JP2000328319A - 人体保護服 - Google Patents

人体保護服

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JP2000328319A
JP2000328319A JP11133381A JP13338199A JP2000328319A JP 2000328319 A JP2000328319 A JP 2000328319A JP 11133381 A JP11133381 A JP 11133381A JP 13338199 A JP13338199 A JP 13338199A JP 2000328319 A JP2000328319 A JP 2000328319A
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reinforcing band
human body
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automobile
sewn
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Mitsunori Masuda
田 光 則 増
Shigekazu Takeso
曽 繁 和 武
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、身体にフィットした衝突事
故用の身体保護服を提供することであり、更には衝突事
故時に安定した着座姿勢を維持し人体を保護することが
できる人体保護服を提供することにある。 【解決手段】 補強帯体を設けた人体保護服であって、
補強帯体は、少なくとも上下方向の肩渡し補強帯体A
1、A2及び脚拘束部3の補強帯体Cを備える自動車用
人体保護服。 【効果】 本発明の人体保護服を着用することにより、
衝突事故時、前身頃で上半身を受けるため極端に一か所
に力が集中しなく、また安定した姿勢が保持され、身体
への負担が軽減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、人体保護被服に関
し、更に詳しくは、衝突事故時に人体の姿勢を正常に保
ち保護することができる人体保護被服に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車等においては、衝突事
故時の飛び出しを防止し身体を保護するためのシートベ
ルトが採用されている。しかし、通常、自動車用シート
にセットされているシートベルトは、座高が50cm以
上である大人用に作られているので、幼児の身体を危険
なく適切に拘束することはできない。すなわち、大人用
のシートベルトを使用した場合、衝突事故時に、幼児の
首部にシートベルトが食い込むように作用したり、或い
は、下腹部に食い込むように作用したりする(ジャック
ナイフ現象)危険がある。
【0003】このようなことから、自動車用シートにい
わゆるチャイルドシートを取り付け、該チャイルドシー
トに幼児を拘束する方法が採用されている。現在、この
チャイルドシートについては、拘束機能について多くの
開発改良がなされており、上記のような危険な現象を生
ずることなく比較的安定した着座姿勢(すなわち、事故
前の着座姿勢に極力近い姿勢)を保持できるものが販売
されている。
【0004】しかし、一般に、チャイルドシートは、背
もたれ部と座部とを備え、それに幼児が腰掛けた状態で
拘束される形式のものであり、チャイルドシートと幼児
の身体との間には、余分な空間が生ずることは避けられ
ない。また、チャイルドシートは、堅牢性があり丈夫に
できており、幼児の身体に対する柔軟なフイット性がな
く着用感が悪い。そして一度幼児がチャイルドシートに
着座した場合と、身体の周囲に確実にフイットした状態
で且つ一定の動きの自由度を保証し拘束することはまず
不可能である。
【0005】更に、チャイルドシートは、一定の厚みを
持つ材料でできており人体とは異なった形状で幼児を囲
むようになっているため、嵩張る上、当然、折り畳むこ
とも不可能であり、持ち運びの点でも極めて不便であ
る。また、衝突時に、人体とチャイルドシートとの間に
空間が生じると、その後に相互の反動作用が生じること
があり必ずしもチャイルドシートの利点が生かされると
はかぎらない。このようなことから、着座式のチャイル
ドシート以外に衝突事故時の安全性を保証する保護用具
が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点の解決を意図したものである。即ち、本発明の目的
は、身体にフィットした衝突事故用の身体保護服を提供
することであり、更には衝突事故時に安定した着座姿勢
を維持し人体を保護することができる人体保護服を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明者等
は、このような課題に対して、鋭意研究を重ねた結果、
従来の堅牢なチャイルドシートとは全く別の身体にフイ
ット可能な被服体を採用することにより、事故時に安定
した姿勢を保つことができることを見出し、この知見に
基づいて本発明を完成させたものである。
【0008】即ち、本発明は、(1)、衝突事故時の人
体保護服であって、補強帯体を設けて、衝撃時に頭部重
心位置の移動量L1≦600mm、且つ膝部関節支点の
移動量L2≦700mmを満足するようにした自動車用
人体保護服に存する。
【0009】そして、(2)、補強帯体を設けた人体保
護服であって、補強帯体は、少なくとも上下方向の肩渡
し補強帯体及び脚拘束部の補強帯体を備える自動車用人
体保護服に存する。
【0010】そしてまた、(3)、補強帯体を設けた人
体保護服であって、補強帯体は、少なくとも上下方向の
肩渡し補強帯体及び脚拘束部の補強帯体を備え、肩渡し
補強帯体は後身頃にてX字状又は逆ハ字状に縫着されて
いる自動車用人体保護服に存する。
【0011】そしてまた、(4)、補強帯体を設けた人
体保護服であって、補強帯体は、上下方向の両肩渡し補
強帯体及び脚拘束部の補強帯体を備え、両肩渡し補強帯
体は、前身頃及び後身頃にてX字状に縫着されている自
動車用人体保護服に存する。
【0012】そしてまた、(5)、補強帯体を設けた人
体保護服であって、補強帯体は、左右方向の胴周り補強
帯体と上下方向の両肩渡し補強帯体と脚拘束部の補強帯
体を備える自動車用人体保護服に存する。
【0013】そしてまた、(6)、両肩渡し補強帯体
は、前身頃が逆ハ字状に縫着され、後身頃がV字状に縫
着されている上記(5)の自動車用人体保護服に存す
る。
【0014】そしてまた、(7)、肩渡し補強帯体は、
前身頃が逆ハ字状に縫着され、後身頃がX字状に縫着さ
れている上記(5)の自動車用人体保護服に存する。
【0015】そしてまた、(8)、後身頃がシートベル
トを通すために二重になっている上記(1)〜(7)の
自動車用人体保護服に存する。
【0016】そしてまた、(9)、衝撃時に頭部重心位
置の移動量L1≦600mm、且つ膝部関節支点の移動
量L2≦700mmを満足するようにした上記(1)〜
(7)のいずれか1つの自動車用人体保護服に存する。
【0017】そしてまた、(10)、脚拘束部の補強帯
体と両肩渡し補強帯体とを連続一体化した上記(1)〜
(7)のいずれか1つの自動車用人体保護服に存する。
【0018】そしてまた、(11)、人体保護服の補強
帯体の適所に自動車シートの固着具に取り付け可能な固
着具を設けた上記(1)〜(10)のいずれか1つの自
動車用人体保護服に存する。
【0019】そしてまた、(12)、人体保護服が袖無
し状、半袖状、長袖状、又はつなぎ服状である上記
(1)〜(11)のいずれか1つの自動車用人体保護服
に存する。本発明は、その目的に沿ったものであれば、
上記1〜12の中から選ばれた2つ以上を組み合わせた
構成も採用可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、具体的な実施の形態を挙げ
図面に基づいて本発明を説明する。図1は、本発明の概
念を現した図である。本発明の人体保護被服は、自動車
の衝突時、人体を保護するためのものであり、衝突時に
も、後倒れ現象やジャックナイフ現象が避けられて、通
常時の着座姿勢が極力保たれるようになっている。
【0021】人体保護被服は、人、好ましくは年少者が
着用するものであり、以下、便宜的にベスト型の人体保
護被服で説明する。人体保護被服は、胴部をホールドす
る前身頃と後身頃と有し、両腕を挿通するアームーホー
ルHを備えたものとして形成されている。左右の前身頃
21、22は、例えばフアスナー等で開閉自在になって
おり、閉じた場合にも十分強度を備えたもである。
【0022】自動車内で人体保護服を着用した状態にお
いては、シートベルトを人体と人体保護服の後身頃1と
の間に介在させてセットする。このような状態では、衝
突時に、人体は人体保護服を介してシートベルトにより
前方への飛び出しを防止されることになり、しかも安定
した着座姿勢(すなわち事故前の着座姿勢)がほぼ維持
され身体への負担が少ない。
【0023】本発明の人体保護服は、補強帯体が縫い付
けられており、JISーD0401(年少者保護装置)
規格の安全性を表す指数である頭部重心位置の移動量L
1を600mm以内に、且つ膝部関節支点の移動量L2
を700mm以内とすることが安定した着座姿勢を保持
する上ではより好ましい。
【0024】〔第1の実施の形態〕図1は、人体保護服
を示し、ここでは、特にベスト状のもの(又は袖無し状
のもの)を示す。また、図2はその補強帯体と身体の関
係を示す。人体保護服は、大きく分けて、胴部を拘束す
る部分である前身頃2(21,22)及び後身頃1と、
脚部を拘束する部分である脚拘束部3よりなる。前身頃
2及び後身頃1との境界部には下方に大きく切り開かれ
たアームホールHが形成され、前身頃の中央部はフアス
ナー等を使って開閉可能となっている。もっとも、開閉
可能となっていなくてもよく、プルオーバタイプのもの
であってもよい。
【0025】人体保護服の材料、すなわち前身頃2及び
後身頃1を形成する材料は、身体に直接触れそれを包む
ようにしなければならないことから、蒸れの少ない布地
(布製)を採用することが効果的である。以下、他の実
施の形態においても同様である。また、これらの布地
は、火災の見地から難燃加工を施したものを採用するこ
とが望ましい(以下の実施の形態においても同様であ
る)。幼児がこの人体保護服を使用する場合、アームホ
ールHより腕を出し、前身頃2をフアスナー等で閉じる
ことにより主として上半身に着用する。なお、アームホ
ールHや開閉部を含む人体保護服の縁周囲には適宜パイ
ピングPを施し、布地のほつれを防止することが好まし
い。
【0026】この補強帯体の材料はやはり布地等が採用
され強度が510kgf以上のものが好ましい。この補
強帯体は、左右方向の胴周り補強帯体Bと上下方向の両
肩渡し補強帯体A(A1、A2)と後述する脚拘束部3
を構成する補強帯体Cを含む。上下方向の両肩渡し補強
帯体Aは、前身頃2に逆ハ字状に縫着され、後身頃1に
X字状に縫着されている。両肩渡し補強帯体Aは、補強
効果を上げるため前身頃2に長く取り付けられるように
逆ハ字状に形成されている。そして、逆ハ字状に形成さ
れているので、衝突事故時、首部の不用意な締まりを防
止できる特徴がある。
【0027】後身頃1のX字状の補強帯体は、一部をア
ームホールHに沿わせることで交差角度を大きくとるこ
とができる。一方、左右方向の胴周り補強帯体Bは、人
体保護服の下端に沿って縫い付けられており、上下方向
の両肩渡し補強帯体Aと接合する部分では両者が重ね合
わされ縫合されている。すなわち、前身頃2では、右前
身頃と左前身頃の部分P1、部分P2にて重ねて縫着さ
れ、後身頃1では、部分P3、部分P4にて重ねて縫着
されている。なお、これらの重ねて縫着する場合は、強
度を十分に担保するため千鳥囲み縫いを採用することが
好ましい。
【0028】ここで、脚拘束部3は、補強帯体Cを使っ
て形成され、右の脚部を通す右脚拘束部31と左の脚部
を通す左脚拘束部32とよりなる。この右脚拘束部31
は、上下方向の両肩渡し補強帯体A1が延長され、後身
頃1の胴周り補強帯体Bから右前身頃21の胴周り補強
帯体Bに渡されて縫合される。他方の左脚拘束部32
は、上下方向の両肩渡し補強帯体A2が延長され後身頃
1の胴周り補強帯体Bから左前身頃22の胴周り補強帯
体Bに渡されて縫合されている。
【0029】各脚拘束部は、腿部周囲を的確に拘束する
ように、図示の如く、例えば、バックルを通してゴム体
で留めることでその大きさを調整し締めつけ度合いを変
えることが可能である。これらの左又は右拘束部は両肩
渡し補強帯体Aの延長としたが、それとは独立した別の
補強帯体を使って構成してもよい。
【0030】ところで、シートベルト4は、原則的に人
体保護服の後身頃1と身体との間に通してセットするも
のである。通常使用されている3点支持用のシートベル
トは、例えば、右肩から左腰しにかけて、且つ右腰から
左腰にかけて人体保護服に通されるため、人体の背部と
人体保護服の後身頃1との間に略三角形状に挿通された
状態となる。
【0031】この例では、シートベルト4は後身頃1と
身体との間に通されているが、図3に示すように、下側
の第1後身頃1Aの上に補強帯体A1,A2が直接縫着
されている第2後身頃1を備え、且つこの第2後身頃1
を第1後身頃1Aに縫い付けず間に空間を作っておく方
法もある。このようにすると第1後身頃1Aと第2後身
頃1との間にシートベルトが挿通されて、直接、人体に
シートベルト4が接触しないため着用性がよい。また、
この場合、必ずしもアームホールHを大きくとる必要が
ない。
【0032】さて、幼児の場合、本発明とは異なった補
強帯体を備えていない人体保護服を着用した場合、衝突
時、シートベルトが幼児の身体の首部裏に移動し急激に
引っ張るように作用する後倒れ状態(後倒れ現象)か、
又は、シートベルトが下腰部裏に移動し急激に引っ張る
ように作用して身体がくの字に折れ曲がる状態(俗に、
ジャックナイフ現象という)になり易いことが、発明者
等の実験で分かっている。
【0033】また、上記のような各現象を避けることに
より身体が事故前の正常な着座姿勢をほぼ維持でき、身
体に加わる衝撃力を極力回避できることが同様に実験で
分かっている。本発明の上述のような補強帯体を備えた
人体保護服においては、このような現象が極力排除され
る利点がある。
【0034】すなわち、本発明の人体保護服を着用した
場合は、衝突事故時にも、後身頃に縫合された上下方向
の両肩渡し補強帯体A(A1,A2)がシートベルト4
をその交差点Xに集束するように作用するので、上記の
ような後倒れ現象やジャックナイフ現象が生じることが
なく安定した着座姿勢を維持できる。更に3点支持用の
シートベルトにおいて、本発明の人体保護服は、JIS
D0401規格の衝突事故時の安全性を保証する指数で
ある、頭部重心位置の移動量L1及び膝部関節支点の移
動量L2の両方を下記の範囲とすることが好ましい。 1) 頭部重心位置の移動量L1≦600mm 2) 膝部関節支点の移動量L2≦700mm
【0035】図11は、上記指数L1、L2を計測する
ための実験例を簡単に示す。まず本発明の人体保護服を
着用したダミー人形をシートベルトにより試験用シート
に着座固定させ、静止状態にある時から、座席を時速5
0kmの速さで後方へ引き(すなわち、時速50kmで
衝突した状態を再現する)、その時の、上記L1、L2
を計測するのである〔(A)→(B)〕(詳しくはJI
S参照のこと)。頭部重心位置の移動量L1及び膝部関
節支点の移動量L2を上記のような範囲に抑えるように
補強することにより、更により安定した着座姿勢が保証
される。従って、この実施の形態の人体保護服を使用し
た場合、衝突時の身体への負担が大きく軽減するのであ
る。
【0036】〔第2の実施の形態〕図4は、別の人体保
護服を示し、特にベスト状のものを示す。また、図5は
その補強帯体と身体の関係を示す。この人体保護服は、
腕部を通すアームホールHは、背中側が大きく腰方向に
向かって切り込むように形成されている。この人体保護
服も、強度を保つべく補強帯体が備わっており、該補強
帯体は、左右方向の胴周り補強帯体Bと上下方向の両肩
渡し補強帯体A(A1,A2)とを備える。
【0037】上下方向の両肩渡し補強帯体Aは、前身頃
2が逆ハ字状に縫着され、後身頃1がV字状に縫着され
ている。両肩渡し補強帯体Aは、補強効果を上げるため
前身頃2に長く取り付けられるように逆ハ字状に形成さ
れている。また、逆ハ字状に形成されているので、事故
時、首部の不用意な締まりを防止できることは、前述の
第1の実施の形態と同じである。
【0038】後身頃1がV字状の補強帯体は、一部がア
ームホールHに沿い全体としてV字に形成されている。
一方、左右方向の胴周り補強帯体Bは、下端に沿って縫
い付けられており、上下方向の両肩渡し補強帯体Aと接
合する部分では重ね合わされ縫合されている。すなわ
ち、前身頃2では、右前身頃21と左前身頃22の部分
P1、部分P2にて重ね縫いされ、また、後身頃1で
は、部分P3、部分P4にて重ね縫いされる。
【0039】ところで、脚部拘束部3は、補強帯体Cを
使って形成され、右の脚部を通す右脚拘束帯体31と左
の脚部を通す左脚拘束部32とよりなる。この右脚拘束
部31は、右前身頃21の胴周り補強帯体Bに、また他
方の左脚拘束部32は、左前身頃22の胴周り補強帯体
Bに重ねて縫合され取り付けられている。
【0040】各脚拘束部は、腿部周囲を的確に拘束する
ように、例えば、バックルを通してゴム体で留めること
でその大きさを調整し締めつけ度合いを変えることが可
能である。また各脚拘束部3は、上下方向の両肩渡し補
強帯体A(A1、A2)が背中で胴周り補強帯体Bに縫
合されている部分から延設された補強用の尻当て補強帯
体を備えている。この補強帯体は、事故時に脚部を含む
腰部が前方に飛び出すのを防止するものである。
【0041】本発明の人体保護服を採用した場合は、衝
突事故時においても、後身頃1に縫合された上下方向の
両肩渡し補強帯体Aがシートベルト4を下方に移動させ
るように作用するので、上記のような後倒れ現象が防止
される。また、ハの字の両肩渡し補強帯体Aの角度を異
なるものに設定することにより、事故時にシートベルト
4が下方に移動する度合いを変えることができ、上記の
ようなジャックナイフ現象も防止される。
【0042】更に頭部重心位置の移動量L1及び膝部関
節支点の移動量L2を前述したような600mm以内及
び700mm以内の範囲に抑えるように補強することに
より、更により安定した着座姿勢が保証される。従っ
て、この実施の形態の人体保護服を使用した場合、衝突
時の身体への負担が大きく軽減されるのである。
【0043】〔第3の実施の形態〕図6は、更に別の人
体保護服を示し、特にベスト状のものを示す。また、図
7はその補強帯体と身体の関係を示す。この人体保護服
において、腕部を通すアームホールHは、背中側が大き
く腰方向に向かって切り込むように形成されている。こ
の人体保護服も補強帯体が備わっており、該補強帯体
は、上下方向の両肩渡し補強帯体A(A1,A2)及び
脚拘束部3の補強帯Cを備える。
【0044】上下方向の両肩渡し補強帯体Aは、前身頃
2がX字状に縫着され、且つ後身頃1もX字状に縫着さ
れている。両肩渡し補強帯体Aは、補強効果を上げるた
め前身頃2に長く取り付けられるようにX字状に形成さ
れている。また、X字状に形成されているので、事故
時、首部の不用意な締まりを防止できる。
【0045】後身頃1のX字状の補強帯体は、その一部
をアームホールHに沿わせることで交差角度を大きくと
ることができる。前身頃2のX字状の補強帯体A1,A
2は、右前身頃21において、中位置で折り返されてく
の字に形成されており、左前身頃22においても同様で
ある。そのため、開閉部をフアスナーで閉じた状態で
は、前身頃全体としては補強帯体がX字状に縫着された
ことになる。
【0046】ところで、脚拘束部3は、補強帯体Cによ
って形成され、右の脚部を通す右脚拘束帯体31と左の
脚部を通す左脚拘束部32とよりなる。この例における
脚拘束部3は、上下方向の両肩渡し補強帯体A1,A2
が延長して形成されている。すなわち、右前身頃21の
上下方向の両肩渡し補強帯体A1が延長して、右脚拘束
部31を形成し、左前身頃22の上下方向の両肩渡し補
強帯体A2が延長して、左脚拘束部32を形成する。
【0047】各脚拘束部は、大腿部周囲を的確に拘束す
るように、例えば、バックルを通してゴム体で留めるこ
とでその大きさを調整し締めつけ度合いを変えることが
可能である。本発明の人体保護服を着用した場合は、衝
突事故時にも、後身頃に縫合された上下方向の両肩渡し
補強帯体A(A1、A2)がシートベルトを交差点Xに
集束するように作用するので、上記のような後倒れ現象
やジャックナイフ現象が排除される。
【0048】更に頭部重心位置の移動量L1及び膝部関
節支点の移動量L2を前述したような600mm以内及
び700mm以内の範囲に抑えるように補強することに
より、更により安定した着座姿勢が保証される。従っ
て、この実施の形態の人体保護服を使用した場合、衝突
時の身体への負担が大きく軽減される。
【0049】〔他の実施の形態〕以上は、ベスト状(又
は袖無し状)の人体保護服について説明したきたが、本
発明の人体保護服としては、ベスト状以外の、半袖状の
もの、長袖状のもの、或いはつなぎ服状のものも当然採
用可能である。特に、半袖状のもの、長袖状のもの、或
いはつなぎ服状のものにおいては、後身頃に裏地を設け
た二重としその間にシートベルトを挿通させることが好
ましい。図8は、半袖状の人体保護服を、また図9は長
袖状の人体保護服を示すものであるが、両方とも第1後
身頃1Aの上に第2後身頃1を設けて後身頃を二重とし
て形成している。もっとも、後身頃を一重として形成し
てもよい。以上述べてきた人体保護服は、現在使用して
いる自動車用シートのシートベルトに使用する以外に、
チャイルドシートの取付け用に使用されている金具(固
着具)に直接取り付けられるようにすることも可能であ
る。なお、この金具は、ISO(国際標準化機構)規格
のチャイルドシート固定方式であるISOFIX対応の
ものが好ましい。図10は、人体保護服を自動車用シー
トに取り付けたケースを前述の第1の実施の形態の人体
保護服の例で示したものである。
【0050】チャイルドシートを取り付けるための固着
具51が自動車用シート5に配設されているため、その
固着具51に取り付け可能な別の固着具52を人体保護
服の適所に設けたものである。なお、この図の例では、
X字状の両肩渡し補強帯体の交差点Xから別の補強帯体
を延長して固着具を取り付けているが、取り付け場所
は、事故時にも安定した着座状態を維持できるような適
宜位置に取り付けられることが望ましい。
【0051】以上、本発明を説明してきたが、本発明
は、実施の形態に限定されるものではなく、その本質か
ら逸脱しない範囲で、他の種々な変形例が可能であるこ
とは言うまでもない。例えば、補強帯体の配設位置は、
事故前の安定した姿勢を極力担保できるものであればよ
い。
【0052】またシートベルトの装着についていうと、
第2及び第3の実施の形態においても、後身頃を2重に
することにより背側を二重にして、その間にシートベル
トを装着することが可能である。一方、後身頃や前身頃
の布地は、編地、織地、編織地、網地等のいわゆる被服
を形成でき得るものであればよい。
【0053】また、その材質も、ポリアミド,ポリエス
テル等の合成繊維、レーヨン等の人造繊維、綿、毛等の
天然繊維等が採用される。また補強帯体については、布
地の他、合成樹脂材のテープ等も所望の強度が保証でき
るかぎり採用可能である。また、自動車用というのは衝
突事故を経験する乗物の全部を含む概念である。なお、
本発明の人体保護服は3点支持用のシートベルトにおい
て説明してきたが、3点支持用のシートベルトにおいて
も十分効果あるものである。
【0054】
【発明の効果】本発明の人体保護服を着用することによ
り、衝突事故時、前身頃で上半身を受けるため極端に一
か所に力が集中しない。また安定した姿勢が保持され、
身体への負担が軽減される。補強帯体を配設することよ
り衝撃時にJISーD0401で規格された頭部重心位
置の移動量L1≦600mm、且つ膝部関節支点の移動
量L2≦700mmを満足することができる。布製とす
るとより嵩張らず且つ折り畳みが可能で持ち運びに便利
である。自動車用シートにおいて人体保護服を着用した
場合、適度な身体の動きの自由度が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第1の実施の形態における人体保護服
を示し、(A)は、正面図、(B)は背面図である。
【図2】図2は、第1の実施の形態における人体保護服
の補強帯体を示し、(A)正面図、(B)は背面図であ
る。
【図3】図3は、第1の実施の形態における人体保護服
の変形例(背面図)を示す。
【図4】図4は、第2の実施の形態における人体保護服
を示し、(A)は、正面図、(B)は背面図である。
【図5】図5は、第2の実施の形態における人体保護服
の補強帯体を示し、(A)正面図、(B)は背面図であ
る。
【図6】図6は、第3の実施の形態における人体保護服
を示し、(A)は、正面図、(B)は背面図である。
【図7】図7は、第3の実施の形態における人体保護服
の補強帯体を示し、(A)正面図、(B)は背面図であ
る。
【図8】図8は、半袖の人体保護服を示す。
【図9】図9は、長袖の人体保護服を示す。
【図10】図10は、人体保護服を自動車用シートに取
り付ける状態を示す図である。
【図11】図11は、衝突実験例を示す。
【符号の説明】
1…後身頃 1A…第1後身頃 2…前身頃 21…右前身頃 22…左前身頃 3…脚拘束部 31…右脚拘束部 32…右脚拘束部 4…シートベルト 5…自動車用シート 51…固着具 A,A1,A2…両肩渡し補強帯体 B…胴周り補強帯体 C…脚拘束部の補強体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A47D 15/00 A47D 15/00 Fターム(参考) 3B011 AA01 AB16 AC04 3B031 AA01 AB09 AC01 3B087 CE06 DE10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 衝突事故時の人体保護服であって、補強
    帯体を設けて、衝撃時に頭部重心位置の移動量L1≦6
    00mm、且つ膝部関節支点の移動量L2≦700mm
    を満足するようにしたことを特徴とする自動車用人体保
    護服。
  2. 【請求項2】 補強帯体を設けた人体保護服であって、
    補強帯体は、少なくとも上下方向の肩渡し補強帯体及び
    脚拘束部の補強帯体を備えることを特徴とする自動車用
    人体保護服。
  3. 【請求項3】 補強帯体を設けた人体保護服であって、
    補強帯体は、少なくとも上下方向の肩渡し補強帯体及び
    脚拘束部の補強帯体を備え、肩渡し補強帯体は後身頃に
    てX字状又は逆ハ字状に縫着されていることを特徴とす
    る自動車用人体保護服。
  4. 【請求項4】 補強帯体を設けた人体保護服であって、
    補強帯体は、上下方向の両肩渡し補強帯体及び脚拘束部
    の補強帯体を備え、両肩渡し補強帯体は、前身頃及び後
    身頃にてX字状に縫着されていることを特徴とする自動
    車用人体保護服。
  5. 【請求項5】 補強帯体を設けた人体保護服であって、
    補強帯体は、左右方向の胴周り補強帯体と上下方向の両
    肩渡し補強帯体と脚拘束部の補強帯体を備えることを特
    徴とする自動車用人体保護服。
  6. 【請求項6】 両肩渡し補強帯体は、前身頃が逆ハ字状
    に縫着され、後身頃がV字状に縫着されていることを特
    徴とする請求項5記載の自動車用人体保護服。
  7. 【請求項7】 肩渡し補強帯体は、前身頃が逆ハ字状に
    縫着され、後身頃がX字状に縫着されていることを特徴
    とする請求項5記載の自動車用人体保護服。
  8. 【請求項8】 後身頃がシートベルトを通すために二重
    になっていることを特徴とする1〜7のいずれか1項記
    載の自動車用人体保護服。
  9. 【請求項9】 衝撃時に頭部重心位置の移動量L1≦6
    00mm、且つ膝部関節支点の移動量L2≦700mm
    を満足するようにしたことを特徴とする請求項1〜7の
    いずれか1項記載の自動車用人体保護服。
  10. 【請求項10】 脚拘束部の補強帯体と両肩渡し補強帯
    体とを連続一体化したことを特徴とする請求項1〜7の
    いずれか1項記載の自動車用人体保護服。
  11. 【請求項11】 人体保護服の補強帯体の適所に自動車
    シートの固着具に取り付け可能な固着具を設けたことを
    特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の自動車
    用人体保護服。
  12. 【請求項12】 人体保護服が袖無し状、半袖状、長袖
    状、又はつなぎ服状であることを特徴とする請求項1〜
    11のいずれか1項記載の自動車用人体保護服。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013509331A (ja) * 2009-11-06 2013-03-14 キム,デ−ギル 乳児用の車両安全ベルト補助具
CN105077743A (zh) * 2014-05-04 2015-11-25 西华大学 儿童专用乘车安全背心
US11077822B2 (en) * 2016-12-06 2021-08-03 Smartridr Ag Supplemental restraint harness

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