JP2000238563A - シートベルト装着可能なチャイルドシートとチャイルド用保護服 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車用シートに着座した子供とシートの間
に介在し、衝突事故時の安全を確保でき且つ着用性のよ
いチャイルドシートを提供すること。 【解決手段】 自動車のシートＡに着座した子供Ｂとシ
ートの間に介在するチャイルドシート１であり、このチ
ャイルドシート１の素材には、柔軟な素材が採用され、
構造としては、背もたれ部２とこの背もたれ部２の左右
の縦に沿って膨らみ部３を有し、かつ背もたれ部２と左
右の膨らみ部３の連結部４の下方側にシートベルトＣを
挿通するスリット５を形成したシートベルト装着可能な
チャイルドシート。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のシートに
着座した子供とそのシートの間に介在する安全保護部材
であるチャイルドシートと子供用保護被服に関し、更に
詳しくは、安全性と動きの自由度を確保したチャイルド
シートと子供用保護被服に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自動車においては、衝突事故時を想定し
て身体を保護するための各種安全装置が装備されてい
る。例えば、今日の自動車には、人体を自動車用シート
に拘束するための三点支持型のシートベルトが必ず用意
されている。この三点支持型のシートベルトは、腰部と
胸部とに渡して衝突時の人体の飛び出しを防止するため
のものである。具体的には、運転席側（右ハンドル）の
場合、シートに着座した状態で運転席の右側にループ状
態に設けられたシートベルトの引き出しベルトをフック
と共に掴み運転手の右肩口から胸の前を通過させて左斜
め下方に引き回し、シートベルトに設けられたフックを
左大腿部脇のシート側に設けられたロック部材に嵌着す
ることにより、身体の上半身を袈裟掛け状態で保持する
と共に、連続するベルトの下方で下腹部をほぼ横一文字
に保持するように使用する。

【０００３】このシートベルトは、通常、座高がほぼ５
０ｃｍ以上である体格の人が装着する場合を標準として
装備されている。この基準に該当する人が装着する場合
は、シートベルトを左（右）肩口から胸の前を通過させ
て右（左）斜め下方に引き回すベルトによって上半身を
袈裟掛け状態に保持し、同時に腰の部分を安定に確保す
ることはできる。しかし、座高の低い小学生低学年以下
の子供の場合には、左（右）肩口から胸の前を通過させ
て右（左）斜め下方に引き回すことにより、上半身を保
持するためのベルトが丁度子供の首の位置を袈裟掛け状
態で通過することになる。そのため、いわゆる首締め現
象が起き、本来安全であるべきシートベルトの装着が到
って危険を伴うものとなる。また、無理に装着すると子
供の自由な動作を妨げてしまう等の問題がある。

【０００４】そこで、そうした子供のために、シートベ
ルトに代わる装備として、チャイルドシートが開発され
た。通常、チャイルドシートは、子供（特に幼児）を安
定に着座させるために背もたれを設けた補助シートと、
着座した子供を保持するための補助シートベルトと、こ
のシートベルトのロックを緊急時にワンタッチで解除す
るための解除手段とが備わったものである。そしてチャ
イルドシートの自動車のシートへの取り付けは、シート
ベルトを使って固定することができるように構成されて
いる。

【０００５】ところで、上記の構造のチャイルドシート
においては、前述した自動車装備のシートベルトを直接
装着する場合に起きる欠点、すなわち首締め現象等の危
険性はおおむね解消されるものであるが、反面、このチ
ャイルドシートを装着した場合は、人体が比較的剛性の
ある材料により狭く区画された空間に閉じ込めた状態で
保持されるために子供の自由な行動が大部分において奪
われてしまう。しかもチャイルドシート自体が堅牢に構
成されているために、身体とのフイット性が極めて悪
く、また補助用のシートベルトにより衝突事故時に局所
的な力を集約的に受ける欠点もある。加うるに、隣席者
とチャイルドシートとの相互の衝突が生じる恐れがあ
る。またチャイルドシートを折りたたんで簡易に持ち運
びすることができない。またシート形状によりチャイル
ドシートの形が限定されるため不便である。本発明は、
このような技術的な問題点を背景に開発されたものであ
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明は、
自動車用シートに着座した子供とシートの間に介在し、
衝突事故時の安全性を確保するための安全保護部材を提
供するものである。更にいうならば、自動車用シートに
着座した子供とシートの間に介在し、衝突事故時の安全
を確保でき且つ着用性のよいチャイルドシート、及びチ
ャイルド保護服を提供することを目的とするものであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するためになされたものである。すなわち、本発明
は、（１）、自動車のシートに着座した子供とシートの
間に介在するチャイルドシートであって、シートベルト
が背もたれ部の背面から表面にかけて挿通される部分を
設けたシートベルト装着可能なチャイルドシートに存す
る。

【０００８】そして、（２）、自動車のシートに着座し
た子供とシートの間に介在するチャイルドシートであ
り、このチャイルドシートの素材には、柔軟な素材が採
用され、構造としては、背もたれ部とこの背もたれ部の
左右の縦に沿って膨らみ部を有し、かつ背もたれ部と左
右の膨らみ部の連結部の下方側にシートベルトを挿通す
るスリットを形成したシートベルト装着可能なチャイル
ドシートに存する。

【０００９】そしてまた、（３）、前記チャイルドシー
トの背もたれ部と、この背もたれ部の左右の縦に沿って
設けられる膨らみ部は、中空状に成形され使用に当たっ
て一定のエアーが注入されて膨らむように構成された上
記（２）のシートベルト装着可能なチャイルドシートに
存する。

【００１０】そしてまた、（４）、前記背もたれ部の上
方であって使用に当たって子供の頭部が当接する部分は
子供の背中が当接する部分に比べてやや厚みを持って膨
らむように成形された上記（２）及び（３）のシートベ
ルト装着可能なチャイルドシートに存する。

【００１１】そしてまた、（５）、前記チャイルドシー
トの全体は、袋状のカバーによって覆われるように構成
したこと上記（２）、（３）又は（４）のシートベルト
装着可能なチャイルドシートに存する。

【００１２】そしてまた、（６）、前記チャイルドシー
トの全体を覆う袋状のカバーの前方の下方には左右より
延びる帯体が設けられ、この帯体はチャイルドシートに
着座した子供の腰部を安定にホールドできるように構成
されたことを特徴とする請求項５記載のシートベルト装
着可能なチャイルドシートに存する。

【００１３】そしてまた、（７）、自動車のシートに直
接着座した子供が着用するチャイルド用保護服であっ
て、該保護服の背当て部は内布部と外布部とで２重にな
っており、シートベルトが内布部と外布部との間の空間
に挿通可能となっているチャイルド用保護服に存する。

【００１４】そしてまた、（８）、背当て部の内布部と
外布部とがその下端にて結合又は離脱自在になっている
上記（７）のチャイルド用保護服に存する。

【００１５】そしてまた、（９）、内布部と外布部との
結合又は開離は、共通に挿通される紐材を離脱させるこ
とにより行われる上記（８）のチャイルド用保護服に存
する。

【００１６】そしてまた、（１０）自動車のシートにシ
ートベルト挿通のためのスリットを有するチャイルドシ
ートを介して着座した子供が着用するチャイルド用保護
服であって、該保護服の背当て部は内布部と外布部とで
２重になっており、前記スリットを通してシートベルト
が内布部と外布部との間の空間に挿通可能となっている
チャイルド用保護服に存する。本発明は、この目的に沿
ったものであれば、上記１〜６の中ら選ばれた２つ以上
を組み合わせた構成も、又上記７〜１０の中ら選ばれた
２つ以上を組み合わせた構成も採用可能である。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係るシートベルト
装着可能なチャイルドシートとチャイルド用保護服の一
実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【００１８】ここで各図の説明をすると、図１は、本発
明に係るシートベルト装着可能なチャイルドシートの全
体構造を示す説明図であり、図２は、本発明に係るシー
トベルト装着可能なチャイルドシートのカバーを示す説
明図であり、図３は、チャイルドシートにカバーを被せ
た状態を示す説明図であり、図４は、図３の斜め後方か
ら見た状態を示す説明図であり、図５は、チャイルド用
保護服の前面側の説明図であり、図６は、図５で示した
チャイルド用保護服の背中側の説明図であり、図７は、
図５及び図６に示すチャイルド用保護服の側面の構造の
説明図であり、図８は、別のチャイルド用保護服の前面
側の説明図であり、図９は、図８で示したチャイルド用
保護服の背中側の説明図であり、図１０は、図８及び図
９に示すチャイルド用保護服の側面の構造の説明図であ
り、図１１は、チャイルドシートにチャイルド用保護服
を着用して着座した子供の使用状態を説明するための背
面図であり、図１２は、図１１の状態でシートにセット
した状態を斜め前より見た説明図であり、図１３は、チ
ャイルドシートを使用しないでチャイルド用保護服を着
用してシートにセットした状態を斜め前より見た説明図
である。

【００１９】〔チャイルドシート〕図１、図２及び図３
に示す１は、自動車のシートＡ（図９参照）に着座した
子供ＢとシートＡの間に介在する本発明のチャイルドシ
ートであり、このチャイルドシート１の素材には、柔軟
な素材（例えば、軟質の合成樹脂素材）が採用されて構
成されている。ところで、前記チャイルドシート１の構
造は、背もたれ部２とこの背もたれ部２の左右の縦に沿
って膨らみ部３・３を有し、かつ背もたれ部２と左右の
膨らみ部３・３の連結部４・４の下方側に、シートベル
トＣを背もたれ部の背面から表面にかけて挿通する部
分、具体的にはスリット５・５を設けている。

【００２０】前記チャイルドシート１の背もたれ部２
と、この背もたれ部２の左右の縦に沿って設けられる膨
らみ部３・３は、中空状に成形され使用に当たって図示
しないバルブを介して一定のエアーが注入されることに
よって膨らむように構成されている。

【００２１】なお、前記背もたれ部２の上方であって使
用に当たって子供Ｂの頭部が当接する部分は、例えば追
突等により加わる衝撃を効果的に吸収できるよう背中が
当接する部分に比べてやや厚みを持って膨らむことがで
きるように構成されている。また、前記チャイルドシー
ト１の全体は、図２から図４にその詳細を示したように
袋状のカバー６で覆われるように構成されている。この
実施の形態では、前面には子供Ｂが好むようなキャラク
タ等の絵模様や形が施されており、下方は図示しないが
開放又は開閉可能に構成されている。

【００２２】なお、前記袋状のカバー６の前方の下方に
は、左右より延びて、中央で、例えばタッチフアスナー
等により連結可能な帯体７が設けられている。従って、
チャイルドシート１に着座した子供Ｂの腰部を、この帯
体７によってより安定的にホールドすることが可能であ
る。内部にチャイルドシート１を収納した状態で該チャ
イルドシートのスリット５・５に対応する位置には、シ
ートベルトＣを挿通することができる部分、具体的には
スリット８・８が設けられている。

【００２３】〔チャイルド用保護服〕つぎに、チャイル
ド用保護服について説明するが、図５、図６、図７は、
ベスト型のチャイルド用保護服の例を示した。このチャ
イルド用保護服は、シートＡに直接的に取り付けられ、
又は間接的に取り付けられて（すなわち、チャイルドシ
ート１を介して取り付けられて）役割を果たすものであ
る。

【００２４】チャイルド用保護服１０は、人体にフイッ
トするように、天然繊維、合成繊維等の布材でできてお
り、また形としては通常のベストの形状に近く、前当部
（前身頃）１０Ａと背当部（後身頃）１０Ｂにより上半
身を囲むように形成され、頭通し部１０１、腕通し部１
０２、及び胴通し部１０３を備えている。特に、その背
当部１０Ｂは、内布部１０Ｂ１と外布部１０Ｂ２の二重
構造となっており、両者の間にシートベルトを通すこと
ができる。

【００２５】すなわち、内布部１０Ｂ１と外布部１０Ｂ
２との間には空間が存在するので、シートＡにチャイル
ド用保護服１０を着用した子供を着座させる場合、その
間にシートベルトＣが挿通することになる。また、背当
部１０Ｂは、内布部１０Ｂ１と外布部１０Ｂ２との縫合
領域を設けることにより限定された図７に示すような開
口部Ｓを形成することができる。この開口部Ｓを通し
て、背当部１０Ｂにシートベルトを一定の位置関係で挿
通することが可能である。なお、チャイルド用保護服１
０の強度を保証するために各種補強材を備えることが好
ましい。

【００２６】各図のチャイルド用保護服１０は、プルオ
ーバタイプのものとして説明したが、当然、前開きタイ
プのチャイルド用保護服であっても良く、特に上記の実
施例に限定するものではない。

【００２７】〔使用方法１〕以下、本発明に係るシート
ベルト装着可能なチャイルドシートと該チャイルドシー
トを介してシートに取り付けできるチャイルド用保護服
の使用要領を説明する。本発明に係るシートベルト装着
可能なチャイルドシート１を使用する場合は、、まず、
子供Ｂにチャイルド用保護服１０を着用させる。このチ
ャイルド用保護服１０を子供Ｂに着用させるには、図
５、図６に示すようなプルオーバタイプのものは、チャ
イルド用保護服本体１１の胴通し部１０３より頭を通し
て着用させればよい。そして自動車のシートＡにカバー
６を覆った状態のチャイルドシート１を載置する。

【００２８】このチャイルドシート１のシートＡへの載
置は、チャイルドシート１の背もたれ部２をシートＡの
背もたれに対して立てかける要領で行う。そして、チャ
イルドシート１の背もたれ部２の左右の連結部４・４に
設けたスリット５・５のうちの一方のスリット５に、シ
ートベルトＣの止め金具Ｃ１の部分を通過させておく。

【００２９】次にチャイルド用保護服１０を着用した子
供Ｂをチャイルドシート１の手前に着座させる。そし
て、前述のスリットを通過させておいたシートベルトＣ
の止め金具Ｃ１部分を引出し、チャイルド用保護服１０
の背当部１０Ｂの内布部１０Ｂ１と外布部１０Ｂ２で形
成された開口部Ｓを介して背当部１０Ｂにシートベルト
Ｃを挿通させる。最終的に前記チャイルドシート１のも
う一方のスリット５にシートベルトＣの止め金具Ｃ１を
通過させてシートＡの一方の止め金具Ｃ２に固定する。
最後に、カバー６の前下方に設けた帯体７を子供Ｂの腰
の前で連結することにより全手順は終了する。これで、
チャイルド用保護服１０を着用した子供Ｂは、シートＡ
上に安定にホールドされたことになる（図１１、図１２
参照）。

【００３０】即ち、本発明に係るシートベルト装着可能
なチャイルドシート１とチャイルド用保護服１０によ
り、シートＡにホールドされる子供Ｂは、チャイルドシ
ート１と、このチャイルドシート１に設けたスリット５
・５及びベスト本体１１の背当部１０Ｂの内布部１２ａ
と外布部１２ｂによって形成された開口部Ｓを介して挿
通するシートベルトＣによって、チャイルドシート１と
チャイルド用保護服１０とは一体化されながらチャイル
ド用保護服１０を着用した子供Ｂをホールドするもので
ある。シートＡに着座した子供Ｂの上半身は、従来のシ
ートベルトで子供Ｂの上半身を袈裟掛け状態に圧迫して
確保するものに比べ、着用性が良く、また局所的な力が
加わることがない。

【００３１】特に、本発明のチャイルドシート１は、背
もたれ部２と、この背もたれ部２の左右の縦に沿って設
けられる膨らみ部３・３を中空状に成形し、この中空部
にバルブを介して一定のエアーを注入することによって
膨らめせるものであるから、衝突事故等に際し、人体に
加わる外力はエアークッション効果により十分に吸収さ
れる。また、子供Ｂの頭部が当接する部分の膨らみは追
突事故等により加わる衝撃を効果的に吸収でき子供Ｂに
対する安全性は非常に高まる。

【００３２】また、緊急時に等においても、シートベル
トＣの止め金具Ｃ１を解除するだけでチャイルドシート
１ごと子供Ｂを抱きかかえて車外へ連れ出すことができ
るので極めて迅速、かつ容易に行い得る。また、チャイ
ルド用保護服１０の背後をシートベルトＣが通ってお
り、衝突時、そのシートベルトＣを介してチャイルド用
保護服１０の前当部（すなわち前身頃）１０Ａの広い領
域で力を緩和するため局所的な力が加わらない利点があ
る。

【００３３】〔使用方法２〕次に、前記のようなチャイ
ルドシート１を介さないで、直接、シートＡに取り付け
できるチャイルド用保護服の使用要領を説明する。ま
ず、子供Ｂにチャイルド用保護服１０を着用させる。次
にチャイルド用保護服１０を着用した子供Ｂをチャイル
ドシート１の手前に着座させる。

【００３４】そして、前記のスリット５（８）を通過さ
せておいたシートベルトＣの止め金具部分を引出してチ
ャイルド用保護服１０の背当部１０Ｂの内布部１２ａと
外布部１２ｂにより形成された開口部Ｓを介して背当部
１０ＢにシートベルトＣを挿通させる。そしてチャイル
ドシート１の残りのスリット５にシートベルトＣの止め
金具Ｃ１を通過させてシートＡの他方の止め金具Ｃ２に
固定する。これで、チャイルド用保護服１０を着用した
子供Ｂはチャイルドシート１を用いずにシート上に安定
的にホールドされたことになる（図１３参照）。

【００３５】〔使用方法２−１〕以上、子供Ｂを自動車
のシートＡに着座して乗せる場合を想定して説明した
が、例えば長時間のドライブ等において、子供Ｂがシー
トＡに横たわって眠るような場合にも対応することがで
きる。すなわち、チャイルド用保護服１０を着用させた
まま子供ＢをシートＡに横に寝かせ、この状態でチャイ
ルド用保護服１０の背当部１０Ｂの開口部Ｓにシートベ
ルトＣを通過させることも可能である。この場合、シー
トベルトＣを長めに引き出して使用することが必要であ
る。

【００３６】〔その他のチャイルド用保護服〕この例の
チャイルド用保護服１０は、上述のチャイルド用保護服
に、更に利便性を加えたものである。図８、図９及び図
１０に示すチャイルド用保護服１０も、背当部１０Ｂ
が、内布部１０Ｂ１と外布部１０Ｂ２の二重構造となっ
ており、両者により形成された開口部Ｓを通してシート
ベルトＣを挿通することができる。ここでの開口部Ｓ
は、図７に示したチャイルド用保護服１０の開口部Ｓよ
り大きく形成しており、シートベルトＣの挿通する位置
に自由度がある。ところで事故時にシートベルトＣの止
め金具が故障した場合は、シートＡから脱出できない恐
れがある。

【００３７】ここでのチャイルド用保護服１０は、この
様な時に対応できるようにしたもので、背当部１０Ｂの
内布部１０Ｂ１と外布部１０Ｂ２とが、その下端にて結
合又は離脱自在になっていることが特徴である。すなわ
ち、内布部１０Ｂ１と外布部１０Ｂ２とに共通に紐材１
１を挿通させておき、緊急時には、この紐材１１を離脱
させるのである。この場合、身体は、シートＡ又はチャ
イルドシート１から簡単に切り離されて脱出が容易とな
る。

【００３８】具体的には、紐材１１の端部に大きい結び
目１１Ａを設けておき、それを引くことにより解けるよ
うにするとよい。また、内布部１０Ｂ１と外布部１０Ｂ
２とをフアスナーにより開閉自在としてもよい。以上本
発明を説明してきたが、本発明は、実施の形態にのみ限
定されるものではなく、その本質から逸脱しない限り他
の種々の変形例も可能である。例えば、チャイルドシー
ト１を用いないで、シートＡに、直接、チャイルド用保
護服１０を用いる場合は、大人用として使用することが
当然可能である。

【００３９】

【発明の効果】本発明は、以上詳細に説明した如く、自
動車のシートに着座した子供とシートの間に介在する安
全保護部材であり、事故時の身体の安全性が保証され
る。チャイルドシート１は、シートベルトＣを挿通可能
なスリット５を備えており、シートＡに装備されている
通常のシートベルトＣを使ってチャイルド用保護服１０
を簡単に取り付けることができる。このチャイルドシー
ト１の素材には、柔軟な素材が採用され、構造として
は、背もたれ部２とこの背もたれ部の左右の縦に沿って
膨らみ部３を有し、かつ背もたれ部２と左右の膨らみ部
３の連結部４の下方側にシートベルトＣを挿通するスリ
ット５を形成したシートベルト装着可能なチャイルドシ
ート１であるので、衝撃を緩和する機能があり事故時の
安全性が保たれる。

【００４０】チャイルドシート１の背もたれ部２と、こ
の背もたれ部の左右の縦に沿って設けられる膨らみ部３
は、中空状に成形され使用に当たって一定のエアーが注
入されて膨らむよう構成された場合、身体左右の衝撃が
効率良く吸収される。また隣席者とチャイルドシート１
との間の衝撃が少ない。また、前記背もたれ部２の上方
であって使用に当たって子供の頭部が当接する部分は子
供の背中が当接する部分に比べてやや厚みを持って膨ら
むように成形される場合は、身体頭部の衝撃が効率良く
吸収される。また、チャイルドシート１の全体は、袋状
のカバー６によって覆われるように構成し、かつ袋状の
カバー６の前方の下方には左右より延びる帯体７が設け
られる場合は、更にチャイルドシート１に着座した子供
の腰部を安定にホールドできる。

【００４１】一方、チャイルド用保護服１０は、着用時
に身体に対するフイット感がありしかも動きに自由度が
ある。更に、事故時の衝撃力を上半身全体で受けるため
局所的な衝撃を回避できる利点がある。またチャイルド
用保護服１０は、チャイルドシート１を介してシートＡ
に間接的に取り付けたり、又はシートＡにチャイルドシ
ート１を介さずに単独で直接的に取り付けたりすること
が可能である。

【００４２】チャイルド用保護服１０の背当て部１０Ｂ
は内布部１０Ｂ１と外布部１０Ｂ２とで２重になり、シ
ートベルトＣが１０Ｂ１と外布部１０Ｂ２との間の空間
に挿通可能となっているため、通常時でも胸部を圧迫し
ないためシートベルト１の装着性が良い。背当て部１０
Ｂは内布部１０Ｂ１と外布部１０Ｂ２とがその下端にて
結合又は離脱自在になっている場合は、緊急時の身体の
チャイルド用保護服１０、チャイルドシート１０又はシ
ートＡからの開放が容易である。

【００４３】

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明に係るシートベルト装着可能な
チャイルドシートの全体構造を示す説明図である。

【図２】図２は、本発明に係るシートベルト装着可能な
チャイルドシートのカバーを示す説明図である。

【図３】図３は、チャイルドシートにカバーを被せた状
態を示す説明図である。

【図４】図４は、図３の斜め後方から見た状態を示す説
明図である。

【図５】図５は、チャイルドシート用ベストの前側の説
明図である。

【図６】図６は、図５で示したベストの背中側の説明図
である。

【図７】図７は、図５及び図６に示すベストの側面の説
明図である。

【図８】図８は、別のチャイルドシート用ベストの前側
の説明図である。

【図９】図９は、図８で示したベストの背中側の説明図
である。

【図１０】図１０は、図８及び図９に示すベストの側面
の説明図である。

【図１１】図１１は、チャイルドシートにチャイルド用
保護服を着用して着座した子供の使用状態を説明するた
めの背面図である。

【図１２】図１２は、図１１の状態でシートにセットし
た状態を斜め前より見た説明図である。

【図１３】図１３は、チャイルドシートを使用しないで
チャイルド用保護服を着用した状態を斜め前より見た説
明図である。

【符号の説明】

１…チャイルドシート ２…背もたれ部 ３…膨らみ部 ４…連結部 ５…スリット ６…袋状カバー ７…帯体 ８…開口部 １０…チャイルド用保護服 １０Ａ…前当部 １０Ｂ…背当部 １０Ｂ１…内布部 １０Ｂ２…外布部 １１…紐材 １１Ａ…結び目 Ａ…シート Ｂ…子供 Ｃ…シートベルト Ｃ１…取り付け金具 Ｓ…開口部

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車のシートに着座した子供とシートの
   間に介在するチャイルドシートであって、シートベルト
   が背もたれ部の背面から表面にかけて挿通される部分を
   設けたことを特徴とするシートベルト装着可能なチャイ
   ルドシート。
2. 【請求項２】自動車のシートに着座した子供とシートの
   間に介在するチャイルドシートであり、このチャイルド
   シートの素材には、柔軟な素材が採用され、構造として
   は、背もたれ部とこの背もたれ部の左右の縦に沿って膨
   らみ部を有し、かつ背もたれ部と左右の膨らみ部の連結
   部の下方側にシートベルトを挿通するスリットを形成し
   たことを特徴とするシートベルト装着可能なチャイルド
   シート。
3. 【請求項３】前記チャイルドシートの背もたれ部と、こ
   の背もたれ部の左右の縦に沿って設けられる膨らみ部
   は、中空状に成形され使用に当たって一定のエアーが注
   入されて膨らむように構成されたことを特徴とする請求
   項２記載のシートベルト装着可能なチャイルドシート。
4. 【請求項４】前記背もたれ部の上方であって使用に当た
   って子供の頭部が当接する部分は子供の背中が当接する
   部分に比べてやや厚みを持って膨らむように成形された
   ことを特徴とする請求項２及び請求項３記載のシートベ
   ルト装着可能なチャイルドシート。
5. 【請求項５】前記チャイルドシートの全体は、袋状のカ
   バーによって覆われるように構成したことを特徴とする
   請求項２、請求項３又は請求項４記載のシートベルト装
   着可能なチャイルドシート。
6. 【請求項６】前記チャイルドシートの全体を覆う袋状の
   カバーの前方の下方には左右より延びる帯体が設けら
   れ、この帯体はチャイルドシートに着座した子供の腰部
   を安定にホールドできるように構成されたことを特徴と
   する請求項５記載のシートベルト装着可能なチャイルド
   シート
7. 【請求項７】自動車のシートに直接着座した子供が着用
   するチャイルド用保護服であって、該保護服の背当て部
   は内布部と外布部とで２重になっており、シートベルト
   が内布部と外布部との間の空間に挿通可能となっている
   ことを特徴とするチャイルド用保護服。
8. 【請求項８】背当て部の内布部と外布部とがその下端に
   て結合又は離脱自在になっていることを特徴とする請求
   項７記載のチャイルド用保護服。
9. 【請求項９】内布部と外布部との結合又は開離は、共通
   に挿通される紐材を離脱させることにより行われること
   を特徴とする請求項８記載のチャイルド用保護服。
10. 【請求項１０】自動車のシートにシートベルト挿通のた
    めのスリットを有するチャイルドシートを介して着座し
    た子供が着用するチャイルド用保護服であって、該保護
    服の背当て部は内布部と外布部とで２重になっており、
    前記スリットを通してシートベルトが内布部と外布部と
    の間の空間に挿通可能となっていることを特徴とするチ
    ャイルド用保護服。