JP2000328124A - シリコマンガン製造時の副成スラグの再利用方法 - Google Patents
シリコマンガン製造時の副成スラグの再利用方法Info
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- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 廃棄物の減少を図るべく、シリコマンガン製
造時に副成するスラグを再利用すること。 【解決手段】 電気炉または転炉にマンガン鉱石などの
マンガン酸化物、ケイ石などのシリコン酸化物、固体炭
素物質および造滓材を装入し溶融還元精錬によるシリコ
マンガンを製造する際に副成するスラグを再利用する方
法であって、転炉で溶銑を鋼に精錬する際に前記副成ス
ラグを精錬用副原料およびマンガン源として用いるこ
と。
造時に副成するスラグを再利用すること。 【解決手段】 電気炉または転炉にマンガン鉱石などの
マンガン酸化物、ケイ石などのシリコン酸化物、固体炭
素物質および造滓材を装入し溶融還元精錬によるシリコ
マンガンを製造する際に副成するスラグを再利用する方
法であって、転炉で溶銑を鋼に精錬する際に前記副成ス
ラグを精錬用副原料およびマンガン源として用いるこ
と。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再利用されずに埋
立処理などの廃棄処理されるスラグ量の低減を図るべ
く、溶融還元精錬によるシリコマンガンを製造する際に
副成するスラグを、溶銑の転炉精錬における副原料およ
びマンガン源として用いるようにした、シリコマンガン
製造時の副成スラグの再利用方法に関するものである。
立処理などの廃棄処理されるスラグ量の低減を図るべ
く、溶融還元精錬によるシリコマンガンを製造する際に
副成するスラグを、溶銑の転炉精錬における副原料およ
びマンガン源として用いるようにした、シリコマンガン
製造時の副成スラグの再利用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】シリ
コマンガンは、電気炉あるいは転炉において、マンガン
鉱石などのマンガン酸化物、ケイ石などのシリコン酸化
物、石炭,コークスなどの固体炭素物質(熱源および還
元材として機能するもの)、および石灰,石灰石などの
造滓材を装入し、これら装入原料を加熱,溶融,還元し
て製造される。この溶融還元精錬によるシリコマンガン
の製造時に副成するスラグ(以下、シリコマンガン製造
副成スラグという)は、質量%で、T.Mn:5〜50
%、SiO2 :10〜70%、CaO:10〜40%、
MgO:1〜10%、Al2 O3 :5〜15%、という
代表的範囲の化学組成を有している。そして、該スラグ
については、従来、その多くが埋立処理などの廃棄処理
されており、一部について例えば次のように再利用・再
使用されている。
コマンガンは、電気炉あるいは転炉において、マンガン
鉱石などのマンガン酸化物、ケイ石などのシリコン酸化
物、石炭,コークスなどの固体炭素物質(熱源および還
元材として機能するもの)、および石灰,石灰石などの
造滓材を装入し、これら装入原料を加熱,溶融,還元し
て製造される。この溶融還元精錬によるシリコマンガン
の製造時に副成するスラグ(以下、シリコマンガン製造
副成スラグという)は、質量%で、T.Mn:5〜50
%、SiO2 :10〜70%、CaO:10〜40%、
MgO:1〜10%、Al2 O3 :5〜15%、という
代表的範囲の化学組成を有している。そして、該スラグ
については、従来、その多くが埋立処理などの廃棄処理
されており、一部について例えば次のように再利用・再
使用されている。
【0003】レンガの着色剤として再利用されている
ものの、需要が少なく再利用される量は極めて少ない。
スラグ中に残留しているマンガン成分をできる限り利
用すべく、シリコマンガン製造時に溶融させたシリコマ
ンガン製造副成スラグを添加することが行われている。
また、スラグ中に含まれているCaO,MgO成分を
活用するため、高炉に装入する焼結鉱をつくるための焼
結原料に混ぜて再利用されている。
ものの、需要が少なく再利用される量は極めて少ない。
スラグ中に残留しているマンガン成分をできる限り利
用すべく、シリコマンガン製造時に溶融させたシリコマ
ンガン製造副成スラグを添加することが行われている。
また、スラグ中に含まれているCaO,MgO成分を
活用するため、高炉に装入する焼結鉱をつくるための焼
結原料に混ぜて再利用されている。
【0004】しかし前記の従来技術では、再使用され
るシリコマンガン製造副成スラグは、マンガン源として
活用されているものの、SiO2 ,CaO,MgOなど
の他の成分については活用されていない。また、併用さ
れる還元剤が酸化することによりスラグ発生量自体は再
使用の前後でほとんど変化せず、埋立処理などの廃棄処
理されるスラグ量の低減につながっていない。
るシリコマンガン製造副成スラグは、マンガン源として
活用されているものの、SiO2 ,CaO,MgOなど
の他の成分については活用されていない。また、併用さ
れる還元剤が酸化することによりスラグ発生量自体は再
使用の前後でほとんど変化せず、埋立処理などの廃棄処
理されるスラグ量の低減につながっていない。
【0005】また、前記の従来技術では、シリコマン
ガン製造副成スラグのCaOおよびMgO成分は活用さ
れているものの、該スラグはAl2 O3 の濃度が10%
程度と高いことから、これを希釈するために焼結原料に
あらたに余分に低Al2 O3濃度の原料を配合する必要
があり、このため高炉スラグ発生量が増えてしまうとい
う不具合がある。なお、焼結原料に低Al2 O3 濃度が
求められる理由は、高炉スラグ中のAl2 O3 濃度が高
くなることで該スラグの粘性が高くなり、これによって
高炉内通気性や排滓性が悪くなって高炉操業に悪影響を
もたらすので、これを回避するためである。
ガン製造副成スラグのCaOおよびMgO成分は活用さ
れているものの、該スラグはAl2 O3 の濃度が10%
程度と高いことから、これを希釈するために焼結原料に
あらたに余分に低Al2 O3濃度の原料を配合する必要
があり、このため高炉スラグ発生量が増えてしまうとい
う不具合がある。なお、焼結原料に低Al2 O3 濃度が
求められる理由は、高炉スラグ中のAl2 O3 濃度が高
くなることで該スラグの粘性が高くなり、これによって
高炉内通気性や排滓性が悪くなって高炉操業に悪影響を
もたらすので、これを回避するためである。
【0006】さらに、この前記の従来技術では、シリ
コマンガン製造副成スラグのマンガン酸化物の濃度が高
いことから、還元性雰囲気である高炉内で該マンガン酸
化物がMnに還元される際に吸熱反応が生じ、熱効率の
低下を招く。このように、シリコマンガン製造時の副成
スラグは、焼結原料として不必要なAl2 O3 などの成
分を多く含有しているため、コストアップを伴って焼結
原料として再利用されていることになっている。
コマンガン製造副成スラグのマンガン酸化物の濃度が高
いことから、還元性雰囲気である高炉内で該マンガン酸
化物がMnに還元される際に吸熱反応が生じ、熱効率の
低下を招く。このように、シリコマンガン製造時の副成
スラグは、焼結原料として不必要なAl2 O3 などの成
分を多く含有しているため、コストアップを伴って焼結
原料として再利用されていることになっている。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、溶融還元精錬によるシリコマンガンの
製造時に副成するスラグを、溶銑の転炉精錬における副
原料およびマンガン源として用いることにより、有効に
再利用することができるようにした、シリコマンガン製
造時の副成スラグの再利用方法を提供することを目的と
するものである。
たものであって、溶融還元精錬によるシリコマンガンの
製造時に副成するスラグを、溶銑の転炉精錬における副
原料およびマンガン源として用いることにより、有効に
再利用することができるようにした、シリコマンガン製
造時の副成スラグの再利用方法を提供することを目的と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、電気炉または転炉にマンガン
鉱石などのマンガン酸化物、ケイ石などのシリコン酸化
物、固体炭素物質および造滓材を装入し溶融還元精錬に
よるシリコマンガンを製造する際に副成するスラグを再
利用する方法であって、転炉で溶銑を鋼に精錬する際に
前記副成スラグを精錬用副原料およびマンガン源として
用いることを特徴とする、シリコマンガン製造時の副成
スラグの再利用方法である。
めに、請求項1の発明は、電気炉または転炉にマンガン
鉱石などのマンガン酸化物、ケイ石などのシリコン酸化
物、固体炭素物質および造滓材を装入し溶融還元精錬に
よるシリコマンガンを製造する際に副成するスラグを再
利用する方法であって、転炉で溶銑を鋼に精錬する際に
前記副成スラグを精錬用副原料およびマンガン源として
用いることを特徴とする、シリコマンガン製造時の副成
スラグの再利用方法である。
【0009】請求項2の発明は、請求項1記載のシリコ
マンガン製造時の副成スラグの再利用方法において、前
記転炉で溶銑を鋼に精錬する際に前記副成スラグを吹練
開始前もしくは吹練途中に溶湯上に添加すること、又は
溶銑装入前に前記転炉に入れ置きすることを特徴とする
ものである。
マンガン製造時の副成スラグの再利用方法において、前
記転炉で溶銑を鋼に精錬する際に前記副成スラグを吹練
開始前もしくは吹練途中に溶湯上に添加すること、又は
溶銑装入前に前記転炉に入れ置きすることを特徴とする
ものである。
【0010】このような特徴を有する本発明について説
明する。シリコマンガン製造副成スラグは、マンガン成
分を5〜50%程度と多く含有し、転炉精錬におけるマ
ンガンの供給源となり得、従来に比べて、転炉内に添加
するマンガン鉱石の使用量を減らしたり、転炉出鋼時に
取鍋内へ添加するフェロマンガン,シリコマンガン,金
属マンガンなどのマンガン添加目的の合金鉄の使用量を
減らしたりすることができる。また、シリコマンガン製
造副成スラグは、SiO2 を10〜70%程度と多く含
有し、転炉精錬でのSiO2 の供給源となり得、従来に
比べて、転炉スラグの塩基度調整の目的で添加するろう
石,ケイ石,蛇紋岩などのSiO2 源となる精錬用副原
料(造滓材)の使用量を減らすことができる。
明する。シリコマンガン製造副成スラグは、マンガン成
分を5〜50%程度と多く含有し、転炉精錬におけるマ
ンガンの供給源となり得、従来に比べて、転炉内に添加
するマンガン鉱石の使用量を減らしたり、転炉出鋼時に
取鍋内へ添加するフェロマンガン,シリコマンガン,金
属マンガンなどのマンガン添加目的の合金鉄の使用量を
減らしたりすることができる。また、シリコマンガン製
造副成スラグは、SiO2 を10〜70%程度と多く含
有し、転炉精錬でのSiO2 の供給源となり得、従来に
比べて、転炉スラグの塩基度調整の目的で添加するろう
石,ケイ石,蛇紋岩などのSiO2 源となる精錬用副原
料(造滓材)の使用量を減らすことができる。
【0011】また、シリコマンガン製造副成スラグは、
CaOを10〜40%程度と多く含有し、転炉精錬での
CaOの供給源となり得、従来に比べて、転炉スラグの
塩基度調整の目的で添加する焼石灰,石灰石,軽焼ドロ
マイト,生ドロマイトなどのCaO源となる精錬用副原
料の使用量を減らすことができる。さらに、シリコマン
ガン製造副成スラグは、MgOを1〜10%程度含有
し、転炉精錬におけるMgOの供給源となり得、従来に
比べて、転炉内耐火物の溶出抑制の目的で添加する軽焼
ドロマイト,生ドロマイト,蛇紋岩などのMgO源とな
る精錬用副原料の使用量を減らすことができる。
CaOを10〜40%程度と多く含有し、転炉精錬での
CaOの供給源となり得、従来に比べて、転炉スラグの
塩基度調整の目的で添加する焼石灰,石灰石,軽焼ドロ
マイト,生ドロマイトなどのCaO源となる精錬用副原
料の使用量を減らすことができる。さらに、シリコマン
ガン製造副成スラグは、MgOを1〜10%程度含有
し、転炉精錬におけるMgOの供給源となり得、従来に
比べて、転炉内耐火物の溶出抑制の目的で添加する軽焼
ドロマイト,生ドロマイト,蛇紋岩などのMgO源とな
る精錬用副原料の使用量を減らすことができる。
【0012】シリコマンガン製造副成スラグは、融点が
1300℃程度と例えば珪石単独の場合に比べて相当に
低く、一度溶融されたプリメルト品であるため、転炉に
添加されると短時間で容易に溶融する。また、Al2 O
3 成分は転炉スラグの融点を下げる働きをする。さら
に、マンガン酸化物成分および金属マンガン分が酸化さ
れて生成するMnOによっても転炉スラグの融点が下が
る。このため、シリコマンガン製造副成スラグは、転炉
内へ添加された焼石灰などの造滓材の滓化を促進させる
効果がある。その結果、滓化促進の目的で使用する蛍石
の使用量を従来に比べて減らすことができる。これはま
た、環境保全上問題のあるフッ素を多く含む蛍石の使用
量を減らす点からも有用である。
1300℃程度と例えば珪石単独の場合に比べて相当に
低く、一度溶融されたプリメルト品であるため、転炉に
添加されると短時間で容易に溶融する。また、Al2 O
3 成分は転炉スラグの融点を下げる働きをする。さら
に、マンガン酸化物成分および金属マンガン分が酸化さ
れて生成するMnOによっても転炉スラグの融点が下が
る。このため、シリコマンガン製造副成スラグは、転炉
内へ添加された焼石灰などの造滓材の滓化を促進させる
効果がある。その結果、滓化促進の目的で使用する蛍石
の使用量を従来に比べて減らすことができる。これはま
た、環境保全上問題のあるフッ素を多く含む蛍石の使用
量を減らす点からも有用である。
【0013】このように、シリコマンガン製造副成スラ
グは、転炉で溶銑を精錬する際に精錬用副原料およびマ
ンガン源として有効に再利用することができる。この結
果、再利用されずに埋立処理などの廃棄処理されるシリ
コマンガン製造副成スラグを従来に比べて大幅に減らす
ことができ、環境保全に寄与できる。また、従来に比べ
て転炉精錬での副原料の溶融に必要な熱エネルギーが少
なくてすむ。
グは、転炉で溶銑を精錬する際に精錬用副原料およびマ
ンガン源として有効に再利用することができる。この結
果、再利用されずに埋立処理などの廃棄処理されるシリ
コマンガン製造副成スラグを従来に比べて大幅に減らす
ことができ、環境保全に寄与できる。また、従来に比べ
て転炉精錬での副原料の溶融に必要な熱エネルギーが少
なくてすむ。
【0014】転炉精錬では、溶銑はそのまま転炉で精錬
する場合と、溶銑段階で脱珪・脱リン処理を行ってから
転炉で精錬する場合がある。本発明方法は、後者の脱珪
・脱リン処理された予備処理銑の精錬に適用する方がよ
り効果が大きい。つまり、予備処理銑はSi濃度が低く
これに起因して転炉精錬時に発生するSiO2 が低いの
で、転炉で脱リン目的で投入される焼石灰などの造滓材
が滓化しにくいために、塩基度調整目的でろう石などの
SiO2 源を多く必要とするとともに、これに伴って滓
化促進の目的で蛍石を多く必要とする。そこで、このよ
うな予備処理銑の精錬に本発明方法を適用すると、Si
O2 を多く含有するとともに滓化促進効果を持つシリコ
マンガン製造副成スラグを用いるようにしたものである
から、SiO2 源や蛍石の使用量の低減効果がより発揮
される。また、発生する転炉スラグ量が未処理溶銑に比
べて少ない予備処理銑に適用する方が、マンガンの歩留
りの点においても効果的である。また、熱エネルギーに
ついては、製鉄所内の合金鉄工場で発生したシリコマン
ガン製造副成スラグを熱間状態で転炉に装入するように
すれば、熱エネルギーがより有効に活用できる。
する場合と、溶銑段階で脱珪・脱リン処理を行ってから
転炉で精錬する場合がある。本発明方法は、後者の脱珪
・脱リン処理された予備処理銑の精錬に適用する方がよ
り効果が大きい。つまり、予備処理銑はSi濃度が低く
これに起因して転炉精錬時に発生するSiO2 が低いの
で、転炉で脱リン目的で投入される焼石灰などの造滓材
が滓化しにくいために、塩基度調整目的でろう石などの
SiO2 源を多く必要とするとともに、これに伴って滓
化促進の目的で蛍石を多く必要とする。そこで、このよ
うな予備処理銑の精錬に本発明方法を適用すると、Si
O2 を多く含有するとともに滓化促進効果を持つシリコ
マンガン製造副成スラグを用いるようにしたものである
から、SiO2 源や蛍石の使用量の低減効果がより発揮
される。また、発生する転炉スラグ量が未処理溶銑に比
べて少ない予備処理銑に適用する方が、マンガンの歩留
りの点においても効果的である。また、熱エネルギーに
ついては、製鉄所内の合金鉄工場で発生したシリコマン
ガン製造副成スラグを熱間状態で転炉に装入するように
すれば、熱エネルギーがより有効に活用できる。
【0015】本発明においては、製鋼用転炉としては還
元性能に優れた上底吹き型転炉が望ましい。また、転炉
精錬に際し、シリコマンガン製造副成スラグは、吹練開
始前もしくは吹練途中に溶湯上に添加しても、又は溶銑
装入前に転炉に入れ置きするようにしてもよい。
元性能に優れた上底吹き型転炉が望ましい。また、転炉
精錬に際し、シリコマンガン製造副成スラグは、吹練開
始前もしくは吹練途中に溶湯上に添加しても、又は溶銑
装入前に転炉に入れ置きするようにしてもよい。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。転
炉容量240トンの上底吹き型転炉において、普通鋼を
溶製すべく該転炉に主原料として溶銑とスクラップを装
入し、表1に示すように精錬用副原料とともにシリコマ
ンガン製造副成スラグを投入して吹練を行った。精錬終
了後の出鋼時とその後の溶鋼処理段階とにおいて成分調
整のために取鍋内溶鋼にシリコマンガンを添加した。
炉容量240トンの上底吹き型転炉において、普通鋼を
溶製すべく該転炉に主原料として溶銑とスクラップを装
入し、表1に示すように精錬用副原料とともにシリコマ
ンガン製造副成スラグを投入して吹練を行った。精錬終
了後の出鋼時とその後の溶鋼処理段階とにおいて成分調
整のために取鍋内溶鋼にシリコマンガンを添加した。
【0017】本実施例1〜5で使用したシリコマンガン
製造副成スラグの化学成分は、質量%で、SiO2 :4
0%、CaO:18%、MgO:4%、Al2 O3 :1
1%、T.Mn:17%、である。実施例1〜5および
比較例1における溶銑は予備処理銑であり、その化学成
分は、質量%で、Si:0.3%、P:0.030%、
Mn:0.30%、である。また、実施例1〜5では、
シリコマンガン製造副成スラグは吹練途中に溶湯上に添
加した。製品については、質量%で、Pの上限値:0.
015%、Cの目標値:0.30〜0.60%、Mnの
目標値:0.50%である。
製造副成スラグの化学成分は、質量%で、SiO2 :4
0%、CaO:18%、MgO:4%、Al2 O3 :1
1%、T.Mn:17%、である。実施例1〜5および
比較例1における溶銑は予備処理銑であり、その化学成
分は、質量%で、Si:0.3%、P:0.030%、
Mn:0.30%、である。また、実施例1〜5では、
シリコマンガン製造副成スラグは吹練途中に溶湯上に添
加した。製品については、質量%で、Pの上限値:0.
015%、Cの目標値:0.30〜0.60%、Mnの
目標値:0.50%である。
【0018】シリコマンガン製造副成スラグは、マンガ
ン源としての役割を担うとともに、SiO2 源、CaO
源及びMgO源としての役割を担い、さらに滓化促進の
効果を持っており、シリコマンガン製造副成スラグを用
いた実施例1〜5では、該副成スラグを使用しない比較
例1に比べて、ろう石(SiO2 源)、焼石灰(CaO
源)、軽焼ドロマイト(MgO源)および滓化促進用の
蛍石の使用量を減らして吹練を行った。そして、出鋼時
および溶鋼処理段階で取鍋内溶鋼にフェロマンガンを添
加し、製品規定値に合わせて成分調整を行った。結果を
表1に示す。
ン源としての役割を担うとともに、SiO2 源、CaO
源及びMgO源としての役割を担い、さらに滓化促進の
効果を持っており、シリコマンガン製造副成スラグを用
いた実施例1〜5では、該副成スラグを使用しない比較
例1に比べて、ろう石(SiO2 源)、焼石灰(CaO
源)、軽焼ドロマイト(MgO源)および滓化促進用の
蛍石の使用量を減らして吹練を行った。そして、出鋼時
および溶鋼処理段階で取鍋内溶鋼にフェロマンガンを添
加し、製品規定値に合わせて成分調整を行った。結果を
表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1に示すように、転炉スラグ量がほぼ同
じ値である条件において、実施例1〜5によると比較例
1と同様に吹止時のP濃度が規格上限値0.015%以
下を満足する脱リンを行うことができた。本実施例で
は、再利用できるシリコマンガン製造副成スラグは溶鋼
トン当たり2〜12kg程度の範囲であった。また、吹
止時のMn濃度は該副成スラグを使用することで比較例
1に比べ高くなり、成分調整のために精錬終了後取鍋溶
鋼に添加したフェロマンガンの使用量を比較例1よりも
減らすことができた。
じ値である条件において、実施例1〜5によると比較例
1と同様に吹止時のP濃度が規格上限値0.015%以
下を満足する脱リンを行うことができた。本実施例で
は、再利用できるシリコマンガン製造副成スラグは溶鋼
トン当たり2〜12kg程度の範囲であった。また、吹
止時のMn濃度は該副成スラグを使用することで比較例
1に比べ高くなり、成分調整のために精錬終了後取鍋溶
鋼に添加したフェロマンガンの使用量を比較例1よりも
減らすことができた。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の方法による
と、溶融還元精錬によるシリコマンガンの製造時に副成
するスラグを、製鋼用転炉で溶銑を精錬する際に精錬用
副原料およびマンガン源として有効に再利用することが
でき、これにより精錬用副原料コストを下げることがで
きるとともに、シリコマンガン製造時に副成するスラグ
について、再利用されずに埋立処理などの廃棄処理され
るスラグ量を従来に比べて大幅に減らすことができる。
と、溶融還元精錬によるシリコマンガンの製造時に副成
するスラグを、製鋼用転炉で溶銑を精錬する際に精錬用
副原料およびマンガン源として有効に再利用することが
でき、これにより精錬用副原料コストを下げることがで
きるとともに、シリコマンガン製造時に副成するスラグ
について、再利用されずに埋立処理などの廃棄処理され
るスラグ量を従来に比べて大幅に減らすことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 33/04 C22C 33/04 E
Claims (2)
- 【請求項1】 電気炉または転炉にマンガン鉱石などの
マンガン酸化物、ケイ石などのシリコン酸化物、固体炭
素物質および造滓材を装入し溶融還元精錬によるシリコ
マンガンを製造する際に副成するスラグを再利用する方
法であって、転炉で溶銑を鋼に精錬する際に前記副成ス
ラグを精錬用副原料およびマンガン源として用いること
を特徴とする、シリコマンガン製造時の副成スラグの再
利用方法。 - 【請求項2】 前記転炉で溶銑を鋼に精錬する際に前記
副成スラグを吹練開始前もしくは吹練途中に溶湯上に添
加すること、又は溶銑装入前に前記転炉に入れ置きする
ことを特徴とする請求項1記載のシリコマンガン製造時
の副成スラグの再利用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13116899A JP2000328124A (ja) | 1999-05-12 | 1999-05-12 | シリコマンガン製造時の副成スラグの再利用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13116899A JP2000328124A (ja) | 1999-05-12 | 1999-05-12 | シリコマンガン製造時の副成スラグの再利用方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000328124A true JP2000328124A (ja) | 2000-11-28 |
Family
ID=15051608
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13116899A Pending JP2000328124A (ja) | 1999-05-12 | 1999-05-12 | シリコマンガン製造時の副成スラグの再利用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000328124A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009249644A (ja) * | 2008-04-01 | 2009-10-29 | Kobe Steel Ltd | プリメルト滓化促進剤の投入方法 |
JP2010215969A (ja) * | 2009-03-17 | 2010-09-30 | Nippon Steel Corp | 電気炉スラグの利用方法 |
CN115595493A (zh) * | 2022-10-28 | 2023-01-13 | 华北理工大学(Cn) | 一种基于锰铁还原脱磷冶炼低磷高锰钢的方法 |
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1999
- 1999-05-12 JP JP13116899A patent/JP2000328124A/ja active Pending
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US12071681B2 (en) | 2022-10-28 | 2024-08-27 | North China University Of Science And Technology | Method for smelting low-phosphorus high-manganese steel based on reduction dephosphorization of ferromanganese |
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