JP2000333994A5 - - Google Patents

Description

【特許請求の範囲】
【請求項１】 車椅子の前側を下方に引っ張るための前ワイヤと、その前ワイヤを巻きるための、モータおよび減速機で駆動する前巻き取り機構と、車椅子の後側を下方に引っ張るための後ワイヤと、その後ワイヤを巻き取るための、モータおよび減速機で駆動する後巻き取り機構とを備えており、
前記前巻き取り機構と後巻き取り機構とが同じベースに取り付けられており、
そのベースが手動操作により前後に移動自在に構成され、かつ、前後のいずれかのワイヤが、その巻き取り機構から他方のワイヤと同じ方向に延び出し、ついで方向転換部材で逆向きに方向転換されている車椅子固定装置。
【請求項２】 前記ベースを手動で前後に操作するネジ機構を備えている請求項１記載の車椅子固定装置。
【請求項３】 前ワイヤおよび（または）後ワイヤが左右一対で設けられており、その左右一対のワイヤを巻き取る巻き取り機構が、左右のワイヤをそれぞれ巻き取るための左ドラムおよび右ドラムと、左右のドラムを同調回転させる機構とを備えている請求項１記載の車椅子固定装置。
【請求項４】 前ワイヤおよび（または）後ワイヤの端部に、車椅子に引っかけるフックが取り付けられており、そのフックを取り付けたワイヤの巻き取り機構が、モータおよび減速機で回転駆動される駆動部材と、その駆動部材に対して所定の角度範囲で回動自在に設けられ、前記ワイヤを巻き取るためのプーリと、そのプーリをワイヤの巻き取り方向に付勢するバネとを備えている請求項１記載の車椅子固定装置。
【請求項５】 前ワイヤおよび（または）後ワイヤの端部に、車椅子に引っかけるフックと、そのフックを操作する可撓性を有する棒材とが取り付けられている請求項１記載の車椅子固定装置。

【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明の車椅子固定装置は、車椅子の前側を下方に引っ張るための前ワイヤと、その前ワイヤを巻きるための、モータおよび減速機で駆動する前巻き取り機構と、車椅子の後側を下方に引っ張るための後ワイヤと、その後ワイヤを巻き取るためのモータおよび減速機で駆動する後巻き取り機構とを備えており、前記前巻き取り機構と後巻き取り機構とが同じベースに取り付けられており、そのベースが手動操作により前後に移動自在に構成され、かつ、前後のいずれかのワイヤが、その巻き取り機構から他方のワイヤと同じ方向に延び出し、ついで方向転換部材で逆向きに方向転換されていることを特徴としている。

このような車椅子固定装置においては、前記ベースを手動で前後に操作するネジ機構を備えているものが好ましい。

さらに前ワイヤおよび（または）後ワイヤが左右一対で設けられており、その左右一対のワイヤを巻き取る巻き取り機構が、左右のワイヤをそれぞれ巻き取るための左ドラムおよび右ドラムと、左右のドラムを同調回転させる機構とを備えているものが好ましい。

【００１２】
【作用および発明の効果】
本発明の車椅子固定装置で車椅子を拘束する場合は、前ワイヤを車椅子の前側に係止し、後ワイヤを車椅子の後側に係止した上で、前後の巻き取り機構のモータを駆動させてワイヤを巻き取る。それにより前ワイヤは車椅子の前側を前下方に引っ張り、後ワイヤは前ワイヤとは独立して車椅子の後側を後下方に引っ張る。そのため、車椅子に傾動方向の外力が加わっても、移動することがない。さらに電気駆動により前後のワイヤを自動的に巻き取ることができる。さらに巻き取り機構は減速機付きのモータで駆動するので、巻き終わった時点でロック作用を奏する。そのため、ワイヤをロックする操作の必要がなく、別個にロック機構を設ける必要もない。

さらに前述の前後の巻き取り機構が同じベースに取り付けられているので、ベースをワイヤが伸びている方向に移動させることにより、前後のワイヤを同時に緩めることができる。それによりモータを駆動できないなどの非常事態でも、手動操作でワイヤの緊張を緩め、車椅子を離脱させることができる。なお、必要であれば、手動操作で車椅子を固定することもできる。前記ベースを手動で前後に操作するネジ機構を備えている場合は、ネジ機構を操作することにより、ベースを前後に移動させて、ワイヤの緊張を緩めたり、緊張させたりすることができる。

また前ワイヤおよび（または）後ワイヤが左右一対で設けられ、ワイヤの巻き取り機構が左ドラムおよび右ドラムと、左右のドラムを同調回転させる機構とを備えている装置の場合は、モータおよび減速機は前後用にそれぞれ１個設けるだけでよい。さらに左右のワイヤを巻き取り機構に均等に巻き取ることができる。