JP2000329599A - 熱式流速計 - Google Patents

熱式流速計

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JP2000329599A
JP2000329599A JP11316943A JP31694399A JP2000329599A JP 2000329599 A JP2000329599 A JP 2000329599A JP 11316943 A JP11316943 A JP 11316943A JP 31694399 A JP31694399 A JP 31694399A JP 2000329599 A JP2000329599 A JP 2000329599A
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heat
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Masahiro Asakura
正博 朝倉
Tadahiko Ohashi
忠彦 大橋
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Kurabe Industrial Co Ltd
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Kurabe Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】雰囲気温度に連動して流速検知用感熱抵抗素子
の自己加熱温度を変えることにより、消費電力の低減と
自己対流による測定誤差の低減を図った、例えば、電池
を電源とした携帯用の流速計などとして好適な熱式流速
計を提供すること。 【解決手段】演算増幅器の出力によって駆動される抵抗
ブリッジからの出力が前記演算増幅器に入力される帰還
回路であって、前記抵抗ブリッジの相対するニ辺の一方
には自己加熱された流速検知用感熱抵抗素子が接続さ
れ、他方には自己加熱されない温度補償用感熱抵抗素子
が接続される熱式流速計において、前記演算増幅器の出
力が流速に応じて平衡するよう前記流速検知用感熱抵抗
素子への通電電流が変化し、その端子電圧を出力とし且
つ雰囲気温度に応じて前記流速検知用感熱抵抗素子への
通電電流が変化し、感熱抵抗素子の熱放散定数を一定に
すべく自己加熱温度が変化するように構成されたことを
特徴とする熱式流速計。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自己加熱された感
熱抵抗素子が周囲の移動する流体から受ける影響を利用
した熱式流速計に係り、特に、雰囲気温度に連動して流
速検知用感熱抵抗素子の自己加熱温度を変えることによ
り、消費電力の低減と自己対流による測定誤差の低減を
図ったものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、白金線等の正特性エレメント
を通電により自己加熱して流速を検出する熱線式流速計
が良く知られているが、近年ではこれとともに、負特性
サーミスタを自己加熱状態で使用するサーミスタ流速計
が広く利用されるようになってきた。これは、検知素子
である熱線部とサーミスタでは、サーミスタの方が形状
を小さくすることができ指向性や消費電力、機械的強度
面などの点で有利であるからである。ここで言う「正特
性エレメント」とは、正の温度係数を有する感熱抵抗素
子のことであり、一方「負特性サーミスタ」とは、負の
温度係数を有する感熱抵抗素子のことである。これらの
感熱抵抗素子は物理的には反対の性質を示すが、検知回
路に組み込んで電気信号として取り出す場合には、信号
の変化する方向が逆になるだけであり、測定器の極性を
逆にしたり、感熱抵抗素子の組み込む位置を逆にすれば
信号の変化する方向は同一になる。即ち、温度特性が
正、負逆であっても温度変化という物理現象を電気信号
として取り出す場合は同質のものとして扱える。
【0003】ここでは、従来余り一般的ではなかった負
特性サーミスタを使用した自己加熱型サーミスタ流速計
の動作原理を、特公平7−7009号、発明の名称「サ
ーミスタ流速計及びその製造方法」を参照して説明す
る。
【0004】図5(a)において、演算増幅器U10
出力によってトランジスタQ10を介して抵抗ブリッジ
101,R102,R103,R10が駆動され、そ
のブリッジの出力が前記演算増幅器U10に入力される
帰還回路が構成されている。ここで、R10は、サーミ
スタであり、電源E10と抵抗R103の選択により約
150℃程度の一定温度になるように自己加熱される。
このサーミスタR10に風が当たるとサーミスタR10
から熱が奪われる。奪われる熱量は、風速の増加に従っ
て増加する。サーミスタR10が冷やされると、その抵
抗値は上昇するが前記帰還回路の接続ではその帰還作用
によりサーミスタR10の自己加熱が増加し、サーミス
タの負性抵抗領域での特性によってサーミスタR10
抵抗値が下がるように働く。即ち、抵抗R103で決め
られた自己加熱温度に収束するようにサーミスタR10
に加わる電力が変わる。このとき、サーミスタR10
流れる電流は増加しており、その端子電圧を風速に対す
る出力V10として取り出すことができる。この出力V
10の代表的な例を図6に示す。図6によれば、出力電
圧V10は雰囲気温度に依存し温度補償の必要性を示し
ている。尚、図6中、点線で示す基準特性とは、雰囲気
温度15℃における出力電圧の実測値を統計処理して関
数で表わしたものである。
【0005】このような温度依存性に見合った一般的な
温度補償回路の例を実開平6−64162号、考案の名
称「正特性サーミスタ流速検知器」を参照して説明す
る。ここでは流速を検知する熱的検知手段として、正特
性サーミスタという感熱抵抗素子を使用しているが、こ
の素子は自己温度制御作用を有しているので、素子単体
で図5(a)と同じ動作をし、負特性サーミスタの場合
と同様な出力と温度依存性を示すので温度補償について
も同様である。
【0006】図5(b)において、自己加熱されていな
いサーミスタR11と抵抗R111,R112,R
113を含む合成抵抗回路網X11と、抵抗R114
び演算増幅器U11からなる非反転増幅回路が構成され
ており、そのゲインは1+R11 /X11となり、1
/X11という因子が温度によってゲインを加減し、図
6の温度依存性をよく補償することが知られている。図
6の温度依存性は適切な定数を選ぶことによって図7の
ように殆ど温度依存性のない特性に集約することができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成によると次のような問題があった。つまり、従
来のサーミスタ流速計は雰囲気温度にかかわらずサーミ
スタの自己加熱温度を一定にするように動作させるの
で、最高の雰囲気温度に対して一般にそれより数十℃高
いサーミスタの自己加熱温度を決める必要があり、これ
は低めの雰囲気温度の場合から見ると不必要に高い温度
になる。従って、消費電力が大きくなり電池での連続動
作時間を非常に短いものにしてしまうとともに、低めの
雰囲気温度での低流速の測定においてはサーミスタの自
己加熱による素子近傍の自己対流が無視できない程の誤
差を生んでしまうという問題があった。この問題につい
ては、正特性エレメントを使用した従来からの熱線式流
速計についても全く同じ問題である。
【0008】本発明はこのような点に基づいてなされた
もので、その目的とするところは、雰囲気温度に連動し
て流速検知用感熱抵抗素子の自己加熱温度を変えること
により、消費電力の低減と自己対流による測定誤差の低
減を図った、例えば、電池を電源とした携帯用の流速計
などとして好適な熱式流速計を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく
本発明による熱式流速計は、演算増幅器の出力によって
駆動される抵抗ブリッジからの出力が前記演算増幅器に
入力される帰還回路であって、前記抵抗ブリッジの相対
するニ辺の一方には自己加熱された流速検知用感熱抵抗
素子が接続され、他方には自己加熱されない温度補償用
感熱抵抗素子が接続されてなる熱式流速計において、前
記演算増幅器の出力が流速に応じて平衡するよう前記流
速検知用感熱抵抗素子への通電電流が変化し、その端子
電圧を出力とし且つ雰囲気温度に応じて前記流速検知用
感熱抵抗素子への通電電流が変化し、感熱抵抗素子の熱
放散定数を一定にすべく自己加熱温度が変化するように
構成されたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】ここで、図1乃至図3を参照しな
がら、本発明の熱式流速計の実施の形態を、負特性サー
ミスタを使用したサーミスタ流速計を例に挙げて説明す
る。本実施の形態によるサーミスタ流速計の検知部は図
1に示すように、絶縁性基板3に直立したピン端子4,
5と、該ピン端子4,5に接続されたサーミスタ1,2
とから構成されている。ここで、サーミスタ1は自己加
熱された流速検知用のサーミスタであり、一方、サーミ
スタ2は自己加熱されない温度補償用のサーミスタであ
る。これらのサーミスタは、いずれもマンガン・ニッケ
ル系酸化物焼結体の両面に電極層が形成された後チップ
状に切断され両面の電極層とデュメットリード線が各々
の面に接続されてからチップ部を覆うようにガラス管が
被せられ溶融され気密封止されたものである。但し、自
己加熱分を含めて300℃を超える高温雰囲気で使用す
る場合は、サーミスタも高温用のものを使用する必要が
ある。
【0011】自己加熱された流速検知用サーミスタ1
と、自己加熱されない温度補償用サーミスタ2は、ピン
端子4,5から延長された図示しないリード線によって
図2に示す帰還回路のR,Rに相当する位置にそれ
ぞれ接続される。抵抗R〜R からなる抵抗ブリッジ
と演算増幅器Uの入力極性は相対関係にあるから、サ
ーミスタR,R,R,R,入力極性,出力端子
の入れ替えは、通常の演算増幅器の場合と同様である。
ここで、温度補償用サーミスタRを固定抵抗とすれ
ば、その動作は図5(a)に示した従来例と全く同じで
ある。従って、そのときの出力も図6と同じ特性と温度
依存性を示すはずである。
【0012】そこで、Rに温度補償用サーミスタ、又
は温度依存性に応じて図3に示すようにRを含む合成
抵抗回路を接続すると図6でTa=0℃,Ta=30℃
の場合に相当する出力特性は図7に示すように、Ta=
0〜30℃の範囲でTa=15℃の場合の出力特性と合
致した出力として得られる。しかし、ここで重要なこと
は、従来例では図5(a)の帰還回路における出力V
10は、図6に示すように温度依存性をもって得られ、
それが図5(b)における温度補償回路で増幅倍率が掛
けられ、その出力V11は図7に示すように1本の特性
として得られる。この場合、流速検知用サーミスタR
10の自己加熱温度は雰囲気温度により変わることはな
いのに対し、本発明では図2において、雰囲気温度によ
り温度補償用サーミスタRの抵抗値が変わると、抵抗
〜R、演算増幅器U、トランジスタQからな
る平衡ブリッジ帰還回路の作用によって、流速検知用サ
ーミスタRの抵抗値、即ち自己加熱温度が変わるよう
に働く点である。
【0013】図2における抵抗R4及び図3における各
抵抗値を適切に設定すると、温度補償用サーミスタR
で検知した雰囲気温度よりもΔTだけ高い温度に相当す
る電圧Vrefを発生させることができるので、自己加熱
された流速検知用サーミスタの動作温度を雰囲気温度に
応じてそれよりもΔTだけ高い温度に保つことが可能と
なる。
【0014】ここで、雰囲気温度が変わったとき、ズレ
た出力特性を常温付近の基準温度(例えば、25℃)に
おける基準出力特性に戻すには、どのようなルールに従
えば良いのかを調べてみると、それは直線的に変わる雰
囲気温度に対し、流速検知用サーミスタの動作抵抗、消
費電力及び動作温度は直線的に対応せず単独の指標では
ないことが判る。
【0015】一般に自己加熱されたサーミスタで複合的
な要因を含む指標として最も重要なものは「熱放散定数
D.C」と言われるものであり、これは「1deg温度上昇さ
せるのに何ワット必要か」という熱放散の程度を表す指
標で「W/deg」という単位で表わされる。熱放散定数
は一定ではなく、自己加熱されたサーミスタの動作温度
によっても雰囲気温度によっても変わる。
【0016】本発明者らのデータ解析によれば、本発明
における温度補償のルールは、流速検知用サーミスタの
熱放散定数を、「基準となる雰囲気温度」での熱放散定
数に一致させることに他ならないことが判明した。
【0017】即ち、本発明によるサーミスタ流速計のサ
ーミスタと回路の動作を要約すると、「流速検知用サ
ーミスタは、基準となる雰囲気温度で定温度で動作する
ように設定される。雰囲気温度の変化に対しては、流
速検知用サーミスタの熱放散定数が「基準となる雰囲気
温度」での熱放散定数に一致するよう温度補償用サーミ
スタからの信号で動作温度を変える。」となり、従来に
無い全く新しい動作原理で従来の自己加熱型サーミスタ
流速計が抱えていた課題を解決したものである。これは
見方を変えると、従来例が測定の電圧信号の処理のみに
なっているのに対し、本発明では測定のエネルギーコン
トロールにまで回路の作用が広がっている点であり、最
小エネルギーでの測定の道が開かれた。又、この動作原
理は、正の温度係数を有する細い白金線や白金薄膜をピ
ン端子に吊り、通電により自己加熱させて流速検知用素
子とし、これと同様な白金線や白金薄膜を自己加熱させ
ずに温度補償用素子とした従来からの熱線式流速計に対
しても全く同様に適用することができる。それは、温度
係数の方向以外、熱的、電気的性質は負の温度係数を有
する感熱抵抗素子と同質であり、その動作は図2におい
て、流速検知用感熱抵抗素子Rと抵抗Rの入れ替え
及び温度補償用感熱抵抗素子Rと抵抗Rの同時入れ
替えか、或いはそれに相当する抵抗ブリッジR
,R,Rの入れ替えと極性の入れ替えをすれ
ば、その出力特性も温度特性も負特性サーミミスタ流速
計の場合と同様になる。従って、重要なエネルギー指標
である熱放散定数も全く同質のものとして扱うことがで
きる。
【0018】尚、上述したサーミスタは、一対のデュメ
ットリード線が同一方向に導出したラジアル型のもので
あったが、一対のデュメットリード線がサーミスタチッ
プを挟んで左右両側に導出したアキシャルリード型のも
のでも同様の作用が考えられる。又、ガラス封止型のサ
ーミスタでなく樹脂封止型のサーミスタであっても同様
の作用が考えられる。又、正特性感熱抵抗素子である白
金線等のアキシャルリード型のものであっても同様の作
用が考えられる。
【0019】デュメットリード間の絶縁は、ポリイミド
チューブを片側又は両側のデュメットリード線に被せた
り、ウレタンやホルマール、エポキシ樹脂等をデュメッ
トリード線にコートすることも考えられる。又、デュメ
ットリード線とピン端子との接続部を樹脂やゴムで覆っ
て防食処理することも考えられる。更に、この流速計を
液体中で使用する場合は、樹脂ケースや金属パイプに挿
入して保護することが考えられるが、そのバラエティは
温度センサとして考えられる全てが対象となる。
【0020】絶縁性基板3の構成材料としては、樹脂、
セラミック、 ガラス等が考えられる。又、ピン端子の
構成材料としては、ステンレス、コバール等の熱伝導率
の悪いものが好ましい。演算増幅器Uは、通常片電源
のものが使用されるが、両電源のものでも動作可能であ
る。但し、この場合は演算増幅器Uの出力がマイナス
へ引かれないような工夫が必要である。更に、抵抗R
〜Rで構成される抵抗ブリッジの消費電力が小さい場
合には、トランジスタQは無くても良い。温度補償用
サーミスタRを図3のように合成抵抗回路網で構成す
る場合は、周知のごとく図6における任意の風速での温
度依存データを用いて目標とする合成抵抗値となるよう
に計算すれば良い。
【0021】
【実施例】実施例1 負特性感熱抵抗素子を使用したサ
ーミスタ流速計の場合 以下、図1乃至図4を参照して本発明の一実施例を説明
する。まず、図1は、サーミスタ流速計の検知部の構成
を示す図である。図1において、符号4,5は、ナイロ
ン樹脂製の絶縁性基板3に貫通したSUS304からな
るピン端子である。ピン端子4の先端部には、自己加熱
された流速検知用のサーミスタ1の一対のデュメットリ
ード線1aが、又、ピン端子5の先端部には、自己加熱
されない温度補償用のサーミスタ2の一対のデュメット
リード線2aが、それぞれ直立状態を保ったままスポッ
ト溶接により接続されている。尚、デュメットリード線
1a,2aの表面には、それぞれエポキシ樹脂がコーテ
ィングされており、それによってデュメットリード線間
の絶縁が確保されている。
【0022】上記サーミスタ1,2は、いずれもガラス
封止型であり、素子部の寸法はφ1.0mm×1.5m
m、デュメットリード線1a,2aの外径は0.1mm
である。特性は、R(0℃)=15kΩ、B定数(0/
100℃)=3390Kのものを使用した。
【0023】本実施例では、ピン端子4,5から図示し
ないリード線を図2に示す回路部まで延長して、自己加
熱された流速検知用サーミスタ1をRに、又、自己加
熱されない温度補償用サーミスタ2をRにそれぞれ接
続した。
【0024】ここで、図2において雰囲気温度Ta=2
5℃のときを基準雰囲気温度とし、R=200Ω、R
=1kΩとし、流速検知用サーミスタRを雰囲気温
度を含めて60℃で自己加熱させるために温度補償用サ
ーミスタに相当するRを固定抵抗8.265kΩに設
定し、風速に対する出力特性を測定すると図4に示すよ
うになる。尚、その他の回路定数は、演算増幅器U
NJM2904D、トランジスタQが2SD794
D、電源EがDC15V、流速検知用サーミスタR
の60℃における抵抗値が1.653kΩであった。
【0025】次に、雰囲気温度Ta=5℃,50℃にし
たときゼロ風速時での出力電圧がTa=25℃のときと
同じになるようにRを可変すると、Ta=5℃の場合
はR =10.798kΩ、Ta=50℃の場合はR
=5.593kΩであれば良いことが判った。しかし、
Ta=5℃,25℃,50℃に相当する前記抵抗値を有
するサーミスタは上市されていないので、図3(a)に
示す抵抗回路網で合成することにした。
【0026】ここでは、温度補償用サーミスタRが自
己加熱しないように、使用するサーミスタをR200
0.62kΩ、B定数(100/200℃)=4330
Kに代え、図2中のVrefが同じ値になるように計算す
るとP=126.544kΩ、S=31.902k
Ω、P=11.250kΩが得られる。尚、各雰囲気
温度Taにおけるゼロ風速時の自己加熱温度Tsは、抵
抗ブリッジより流速検知用サーミスタRの動作抵抗を
計算して求めた。これを表1に示した。又、Vref=
0.519V(at Ta=25℃)に設定したので、
流速検知用サーミスタRの熱放散定数D.Cは表1に示
すようになる。
【0027】
【表1】
【0028】これを見ると、雰囲気温度Taの変化に伴
って自己加熱温度Tsや(Ts−Ta)は大きく変わる
が、熱放散定数D.Cはほぼ一定にコントロールされてい
ることが判る。(Ts−Ta)とTsの関係は逆になっ
ており、高温では小さく、低温では大きく、必要最小限
の加熱で済むことを示している。
【0029】このような定数で雰囲気温度をTa=5
℃,50℃と変えて風速に対する出力特性を測定すると
図4に示すようになる。
【0030】これを見ると、Ta=25℃のときの特性
と殆ど一致しており、風が吹いても温度補償の動作は十
分に達成された。即ち、この温度補償の動作は表1に示
されたように、同一回路内に有りながら風速検知とは独
立して働き、雰囲気温度Taの変化に応じてその熱放散
定数D.Cが一定となるように流速検知用サーミスタR
の自己加熱温度Tsが自動的に変わるように回路が構成
され動作しているものである。
【0031】実施例2 正特性感熱抵抗素子を使用した
熱線式流速計の場合 以下、図8を参照して本発明の一実施例を説明する。図
8は、従来から市販されている熱線式流速計の検知部の
構成を示す図である。図8において、絶縁性支持体11
の上面に直立して設けられたピン端子12の先端部に
は、自己加熱された流速検知用の感熱抵抗素子として、
直径6μm、長さ2.25mmの寸法で、0℃の抵抗値
が6.000Ω、温度係数が0.0039/degの特
性を有する白金ワイヤ13が溶接により接続されてい
る。又、絶縁性支持体11の上面には、自己加熱されな
い温度補償用感熱抵抗素子として、0℃の抵抗値が1k
Ω、温度係数が0.0039/degの特性を有する白
金薄膜14が配置されている。
【0032】ここで、図2において雰囲気温度Ta=2
5℃のときを基準雰囲気温度とし、RとRを入れ替
え、同時にRとRを入れ替えてから、R=1.0
98kΩとして流速検知用サーミスタRを雰囲気温度
を含めて60℃で自己加熱させるためにRを7.40
4Ωに設定する。このとき、Vref=0.35Vであっ
た。このような条件で風洞で風速に対する出力特性を測
定すると図4と同様な特性が得られる。
【0033】次に、雰囲気温度Ta=5℃,50℃にし
たときゼロ風速時での出力電圧がTa=25℃のときと
同じになるようにRを可変すると、Rは表2に示す
ようになった。このRの値は、温度補償用感熱抵抗素
子(白金薄膜)そのものの特性には合わないので、上記
の〔実施例1〕と同様に合成抵抗で実現させる。
【0034】
【表2】
【0035】このようにして得た定数で風速を測定する
と、〔実施例1〕と同様に5℃,25℃,50℃でその
特性は非常に良く一致し、温度補償の効果を示す。又、
表2より、本実施例においても熱放散定数D.Cが一定に
制御されているのが明らかである。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、雰
囲気温度により流速検知用感熱抵抗素子の自己加熱温度
が自動的に変わるよう温度補償用感熱抵抗素子が帰還型
ブリッジ回路に組み込まれているので、次段に温度補償
回路を必要としない簡単な構成でありながら、雰囲気温
度の変動による不必要な電力の注入を防ぎ、自己加熱温
度の最高温度をぎりぎりまで低く抑えることができると
ともに、流速検知用感熱抵抗素子近傍の自己対流による
測定誤差を極めて低くすることができる。従って、消費
電力の低減と信頼性及び測定精度向上の両方を満足し
た、例えば、電池を電源とした携帯用の流速計などとし
て好適な熱式流速計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図で、(a)はサーミ
スタ流速計の検知部の構成を示す側面図、(b)はサー
ミスタ流速計の検知部の構成を示す上面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す図で、サーミスタ流速
計の回路部の構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施例を示す図で、(a)は温度補
償用サーミスタを合成するπ型合成抵抗回路網、(b)
温度補償用サーミスタを合成するT型合成抵抗回路網で
ある。
【図4】本発明の一実施例を示す図で、サーミスタ流速
計の雰囲気温度の違いによる風速−出力電圧特性図であ
る。
【図5】従来例を示す図で、(a)は自己加熱型サーミ
スタ流速計の回路構成図、(b)は自己加熱型サーミス
タ流速計の温度補償回路構成図である。
【図6】従来例を示す図で、自己加熱型サーミスタ流速
計の温度補償前の雰囲気温度の違いによる風速−出力電
圧特性図である。
【図7】従来例を示す図で、自己加熱型サーミスタ流速
計の温度補償後の雰囲気温度の違いによる風速−出力電
圧特性図である。
【図8】従来から市販されている熱線式流速計の検知部
の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】 1 自己加熱された流速検知用サーミスタ 1a デュメットリード線 2 自己加熱されない温度補償用サーミスタ 2a デュメットリード線 3 絶縁性基板 4 ピン端子 5 ピン端子 11 絶縁性支持体 12 ピン端子 13 自己加熱された流速検知用感熱抵抗素子(白金ワ
イヤ) 14 自己加熱されない温度補償用感熱抵抗素子(白金
薄膜) R 流速検知用サーミスタ R 温度補償用サーミスタ R,R 抵抗 U 演算増幅器 Q トランジスタ Vref 流速検知用サーミスタの自己加熱温度を設定す
る為の基準電圧 V 出力 E 電源 P,P,S 抵抗

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 演算増幅器の出力によって駆動される抵
    抗ブリッジからの出力が前記演算増幅器に入力される帰
    還回路であって、前記抵抗ブリッジの相対するニ辺の一
    方には自己加熱された流速検知用感熱抵抗素子が接続さ
    れ、他方には自己加熱されない同種の温度補償用感熱抵
    抗素子が接続されてなる熱式流速計において、前記演算
    増幅器の出力が流速に応じて平衡するよう前記流速検知
    用感熱抵抗素子への通電電流が変化し、その端子電圧を
    出力とし且つ雰囲気温度に応じて前記流速検知用感熱抵
    抗素子への通電電流が変化し、感熱抵抗素子の熱放散定
    数を一定とすべく自己加熱温度が変化するように構成さ
    れたことを特徴とする熱式流速計。
JP11316943A 1999-03-16 1999-11-08 熱式流速計 Pending JP2000329599A (ja)

Priority Applications (1)

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