特殊クロロフェノール化合物20%溶液)をRFLの固形分対比で30%(重量比)となるよう添加し、十分攪拌して処理剤の調整を行った。なお、該処理剤の粘度、付着量のコントロールは処理剤への水の添加希釈により調節した。
【0039】
得られた接着処理ポリエステル繊維コードを交差角108度でエチレンプロピレン系共重合体ゴムからなる内管ゴムにブレードし、その上に同じくエチレンプロピレン系共重合体ゴムからなる外管ゴムを配置した。得られたホースを150℃の蒸気加硫釜中で30分間加硫してホースを得た。表2に結果を示す。なお、コード剥離接着力の測定に使用した未加硫ゴムは表1記載のとおりである。
【0040】
得られた本発明のホース(実施例1、2)を自動車のブレーキオイルホース用として使用したところ長期間安定して使用することができた。
【0041】
【表1】
Figure 2004316027
【0042】
【表2】
Figure 2004316027
【0043】
【発明の効果】
本発明の繊維補強ゴムホースに用いられるポリエステル繊維コードは、先ずポリエポキシ化合物を含む処理剤により繊維表面が活性化され、次いでレゾルシン・フォルマリン・ニトリル・ゴムラテックス(RFL)、ブロックドイソシアネート化合物、および、パラクロロフェノールとレゾルシンとをフォルムアルデヒドで共縮合した化合物を含有する処理剤が付与されているので、エチレンプロピレン系共重合体ゴムと優れた接着性能を示す。したがって、該繊維コードからなる補強層を有する本発明の繊維補強ゴムホースは、耐熱性および接着性に優れ、自動車のオイルブレーキ用高圧ゴムホースなどのような高度な特性が要求される分野にも好適に使用することができる、極めて有用なものである。

Claims (3)

  1. 内層ゴム層と外層ゴム層の少なくとも一方の層がエチレンプロピレン系ゴムで構成され、かつ、該内層ゴム層と外層ゴム層との間にポリエチレンナフタレートからなるポリエステル繊維コード補強層を有する繊維補強ゴムホースにおいて、該ポリエステル繊維コードが、予めポリエポキシド化合物が付着されたポリエチレンナフタレート繊維に撚糸を施すか、または、ポリエチレンナフタレート繊維に撚糸を施してからポリエポキシド化合物が付着された繊維コードに、レゾルシン・フォルマリン・ゴムラテックス(RFL)、ブロックドイソシアネート化合物、および、パラクロロフェノールとレゾルシンとをフォルムアルデヒドで共縮合した化合物を含有する処理剤が付着されたポリエステル繊維コードであることを特徴とする繊維補強ゴムホース。
  2. ゴムラテックスが、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合ラテックスおよび/またはクロロプレンラテックスであり、全ゴムラテックス重量を基準としてクロロプレンラテックスの割合が80重量%以下である請求項1に記載の繊維補強ゴムホース。
  3. 請求項1または2記載の繊維補強ゴムホースよりなる自動車のブレーキオイル用ゴムホース。
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