JP2002125718A - バックルの装置及びそれを備えた人体保護服 - Google Patents

バックルの装置及びそれを備えた人体保護服

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JP2002125718A
JP2002125718A JP2000326925A JP2000326925A JP2002125718A JP 2002125718 A JP2002125718 A JP 2002125718A JP 2000326925 A JP2000326925 A JP 2000326925A JP 2000326925 A JP2000326925 A JP 2000326925A JP 2002125718 A JP2002125718 A JP 2002125718A
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latch
band
waist
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Yuji Hori
祐二 堀
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Brains Kk K
K BRAINS KK
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Brains Kk K
K BRAINS KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安全性に優れた人体保護服のバックル装置を提
供することにある。 【解決手段】乗り物用の人体保護服の胴部を胴周り補強
帯体Bで締めつけるため該補強帯体に取り付けたバック
ル装置であって、一つの連結金具6とそれぞれに胴周り
補強帯体が取り付けられた一対の掛止金具5とよりな
り、各掛止金具5を連結金具6に掛止させたバックル装
置である。連結金具には中央支持部65により区画され
た一対の切り欠き穴66,67が形成され、また同様に
掛止金具5には中央支持部55により区画された一対の
切り欠き穴56,57が形成され、掛止金具の横幅が連
結金具の切り欠き穴の対角線長より大きくて切り欠き穴
の対角線に合わせても掛止金具が外れなく、掛止金具を
横にして起こした状態で切り欠き穴を挿通することがで
きる大きさである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、バックル装置に関
し、更に詳しくは、人体保護服に備わったバックル装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、幼児等を自動車に乗せる際、チャ
イルドシートを着用することが法制化により義務付けら
れるようになった。このチャイルドシートは、幼児等の
衝突事故時の衝撃を緩和することで車内での二次衝突を
防止し、安全性を図ることができる。一般に、チャイル
ドシートの構造としては、背もたれ部と座部とを備え、
それに幼児を腰掛けた状態で拘束することで、比較的安
定した着座姿勢(すなわち、事故前の着座姿勢に極力近
い姿勢)を保持することができる。
【0003】しかしながら、現状では、次のような問題
点が生じている。 1)チャイルドシートと幼児の身体との間に、余分な空
間が生ずることは避けられない。このように人体とチャ
イルドシートとの間に空間が生じると、衝突時、その後
に相互の反動作用が生じることがあり、必ずしもチャイ
ルドシートの利点が生かされるとは限らない。 2)チャイルドシートは堅牢性があり丈夫にできている
ため、幼児の身体に対する柔軟なフイット性がなく着用
感が悪い。 3)一度幼児がチャイルドシートに着座した場合、身体
の周囲に確実にフイットした状態で、しかも一定の動き
の自由度を保証し拘束することはまず不可能である。 4)チャイルドシートは、一定の厚みを持つ材料ででき
ており、人体とは異なった形状で幼児を囲むようになっ
ているため、嵩張る上、当然、折り畳むことも不可能で
あり、持ち運びの点でも極めて不便である。
【0004】このようなことから、着座式のチャイルド
シート以外に衝突事故時の安全性を保証する保護用具が
望まれた。そして、本発明者等は、この要望に基づい
て、従来とは全く異なる斬新なタイプの衝突時の保護用
具、すなわち人体保護服を開発し、特願平11−133
381号として出願している。そして、最近ではこの種
の人体保護服が種々上市されているが、この人体保護服
に対してはより高い安全性を要求されている。
【0005】従来の人体保護服の構造によれば、バック
ル装置を有する胴周りの補強帯体が備わっており、前身
頃の中央部分において、この開閉用のバックル装置によ
りその締めつけ度合いを調整するようになっている。図
7は、このような従来のバックル装置を示すものであ
る。
【0006】バックル装置は、胴周り補強帯体Bの一方
の端部に取り付けられる連結金具9と、胴周り補強帯体
Bの他方の端部近傍に取り付けられる掛止金具8よりな
り、両者が互いに掛止できるように構成されている。掛
止金具8は、台形状の枠体81と、その枠体内に渡設さ
れた支持部82とよりなり、また支持部82によって区
画された2つの開口部、すなわち、前方の台形状の開口
部(台形開口部8A)と後方の矩形状の開口部(矩形開
口部8B)とが形成されている。
【0007】一方、連結金具9は、矩形の枠体91とそ
の枠体91に渡設された支持部92とよりなり、支持部
92によって区画された2つの開口部、すなわち矩形状
の大小異なる大きさの開口部(大開口部9A及び小開口
部9B)が設けられている。掛止金具8を連結金具9に
取り付けたり取り外したりする際は、掛止金具8が台形
状であるためにその先細の部分を連結金具の大開口部9
Aに簡単に挿入することができ、その着脱作業を円滑に
行える。
【0008】図8はこの従来の掛止金具において、掛止
状態の掛止金具を連結金具から取り外す操作手順を示し
ている。 手順1)、取り外しに際しては、先ず最初に、掛止金具
8を矢印a方向に外方(なお、人体側を内方とする)に
引き出す〔図8(A)参照〕。次に、掛止金具8の台形
状の先細部を連結金具の大開口部9Aに対して内方(紙
面下方向)に通す。この場合、掛止金具8の一部、すな
わち掛止金具8を大開口部9Aに引っ掛かることなく通
すためには、手順2)、掛止金具を捻って大開口部9A
の対角線に合わせ、そのまま掛止金具を挿入する〔図8
(B)参照〕。ここで、掛止金具8を連結金具9から外
せるように、掛止金具8の横幅M1が大開口部9Aの対
角線長M2より小さく設定されている。 手順3)、そしてそのまま掛止金具8を内方(紙面下方
向)に引き抜く。 以上のような単に3段階の操作手順を経て、掛止金具8
を連結金具9から比較的簡単に取り外すことができる。
【0009】しかしながら、掛止金具の取り外し操作を
このように容易に行えてしまうことは必ずしも好ましい
ことではない。なぜなら、幼児がその操作を容易に行
え、遊戯感覚で連結金具と掛止金具との掛止状態を簡単
に外してしまうからである。また、幼児がバックル装置
を持て遊んでいる場合等、連結金具の大開口部9Aが大
きいため、不用意にも掛止金具の前方の先細部分が簡単
に入り込み、外れてしまうこともある。このように、掛
止金具が外れた状態は、事故時に極めて危険である。
【0010】一方、人体保護服は、非常時に、大人が素
早く外せることも必要であることから、いったん、掛止
した後は、幼児にとって外れにくく、しかも大人にとっ
ては外れ易いような相反する2つの条件を満たすことが
肝要となる。ところで、胴周りの締め付け状態を変える
ために、胴周り補強帯体の長さ調節を行う場合、掛止金
具8に挿通された一方の胴周り補強帯体の自由端を引っ
張ることでその長さを調節する。
【0011】しかしながら、胴周り補強帯体は、前身頃
に縫合されており、その他方の補強帯体は連結金具9に
通されて縫い付け固定されているため、補強帯体に対す
る取り付け位置が固定したものとなっている。そのた
め、掛止金具8を連結金具9に通して掛止させた場合、
幼児の体格により(胴周りの太さにより)連結金具の位
置が右に寄ったり左によったりして安定しない。バック
ル装置が正面から見て常に真ん中に位置しないために、
左腰部を拘束する胴周り補強帯体と右腰部を拘束する胴
周り補強帯体との締め付け度合いが異なるものとなり、
何方か一方の腰部に締め付け力が偏り、的確な調整がで
きなく、着用感(フィット感)が悪くなる。また、胴周
り補強帯体は前身頃及び後身頃に縫合されているため、
胴周り補強帯体の締め付けにより両身頃が移動して、人
体とこすれを生ずる弊害もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの技
術的背景を基になされたものであり、従来の問題点の解
決を意図したものである。即ち、本発明の目的は、安全
性に優れた人体保護服のバックル装置を提供することに
ある。また、幼児の体格が異なる場合でも、安定した締
めつけ力を有し着用性のよい人体保護服を提供すること
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明者等
は、このような課題に対して、鋭意研究を重ねた結果、
バックル装置において、連結金具の開口部(切り欠き
穴)に掛止可能な一対の掛止金具の大きさをある条件と
することにより、上述の相反する条件を満たすことがで
きることを見出し、この知見により本発明を完成させた
ものである。
【0014】即ち、本発明は、(1)、乗り物用の人体
保護服の胴部を胴周り補強帯体で締めつけるため該補強
帯体に取り付けたバックル装置であって、一つの連結金
具とそれぞれに胴周り補強帯体が取り付けられた一対の
掛止金具とよりなり、各掛止金具を連結金具に掛止させ
バックル装置に存する。
【0015】そして、(2)、乗り物用の人体保護服の
胴部を胴周り補強帯体で締めつけるため該補強帯体に取
り付けたバックル装置であって、一つの連結金具と胴周
り補強帯体が取り付けられた一つの掛止金具とよりな
り、該掛止金具の横幅は連結金具の切り欠き穴の対角線
長より大きくて掛止金具を横にして起こした状態で切り
欠き穴を挿通する大きさであり、掛止金具を連結金具に
掛止させたバックル装置に存する。
【0016】そしてまた、(3)、連結金具には中央支
持部により区画された一対の切り欠き穴が形成され、ま
た同様に掛止金具には中央支持部により区画された一対
の切り欠き穴が形成され、掛止金具の横幅が連結金具の
切り欠き穴の対角線長より大きくて切り欠き穴の対角線
に合わせても掛止金具が外れなく、掛止金具を横にして
起こした状態で切り欠き穴を挿通することができる大き
さであるバックル装置に存する。
【0017】そしてまた、(4)、連結金具に一方の掛
止金具が輪帯体により結合されているバックル装置に存
する。
【0018】そしてまた、(5)、胴周り補強帯体の端
部には折り曲げ部が形成されているバックル装置に存す
る。
【0019】そしてまた、(6)、人体保護服は、前身
頃と後身頃とを備え、前身頃と後身頃には両肩渡し補強
帯体が縫合固定されているバックル装置に存する。
【0020】そしてまた、(7)、人体保護服は、前身
頃と後身頃とを備え、前身頃と後身頃には両肩渡し補強
帯体が縫合固定されており、前身頃側の両肩渡し補強帯
体の下端部に胴周り補強帯体が遊挿されており、後身頃
側の両肩渡し補強帯体の下端部に胴周り補強帯体が縫合
固定されているバックル装置に存する。
【0021】そしてまた、(8)、乗り物用の人体保護
服の胴部を胴周り補強帯体で締めつけるため該補強帯体
に取り付けたバックル装置であって、一つの連結金具と
それぞれに胴周り補強帯体が取り付けられた一対の掛止
金具とよりなり、連結金具には中央支持部により区画さ
れた一対の切り欠き穴が形成され、また同様に掛止金具
には中央支持部により区画された一対の切り欠き穴が形
成され、掛止金具の横幅が連結金具の切り欠き穴の対角
線長より大きくて切り欠き穴の対角線に合わせても掛止
金具が外れなく、掛止金具を横にして起こした状態で挿
通することができる大きさであり、連結金具に一方の掛
止金具が輪帯体により結合されており、各掛止金具を連
結金具に掛止させたバックル装置に存する。
【0022】そしてまた、(9)、上記いずれか1のバ
ックル装置を備えた乗り物用の人体保護服に存する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、具体的な実施の形態を挙げ
図面に基づいて本発明を説明する。図1は、本発明の人
体保護服の1例を示した図である。乗り物用の人体保護
服は、人、好ましくは年少者(幼児等)が着用するもの
であり、以下、便宜的にベスト型の人体保護被服で説明
する。先ず、本発明のバックル装置を備えた人体保護被
服の概要について簡単に説明する。人体保護服は、自動
車の衝突時、人体を保護するためのものであり、特に人
体保護服に補強帯体を備えることで、衝突時にも、シー
トベルトが幼児の身体の首部裏に移動し急激に引っ張る
ように作用する後倒れ状態(後倒れ現象)、又は、シー
トベルトが下腰部裏に移動し急激に引っ張るように作用
して身体がくの字に折れ曲がる状態(俗に、ジャックナ
イフ現象という)が避けられて、通常時の着座姿勢が極
力保たれるようになっている。
【0024】この人体保護服の構造としては、少なくと
も身体の胴部をホールドする前身頃と後身頃とを有し、
両腕を挿通するアームーホールHを備えたものとして形
成されている。左右の前身頃22,21は、例えば、フ
アスナー等で開閉自在となっており、閉じた場合にも十
分強度を備えたものとなっている。自動車内で人体保護
服を着用した状態においては、シートベルトSを、後述
するように、人体保護服の第1後身頃11と第2後身頃
12との間(空間)に介在させて、又は後身頃が一枚の
場合は、身体と後身頃の間(空間)に介在させてセット
する。このような状態では、衝突時に、人体は人体保護
服を介してシートベルトSにより前方への飛び出しを防
止されることになり、しかも、後述の補強帯体を備える
ことにより、安定した着座姿勢(すなわち事故前の着座
姿勢)がほぼ維持され身体への負担が少ない。
【0025】人体保護服には補強帯体が縫い付けられて
おり、その補強帯体により、運輸省基準である年少者補
助装置規格(装置型式指定実施要領の規格)の安全性を
表す指数である頭部重心位置の移動量を600mm以内
の範囲に抑えるように補強することができ、より安定し
た着座姿勢が保証される。なお、本発明においては、2
003年に運輸省の基準がより厳しく変更されることも
考慮し、補強帯体により、安全性を表す指数である頭部
重心位置の移動量を550mm以内に抑えるように補強
する。
【0026】補強帯体のうち、後身頃1に縫い付けられ
ている両肩渡し補強帯体A(A1,A2)は、その上下
方向の角度を有するもの(例えば、逆ハの字状)に設定
されている。そうすることで、衝突事故時、後身頃1に
縫合された上下方向の両肩渡し補強帯体A(A1,A
2)がシートベルトSを下方に移動させるように作用す
る。そのため、シートベルトSが首部裏に移動すること
はなく、上記のような後倒れ現象も防止されるのであ
る。更に、両肩渡し補強帯体Aの上下方向の傾斜度を変
更することによって、シートベルトSが下方に移動する
度合いを変えることができ、極端に下腰部裏に移動する
ような偏りは生じなく、その結果、上記のようなジャッ
クナイフ現象が起きない。こうしたことから、衝突時の
身体への負担が大きく軽減されるのである。
【0027】〔人体保護服の構造について〕人体保護服
を例示すると、人体保護服は、大きく分けて、胴部を拘
束する部分である左右の前身頃2(左前身頃22,右前
身頃21)及び後身頃1と、脚部を拘束する部分である
左右の脚拘束部3(左脚拘束部32,右脚拘束部31)
よりなる(図1参照)。ここでの後見頃は、裏地を設け
た二重とし、その間の空間にシートベルトSを挿通させ
る構造である。構造的に言えば、下側の第1後身頃11
の上に第2後身頃12を備え、第1後身頃11と第2後
身頃12との襟元部分のみを縫い付けること(又はファ
スナーで強く固定することにより)で、その間に空間を
形成する。この空間にシートベルトSをセットすると、
第1の後身頃11があるため、直接、人体にシートベル
トSが接触することはなく、着用性が非常に良いものと
なる。
【0028】シートベルトSは、人体の背部において第
1後身頃11と第2後身頃12との間で傾斜状に挿通さ
れてセットされる。この正確な挿通状態を極力維持する
ために、即ち、シートベルトSの位置ズレを無くするた
めに、ここでの第2後身頃12にはポジションベルトP
が設けられている(図1参照)。このポジションベルト
PによりシートベルトSを仮固定(例えば、面ファスナ
ーやボタン等による)を備えることで、例え幼児が動い
た場合でもシートベルトSがスライドしてズレることは
なく、正確な挿通状態を維持することができる。このポ
ジションベルトPは自動車用シートの左座席或いは右座
席どちらでも対応できるように、第2後身頃12に最低
でも2箇所設けられることが好ましい。
【0029】前身頃2及び後身頃1との境界部には下方
に大きく切り開かれたアームホールHが形成されてい
る。なお、アームホールHや開閉部を含む人体保護服の
縁周辺には適宜パイピングを施し、布地のほつれを防止
することが好ましい。前身頃2の中央部は開閉可能に、
例えばファスナー等を使って開閉可能となっており、着
脱が容易に行える。ファスナーを閉じた(閉口状態)位
置には、例えば面ファスナー等によって開閉自在の構造
となった安全カバーK1が備わっており、幼児がファス
ナーを不用意に触れることを防止する。
【0030】ここで人体保護服の材料、すなわち前身頃
2及び後身頃1を形成する材料は、身体に直接触れそれ
を包むようにしなければならないことから、蒸れの少な
い通気性に優れた布地等を採用することが効果的であ
る。また、火災の見地から難燃加工を施したものを採用
するとよい。
【0031】〔補強帯体について〕人体保護服の強度を
保つべく補強帯体は、上下方向の両肩渡し補強帯体A
(A1,A2)、左右方向の胴周り補強帯体B、及び脚
拘束部3を構成する補強帯体Cを含む。この補強帯体の
材料として、好ましくは、布地等が採用され、その引っ
張り強度においては、例えば補強帯体の幅が25mmの
場合は370kgf以上、補強帯体の幅が38mmの場
合は510kgf以上、補強帯体の幅が38〜50mm
の場合は740kgf以上のものを用いることが好まし
い。なお、補強帯体は布地の他、合成樹脂材のテープ等
を用いてもよく、所望の強度が保証できる限り当然採用
可能である。
【0032】〔両肩渡し補強帯体〕上下方向の両肩渡し
補強帯体(右肩渡し補強帯体A1、左肩渡し補強帯体A
2)は、前身頃2にて逆ハ字状に縫着され、また後身頃
(第2後身頃12)にても逆ハ字状に縫着されている
(図1参照)。両肩渡し補強帯体A1,A2は、補強効
果を上げるため前身頃2に対し積極的に距離が長く取り
付けられるように逆ハ字状に形成されている。また、前
身頃2に取り付けた両肩渡し補強帯体A1,A2の下端
部には、ループ(R1,R2)が形成されており、その
ループ(R1,R2)には、後述する胴周り補強帯体B
が遊挿される。そのため、胴周り補強帯体Bはループ
(R1,R2)内を自由にスライドすることができる。
【0033】また後身頃1における上下方向の両肩渡し
補強帯体A1,A2は、第2後身頃12の裏側面に沿い
ながら全体として逆ハ字状に形成されるように直接縫着
されており、両肩渡し補強帯体A1,A2の下端部に
は、ループ(R3,R4)が形成されており、そのルー
プ(R3,R4)には、後述する胴周り補強帯体Bが挿
通されて縫合固定される。ここでの両肩渡し補強帯体A
1,A2には、人体保護服の上下の胴長サイズ(着丈サ
イズ)を調節するためのサイズ調節機構が備わってい
る。サイズ調節機構は、長さ調節を行うための一対の帯
状体(第1の帯状体E1及び第2の帯状体E2)と、第
1の帯状体E1及び第2の帯状体E2を連結するための
バックル装置より構成されている。
【0034】例えば、第1の帯状体E1において、その
一方の端部には連結金具6が取り付けられており、他方
の端部は前身頃の両肩渡し補強帯体A2に縫合されてい
る。第2の帯状体E2において、その一方の端部近傍に
は連結金具6に挿入して掛止される掛止金具5が第2の
帯状体E2の長さ調節を行えるよう取り付けられてお
り、他方の端部は前身頃の両肩渡し補強帯体A2に縫合
されている。なお、第2の帯状体E2の自由端端部は折
り返されて折り曲げ部E21が形成されており、サイズ
調節を行う際、指の滑りを防止する効果や抜け止め効果
がある。
【0035】サイズ調節を行う場合には、掛止金具5に
通された第2の帯状体E2の自由端を下方に引っ張り、
これを第2の帯状体E2に予め装着されたゴム体Gで留
めることでその長さを調節し締め付け度合いを変えるこ
とが可能となる。このサイズ調節機構により、幼児の体
格が異なる場合でも、その体格差に応じた人体保護服の
上下の胴長サイズの長さ調節を的確に行うことができ
る。因みに、幼児がバックル装置を不用意に触れること
を阻止するために、安全カバーK2を備えるほうがよ
い。
【0036】〔胴周り補強帯体〕左右方向の胴周り補強
帯体Bは、幼児の胴周りを拘束するのに充分な長さを有
する帯状体により構成されている。ここでの胴周り補強
帯体Bは、前述したように、前身頃にて両肩渡し補強帯
体A1,A2に形成されたループ(R1,R2)に遊挿
され〔図1(A)参照〕、後身頃にてループ(R3,R
4)に挿入されて縫合固定されている〔図1(B)参
照〕。また、胴周り補強帯体Bは、第1後身頃とは仮止
め部Tを介して固定されている。
【0037】因みに、後身頃における仮止め部Tとして
は、好ましくは、面ファスナーが用いられており胴周り
補強帯体B及び第1後身頃11には、それぞれ面ファス
ナーT1及び面ファスナーT2を取り付け、相互に仮固
定する〔図1(B)参照〕。このような構造にすること
で、衝突時、第2後身頃12がシートベルトSにより引
っ張られると、補強帯体Bの面ファスナーT1と第1後
身頃11の面ファスナーT2とは剥離される。従って、
従来のように、胴周り補強帯体が後身頃から縫糸の破断
により剥がれるようなことはない。
【0038】胴周り補強帯体Bは前身頃2の中央部分
で、後述する開閉用のバックル装置(すなわち人体保護
服の左右の胴回りサイズを調節するためのサイズ調節機
構)により連結されており、衝突時、前身頃2の無理な
横開き(左右方向)によるフアスナーの破壊を防ぐこと
ができる。また、このバックル装置により人体保護服の
胴部を胴周り補強帯体Bで調整可能とし締め付けること
ができる。
【0039】バックル装置は後で詳しく述べるように、
連結金具6と一対の掛止金具5とよりなり、この掛止金
具5に胴周り補強帯体Bを取り付け、これを連結金具6
に掛止することにより使用される。なお、胴周り補強帯
体Bの両端部には折り曲げ部B1が形成されており〔図
3(A)参照〕、この折り曲げ部B1によりサイズ調節
を行う際の指の滑りを止め、また掛止金具5の抜け止め
を行う。サイズ調節を行う場合には、両方の胴周り補強
帯体Bの各自由端を左右に引っ張り、これを胴周り補強
帯体Bに予め装着されたゴム体Gで留めることでその長
さを調節し締め付け度合いを変えることが可能である。
【0040】これにより、幼児の体格が異なる場合で
も、その体格差に応じた人体保護服の胴周りのサイズ調
節を的確に行うことができ、胴周囲を拘束するのに最適
な長さに調節される。そのため極めて優れた着用性(フ
ィット性)を有するものとなる。また、緊止された胴周
り補強帯体Bを緩める際、右掛止金具5A及び左掛止金
具5Bを指で摘んで少し引上げ外方に引っ張れば簡単に
緩めることができる利点もある。因みに、幼児がバック
ル装置を不用意に触れることを阻止するために、安全カ
バーK3〔図1(A)参照〕を備えるほうがよい。
【0041】〔脚拘束部〕脚拘束部3は、幼児の脚部を
拘束するのに充分な長さを有する帯状体(補強帯体C)
によって構成されており、右の脚部を通す右脚拘束部3
1と左の脚部を通す左脚拘束部32とよりなり、各脚拘
束部31,32によって股間にかかる衝撃を避けること
ができる。各脚拘束部(31,32)を構成する補強帯
体Cは、開閉用のバックル装置により連結されている。
なお、右脚拘束部31は右前身頃21の胴周り補強帯体
Bに、左脚拘束部32は左前身頃22の胴周り補強帯体
Bにそれぞれ渡され、重ね合わせた部分にて縫合されて
いる。
【0042】バックル装置において、補強帯体Cの一方
の端部には連結金具6が取り付けられており、補強帯体
Cの他方の端部近傍には連結金具6に嵌め込んで掛止さ
れる掛止金具5が補強帯体Cの長さ調節を行えるように
取り付けられている(人体保護服の腿部サイズを調節す
るためのサイズ調節機構)。サイズ調節を行う場合に
は、掛止金具5に通された補強帯体Cの自由端を引っ張
り、これを補強帯体Cに予め装着されたゴム体Gで留め
ることでその長さを調節し締め付け度合いを変えること
が可能である。
【0043】これにより、幼児の体格が異なる場合で
も、その体格差に応じた人体保護服の各脚拘束部(3
1,32)の長さ調節を的確に行うことができ、身体の
腿部周囲を拘束するのに最適な長さに調節されこととな
り、優れた着用性(フィット性)となる。因みに、幼児
がバックル装置を不用意に触れることを阻止するため
に、安全カバーK4を備えるほうがよい。
【0044】また各脚拘束部(31,32)には、上下
方向の両肩渡し補強帯体A(A1,A2)が背中で胴周
り補強帯体Bに縫合されている部分から延設された補強
用の尻当て部を備えている。この尻当て部は補強帯体C
とは別の補強帯体Dを用いて形成されており、尻当て補
強帯体Dは、事故時に脚部を含む腰部が前方に飛び出す
のを防止するものであり、脚部に負担がかからないよう
にすることができる。
【0045】因みに、尻当て補強帯体Dの各端部にはル
ープ(R5,R6)が形成されており、このループ(R
5,R6)に右脚拘束部31及び左脚拘束部32の補強
帯体Cが通される。ここでの各脚拘束部(31,32)
には、各脚部を保護するための保護パット4が取り付け
られている。この保護パット4は、極力長尺状に、且つ
補強帯体Cより広幅に形成されており、幼児の柔らかい
尻部を含む脚部にフイットし、またより的確に脚部を拘
束することができる。
【0046】保護パット4の材質としては、通気性等の
観点からやはり前身頃2及び後身頃1と同じ材質の布地
等が好適である。このような脚拘束具部は、従来型の設
置型のチャイルトシートのように衝撃を股間で受け止め
るものと異なって、むしろ、股間に加わる衝撃を避ける
ものである。
【0047】〔バックル装置〕さて、本発明の本質は、
上記した人体保護服に使用するバックル装置の構造に主
な特徴点を有する。バックル装置は、基本的に、一方の
金具を連結金具6とし、他方の金具を連結金具6に対し
て嵌め込んで掛止させる掛止金具5として構成するもの
である。また、この連結金具6と掛止金具5とは着脱自
在な構造となっている。ここで使用するバックル装置に
は、上記したように、一対の掛止金具(5A,5B)と
1つの連結金具6の計3つの金具を着脱自在な構造にし
た形式(以下、第1のバックル装置と称す)のものと、
1つの掛止金具5と1つの連結金具6の計2つの金具を
着脱自在な構造にした形式(以下、第2のバックル装置
と称す)のものがある。なお、掛止金具及び連結金具の
材質としては、強度的に強い材質、例えば金属材や合成
樹脂材等が採用されている。
【0048】〔第1のバックル装置〕第1のバックル装
置は、ここでは、人体保護服の胴周りサイズを調節する
ためのバックル装置に用いられている。先述したよう
に、右掛止金具5A及び左掛止金具5Bは、それぞれ胴
周り補強帯体Bに取り付けられており、各掛止金具(5
A,5B)は独立した連結金具6によって一体に連結さ
れている。このタイプにおけるバックル装置を図2及び
図3に示す。各掛止金具(5A,5B)は、矩形状の平
板を切り抜いて構成されており、胴周り補強帯体Bを通
すための中央支持部55により区画された一対の切り欠
き穴、すなわち細長い矩形に形成された一対の切り欠き
穴(第1の切り欠き穴56及び第2の切り欠き穴57)
が互いに平行に形成されている〔図2(A)参照〕。
【0049】挿通された胴周り補強帯体Bは、両切り欠
き穴56,切り欠き穴57を区画する中央支持部55に
支持されて取り付けられている。より詳しくは、右掛止
金具5Aの場合、胴周り補強帯体Bの一方側の自由端を
第1の切り欠き穴56に内側から外側に通し、その自由
端を第2の切り欠き穴57に外側から内側に通して引き
戻すことで、胴周り補強帯体自体が長さ調節自在に中央
支持部55に掛止される〔図3(A)参照〕。引き戻さ
れた胴周り補強帯体Bの自由端をその方向に引っ張るこ
とで、補強帯体Bの長さ調節を行い身体に対する締め付
け度合いを変えることができる。この胴周り補強帯体B
の自由端は、胴周り補強帯体Bに予め挿通されたゴム体
Gに留められている〔図3(B)参照〕。同じような方
法で、左掛止金具5Bは、他方側の胴周り補強帯体Bに
取り付けられている。
【0050】一方、連結金具6は、矩形状の平板を切り
抜いて構成されており、右掛止金具5A及び左掛止金具
5Bを嵌め込むための中央支持部65により区画された
一対の切り欠き穴、すなわち矩形に形成された一対の切
り欠き穴(第1の切り欠き穴66及び第2の切り欠き穴
67)が形成されている〔図2(B)参照〕。胴周り補
強帯体Bが取り付けられた右掛止金具5Aを、第1の切
り欠き穴66に挿入して引出し連結金具6の上に合わ
せ、また、同様にして左掛止金具5Bを連結金具6の上
に合わせて当接させる〔図3(B)参照〕。
【0051】この第1の切り欠き穴66の大きさとして
は、掛止された右掛止金具5Aが簡単に外れないように
するために、右掛止金具5Aの外形よりも小さい穴とな
っている。すなわち、第1の切り欠き穴66は、少なく
とも、右掛止金具の長辺支持部(51,52)及び短辺
支持部(53,54)よりも縦横とも幅狭な矩形状の穴
とされる。また右掛止金具5Aの横幅L1は、第1の切
り欠き穴66の対角線長L2より大きい。右掛止金具5
Aは横にして起こした状態で第1の切り欠き穴66に挿
入できるが、従来のバックル装置のように捻って対角線
に合わせても取り外しできない大きさとして設定され
る。当然、幼児が持て遊ぶようなことがあっても、右掛
止金具5Aが連結金具6から簡単に外れるようなことは
なく安全である。
【0052】上述の第1の切り欠き穴66と同じよう
に、第2の切り欠き穴67の大きさも、掛止された左掛
止金具5Bが簡単に外れないような大きさ関係となって
いる。ここで連結金具6は、紛失しないために、掛止金
具5に連結しておくことが好ましく、ここでは、左掛止
金具5Bの長辺支持部51と連結金具の長辺支持部62
とが輪帯体7によって留められている(図3参照)。次
に、上述のような本発明のバックル装置を使って、掛止
金具5を連結金具6から取り外す操作を示すが、この操
作手順は、従来のバックル装置(図8参照)とは異なっ
た利点を有する。
【0053】図4は、掛止金具を連結金具から取り外す
ための操作手順を示した図である。取り外しに際して
は、言わば、知恵の輪のような手法で右掛止金具5Aと
連結金具6との掛止状態を解除するとよい。 手順1)、初期状態として、先ず、バックル装置は、右
掛止金具5Aの長辺支持部51と連結金具6の長辺支持
部61、右掛止金具5Aの長辺支持部52と連結金具6
の中央支持部65、右掛止金具5Aの短辺支持部53と
連結金具6の短辺支持部63、及び右掛止金具5Aの短
辺支持部54と連結金具6の短辺支持部64にて当接し
た(面接触した)掛止状態にある。
【0054】この掛止状態から、右掛止金具5Aを図の
矢印a方向に外方に引き起こす〔図4(A)参照〕。な
お、外方とは身体の逆の側(紙面の上側)を示すもので
である。引き起こされた右掛止金具5Aの短片支持部5
3,54のいずれか一方を連結金具の第1の切り欠き穴
66の内側に挿入して通す。因みに、従来であれば(図
8参照)掛止金具8の横幅M1より、連結金具の大開口
部9Aの対角線長M2が大きいことから、連結金具の大
開口部9Aの対角線に合わせて掛止金具を押し込めば簡
単に通すことができたものである。
【0055】本発明における連結金具の第1の切り欠き
穴66は、該切り欠き穴66の対角線長L2が右掛止金
具5Aの横幅L1より小さいため、右掛止金具5Aをそ
の対角線に合わせても抜けない穴で、しかも右掛止金具
5Aを横にして起こした状態で挿通できる大きさに設定
されているので、当然にして、右掛止金具5Aは第1の
切り欠き穴66から簡単に外すことはできない。そのた
め、次のように、連結金具6に特有の動きを与え、第1
の切り欠き穴66に右掛止金具5Aが引っ掛かることな
く通す手法を採る。
【0056】手順2)、すなわち、引き起こした右掛止
金具5Aを、例えば略90°水平に回転させる、すなわ
ち捩じる〔図4(B)参照〕。 手順3)、次に、右掛止金具を起こした状態でその短辺
支持部53(又は短辺支持部54)を連結金具の第1の
切り欠き穴66に対して内方へ挿入する〔図4(C)参
照〕。この場合、右掛止金具5Aを略90°水平に回転
させたことで、同時に、胴周り補強帯体Bも捩じられて
幅狭な状態となり、胴周り補強帯体Bも第1の切り欠き
穴66を通り易い。 手順4)、そして右掛止金具5Aを第1の切り欠き穴6
6に挿入した状態で、そのまま右掛止金具5Aを内側か
ら引き抜くことで取り外すことができる〔図4(D)参
照〕。
【0057】以上のように、本発明においては、引き起
こし→回転→挿入→引き抜き、という4段階の操作手順
を経て、右掛止金具5Aを連結金具6から取り外すこと
ができる。特に、右掛止金具5Aを略90°水平に回転
させる作業は、大人では簡単に行えるものの、幼児には
行えにくい。右掛止金具5Aの取り外し操作は、幼児を
含む子供としては高い操作性が必要であり、幼児がその
操作を容易に行うことは難しい。
【0058】このため、人体保護服の着用時に、幼児が
連結金具6と右掛止金具5Aの掛止状態を簡単に解除す
ることは不可能であり、安全である。右掛止金具5Aを
連結金具6から取り外す操作は上述の如くであるが、今
度、取り付ける場合は、取り外し操作を次の手順にて行
えばよい。その取り付け操作手順は、回転→挿入→引き
抜き→回転、という4段階の操作手順を経ることで完了
することが容易に理解できよう。
【0059】さて、人体保護服を装着した状態で胴周り
サイズを調節する場合、左掛止金具5B及び右掛止金具
5Aに挿通された胴周り補強帯体Bを左右に引き込むこ
とでその長さを調節し、身体に対する締め付け度合いを
変えることができる。すなわち、左側を締めつけたい場
合は、左掛止金具5Bの挿通された胴周り補強帯体Bの
自由端を左方向に引っ張ってゴム体Gで留める。また右
側を締めつけたい場合は、同様に、右掛止金具5Aの挿
通された胴周り補強帯体Bの自由端を右方向に引っ張り
ゴム体Gで留める。
【0060】特に、このバックル装置の構造によれば、
左掛止金具5Bの胴周り補強帯体Bに取り付けた位置を
変えることにより、左側の胴周り補強帯体Bを短く又は
長くしたり、また同様に、右掛止金具5Aの胴周り補強
帯体Bに取り付けた位置を変えることにより、右側の胴
周り補強帯体Bを短く又は長くしたりできるため、バッ
クルを常に真ん中に配置することができる。そのため左
腰部及び右腰部相互間の締め付け力が常に均等となり、
締めつけに敏感な幼児には拘束時の着用性は極めて良い
ものとなる。また、子供における体格の個人差に応じた
サイズ調節をより的確に行うことができるため、子供の
年齢の適用範囲が広くなる。
【0061】〔第2のバックル装置〕第2のバックル装
置は、人体保護服の胴長サイズを調節するためのバック
ル装置や人体保護服の腿部サイズを調節するためのバッ
クル装置に用いられている。このタイプにおけるバック
ル装置を図5及び図6に示す。尚、ここでは胴長サイズ
を調節するためのバックル装置について述べる。
【0062】このバックル装置は、一つの掛止金具5と
一つの連結金具6とよりなる。掛止金具5は、前述した
第1のバックル装置における掛止金具とほぼ同じ形をし
ており、中央支持部55により区画された一対の切り欠
き穴(第1の切り欠き穴56及び第2の切り欠き穴5
7)を有する〔図5(A)参照〕。第2の帯状体E2
は、掛止金具5の第1の切り欠き穴56、及び第2の切
り欠き穴57を通して中央支持部55に支持されてスラ
イド可能に取り付けられている。この場合、掛止金具5
に通された帯状体E2の自由端を引っ張ってゴム体Gで
留めることにより帯状体E2に対する掛止金具5の取り
付け位置を変えることができる。
【0063】連結金具6は、前述した第1のバックル装
置における掛止金具の中央支持部65がないものであ
り、長辺支持部61、長辺支持部62、短辺支持部6
3、短辺支持部64により大きい切り欠き穴68を形成
している。また、帯状体E1は長辺支持部62に回され
てゴム体Gで留められている。ここで連結金具6の切り
欠き穴68の対角線長L2は、掛止金具5の横幅L1よ
り小さく、対角線に合わせても抜けない穴であり、掛止
金具5を横にして起こした状態で挿通できる大きさに設
定されている。そのため、掛止金具5は連結金具6から
簡単に外すことはできない、取り外しの手順を述べる
が、掛止金具5の取り外し操作は、先に説明した第1の
バックル装置の場合と原則的に同じである。
【0064】すなわち、 手順1)、いま、掛止金具の長辺支持部51と連結金具
の長辺支持部61、掛止金具の短辺支持部53と連結金
具の短辺支持部63、及び掛止金具の短辺支持部54と
連結金具の短辺支持部64とが当接して掛止状態にあ
る。先ず最初に、掛止金具5を外方に引き起こす。 手順2)、引き起こした掛止金具5を例えば略90°水
平に回転させる。 手順3)、掛止金具5を起こした状態で短辺支持部53
(又は短辺支持部54)を連結金具の切り欠き穴68に
対して内側に挿入する。 手順4)、そしてそのまま掛止金具5を引き抜くことで
取り外す。
【0065】逆に掛止金具5を連結金具6に取り付ける
場合には、取り外し操作を、回転→挿入→引き抜き→回
転、という4段階の操作手順にて行えばよい。以上述べ
たように、本発明においては、引き起こし→回転→挿入
→引き抜きの4段階の操作手順を経て、掛止金具5を連
結金具6から取り外すことができる。この操作は先述し
たように、大人には比較的簡単であるが、幼児を含む子
供には難しく、不用意に外れなく安全である。
【0066】以上、本発明を説明してきたが、本発明
は、実施の形態に限定されるものではなく、その本質か
ら逸脱しない範囲で、他の種々な変形例が可能であるこ
とは言うまでもない。例えば、図2及び図3で説明した
第1のバックル装置を、人体保護服の腿部サイズを調節
するためのバックル装置に、また人体保護服の胴長サイ
ズを調節するためのバックル装置に用いても当然よい。
また、人体保護服の具体的な形態、特に両方渡し補強帯
体の取付形態は図1だけの例で示したが、これに限定さ
れず、その形態は両肩渡し補強帯体や胴周り補強帯体を
備えるものであれば、後身頃や前身頃の構造は異なって
いてもよい。本発明者が既に出願している他の取付形態
であっても適宜選択可能である。また、連結金具及び掛
止金具の形状は矩形状で説明してきたが、その形状はこ
れに限定されるものではない。
【0067】
【発明の効果】本発明のバックル装置においては、その
取り外し操作時、幼児においては極めて高い操作性が必
要であり、大人にとっては比較的易しい操作である。そ
のため、人体保護服の着用時において、幼児が連結金具
と掛止金具の掛止状態を不用意に解除する危険がなく、
一方、大人にとっては非常時に容易に取り外せることか
ら安全性に優れている また、バックル装置により、幼児の体格に応じた人体保
護服の調節を的確に行えるため、人体保護服は身体に対
して的確にフィットした状態にて拘束することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の人体保護服、特にベスト状の
人体保護服を示したものであり、(A)は正面図、
(B)は背面図をそれぞれ示す。
【図2】図2は、本発明のバックル装置(第1のバック
ル装置)を示したものであり、(A)は掛止金具、
(B)は連結金具をそれぞれ示す。
【図3】図3は、本発明のバックル装置を示したもので
あり、(A)は掛止金具を連結金具に取り付ける前の状
態、(B)は掛止金具を連結金具に取り付けた後の状態
連結金具をそれぞれ示す。
【図4】図4は、掛止金具を連結金具から取り外すため
の操作手順を示した図である。
【図5】図5は、本発明のバックル装置(第2のバック
ル装置)を示したものであり、(A)は掛止金具、
(B)は連結金具をそれぞれ示す。
【図6】図6は、本発明のバックル装置を示したもので
あり、(A)は掛止金具を連結金具に取り付ける前の状
態、(B)は掛止金具を連結金具に取り付けた後の状態
連結金具をそれぞれ示す。
【図7】図7は、従来のバックル装置を示したものであ
り、(A)は掛止金具、(B)は連結金具をそれぞれ示
す。
【図8】図8は、掛止金具を連結金具から取り外すため
の操作手順を示した図である。
【符号の説明】
1…後身頃 11…第1後身頃 12…第2後身頃 2…前身頃 21…右前身頃 22…左前身頃 3…脚拘束部 31…右脚拘束部 32…右脚拘束部 4…保護パット 5…掛止金具 5A…右掛止金具 5B…左掛止金具 51,52…長辺支持部 53,54…短辺支持部 55…中央支持部 56…第1の切り欠き穴 57…第2の切り欠き穴 6…連結金具 61,62…長辺支持部 63,64…短辺支持部 65…中央支持部 66…第1の切り欠き穴 67…第2の切り欠き穴 68…切り欠き穴 7…輪帯体 8…掛止金具 81…枠体 82…支持部 8A…台形開口部 8B…矩形開口部 9…連結金具 91…枠体 92…支持部 9A…大開口部 9B…小開口部 A,A1,A2…両肩渡し補強帯体 B…胴周り補強帯体 B1…折り曲げ部 C…脚拘束部の補強帯体 C1…折り曲げ部 D…尻当て用の補強帯体 E1…第1の帯状体 E2…第2の帯状体 E21…折り曲げ部 G…ゴム体 H…アームホール K(K1〜K4)…安全カバー P…ポジションベルト R(R1〜R6)…ループ S…シートベルト T(T1,T2)…結合部(面ファスナー) L1…横幅 L2…対角線長 M1…横幅 M2…対角線長
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60R 22/30 B60R 22/30

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗り物用の人体保護服の胴部を胴周り補
    強帯体で締めつけるため該補強帯体に取り付けたバック
    ル装置であって、一つの連結金具とそれぞれに胴周り補
    強帯体が取り付けられた一対の掛止金具とよりなり、各
    掛止金具を連結金具に掛止させたことを特徴とするバッ
    クル装置。
  2. 【請求項2】 乗り物用の人体保護服の胴部を胴周り補
    強帯体で締めつけるため該補強帯体に取り付けたバック
    ル装置であって、一つの連結金具と胴周り補強帯体が取
    り付けられた一つの掛止金具とよりなり、該掛止金具の
    横幅は連結金具の切り欠き穴の対角線長より大きくて掛
    止金具を横にして起こした状態で切り欠き穴を挿通する
    大きさであり、掛止金具を連結金具に掛止させたことを
    特徴とするバックル装置。
  3. 【請求項3】 連結金具には中央支持部により区画され
    た一対の切り欠き穴が形成され、また同様に掛止金具に
    は中央支持部により区画された一対の切り欠き穴が形成
    され、掛止金具の横幅が連結金具の切り欠き穴の対角線
    長より大きくて切り欠き穴の対角線に合わせても掛止金
    具が外れなく、掛止金具を横にして起こした状態で切り
    欠き穴を挿通することができる大きさであることを特徴
    とする請求項1記載のバックル装置。
  4. 【請求項4】連結金具に一方の掛止金具が輪帯体により
    結合されていることを特徴とする請求項1記載のバック
    ル装置。
  5. 【請求項5】 胴周り補強帯体の端部には折り曲げ部が
    形成されていることを特徴とする請求項1記載のバック
    ル装置。
  6. 【請求項6】 人体保護服は、前身頃と後身頃とを備
    え、前身頃と後身頃には両肩渡し補強帯体が縫合固定さ
    れていることを特徴とする請求項1記載のバックル装
    置。
  7. 【請求項7】 人体保護服は、前身頃と後身頃とを備
    え、前身頃と後身頃には両肩渡し補強帯体が縫合固定さ
    れており、前身頃側の両肩渡し補強帯体の下端部に胴周
    り補強帯体が遊挿されており、後身頃側の両肩渡し補強
    帯体の下端部に胴周り補強帯体が縫合固定されているこ
    とを特徴とする請求項1記載のバックル装置。
  8. 【請求項8】 乗り物用の人体保護服の胴部を胴周り補
    強帯体で締めつけるため該補強帯体に取り付けたバック
    ル装置であって、一つの連結金具とそれぞれに胴周り補
    強帯体が取り付けられた一対の掛止金具とよりなり、連
    結金具には中央支持部により区画された一対の切り欠き
    穴が形成され、また同様に掛止金具には中央支持部によ
    り区画された一対の切り欠き穴が形成され、掛止金具の
    横幅が連結金具の切り欠き穴の対角線長より大きくて切
    り欠き穴の対角線に合わせても掛止金具が外れなく、掛
    止金具を横にして起こした状態で挿通することができる
    大きさであり、連結金具に一方の掛止金具が輪帯体によ
    り結合されており、各掛止金具を連結金具に掛止させた
    ことを特徴とするバックル装置。
  9. 【請求項9】 上記1〜8のいずれか1項記載のバック
    ル装置を備えた乗り物用の人体保護服。
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