JP2000336474A - パーティクルの発生が少なくかつ高強度な誘電体薄膜形成用スパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents
パーティクルの発生が少なくかつ高強度な誘電体薄膜形成用スパッタリングターゲットの製造方法Info
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Abstract
リングターゲットの製造方法を提供する。 【解決手段】 PbとZrとTiの複合酸化物粉末また
はPbとZrとLaとTiの複合酸化物粉末などの複合
酸化物粉末を、還元雰囲気中、温度:845〜900℃
でホットプレスする誘電体薄膜形成用スパッタリングタ
ーゲットの製造方法。
Description
が少なくかつ高強度な誘電体薄膜形成用スパッタリング
ターゲットの製造方法およびその製造方法で作製したス
パッタリングターゲットに関するものである。
ルター、さらにキャパシター膜や不揮発性メモリーなど
の誘電体薄膜としてPbとZrとTiを含む複合酸化物
膜、例えばPbTiO3 (チタン酸鉛)膜、(PbL
a)TiO3 (チタン酸鉛ランタン)膜、Pb(ZrT
i)O3 (ジルコン酸チタン酸鉛)膜、(PbLa)
(ZrTi)O3 (ジルコン酸チタン酸鉛ランタン)膜
などがあることは知られており、この誘電体薄膜はPb
とZrとTiを含む複合酸化物粉末の焼結体からなター
ゲットをスパッタすることにより得られることも知られ
ている。
酸化物粉末の焼結体からなるターゲットは、通常、Pb
とZrとTiを含む複合酸化物粉末を冷間静水圧プレス
により予備成形し、得られた予備成形体を800〜90
0の範囲内の温度で焼結する方法により製造されるが、
このようにして得られたターゲットはパーティクルが多
くまた機械的強度が低い。また、近年、金属Pb粉末を
PbとZrとTiを含む複合酸化物粉末に混合して混合
粉末を作製し、得られた混合粉末を焼結することにより
酸素欠損したPbとZrとTiを含む複合酸化物の焼結
体からなる低抵抗を示すターゲットの製造方法が提案さ
れている。この方法で得られたターゲットは、1.5V
印加して測定した電気抵抗が10Ω・cm以下の低抵抗
を示すといわれているが、原料粉末の混合粉末に金属P
b粉末を含むところから焼結温度を上げることができな
い。そのため、複合酸化物粉末相互の焼結結合が不十分
となって機械的強度が弱く、ターゲットの大型化には限
界があると共にスパッタリング時に発生するパーティク
ルの数が増大して不良な誘電体膜の発生率が増大する。
とコスト削減のために大型のターゲットが求められてお
り、さらにパーティクルの発生を抑制して誘電体膜の不
良品発生率を抑えることのできるターゲットが求められ
ており、この発明は、これら要求を満たすことのできる
ターゲットを提供することを目的とするものである。
クルの発生が少なくかつ高強度な誘電体薄膜形成用スパ
ッタリングターゲットを得るべく研究を行なった結果、
PbとZrとTiを含む複合酸化物粉末を、還元雰囲気
中、温度:845〜900℃でホットプレスすると、複
合酸化物粉末の一部が還元されたPbとZrとTiを含
む複合酸化物粉末の焼結体からなるターゲットが得ら
れ、このターゲットを用いてスパッタするとスパッタに
よるパーティクルの発生が従来よりも一層抑制され、ま
たこの方法で得られたターゲットは従来よりも優れた機
械的強度を有するという知見を得てこの発明に至ったも
のである。
たものであって、PbとZrとTiを含む複合酸化物粉
末を、還元雰囲気中、温度:845〜900℃でホット
プレスする製造方法に特徴を有するものである。
て、雰囲気を還元雰囲気(特にCO雰囲気)中でホット
プレスすることが必要であり、その時の温度は845〜
900℃の範囲にあることが好ましい。ホットプレス温
度が845℃未満では十分な強度を有するターゲットは
得られず、一方、900℃を越えた温度でホットプレス
するとPb酸化物の還元反応が進み過ぎてしまうため、
金属Pbが焼結体の外部まで染み出てくるので好ましく
ないという理由によるものである。また、前記ホットプ
レスする際に付加する荷重は100〜300kg/cm
2 の範囲内にあることが好ましい。
製造方法を実施例により具体的に説明する。原料粉末と
して、いずれも平均粒径が4μmにして、純度が99.
9%以上のPbO粉末、ZrO2 粉末、La2 O3 粉
末、TiO2 粉末を用意した。
合し、またPbO粉末、ZrO2 粉末、La2 O3 粉末
およびTiO2 粉末を混合し、大気中にて780℃、3
時間保持の条件で仮焼し、これら複合酸化物を乳鉢にて
粉砕し、再度大気中にて1050℃、3時間保持の条件
で仮焼し、表1に示される成分組成のPbとZrとTi
を含む複合酸化物およびPbとZrとLaとTiを含む
複合酸化物を作製し、これら複合酸化物をボールミルに
て粉砕し、200μmアンダーに分級しPbとZrとT
iを含む複合酸化物粉末およびPbとZrとLaとTi
を含む複合酸化物粉末を作製した。
ト製のモールドを用意し、このモールドに表1に示され
る成分組成のPbとZrとTiを含む複合酸化物粉末お
よびPbとZrとLaとTiを含む複合酸化物粉末を充
填し、表1に示される温度、加熱時間、および荷重の条
件でホットプレスを行い、ホットプレス焼結体を作製し
た。前記アルミナ粉末を塗布したグラファイト製のモー
ルドを用いてホットプレスすると、アルミナとグラファ
イトが反応してCOガスが発生し、モールド内はCOガ
スの還元性雰囲気を形成していた。この様にして得られ
たホットプレス焼結体に旋盤加工を施して外径:152
mm×厚さ:5mmの寸法とするターゲットを作製した。
合酸化物粉末を冷間静水圧成形により予備成形し、得ら
れた予備成形体を表2に示される温度および加熱時間の
条件で通常の大気雰囲気中焼結を行い、得られた焼結体
に旋盤加工を施して外径:152mm×厚さ:5mmの寸法
とすることによりターゲットを作製した。
粉末を表2に示される割合で添加し、プレス成形した
後、表2に示される温度および加熱時間の条件で通常の
大気雰囲気中で焼結し、得られた焼結体に旋盤加工を施
して外径:152mm×厚さ:5mmの寸法とすることによ
りターゲットを作製した。
たターゲットについて3点曲げ試験をJISR1601
に従って行い、抗折強度を測定し、その結果を表1,2
に示した。
で得られたターゲットをIn−Sn合金はんだ(Sn:
30重量%含有)を用い、無酸素銅製基板にろう付けし
た状態で、 電源:高周波方式、 電力:300W、 雰囲気ガス組成:Ar、 スパッタガス圧:1Pa、 ターゲットと誘電体薄膜形成基体との距離:80mm、 スパッタ時間:5分、 の条件で外径:152mmの単結晶Siウェハー(基体)
の表面に0.1μmの厚さの誘電体薄膜を形成し、スパ
ッタにより発生したパーティクルをパーティクルカウン
ターで測定し、その結果を表1,2に示した。
6で作製したターゲットは、従来例1〜4で作製したタ
ーゲットに比べて抗折強度に優れ、さらに、このターゲ
ットを用いてスパッタする際に発生するパーティクルの
数も格段に少ないことが分かる。
明らかなように、この発明の製造方法により作製したタ
ーゲットは、従来の製造方法により作製したターゲット
に比べて機械的強度が格段に優れているところから、タ
ーゲットの径を従来よりも大きくしてスパッタの作業効
率を向上させることができ、さらにパーティクルの発生
数が少ないところから誘電体膜の歩留まりを従来よりも
改善することができるなど優れた効果を奏するものであ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 PbとZrとTiを含む複合酸化物粉末
を還元雰囲気中、温度:845〜900℃でホットプレ
スすることを特徴とするパーティクルの発生が少なくか
つ高強度な誘電体薄膜形成用スパッタリングターゲット
の製造方法。 - 【請求項2】 前記PbとZrとTiを含む複合酸化物
粉末の一部を請求項1の製造方法で還元して作製したP
bとZrとTiを含む複合酸化物の焼結体からなり、抗
折強度が7kgf/mm2 以上有することを特徴とする
パーティクルの発生が少なくかつ高強度な誘電体薄膜形
成用スパッタリングターゲット。 - 【請求項3】 PbとLaとZrとTiの複合酸化物粉
末を還元雰囲気中、温度:845〜900℃でホットプ
レスすることを特徴とするパーティクルの発生が少なく
かつ高強度な誘電体薄膜形成用スパッタリングターゲッ
トの製造方法。 - 【請求項4】 前記PbとLaとZrとTiを含む複合
酸化物粉末の一部を請求項3の製造方法で還元して作製
したPbとLaとZrとTiを含む複合酸化物の焼結体
からなり、抗折強度が7kgf/mm2 以上有すること
を特徴とするパーティクルの発生が少なくかつ高強度な
誘電体薄膜形成用スパッタリングターゲット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11146038A JP2000336474A (ja) | 1999-05-26 | 1999-05-26 | パーティクルの発生が少なくかつ高強度な誘電体薄膜形成用スパッタリングターゲットの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11146038A JP2000336474A (ja) | 1999-05-26 | 1999-05-26 | パーティクルの発生が少なくかつ高強度な誘電体薄膜形成用スパッタリングターゲットの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000336474A true JP2000336474A (ja) | 2000-12-05 |
Family
ID=15398711
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP11146038A Pending JP2000336474A (ja) | 1999-05-26 | 1999-05-26 | パーティクルの発生が少なくかつ高強度な誘電体薄膜形成用スパッタリングターゲットの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000336474A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102017106405A1 (de) | 2016-03-29 | 2017-10-05 | Tdk Corporation | Piezoelektrisches keramisches sputtertarget, bleifreier piezoelektrischer dünnfilm und piezoelektrisches dünnfilmelement unter verwendung der selbigen |
DE102017106421A1 (de) | 2016-03-29 | 2017-10-05 | Tdk Corporation | Piezoelektrisches keramik-sputtertarget, bleifreier piezoelektrischer dünnfilm und piezoelektrisches dünnfilmelement unter verwendung desselben |
-
1999
- 1999-05-26 JP JP11146038A patent/JP2000336474A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102017106405A1 (de) | 2016-03-29 | 2017-10-05 | Tdk Corporation | Piezoelektrisches keramisches sputtertarget, bleifreier piezoelektrischer dünnfilm und piezoelektrisches dünnfilmelement unter verwendung der selbigen |
DE102017106421A1 (de) | 2016-03-29 | 2017-10-05 | Tdk Corporation | Piezoelektrisches keramik-sputtertarget, bleifreier piezoelektrischer dünnfilm und piezoelektrisches dünnfilmelement unter verwendung desselben |
US10593863B2 (en) | 2016-03-29 | 2020-03-17 | Tdk Corporation | Piezoelectric ceramic sputtering target, lead-free piezoelectric thin film and piezoelectric thin film element using the same |
US10700260B2 (en) | 2016-03-29 | 2020-06-30 | Tdk Corporation | Piezoelectric ceramic sputtering target, lead-free piezoelectric thin film and piezoelectric thin film element using the same |
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