JP2000336349A - 光学機器用冷却媒体およびそれを用いる冷却装置 - Google Patents

光学機器用冷却媒体およびそれを用いる冷却装置

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JP2000336349A JP15130999A JP15130999A JP2000336349A JP 2000336349 A JP2000336349 A JP 2000336349A JP 15130999 A JP15130999 A JP 15130999A JP 15130999 A JP15130999 A JP 15130999A JP 2000336349 A JP2000336349 A JP 2000336349A
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cooling
reaction
compound
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Hiroyuki Hoshino
廣行 星野
Takashi Kiyota
隆 清田
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San Petrochemicals Co Ltd
Eneos Corp
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San Petrochemicals Co Ltd
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屈折率が特定の範囲にあり、プラスチックレ
ンズおよび部材等の溶解、膨潤等の問題が少なく、かつ
難燃性である冷却媒体、およびそれを用いた光学機器用
冷却装置を提供する。 【解決手段】 橋かけ結合を少なくとも1個有する環状
脂肪族炭化水素からなり、引火点が120℃以上および
融点が−20℃以下である冷却媒体、およびそれを二つ
の透明な光学素材の間隙に充填してなる光学機器用冷却
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてプロジエ
クター型テレビにおける投射型ブラウン管を冷却するた
めの新規な冷却媒体およびそれを用いる冷却装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電子ビームを使用する光学機器は
熱の発生を伴い、発生した熱が光学機器の性能に悪影響
を及ぼすことが多い。プロジエクター型テレビにおける
投射型ブラウン管は発熱がきわめて激しいため、特にそ
の影響を考慮する必要がある。すなわち、プロジエクタ
ー型テレビにおける投射型ブラウン管は、蛍光体に対す
る電子ビームのエネルギーを大きくすることにより、高
輝度の光学像を得ることができる。高いエネルギーの電
子ビームは、光に変換されると同時に必然的にジュール
熱を生ずる。蛍光体を塗布した前面のガラスパネルは熱
伝導性が低いので、特に熱の放散が起こり難いパネル中
央部においては温度上昇が顕著となり、蛍光体の発光強
度が減少する温度消光と呼ばれる現象が生じる。これを
防止するために冷却媒体による冷却が多く行われてい
る。
【0003】ここでプロジェクター型テレビにおける投
射型ブラウン管用冷却媒体は、ガラス製のブラウン管
と、ガラスまたはプラスチック製の板またはレンズとの
間に封入して用いられる。そして、この冷却媒体につい
ては、一般に自然対流による循環が行われている。した
がって、閉空間内において自然対流が円滑に進行するた
めに、冷却媒体は低粘度であることが重要である。
【0004】また、ブラウン管の蛍光面で発生させた画
像を、画質を低下させることなく鮮明にスクリーン上に
投影するためには、可視領域の光(波長:400〜70
0nm)が通過するブラウン管、冷却媒体、レンズ等が
光を吸収しないこと、およびこれら3種類の材料の屈折
率が近似していることが重要である。屈折率が大きく異
なると、境界面における屈折率の差に基づく多重反射が
増加して、投影画像の画質の劣化を招く。したがって十
分満足し得る画像を得るためには、冷却媒体の屈折率が
ガラスとプラスチックの屈折率の中間にあることが要求
される。
【0005】レンズに使用するプラスチックとしては、
以下に記載するものが好ましく使用される。すなわち、
PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PC(ポリカー
ボネート)、PS(ポリスチレン)、CR−39(ジエ
チレングリコールビスアリルカーボネート)、AS(ア
クリロニトリル−スチレン共重合体)、MS(メタクリ
ル酸メチル−スチレン共重合体)、TPX(ポリ(4−
メチルペンテン−1))などの高分子材料が多く利用さ
れている。最も好ましい材料はPMMAであり、特にメ
タクリル酸メチルとコモノマー、例えばα−メチルスチ
レン、無水マレイン酸またはそのイミド、脂環族メタク
リル酸エステルなどとの共重合体が耐熱性に優れてお
り、プロジェクションレンズ用に最適である。この耐熱
性を有するPMMAの屈折率は1.51である。
【0006】一方、光学ガラスについては、屈折率が
1.47〜1.95の範囲にあるものが種々の部材として
使用されているが、レンズに多く使用されているもの
は、透過率が最も高いホウケイ酸塩クラウンガラスであ
り、その屈折率は1.52である。以上の理由により、
プロジエクター型テレビにおける投射型ブラウン管用の
冷却媒体の屈折率は1.51〜1.52の範囲にあること
が望まれる。
【0007】ここで、冷却媒体に用いられる化合物のう
ち、脂肪族炭化水素の屈折率は、冷却媒体に求められる
屈折率1.51〜1.52よりもかなり低い。脂肪族炭化
水素化合物の屈折率を高める方法としては、脂環構造も
しくは芳香族構造からなる環状構造または二重結合を化
合物中に導入することも考えられる。しかしながら、脂
環構造の導入は、それのみで屈折率を向上させるには不
十分であり、また炭素数の増加を招き冷却油媒体の粘度
を増大させて自然対流による冷却効果を低下させるため
に、冷却媒体としては不適当になる。一方、二重結合ま
たは芳香族構造を化合物に導入すると、その化合物の溶
解力が向上し、プラスチックなどを溶解し易くなるの
で、冷却媒体として不適当になる。
【0008】従来、投射型ブラウン管の冷却装置に用い
る冷却油としては、炭素環を少なくとも2個有し、かつ
芳香族度が30%以下のものが提案され(特開平9−1
76624号公報)、また溶解度を低下させるため芳香
族度を低減する提案(特開平9−286977号公報)
もある。しかしながら、前記のように芳香環を有する化
合物は溶解力が強く、プラスチックレンズおよび部材等
を溶解あるいは膨潤させる等の点で問題が生じ、また、
芳香族度を低下させる場合には、通常脂環構造の導入が
必要になり、屈折率の低下を招くことから、ガラスおよ
びプラスチックの屈折率との間に差が生じて、画像の画
質が劣化する。
【0009】そのほか、先に述べたように、投射型ブラ
ウン管は蛍光体に対する電子ビームのエネルギーを大き
くして高い輝度の光学像を得るように構成されている
が、冷却を行わない場合、実作動時に蛍光体を塗布した
前面のガラスパネルは120℃の高温に達する。そのた
め安全性の点から、冷却媒体には沸点が高いこと、さら
に引火点が120℃以上であり、望ましくは難燃性であ
ることが要求される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、本
発明の課題は、屈折率が適当であり、プラスチックレン
ズおよび部材等の溶解、膨潤等の問題が少なく、かつ引
火点が120℃以上、望ましくは難燃性である冷却媒
体、およびそれを用いた光学機器用冷却装置を提供する
ことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ガラスお
よびプラスチックレンズの屈折率に非常に近い屈折率を
有し、プラスチックレンズの溶解や膨潤を起こさず、か
つ粘度が低いことにより冷却効果が高いなどの前記要求
性能を満足する冷却媒体を開発するために鋭意検討を行
った結果、特定の構造を有する炭化水素が上記の目的を
達成し得ることを見出して本発明を完成した。すなわ
ち、本発明の第1は、橋かけ結合を少なくとも1個有す
る環状脂肪族炭化水素からなり、引火点が120℃以上
および融点が−20℃以下である光学機器用冷却媒体に
関するものである。本発明の第2は、本発明の第1にお
いて、橋かけ結合を少なくとも1個有する環状脂肪族炭
化水素が、下記一般式(I)から(IV)で表される炭素
数13から18の化合物群から選ばれる少なくとも1種
の化合物であることを特徴とする光学機器用冷却媒体に
関する。
【化2】 (RからRは水素原子またはメチル基を示し、R
は炭素数2または3のアルキル基を示す。) 本発明の第3は、橋かけ結合を少なくとも1個有する環
状脂肪族炭化水素からなり、引火点が120℃以上およ
び融点が−20℃以下である冷却媒体を、二つの透明な
光学素材の間隙に充填してなる光学機器用冷却装置に関
するものである。本発明の第4は、本発明の第3におい
て、橋かけ結合を少なくとも1個有する環状脂肪族炭化
水素が、本発明の第2に記載された一般式(I)から(I
V)で表される炭素数13から18の化合物群から選ば
れる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする光
学機器用冷却装置に関する。本発明の第5は、本発明の
第3において、光学機器が投射型ブラウン管である光学
機器用冷却装置に関する。
【0012】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
おいては、冷却媒体として橋かけ結合を少なくとも1
個、好ましくは1〜2個有する環状脂肪族炭化水素を用
いる。冷却媒体に求められる屈折率は1.51から1.5
2である。通常の環状脂肪族炭化水素の屈折率はこれよ
り低いので、冷却媒体として用いるためには橋かけ結合
が1個以上必要であり、好ましくは1〜2個である。炭
化水素の橋かけ結合が多すぎる場合には、屈折率が高く
なる一方、化合物の総炭素数が増加するため粘度が高く
なり、冷却媒体として不適当になる。また、総炭素数の
多いアルキル基が側鎖として結合すると、化合物として
の屈折率は低下するため、側鎖の総炭素数は6以下が好
ましい。橋かけ結合の数と側鎖に結合しているアルキル
基の総炭素数とによって化合物としての屈折率が定まる
ので、複数の成分の添加割合を選択して配合することが
肝要である。この際、単一化合物で、橋かけ結合の数と
側鎖に結合しているアルキル基の総炭素数が適切なもの
を選択することもできるが、通常は、単一化合物によっ
てこのような要求を満たすことは困難であるため、橋か
け結合を少なくとも1個有する複数の環状脂肪族炭化水
素を適宜の割合で混合して用いることが好ましい。な
お、公知の冷却媒体と混合して用いることもできる。炭
化水素中の総炭素数が13〜18の範囲にある橋かけ結
合を有する環状脂肪族炭化水素は、引火点が比較的高
く、粘度も一定値以下の値を示すので好ましい。総炭素
数が12以下の化合物は、引火点が低いため、本発明で
用いる冷却媒体としては安全性の点から好ましくない。
【0013】本発明において冷却媒体として用いる、少
なくとも一つの橋かけ構造を有する脂環族炭化水素は、
具体的には、次の一般式(I)〜(IV)のいずれかで表
される化合物である。これらは単独でまたは混合して用
いることができる。これらの混合物を用いることによ
り、引火点が120℃以上および融点が−20℃以下で
あり、かつ橋かけ構造を有する脂環族炭化水素を容易に
得ることができる。
【化3】 (R〜Rは水素原子またはメチル基を示し、R
炭素数2ないし3のアルキル基を示す。)
【0014】上記一般式(I)〜(IV)で表される化合
物は、従来公知の各種の方法により製造することが可能
であり、本発明においてはその製造法に特に制限はな
い。一般にはDiels-Alder反応(以下「DA反応」とい
う)を利用して中間体の不飽和多環式炭化水素を合成し
た後、さらにその不飽和結合を水素添加反応により飽和
する方法を挙げることができる。ここでDA反応とは、
共役二重結合を有する化合物(共役ジオレフィン化合
物)がオレフィン性二重結合を有する化合物(オレフィ
ン化合物)に1,4−付加して、環状オレフィン類を生
成する反応をいう。
【0015】本発明で用いる橋かけ結合を有する炭化水
素の製造においては、シクロペンタジエン(CPD)お
よび/またはメチルシクロペンタジエン(MCPD)と
炭素数4ないし5の鎖状の不飽和炭化水素とのDA反応
を行うことができる。すなわち共役ジオレフィン化合物
およびオレフィン化合物として1,3−ブタジエン、イ
ソプレン、1,3−ペンタジエン、シクロペンタジエ
ン、メチルシクロペンタジエンなどを使用する。また、
オレフィン化合物としては、1−ブテン、2−メチル−
1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、
シクロペンテン、メチルシクロペンテンなどを使用する
ことも可能であが、これらのオレフィン化合物は共役ジ
オレフィン化合物との反応性が高くないために、より過
酷な反応条件が必要になる傾向がある。
【0016】DA反応は熱的に進行するため、共役ジオ
レフィン化合物とオレフィン化合物のモル比は任意の割
合で用いることが可能であるが、通常は1:10から1
0:1の範囲が適当であり、さらに反応温度における個
々の反応の速度定数から経済的な配合割合を決定するこ
とが好ましい。また反応にはn−ヘプタン、ベンゼン、
トルエンなどの不活性溶媒や、メタノール、エタノール
などのアルコール、クロロベンゼン、ジクロロエタンな
どの有機ハロゲン化物などを使用してもよいが、これら
の溶媒は必ずしも必要ではなく、共役ジオレフィン化合
物とオレフィン化合物とを無溶媒下で反応させることが
可能である。
【0017】反応温度は、原料の反応性に応じて常温〜
250℃の範囲から選ばれ、また反応温度において反応
系を液相に保つ圧力下で反応を行うことが好ましい。反
応時間は用いた原料の反応性によって規定される。
【0018】反応原料として1,3−ブタジエン(B
D)とシクロペンタジエン(CPD)とを用いた場合の
DA反応についてさらに詳細に説明するが、本発明はこ
れらの例に限定されるものではない。なお、CPDは常
温でも容易にDA反応により2量化してジシクロペンタ
ジエン(DCPD)に変化するために、通常DCPDと
して貯蔵し、必要に応じこれを熱分解して使用すること
が行われている。本発明における化合物の製造おいて
も、CPDを出発原料として用いる方法のほかに、出発
原料にDCPDを用い反応系において熱分解により生成
したCPDを原料として反応を行うことが可能である。
【0019】反応容器にBDとCPDとを張り込み、攪
拌を行いながら加熱すると、BDとCPDがDA反応に
より、先ず4−ビニル−1−シクロヘキセン(VC
H)、5−ビニルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エ
ン(VBH)、3a.4.7.7a−テトラヒドロインデ
ン(THI)およびDCPDなどの2量体を生成する。
これらの生成物もオレフィン化合物であるため、さらに
反応原料のBDやCPDと反応して3量体を生成する。
ここでいう3量体とは、以上の説明から明らかなよう
に、BDとCPDとをユニットとして表すと、BD−C
PD−BD、CPD−CPD−BD、BD−CPD−C
PD、CPD−CPD−CPD等のように記すことがで
きる。さらにこれらの3量体もオレフィン化合物である
から、これらにBDやCPDがDA反応により付加した
4量体化合物を生成する。このようにして4量体以上の
多量体も同時に生成するが、その生成量は反応温度や反
応時間を選択することにより制御することが可能であ
る。通常は4量体以上の多量体の生成を可能な限り抑制
することが好ましい。
【0020】反応は、反応容器に一時に原料を張り込む
回分方式、不足分を逐次添加する半回分方式、あるいは
連続的に原料を供給して生成物を引き抜く連続方式の何
れの方式において行うことも可能である。発熱反応であ
るため、温度を反応温度まで上昇させて反応を開始した
後は、適当な冷却方法により反応熱を除去して所定の反
応温度に保つ。上記の原料および生成物は反応温度にお
いて重合しやすいので、重合生成物の析出による反応装
置や関連装置の閉塞やファウリングの問題を解決するた
めに、p−フェニレンジアミン系化合物などの重合防止
剤を50〜500ppm添加して反応を行うことが好ま
しい。
【0021】また5−エチリデンビシクロ〔2.2.1〕
ヘプト−2−エンの製造プロセスにおいては、反応中間
体としてVBHを製造するために、まずBDとCPDと
のDA反応を行う。この際、前記本発明の場合と同一の
反応が生起し、これにより本発明で用いる環状脂肪族炭
化水素が副生する。これらの副生留分から3量体部分を
分取し、次に述べる水素添加処理を行い目的の物質を製
造することも可能であり、経済的には有利な方法であ
る。
【0022】上記の方法により取得した3量体またはそ
れを含む反応生成物に対して、その中に含まれる不飽和
炭素−炭素結合を消滅させるために水素添加を行う。水
素添加の前後に前処理および後処理を行うことも可能で
ある。すなわち、水素添加反応の前に蒸留により所定の
留分を分取すば、触媒活性を低下させる物質を除去する
ことができると共に、不要成分を水素添加することによ
る水素の損失を防止することもできるので好ましい。そ
の際、上記の原料混合物は熱安定性に劣り、熱分解反応
や熱転位反応が容易に起こるので、蒸留には減圧蒸留を
用い、塔底温度を170℃以下、好ましくは150℃以
下の条件で行うことが望ましい。
【0023】減圧蒸留により目的の3量体を分取した
後、この留分の水素添加反応を行う。反応には溶剤を用
いることも可能であるが、通常その必要はない。ニッケ
ル、パラジウム、白金、コバルト、ロジウム等の金属、
またはこれらの金属の酸化物を触媒として、常温〜30
0℃の温度および常圧〜350kg/cmの水素圧力下で
水素添加を行う。水素添加反応においては回分方式およ
び連続方式の何れも可能である。反応終了後、必要に応
じて反応液の後処理を行い、またさらに生成物の組成を
調整する等の目的で蒸留等による精製を行って、目的の
化合物を取得する。
【0024】本発明における冷却媒体は、ブラウン管、
特に投射型ブラウン管を冷却するためのものであり、蛍
光体を塗布した前面のガラスパネルが局部的に加熱され
ることを防ぐ目的で使用される。冷却方法としては、適
宜の対流手段を採用して強制対流を行うことも可能であ
るが、通常は冷却媒体の温度による比重差を利用した自
然対流により循環を行う。加熱部をより効果的に冷却す
るためには、冷却媒体の循環量を増大することが必要で
ある。自然対流において冷却媒体の循環量を増大するに
は、循環流動の際に発生する容器壁面との摩擦および流
体の内部摩擦が少ない冷却媒体を用いること、すなわち
粘度の低い冷却媒体を用いることが有効である。また、
次式(1)に示すポアズイユの法則から、強制循環を行
う場合には、配管中を流れる液体の流量は、粘度と反比
例の関係にあることがわかる。すなわち、他の条件が一
定であれば、液体の粘度を低下させることにより液流量
を増大することができる。また、冷却媒体を一定の流量
で流す場合には、冷却媒体の粘度が小さい程Δpが小さ
くなり、ポンプの能力が小さくて済むので装置全体の小
型化を図ることができる。 Q =〔πR/8(ν・ρ)〕×(Δp/L) ・・・・・・・・・・・・ 式(1) ここで、 Q〔mm/s〕: 液体の流量 R〔mm〕: 円管の半径 ν〔mm/s〕: 液体の動粘度 ρ〔g/mm〕: 液体の密度 Δp〔g/(mm・s)〕: 円管の両端における差圧 L〔mm〕: 円管の長さ
【0025】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を詳細
に説明する。
【実施例】まず、冷却媒体の試験方法は以下の通りであ
る。 <浸漬試験> (a)浸漬部材 (1)プラスチック:PMMA(ポリメタクリル酸メチ
ル) 平均分子量: 約100万 屈折率: 1.49 テストピース寸法: 25mm×100mm×2mm (2)ガラス:ホウケイ酸塩ガラス テストピース寸法: 25mm×100mm×2mm (b)浸漬条件 浸漬時間: 96時間 浸漬温度: 80℃ (c)判定方法 部材表面の変化を目視により観察し、以下の基準により
判定した。 変化なし:○、 変化あり:× <透過率> 分光光度計: 日本分光工業(株)製、Ubest−50型 測定波長: 可視光部 400〜700nm リファレンス: 純水 透過率の判定基準は以下の通りである。 透過率100以上:◎、 100未満98以上:○、 98未満:×
【0026】<実施例1>CPD(シクロペンタジエ
ン)4,052gとBD(1,3−ブタジエン)5,95
1gとを反応容器に張り込み、140℃で5時間反応を
行った。反応生成物の蒸留を行い、未反応の反応原料と
生成した2量体とを除去した。最も沸点の高い2量体は
DCPDであり、その沸点は100mmHg abs.において
105.3℃であった。2量体を除去した後、3量体留
分を留出させ(10mmHg abs.、111〜138℃)、
精製された3量体を取得した。この3量体留分100重
量部に対し、粉末ニッケル触媒 N113(商品名、日
揮化学(株)製)2重量部を添加して、水素圧力70kg/c
mG、反応温度120℃で5.5時間水素添加反応を行
った。反応終了後、触媒をろ過により除去し、さらに蒸
留による精製を行って目的の留分を取得した。沸点範囲
は水素添加前と同一であった。この留分を下記の実施例
に用いたが、これらは主として以下の成分A、B、Cお
よびDからなるものであった。 成分A:BD 2分子とCPD 1分子との付加生成物の
水素化物(約20%) 成分B:BD 1分子とCPD 2分子との付加生成物の
水素化物(約20%) 成分C:BD 1分子とCPD 2分子と付加生成物の水
素化物(約30%) 成分D:CPD 3分子の付加生成物の水素化物(約3
0%) 表1に部材の浸漬試験の結果を、表2に冷却媒体の物性
を、また表3に冷却媒体の透過率をそれぞれ示す。ま
た、上記成分A、B、CおよびDの構造はそれぞれ以下
の通りである。
【0027】
【化4】
【0028】<比較例1、2>キシレンの混合物をスチ
レンによりアルキル化し、反応液から沸点290〜30
5℃(常圧換算)の留分を蒸留により回収した。回収留
分はジアリールアルカンを主とするものであった。次に
この留分に珪藻土坦持ニッケル触媒を用いて核水素添化
反応を行った。一核のみの部分核水素添化物を比較例1
とし、二核を全て核水素添化した水素添加物を比較例2
として、実施例と同様の試験を行った結果を表1から3
に示す。なお、比較例2の組成は次の通りである。 1−シクロヘキシル−1−ジメチルシクロヘキシルエタン:75% 1−シクロヘキシル−1−エチルシクロヘキシルエタン: 19% スチレンダイマーの二核核水素添加物: 6%
【0029】
【表1】 浸漬後の部材を調査した結果、芳香族環を有する比較例
1の混合物に浸漬したプラスチックの表面は溶解されて
いたが、実施例1の混合物に浸漬したプラスチックおよ
びガラスの表面には変化が見られなかった。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】表2に示すように、実施例1の屈折率は
1.51であり、プラスチックレンズに多く用いられて
いる耐熱性に改質したPMMAの屈折率と同じ値であ
る。このことから、実施例1の混合物を冷却媒体として
用いる場合には、多重反射が抑制されて鮮明な画質が得
られることがわかる。また、実施例1の混合物は、比較
例1および2の混合物に比べて粘度が低いため、自然対
流で冷却を行っても循環量が大きい。したがって、特に
熱が放散し難いパネル中央部においても効率的な冷却が
可能であり、温度消光の現象を防止することができる。
さらに、低粘度の冷却媒体を用いれば、流動抵抗が減少
するので、強制循環の場合には循環ポンプの小型化が可
能であり、自然対流の場合には冷却層の幅を小さくする
ことができ、いずれの場合も装置を小型化することがで
きる。また、冷却層の幅を小さくすることにより、冷却
層内における光の吸収が少なくなるため、より鮮明な画
像を得ることができる。また、プロジェクターテレビの
実作動時において、蛍光体を塗布した前面のガラスパネ
ルは冷却を行わない場合に120℃の高温になるが、実
施例の混合物は引火点がこれよりも高いため安全であ
り、冷却媒体として好適である。
【0033】
【発明の効果】本発明に用いる冷却媒体は、橋かけ構造
を有する環状脂肪族炭化水素からなるために、屈折率の
値がガラスとプラスチックレンズの値の中間にあるの
で、これを用いることにより従来品よりも鮮明な画像が
得られる。さらに橋かけ構造を有しない単なる環状脂肪
族炭化水素、芳香族炭化水素等と比較して粘度が非常に
低いために、自然対流による冷却を行っても冷却効果は
十分に得られ、温度消光の現象を防止してより鮮明な画
像を得ることができる。また引火点が高く安全であるた
め、本発明における冷却媒体は投射型ブラウン管の冷却
装置に最も適したものである。ここで、本発明に用いる
冷却媒体の特性を列挙すれば以下の通りである。 (a)屈折率の値が、冷却媒体に接する光学素材である
ガラスとプラスチックの屈折率の中間にある。 (b)優れた光透過性を有する。 (c)低粘度であるため循環が円滑に進行する。 (d)引火点が高い。 (e)高沸点である。 (f)部材を腐食せず、かつ溶解しない。 (g)混合物である場合には、融点が低く液状を保ち易
いので好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C031 AA04 5C035 AA03 KK01 KK04 5C036 EF01 EF07 EG43

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 橋かけ結合を少なくとも1個有する環状
    脂肪族炭化水素からなり、引火点が120℃以上および
    融点が−20℃以下である光学機器用冷却媒体。
  2. 【請求項2】 前記橋かけ結合を少なくとも1個有する
    環状脂肪族炭化水素が、下記一般式(I)から(IV)で
    表される炭素数13から18の化合物群から選ばれる少
    なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1
    に記載の光学機器用冷却媒体。 【化1】 (RからRは水素原子またはメチル基を示し、R
    は炭素数2または3のアルキル基を示す。)
  3. 【請求項3】 橋かけ結合を少なくとも1個有する環状
    脂肪族炭化水素からなり、引火点が120℃以上および
    融点が−20℃以下である冷却媒体を、二つの透明な光
    学素材の間隙に充填してなる光学機器用冷却装置。
  4. 【請求項4】 前記橋かけ結合を少なくとも1個有する
    環状脂肪族炭化水素が、請求項2に記載された一般式
    (I)から(IV)で表される炭素数13から18の化合
    物群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを
    特徴とする請求項3に記載の光学機器用冷却装置。
  5. 【請求項5】 前記光学機器が投射型ブラウン管である
    ことを特徴とする請求項3に記載の光学機器用冷却装
    置。
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