JP2000336362A - 液晶ポリマー組成物、配向フィルム及びその製造方法 - Google Patents

液晶ポリマー組成物、配向フィルム及びその製造方法

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JP2000336362A
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crystal polymer
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film
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Masahiro Yoshioka
昌宏 吉岡
Shusaku Nakano
秀作 中野
Kiyouko Izumi
今日子 泉
Sadahiro Nakanishi
貞裕 中西
Shu Mochizuki
周 望月
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    • G02B5/30Polarising elements
    • G02B5/3016Polarising elements involving passive liquid crystal elements

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常の共重合法で液晶ポリマーを調製でき、
液晶ポリマー溶液の塗布により大面積のものが容易に効
率よく製造でき、しかも実用上問題のない条件で架橋を
行って、耐熱性に優れるモノドメイン配向フィルムを形
成し得る液晶ポリマー組成物を提供する。また、当該液
晶ポリマー組成物を配向処理後に架橋してなる、耐熱性
に優れる配向フィルム、並びにその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 側鎖末端に不飽和炭素環架橋基を有する
セグメント、光学活性基を有するセグメント、及びネマ
チック配向性を付与するセグメントを繰り返し単位とし
て有する側鎖型コレステリック液晶ポリマー、並びに
(メタ)アクリロイル基を分子内に一つ以上有する低分
子架橋剤を含有する液晶ポリマー組成物、及び、当該液
晶ポリマー組成物を配向処理後に架橋してなる配向フィ
ルム、並びにその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、側鎖末端に不飽和
炭素環架橋基を有する側鎖型コレステリック液晶ポリマ
ーと(メタ)アクリロイル基を1つ以上有する低分子架
橋剤とを含有する液晶ポリマー組成物に関する。また、
当該液晶ポリマー組成物を配向処理後に架橋してなり、
耐熱性に優れ、光学フィルム等に有用な円偏光二色性を
示す配向フィルム、並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、コレステリック液晶ポリマー
の配向フィルムからなる種々の光学フィルムが提案され
ており、液晶表示装置等への適用が期待されている。し
かしながら、このような光学フィルムはコレステリック
液晶ポリマーの溶液を配向膜上に塗布して乾燥後、ガラ
ス転移温度以上に加熱して配向処理した後、冷却して形
成されたものであることから、その耐熱性がガラス転移
温度に依存し、耐熱性に乏しいという問題点があった。
【0003】すなわち前記のコレステリック液晶ポリマ
ーからなる配向フィルムは、応力が作用しない場合に
は、等方相転移温度以下でそのグランジャン配向状態を
維持するが、応力が作用した場合にはガラス転移温度付
近で配向が崩れるため、光学持性が変化する。そして、
配向フィルムにおける応力は、例えば液晶表示装置等に
粘着層を介して偏光板や位相差板等と共に接着した場合
の如く、実用形態における使用条件下での温度変化等に
よる寸法変化等で発生し、実用形態ではむしろ応力の発
生が常態である。ちなみに偏光板の温度変化による寸法
変化の場合、それに粘着層を介し、接着した配向フィル
ムには収縮応力が発生する。
【0004】配向フィルムの耐熱性向上のための対策と
しては、ガラス転移温度の高い液晶ポリマーの使用が考
えられるが、その場合、配向フィルムの形成温度も高く
なり、配向膜やその支持基材に要求される耐熱温度も高
くなり、使用可能基材の制約や経済性などの点で不利と
なる。
【0005】一方、特開平4−12322号公報などに
は、側鎖末端にアクリロイル基等の架橋基を有するコレ
ステリック液晶ポリマーを、配向処理後に架橋させるこ
とで耐熱性を向上させる技術が開示されている。しか
し、このようなコレステリック液晶ポリマーと開始剤の
みで架橋し、耐熱性の向上を行うためには、紫外線など
の電磁波照射量を多くし、かつ同時に液晶が流動性を増
すように高温で加熱する必要があり、実用上、使用しに
くかった。また、側鎖に(メタ)アクリロイル基を架橋
基として導入するためには、通常、定量性の乏しい高分
子反応を行う必要があり、加えて液晶ポリマーの合成反
応が多段階になってしまうので、安定した品質を維持す
ることが難しく、製造コストの面からも不利である。
【0006】また側鎖末端に架橋基をもたないコレステ
リック液晶ポリマーに、一つ以上の(メタ)アクリロイ
ル基を有する低分子を添加する方法も考えられるが、こ
の方法では、低分子を添加することによって耐熱性が下
がるので、架橋によって液晶ポリマー自身の耐熱性をよ
うやく保持できる程度であり、耐熱性の向上という点で
は不十分であった。
【0007】その他、低分子の重合性コレステリック液
晶化合物からなる流動層を2枚の基板間に介在させ、紫
外線照射等により重合処理して配向フィルムとする方法
も存在する。しかし、この方法では、耐熱性の向上を図
りうるものの、製造効率に劣るという問題点が誘発す
る。なお低分子の重合性液晶化合物を紫外線照射等によ
り重合処理する方法には、大面積の配向フィルム等を得
にくいなどの問題点もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、通常の共重合法で液晶ポリマーを調製でき、液晶ポ
リマー溶液の塗布により大面積のものが容易に効率よく
製造でき、しかも実用上問題のない条件で架橋を行っ
て、耐熱性に優れるモノドメイン配向フィルムを形成し
得る液晶ポリマー組成物を提供することにある。また、
当該液晶ポリマー組成物を配向処理後に架橋してなる、
耐熱性に優れる配向フィルム、並びにその製造方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、液晶ポリマーの構造や添加剤について鋭
意研究したところ、側鎖末端に不飽和炭素環架橋基を有
する側鎖型コレステリック液晶ポリマーと(メタ)アク
リロイル基を1つ以上有する低分子架橋剤とを混合する
ことより、上記目的が達成できることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明の液晶ポリマー組成物は、後
記の化学式(化3)にて表されるセグメント、光学活性
基を有するセグメント、及びネマチック配向性を付与す
るセグメントを繰り返し単位として有する側鎖型コレス
テリック液晶ポリマー、並びに(メタ)アクリロイル基
を分子内に一つ以上有する低分子架橋剤を含有するもの
である。
【0011】本発明の液晶ポリマー組成物によれば、各
セグメントを構成するモノマーを共重合するだけで側鎖
末端に架橋基をもつ液晶ポリマーが合成でき、その液晶
ポリマーを溶液化してそれを塗布乾燥し、ガラス転移温
度以上に加熱後、冷却する方式にて配向処理できる。更
に、その配向処理層を配向の乱れを生じることなく、含
有する(メタ)アクリロイル含有の低分子架橋剤を介
し、実用上問題のない条件で架橋処理して耐熱性を向上
させることができる。したがって従来のコレステリック
液晶ポリマーに準じた低温で配向処理できる上に、耐熱
性に優れるモノドメイン配向フィルムの大面積体も容易
に効率よく製造することができる。また上記低分子架橋
剤はそれによる着色がほとんどないという特徴も有す
る。
【0012】上記において、前記有機基Aが、化学式:
1 (CH2Y22 (ただし、Z1 及びZ2
−COO−、−O−、−OCO−、−(CH2K
(K:0〜6の整数)から選択される基で、それぞれ同
一でも違っていてもよく、Yは0〜l2の整数、R2
後記の化学式(化4)にて表される有機基である。)に
て表される有機基であり、前記有機基Bがパラ置換環状
有機基であり、前記有機基Dが化学式:Z3 (CH2
X4 (ただし、X=0の場合、Z3 は−(CH2)L
−(L:0〜6の整数)でZ4 は−COO−、−O−、
−OCO−、−(CH2N ‐(N:0〜6の整数)で
あり、1≦X≦10の場合はZ3 およびZ 4 は−COO
−、−O−、−OCO−、−(CH2N −(N:0〜
6の整数)であり、それぞれ同一でも違っていてもよ
い。)にて表わされる有機基であることが好ましい。こ
のような有機基の組合せにより、側鎖型コレステリック
液晶ポリマーの配向性が好適に維持される。
【0013】一方、本発明の配向フィルムは、上記何れ
かに記載の液晶ポリマー組成物に含有される前記側鎖型
コレステリック液晶ポリマーが、モノドメイン配向を維
持しつつ、前記低分子架橋剤により架橋されているもの
である。本発明の配向フィルムは、大面積のものが容易
に効率よく製造でき、しかも耐熱性に優れたモノドメイ
ン配向フィルムとすることができる。
【0014】他方、本発明の配向フィルムの製造方法
は、上記何れかに記載の液晶ポリマー組成物を配向処理
した後、電磁波照射及び加熱の少なくとも何れかにより
架橋処理するものである。本発明の製造方法によると、
液晶ポリマー溶液の塗布により大面積のものが容易に効
率よく製造でき、しかも実用上問題のない条件で架橋を
行って、耐熱性に優れるモノドメイン配向フィルムを形
成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明における側鎖型コレステリ
ック液晶ポリマーは、化学式(化3)にて表されるセグ
メント、光学活性基を有するセグメント、及びネマチッ
ク配向性を付与するセグメントを繰り返し単位として有
するものである。
【0016】
【化3】 (ただし、R1 は水素またはメチル基であり、A、B、
Dは有機基であり、1≦n≦100、0≦m+p≦10
である。) ここで、A、B、Dは、側鎖末端の架橋基の反応性だけ
を考慮すると、特に限定されないが、側鎖型コレステリ
ック液晶ポリマーの配向性などを考慮すると下記のもの
が好ましい。
【0017】即ち、前記有機基Aとしては、化学式: Z1 (CH2Y22 (ただし、Z1 及びZ2 は −COO−、−O−、−O
CO−、−(CH2K−(K:0〜6の整数)から選
択される基で、それぞれ同一でも違っていてもよく、Y
は0〜l2の整数、R2 は化学式(化4)にて表される
有機基である。)にて表される有機基が好ましい。
【0018】
【化4】 (ただし、Y=0のときh=0であり、1≦Y≦12の
ときh=1であって、fは1もしくは2である。) 前記有機基Bとしては、パラ置換環状有機基が好まし
く、例えば化学式(化5)にて表される有機基が例示さ
れる。
【0019】
【化5】 上記(化5)にて例示された有機基の中でも、特に化学
式(化6)にて例示される有機基が好ましい。
【0020】
【化6】 前記有機基Dとしては、化学式: Z3 (CH2X4 (ただし、X=0の場合、Z3 は−(CH2L
(L:0〜6の整数)でZ4は−COO−、−O−、−
OCO−、−(CH2N ‐(N:0〜6の整数)であ
り、1≦X≦10の場合はZ3 およびZ4 は−COO
−、−O−、−OCO−、−(CH2N −(N:0〜
6の整数)であり、それぞれ同一でも違っていてもよ
い。)にて表わされる有機基が好ましい。
【0021】本発明における側鎖型コレステリック液晶
ポリマーは、任意の方法で合成できるが、各モノマーを
別途合成した後に共重合する方法が、簡便に各セグメン
トの組成比を制御できるので好ましい。
【0022】例えば、式(a3)で表わされる末端シク
ロヘキセニル基含有のコレステリック液晶ポリマーの合
成例としては、下記のスキーム(化7)に示すものが挙
げられる。
【0023】
【化7】 即ち、上記においては、まず4−(4’−ヒドロキシフ
ェニル)安息香酸を水酸化ナトリウム水溶液中、クロロ
炭酸メチルを加え室温で撹拌して水酸基を保護した後、
1−ヒドロキシメチル−3−シクロヘキセンを反応させ
てシクロヘキセニル基を導入し、その後25%アンモニ
ア水/テトラヒドロフラン(1/10)中で加熱還流し
保護基を切断する。これと、4−(2−プロペノイルオ
キシエトキシ)安息香酸とを、ジメチルアミノピリジン
を触媒とし、ジシクロヘキシルカルボジイミドによりエ
ステル化することで、シクロヘキセニル基含有モノマー
を得ることができる。また、これと同様の方法により化
学式(化3)にて表されるセグメントに対応する架橋基
を有するモノマーを合成することができる。
【0024】次に、これをネマチック性液晶モノマー、
光学活性基を含むモノマーと共にTHF中で4時間還流
して共重合し、メタノール中へ沈殿することで、目的の
末端シクロヘキセニル基含有コレステリック液晶ポリマ
ー(a3)を得ることができる。
【0025】なお、化学式(化3)で表されるセグメン
トの例は、式(a3)で例示したものに限定するもので
はなく、また化学式(化3)に対応するモノマーを1種
または2種以上二共重合して用いてもよい。なお、式
(a3)は、便宜的にブロック共重合体として記載され
ているが、本発明におけるコレステリック液晶ポリマー
は、ブロック共重合体の他、ランダム共重合体などでも
よい。
【0026】また、液晶ポリマーの化学式(化3)で表
わされるセグメントの組成比は、過少だと架橋がおこり
にくくなり、耐熱性が十分発揮できない恐れがあるた
め、3モル%以上が好ましい。また、多すぎるとコレス
テリック液晶性や配向性が悪くなる傾向があるため、5
〜30モル%がより好ましい。
【0027】また、ネマチック配向性を付与するセグメ
ントに対応するモノマーは、1種または2種以上を共重
合して用いてもよい。モノマーの例としては(メタ)ア
クリロイル基とパラ置換環状化合物等からなるメソゲン
とが、スペーサーを介して結合しているモノマーが挙げ
られる。環状化合物の例としてはアゾメチン型やアゾ
型、アゾキシ型やエステル型、トラン型、フェニル型、
ビフェニル型やフェニルシクロヘキシル型、ビシクロヘ
キサン型のごときパラ置換芳香族単位やパラシクロヘキ
シル環単位などを有するものなどがあげられる。
【0028】パラ置換環状化合物において、パラ位にお
ける末端置換基は、たとえばシアノ基やアルキル基、ア
ルコキシ基、ハロゲン基など適宜のものであってよい。
(メタ)アクリロイル基とメソゲンとの間のスペーサー
は、屈曲性を示すものであればよく、例えばポリメチレ
ン鎖−(CH2n −やポリオキシメチレン鎖−(CH
2 CH2 O)m −があげられる。スペーサー部を形成す
る構造単位の繰り返し数は、メソゲン部の化学構造等に
より適宜に決定され、一般にはポリメチレン鎖の場合に
はnが0〜20、就中2〜12、ポリオキシメチレン鎖
の場合にはmが0〜10、就中1〜3である。
【0029】ネマチック配向性を付与するセグメントの
組成比は、過少ではネマチック配向性を発現させるため
には不十分であり、過多では他のセグメント成分の量が
相対的に低下しすぎるため、好ましくは50〜90モル
%、中でも65〜85モル%が好ましい。
【0030】なお、式(a3)におけるシアノビフェニ
ル末端セグメントの原料となる末端シアノビフェニルモ
ノマーは、エチレンクロロヒドリンと4−ヒドロキシ安
息香酸をヨウ化カリウムを触媒としてアルカリ水溶液中
で加熱還流させて、ヒドロキシカルボン酸を得た後、そ
れをアクリル酸と脱水反応させて4−(2−プロペノイ
ルオキシエトキシ)安息香酸を合成し、これと4−シア
ノ−4’−ヒドロキシビフェニルとをジメチルアミノピ
リジンを触媒とし、ジシクロヘキシルカルボジイミドで
エステル化することで合成できる。
【0031】また光学活性基を有するセグメントに対応
するモノマーは、1種または2種以上を共重合して用い
てもよい。構造の例としては光学活性基を含み、一般の
コレステリック液晶ポリマーに使用されるいかなる構造
も用いうるが、好ましくはねじり力が大きく、液晶ポリ
マーの配向を乱さないものである。例えば、化学式(a
4):
【化8】 ここでR4 は−Hもしくは−CH3 であり、Eは−CO
O−、−O−、−OCO−、又は−(CH2i −(た
だしiは0〜6の整数)であり、R5 は一般式:
【化9】 (ここでR6 はHもしくはCH3 であり、1≦n≦6、
0≦m≦5かつn≧m+1の条件を満たすものとする)
であらわされ、Pは1もしくは2であり、Fは−COO
−、−O−、又は−OCO−であり、Gは下記の構造を
持つものが好ましい。
【0032】
【化10】 この光学活性基を有するセグメントの組成比は、過少で
はコレステリック性を発現させるためには不十分であ
り、過多では液晶ポリマーの配向性に乏しくなる恐れが
あるため、好ましくは1〜80モル%、中でも2〜40
モル%が好ましい。
【0033】なお、式(a3)における光学活性基を有
するセグメントの原料となるモノマーは、前記のように
して4−(2−プロペノイルオキシエトキシ)安息香酸
を合成し、これとp−ヒドロキシ安息香酸と(S)−フ
ェニルエチルアミンとからなるアミド体とをエステル化
することで合成できる。
【0034】また、側鎖型コレステリック液晶ポリマー
の分子量は、過少では製膜性に乏しくなり、過多では液
晶としての配向性、特にラビング配向膜によるモノドメ
イン化に乏しくなって均一な配向状態が形成しにくくな
ることにより、重量平均分子量に基づき2千〜10万、
就中2500〜5万が好ましい。
【0035】以上のような、化学式(化3)にて表され
るセグメント、光学活性基を有するセグメント、及びネ
マチック配向性を付与するセグメントを繰り返し単位と
して有する側鎖型コレステリック液晶ポリマーは、導入
するモノマー単位を適宜なものを用いることで上記に準
じて、適宜合成することができる。
【0036】例えば、液晶ポリマーの調製は、たとえば
ラジカル重合方式、カチオン重合方式、アニオン重合方
式などの通例のアクリル系モノマーの重合方式に順じて
行うことができる。なおラジカル重合方式を適用する場
合、各種の重合問始剤を用いうるが、就中アゾビスイソ
ブチロニトリルや過酸化ベンゾイルなどの分解温度が高
くもなく、かつ低くもない中間的温度で分解するものが
好ましく用いられる。本発明の液晶ポリマー組成物は、
側鎖型コレステリック液晶ポリマーの1種、または2種
以上を混合して用いることができ、また分子中に一つ以
下の(メタ)アクリロイル基を有する低分子架橋剤も、
1種、または2種以上を混合して用いることができる。
【0037】本発明の配向フィルムの製造方法は、以上
のような液晶ポリマー組成物を配向処理した後、電磁波
照射及び加熱の少なくとも何れかにより架橋処理するも
のである。このような配向フィルムの形成は、従来の配
向処理に準じた方法で行いうる。ちなみにその具体例と
しては、液晶ポリマーに前記低分子架橋剤を添加した液
晶ポリマー組成物の溶液を配向処理面上に展開して乾燥
後、加熱処理して配向層を形成し、それを架橋処理する
方法などにより行うことができる。
【0038】配向フィルムの形成に用いられる液晶ポリ
マー組成物は、前記の側鎖型コレステリック液晶ポリマ
ーの1種または2種以上に、(メタ)アクリロイル基を
分子内に1つ以上有する低分子架橋剤を添加したもので
ある。(メタ)アクリロイル基を分子内に一つ以上有す
る低分子架橋剤は、それ自体が液晶性であっても、なく
てもよく、構造、分子量によらず、いかなるものも使用
できる。但し、液晶ポリマーの配向を乱さないものがよ
く、液晶性を示すものが好ましく用いられる。液晶性を
示す低分子架橋剤としては、例えば一般式(化11):
【化11】 (式中、A’およびD’はそれぞれ独立して1,4−フ
ェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基を、B’
は1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン
基、4,4' −ビフェニレン基または4,4' −ビシク
ロヘキシレン基を、X4 およびX5 はそれぞれ独立して
−COO−基、−OCO−基または−O−基を、gおよ
びhはそれぞれ独立して2〜6の整数を示す)で表され
る化合物が挙げられる。
【0039】低分子架橋剤の添加量は、低分子架橋剤が
過少であれば、配向後の架橋がおこりにくなり、耐熱性
が十分発揮できない恐れがあり、また液晶ポリマー10
0重量部に対し100重量部を超えて添加すると、液晶
ポリマーの配向処理中に析出するなどして配向を阻害す
る傾向がある。従って、低分子架橋剤の混合割合は、側
鎖型コレステリック液晶ポリマー100重量部に対して
1〜70重量部が好ましく、なかでも5〜40重量部が
特に好ましい。
【0040】液晶ポリマー溶液の調製に際して用いる溶
媒としては、液晶ポリマーと低分子架橋剤を溶解しうる
適宜なものを用いることができ、特に限定はない。その
例としては1,1,2,2,−テトラクロロエタンやシ
クロヘキサノン、塩化メチレンや、クロロホルム、テト
ラヒドロフラン等の単独溶媒や混合溶媒があげられる。
なお、本発明の液晶ポリマー組成物には、上記の如き溶
媒を含有するものも包含される。また、その他の添加剤
として、開始剤、レベリング剤等を含有するものも包含
される。
【0041】液晶ポリマー混合物溶液の展開は、たとえ
ばその溶液をスピンコート法やロールコート法、フロー
コート法やプリント法、ディップコート法や流延製膜法
等の適宜な方法で薄層展開し、それを乾燥処理して溶媒
を除去する方法などによりおこなうことができる。
【0042】配向処理面としては、例えば低分子液晶化
合物の配向処理に公知のものを用いることができる。そ
の例としては基材上にポリイミドやポリビニルアルコー
ル等からなる薄膜を形成してそれをレーヨン布等でラビ
ング処理したものや、酸化珪素等を斜方蒸着したもの、
あるいは延伸フィルムなどがあげられる。基材等として
は、液晶ポリマーを配向させるための加熱処理に耐える
例えばガラス板やポリマーシート、位相差板や偏光板等
の適宜のものを用いうる。
【0043】液晶ポリマー混合溶液の展開層を配向させ
るための加熱処理は、液晶ポリマーのガラス転移点から
等方相を呈する溶融状態までの温度範囲に加熱すること
により行うことができる。なお配向状態を固定化するた
めの冷却条件については特に定はなく、通例前記の加熱
処理を300℃以下で行いうることから、自然冷却方式
が一般に用いられる。
【0044】配向処理を終えた展開層は、それを架橋処
理することにより配向架橋物とされるが、その架橋処理
は電磁波照射および加熱の一方、または両方により行う
ことができる。電磁波は、紫外線や電子線等の適宜なも
のを用いうるが、中でも開始剤を添加する必要が無く、
初期配向性に影響の少ない電子線を好ましく用いうる。
電磁波の波長、照射量は適宜決めることかできるが、紫
外線を用いる場合は液晶ポリマーの吸収のない300n
mより長波長の紫外線が好ましく、電子線を用いる場合
は、照射量が多すぎると液晶ポリマーが崩壊するので、
系によるがおおむね1〜200Mradが好ましい。
【0045】配向後の架橋を引き起こすための開始剤は
架橋形態によって異なるが、いずれの場合も開始剤の添
加による配向処理物の着色が実用上問題のない程度であ
ることが望ましい。まず加熱のみによって架橋を行う場
合は、配向処理時に架橋が起らないよう、分解温度の高
い開始剤を用いる必要がある。次に電磁波架橋のうち開
始剤が必要な紫外線について言及すると、紫外線照射の
み、もしくは加熱しながら紫外線照射によって架橋を行
ういずれの場合も、配向温度および架橋時の加熱温度で
分解するものは好ましくなく、液晶ポリマーの吸収があ
る300nmより長波長の紫外線で分解する開始剤であ
れば使用できる。例えば、2−ベンジル−2−ジメチル
アミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン
−1や、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]な
どが好ましく用いられる。また添加する開始剤量も適宜
決めることができる。
【0046】電磁波照射に際しては、酸素阻害による影
響を回避するため、減圧下や無酸素下等で行うことが好
ましい。なお加熱処理の場合、液晶ポリマーのガラス転
移温度より高く、等方相転移温度より低い温度範囲の中
の適宜な温度で加熱すればよい。
【0047】本発明の配向フィルムは、上記のようにし
て得られるものであって、前記の如き液晶ポリマー組成
物に含有される側鎖型コレステリック液晶ポリマーが、
モノドメイン配向を維持しつつ、前記低分子架橋剤によ
り架橋されているものである。
【0048】本発明の配向フィルムは、適宜な基材上に
配向処理した液晶ポリマー層を有する形態や、配向処理
した液晶ポリマー層の単独層からなるフィルム形態など
の適宜な形態を有するものであってよい。液晶ポリマー
の単独層からなるフィルムは配向処理面よりの剥離物と
して得ることができるが、その剥離回収には、長鎖アル
キル基等からなる剥離性側鎖を有するラビング膜形成剤
を用いる方式や、炭素数8〜18のアルキル鎖を有する
シラン化合物を表面に結合修飾させたガラス板に配向処
理面を形成する方式などの適宜な方式を必要に応じて適
用することができる。
【0049】一方、基材との重畳物からなる配向フィル
ムとする場合、その基材としては、プラスチックフィル
ムやガラス板、あるいはポリマーシート、位相差板等の
延伸フィルムや偏光板の如き光学フィルムなど適宜のも
のを用いうる。前記のプラスチックフィルムとしては例
えばポリメチルメタクリレートやポリカーボネート、ポ
リビニルアルコールやポリアクリレート、ポリプロピレ
ン、やその他のポリオレフィン、ポリスチレンなどの延
伸フィルムを形成することもある光学的に透明な適宜な
プラスチックからなるものを用いうる。なお、基材とし
ては、ガラス板やトリアセチルセルロースフィルムの如
く複屈折による位相差が可及的に小さいものが特に望ま
しい。
【0050】なお配向架橋処理した液晶ポリマー層の厚
さは、使用目的に応じた光学特性などにより適宜に決定
しうるが、一般には柔軟性等の点より100μm以下、
就中50μm以下、持に1〜30μmとされる。
【0051】本発明の配向フィルムは、円偏光二色性を
示す光学フィルムとして、液晶表示素子等の色補償板、
光学位相板、コレステリックフィルム、ノッチフィルタ
ー等の種々の用途に有用なものである。
【0052】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。
【0053】実施例1 (1)低分子架橋剤(ジアクリル体)の合成 水酸化カリウム300gをエタノール700mlと水3
00mlの混合液で溶解し、その溶液に4−ヒドロキシ
安息香酸276gと触媒量のヨウ化カリウムを溶解させ
た後、加温状態でエチレンクロロヒドリン177gを徐
々に添加して約15時間還流させた。得られた反応液よ
りエタノールを留去して水2L中にいれ、この水溶液を
ジエチルエーテルで2回洗浄後、塩酸を添加して酸性液
とし、沈殿物をろ別乾燥してエタノールで再結晶し、4
−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸298gを得
た。
【0054】次に前記の4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)安息香酸18.2gをテトラヒドロフラン300m
lに溶解させた後、それにアクリル酸ビニル19.5g
とリパーゼPS18gと少量のp−メトキシフェノール
を添加して40℃で3時間撹拌した。得られた反応液よ
りリパーゼPSをろ別後、そのろ液を減圧留去し、生成
の固体を2−ブタノン:ヘキサン=2:1混合液で再結
晶させて4−(2−プロペノイルオキシエトキシ)安息
香酸17.5gを得た。
【0055】次に、4−(2−プロペノイルオキシエト
キシ)安息香酸9.44g、ヒドロキノン2.2g、ジ
メチルアミノピリジン触媒量、ブチルヒドロキシトルエ
ン少量を塩化メチレン100mlに溶解し、室温撹拌を
行い、そこへ塩化メチレン10mlに溶解したジシクロ
ヘキシルカルボジイミド(DCC)9.89gを徐々に
添加した。室温で5時間撹拌した後、析出したDCCウ
レアをろ別し、ろ液を0.5N−HCl、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液、飽和食塩水(2回)(各150m
l)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ別、溶媒を
留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩
化メチレン:ジエチルエーテル=25:1)を行い、ジ
アクリル体4.80g(化学純度>97%)を得た。
【0056】(2)架橋基含有モノマーの合成
【化12】 水酸化ナトリウム83.9g/水2L溶液に4−(4’
−ヒドロキシフェニル)安息香酸139gを加え、氷浴
上で撹拌しながらクロロ炭酸メチル91.1mlを2時
間かけて滴下した。室温で4時間撹拌を行った後、12
N−HCl約70mlを加えて反応溶液をpH2〜3に
調整し、析出した結晶を濾別し水洗した。減圧乾燥によ
り水分を除去した後、イソプロパノール1Lで再結晶
し、4−(4’−メトキシカルボニルオキシフェニル)
安息香酸130g(化学純度:>99%)を得た。
【0057】4−(4’−メトキシカルボニルオキシフ
ェニル)安息香酸55.5g、ジメチルホルムアミド
1.5mLをクロロホルム400mlに溶解し、窒素雰
囲気下で撹拌しているところへ、室温で塩化チオニル1
9.3mlを25分かけて滴下し、40℃に加温しなが
ら2時間撹拌した。未反応塩化チオニル、反応溶媒を留
去し、乾燥テトラヒドロフラン(THF)20mlで一
旦溶解し溶媒を留去して酸クロライドを洗浄した後、乾
燥THF300mlに溶解した。1−ヒドロキシメチル
−3−シクロヘキセン25.2g、トリエチルアミン2
2.7g、ジメチルアミノピリジン触媒量を乾燥THF
100mlに溶解し、窒素雰囲気下氷浴上で酸クロライ
ド溶液に40分かけて滴下し、氷浴を除去して室温に戻
しながら終夜撹拌を行った。析出したトリエチルアミン
塩酸塩をろ別し、ろ液よりTHFを3/4ほど留去し
て、塩化メチレン300mlを添加した。この有機層を
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、2N−HCl水溶液、
飽和食塩水(各300ml)で洗浄し硫酸マグネシウム
で乾燥した後、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより精製し、4−(4’−メトキシカ
ルボニルオキシフェニル)安息香酸3−シクロヘキセニ
ルメチルエステル81.6g(化学純度:>99%)を
得た。
【0058】4−(4’−メトキシカルボニルオキシフ
ェニル)安息香酸3−シクロヘキセニルメチルエステル
81.6g、25%アンモニア水70mlをTHF70
0mlに溶解し、室温で1時間撹拌した。そこへ12N
−HClを添加して中和し、塩化アンモニウムを濾別
し、濾液のTHFを留去した。塩化メチレン1Lを加
え、水洗い(1L×2回)した後、硫酸マグネシウムで
乾燥した後、溶媒を留去して、4−(4’−ヒドロキシ
フェニル)安息香酸3−シクロヘキセニルメチルエステ
ル52.5g(化学純度:95%)を得た。
【0059】4−(4’−ヒドロキシフェニル)安息香
酸3−シクロヘキセニルメチルエステル52.5g、4
−(2−プロペノイルオキシエトキシ)安息香酸42.
2g、ブチルヒドロキシトルエン少量、ジメチルアミノ
ピリジン触媒量を塩化メチレン1L中で撹拌している所
へ、水浴上でジシクロヘキシルカルボジイミド38.6
g/塩化メチレン50ml溶液を40分かけて滴下し、
水浴を取り除いて室温で一晩撹拌した。析出したウレア
を濾別し、塩化メチレン1Lを加えた後、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液、0.5N−HCl、飽和食塩水(各
1L)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留
去した。イソプロパノール2Lで、再結晶し、4−(2
−プロペノイルオキシエトキシ)安息香酸4’−
[(3”−シクロヘキセニル)メトキシカルボニル〕ビ
フェニルエステル58.5g(化学純度:98.5%)
を得た。
【0060】(3)液晶ポリマーの合成 スキーム(化12)に示すネマチック配向性モノマー
5.00g、光学活性基含有モノマー1.61g、上記
(2)で得た架橋基含有モノマー1.99gをジメチル
アセトアミド/テトラヒドロフラン=4/1溶媒中、窒
素雰囲気下で57℃に加温しながら溶解させ、アゾビス
イソブチロニトリル0.155gを少量の反応溶媒に溶
かして、反応液中に滴下し、そのまま6時間撹拌した。
反応液をメタノール1Lに投入してポリマーを析出さ
せ、メタノール/テトラヒドロフラン=3/2混合溶媒
中でこすり洗いし、ポリマーを減圧乾燥させて、目的の
液晶ポリマー6.88gを得た。
【0061】(4)配向フィルムの調製 上記(3)で得た末端シクロヘキセニル基含有液晶ポリ
マーをシクロヘキサノンに溶解させて30重量%の溶液
とし、それに上記(1)で得たジアクリル体を液晶ポリ
マー100重量部に対し10重量部、加えた溶液を調製
した。
【0062】次に前記の溶液をガラス板に張り合わせた
延伸PETに、スピンコーターにて塗布して乾燥させ、
160℃で5分間加熱して配向処理し室温にて放冷した
後、電子線を40Mrad照射して配向架橋処理された
配向フィルムを得た。
【0063】実施例2 (1)架橋基含有モノマーの合成
【化13】 水酸化ナトリウム83.9g/水2L溶液に4−ヒドロ
キシ安息香酸100gを加え、氷浴上で撹拌しなからク
ロロ炭酸メチル91.1mlを2時間かけて滴下した。
氷浴を取り除き室温で4時間撹拌を行った後、12N−
HCl約70mlを加えて反応溶液をpH2〜3に調整
し、析出した結晶を濾別し水洗した。減圧乾燥により水
分を除去した後、イソプロパノール1Lで再結晶し、4
−メトキシカルボニルオキシ安息香酸94.0g(化学
純度:>99%)を得た。
【0064】4−メトキシカルボニルオキシ安息香酸4
0.0g、ジメチルホルムアミド1.5mLをクロロホ
ルム400mlに溶解し、窒素雰囲気下で撹拌している
ところへ、室温で塩化チオニル19.3mlを25分か
けて滴下し、40℃に加温しながら2時間撹拌した。未
反応塩化チオニル、反応溶媒を留去し、乾燥THF20
mlで一旦溶解し溶媒を留去して酸クロライドを洗浄し
た後、乾燥THF300mlに溶解した。3−シクロヘ
キセン−1−メタノール25.2g、トリエチルアミン
22.7g、ジメチルアミノピリジン触媒量を乾燥TH
F100mlに溶解し、窒素雰囲気下氷浴上で酸クロラ
イド溶液に40分かけて滴下し、氷浴を除去して室温に
戻しながら終夜撹拌を行った。析出したトリエチルアミ
ン塩酸塩をろ別し、ろ液よりTHFを3/4ほど留去し
て、塩化メチレン300mlを添加した。この有機層を
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、2N−HCl水溶液、
飽和食塩水(各300ml)で洗浄し硫酸マグネシウム
で乾燥した後、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより精製し、4−メトキシカルボニル
オキシ安息香酸3−シクロヘキセニルメチルエステル5
8.8g(化学純度:>99%)を得た。
【0065】4−メトキシカルボニルオキシ安息香酸3
−シクロヘキセニルメチルエステル58.8g、25%
アンモニア水70mlをTHF700mlに溶解し、室
温で1時間撹拌した。そこへ12N−HClを添加して
中和し、塩化アンモニウムを濾別し、濾液のTHFを留
去した。塩化メチレン1Lを加え、水洗い(1L×2
回)した後、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留
去して、4−ヒドロキシ安息香酸3−シクロヘキセニル
メチルエステル52.5g(化学純度:95%)を得
た。
【0066】4−メトキシカルボニルオキシ安息香酸1
4.8g、4−ヒドロキシ安息香酸3−シクロヘキセニ
ルメチルエステル18.4g、ジメチルアミノピリジン
触媒量を塩化メチレン330ml中で撹拌している所
へ、水浴上でジシクロヘキシルカルボジイミド17.1
g/塩化メチレン20ml溶液を10分かけて滴下し、
水浴を取り除いて室温で30分撹拌した。析出したウレ
アを濾別し、塩化メチレン400mlを加えた後、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液、0.5N−HCl、飽和食
塩水(各1L)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、
溶媒を留去して、4−メトキシカルボニルオキシ安息香
酸p−(3−シクロヘキセニル)メトキシカルボニルフ
ェニルエステル34.1g(化学純度:88%)を得
た。4−メトキシカルボニルオキシ安息香酸p−(3−
シクロヘキセニル)メトキシカルボニルフェニルエステ
ル34.1g、25%アンモニア水50mlをTHF5
00mlに溶解し、室温で1時間撹拌した。そこへ12
N−HClを添加して中和し、塩化アンモニウムを濾別
し、濾液のTHFを留去した。塩化メチレン1Lを加
え、水洗い(1L×2回)した後、硫酸マグネシウムで
乾燥した後、溶媒を留去して、4−ヒドロキシ安息香酸
p−(3−シクロヘキセニル)メトキシカルボニルフェ
ニルエステル27.7g(化学純度:93%)を得た。
【0067】4−ヒドロキシ安息香酸p−(3−シクロ
ヘキセニル)メトキシカルボニルフェニルエステル2
7.3g、4−(2−プロペノイルオキシエトキシ)安
息香酸19.2g、ブチルヒドロキシトルエン少量、ジ
メチルアミノピリジン触媒量を塩化メチレン500ml
中で撹拌している所へ、水浴上でジシクロヘキシルカル
ボジイミド17.6g/塩化メチレン30ml溶液を2
0分かけて滴下し、水浴を取り除いて室温で一晩撹拌し
た。析出したウレアを濾別し、塩化メチレン500ml
を加えた後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、0.5N
−HCl、飽和食塩水(各1L)で洗浄し、硫酸マグネ
シウムで乾燥し、溶媒を留去した。イソプロパノール7
00mlで再結晶し、4−(2−プロペノイルオキシエ
トキシ)安息香酸p−[(3−シクロヘキセニル)メト
キシカルボニル]フェノキシカルボニルフェニルエステ
ル24.6g(化学純度:98.9%)を得た。
【0068】(2)液晶ポリマーの合成 スキーム(化13)に示すネマチック配向性モノマー
4.00g、光学活性基含有モノマー1.48g、上記
(1)で得た架橋基含有モノマー1.84gをジメチル
アセトアミド/テトラヒドロフラン=4/1溶媒中、窒
素雰囲気下で57℃に加温しながら溶解させ、アゾビス
イソブチロニトリル0.122gを少量の反応溶媒に溶
かして、反応液中に滴下し、そのまま6時間撹拌した。
反応液をメタノール1Lに投入してポリマーを析出さ
せ、メタノール/テトラヒドロフラン=3/2混合溶媒
中でこすり洗いし、ポリマーを減圧乾燥させて、目的の
液晶ポリマー5.83gを得た。
【0069】(3)配向フィルムの調製 上記(2)で得た液晶ポリマーを用いた以外は実施例1
と同様にして、配向架橋処理された配向フィルムを得
た。
【0070】比較例1 電子線照射を行わない以外は実施例1に準じて配向フィ
ルムを得た。
【0071】比較例2 ジアクリル体を配合しない以外は実施例1に準じて配向
フィルムを得た。
【0072】比較例3 電子線照射を行わない以外は実施例2に準じて配向フィ
ルムを得た。 評価試験 実施例、比較例で得た配向フィルムと偏光板(日東電工
製、G1220DU)を厚さ20μmのアクリル系粘着
剤を介して接着し、それを種々の温度で1時間加熱して
外観の変化を目視観察し、変化が認められない最高温度
を耐熱温度として評価した。その結果を表1に示した。
【0073】
【表1】 表1より、実施例の配向フィルムは架橋処理により耐熱
温度が大幅に向上していることがわかる。なお、当該架
橋処理において、液晶ポリマーと低分子架橋剤との間に
反応が生じていることは、ジアクリル体を配合しない比
較例2のフィルムで、耐熱性が殆ど改善されていないこ
と等から明らかである。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、各セグメントを構成す
るモノマーを共重合するだけで側鎖末端に架橋基をもつ
液晶ポリマーが合成でき、液晶ポリマーを溶液化してそ
れを塗布乾燥し、ガラス転移温度以上に加熱後、冷却す
る方式にて配向処理できる。更に、その配向処理層を配
向の乱れを生じることなく、含有する(メタ)アクリロ
イル含有の低分子架橋剤を介し、実用上問題のない条件
で架橋処理して耐熱性を向上させることができる。した
がって従来のコレステリック液晶ポリマーに準じた低温
で配向処理できる上に、耐熱性に優れる配向フィルムの
大面積体も容易に効率よく製造することができる。また
本発明による(メタ)アクリロイル含有低分子はそれに
よる着色がほとんどないという特徴も有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 泉 今日子 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 中西 貞裕 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 望月 周 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA03 BA06 BB03 BB42 BC06 BC09 BC22 4H027 BA02 BA13 BD01 BE06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式(化1)にて表されるセグメン
    ト、光学活性基を有するセグメント、及びネマチック配
    向性を付与するセグメントを繰り返し単位として有する
    側鎖型コレステリック液晶ポリマー、並びに(メタ)ア
    クリロイル基を分子内に一つ以上有する低分子架橋剤を
    含有する液晶ポリマー組成物。 【化1】 (ただし、R1 は水素またはメチル基であり、A、B、
    Dは有機基であり、1≦n≦100、0≦m+p≦10
    である。)
  2. 【請求項2】 前記有機基Aが、化学式: Z1 (CH2Y22 (ただし、Z1 及びZ2 は −COO−、−O−、−O
    CO−、−(CH2K−(K:0〜6の整数)から選
    択される基で、それぞれ同一でも違っていてもよく、Y
    は0〜l2の整数、R2 は化学式(化2)にて表される
    有機基である。)にて表される有機基であり、 【化2】 (ただし、Y=0のときh=0であり、1≦Y≦12の
    ときh=1であって、fは1もしくは2である。)前記
    有機基Bがパラ置換環状有機基であり、前記有機基Dが
    化学式: Z3 (CH2X4 (ただし、X=0の場合、Z3 は−(CH2L
    (L:0〜6の整数)でZ4は−COO−、−O−、−
    OCO−、−(CH2N ‐(N:0〜6の整数)であ
    り、1≦X≦10の場合はZ3 およびZ4 は−COO
    −、−O−、−OCO−、−(CH2N −(N:0〜
    6の整数)であり、それぞれ同一でも違っていてもよ
    い。)にて表わされる有機基である請求項1に記載の液
    晶ポリマー組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の液晶ポリマー組
    成物に含有される前記側鎖型コレステリック液晶ポリマ
    ーが、モノドメイン配向を維持しつつ、前記低分子架橋
    剤により架橋されている配向フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の液晶ポリマー組
    成物を配向処理した後、電磁波照射及び加熱の少なくと
    も何れかにより架橋処理する配向フィルムの製造方法。
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