JP2000328872A - 偏平断面トンネル用シールド掘進機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】シールド掘進しつつ偏平断面トンネルを掘削
し、トンネルの内側へ突出する未掘削領域が生じないよ
うにし、工期短縮、工費低減を図り得る偏平断面トンネ
ル用シールド掘進機を提供する。 【解決手段】円形の主カッターディスク４と、主カッタ
ーディスク４を回転駆動する回転駆動機構５と、主カッ
ターディスク４の両側に配置され且つ主カッターディス
ク４の両側にはみ出すトンネル部分の形状とほぼ同形状
に形成された１対の揺動カッター６と、これら揺動カッ
ター６を夫々揺動駆動する１対の揺動駆動機構７と、主
カッターディスク４と１対の揺動カッター６とで掘り残
したトンネル部分を掘削する複数の小径カッターディス
ク８と、これら小径カッターディスクを回転駆動する小
径カッター回転駆動機構９とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】 本発明は、シールド掘進機
に関し、特に断面が偏平の偏平断面トンネルを掘り残し
なく掘削する為のシールド掘進機に関する。

【０００２】

【従来の技術】 各種のシールド坑（上下水道用トンネ
ル、地下鉄用トンネル、地下道路用トンネル、通信ケー
ブル用トンネル、共同溝用トンネルなど）をシールド工
法により構築する為にシールド掘進機が広く実用に供さ
れている。これらシールド坑のうち、特に地下鉄用トン
ネルの駅部分や地下道路用トンネルでは、トンネル内空
間を有効活用する為にトンネル高さに比べてトンネル幅
を大きくした偏平断面シールド坑も広く適用されてい
る。

【０００３】偏平断面トンネルを掘削する為のシールド
掘進機として従来より種々のシールド掘進機が提案され
ている。例えば、大径の主カッターディスクの左右両側
に１対の副カッターディスクを装備した、所謂３連シー
ルド掘進機も実用に供されている。この３連シールド掘
進機によれば、３つのカッターディスクを夫々回転させ
つつ掘進することで、偏平断面トンネルを掘削すること
ができるが、偏平断面トンネルでは、主カッターディス
クと副カッターディスクとの４か所の境界部付近にトン
ネル内側にかなり突出する未掘削領域が残ってしまい、
トンネルの外周形状が滑らかな偏平断面形状にならな
い。

【０００４】特開平７−２２９３８６号公報には、偏平
断面トンネルを、最初に上半アーチ部内において、複数
の円形トンネルを複数の小径のシールド掘進機にて先行
掘削し、これらシールド掘進機で掘り残した領域をブレ
ーカにて整形掘削し、次に、発破又は静的破砕剤で地山
を弛めつつ、上半アーチ部に連続する下半部、最下部で
あるインバート部について、ブレーカ又はインパクトリ
ッパー等で掘削する技術が記載されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】 前記３連シールド掘
進機を適用する場合、主カッターディスクと副カッター
ディスクとの４か所の境界部付近にトンネル内側へかな
り突出する未掘削領域が残ってしまい、トンネルの外周
形状が滑らかな偏平形状にならないため、トンネル内空
間の利用率を高めにくい。特開平７−２２９３８６号公
報では、複数のシールド掘進機にて先行掘削後、複数の
段階を経て最終的にブレーカ等を投入して偏平断面にし
なければならず、工期が長くかかるだけでなく複数のシ
ールド掘進機の費用や補助設備の為の費用が嵩む等の問
題がある。

【０００６】本発明の目的は、トンネル内面側へ突出す
る未掘削領域が生じないようにしながら所望の形状の偏
平断面トンネルの掘削可能にすること、工期の短縮を図
ること、工費を低減すること、等である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】 請求項１の偏平トンネ
ル用シールド掘進機は、偏平断面トンネルを掘削する為
のシールド掘進機において、シールド掘進機の前端部に
設けた円形の主カッターディスクと、前記主カッターデ
ィスクを回転駆動する回転駆動手段と、前記主カッター
ディスクの両側に配置され且つ主カッターディスクの両
側にはみ出すトンネル部分の形状とほぼ同形状に形成さ
れた１対の揺動カッターと、これら揺動カッターを夫々
揺動駆動する１対の揺動駆動手段と、主カッターディス
クと１対の揺動カッターとで掘り残したトンネル部分を
掘削する複数の小径カッターディスクと、これら小径カ
ッターディスクを回転駆動する小径カッター回転駆動手
段とを備えたことを特徴とするものである。

【０００８】偏平断面トンネルを掘削する際には、複数
のシールドジャッキにより覆工済みのセグメントに反力
をとりながら、回転駆動手段により主カッターディスク
を回転させる。これと並行して１対の揺動カッターを１
対の揺動駆動手段により夫々揺動させるとともに、小径
カッター回転駆動手段により複数の小径カッターディス
クを回転させる。主カッターディスクにより円形に掘削
され、１対の揺動カッターにより主カッターディスクの
両側にはみ出すトンネル部分が掘削され、更に、複数の
小径カッターディスクにより、主カッターディスクと１
対の揺動カッターで掘り残したトンネル部分が掘削され
る。ここで、１対の揺動カッターが、主カッターディス
クの両側にはみ出すトンネル部分の形状とほぼ同形状に
形成されているので、主カッターディスクと１対の揺動
カッターとで掘り残すトンネル部分は非常に狭い領域と
なり、その狭い領域を複数の少数の小径カッターディス
クで掘削することができる。

【０００９】請求項２の偏平トンネル用シールド掘進機
は、請求項１の発明において、前記小径カッター回転駆
動手段は、複数の小径カッターディスクを夫々回転駆動
する複数の駆動モータを有することを特徴とするもので
ある。各小径カッターディスクを独立に駆動できるた
め、複数の小径カッターディスクを配置する上での自由
度が大きくなり、汎用性に優れる。

【００１０】請求項３の偏平トンネル用シールド掘進機
は、請求項１又は２の発明において、前記１対の揺動カ
ッターは、主カッターディスクよりも後方に配設された
ことを特徴とするものである。主カッターディスクと１
対の揺動カッターとの干渉を確実に防止できるうえ、主
カッターディスクの掘削領域と揺動カッターの掘削領域
とを部分的にラップさせることができる。

【００１１】請求項４の偏平トンネル用シールド掘進機
は、請求項１〜３の何れかの発明において、前記揺動駆
動手段は、揺動カッターをその支軸の回りに所定角度往
復揺動させるように構成されたことを特徴とするもので
ある。それ故、揺動駆動手段の構造を簡単化することが
できる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
シールド掘進機について説明する。このシールド掘進機
は、偏平断面トンネルを前進しながら掘削するシールド
掘進機である。尚、偏平断面トンネルとは、断面形状が
偏平なトンネルという意味であり、以下の説明において
掘進方向に向かって前後左右方向をそれぞれ前後左右と
して説明する。

【００１３】図１、図２に示すように、シールド掘進機
１は、掘進機本体２と、この掘進機本体２の外面部の胴
部材３と、掘進機本体２の前端部に回転可能に設けられ
た主カッターディスク４と、主カッターディスク４を回
転駆動する為の回転駆動機構５と、左右１対の揺動カッ
ター６と、これら揺動カッター６を揺動駆動する為の１
対の揺動駆動機構７と、複数の小径カッターディスク８
と、これら小径カッターディスク８を回転駆動する小径
カッター回転駆動機構９と、複数のシールドジャッキ１
０と、エレクタ装置１１と、排泥設備１２と、セグメン
ト形状保持装置（図示略）等を有する。

【００１４】主カッターディスク４は掘進機本体２の前
端側位置に掘進機本体２と同心的に配設され、主カッタ
ーディスク４は、センターフレーム１３と、センターフ
レーム１３から放射状に延びる８本のカッタースポーク
１４及び８本の外周部カッタースポーク１５と、カッタ
ースポーク１４間に配設されて連結部材にて連結された
複数の面板１６と、これらカッタースポーク１４，１５
と面板１６を連結する環状のリングフレーム１７，１８
とを有する。前記のカッタースポーク１４，１５の前面
には多数のカッタービット２０が設けられている。

【００１５】図１に示すように、主カッターディスク４
の背部には連結フレーム２１を介して環状のカッタード
ラム２２が固定されている。主カッターディスク４を回
転駆動する回転駆動機構５は、複数の電動もしくは油圧
式モータ２３とピニオンギヤ２４と旋回軸受を含むリン
グギヤ等からなり、電動もしくは油圧式モータ２３の出
力軸のピニオンギヤ２３ａがリングギヤ２４のギヤ歯に
噛合している。胴部材３の内部においてカッターディス
ク４の後側には、隔壁２６を介してチャンバー２７が形
成され、この隔壁２６にはカッタードラム２２と電動も
しくは油圧式モータ２３と揺動カッター６と揺動駆動機
構７と小径カッターディスク８と小径カッター回転駆動
機構９などが支持されている。

【００１６】隔壁２６は、断面コ字形の環状のボックス
フレーム２８と中央壁２９と筒状壁３０，３１と環状後
壁３２などからなり、ボックスフレーム２８の外周端が
胴部材３の内面に接合されている。ボックスフレーム２
８の後端部の内周に環状後壁３２が接合され、ボックス
フレーム２８の内面と筒状壁３０，３１との間に環状支
持壁３３が接合されている。

【００１７】主カッターディスク４を回転自在に支持す
る為に、カッタードラム２２はボックスフレーム２８と
筒状壁３０の間の環状凹部に回転自在に装着され、カッ
タードラム２２の内外両側には複数のシール部材と軸受
が装着され、このカッタードラム２２にはリングギヤ２
４が固定されている。回転駆動機構５における、各電動
もしくは油圧式モータ２３の出力軸に固定のピニオン２
３ａがリングギヤ２４に噛合され、複数の電動もしくは
油圧式モータ２３によりピニオン２３ａを介してリング
ギヤ２４が回転駆動され、主カッターディスク４が回転
駆動される。

【００１８】図１、図２、図４に示すように、１対の揺
動カッター６は、主カッターディスク４の左右両側に左
右対称に配設され、それらの揺動中心が主カッターディ
スク４の軸中心とは異なる位置に設定され、１対の揺動
カッター６は主カッターディスク４の後方近傍に配置さ
れている。１対の揺動カッター６の外形形状は、主カッ
ターディスク４の両側にはみ出すトンネル部分の形状と
ほぼ同形状に形成され、各揺動カッター６の外形形状
は、主カッターディスク４の片側にはみ出すトンネル部
分の形状とほぼ同形状に形成されている。各揺動カッタ
ー６は、開角が１８０度より大きな扇形に近い形状に形
成され、その内側辺３８ａ，３８ｂ間の角度が例えば約
１４０度であり、図４に示す正面視にて内側辺３８ａ，
３８ｂ間の角度を２等分する２等分線が主カッターディ
スク４の軸心CPを指向している。各揺動カッター６は複
数のカッタースポーク３７を有し、それらカッタースポ
ーク３７の前面には多数のカッタービットが設けられて
いる。

【００１９】各揺動カッター６を往復回動させて揺動駆
動する揺動駆動機構７について説明する。各揺動カッタ
ー６の支軸４０はボックスフレーム２８の前壁に回動自
在に枢支されてボックスフレーム２８内ヘ延びている。
揺動駆動機構７は、ボックスフレーム２８内に配設され
た油圧シリンダ３９と、この油圧シリンダ３９のシリン
ダ本体をトラニオン支持する支持ブラケット２８ａ，２
８ｂ（これらはボックスフレーム２８に固定されてい
る）と、支軸４０に固定されたアーム部材とを有し、油
圧シリンダ３９のロッド部が前記アーム部材にピン連結
され、油圧シリンダ３９により揺動カッター６をその支
軸４０の回りに所定角度（例えば、２０度）往復揺動さ
せるように構成されている（図４参照）。

【００２０】次に、主カッターディスク４と１対の揺動
カッター６とで掘り残したトンネル部分を掘削する小径
カッターディスク８について説明する。図１、図２に示
すように、主カッターディスク４と左右の揺動カッター
６との境界部付近に合計８個の小径カッターディスク８
が設けられる。即ち、合計８個の小径カッターディスク
８が、上端側の左部に３個、右部に３個、下端側の左部
に１個、右部に１個配設される。これら小径カッターデ
ィスク８は、揺動カッター６よりもやや後方へシフトし
て配設されている。

【００２１】これら小径カッターディスク８を回転駆動
する小径カッター回転駆動機構９は、８個の小径カッタ
ーディスク８を夫々回転駆動する電動又は油圧式の８個
の駆動モータ９ａを有する。図１に示すように、ボック
スフレーム２８を貫通する状態にケース４１が設けら
れ、例えば上端側の右側の３個の小径カッターディスク
８を夫々駆動する３個の駆動モータ９ａがケース４１内
に配設されてボックスフレーム２８の前壁に支持されて
いる。尚、排泥設備１２の排泥管４２と送水管４３はボ
ックスフレーム２８を貫通して延び、チャンバ２７に連
通状態に配設されている。中央壁２９には、作業者がチ
ャンバ２７に入る際の圧力調整を行う為のマンロック４
４が設けられている。

【００２２】図１、図３に示すように、胴部材３の後部
の内面近傍には、多数のシールドジャッキ１０が周方向
適当間隔おきに後方向きに配設され、各シールドジャッ
キ１０は胴部材３に固着のリングウェブ５０，５１に貫
通状態に固定されている。各シールドジャッキ１０のロ
ッドの先端部にはスプレッダー５２が連結され、スプレ
ッダー５２を覆工済みのセグメントＳの前端に当接させ
ることで、シールドジャッキ１０の推進力に対する反力
をとるようになっている。

【００２３】次に、エレクター装置１１について説明す
る。図１、図３に示すように、胴部材３の内部には、ト
ンネルの内面にセグメントＳを覆工する為のエレクター
装置１１とこのエレクタ装置１１を支持するエレクタ支
持フレーム５３とが設けられている。エレクタ支持フレ
ーム５３は胴部材３に固定された複数の柱部材とエレク
タドラム５４とを含む。公知のアーム型エレクタ装置で
あるエレクタ装置１１は、エレクタドラム５４に回転可
能に装備されたエレクタ本体５５と、セグメント把持部
と、複数のアーム部材と、それらアーム部材を駆動する
複数の油圧シリンダと、エレクタ本体５５を回転駆動す
る油圧モータ５６等を有するものである。

【００２４】以上説明したシールド掘進機１の作用につ
いて説明する。偏平断面トンネルを、前進しながら掘削
する際には、多数のシールドジャッキ１０により覆工済
みのセグメントＳに反力をとりながら、回転駆動機構５
の複数の電動もしくは油圧式モータ２３によりピニオン
ギヤ２３ａとリングギヤ２４を介して主カッターディス
ク４を回転駆動する。主カッターディスク４の回転と並
行して、各揺動駆動機構７の油圧シリンダ３９により、
各揺動カッター６をその支軸４０の回りに所定角度往復
揺動させると共に、各駆動モータ９ａにより複数の小径
カッターディスク８を回転させる。

【００２５】図４に示すように、主カッターディスク４
により、偏平断面トンネルの略中央部分が円形に掘削さ
れ、１対の揺動カッター６により主カッターディスク４
の両側にはみ出すトンネル部分が掘削され、複数の小径
カッターディスク８により、主カッターディスク４と１
対の揺動カッター６で掘り残したトンネル部分が掘削さ
れる。ここで、１対の揺動カッター６が、主カッターデ
ィスク４の両側にはみ出すトンネル部分の形状とほぼ同
形状に形成されているので、主カッターディスク４と１
対の揺動カッター６で掘り残すトンネル部分は非常に狭
い領域となる。その非常に狭いトンネル部分を複数の小
型の小径カッターディスク８で確実に掘削することがで
きる。

【００２６】以上説明したシールド掘進機１によれば、
主カッターディスク４と１対の揺動カッター６とで掘り
残したトンネル部分の数と大きさと形状に応じて小型の
小径カッターディスク８とその駆動モータ９ａを必要数
適宜配置することができ、種々の形状の偏平断面トンネ
ルを能率的に一挙に掘削可能になる。１対の揺動カッタ
ー６は、主カッターディスク４よりも後方に配設されて
いるので、主カッターディスク４と１対の揺動カッター
６との干渉を防止できるうえ、主カッターディスク４の
掘削領域と１対の揺動カッター６の掘削領域とを部分的
にラップさせ、掘削性能を高めることができる。

【００２７】揺動駆動機構７は、揺動カッター６をその
支軸４０の回りに所定角度往復揺動させるように構成さ
れたことから、揺動駆動機構７の構造を簡単化できる。
小径カッター回転駆動機構９は、複数の小径カッターデ
ィスク８を夫々回転駆動する複数の駆動モータ９ａを有
するため、各小径カッターディスク８を独立に駆動でき
るから、複数の小径カッターディスク８を配置する上で
の自由度が大きくなり、汎用性に優れる。

【００２８】次に、本実施形態を部分的に変更した変更
形態について説明する。 １）小径カッター回転駆動機構９について、近接する小
径カッターディスク８の群毎に１個の駆動モータ９ａを
設け、この１個の駆動モータ９ａによりギヤ等を介して
複数の小径カッターディスク８を回転駆動させるように
してもよい。 ２）揺動駆動機構７について、支軸４０を中心とする往
復揺動以外に、クランク運転的に円運動するように揺動
カッター６を揺動駆動させてもよい。 ３）各揺動カッター６の形状は、前記の扇形に近い形状
に限定されず、種々の形状に設定可能である。その他、
本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態に種々
の変更を付加した形態で実施することも可能である。

【００２９】

【発明の効果】 請求項１の発明によれば、主カッター
ディスクで偏平断面トンネルの略中心を円形に掘削で
き、主カッターディスクの両側にはみ出すトンネル部分
を１対の揺動カッターで掘削でき、主カッターディスク
と１対の揺動カッターが掘り残したトンネル部分を、複
数の小径カッターディスクで掘削することができる。１
対の揺動カッターが、主カッターディスクの両側にはみ
出すトンネル部分の形状とほぼ同形状に形成されている
ので、主カッターディスクと１対の揺動カッターが掘り
残すトンネル部分は非常に狭い領域となり、この領域を
複数の小型の小径シールド掘進機で確実に掘削すること
ができる。こうして、補助設備等を投入することなく偏
平断面トンネルを能率よく一挙に掘削することができ、
工期を短縮でき工費を低減できる。しかも、１対の揺動
カッターの形状を適宜変更したり、小径シールド掘進機
の直径のサイズと設置する数とを適宜変更できるため、
所望の形状の偏平断面トンネルを掘削することができ
る。

【００３０】請求項２の発明によれば、小径カッター回
転駆動手段は、複数の小径カッターディスクを夫々回転
駆動する複数の駆動モータを有するため、各小径カッタ
ーディスクを独立に駆動できるから、複数の小径カッタ
ーディスクを配置する上での自由度が大きくなり、汎用
性に優れる。その他請求項１と同様の効果を奏する。

【００３１】請求項３の発明によれば、主カッターディ
スクと１対の揺動カッターとの干渉を防止できるうえ、
主カッターディスクの掘削領域と１対の揺動カッターの
掘削領域とを部分的にラップさせ、掘削性能を高めるこ
とができる。しかも、主カッターディスクが揺動カッタ
ーよりも前方にあるので、主カッターディスクによる掘
削を優先させて掘削速度を確保しつつ掘削することがで
きる。その他請求項１又は２と同様の効果を奏する。

【００３２】請求項４の発明によれば、揺動駆動手段が
揺動カッターをその支軸の回りに所定角度往復揺動させ
る構成であるので、油圧ジャッキを主体として揺動駆動
手段を構成することも可能となり、揺動駆動手段の構造
を簡単化でき、シールド掘進機の製作コストを低減する
ことができる。その他請求項１〜３の何れかと同様の効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係るシールド掘進機の横断
平面図である。

【図２】シールド掘進機の正面図である。

【図３】エレクタ装置とシールドジャッキの背面図であ
る。

【図４】主カッターディスクと揺動カッターと小径カッ
ターディスクの掘削領域及び揺動カッターの揺動範囲の
説明図である。

【符号の説明】

１ シールド掘進機 ４ 主カッターディスク ５ 回転駆動機構 ６ 揺動カッター ７ 揺動駆動機構 ８ 小径カッターディスク ９ 小径カッター回転駆動機構 ９ａ 駆動モータ ４０ 支軸

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 安美 神戸市中央区東川崎町１丁目１番３号 川 崎重工業株式会社神戸本社内 (72)発明者 磯部 直 神戸市中央区東川崎町１丁目１番３号 川 崎重工業株式会社神戸本社内 (72)発明者 平山 真治 神戸市中央区東川崎町１丁目１番３号 川 崎重工業株式会社神戸本社内 (72)発明者 栗原 和夫 東京都港区虎ノ門１丁目20番10号 西松建 設株式会社内 (72)発明者 桑原 資孝 東京都港区虎ノ門１丁目20番10号 西松建 設株式会社内 (72)発明者 渡邊 徹 東京都港区虎ノ門１丁目20番10号 西松建 設株式会社内 Ｆターム(参考） 2D054 AB07 BA10

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 偏平断面トンネルを掘削する為のシール
   ド掘進機において、 シールド掘進機の前端部に設けた円形の主カッターディ
   スクと、 前記主カッターディスクを回転駆動する回転駆動手段
   と、 前記主カッターディスクの両側に配置され且つ主カッタ
   ーディスクの両側にはみ出すトンネル部分の形状とほぼ
   同形状に形成された１対の揺動カッターと、 これら揺動カッターを夫々揺動駆動する１対の揺動駆動
   手段と、 主カッターディスクと１対の揺動カッターとで掘り残し
   たトンネル部分を掘削する複数の小径カッターディスク
   と、 これら小径カッターディスクを回転駆動する小径カッタ
   ー回転駆動手段と、を備えたことを特徴とする偏平断面
   トンネル用シールド掘進機。
2. 【請求項２】 前記小径カッター回転駆動手段は、複数
   の小径カッターディスクを夫々回転駆動する複数の駆動
   モータを有することを特徴とする請求項１に記載の偏平
   断面トンネル用シールド掘進機。
3. 【請求項３】 前記１対の揺動カッターは、主カッター
   ディスクよりも後方に配設されたことを特徴とする請求
   項１又は２に記載の偏平断面トンネル用シールド掘進
   機。
4. 【請求項４】 前記揺動駆動手段は、揺動カッターをそ
   の支軸の回りに所定角度往復揺動させるように構成され
   たことを特徴とする請求項１〜３の何れかに記載の偏平
   断面トンネル用シールド掘進機。