JP2000334597A - 難湿潤性の金属材料のろう付け用のフラックス、活性化剤組合せ物の使用及びはんだ付け材−フラックス組合せ物 - Google Patents
難湿潤性の金属材料のろう付け用のフラックス、活性化剤組合せ物の使用及びはんだ付け材−フラックス組合せ物Info
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Abstract
る、難湿潤性金属材料のろう付けのための無機ホウ素化
合物及び/又はハロゲン化合物を基礎とするフラック
ス。 【解決手段】 本発明によるフラックスは、活性添加剤
として、フラックスの全体量に対して元素状のホウ素、
元素、合金又は化合物の形でのMo、W、Mn、Co、
Ni、Pd、Cu又はAgの元素の少なくとも1つを含
有する。 【効果】 活性添加剤は、難湿潤性の基礎材料の場合
に、はんだ付け材による湿潤性を顕著に増大させる。
Description
とするはんだ付け材を用いる、難湿潤性金属材料のろう
付けのためのフラックスに関するものである。本質的に
ステンレス鋼及びスケールを生じない鋼並びに粉末冶金
学的に製造された複合材料、例えば硬質金属が、はんだ
付け材によるろう付け工程におけるこの種の難湿潤性の
材料と見なされる。
被覆のための熱処理法であるが、この場合、液相は、金
属材料、即ち、はんだ付け材の溶融によって生じてい
る。この場合、基礎材料の固相線温度には達していな
い。
用される。液相線温度が、450℃を上回っているはん
だ付け材を処理する場合には、ろう付けと称する。
結晶又は金属間化合物により形成されている場合には、
液状はんだ付け材が基礎材料を湿潤させることができる
ということである。引き続き、はんだ付け材は、融合面
の上に延ばされ、硬化後に基礎材料との負荷可能な化合
物を形成する。
き部材の両方の融合面は、狭い平行な空隙を形成する。
次に、溶融したはんだ付け材は、有効になっている毛細
管充填圧に基づき、自動的にはんだ空隙の中に流入し、
この空隙を充填する。前記の処理過程が支障なく進行す
るはんだ付けすべき部材の表面の最低温度は、いわゆる
作業温度である。これは、それぞれのはんだ付け材にと
って特徴的な大きさである。
できるようにするために、金属基礎材料に直接接触しな
ければならない。従って、全ての工業的金属表面上に存
在している酸化物層は、まず、剥離され、除去されなけ
ればならない。空気中でのはんだ付けの際には、はんだ
付けは、フラックスを用いるはんだ部位の被覆によって
達成されるが、そのフラックスの溶融流中で、はんだ付
け温度で酸化物を溶解させるか又は分解させている。
表面及び材料表面上に存在している酸化物を除去し、は
んだ付けの過程の間の酸化物の新たな形成を阻止すると
いう役割があるので、はんだ付け材は、基礎材料を十分
に湿潤させることができる。
たはんだ付け材の作業温度に合わせておかなければなら
ないが、この場合、該フラックスは、使用したはんだ付
け材の作用温度を約50〜100度下回って溶融し、前
記の温度から、完全に有効になるものでなければならな
い。更に、溶融したフラックスは、加工品の上で、緊密
で均一な被覆を形成することになるが、これは、必要な
はんだ付け温度及びはんだ付け時間の間に保持されたま
まである。
酸化物を溶解する状態である塩混合物からなるものであ
る。この場合、本質的に、無機ホウ素化合物、例えば殊
にアルカリ金属ホウ酸塩及びアルカリ金属フルオロホウ
酸塩及びハロゲン化物、例えば殊にアルカリ金属フッ化
物のことである。
う付けのためのフラックス(FHタイプ)を、その組成
及び有効温度により7種類に分類している。これらのフ
ラックスは、粉末、ペースト又は懸濁液として使用され
るが、この場合、懸濁液は、噴霧、刷毛又は浸漬によっ
て、加工品の上に塗布されている。引き続き、融点にま
で加熱され、はんだ付け材の添加によって、基礎材料を
互いに緊密に結合させられている。生成物にするための
フラックスとろう付け材との組合せも公知である。従っ
て、実際には、フラックス被覆された成形部材又はフラ
ックス包囲されたろう付け材ワイヤも、基礎材料の融合
に使用されている。
には、ホウ酸と種々のアルカリ金属ポリホウ酸塩とから
なるはんだ付けのためのフラックスが記載されている。
前記フラックスは、付加的に1質量%のホウ素を元素の
形で含有していてもよい。
ル及びニッケル合金のはんだ付けのためのろう付け材フ
ラックスが開示されている。このフラックスは、通常の
成分、例えば四フッ化ホウ酸カリウム、メタホウ酸カリ
ウム及びフッ化カリウムとともに、付加的に更に銅化合
物、例えば酸化銅もしくは塩化銅を含有している。後者
の成分は、脆性を回避するためにフラックスと基礎材料
との反応を停止させるとのことである。
きな欠点がある。難湿潤性基礎材料、例えばステンレス
鋼及びスケールを生じない鋼並びに硬質金属、殊に6%
未満のコバルト顔料を有する硬質金属(KO1−K10、
PO5)は、通常のフラックスの使用の際に、液状はん
だ付け材によって不十分に湿潤されるにすぎない。漸近
オキソ材料の融合のためには、工業的には、元素状のホ
ウ素の添加剤を含有するフラックス(FH12タイプ)
が使用されている。このホウ素添加は、約700℃から
の安定性、即ち、フラックスが活性である間の時間の増
大を意図するものである。しかしながら、硬質金属及び
クロムニッケル鋼自体の湿潤は、殊に低い作用温度(6
80℃未満)を有するはんだ付け材の場合には、ホウ素
添加によって実際に改善されることはない。
モンドインプレグネイテッド硬質金属の融合は、ダイヤ
モンド充填材及び硬質金属を傷つけないようにするため
に、更に一層低下したはんだ付け温度を必要としてい
る。前記の適用の場合のためには、例えばドイツ連邦共
和国特許第4315188号及び同第4315189号
中に記載されているようにカドミウム含有銀ろう付け材
もしくは有利にガリウム含有銀ろう付け材が使用されて
いる。これらのはんだ付け材は、590〜640℃の作
業温度を有している。従来のフラックスは、前記の温度
範囲内では、なお不十分な有効性及び湿潤能を有してい
るにすぎない。これは、はんだ付けの際のプロセスの信
頼性を損ない、ひいては欠陥品の増大及び製品品質の低
下につながることになる。
は、難湿潤性の基礎材料、例えばステンレス鋼及びスケ
ールを生じない鋼及び硬質金属のろう付けのための、フ
ラックスの基礎成分として、重金属のろう付け材(FH
タイプ)のためのDIN EN1045規格が想定する
塩の全ての組合せ物が使用され、銀及び銅をベースとす
るはんだ付け材を用いて基礎材料の明かにより良好な湿
潤を可能とするフラックスを記載することであった。
れば、活性添加剤として、フラックスの全体量に対して
元素状のホウ素を0.01〜10質量%、元素、合金又
は化合物の形でのMo、W、Mn、Co、Ni、Pd、
Cu又はAgの元素の少なくとも1つを0.01〜10
質量%含有し、無機ホウ素化合物及び/又はハロゲン化
合物を基礎とするフラックスによって解決される。
って、難湿潤性の材料、例えばステンレス鋼及びスケー
ルを生じない鋼、殊に硬質金属及び少量の金属含量を有
する硬質物質の湿潤が、従来のフラックスに比して明ら
かに改善されていることが判明した。これは明らかに、
ホウ素及び付加的に別の元素の少なくとも1種の含量
が、その他の点では従来の組成の相応する活性化を生じ
ているようである。こうしたことから、前記の活性剤混
合物の個々の成分がそれ自体単独で、従来のフラックス
の有効性の改善を示していないことが重要である。ホウ
素と、Mo、W、Mn、Co、Ni、Pd、Cu又はA
gの元素、合金又は化合物の少なくとも1つの組合せ物
が、ようやく、ホウ素化合物及び/又はハロゲン化合物
からなるろう付け材との化合物中で前記の驚異的な挙動
を示すのである。
えば質的及び量的にDIN EN1045規格によって
想定されているこの種のフラックスについて公知でかつ
通常の基礎物質及びその量に応じた組成物を基礎として
いる。
び/又はハロゲン化合物である。ホウ素化合物として
は、とりわけホウ酸並びにアルカリ金属及びアルカリ土
類金属のホウ酸塩又は錯体ホウ酸塩、殊にボラックス
(四ホウ酸ナトリウム)、四ホウ酸カリウム及び四フッ
化ホウ酸カリウムが該当する。ハロゲン化合物として
は、とりわけアルカリ金属及びアルカリ土類金属のフッ
化物及び塩化物、殊にフッ化カリウム及びフッ化ナトリ
ウム又はフッ化水素カリウム及びフッ化水素ナトリウム
が該当する。
付け材フラックスは、全体量に対して元素状のホウ素
0.01〜10質量%及びMo、W、Mn、Co、N
i、Pd、Cu又はAgの元素の少なくとも1つ0.0
1〜10質量%からなる活性剤組合せ物を含有してい
る。有利に、該フラックスは、それぞれ、フラックスの
全体量に対して元素状のホウ素を0.1〜5質量%及び
前記の他の元素を0.1〜5質量%含有している。
ルファスの形のホウ素が使用される。他の元素は、単独
又は組み合わせて元素状の形、これらを含有する合金の
形又はこれらの化合物の形で使用することができる。こ
の場合、化合物としては、有利に相応する酸化物が該当
する。
末上の形で使用されるが、この場合、その平均粒度は、
好ましくは45μm未満でなければならない。
によるフラックスは、フラックス全体量に対して、ま
ず、微粉末状のホウ素粒子0.01〜10質量%、元
素、合金又は化合物の形で存在していてもよいMo、
W、Mn、Co、Ni、Pd、Cu又はAgの元素の少
なくとも1つの微粉砕された添加剤0.01〜10質量
%を強力に均質に混合し、次に引き続き、前記活性剤混
合物を無機ホウ素化合物及びハロゲン化合物からなる微
粉砕されたフラックス混合物に混入することによって製
造される。
ンの元素を元素状の形、合金又は酸化物にして含有する
フラックス混合物は、特に効果的である。
スは、活性剤混合物として、フラックスの全体量に対し
てアモルファスの形でのホウ素0.5〜3質量%及びそ
れぞれの平均粒度45μm未満を有するマンガン0.5
〜3質量%を含有している。この場合、マンガンは、粉
末形で、金属、合金又は酸化化合物として使用できる
が、それによって有効性が影響を及ぼされることはな
い。
の形又は二酸化マンガンとして混入される。
めに、フラックスは、有利に酸素に結合した形、例えば
二酸化珪素としてのSi2質量%までを含有していても
よい。前記の添加剤も、相応した微粉末状の形で混合物
に添加される。
合物として存在しており、既にそれ自体として、自体公
知の方法で使用することができる。
で存在していることもあるが、このためには、粉末混合
物は、不活性の液体、例えば水、脂肪アルコール、グリ
コール等と一緒に練り合わされる及び/又は懸濁させら
れている。
ス懸濁液は、付加的に副次的な量の助剤、例えば通常の
界面活性剤、結合剤又は増粘剤を含有していてもよい。
は、それぞれの形に適した方法、例えば散布、塗装、刷
毛塗り、噴霧又は浸漬によって、接合又ははんだ付けす
べき基礎材料面に塗布され、はんだ付け過程が行われ
る。この場合、本発明によるフラックスは、銀及び銅を
基礎とするはんだ付け材を用いるろう付けの際に、基礎
材料上でのはんだ付け材の湿潤挙動を顕著に改善してい
る。これは、特筆すべきであり、難湿潤性金属材料、殊
にステンレス鋼及びスケールを生じない鋼及び粉末冶金
学的に製造された複合材料の場合に有利である。後者に
は、硬質金属及び金属−セラミック複合材料からなる硬
質材料(例えばいわゆる「サーメット」、殊に少量の金
属含量を有するものが含まれる。
れ付加的に微粒状の硬質はんだ付け材を含有する粉末混
合物、ペースト又は懸濁液としてのはんだ付け材料と組
み合わせることもできる。
は、例えばフラックス包囲されたはんだ付け材である
が、これは、例えばはんだ付け成形部材、例えば棒状物
及び管状物への乾燥性もしくは硬化性のフラックスペー
スト調製物の押出しによって得ることができる。
代表的な実施態様及び使用形である。
hrwerk)を用いて15分間粉砕し、かつ均一化した。こ
のフラックス0.5gを、SMG 02(セラメタル
(Cerametal)、コバルト含量2〜3質量%)からなる
1cm2の大きさの硬質金属チップの上に塗布する。合
金L−Ag49(Ag49Cu16Zn23Mn7.5Ni4.5)
の3mmの長さのはんだ付け材ワイヤ片を載置し、チッ
プを、アセチレン−酸素バーナーを用いてはんだ付け材
の融点まで昇温させる。液状はんだ付け材は、短時間
で、硬質金属の全面を湿潤させる。
スを、ホウ素及びマンガンの活性添加剤を用いずに製造
し、かつ上記のようにして試験した。このはんだ付け材
は、溶融するが、しかし、硬質金属をその被覆面のみを
湿潤させている。全体の表面の上へのはんだ付け材の流
動は生じていない。
する。溶解機を用いる撹拌下に、順次、残りの成分を添
加し、かつ30分間均一化させる。
金属(FH12タイプ、デグサ・ヒュルス社特製)のろ
う付けのための市販のフラックスペーストと比較する。
このために、それぞれステンレススチール薄板(1.4
301)に両方のペーストを薄く塗り付ける。合金B−
Ag60CuSn−600/700の500μmの厚さのはんだ
リボンから、丸いはんだ付け材粒子を打ち抜き、薄板上
に載置する。これらを、引き続き、小室炉中で銀ブロッ
ク上で750℃にまで昇温させ、2分後に炉から取り出
す。冷却後に、はんだ付け材で湿潤した面積を測定し、
はんだ付け材粒子の本来の面積と対比させる(湿潤係
数)。本発明によるフラックスは、前期の試験の際に、
湿潤係数6〜7であるが、市販のフラックスは、2〜3
の値にすぎないことが明かである。
善は、真鍮はんだ付け材L−CuZn40を用いる亜鉛
めっきスチールのT−接合はんだ付けによって検証す
る。このために、10cmの長さの亜鉛めっきスチール
薄板を45°の角度で折り曲げ、第2の薄板の上に置
く。真鍮からなる10mmの長さのはんだ付け材ワイヤ
を、フラックスと一緒に、エッジに塗布し、かつアセチ
レン−酸素バーナーではんだ付け材の作業温度にまで昇
温させる。このはんだ付け材は、前記の試験で本発明に
よるフラックスの使用の際に間隙を完全に充填してい
る。
配合で、しかし、ホウ素及びマンガン−ニッケル合金の
活性添加剤を用いずにのフラックスの使用の際に、折り
曲げた薄板の半ばまで流動するにすぎない。
Claims (9)
- 【請求項1】 銀及び銅をベースとするはんだ付け材を
用いる、難湿潤性金属材料のろう付けのための無機ホウ
素化合物及び/又はハロゲン化合物を基礎とするフラッ
クスにおいて、活性添加剤として、フラックスの全体量
に対して元素状のホウ素を0.01〜10質量%、元
素、合金又は化合物の形でのMo、W、Mn、Co、N
i、Pd、Cu又はAgの元素の少なくとも1つを0.
01〜10質量%含有することを特徴とする、フラック
ス。 - 【請求項2】 ホウ素を0.1〜5質量%及びMo、
W、Mn、Co、Ni、Pd、Cu又はAgの元素の少
なくとも1つを0.1〜5質量%含有する、請求項1に
記載のフラックス。 - 【請求項3】 アモルファスホウ素を0.5〜3質量%
及び金属、合金又は酸化化合物としてのマンガンを0.
5〜3質量%含有する、請求項1又は2に記載のフラッ
クス。 - 【請求項4】 活性添加剤を、平均粒度<45μmの微
粉末形で含有する、請求項1から3までのいずれか1項
に記載のフラックス。 - 【請求項5】 粉末混合物、ペースト又は懸濁液の形で
存在する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の
フラックス。 - 【請求項6】 銀及び銅をベースとするはんだ付け材を
用いる、難湿潤性金属材料のろう付けのための無機ホウ
素化合物及び/又はハロゲン化合物を基礎とするフラッ
クス中での、フラックスの全体量に対して、元素状のホ
ウ素0.1〜10質量%及び元素、合金又は化合物の形
でのMo、W、Mn、Co、Ni、Pd、Cu又はAg
の元素の少なくとも1つ0.01〜10質量%からなる
活性剤組合せ物の、湿潤能を増大させる添加剤としての
使用。 - 【請求項7】 はんだ付け材−フラックス組合せ物にお
いて、請求項1から5までのいずれか1項に記載のフラ
ックスを含有するはんだ付け材−フラックス組合せ物。 - 【請求項8】 粉末混合物、ペースト又は懸濁液の形で
存在し、かつ微粒状ろう付け材を含有する、請求項7に
記載のはんだ−フラックス組合せ物。 - 【請求項9】 フラックスで包囲されたはんだ付け成形
部材の形で存在する、請求項7に記載のはんだ付け材−
フラックス組合せ物。
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