JP2000336102A - フォームラバー - Google Patents

フォームラバー

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JP2000336102A
JP2000336102A JP11147151A JP14715199A JP2000336102A JP 2000336102 A JP2000336102 A JP 2000336102A JP 11147151 A JP11147151 A JP 11147151A JP 14715199 A JP14715199 A JP 14715199A JP 2000336102 A JP2000336102 A JP 2000336102A
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JP
Japan
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latex
rubber
weight
foam rubber
natural rubber
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JP11147151A
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English (en)
Inventor
Atsuko Ochi
敦子 越智
Ai Matsuura
亜衣 松浦
Yoshiaki Miyamoto
芳明 宮本
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然ゴム特有の臭いや即時性アレルギーのお
それが十分に低減され、品質のばらつきがなく、気泡径
が微細で圧縮特性等に優れたラテックス製のフォームラ
バーを提供する。 【解決手段】 蛋白質の含有量が窒素含有率において
0.1%以下のレベルまで除去された脱蛋白天然ゴム
を、全ゴム固形分に対して30重量%以上の割合で含有
するゴムラテックスを用いてフォームラバーを製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は天然ゴムラテックス
製または天然ゴムラテックスを主体とするラテックス製
のフォームラバーに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ラテ
ックス製のフォームラバーは、マットレス、枕、敷布
団、椅子用クッション等の家庭用品から、座席用クッシ
ョン等の車両用品、あるいは絨毯の裏打ち、ドアのパッ
キング等の幅広い分野で用いられている。このフォーム
ラバーの原料には、一般に、天然ゴム(NR)ラテック
ス単独、またはNRラテックスとスチレン−ブタジエン
ゴム(SBR)ラテックスとのブレンド物が用いられて
いるが、NRラテックスを含有することで、(i) フォー
ムラバーが特有の臭いを有する、(ii)当該NRラテック
スに由来する蛋白質が不純物として含まれてしまい、フ
ォームラバーに触れた場合等に即時性アレルギーが発生
するおそれが生じる、(iii) NRラテックスが天然物で
あるため、その品質にばらつきが生じるといった問題が
あった。
【0003】また、通常、NRラテックスには、ラテッ
クス状態の安定化を図るためにアンモニアが添加されて
いることから、フォームラバーの製造に際してラテック
スをゲル化させるのが困難になる。その結果、ラテック
ス中の気泡の安定性が低くなり、フォームラバーの圧縮
特性、制振特性、緩衝性等の低下を招くことから、フォ
ームラバーの製造に際して脱アンモニア処理といった余
分の工程が必要になるという問題もある。
【0004】さらに、市販のNRラテックスは、凝集を
抑制するという観点から、その全固形分濃度が60%程
度、高くても63%程度以下となるように希釈されてお
り、このような漿液分が多くゴム固形分濃度の低いラテ
ックスでは、ラテックス中に分散した気泡が壊れる前に
ゴムを凝固させるようにコントロールするのが困難にな
る。また、気泡が破壊する際に相互に連結することによ
って大きな径の気泡が生じ易くなるが、これは、フォー
ムラバーの圧縮特性、制振特性、緩衝性等の低下を招く
原因となる。
【0005】一方、近年の家庭用品等においては、経済
性、取扱性、製造加工の簡易性等の観点から、ウレタン
フォームがラテックス製のフォームラバーにとって変わ
りつつある。しかしながら、NRラテックス製のフォー
ムラバーにはウレタンフォームからは得ることのできな
い良好な撓み特性等があり、クッション材等の用途に好
適であるため、現在もなお広く用いられている。従っ
て、NRラテックス製のフォームラバーにおける上記の
問題を解決することが強く求められている。
【0006】そこで本発明の目的は、天然ゴム特有の臭
いや即時性アレルギーのおそれが十分に低減され、品質
のばらつきがなく、気泡径が微細で圧縮特性、制振特
性、緩衝性等に優れたNRラテックス製のフォームラバ
ーを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、フォームラバ
ーの原料として、天然ゴムに代えて、脱蛋白処理によっ
て蛋白質の含有量を所定のレベル以下にまで低減したい
わゆる脱蛋白天然ゴム(DPNR)ラテックスを用いれ
ば、撓み特性が良好である等のNRラテックス製フォー
ムラバーの特性を損なうことなく、天然ゴム特有の臭い
や、即時性アレルギーが発生するおそれを除去すること
ができ、品質のばらつきをなくすことができ、さらには
気泡径が微細で圧縮特性等に優れたフォームラバーを得
ることができるという新たな事実を見出し、本発明を完
成するに至った。
【0008】すなわち、本発明のフォームラバーは、蛋
白質の含有量が窒素含有率において0.1%以下のレベ
ルまで除去された脱蛋白天然ゴムを、全ゴム固形分に対
して30重量%以上の割合で含有するゴムラテックスか
ら形成されたことを特徴とする。蛋白質はNRラテック
スに不純物として含まれるものであって、NRラテック
スを用いた製品の品質にばらつきを生じさせる大きな要
因となる一方、ゴム粒子をラテックス中に安定して分散
させる作用を有している。上記本発明においては、フォ
ームラバーの原料ラテックスとして、蛋白質が高度に除
去されることによって不安定化した(すなわち、ゲル化
を起こし易い)ラテックスを用いていることから、起泡
されたラテックス中において気泡が安定して存在する状
態でゴムをゲル化させることができる。その結果、上記
本発明によれば、気泡径が細かく、圧縮特性、制振特
性、緩衝性等に優れたフォームラバーを得ることができ
る。さらに、蛋白質が高度に除去されていることによ
り、フォームラバーの品質が安定したものとなる。
【0009】また、上記本発明によれば、フォームラバ
ーを構成する脱蛋白ゴムの蛋白質含有量が窒素含有率に
おいて0.1%以下のレベルにまで高度に低減されてい
ることから、フォームラバーを皮膚等に接触させた場合
にあっても、蛋白質に起因する即時性アレルギーが発生
するおそれが極めて低い。さらに、蛋白質を高度に低減
する精製処理が施されていることから、フォームラバー
から天然ゴム特有の臭いを十分に除去することもでき
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明のフォームラバーに
ついて詳細に説明する。本発明のフォームラバーは、前
述のように、蛋白質の含有量が窒素含有率において0.
1%以下のレベルまで除去された脱蛋白天然ゴムを、全
ゴム固形分に対して30重量%以上の割合で含有するゴ
ムラテックスを用いて形成したものである。
【0011】〔脱蛋白天然ゴム〕本発明における脱蛋白
天然ゴムは、通常、天然ゴムラテックスに蛋白分解酵素
と界面活性剤を添加し、次いでこれを静置または攪拌し
つつ熟成させることによって蛋白質を分解し、さらに希
釈と、遠心分離による濃縮とを繰り返して精製する、従
来公知の脱蛋白処理を経ることによって、脱蛋白天然ゴ
ム(DPNR)ラテックスとして得られる。
【0012】(天然ゴムラテックス)上記脱蛋白天然ゴ
ムを作製するのに用いられる天然ゴム(NR)ラテック
スは、新鮮なフィールドラテックスや市販のアンモニア
処理ラテックスのいずれであってもよい。 (蛋白分解酵素)脱蛋白処理に用いられる蛋白分解酵素
には従来公知の種々のものが使用可能であって、特に限
定されるものではないが、例えばアルカリプロテアーゼ
等が好適に用いられる。
【0013】蛋白分解酵素の添加量は、酵素活性に応じ
て適宜設定されるものであるが、通常、NRラテックス
の固形分100重量部に対して0.0001〜20重量
部、好ましくは0.001〜10重量部の範囲で設定さ
れる。蛋白分解酵素の添加量が前記範囲を下回ると、N
Rラテックス中の蛋白質を充分に分解することができな
くなるおそれがある。一方、蛋白分解酵素の添加量が前
記範囲を越えると、酵素の活性が低下し、かつコストア
ップにつながるおそれがある。また、酵素を添加する際
にpH調整剤などの他の添加剤を添加してもよい。
【0014】(界面活性剤)脱蛋白処理に用いられる界
面活性剤には従来公知の種々のものが使用可能であっ
て、特に限定されるものではないが、ヒマシ油カリウ
ム、オレイン酸カリウム、ロジン酸ソーダを用いるのが
好ましい。 (脱蛋白処理)蛋白質分解処理の処理時間は、使用する
酵素の活性に応じて適宜設定されるものであって特に限
定されるものではないが、通常数分から1週間程度行う
ことが好ましい。蛋白質分解処理中、ラテックスは攪拌
していてもよく、静置していてもよい。温度調節は必要
に応じて行えばよいが、蛋白質の分解処理に適した温度
としては5〜90℃、好ましくは20〜60℃である。
処理温度が90℃を超えると酵素の失活が早く、5℃未
満であれば酵素の反応が進行しにくくなる。
【0015】蛋白質分解処理の後に行われる、ラテック
ス中のゴム粒子を洗浄して分解物を除去し、精製する処
理としては、例えば酵素/界面活性剤処理を完了したラ
テックスに遠心分離処理を施す方法が好適に採用され
る。その際、界面活性剤はラテックスのゴム固形分10
0重量部に対して0.001〜20重量部の範囲で添加
するのが適当である。
【0016】遠心分離処理は、まず、蛋白質分解処理を
施した天然ゴムラテックスを5000〜10000rp
mで1〜60分間遠心分離すればよい。遠心分離は1回
ないし数回行えばよいが、通常、1回の遠心分離処理に
よって、蛋白質が高度に除去された脱蛋白天然ゴムラテ
ックスを得ることができる。また、遠心分離処理は、蛋
白質分解処理を施した天然ゴムラテックスのゴム分が5
〜40重量%、好ましくは10〜30重量%となるよう
に水で希釈した上で行ってもよい。
【0017】遠心分離処理後、上層に分離されたクリー
ム状のゴム分を取り出し、これを水で希釈することによ
って脱蛋白天然ゴムラテックスを得ることができる。前
記クリーム状のゴム分を取出す操作は、ディスク式の遠
心分離器で連続的に行ってもよい。また、遠心分離によ
る洗浄方法に代えて、ラテックス粒子を凝集させて分離
する洗浄方法も採用できる。
【0018】また、上記例示の酵素および界面活性剤を
用いるにあたり、他の添加剤、すなわちリン酸塩、酢酸
塩またはそれらの塩、炭酸ナトリウム等のpH調整剤
や、分散剤等を添加してもよい。上記の脱蛋白処理を行
うことにより、蛋白質含有量を窒素含有率において0.
1%以下のレベルにまで低減した脱蛋白天然ゴムを得る
ことができるが、本発明における天然ゴムラテックスの
脱蛋白処理は上記の方法に限定されるものではなく、蛋
白質の含有量を前述のレベルにまで低減できるのであれ
ば、従来公知の種々の脱蛋白処理方法を用いることがで
きる。
【0019】(DPNRラテックスの蛋白質含有量)本
発明に用いられる、上記脱蛋白処理を施したDPNRラ
テックスは、そのラテックス中の蛋白質含有量が、ケル
ダール法による窒素含有率(N%)において0.1%以
下、好ましくは0.08%以下のレベルにまで低減され
ていることが求められる。
【0020】蛋白質含有量が上記のレベルにまで低減さ
れることにより、フォームラバーから天然ゴム特有の臭
いを十分に除去できるとともに、フォームラバーを皮膚
等に接触させた場合等に即時性アレルギーが発生するお
それを十分に除去することができる。さらに、蛋白質含
有量が上記のレベルにまで低減されているということ
は、気泡径が細かく、圧縮特性、制振特性、緩衝性等に
優れており、品質のばらつきがないフォームラバーを得
るという観点からも好ましい。
【0021】(DPNRラテックスの固形分濃度)上記
脱蛋白処理によって得られたDPNRラテックスは、フ
ォームラバー製造時のゲル化を容易にし、かつラテック
ス中での気泡の安定性を高めるという観点から、フォー
ムラバー製造時における固形分濃度が通常のNRラテッ
クスよりも高い値となるように設定するのが好ましい。
【0022】フォームラバー製造時におけるDPNRラ
テックスのゴム固形分濃度は、起泡前の段階でラテック
スが容易に凝固してしまうことがない程度であれば高い
ほど好ましく、起泡されたラテックス中で気泡を十分に
安定して存在させる上で、65重量%以上、好ましくは
65〜70重量%の範囲で設定するのが好ましい。上記
ゴム固形分濃度が60重量%程度を下回ると、起泡され
たラテックス中での気泡が十分に安定して存在できなく
なるおそれがあり、ひいては、フォームラバーの加工性
が低下して、気泡径が大きくなったりあるいは気泡径に
ばらつきが生じたり、圧縮特性、制振特性、緩衝性等が
低下するといった問題が生じるおそれがある。
【0023】〔他のラテックス〕本発明のフォームラバ
ーにおいては、DPNRラテックスとともに、他のゴム
ラテックスを用いることができる。かかる他のゴムラテ
ックスとしては、例えばスチレン−ブタジエンゴム(S
BR)ラテックス、イソプレンゴム(IR)ラテック
ス、クロロプレンゴム(CR)ラテックス、ブタジエン
ゴム(BR)ラテックス等が挙げられる。
【0024】上記他のゴムラテックスについても、フォ
ームラバー製造時におけるゴム固形分濃度は前述と同様
の理由から高い値であるほど好ましく、DPNRラテッ
クスとの混合ラテックスにおけるゴム固形分濃度が、6
5重量%以上、好ましくは65〜70重量%以上の範囲
であるのが好ましい。フォームラバー製造時における上
記ゴム固形分濃度が65重量%程度を下回ると、前述と
同様な問題が生じるおそれがある。
【0025】〔DPNRラテックスと他のラテックスと
の混合割合〕本発明において、DPNRラテックスと上
記他のゴムラテックスとの混合割合は、脱蛋白天然ゴム
の含有割合が全ゴム固形分に対して30重量%を下回る
ことのない範囲で設定される。脱蛋白天然ゴムの含有割
合が、全ゴム固形分に対して30重量%を下回ると、ゴ
ムラテックスをゲル化したときの強度(ゲル強度)が低
くなる。また、フォームラバーの加工性も低下する。さ
らに、この場合、フォームラバーの圧縮特性、制振特
性、緩衝性等が不十分になり、良好な撓み特性を有する
フォームラバーを得ることができなくなる。
【0026】〔フォームラバーの製造方法〕本発明のフ
ォームラバーは、従来のフォームラバーと同様に、(1)
配合ラテックスの起泡、(2) 起泡されたラテックスの凝
固(ゲル化)と成形、(3) 加硫および乾燥の各工程を経
ることによって製造される。本発明においては、前記フ
ォームラバーの製造工程として、配合ラテックスを撹拌
する等の物理的手段によって起泡を行い、次いで起泡さ
れたラテックスを常温でゲル化させるいわゆるダンロッ
プ法や、ラテックスに発泡剤や起泡剤等を添加するとい
った化学的手段によって起泡を行い、次いで起泡された
ラテックスを冷凍した状態でゲル化させるいわゆるタラ
レイ法のいずれの方法をも用いることができる。
【0027】以下、本発明のフォームラバーの製造方法
について、その一例を挙げて順に説明する。本発明のフ
ォームラバーの製造には、DPNRラテックスを単独で
使用し、あるいは必要に応じて、他のゴムラテックスを
DPNRラテックスに混合したものを使用する。DPN
Rラテックスを他のゴムラテックスと混合する際には、
脱蛋白天然ゴムの含有割合が上記所定の範囲に収まるよ
うに設定する。
【0028】次いで、上記ラテックスに加硫剤を配合
し、さらに必要に応じて加硫促進剤、起泡剤、老化防止
剤、安定剤等を配合する。加硫剤としては、硫黄、有機
含硫黄化合物等の、従来公知の種々の加硫剤が使用可能
である。加硫剤の配合量は特に限定されるものではない
が、通常、ラテックスのゴム固形分100重量部に対し
て、1.0〜2.0重量部の範囲で設定するのが好まし
い。
【0029】さらに、種々の薬剤を配合した配合ラテッ
クスに対して、物理的手段または化学的手段によって起
泡を行う。この配合ラテックスの起泡に際して、ラテッ
クスには、必要に応じて、12〜96時間程度の熟成が
施される。かかる熟成の後、例えば物理的手段によって
起泡を行う場合は、前記配合ラテックスをバッチ式また
は連続式起泡装置にて撹拌する。化学的手段によって起
泡を行う場合は、前記配合ラテックスに過酸化水素等の
発泡剤、起泡剤を配合すればよい。
【0030】こうして起泡された配合ラテックスには、
さらに凝固剤、不安定化剤等を配合する。次いで、ラテ
ックスに流動性が残存しているうちに、これを所望の金
型に流し込むなどして成形し、凝固させる。前記配合ラ
テックスには、ケイフッ化ナトリウム(Na2 Si
6 )、ケイフッ化カリウム(K2 SiF6 )、チタン
フッ化ナトリウム(Na2 TiF6 )、亜鉛華等の、従
来公知の種々の(緩)凝固剤、不安定化剤;トリメンベ
ース等の、従来公知の種々の2次凝固剤を配合すること
ができる。
【0031】上記凝固剤、不安定化剤の配合量は特に限
定されないが、配合ラテックスのゴム固形分100重量
部に対して1〜5重量部であるのが好ましく、1〜3重
量部であるのがより好ましい。また、上記2次凝固剤の
配合量についても特に限定されないが、配合ラテックス
のゴム固形分100重量部に対して1〜3重量部である
のが好ましく、1〜1.5重量部であるのがより好まし
い。
【0032】起泡性や気泡の安定性を高めたり、凝固剤
によるフロキュレーション(凝集)を防止するという観
点から、配合ラテックスには、ヒマシ油カリウム、オレ
イン酸カリウム、ロジン酸ナトリウム等の、従来公知の
種々の界面活性剤を起泡剤として配合することができ
る。上記起泡剤の配合量は特に限定されないが、配合ラ
テックスに対して0.1〜2phrであるのが好まし
く、0.5〜2phrであるのがより好ましい。起泡剤
の配合量が上記範囲を超えると、泡の発生量が多くなり
すぎたり、ラテックスの安定性が高くなって、凝固しに
くくなるおそれがある。また、本発明においては、配合
ラテックスとしてDPNRラテックスを用いることか
ら、当該DPNRラテックスの製造時に使用した界面活
性剤が配合ラテックス中にあらかじめ存在する。このた
め、上記起泡剤を配合しなくても例えば物理的な起泡操
作のみでフォームラバーを作製することができる。
【0033】起泡された配合ラテックスを金型に流し込
み、凝固させた後、これを蒸気、熱湯、熱空気等の方法
で加硫する。蒸気等による加硫は、20〜60分間程度
行えばよい。加硫後、脱型し、さらに水洗によってDP
NRラテックスに由来する界面活性剤や、起泡剤等を洗
浄除去し、これを乾燥することによって、本発明のフォ
ームラバーを得ることができる。
【0034】
〔原料ラテックスの調製〕
参考例1(DPNRラテックスの調製) NRラテックスとして、市販のハイアンモニア(HA)
ラテックス〔ゴム固形分60%、アンモニア含有量0.
7%、ケルダール法による窒素含有率(N%)0.38
%、pH11〕を用いた。
【0035】上記HAラテックス約167重量部(ゴム
固形分100重量部)に対し、プロテアーゼ(蛋白分解
酵素)0.067重量部と、オレイン酸カリウム(界面
活性剤)1.5重量部とを添加し、水で希釈して、ゴム
固形分が30重量%のNRラテックスを調製した後、こ
のNRラテックスを室温で16時間撹拌しながら熟成
し、蛋白質の分解処理を行った。
【0036】次いで、蛋白質の分解処理を施したラテッ
クス約333重量部(ゴム固形分100重量部)を水で
希釈し、全量を1000重量部(ゴム固形分約10重量
%)に調整して、10000rpm(約9000Gの重
力加速度)で30分間遠心分離を行った。さらに遠心分
離処理後、上層に分離したクリーム状のゴム分を取り出
して水で希釈することにより、ゴム固形分が70重量%
のDPNRラテックスを得た。こうして得られたDPN
Rラテックスのケルダール法による窒素含有率(N%)
は0.04%であった。
【0037】参考例2(脱アンモニアNRラテックスの
調製) 上記参考例1で用いたのと同じHAラテックスに空気を
通じて、脱アンモニア処理を施すことにより、全固形分
濃度が63重量%、ケルダール法による窒素含有量が
0.38%であり、かつpHが9以下であるNRラテッ
クスを得た。 〔フォームラバーの製造〕 実施例1 上記参考例1で得られたDPNRラテックスのゴム固形
分100重量部に対して、トリメンベース(二次凝固
剤)0.3重量部、加硫促進剤EZ(ジエチルジチオカ
ルバミン酸亜鉛)0.8重量部、加硫促進剤MZ(2−
メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩)1.2重量部、
硫黄(加硫剤)5.0重量部およびオレイン酸カリウム
(起泡剤)2.0重量部を加えた。なお、前記二次凝固
剤、加硫促進剤、加硫剤および起泡剤は、いずれもあら
かじめ水に分散した状態で配合した。上記配合量は固形
分の重量である。
【0038】次いで、上記配合ラテックスを12〜96
時間程度熟成した後、市販の連続式起泡装置を用いて撹
拌することにより泡立てた。さらに、起泡されたラテッ
クスに、当該ラテックス中のゴム固形分100重量部に
対して亜鉛華(加硫促進剤)2.5重量部およびケイフ
ッ化ナトリウム(緩凝固剤)1.0重量部を配合して、
流動性があるうちに前記ラテックスを長尺のベルト状金
型内に注いだ。なお、前記加硫促進剤および緩凝固剤
は、いずれもあらかじめ水に分散させた状態で配合し
た。上記配合量は固形分の重量である。
【0039】ラテックスを上記金型に流し込んだ後、蒸
気で約30分間加硫し、脱型後、水洗によりDPNRラ
テックスに由来する界面活性剤や、上記起泡剤等を洗
浄、除去し、乾燥させることによって、長尺状のフォー
ムラバーを得た。 実施例2および3 オレイン酸カリウム(起泡剤)の配合量を少なくし(実
施例2)、あるいはオレイン酸カリウムを配合しなかっ
た(実施例3)ほかは、実施例1と同様にしてフォーム
ラバーを作製した。
【0040】実施例4および5 オレイン酸カリウムに代えてロジン酸ナトリウム(実施
例4)またはヒマシ油カリウム(実施例5)を用い、そ
の配合量をゴム固形分100重量部に対して1.0重量
部としたほかは、実施例1と同様にしてフォームラバー
を作製した。 比較例1 DPNRラテックスに代えて、上記参考例2で得られた
NRラテックスを使用し、このNRラテックスのゴム固
形分100重量部に対して、トリメンベース0.3重量
部、加硫促進剤EZ0.8重量部、加硫促進剤MZ1.
2重量部、硫黄5.0重量部、オレイン酸カリウム1.
0重量部、ロジン酸ナトリウム(起泡剤)1.0重量部
およびヒマシ油カリウム(起泡剤)1.0重量部を加え
た。なお、前記二次凝固剤、加硫促進剤、加硫剤および
起泡剤は、いずれもあらかじめ水に分散した状態で配合
した。上記配合量は固形分の重量である。
【0041】次いで、実施例1と同様にして、上記配合
ラテックスの濃縮、熟成、起泡、ならびに亜鉛華および
ケイフッ化ナトリウムの添加を行った。さらに、実施例
1と同様にして、ラテックスに流動性があるうちに注型
し、加硫、脱型、洗浄および乾燥を行って、長尺状のフ
ォームラバーを得た。 比較例2 前記配合ラテックス中にオレイン酸カリウム、ロジン酸
ナトリウムおよびヒマシ油カリウム(起泡剤)を配合し
なかったほかは、比較例1と同様にして、フォームラバ
ーを作製した。
【0042】実施例6 上記参考例1で得られたDPNRラテックスと、SBR
ラテックス〔日本合成ゴム(株)製の商品名「Nipo
l 4850A」、ゴム固形分濃度70重量%〕とを、
両者のゴム固形分の含有割合が90:10(重量比)と
なるように混合した。
【0043】上記混合ラテックスのゴム固形分100重
量部に対して、トリメンベース0.3重量部、加硫促進
剤EZ0.8重量部、加硫促進剤MZ1.2重量部、硫
黄5.0重量部およびオレイン酸カリウム1.0重量部
を加えた。なお、前記二次凝固剤、加硫促進剤、加硫剤
および起泡剤は、いずれもあらかじめ水に分散した状態
で配合した。上記配合量は固形分の重量である。
【0044】次いで、実施例1と同様にして、上記配合
ラテックスの濃縮、熟成、起泡、ならびに亜鉛華および
ケイフッ化ナトリウムの添加を行った。さらに、実施例
1と同様にして、ラテックスに流動性があるうちに注型
し、加硫、脱型、洗浄および乾燥を行って、長尺状のフ
ォームラバーを得た。実施例7および比較例3DPNR
ラテックスとSBRラテックスとのゴム固形分の含有割
合を、重量比で30:70(実施例7)または20:8
0(比較例3)としたほかは、実施例6と同様にしてフ
ォームラバーを作製した。
【0045】比較例4 DPNRラテックスに代えて、上記参考例2で得られた
NRラテックスを用いたほかは、実施例6と同様にして
フォームラバーを作製した。 比較例5 DPNRラテックスに代えて、上記参考例2で得られた
NRラテックスを用いたほかは、実施例7と同様にして
フォームラバーを作製した。
【0046】〔フォームラバーの物性評価〕上記実施例
および比較例で得られたフォームラバーについて、以下
の項目の評価を行った。 (加工性)フォームラバー製造時のゴムラテックスの固
まり具合と、ラテックスが凝固する際の気泡の状態を観
察し、フォームラバーの加工性を以下の基準で評価し
た。
【0047】◎:非常に良好;気泡が破壊することな
く、良好な凝固性を示した。 ○:良好;気泡の破壊がほとんど見られなかった。 △:実用上不十分;気泡が多少破壊しつつ凝固した。 ×:不良;気泡がほとんど破壊されていた。 (フォームラバーの品質)JIS K 6382-1995
「クッション用フォームラバー」に記載の「硬さ試
験」、「圧縮残留ひずみ試験」および「繰返し圧縮試
験」に準拠して、フォームラバーの硬さ(N)、圧縮残
留ひずみ(%)および繰返し圧縮残留ひずみ(%)を測
定した。
【0048】上記測定には、各実施例および比較例で得
られたフォームラバーを切り取って作製した、50cm
×50cm×50cmのサンプルを用いた。 (色および臭い)フォームラバーの色および臭いを五感
で評価した。 (平均気泡数)各実施例および比較例で得られたフォー
ムラバーを切り取り、長さ25cm、幅25cmの薄片
状のサンプルを作製し、このサンプルの表面に現れた気
泡の数を目視で計数した。
【0049】上記試験結果および測定結果を、各実施例
および比較例におけるラテックスの組成とともに、表1
および2に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】表1および2より明らかなように、実施例
1〜7のフォームラバーはいずれも加工性が良好で、硬
さ、圧縮残留ひずみなどの物性が良好であり、天然ゴム
特有の臭いも低減されていた。これに対し、DPNRラ
テックスを用いずにNRラテックスを用いた比較例1、
4および5では、ゴム特有の臭いが残存するとともに、
硬く(すなわち、撓み性が不十分で)、圧縮残留ひずみ
などの特性が実施例に比べて低いという問題があった。
【0053】また、NRラテックスを使用し、起泡剤
(界面活性剤)を配合していない比較例2では、加工性
が極めて低かった。この比較例2は、平均気泡数が極め
て低く、圧縮残留ひずみなどの特性値が測定できないほ
どその撓み特性が不十分であった。さらに、比較例3で
は、脱蛋白天然ゴムの含有量が低いために加工性が低
く、十分な強度を有するフォームラバーを得ることがで
きなかった。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
天然ゴム特有の臭いや即時性アレルギーのおそれが十分
に低減され、品質のばらつきがなく、気泡径が微細で圧
縮特性、制振特性、緩衝性等に優れたフォームラバーを
得ることができる。かかるフォームラバーはマットレ
ス、枕、敷布団、椅子用クッション等の家庭用品から、
座席用クッション等の車両用品、あるいは絨毯の裏打
ち、ドアのパッキング等の幅広い分野で好適に用いるこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AC011 AC111 AD003 AE052 AF022 FD203 FD312 GC00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛋白質の含有量が窒素含有率において0.
    1%以下のレベルまで除去された脱蛋白天然ゴムを、全
    ゴム固形分に対して30重量%以上の割合で含有するゴ
    ムラテックスから形成されたことを特徴とするフォーム
    ラバー。
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