JP3580096B2 - 低Mn鋼の溶製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は転炉による鋼の溶製方法に係り、特に電磁鋼などに用いるMn含有量が0.1%(重量比)以下の低Mn鋼の溶製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
加工性の優れた深絞り鋼板や電磁鋼板、特に方向性電磁鋼板は、その特性上Mn含有量の非常に少ないこと、たとえば0.1%以下とすることが要求される。かかる鋼の溶製に当たっては、一般に転炉による鋼の吹錬過程中において、炉内スラグの(FeO)濃度を上昇させ、Mnの酸化を促進することが行われてきた。また出鋼の際のMnの還元を抑制して低Mn鋼を得るための方法として、特開平5−295417号公報記載のように転炉出鋼時に酸化ホウ素を添加する方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記炉内スラグの(FeO)濃度を上昇させる方法によるときは、吹錬過程においてFeの過剰な酸化を生じ、転炉歩留の低下を招く。また、Mn含有量を十分低下させようとするといわゆる吹止C(Cf)が極度に低下するため、鋼中N量が高くなるという問題が生ずる。
かかる問題を解決する手段の一つとして、転炉に装入する溶銑のMnを低くする方法があるが、製銑−製鋼間におけるMnのリサイクリングを阻害し、溶銑のコスト上昇を招き、ひいては製品コストが上昇するという問題がある。
また、前記特開平5−295417号公報記載の方法は、Mnの還元を防止する方法であるが、本質的な低Mn鋼の溶製については示唆するところがない。
本発明は、上記従来の低Mn鋼の吹錬の際に生ずる問題点を解決することを目的とし、鋼の歩留の低下を招くことなく、また低Mn溶銑を使用することなく極低Mn鋼を溶製できる方法を提案することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者等は、溶鋼の過度の酸化を避けながら溶鋼中Mn含有量を効果的に低下させる手段を明らかにすべく、酸素上吹き転炉におけるMnの挙動について種々の観点から考察を加え、本発明を完成したものであって、具体的には、低Mn鋼の溶製方法として、酸素上吹き転炉製鋼の吹錬末期において、重量比で、転炉スラグ塩基度を3.0以上、4.0以下とし、かつ転炉スラグのスラグ中全Fe量(T.Fe)を15%以上、25%以下に調整することとするものである。
さらに、本発明はスラグ組成について上記条件のほか、MgO濃度を8%以上、11%以下の範囲で含有することとするものである。
【0005】
【発明の実施の態様】
以下本発明について、操業実験に基づき説明する。
本発明の対象とする鋼は、低Mn鋼、特にMn含有量が0.01%以下の低Mn鋼であるが、その吹錬に当たってはいわゆる吹止(C)Cfを0.035%程度とし、鋼中Nの上昇を抑制することが前提となる。そのため本発明においては、吹錬末期におけるスラグ中(FeO)は一定の高いレベルとする必要があり、吹錬末期に鉄鉱石を炉中に投入してスラグ中(FeO)を上昇させる。
【0006】
本発明の第1の要点は、かかる条件の下において、溶鋼の過度の酸化を避けながら、溶鋼中Mn含有量を効果的に低下させることにあり、その目的を達成するために前記吹き止めC(C f )を維持する程度にスラグ中(FeO)を留めながら低Mn化を達成するためにスラグ塩基度を3.0以上、4.0以下に調整する点にある。図1は、スラグ中(FeO)の指標として、スラグ中全Fe量(T.Fe)をとり、それに対するMn分配比LMn(スラグ中Mn含有量(%)に対する鋼中Mn含有量(%)の比)の変化をスラグ塩基度(B、全転炉装入CaOに対する全転炉装入SiO2の比)をパラメーターとして表したものであるが、スラグ中全Fe量(T.Fe)が15〜25%の範囲においてスラグ塩基度Bが低いほどMn分配比LMnが大きくなることが分かる。この観点からすればスラグ塩基度は低ければ低い方がよいが、塩基度が3.0より低いときには転炉操業においてスロツピングが生じ歩留の低下を招くので塩基度の下限を3.0とする。塩基度の上限は4.0とする。これ以上の値ではT.Fe、換言すればスラグ中(FeO)量を極めて大きくしなければ十分なMn分配比LMnを得ることができず、Fe歩留の低下とCの著しい低下に伴うN量の上昇を招き、好ましくない。従って塩基度Bは3.0〜4.0の範囲とする。
【0007】
本発明においてはスラグ中全Fe量(T.Fe)は15〜25%の範囲に収める。この値が15%より低いときには、脱酸力不足となってMnの滓化が進行せず、一方25%より高いときには、Feの過度の酸化による転炉歩留の低下を招くばかりか、鋼中Cの異常な低下により鋼中Nの上昇を招き、好ましくないからである。
【0008】
上記の条件を満たすように転炉操業を行えば吹止C(Cf)をほぼ0.035%に維持しながら低Mn鋼を溶製することができるが、Mn分配比を一層上げるためにはスラグ中MgO含有量を8%以上、11%以下に調整するのがよい。
図2は、スラグ中MgO濃度に対するMn分配比LMnの挙動を示したものであるが、MgO含有量が8%以上の範囲においてMn分配比LMnが上昇することが分かる。しかしながらMgO含有量が11%を越えるとスラグ中にMgO固相が晶出し、スラグの流動性を害するためMgO含有量は11%以下とする。
【0009】
上記に記載したスラグ組成の調整は、転炉操業末期、すなわち出鋼直前に達成されていればよい。そのため、転炉操業末期におけるサブランスによる鋼成分のチェック、測温などの終了後、適量の鉄鉱石、SiO2、CaO等の造滓材を添加し、スラグ組成の調整をはかる。なお、MgOの添加はMgO−SiO2系化合物、たとえば蛇紋岩、かんらん岩などを適量添加することにより行えばよい。
【0010】
【実施例】
純酸素上吹転炉(ヒートサイズ180t)に溶銑(C:4.20%、Si:0.01%、Mn:0.20%、P:0.023%、S:0.003%)を装入し、炉底からアルゴンガスを吹き込みながら、吹錬した。その際、吹錬初期から末期までの間に溶銑トン(t)当り、生石灰:20kg、珪石:2kg、かんらん岩:9kg、鉄鉱石:12kgを投入し最終スラグ組成を調整した。その結果、精錬末期における最終スラグ組成は、CaO:50%、SiO2:14%、MgO:9.7%、MnO:4.6%、P205:1%、塩基度:3.5、FeO:21.7%(T.Fe換算:17%)となった。なお、スラグ量は溶鋼トン当り40kgであった。上記組成を有する最終スラグのもとで、吹錬を継続した結果、C:0.04%、Si:tr、Mn:0.06%、P:0.004%、S:0.003%、N:0.0020%の溶鋼が得られた。ここに示すように、Mnは十分低下したにもかかわらず、Cの過度の低下は認められず、Nの上昇も認められなかった。また、出鋼歩留も95%と十分高かった。
【0011】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成したので、転炉操業過程においてMnをCfの極端な低下を伴うことなく効率的に低下させうる。その結果、鋼中Nの上昇を招くことがなく電磁鋼板等の材質確保に寄与する。また本発明により、転炉に装入する溶銑等鉄源のMn含有量の制限が緩和され、それによって製銑−製鋼間のMnリサイクルが円滑に行われるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スラグ中全Fe量(T.Fe)の変化に対するMn分配比LMnの変化を塩基度をパラメータとして表した線図である。
【図2】スラグ中MgO濃度に対するMn分配比LMnの挙動を示した線図である。
Claims (1)
- 酸素上吹き転炉の吹練末期において、重量比で、
転炉スラグ塩基度を3.0以上、4.0以下とし、転炉スラグ中のMgOを8%以上、11%以下の範囲で含有し、かつ転炉スラグのスラグ中全Fe量(T.Fe)を15%以上、25%以下に調整することを特徴とする低Mn鋼の溶製方法。
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