JP2000334972A - インクジェット記録装置および該記録装置の予備吐出制御方法 - Google Patents

インクジェット記録装置および該記録装置の予備吐出制御方法

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JP2000334972A
JP2000334972A JP14874199A JP14874199A JP2000334972A JP 2000334972 A JP2000334972 A JP 2000334972A JP 14874199 A JP14874199 A JP 14874199A JP 14874199 A JP14874199 A JP 14874199A JP 2000334972 A JP2000334972 A JP 2000334972A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒータ周縁部へのコゲの堆積を防止すること
のできるインクジェット記録装置を提供する。 【解決手段】 ノズルから吐出されたドット数が所定の
値以上となった際に、予備吐出動作を行わせる。このと
き同時に駆動するヒータ数を記録動作のときよりも少な
くして、記録動作時に印加される電圧よりも高い電圧を
ヒータ110に印加する。ヒータ110の発熱時に電極
111や抵抗体等の表面に形成された保護膜層への熱伝
導を減らし、周縁部を含む領域全体に短時間で発泡を生
じさせる。これによりヒータ110の周縁部にコゲ12
0が堆積することを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
装置および該記録装置の予備吐出制御方法に関し、特
に、熱エネルギーを利用してインクを吐出する記録ヘッ
ドを備えているインクジェット記録装置および該記録装
置の予備吐出制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばワードプロセッサ、パーソナルコ
ンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置とし
て使用され、所望される文字や画像等の情報を用紙やフ
ィルム等シート状の記録媒体に記録を行う記録装置とし
て良く知られたものにプリンタがある。
【0003】プリンタの記録方式としては、ドットイン
パクト方式、サーマル方式、インクジェット方式等の様
々な方式が知られているが、用紙等の記録媒体に非接触
記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富
む等の理由でインクジェット記録方式が近年特に広く一
般的に用いられている。
【0004】インクジェット記録方式においては、イン
ク滴を吐出するために用いられる吐出エネルギー発生素
子として電気熱変換素子(ヒータ)を利用する方法と圧
電素子(ピエゾ)を利用する方法があり、いずれも電気
的な信号によってインク滴の吐出を制御することが可能
である。
【0005】例えば、電気熱変換素子を用いるインク滴
吐出方法の原理は、電気熱変換素子に電気信号を与える
ことにより、電気熱変換素子近傍のインクを瞬時にして
沸騰させ、そのときのインクの相変化により生じる急激
な気泡の成長によってインク滴を高速に吐出させるもの
である。一方、圧電素子を用いるインク滴の吐出方法の
原理は、圧電素子に電気信号を与えることにより、圧電
素子が変位しこの変位時の圧力によってインク滴を吐出
させるものである。
【0006】ここで、電気熱変換素子を用いる方法につ
いて検討すると、この方法は吐出エネルギー発生素子の
スペースをそれほど設けなくとも済み、インクジェット
記録ヘッドの構造が単純で、ノズルの集積化が容易であ
ること等の利点がある。一方で、この方法固有の短所と
しては電気熱変換素子の発生する熱等のインクジェット
記録ヘッド内の畜熱による飛翔インク滴の体積変動、消
泡によるキャビテーションの電気熱変換素子に与える影
響等がある。
【0007】これらの欠点を解決するインクジェット記
録方法及びインクジェット記録ヘッドが、特開昭54−
161935号公報、特開昭61−185455号公
報、特開昭61−249768号公報、特開平4−10
941号公報に記載されている。
【0008】これらの公報に記載されるインクジェット
記録方法は、記録信号によって電気熱変換素子を駆動さ
せることにより生じた気泡を外気と連通させることを特
徴とするものである。この記録方法を用いることにより
飛翔インク滴の体積安定性の向上、高速小液滴記録、気
泡の消泡時に発生するキャビテーションの解消によるヒ
ータの断線故障に対する耐久性向上等が可能となり、更
なる高精細画像が容易に得られるようになる。
【0009】また、電気熱変換素子を用いるインクジェ
ット記録ヘッドを使用して長期間にわたって使用してい
ると、インク中の組成物である染料や顔料、インクタン
クからの溶出物であるSn等が電気熱変換素子(ヒー
タ)上にコゲとなって付着することが従来から指摘され
ている。
【0010】インク中に不純物等があるとこのようなコ
ゲが発生しやすいことが知られており、インクの組成物
の精製度を向上させ、インク中の不純物を減らしてコゲ
の発生を防止することが行われている。
【0011】また、コゲの発生はインクジェット記録ヘ
ッドの駆動方法と密接な関係があることが知られてお
り、特に、駆動電圧を液滴の吐出に必要な発泡が得られ
る発泡閥値電圧で除算した係数である、駆動電圧比の大
きさに応じて増加することが分かっている。このため、
駆動電圧比を低くしてコゲの発生を防止することも行わ
れている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような対策を講じてもコゲの発生を防止するには不十分
であり、長期間にわたって使用しているとコゲが発生す
る。
【0013】これは、インク中の不純物を減らしても、
インクタンク内からの溶出物がある場合やインクの組成
物自体がコゲる場合には有効でないため、また駆動電圧
比をあまり低くするとインク滴の吐出が安定しないの
で、駆動電圧比を一定以上とする必要があるためであ
る。
【0014】このように、従来の方法ではコゲの発生を
十分に防止できず、長期間に渡って使用していると、イ
ンクジェット記録ヘッド内部のヒータ上にコゲが発生す
る。
【0015】図5は、ヒータに付着したコゲを示す図で
ある。図示されたように、コゲ120はヒータ110の
周縁部で発生し付着・堆積する。これは、ヒータ110
内の電流密度の分布や、ヒータ110の発熱時に熱が電
極111やヒータの表面に形成された保護膜層に逃げて
いくことにより、ヒータ110の周縁部では発泡温度ま
でインク温度が上昇せずに発泡が生じないためであると
考えられる。
【0016】本発明者の実験によれば、長期間に渡って
使用しているとSn等の無機物が、ヒータ110の周縁
部の発泡領域の近傍でコゲ120となって付着・堆積す
ることが観察された。このようなコゲ120は特に、記
録dutyが高く、ヒータの電圧降下が大きな記録パタ
ーンを記録した際に顕著に発生していた。
【0017】ヒータの周縁部にこのようにコゲが付着す
ると、1回の駆動に対するノズルからの吐出量が低下
し、記録媒体上のインク濃度が低下して明瞭な記録がで
きなくなる。更に、コゲによって吐出自体も不安定とな
り、着弾精度が悪化して記録領域にスジが発生する原因
となる。
【0018】本発明は以上のような状況に鑑みてなされ
たものであり、ヒータ周縁部へのコゲの堆積を防止し、
長期間に渡って使用していても記録濃度の低下およびス
ジの発生を防止することのできるインクジェット記録装
置および該記録装置の予備吐出方法を提供することを目
的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のインクジェット記録装置は、熱エネルギーを
利用してノズルからインクを吐出する記録ヘッドを有す
るインクジェット記録装置であって、前記ノズル内に設
けられており、通電されたときに前記熱エネルギーを発
生する熱エネルギー変換体と、記録データに応じて前記
熱エネルギー変換体を所定の電圧で駆動して記録動作を
行わせる記録制御手段と、所定のタイミングで、前記熱
エネルギー変換体を前記所定の電圧よりも高い電圧で駆
動して予備吐出動作を行わせる予備吐出制御手段とを備
えている。
【0020】また、上記目的を達成する本発明のインク
ジェット記録装置の予備吐出制御方法は、通電されたと
きに前記熱エネルギーを発生する熱エネルギー変換体が
ノズル内に設けられており、前記ノズルからインクを吐
出する記録ヘッドを有するインクジェット記録装置の予
備吐出制御方法であって、記録データに応じて前記熱エ
ネルギー変換体を所定の電圧で駆動して記録動作を行わ
せる記録制御工程と、所定のタイミングで、前記熱エネ
ルギー変換体を前記所定の電圧よりも高い電圧で駆動し
て予備吐出動作を行わせる予備吐出制御工程とを備えて
いる。
【0021】すなわち、本発明では記録動作時に熱エネ
ルギー変換体に印加される電圧よりも、予備吐出動作時
に熱エネルギー変換体に印加される電圧の方が高い。
【0022】このようにすると、熱エネルギー変換体の
発熱時に電極や抵抗体等の表面に形成された保護膜層へ
の熱伝導を減らし、短時間で周縁部を含む領域全体に発
泡を生じさせる。これにより熱エネルギー変換体の周縁
部にコゲが堆積することを防止し、周縁部へのコゲの付
着に起因する、吐出量の低下による濃度の低下を防止で
きる。更に、吐出動作を安定化させ、長期間に渡る使用
においても吐出されたインク滴の着弾精度の劣化を防止
することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して本発明の
第1の実施形態について詳細に説明する。
【0024】図7は、本発明の代表的な実施の形態であ
るインクジェット記録装置の構成の概要を示す外観斜視
図である。
【0025】図7においては、インクジェット記録装置
は、ケーシング8内に長手方向に沿って設けられる記録
媒体としての用紙28を、図中矢印Cの示す方向に間欠
的に搬送する搬送装置30と、搬送装置30による用紙
28の搬送方向に略直交する方向に略平行に往復運動せ
しめられる記録部10と、記録部10を往復運動させる
駆動手段としての記録部移動駆動部6とを含んで構成さ
れている。
【0026】搬送装置30は、互いに略平行に対向配置
される2対のローラユニット22aおよび22b並びに
24aおよび24bと、これらのローラユニットを駆動
させる駆動部20とを備えている。これにより、駆動部
20が作動状態とされるとき、用紙28が図中矢印Cの
方向にそれぞれのローラユニット22aおよび22b並
びに24aおよび24bにより挟持されて、間欠的に送
られて搬送されることとなる。
【0027】移動駆動部6は、所定の間隔をもって対向
配置される回転軸に配されるプーリ26aおよび26b
に巻きかけられるベルト16と、ローラユニット22a
および22bに略平行に配置され記録部10のキャリッ
ジ部材10aに連結されるベルト16を順方向および逆
方向に駆動させるキャリアモータ18とを含んで構成さ
れている。
【0028】キャリアモータ18が作動状態とされてベ
ルト16が図中矢印Sに示す方向に回転されるとき、記
録部10のキャリッジ部材10aが同方向に所定の移動
量だけ移動され、また、モータ18が作動状態とされて
ベルト16が図中矢印Sに示す方向とは逆方向に回転さ
れるとき、記録部10のキャリッジ部材10aが矢印S
に示す方向とは反対の方向に所定の移動量だけ移動され
ることとなる。
【0029】さらに、移動駆動部6の一端部には、キャ
リッジ部材10aのホームポジションとなる位置に、記
録部10の吐出回復処理を行うための回復ユニット26
が記録部10のインク吐出口配列に対向して設けられて
いる。回復ユニット26は、記録部10の正対した状態
で予備吐出を行ったときに、各インクジェット記録ヘッ
ドから吐出されたインク滴を受容する予備吐受けを含ん
でいる。
【0030】記録部10は、インクジェット記録ヘッド
12Y、12M、12C、12Bが各色、例えば、イエ
ロー、マゼンタ、シアン、およびブラックごとにそれぞ
れ、設けられている。また、各インクジェット記録ヘッ
ド12Y、12M、12C、12Bには、対応する色の
インクを供給するインクタンクが記録部10のキャリッ
ジ部材10aに対して着脱自在に備えられている。
【0031】図4は、本実施形態のインクジェット記録
装置の制御構成を示すブロック図である。メインバスラ
イン605には、画像入力部603、画像信号処理部6
04、中央制御部としてのCPU600、ヘッド駆動制
御回路617がそれぞれアクセス可能に接続されてい
る。本発明のコゲ剥がし予備吐出のための吐出パターン
は、画像信号処理部604で生成される。
【0032】画像入力部603から入力された画像は、
CPU600および画像信号処理部604によってソフ
トに関する処理が行われ、ヘッド駆動制御回路617で
インクジェット記録ヘッドに合わせてハードに関する処
理が行われる。
【0033】CPU600は、通常ROM601とラン
ダムアクセスメモリ(RAM)602を有し、入力情報
に対して適正な記録条件を与えて記録ヘッド12を駆動
して記録を行う。また、RAM602内には、以下で詳
細に述べる本発明の予備吐出シーケンスを実行するプロ
グラムが予め記憶されている。
【0034】ヘッド駆動制御回路611は、記録ヘッド
12のインク吐出用ヒータの駆動を制御するもので、通
常の予備吐出や記録用のインク吐出、更に、本発明のコ
ゲ剥がしのための予備吐出に対応した駆動制御を行って
記録ヘッドからインク滴を吐出させる。
【0035】以下、本実施形態のインクジェット記録ヘ
ッド12についてより詳細に説明する。図3は本発明の
各インクジェット記録ヘッドの基本的構成を示す斜視図
である。なお、本図およびこれ以下において、電気熱変
換素子(ヒータ)を駆動するための電気的な配線等は図
示していない。
【0036】本実施形態においては、12Y、12M、
12C、12Bの各インクジェット記録ヘッドを構成す
る基板として、例えば、ガラス、セラミックス、プラス
チックあるいは金属等からなる基板34が用いられる。
このような基板の材質は、本発明の本質ではなく、流路
構成部材の一部として機能し、インク吐出発生素子およ
び、後述するインク流路、インク吐出口を形成する材料
層の支持体として機能し得るものであれば、特に限定さ
れるものではない。そこで、本実施形態では、基板34
としてSi基板(ウエハー)を用いた場合について説明
する。
【0037】図3においてSi基板34は電気熱変換素
子としてのヒータ110およびインク供給口33を備え
ており、長溝状の貫通口からなるインク供給口33の長
手方向の両側に、ヒータ110が各吐出口(ノズル)3
2に対応して1列ずつ千鳥状に256個配列されてい
る。ヒータの間隔は吐出口32間の間隔と同じ1インチ
あたり300個のピッチであり、記録密度は、主走査方
向に1200DPI、副走査方向は600DPIであ
る。
【0038】この基板34にはインク流路を形成するた
めのインク流路壁37が設けられており、このインク流
路壁37上には更に吐出口32を備える吐出口プレート
35が設けられている。ここで、図3においてはインク
流路壁37と吐出口プレート35とは、別部材として示
されているが、このインク流路壁37をスピンコート等
の手法によって基板34上に形成することによりとイン
ク流路壁37と吐出口プレート35とを同一部材として
同時に形成することも可能である。
【0039】図10(a)はヒータ110の構造を示す
部分拡大上面図であり、図10(b)は図10(a)の
A−A’での断面図である。ヒータ110と電極111
とは図10(a)に示すような形状に形成されており、
ヒータ材であるTaN103の両端に電極であるAl1
02が形成され、ヒータの表面の保護膜として、SiN
101が9500Åで、Ta100が3000Åの厚み
で順次形成されている。
【0040】ここで、本実施形態で用いたインクジェッ
ト記録装置における記録ヘッドの駆動条件に関して詳細
に述べる。ヒータ110のサイズは30×30μmであ
り、シート抵抗値は53Ωである。インクジェット記録
装置の電源電圧は10.3v、駆動周波数は10kHz
であり、各ヒータの駆動パルス幅は2.5μs、駆動電
流は180mA/ヒータである。
【0041】また、多数のヒータを同時に駆動すると瞬
時に流れる電流が大きくなって実質的にヒータ両端に加
えられる電圧が下がってしまうので、本実施形態では1
6ブロックに分割し、同時に駆動するヒータ数を16個
とした。
【0042】本実施形態では、カラー4色のヘッドを搭
載しているが、インクジェット記録装置での通常の記録
状態、例えば、M(マゼンタ)+Y(イエロー)でR
(レッド)を記録する場合などでは、同時に駆動するヒ
ータ数は256×2色で512個である。1個のヒータ
のみを駆動させたときに比べ、512個のヒータを駆動
させると共通配線部での電圧降下によって、実質的にヒ
ータ両端に加えられる電圧は約1.2v下がってしま
う。
【0043】以上説明した本実施形態のインクジェット
記録装置において、ヒータ上に形成されるコゲに関して
以下のような実験を行った。
【0044】始めに、上記の駆動条件にて、記録dut
yが100%/1色で2色を記録する記録パターンを使
用して、サイズがA4の記録媒体での記録耐久試験を行
い、ヒータ上に形成されるコゲを観察した。
【0045】ヒータ周縁部には図5に示したようなSn
コゲが発生した。このSnコゲの幅は、記録枚数が増え
ると共に大きくなり、5枚で約0〜1.0μm、10枚
で約0.5〜2.5μm、30枚で約1〜3μmであっ
たものが、記録枚数50枚となると約2〜4μmと広が
った。
【0046】図8は、この記録耐久試験における記録枚
数と1回の吐出量の関係を示すグラフである。試験を行
う前には9.0plであった吐出量が、記録耐久試験を
重ねる毎に低下して50枚の記録を行った後には8.2
plまで減少した。吐出量が減少した結果として、記録
濃度が低下しておりスジが発生していた。
【0047】インクジェット記録の分野では、記録時以
外にインクを吐出口から排出せしめる工程として予備吐
出と言われる工程が実行されている。この予備吐出を記
録中や待機中を含めた適切なタイミングで行ってノズル
詰まりを解消することが、英国特許第2169855号
明細書に記載されている。
【0048】この明細書に記載されている予備吐出は、
水分が蒸発して粘土が増加し、ノズル先端に詰まったイ
ンクを取り除いて吐出を回復させるために行うものであ
るが、本発明では、ヒータ周縁部に付着・堆積したコゲ
を剥がしてインク吐出量を回復させるために駆動条件を
変えて予備吐出を行うものである。本発明者はこのよう
に駆動条件を変えてヒータ周縁部を含むヒータ全体で発
泡を生じさせることで、付着堆積したコゲを剥がすこと
ができることを見いだした。
【0049】このような、ヒータ周縁部を含むヒータ全
体で発泡を生じさせるため、抵抗体の発熱時に電極や抵
抗体の表面に形成された保護膜層への熱伝導を減らし、
短時間で発泡が生じる条件とする。駆動条件として具体
的には、短時間でインクが発泡温度に達するためにヒー
タ両端に加わる電圧を高くし、短いパルス幅で予備吐出
を行う。また、従来の予備吐出は、同時に駆動するヒー
タ数を通常の記録時と同じ数として行われていたが、本
実施形態では、同時に駆動するヒータ数を記録時より減
らして予備吐出を実行する。
【0050】次に、コゲを剥がすのに適した予備吐出の
駆動条件を導くべく、上記のように50枚の記録耐久試
験を行った後に、同時に駆動するヒータ数を減らすと共
にパルス数を変化させて予備吐出を行い、予備吐出の後
で各ノズルからの吐出量を測定して以下の表の値のデー
タを得た。
【0051】
【表1】 表Aは、同時に駆動するヒータ数と予備吐出でのパルス
数とを変化させて、予備吐出を行った後の各ノズルから
の吐出量を示している。また、表Bは、同時に駆動する
ヒータ数を1としてパルス数のみを変化させたときに、
予備吐出を行った後の各ノズルからの吐出量を示してい
る。なお、ここでのパルス数は各ヒータ当たりの数であ
り、同時駆動数毎に順番に全ヒータを駆動するパターン
で予備吐出を行った。
【0052】この表から明らかなように、同時に駆動す
るヒータ数を通常の記録を行うときに駆動するヒータ数
(16)より少なくして予備吐出を行うと、記録耐久試
験によって減少した吐出量が回復する。これは駆動する
ヒータ数を1または2としたときに顕著であり、例えば
同時駆動数を1としてヒータ当たり500回以上駆動す
ると、8.2plまで低下していた吐出量が9.0pl
に復帰した。このときヒータ周縁部のコゲの状態を観察
したところ、堆積されたコゲが剥がれて幅が約1〜2μ
mまで低減していた。
【0053】このように堆積したコゲが剥がれるのは、
同時駆動するヒータ数を16から1に減少させると、ヒ
ータ両端にかかる電圧が1.16v高くなり、ヒータ周
縁部でも発泡が起こるためであると考えられる。
【0054】以上の実験結果に基づき、本実施形態にお
いてはコゲ剥がしのための予備吐出の駆動条件として、
同時駆動するヒータ数を1、各ヒータの予備吐出パルス
数を1000、駆動電圧は記録時と同じ10.3v、駆
動パルス幅を2.5μsとしている。
【0055】また、予備吐出を行うか否を決定する閥値
を、図8に示した上記実験における記録枚数と吐出量の
低下の関係から、吐出量の低下が顕著となるA4サイズ
の記録媒体にデューティ100%で10枚記録する量に
相当するパルス数(吐出ドット数)である、2.5×1
/1ヒータとしている。この閾値は、記録ヘッドの
ヒータ部分の材質や構成によって異なる値とする必要が
有り、それぞれで上記のような実験を行って適切な値を
設定してもよい。
【0056】以下、図1のフローチャートを参照して、
本実施形態のインクジェット記録装置の動作を説明す
る。
【0057】まず、インクジェット記録装置に電源が投
入されるとステップS101へ進み、インクジェット記
録装置のRAM内に記憶されている記録ドットカウンタ
値Xと、上記のように設定された予備吐出閾値mを比較
する。記録ドットカウンタ値X≧予備吐出閥値mであれ
ば、ステップS102へ進み、コゲ剥がし予備吐出動作
を行い、その後にステップS103で、記録ドットカウ
ンタ値Xを0に初期化する。
【0058】ステップS102で記録ドットカウンタ値
≧予備吐出閾値mでなかった場合、およびステップS1
03での処理が終了すると、ステップS104に進み、
記録動作を開始する。所定量の記録を行う毎に、ステッ
プS105で記録ドットをカウントし、カウンタ値Xを
更新し、ステップS106で記録ドットカウンタ値X≧
予備吐出閾値mとなったか否かをチェックする。
【0059】ステップS106で記録ドットカウンタ値
X≧予備吐出閾値mとなった場合は、ステップS107
へ進みコゲ剥がし予備吐出動作を行い、その後ステップ
S108で記録ドットカウンタ値を0に初期化する。ま
た、ステップS109で記録ドットカウンタ値X≧予備
吐出閾値mとなる前に記録終了となれば、その時点まで
カウントされた記録ドット数をRAMのに記憶し保存し
た状態で終了する。
【0060】このように本実施形態では、予備吐出にお
いて同時に駆動するヒータ数を通常の記録時より減少さ
せ、ヒータ両端に加わる電圧を通常の記録時よりも上げ
た状態として、予備吐出動作をヒータの駆動回数所定数
となる度に行う。これにより、ヒータの周縁部にコゲが
堆積することを防止し、ヒータの周縁部へのコゲの付着
に起因する、吐出量の低下による濃度の低下を防止でき
る。更に、吐出動作を安定化させ、長期間に渡る使用に
おいても着弾精度の劣化を防止することができる。
【0061】以上説明した実施形態では、記録ドット数
(ヒータの駆動回数)を基準として、コゲ剥がしのため
の予備吐出を行うか否かを決めていたが、記録枚数を基
準としても良いし、また1枚記録を行う毎に必ずコゲ剥
がしのための予備吐出を行うようにしても良い。更に、
多数のドットを使用する記録などにおいては、1枚の記
録中に行っても良い。また、電源投入時に必ずコゲ剥が
しのための予備吐出を行っても良い。
【0062】また、本実施形態では、駆動波形を2.5
μsのシングルパルス形状で行ったが、ダブルパルス形
状でもコゲ剥がしに対する効果が確認されており、駆動
波形のパルス形状は特に限定されない。
【0063】以下、本発明の第2の実施形態について説
明する。
【0064】本実施形態では、1つの駆動パルスで発生
される熱エネルギーを変えずに駆動電圧を変えることに
より、コゲ剥がしのための予備吐出時にヒータ両端に加
わる電圧を高くするように構成している。
【0065】本実施形態のインクジェット記録装置の構
成は第1の実施形態と同様であり、以下に第1の実施形
態と異なる部分のみを記述する。
【0066】本実施形態のインクジェット記録ヘッドの
ヒータの表面の保護膜は、SiN101が5000Å
で、Ta100が2000Åの厚みで形成されている。
ヒータのシート抵抗値は、第1の実施形態と同じ53Ω
である。
【0067】本実施形態では、ヘッドの駆動電圧を変え
るために、図6に示したように、スイッチで駆動電圧を
変えている。実際には、例えばDC−DCコンバータを
用いて駆動電圧を変化させることができる。
【0068】本実施形態では、8.0vと9.5vの二
つの駆動電圧を切り替えて使用しており、1つの駆動パ
ルスで発生される熱エネルギーが等しくなるように、駆
動電圧とパルス幅の関係を、記録時の駆動電圧8.0v
に対してはパルス幅2.7μsにて駆動し、予備吐出時
の駆動電圧9.5vに対してはパルス幅1.9μsで駆
動している。
【0069】図9は、1つの駆動パルスで発生される熱
エネルギーが等しくなる、駆動電圧とパルス幅の関係を
示すグラフである。1つのヒータから発生される熱H
は、電流値をI、電圧をV、抵抗値をRとすると、ジュ
ールの法則より、H=RI=VI、である。従って、
1つの駆動パルスで発生する熱エネルギーは熱Hにパル
ス幅を乗算したものとなるので、1つの駆動パルスで発
生される熱エネルギーを等しくするためには、駆動電圧
を高くしたときにはパルス幅を短くする必要がある。
【0070】コゲ剥がしのための予備吐出を行う間隔に
ついては、上記第1の実施形態ではA4サイズの記録媒
体10枚相当のドット数を基準としたが、本実施形態で
は記録媒体に1枚記録を行う毎に予備吐出を行い、ヒー
タへのコゲの堆積を早い段階で予防するようにしてい
る。
【0071】また、第1の実施例と比べて予備吐出を行
う間隔が短くなることから、予備吐出時の吐出パルス数
を上記実験で効果が確認されたパルス数の中で最少の値
である500個としている。記録dutyが100%/
1色で2色を記録する記録パターンを使用して、記録媒
体のサイズA4で1枚記録する毎にこのパルス数(各ヒ
ータ当たり500)の予備吐出を行う記録耐久試験を行
って、吐出量が変化しないことが確認された。
【0072】以下、本実施形態のインクジェット記録装
置の動作を図2のフローチャートを参照して詳細に述べ
る。
【0073】インクジェット記録装置に電源が投入され
ると、ステップS201へ進み、記録の指示が来るまで
待つ。記録の指示が出されたらステップS202に進
み、記録動作を開始して、ステップS203で記録が1
枚終了したか否かを判定し、1枚終了する毎にステップ
S204でコゲ剥がしのための予備吐出を実行する。
【0074】予備吐出が終了したらステップS205
で、記録が終了したか否かを判定し、終了していない場
合にはステップS202へ戻る。記録が終了した場合に
は動作を終了する。
【0075】すなわち、本実施形態では1枚記録する毎
に必ず1回コゲ剥がしのための予備吐出を行う。これに
より、コゲが発生が抑制され吐出量の低下を防止でき、
吐出を安定化させ、長時間に渡る記録による着弾精度の
劣化を防止した。
【0076】また、本実施形態では、1つの駆動パルス
で発生される熱エネルギーを変えないように、予備吐出
時の駆動電圧を通常の記録時よりも上げると共にパルス
幅を短くしたが、パルス幅を変化させずに駆動電圧のみ
を上げて予備吐出を行っても、短時間で発泡する駆動条
件となるので、抵抗体の発熱時に、電極や抵抗体の表面
に形成された保護膜層への熱伝導を減らし、ヒータ周縁
部における発泡領域を増やすことができ、本実施形態と
同様に効果がある。
【0077】なお、以上の実施形態において、記録ヘッ
ドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さ
らにインクタンクに収容される液体はインクであるとし
て説明したが、その収容物はインクに限定されるもので
はない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めた
り、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対し
て吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容
されていても良い。
【0078】以上の実施形態は、特にインクジェット記
録方式の中でも、熱エネルギーによりインクの状態変化
を生起させる方式を用いて記録の高密度化、高精細化を
達成するものであるが、その代表的な構成や原理につい
ては、例えば、米国特許第4723129号明細書、同
第4740796号明細書に開示されている基本的な原
理を用いて行うものが好ましい。
【0079】この方式はいわゆるオンデマンド型、コン
ティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、
オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持され
ているシートや液路に対応して配置されている電気熱変
換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を越える急速な
温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加する
ことによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せし
め、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果
的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内
の気泡を形成できるので有効である。
【0080】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に
優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。
【0081】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0082】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれ
るものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、
共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を
開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構
成としても良い。
【0083】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0084】加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘ
ッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリ
ッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着さ
れることで、装置本体との電気的な接続や装置本体から
のインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの
記録ヘッドを用いてもよい。
【0085】また、以上説明した記録装置の構成に、記
録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加する
ことは記録動作を一層安定にできるので好ましいもので
ある。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対して
のキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは
吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子
あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などが
ある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを
備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0086】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
も良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもで
きる。
【0087】以上説明した実施の形態においては、イン
クが液体であることを前提として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化も
しくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジ
ェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下
の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範
囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、
使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば
よい。
【0088】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、
またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し
加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒
体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0089】このような場合インクは、特開昭54−5
6847号公報あるいは特開昭60−71260号公報
に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に
液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換
体に対して対向するような形態としてもよい。本発明に
おいては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0090】なお、本発明は、複数の機器(例えばホス
トコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリン
タなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置
など)に適用してもよい。
【0091】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるい
は装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュ
ータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログ
ラムコードを読み出し実行することによっても、達成さ
れることは言うまでもない。
【0092】この場合、記憶媒体から読み出されたプロ
グラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現する
ことになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体
は本発明を構成することになる。また、コンピュータが
読み出したプログラムコードを実行することにより、前
述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプ
ログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働
しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処
理の一部または全部を行い、その処理によって前述した
実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言う
までもない。
【0093】さらに、記憶媒体から読み出されたプログ
ラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カー
ドやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わ
るメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示
に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備
わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれることは言うまでもない。
【0094】本発明を上記記憶媒体に適用する場合、そ
の記憶媒体には、先に説明した(図1および/または図
2に示す)フローチャートに対応するプログラムコード
が格納されることになる。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、熱
エネルギー変換体の発熱時に電極や抵抗体等の表面に形
成された保護膜層への熱伝導を減らし、短時間で周縁部
を含む領域全体に発泡を生じさせることができ、これに
より熱エネルギー変換体の周縁部にコゲが堆積すること
を防止し、周縁部へのコゲの付着に起因する、吐出量の
低下による濃度の低下を防止できると共に、吐出動作を
安定化させ、長期間に渡る使用においても吐出されたイ
ンク滴の着弾精度の劣化を防止することができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の第1の実施
形態の動作を示すフローチャートである。
【図2】本発明のインクジェット記録装置の第2の実施
形態の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明のインクジェット記録装置で使用される
記録ヘッド基板の詳細な構成を示す部分断面図である。
【図4】本発明のインクジェット記録装置の制御構成を
示すブロック図である。
【図5】記録ヘッドのヒータおよびヒータ周縁部に発生
したコゲを示す図である。
【図6】記録ヘッドの駆動電圧を切り替えるスイッチを
示す図である。
【図7】本発明の好適な実施形態であるインクジェット
記録装置の構成を部分的に断面で示す外観斜視図であ
る。
【図8】記録枚数とノズルからの吐出量の関係を示すグ
ラフである。
【図9】1つの駆動パルスで発生させる熱エネルギーを
一定とするときの駆動電圧とパルス幅の関係を示すグラ
フである。
【図10】記録ヘッドのヒータの構成を示す図である。
【符号の説明】 110 ヒータ 111 電極 120 コゲ

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱エネルギーを利用してノズルからイン
    クを吐出する記録ヘッドを有するインクジェット記録装
    置であって、 前記ノズル内に設けられており、通電されたときに前記
    熱エネルギーを発生する熱エネルギー変換体と、 記録データに応じて前記熱エネルギー変換体を所定の電
    圧で駆動して記録動作を行わせる記録制御手段と、 所定のタイミングで、前記熱エネルギー変換体を前記所
    定の電圧よりも高い電圧で駆動して予備吐出動作を行わ
    せる予備吐出制御手段とを備えたことを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録ヘッドが前記ノズルを複数有し
    ており、前記予備吐出制御手段が同時に駆動する前記熱
    エネルギー変換体の数は、前記記録制御手段が同時に駆
    動する前記熱エネルギー変換体の数よりも少ないことを
    特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記予備吐出制御手段が同時に駆動する
    前記熱エネルギー変換体の数は、前記記録制御手段が同
    時に駆動する前記熱エネルギー変換体の数の半分以下で
    あることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット
    記録装置。
  4. 【請求項4】 前記予備吐出制御手段が同時に駆動する
    前記熱エネルギー変換体の数が1であることを特徴とす
    る請求項2または3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記予備吐出制御手段は、前記熱エネル
    ギー変換体に印加する電圧を切り替える電圧切り替え手
    段を含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェ
    ット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録制御手段および前記予備吐出制
    御手段は、パルス状の駆動信号によって前記熱エネルギ
    ー変換体をそれぞれ駆動することを特徴とする請求項1
    に記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記予備吐出制御手段は、1つのパルス
    状部分に対して前記熱エネルギー変換体から発生される
    熱エネルギーが、前記記録制御手段と等しくなるような
    駆動信号を発生することを特徴とする請求項6に記載の
    インクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記予備吐出制御手段は、前記ノズルか
    ら所定数のインク滴が吐出されたときに前記予備吐出動
    作を行わせるタイミング制御手段を含むことを特徴とす
    る請求項1から7のいずれか1項に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  9. 【請求項9】 前記予備吐出制御手段は、所定枚数の記
    録媒体への記録を行ったときに前記予備吐出動作を行わ
    せるタイミング制御手段を含むことを特徴とする請求項
    1から7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装
    置。
  10. 【請求項10】 前記所定枚数は1枚であることを特徴
    とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 前記記録ヘッドは、前記熱エネルギー
    によって発生された気泡を大気と連通させる大気連通口
    を備えることを特徴とする請求項1から10のいずれか
    1項に記載のインクジェット記録装置。
  12. 【請求項12】 通電されたときに前記熱エネルギーを
    発生する熱エネルギー変換体がノズル内に設けられてお
    り、前記ノズルからインクを吐出する記録ヘッドを有す
    るインクジェット記録装置の予備吐出制御方法であっ
    て、 記録データに応じて前記熱エネルギー変換体を所定の電
    圧で駆動して記録動作を行わせる記録制御工程と、 所定のタイミングで、前記熱エネルギー変換体を前記所
    定の電圧よりも高い電圧で駆動して予備吐出動作を行わ
    せる予備吐出制御工程とを備えたことを特徴とするイン
    クジェット記録装置の予備吐出制御方法。
  13. 【請求項13】 前記記録ヘッドが前記ノズルを複数有
    しており、前記予備吐出制御工程において同時に駆動す
    る前記熱エネルギー変換体の数が、前記記録制御工程に
    おいて同時に駆動する前記熱エネルギー変換体の数より
    も少ないことを特徴とする請求項12に記載のインクジ
    ェット記録装置の予備吐出制御方法。
  14. 【請求項14】 前記予備吐出制御工程において同時に
    駆動する前記熱エネルギー変換体の数は、前記記録制御
    工程において同時に駆動する前記熱エネルギー変換体の
    数の半分以下であることを特徴とする請求項13に記載
    のインクジェット記録装置の予備吐出制御方法。
  15. 【請求項15】 前記予備吐出制御工程において同時に
    駆動する前記熱エネルギー変換体の数が1であることを
    特徴とする請求項13または14に記載のインクジェッ
    ト記録装置の予備吐出制御方法。
  16. 【請求項16】 前記予備吐出制御工程は、前記熱エネ
    ルギー変換体に印加する電圧を切り替える電圧切り替え
    工程を含むことを特徴とする請求項12に記載のインク
    ジェット記録装置の予備吐出制御方法。
  17. 【請求項17】 前記記録制御工程および前記予備吐出
    制御工程は、パルス状の駆動信号によって前記熱エネル
    ギー変換体をそれぞれ駆動することを特徴とする請求項
    12に記載のインクジェット記録装置の予備吐出制御方
    法。
  18. 【請求項18】 前記予備吐出制御工程は、1つのパル
    ス状部分に対して前記熱エネルギー変換体から発生され
    る熱エネルギーが、前記記録制御工程と等しくなるよう
    な駆動信号を発生することを特徴とする請求項17に記
    載のインクジェット記録装置の予備吐出制御方法。
  19. 【請求項19】 前記予備吐出制御工程は、前記ノズル
    から所定数のインク滴が吐出されたときに前記予備吐出
    動作を行わせるタイミング制御工程を含むことを特徴と
    する請求項12から18のいずれか1項に記載のインク
    ジェット記録装置の予備吐出制御方法。
  20. 【請求項20】 前記予備吐出制御工程は、所定枚数の
    記録媒体への記録を行ったときに前記予備吐出動作を行
    わせるタイミング制御工程を含むことを特徴とする請求
    項12から18のいずれか1項に記載のインクジェット
    記録装置の予備吐出制御方法。
  21. 【請求項21】 前記所定枚数は1枚であることを特徴
    とする請求項20に記載のインクジェット記録装置の予
    備吐出制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016215476A (ja) * 2015-05-19 2016-12-22 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置、インクジェット記録方法およびプログラム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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