JP2000334257A - 有機化合物の脱水方法 - Google Patents

有機化合物の脱水方法

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明の有機化合物の脱水方法は、少な
くとも2つの吸着塔を備えた装置を用いて、(I)水を
含有する有機化合物を蒸気として一方の吸着塔に供給
し、水分を吸着剤に吸着させる吸着工程と、(II)吸着
剤が水分を吸収している他方の吸着塔において、減圧し
た状態で吸着剤の水分を脱着し、続いて吸着塔内を昇圧
する、脱着/昇圧工程と、を行うとともに、上記(I)
吸着工程と(II)脱着/昇圧工程とを切り替える切り替
え操作を行い、かつ、上記各工程において、パージ係数
を1〜10の範囲で運転する圧力スイング吸着法で無水
有機化合物を得ることを特徴としている。 【効果】 本発明の有機化合物の脱水方法によれば、水
を含有する有機化合物を、蒸気相における加温下での圧
力スイング吸着法により、エネルギー効率よく、経済
的、高度に脱水した有機化合物を得ることができる。ま
た、切替え弁の切替えのみの極めて簡便な方法で、圧力
スイング吸着塔を制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】本発明は、有機化合物を脱水する
方法に関し、詳しくは、吸着剤を用いた圧力スイング吸
着法により、水を含有する有機化合物を連続的に脱水す
る方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】アルコール類、ケトン類、エーテ
ル類、エステル類、アミン類、ハロゲン化炭化水素類な
どの有機化合物が水分を含有している場合、有機化合物
からごく低濃度まで水分を除去するのは一般に困難であ
る。すなわち、これらの有機化合物と水との混合液は、
最低沸点を有する共沸混合物となる場合が多く、一般に
通常の精留では単一成分に分離できない。
【0003】このため、従来、工業的に行われている含
水有機化合物の脱水方法としては、共沸蒸留法、膜分離
法、吸着法、抽出法等が知られており、なかでも、共沸
剤として第三成分を加えて、共沸蒸留を行う方法が最も
一般的に採用されている。たとえば、炭素数が1のメタ
ノールや炭素数が3のアセトンなどは、水と共沸を形成
しないので、メタノールやアセトンの脱水を大規模に実
施する場合、一般的に精留法が採用されている。
【0004】共沸剤を用いる共沸蒸留法あるいは精留法
は、原料である有機化合物の含水量にもよるが、原料含
水有機化合物の供給量に対して、3〜15倍量程度の還
流量を必要とするために、その分多くの蒸発エネルギー
を必要とする。このため熱交換器などを組み合わせて、
省エネルギー化を図っているが、依然としてエネルギー
多消費プロセスである。また、小規模処理では設備費が
高価となり経済性が悪いという問題がある。
【0005】一方最近、水選択性分離膜を用いた膜分離
法の一種であるパーベーパレーション法が省エネルギー
の観点から注目されてきている。しかしながら、膜分離
法は小容量の処理には効果的であるが、スケールメリッ
トがないので大規模の処理には経済的でない他、水分離
の駆動力が膜を介した分圧差であるため、有機化合物の
含水率を0.05重量%以下とするような、高度の脱水
は困難であるという問題がある。また、エステル類やア
ミン類などの脱水には、膜の耐久性が不充分であるとい
う問題もある。
【0006】有機化合物中の水分を高度に脱水する蒸留
法以外の一般的方法としては、固体吸着剤、例えばシリ
カゲル、活性アルミナ、モレキュラーシーブ(合成およ
び天然産ゼオライト、カーボンモレキュラーシーブ
等)、イオン交換樹脂、硫酸塩無水物、炭酸塩無水物あ
るいは活性炭などを用いて液相あるいは気相で水分を選
択的に吸着させて脱水する方法が知られている。
【0007】液相で、吸着剤を用いて有機化合物中の水
分を脱水する方法は早くから知られていたが、水分をよ
り効率的かつ選択的に吸着する吸着剤として、モレキュ
ラーシーブがきわめて効果的であることが知られるよう
になった(清水 博:吸着技術ハンドブック、NTS,
686〜690頁(1993)、特開昭57−117304号公報および特開
昭60−233023号公報)。
【0008】しかしながら、液相吸着法の場合、吸着時
においては一般に常温で吸着を行うが、通常吸着熱が発
生するため、処理する有機化合物が吸着熱によって沸騰
しないように制御する必要がある。また、吸着剤の再生
脱着操作は、再生脱着の前に液抜きをし、200〜30
0℃の高温の不活性ガスを多量に用いて再生脱着し、さ
らに再生終了後に次の吸着工程操作温度である常温まで
冷却する必要があった。このように液相吸着法は、多量
の不活性ガスを使用する必要があり、操作が煩雑であっ
て、さらに吸着剤の再生に係る多大なエネルギーと設備
を必要とするという問題があった。
【0009】この液相吸着法の省エネルギー化を図る方
法として、4塔の吸着塔からなる設備で、加熱脱着工程
と冷却工程とを常に同時に行うことによって、冷却およ
び加熱のエネルギーを有効利用する方法が提案されてい
る(特公平3-50561号公報)。この方法によれば、従来
の液相吸着法と比較していくぶん省エネルギー化が図ら
れているが、4塔の吸着塔が必要であり、さらに煩雑な
操作に対応した多くの自動弁も必要であって、設備費が
多大となり経済的でないという問題があった。
【0010】省エネルギー化および操作の簡便化を目指
した気相法による熱スイング吸着法(TSA)も開示さ
れている(米国特許第4373935号)。この方法は2塔の吸
着塔からなり、有機化合物を蒸発気化させて水を選択的
に吸着させると同時に、吸着熱が吸着塔内の吸着剤に保
持された状態で次の脱着工程での熱を回収することで、
吸着プロセスの省エネルギー化を図ったものである。こ
の方法は、従来の液相吸着法と比較してエネルギー効率
のよいものではあるが、脱着工程では、等圧脱着のため
のパージガスとしてヘリウム、窒素あるいは炭酸ガスな
どの高温に加熱した不活性ガスを多量に必要とする他、
パージガスを循環させるためのコンプレッサーや該ガス
を加熱冷却するための加熱器や熱交換器を必要とするな
ど、多くの補助原料や設備を要するものであり、依然と
して経済性に問題があった。
【0011】このように有機化合物中の水を吸着法で脱
水する従来の方法は、吸着剤の再生操作が煩雑であるだ
けでなく、エネルギー効率面、設備および周辺機材に関
わる費用面などにおいて、依然として満足できるものは
得られていなかった。このため、省エネルギーかつ省資
源プロセスとして経済的にも優れている、有機化合物を
蒸気相として使用する圧力スイング吸着法(PSA)に
より、さらに効率的に含水有機化合物を脱水する方法の
開発が望まれていた。
【0012】
【発明の目的】本発明は、水を含有する有機化合物(含
水有機化合物ともいう)を、吸着剤を用いた圧力スイン
グ吸着法により、エネルギー効率よく経済的に脱水し、
連続的に高度に脱水された無水有機化合物を得る方法を
提供することを目的とする。
【0013】
【発明の概要】本発明の有機化合物の脱水方法は、含水
有機化合物中の水分を選択的に吸着する吸着剤を充填し
た少なくとも2つの吸着剤充填塔(吸着塔)を備えた装
置を用いて、有機化合物を脱水する方法であって、
(I)含水有機化合物を蒸気として一方の吸着塔に供給
し、含水有機化合物中の水分を吸着剤に吸着させ、無水
有機化合物蒸気を得る吸着工程と、(II)充填された吸
着剤が水分を吸着している他方の吸着塔において、圧力
を上記吸着工程の吸着塔より減圧した状態で、上記吸着
工程(I)で得られた無水有機化合物蒸気の一部をパー
ジガスとして供給して、吸着剤に吸着している水分を脱
着し、続いて吸着塔内を吸着工程圧力まで上記パージガ
スで昇圧する、脱着/昇圧工程と、を行うとともに、上
記(I)吸着工程と(II)脱着/昇圧工程とを切り替え
る切り替え操作を行い、かつ、上記吸着工程(I)およ
び脱着/昇圧工程(II)において、下式(a)で定義さ
れるパージ係数を1〜10の範囲で運転する圧力スイン
グ吸着法で含水有機化合物を脱水することを特徴として
いる。
【0014】
【数3】
【0015】このような本発明の有機化合物の脱水方法
は、吸着圧力が100〜300kPaであって、脱着圧
力が1〜50kPaであることも好ましい。また、吸着
剤が粒状モレキュラーシーブであることも好ましく、特
に、粒状モレキュラーシーブの平均細孔直径が0.2〜
0.5nmであることも好ましい。さらに、原料として
吸着工程に導入する含水有機化合物蒸気の温度が40〜
200℃であることも好ましく、有機化合物の沸点が3
0〜200℃であることも好ましく、無水有機化合物
が、含水率が0.05重量%以下であることも好まし
い。
【0016】またさらに、本発明の有機化合物の脱水方
法では、パージガスとして、上記吸着工程(I)で得ら
れた無水有機化合物蒸気の一部を供給する代わりに、不
活性ガスを供給してもよい。このような本発明の有機化
合物の脱水方法においては、不活性ガスが、窒素、二酸
化炭素、水素、メタン、アルゴン、およびヘリウムより
なる群から選ばれる少なくとも1種であることも好まし
く、パージガスが、不活性ガスと、前記吸着工程(I)
で得られた無水有機化合物蒸気の一部とからなることも
好ましい。
【0017】
【発明の具体的説明】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明の有機化合物の脱水方法は、原料である
含水有機化合物の加熱冷却部と、圧力スイング吸着部
と、有機化合物回収部からなる装置で行うが、本発明で
は圧力スイング吸着部の操作方法に特徴があるため、以
下、とくに圧力スイング吸着部の操作方法について説明
する。
【0018】本発明では、圧力スイング吸着部における
吸着塔は、少なくとも2基必要であるが、以下、吸着塔
が2基である場合について説明する。本発明の有機化合
物の脱水方法に係る態様の一例を、第1図に示した二塔
式圧力スイング吸着法の概略工程図を参照して説明す
る。本発明で好ましく用いることができる二塔式圧力ス
イング吸着塔は、加熱冷却部(図中破線内A)と、圧力
スイング吸着部(図中破線内B)と、回収部(図中破線
内C)とから構成される。
【0019】本発明において、原料である含水有機化合
物を構成する有機化合物としては、沸点30〜200℃
の有機化合物をいずれも用いることができ、具体的に
は、炭素数1〜8のアルコール類、炭素数3〜7のケト
ン類、炭素数4〜8のエーテル類、炭素数2〜8のエス
テル類、炭素数4〜8のアミン類などの水との親和性の
高い有機化合物;炭素数5〜10の炭化水素類、ハロゲ
ン化炭化水素類などの、水との親和性が比較的低い有機
化合物;などが挙げられる。
【0020】これらの有機化合物のうち、特に好ましく
適用される有機化合物としては、上述したような、水と
の親和性の高い、沸点30〜200℃の有機化合物が挙
げられる。本発明において、原料である含水有機化合物
としては、水を含有する上記有機化合物をいずれも用い
ることができるが、含水有機化合物中の含水率が、30
重量%以下、好ましくは20重量%以下、特に好ましく
は10重量%以下であるのが望ましい。
【0021】含水有機化合物原料が液体で供給される場
合、加熱冷却部(A)では、原料である含水有機化合物
をライン(20)から供給し、熱交換器(1)でライン(2
5)から留出してくる無水有機化合物製品蒸気との熱交
換により加熱され、ライン(21)を通じて蒸発器(2)
で所定温度まで加熱されて気化され、蒸気となって圧力
スイング吸着部に供給される。含水有機化合物原料が蒸
気の形態で供給される場合には、熱交換器(1)は使用
しなくてもよい。
【0022】圧力スイング吸着部(B)は吸着剤を充填
した固定床の吸着塔(7)、(8)と、原料の供給と脱着
ガスの流出を切替えるための切替え弁(3)、(4)、
(5)、(6)と、無水製品の流出とパージガスの導入と
を切替えるための切替え弁(9)、(10)、(11)、(1
2)および流量調整弁(13)とから構成されている。こ
の構成では、切替え弁の開閉を操作するのみで、吸着塔
(7)および(8)を吸着工程(I)と脱着/昇圧工程
(II)とに交互に供することができる。
【0023】すなわち、切替え弁(3)、(6)、(1
0)、(11)を開とし、(4)、(5)、(9)、(12)を
閉とすることで、ライン(22)から供給された原料有機
化合物蒸気は、切替え弁(3)、ライン(23)を通り吸
着塔(7)に供給される。吸着工程側の吸着塔(7)で
は、水が選択的に吸着され、無水有機化合物蒸気がライ
ン(24)、切替え弁(11)、ライン(25)をとおり、加
熱冷却部(A)で凝縮した後、冷却器(14)で冷却さ
れ、製品無水有機化合物が得られる。
【0024】一方、この間切替え弁(11)からでる無水
有機化合物蒸気の一部は、パージガスとして、回収部
(C)の真空ポンプ(17)および圧力調整弁(16)で、
吸着塔(7)よりも減圧に維持されている脱着/昇圧工
程側の吸着塔(8)に、ライン(28)、流量調整弁(1
3)、ライン(29)および切替え弁(10)を通じて供給
され、これにより吸着塔(8)中の吸着剤に吸着されて
いる水が脱着され、吸着剤が再生される。このとき、流
量調整弁(13)では、パージガスとして供給される無水
有機化合物蒸気の流量が調節され、本発明の特定範囲の
パージ係数に維持される。
【0025】吸着工程側では、水分が吸着剤に吸着する
際に吸着熱が発生する。このため本発明では、無水有機
化合物蒸気の一部をパージガスとして脱着/昇圧工程に
用いることにより、パージガスを加熱する手段を設けて
加熱することなく、パージガスをそのまま脱着/昇圧工
程側に供給することができ、脱着/昇圧工程による吸着
剤再生を効率よく経済的に行うことができる。パージガ
ス温度は特に限定されるものではないが、通常40〜2
00℃である。
【0026】吸着塔(8)からの、脱着した水を含んだ
蒸気流出物は、ライン(31)、切替え弁(6)、ライン
(32)を通じて回収部(C)へ抜き出される。これに引
き続き、切替え弁(6)を閉じることにより吸着塔(8)
を無水有機化合物蒸気の一部で昇圧し、吸着塔(7)と
同圧に近い圧力とする昇圧を行う。この脱着/昇圧工程
(II)は吸着工程(I)と並行して実施される。
【0027】このように、吸着塔(7)を吸着工程側、
吸着塔(8)を脱着/昇圧工程側として、吸着工程
(I)と脱着/昇圧工程(II)とを一定時間同時に行っ
たあと、切替え弁(4)、(5)、(9)、(12)を開と
し、切替え弁(3)、(10)、(11)を閉(切替え弁
(6)は昇圧時にすでに閉となっている。)とすること
で、吸着塔(7)は減圧されて脱着/昇圧工程側に、吸
着塔(8)は吸着工程側に切り替わる。
【0028】続いて、吸着塔(8)において吸着工程を
行うとともに、吸着塔(7)において一定時間脱着を行
ったあと切替え弁(5)を閉として無水有機化合物の蒸
気の一部で吸着塔(7)を昇圧する脱着/昇圧工程を行
う。このように切替え弁の開閉操作により、吸着塔
(7)および(8)を、吸着工程と脱着/昇圧工程とに交
互に供することによって、含水有機化合物を連続的に脱
水処理し、無水有機化合物製品を得ることができる。こ
の方法によれば、吸着剤を選択することによって、含水
率が0.05重量%以下の、実質的に水を含まない無水
有機化合物を得ることができる。
【0029】吸着工程側においては、水分の吸着剤への
吸着が蒸気で行われる必要があるため、吸着塔に導入す
る原料含水有機化合物蒸気が液化しないように、保温施
工あるいはスチームトレース施工などを行うのが効果的
である。回収部(C)は、吸着剤から脱着されてくる水
蒸気とパージガスとして用いられた無水有機化合物蒸気
との混合蒸気を冷却・液化させて回収するコンデンサー
(15)と、圧力調整弁(16)、吸着剤の脱着時に脱着/
昇圧工程側の吸着塔内を減圧に維持するための真空ポン
プ(17)、回収液ドラム(18)および、系外に抜き出す
ためのポンプ(19)とから構成されている。
【0030】圧力スイング吸着部(B)のライン(32)
から流出してくる、脱着された水および有機化合物から
なる混合蒸気は、全量コンデンサー(15)で冷却・液化
され、ライン(33)をとおり、回収有機化合物水溶液と
して回収ドラム(18)に集められる。このライン(32)
から流出してくる蒸気には、原料有機化合物中に溶解し
ている微量の空気など、不活性なガスがわずかに存在す
るだけであるため、通常運転中は圧力調整弁が開くこと
で真空ポンプから大気中に気体を排出することはほとん
どない。このため真空ポンプの排気容量は小さいもので
よく、設備費を少なくすることができる。
【0031】また、本発明では、前記で説明したパージ
ガスとして、上記吸着工程(I)で得られた無水有機化
合物蒸気の一部を用いる代わりに、不活性ガスを用いる
こともできる。本発明で用いられる不活性ガスとして
は、水分を実質的に含まない乾燥不活性ガスとしての窒
素、二酸化炭素、水素、メタン、アルゴンおよびヘリウ
ムから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
【0032】パージガスとして不活性ガスを用いる場
合、上述した圧力スイング吸着法において、前記吸着工
程(I)で得られた無水有機化合物蒸気の一部に代え
て、不活性ガスを脱着/昇圧工程(II)に用いること以
外は、すべて同一の条件で行うことができる。すなわ
ち、脱着/昇圧工程側の吸着塔を、吸着工程の吸着塔よ
り減圧した状態で、上述したパージ係数1〜10、好ま
しくは1〜5の条件で脱着するとともに、吸着塔内を吸
着工程圧力まで昇圧する脱着/昇圧工程を実施するもの
である。
【0033】また、本発明では、前記吸着工程(I)で
得られた無水有機化合物蒸気の一部をパージガスとして
用いるとともに、上記不活性ガスを補助的にパージガス
として用いることもできる。回収ドラム(18)中に回収
された有機化合物水溶液は、必要に応じてポンプ(19)
を通じて別途設けた有機化合物回収系(図示せず)に抜
き出すことができる。有機化合物回収系は本発明では特
に限定されない。
【0034】上述のように、本発明の方法を二塔式圧力
スイング吸着法に基づいて説明したが、本発明の有機化
合物の脱水方法では、複数の吸着塔による圧力スイング
吸着法を用いればよく、三塔式、四塔式など、吸着塔の
数は特に限定されない。例えば二塔式、三塔式および四
塔式圧力スイング吸着装置を用いた場合には、各塔にお
ける吸着工程と脱着/昇圧工程との運転パターンは、図
4に示す運転例により行うことができる。図4を参照し
て二塔式圧力スイング吸着装置を用いた場合について述
べると、吸着塔Aにおいて吸着工程を行う間に、吸着塔
Bにおいて減圧・脱着および昇圧を行う脱着/昇圧工程
を行い、両工程を切り替えて、吸着塔Bにおいて吸着工
程を行う間に吸着塔Aにおいて脱着/昇圧工程を行うこ
とができる。また、この運転パターンは図4に示す運転
例に限定されるものではなく、例えば四塔の吸着塔を有
する四塔式圧力スイング吸着装置において、二塔で同時
に吸着工程を行い、残る二塔で同時に脱着/昇圧工程を
行うことができる。
【0035】本発明では、このように運転のパターンを
適宜選択して複数の吸着塔による圧力スイング吸着法を
用いればよいが、吸着塔が三塔以上になると、装置構成
および制御が複雑になるため、二塔式圧力スイング吸着
法によるのが特に好ましい。本発明で用いる含水有機化
合物原料としては、含水率が30重量%以下、好ましく
は20重量%以下、特に好ましくは10重量%以下であ
ることが望ましい。
【0036】次に本発明で用いられる吸着剤について説
明する。本発明の有機化合物の脱水方法で用いる吸着剤
は、圧力スイング吸着条件下で、含水有機化合物原料の
蒸気から、水分を選択的に吸着分離することのできる吸
着剤であればいずれも好適に使用することができるが、
水の吸着容量が比較的高く、40〜200℃の条件で水
分を選択的に吸着する性能が高いことが好ましい。
【0037】また、本発明の有機化合物の脱水方法で用
いる吸着剤は、原料である含水有機化合物の蒸気を通気
させて、水分を選択的に吸着させるため、粒状で通気が
よく、水分の吸着および脱着時にも形状安定性がよいこ
と、耐久性がよいことなどの条件を兼ね備えているのが
好ましい。またさらに、原料が水分を含有するアルコー
ル類、エステル類、エーテル類、アミン類などの場合
は、これらの反応性が比較的高いため、酸化還元反応、
脱水反応、分解反応および重合反応などの反応に対する
触媒活性を持たない吸着剤を用いるのがよい。
【0038】本発明の有機化合物の脱水方法で用いる吸
着塔に充填される吸着剤としては、具体的には、たとえ
ば、シリカゲル、活性アルミナ、モレキュラーシーブ
(合成および天然産ゼオライト、カーボンモレキュラー
シーブ等)、イオン交換樹脂、硫酸塩無水物、炭酸塩無
水物、活性炭あるいは澱粉質などが挙げられる。本発明
ではこのうちモレキュラーシーブを用いるのが好まし
く、天然産ゼオライト、合成ゼオライト、カーボンモレ
キュラーシーブ等、市販の粒状モレキュラーシーブをい
ずれも好適に用いることができる。粒状モレキュラーシ
ーブの形状は、球状、円柱状、ペレット状、破砕状、顆
粒状などのいずれでもよく、30〜3メッシュの範囲の
大きさのものをいずれも用いることができる。このうち
特に好ましくは、平均細孔直径が0.2〜0.5nmで
ある粒状のモレキュラーシーブを用いるのが望ましく、
特に、粒状のゼオライト3A、ゼオライト4A、ゼオラ
イト5AあるいはNSC−4カーボンモレキュラーシー
ブなどを用いるのが好ましい。
【0039】これらの吸着剤は、一種のみで用いても、
二種以上を適宜混合して用いてもよい。次に、本発明で
用いる圧力スイング吸着法における吸着と脱着の条件に
ついて説明する。本発明では、以下に示す圧力スイング
吸着法のパージ係数が1〜10、より好ましくは1〜5
となる運転条件で吸着工程(I)および脱着/昇圧工程
(II)を行う。本発明は、このようなパージ係数の範囲
内において、効率的に有機化合物を脱水できることを見
出したものであって、この範囲を外れると、本発明の充
分な効果を達成できない。
【0040】本発明でいうパージ係数は、吸着工程
(I)における吸着時の吸着塔内圧力すなわち吸着圧力
(Pa)と、脱着/昇圧工程(II)における脱着時の吸
着塔内圧力すなわち脱着圧力(Pa)の比および脱着時
の再生パージガス量(Nm3/h)と供給する含水有機化
合物原料蒸気量(Nm3/h)の比の積により式(a)で
表される。
【0041】
【数4】
【0042】上記式(a)による、パージ係数は、1以
上であって1に近いほど圧力スイング吸着法の運転条件
は良好であるといえ、パージ係数が1〜10、より好ま
しくは1〜5となる運転条件を選択して行うのが望まし
い。このパージ係数は使用する吸着剤の種類や充填量、
温度条件および圧力条件などにより種々変化する。吸着
剤として粒状のモレキュラーシーブを用いた場合には、
効果的に無水有機化合物が得られるほか、パージ係数が
1〜10の範囲内での操作が容易であるため好ましい。
【0043】パージ係数が1より小さい場合には、吸着
剤の破過により、含水率の低い高純度の無水有機化合物
が得られなくなる場合があるほか、吸着工程で生じる吸
着熱が小さくなり、これを脱着に利用する効果が小さく
なるため望ましくない。また、パージ係数が10を超え
ると、パージガスとして使用する無水有機化合物蒸気や
不活性ガスの量が多くなるため、経済的に好ましくな
い。
【0044】上記式(a)における吸着圧力、すなわち
吸着工程側の吸着塔内の圧力は、大気圧より減圧または
加圧した条件で行ってもよく、上記パージ係数を満たす
ものであれば特に吸着圧力の条件は限定されないが、操
作の簡便性、設備の経済性などの面からは大気圧付近と
なる条件であるのが好ましく、100〜300kPaの
範囲であるのが経済性や運転性の面から望ましい。
【0045】また、上記式(a)における脱着圧力、す
なわち脱着工程側の吸着塔内の圧力は、上記吸着圧力よ
りも減圧であればよく、好ましくは1〜100kPa、
より好ましくは1〜50kPaであるのが望ましい。脱
着圧力が1kPa以下であると、真空ポンプの負荷が大
きくなるだけでなく、コンデンサー(15)を低温で操作
しなければならないため、冷媒などを用いた低温冷却設
備などを設ける必要があり経済的でない。また、脱着圧
力が100kPa以上である場合には、パージ係数を10
以下にすることが実質的に難しく、経済性が悪化するた
め好ましくない。
【0046】本発明で用いる圧力スイング吸着法では、
常温で行う通常の圧力スイング吸着法とは異なり、吸着
工程に供給する原料含水有機化合物の温度は、原料含水
有機化合物が蒸気となる温度であるのがよく、40〜2
00℃の範囲であるのが特に好ましい。供給温度が40
℃未満であると、原料含水有機化合物が吸着塔内で液化
する場合があるため好ましくない。また、供給温度が2
00℃を超えると脱水効率が低下する他、有機化合物の
脱水反応、分解反応、重合反応、酸化反応などが生じる
場合があり、種々の不純物が生成し、製品無水有機化合
物の品質が劣化することがあるため好ましくない。な
お、ここでいう供給温度とは、吸着工程側の吸着塔に原
料の含水有機化合物蒸気を導入するときの蒸気温度であ
る。
【0047】次に、吸着工程側と脱着/昇圧工程側とを
交互に切り替える、本発明で用いる圧力スイング吸着法
において、吸着工程(I)および脱着/昇圧工程(II)
の各工程に要する時間について述べる。本発明では、各
工程に要する時間は特に限定するものではなく、空気分
離や水素分離などの一般に行われている圧力スイング吸
着法と同様の時間でよいが、以下の条件を満たす時間で
あるのが望ましい。
【0048】一方の吸着塔において吸着工程(I)を行
う吸着時間は、吸着剤の水分吸着量が飽和に達するまで
の間であればよい。吸着時間が飽和に達する時間より長
い場合には、吸着工程側の吸着剤が含水有機化合物蒸気
中の水分を吸着して飽和した後に、吸着剤の固定床から
水分のリーク(破過現象)を生じるため好ましくない。
【0049】また、脱着/昇圧工程(II)は上記吸着工
程(I)と並行して行われるため、他方の吸着塔におい
て脱着/昇圧工程(II)を行う時間は、上記吸着工程
(I)を行う時間と同じでよい。この脱着/昇圧工程
(II)を行う時間のうち、脱着を行う時間としては、水
分を吸着した吸着剤から水分を除去して再生するために
充分な時間が必要であり、また、昇圧を行う時間として
は、脱着/昇圧工程側を吸着工程側とほぼ同圧とするた
めの時間が必要である。
【0050】これらの各工程に要する時間は、原料であ
る含水有機化合物の種類や、含水有機化合物蒸気中の水
分量、供給原料蒸気量および流速、吸着剤の飽和水分量
(吸着能)および吸着剤の量などにより異なり、特に限
定されるものではないが、吸着工程(I)を行う時間は
5〜60分程度が好ましく、脱着/昇圧工程(II)のう
ち、脱着を行う脱着段階の時間は2〜55分程度が好ま
しく、昇圧を行う昇圧段階の時間は1〜15分程度であ
るのが好ましい。
【0051】本発明では、パージガスとして、吸着工程
(I)で得られる無水有機化合物蒸気の一部または不活
性ガスを用い、さらに、上述のパージ係数が1〜10、
好ましくは1〜5を満たすように原料供給量、パージガ
ス量、吸着圧力、脱着圧力および各工程の時間を選択す
ることで、含水有機化合物を高度に脱水することがで
き、含水率0.05重量%以下の無水有機化合物を得る
ことができる。
【0052】次に熱エネルギーについて述べる。脱着/
昇圧工程(II)のうち、吸着剤に吸着した水分を脱着す
る脱着段階では、吸着剤に吸着されている水分が脱着す
る際に脱着熱が必要となるため、脱着/昇圧工程側に
は、脱着熱に相当する熱量を与える必要がある。一方吸
着工程では、吸着剤が含水有機化合物蒸気中の水分を吸
着する際に吸着熱が発生する。このため、吸着工程側の
吸着塔内には吸着熱が蓄えられることとなる。吸着熱に
よる吸着剤の温度上昇は、水分の吸着量に比例するた
め、原料である含水有機化合物蒸気中の水分量、供給原
料蒸気量および流速、吸着剤の飽和水分量(吸着能)お
よび吸着剤の量などによっても異なるが、通常5〜50
℃の範囲で温度上昇が生じる。
【0053】本発明の有機化合物の脱水方法では、吸着
工程側で脱水された無水有機化合物蒸気の一部または不
活性ガスをパージガスとして脱着/昇圧工程側に供給す
るだけで、脱着/昇圧工程側で要する脱着熱を新たに加
えることなく、吸着工程側で発生する吸着熱を利用して
脱着/昇圧工程を行うことができる。さらに本発明の有
機化合物の脱水方法では、このような工程の制御を切替
え弁の切替えによる減圧操作および昇圧操作のみで行う
ことができ、含水有機化合物の脱水をきわめて省エネル
ギーで行うことができる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、水を含有する有機化合
物を、吸着剤を用いた蒸気相での加温下での圧力スイン
グ吸着法により、エネルギー効率よく経済的に脱水し、
高純度の無水有機化合物を製造することができる。ま
た、本発明の方法によれば、切替え弁の切替だけという
極めて簡便な方法で吸着剤の再生操作を行うことができ
る。さらに、脱着再生の際の加熱が不要なため省エネル
ギーであり、コンプレッサーなどの周辺設備が不要であ
るので設備費が安価である。また、パージガスとして製
品脱水有機化合物蒸気の一部を用いる場合には、設備が
単純で運転も容易であるので、運転コストおよび設備コ
ストの面から有利であり、パージガスの一部または全部
として、製品無水有機化合物蒸気に代えて乾燥不活性ガ
スを用いる場合には、製品無水有機化合物の収率を上げ
ることができる。
【0055】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0056】
【実施例1】ステンレス製吸着塔(外径:60.5m
m、内径:54.9mm、長さ:1m)2本からなる、
図1に示す2塔式圧力スイング吸着塔を用い、吸着剤と
して市販のゼオライト系モレキュラーシーブ吸着剤であ
る、ゼオライト3A(東ソー(株)製、商品名:ゼオラ
ムA−3)を各吸着塔に2000gずつ充填した。この
装置を用いて、含水率6.0重量%の含水エタノールを
原料とし、原料蒸気供給温度90℃、原料供給速度83
0.0g/h、吸着塔内の初期設定温度90℃、吸着圧
力104.3kPa、脱着圧力13.3kPa、パージ
ガス:製品無水エタノールの一部、パージ係数2.14
の条件で原料の脱水を行った。各工程の設定時間は、吸
着時間15分、脱着時間10分、昇圧時間5分であっ
て、各吸着塔における1サイクルの所要時間は30分と
した。
【0057】この条件下で連続的にエタノール脱水を行
い、原料供給開始から16時間後に、製品および回収エ
タノールの組成、吸着塔内の温度分布変化が安定状態に
あることを確認した。またこのとき、含水率0.01重
量%の無水エタノールが532.0g/hで得られた。
この時点より、吸着工程側と脱着/昇圧工程側の各吸着
塔内の温度を5分ごとに実測した。この結果得られた、
吸着工程側の塔内温度分布変化を図2(吸着工程温度分
布変化図)、脱着/昇圧工程側の塔内温度分布変化を図
3(脱着/昇圧工程温度分布変化図)に示す。
【0058】図2において、吸着工程側と脱着/昇圧工
程側との切り替え操作が完了した直後の吸着開始時(吸
着0分)には、吸着塔内温度は88〜92℃程度の範囲
でほぼ一定の緩やかな温度分布を示している。吸着開始
から5分後には、水分の選択的吸着により吸着剤が発熱
し、含水エタノール原料入口からの距離15%付近がピ
ークとなる温度分布を示し、このときのピーク温度は9
9℃であった。
【0059】吸着開始から10分後には、発熱領域が中
央側にまで拡大し、原料入口からの距離30%付近がピ
ークとなる温度分布を示し、このときのピーク温度は1
07℃であった。吸着開始から15分後の吸着終了時に
は、温度分布のピークは原料入口からの距離45%付近
となり、このときのピーク温度は110℃まで上昇し
た。
【0060】この間、脱水されたエタノール製品出口の
温度はあまり変化せず、設定温度の90℃付近で安定し
ている。この事実は、水の選択的吸着により発熱したエ
ネルギーは、ほぼ吸着剤そのものに蓄えられていること
を示している。一方、図3において、脱着/昇圧工程側
では、吸着終了時(脱着0分)から脱着を開始し、脱着
開始から5分後には、発熱領域の大部分が水分の脱着に
より急激な温度降下を示しパージガス入口からの距離9
0%付近では温度88℃、パージガス入口からの距離4
0%付近では温度97℃であった。
【0061】脱着開始から10分後の脱着完了時には、
温度の降下は緩やかになり、パージガス入口からの距離
90%付近では温度85℃、パージガス入口からの距離
40%付近では温度92℃であった。つづいて昇圧を行
ったところ、昇圧完了時である昇圧開始から5分後(吸
着0分)の切り替え操作時には、原料入口からの距離5
0%付近にやや温度の高い領域を持つ88〜92℃程度
の範囲でのほぼ一定の緩やかな温度分布を示し、上記図
2における吸着開始時と一致する温度分布となった。
【0062】これにより、吸着の際に吸着剤に蓄えられ
た吸着熱が脱着熱として使用され、パージガスを別途加
熱することなく、吸着剤が良好に水分を吸着および脱着
したことが示された。
【0063】
【実施例2〜6】ステンレス製吸着塔(外径:60.5
mm、内径:54.9mm、長さ:1m)2本からな
る、図1に示す2塔式圧力スイング吸着塔を用い、吸着
剤として市販のゼオライト3A(東ソー(株)製、商品
名:ゼオラムA−3)を各吸着塔に2000gずつ充填
し、含水率6.0重量%の含水エタノールを所定温度に
加熱蒸発させて吸着塔に供給し、製品無水エタノールの
一部をパージガスとして、原料含水エタノールの脱水を
行った。原料含水エタノールの脱水操作全体にわたり、
原料含水エタノールを所定温度に加熱蒸発させる以外の
熱供給は行わなかった。
【0064】原料含水エタノールの脱水は、表1に示す
原料供給量、原料供給温度、吸着圧力、脱着圧力、パー
ジガス量およびパージ係数の条件で行った。得られた無
水エタノールの含水率および流出量を表1に示す。な
お、得られた無水エタノールは、専売アルコール分析法
による有機不純物の分析の結果、いずれも新たな有機不
純物の生成は認められなかった。
【0065】
【実施例7】吸着剤として市販のゼオライト4A(東ソ
ー(株)製、商品名:ゼオラムA−4)を各吸着塔に2
000gずつ充填し、表1に示す原料供給量、原料供給
温度、吸着圧力、脱着圧力、パージガス量およびパージ
係数の条件としたことのほかは、実施例2と同様にして
原料含水エタノールの脱水を行った。
【0066】得られた無水エタノールの含水率および流
出量を表1に示す。なお、得られた無水エタノールは、
専売アルコール分析法による有機不純物の分析の結果、
新たな有機不純物の生成は認められなかった。
【0067】
【比較例1】実施例2において、原料供給温度90℃、
パージ係数を0.92としたこと以外は実施例1と同様
にして原料含水エタノールの脱水操作を行った。操作条
件および、得られた無水エタノールの含水率および流出
量を表1に示す。得られたエタノールの含水率は1.0
35重量%と高く、吸着剤の破過により高度な脱水がな
されなかったことがわかる。
【0068】
【表1】
【0069】この結果、パージ係数が1〜10の範囲に
ある実施例2〜7では、いずれも良好に原料含水エタノ
ールを脱水することができ、高純度の無水エタノール製
品を得ることができた。
【0070】
【実施例8】原料として含水率8.5重量%のイソプロ
ピルアルコールを用い、原料供給量794.6g/h、
パージガス:製品無水イソプロピルアルコールの一部、
パージ係数を3.1としたことのほかは、実施例2と同
様にして、原料含水イソプロピルアルコールの脱水を行
った。
【0071】この結果、含水率0.012重量%の製品
無水イソプロピルアルコールが376.7g/hで連続
して得られた。なお、ガスクロマトグラフィーによる分
析の結果、得られた無水イソプロピルアルコールには、
原料中に認められた以外の有機不純物の混在は見うけら
れず、新たな有機化合物の生成は認められなかった。
【0072】
【実施例9】原料として含水率5.6重量%の1,4−
ジオキサンを用い、原料供給量751.2g/h、原料
供給温度120℃、パージ係数を1.5としたことの他
は、実施例5と同様にして原料含水1,4−ジオキサン
の脱水を行った。この結果、含水率0.007重量%の
1,4−ジオキサンが613.5g/hで連続して得ら
れた。
【0073】なお、ガスクロマトグラフィーによる分析
の結果、得られた無水1,4−ジオキサンには、原料中
に認められた以外の有機不純物の混在は見うけられず、
新たな有機化合物の生成は認められなかった。
【0074】
【実施例10】原料として含水率4.4重量%のアセト
ンを用い、原料供給量927.9g/h、原料供給温度
80℃、パージ係数を1.1としたことの他は、実施例
2と同様にして原料含水アセトンの脱水を行った。この
結果、含水率0.008重量%のアセトンが748.7
g/hで連続して得られた。
【0075】なお、ガスクロマトグラフィーによる分析
の結果、得られた無水アセトンには、原料中に認められ
た以外の有機不純物の混在は見うけられず、新たな有機
化合物の生成は認められなかった。
【0076】
【実施例11】実施例1において、パージガスとして、
製品無水エタノールを用いる代わりに90℃の窒素ガス
を0.08Nm3/hで供給して、パージ係数を1.5
5としたことの他は、実施例1と同様にして原料含水エ
タノール(原料供給速度:800g/h)の脱水を行っ
た。
【0077】この結果、含水率0.01重量%の無水エ
タノールが730.0g/hで連続して得られた。な
お、ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、得られ
た無水エタノールには、原料中に認められた以外の有機
不純物の混在は見うけられず、新たな有機化合物の生成
は認められなかった。
【0078】
【比較例2】実施例1と同じ装置を用い、吸着工程を、
吸着圧力120kPa、温度100℃とし、脱着工程
を、パージガスとして220℃に加熱した窒素ガスを
1.0Nm3/hで供給して、吸着圧力と同圧で、熱ス
イング吸着方式(TSA)によって、気化した原料含水
エタノール(100℃、含水率6.0%、供給速度80
0g/h)の脱水を行った。
【0079】この結果、含水率0.01重量%の無水エ
タノールが729g/hで連続して得られた。なお、ガ
スクロマトグラフィーによる分析の結果、得られた無水
エタノール中に、36ppmのジエチルエーテルの生成
が認められた。実施例11と比較例2の結果から、本発
明によれば、脱着/昇圧工程で不活性ガスを用いた場合
にも、効率的に含水有機化合物の脱水がなされることが
わかり、エネルギー使用量が少なく、不活性ガス使用量
も約1/10程度の少量でよく、しかも不純物の生成が
ないことから、本発明の有機化合物の脱水方法が、熱ス
イング吸着法(TSA)と比較して、特に効率的な方法
であることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の有機化合物の脱水方法の態
様の一例を示す概略工程図である。
【図2】 図2は、実施例1における吸着工程側の塔内
温度分布変化を表すグラフである。
【図3】 図3は、実施例1における脱着/昇圧工程側
の塔内温度分布変化を表すグラフである。
【図4】 図4は、二塔式、三塔式および四塔式の吸着
塔を用いた、圧力スイング吸着法の運転パターン例を示
す図である。
【符号の説明】
(A)… 加熱冷却部 (B)… 圧力スイング吸着部 (C)… 回収部 (1)… 熱交換器 (2)… 蒸発器 (3)、(4)、(5)、(6)… 原料の供給と脱着ガス
の流出を切替える切替え弁 (7)、(8)… 吸着塔 (9)、(10)、(11)、(12)… 無水製品の流出と
パージガスの導入とを切替える切替え弁 (13)… 流量調整弁 (14)… 冷却器(クーラー) (15)… コンデンサー (16)… 圧力調整弁 (17)… 真空ポンプ (18)… 回収液ドラム (19)… ポンプ (20)〜(38)… ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 45/79 C07C 45/79 49/08 49/08 J C07D 319/12 C07D 319/12 // B01J 20/34 B01J 20/34 F (72)発明者 伊 藤 茂 神奈川県川崎市川崎区浮島町10番8号 日 本合成アルコール株式会社川崎工場内 (72)発明者 南 一 郎 神奈川県横浜市西区みなとみらい2−3− 1 日揮株式会社内 (72)発明者 海 野 洋 茨城県東茨城郡大洗町成田町2205 日揮株 式会社技術研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含水有機化合物中の水分を選択的に吸着す
    る吸着剤を充填した少なくとも2つの吸着剤充填塔(吸
    着塔)を備えた装置を用いて、有機化合物を脱水する方
    法であって、(I)含水有機化合物を蒸気として一方の
    吸着塔に供給し、含水有機化合物中の水分を吸着剤に吸
    着させ、無水有機化合物蒸気を得る吸着工程と、(II)
    充填された吸着剤が水分を吸着している他方の吸着塔に
    おいて、 圧力を上記吸着工程の吸着塔より減圧した状態で、上記
    吸着工程(I)で得られた無水有機化合物蒸気の一部を
    パージガスとして供給して、吸着剤に吸着している水分
    を脱着し、 続いて吸着塔内を吸着工程圧力まで上記パージガスで昇
    圧する、 脱着/昇圧工程と、を行うとともに、 上記(I)吸着工程と(II)脱着/昇圧工程とを切り替
    える切り替え操作を行い、 かつ、上記吸着工程(I)および脱着/昇圧工程(II)
    において、下式(a)で定義されるパージ係数を1〜1
    0の範囲で運転する圧力スイング吸着法で、含水有機化
    合物を脱水することを特徴とする有機化合物の脱水方
    法。 【数1】
  2. 【請求項2】吸着圧力が100〜300kPaであっ
    て、脱着圧力が1〜50kPaである請求項1に記載の
    有機化合物の脱水方法。
  3. 【請求項3】吸着剤が粒状モレキュラーシーブである請
    求項1または2に記載の有機化合物の脱水方法。
  4. 【請求項4】粒状モレキュラーシーブの平均細孔直径が
    0.2〜0.5nmである請求項3に記載の有機化合物
    の脱水方法。
  5. 【請求項5】原料として吸着工程に導入する含水有機化
    合物蒸気の温度が、40〜200℃である請求項1〜4
    のいずれかに記載の有機化合物の脱水方法。
  6. 【請求項6】有機化合物の沸点が30〜200℃である
    請求項1〜5のいずれかに記載の有機化合物の脱水方
    法。
  7. 【請求項7】無水有機化合物が、含水率が0.05重量
    %以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の有機化
    合物の脱水方法。
  8. 【請求項8】含水有機化合物中の水分を選択的に吸着す
    る吸着剤を充填した少なくとも2つの吸着剤充填塔(吸
    着塔)を備えた装置を用いて、有機化合物を脱水する方
    法であって、(I)含水有機化合物を蒸気として一方の
    吸着塔に供給し、含水有機化合物中の水分を吸着剤に吸
    着させ、無水有機化合物蒸気を得る吸着工程と、(II)
    充填された吸着剤が水分を吸着している他方の吸着塔に
    おいて、 圧力を上記吸着工程の吸着塔より減圧した状態で、パー
    ジガスとして不活性ガスを供給して、吸着剤に吸着して
    いる水分を脱着し、 続いて吸着塔内を吸着工程圧力まで上記パージガスで昇
    圧する、 脱着/昇圧工程と、を行うとともに、 上記(I)吸着工程と(II)脱着/昇圧工程とを切り替
    える切り替え操作を行い、 かつ、上記吸着工程(I)および脱着/昇圧工程(II)
    において、下式(a)で定義されるパージ係数を1〜1
    0の範囲で運転する圧力スイング吸着法で、含水有機化
    合物を脱水することを特徴とする有機化合物の脱水方
    法。 【数2】
  9. 【請求項9】不活性ガスが、窒素、二酸化炭素、水素、
    メタン、アルゴン、およびヘリウムよりなる群から選ば
    れる少なくとも1種である、請求項8に記載の有機化合
    物の脱水方法。
  10. 【請求項10】パージガスが、不活性ガスと、前記吸着
    工程(I)で得られた無水有機化合物蒸気の一部とから
    なる、請求項8または9に記載の有機化合物の製造方
    法。
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