JP2000327866A - ポリプロピレン製容器 - Google Patents

ポリプロピレン製容器

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JP2000327866A
JP2000327866A JP14433099A JP14433099A JP2000327866A JP 2000327866 A JP2000327866 A JP 2000327866A JP 14433099 A JP14433099 A JP 14433099A JP 14433099 A JP14433099 A JP 14433099A JP 2000327866 A JP2000327866 A JP 2000327866A
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JP
Japan
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mfr
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propylene
block copolymer
parts
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JP14433099A
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English (en)
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Masayoshi Horikoshi
政良 堀越
Masakazu Suzuki
昌和 鈴木
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】衝撃強度が大きく、かつ有機溶剤に対する耐膨
潤性に優れたポリプロピレン製容器を提供すること。 【解決手段】2槽以上の重合器を直列に用いた第1重合
工程で得られるプロピレンを主体とする重合体部分(以
下、PP部ということがある)60〜95重量%と、第
2重合工程で得られるエチレンを比較的多量に含有する
重合体部分(以下、RC部ということがある)5〜40
重量%の合計100重量%からなるブロック共重合体で
あって、第1重合工程の各槽で得られる重合体のメルト
フローレートの最高値と最小値およびPP部のメルトフ
ローレートとRC部のメルトフローレートがそれぞれ特
定の関係を有する、高剛性プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体に、核剤を配合した組成物、該組成物にさら
にエラストマ−もしくはエラストマ−と高密度ポリエチ
レンの特定量を配合した組成物を素材樹脂としてポリプ
ロピレン製容器とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機溶剤による膨
潤の小さい、ポリプロピレン製容器に関する。さらに詳
しくは、特定の高剛性プロピレン−エチレンブロック共
重合体に核剤を配合した組成物(A)、該組成物(A)
にエラストマ−もしくはエラストマ−および高密度ポリ
エチレンの特定量をさらに配合した組成物(B)および
(C)を素材樹脂とした、衝撃強度と耐膨潤性に優れた
ポリプロピレン製容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、炭化水素、塩素系炭化水素、
芳香族系、エステル類、ケトン類等の有機溶媒の容器と
して、プロピレン−エチレンブロック共重合体やプロピ
レン単独重合体を、射出成形法やブロー成形法により成
形したポリプロピレン製容器が知られている。
【0003】しかしながら、これらポリプロピレン製容
器は、ブロック共重合体を使用した容器にあっては、衝
撃強度は良好であるが耐膨潤性が劣り、プロピレン単独
重合体を使用した容器にあっては、耐膨潤性は優れるが
衝撃強度が劣るといった欠点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、衝撃強度が
大きく、かつ有機溶剤に対する耐膨潤性に優れたポリプ
ロピレン製容器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため鋭意研究した結果、特定のプロピレン
−エチレンブロック共重合体に核剤を配合した組成物
(A)、該組成物(A)にエラストマ−もしくはエラス
トマ−および高密度ポリエチレンの特定量をさらに配合
した組成物(B)もしくは(C)を素材樹脂としたポリ
プロピレン製容器が、所期の性能を有することを見い出
し、この知見にもとづいて本発明を完成した。本発明は
下記の構成を有する。
【0006】(1)2槽以上の重合器を直列に用いた第
1重合工程で得られるプロピレンを主体とする重合体部
分(以下、PP部ということがある)60〜95重量%
と、第2重合工程で得られるエチレンを比較的多量に含
有する重合体部分(以下、RC部ということがある)5
〜40重量%の合計100重量%からなるブロック共重
合体であって、第1重合工程の各槽で得られる重合体の
メルトフローレートの最高値(以下MFR(h)とい
う)と最小値(以下MFR(l)という)とが 0.1≦log(MFR(h)/MFR(l))≦1 の関係を有し、かつ、PP部のメルトフローレート(以
下、MFR(p)という)とRC部のメルトフローレー
ト(以下MFR(r)という)とが 3≦log(MFR(p)/MFR(r))≦7 の関係を有する、高剛性プロピレン−エチレンブロック
共重合体100重量部に対して、核剤を0.01〜0.
3重量部の割合で配合した組成物(A)を素材樹脂とし
たポリピロピレン製容器。
【0007】(2)前記第1項記載の高剛性プロピレン
−エチレンブロック共重合体100重量部に対して、エ
ラストマーを3〜8重量部、核剤を0.01〜0.3重
量部の割合で配合した組成物(B)を素材樹脂としたポ
リプロピレン製容器。
【0008】(3)前記第1項記載の高剛性プロピレン
−エチレンブロック共重合体100重量部に対して、エ
ラストマーを3〜8重量部、メルトフローレート(19
0℃、21.18N)が5〜20g/10分、密度が
0.945〜0.963g/cm 3の高密度ポリエチレ
ン樹脂を10〜40重量部および核剤を0.01〜0.
3重量部の割合で配合した組成物(C)を素材樹脂とし
たポリプロピレン製容器。
【0009】(4)核剤がソジウム−2,2’−メチレ
ン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォス
フェート、ソジウム−ビス(p−t−ブチルフェニル)
フォスフェートおよびP−t−ブチル安息香酸アルミニ
ウムの中から選ばれる1種以上の核剤である前記(1)
〜(3)のいずれか1項記載のポリプロピレン製容器。
【0010】(5)エラストマーがメルトフローレート
(230℃、21.18N)3.0〜10g/10分、
密度0.885〜0.895g/cm3のプロピレン−
エチレン共重合体およびメルトフローレート(230
℃、21.18N)3.0〜10g/10分、密度0.
885〜0.895g/cm3のエチレン−α−オレフ
ィン共重合体の中から選ばれる1種以上のエラストマー
である前記(2)もしくは(3)のいずれか1項記載の
ポリプロピレン製容器。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のポリプロピレン製容器に
用いる高剛性プロピレン−エチレンブロック共重合体
は、2槽以上の重合器を直列に用いた第1重合工程で得
られるプロピレンを主体とする重合体部分(以下、PP
部ということがある)60〜95重量%と、第2重合工
程で得られるエチレンを比較的多量に含有する重合体部
分(以下、RC部ということがある)5〜40重量%の
合計100重量%からなるブロック共重合体であって、
第1重合工程の各槽で得られる重合体のメルトフローレ
ートの最高値(以下MFR(h)という)と最小値(以
下MFR(l)という)とが 0.1≦log(MFR(h)/MFR(l))≦1 の関係を有し、かつ、PP部のメルトフローレート(以
下MFR(p)という)とRC部のメルトフローレート
(以下MFR(r)という)とが 3≦log(MFR(p)/MFR(r))≦7 の関係を有する、高剛性プロピレン−エチレンブロック
共重合体である。該PP部とRC部の重量比(PP)/
(RC)は1.5〜19が好ましい。この比が1.5未
満では得られるポリプロピレン製容器の耐膨潤性は向上
するが、反面、衝撃強度不足となり、19を超えると衝
撃強度は向上するが耐膨潤性が低下する。
【0012】本発明で用いる高剛性プロピレン−エチレ
ンブロック共重合体は、メルトフローレート(以下MF
Rと略記することがある)が0.5〜60(g/10
分)のものである。該MFRが0.5未満では溶融時の
粘性が高く成形性が低下し、MFRが60を超すと得ら
れる成形品の強度が脆くなる場合がある。
【0013】本発明で用いる高剛性プロピレン−エチレ
ンブロック共重合体のPP部は、プロピレン100〜9
5重量%とエチレン0〜5重量%とからなるモノマーを
供給し、2槽以上の重合器を直列に用いた第1重合工程
で、プロピレン単独重合体もしくはプロピレン含有量が
95重量%以上のプロピレン−エチレン共重合体として
得られる。エチレン含有量が5重量%を超すと、ポリプ
ロピレンの特徴である剛性、耐熱性等の物性が低下する
ことがある。
【0014】また、第1重合工程の各槽で得られる重合
体のメルトフローレートの最高値(MFR(h))と最
小値(MFR(l))とが 0.1≦log(MFR(h)/MFR(l))≦1 の関係にある必要がある。このlog(MFR(h)/
MFR(l))が0.1未満であると得られるポリプロ
ピレン製容器の剛性が低下することがあり、1を超すと
耐衝撃性が低下することがある。
【0015】ここでMFR(h)とMFR(l)は次の
要領で測定(算出)する。すなわち、第1重合工程は2
槽以上の重合器を直列につないで用いる多段重合法であ
るので、便宜上、3段重合法を例にとって説明する。第
1段の重合が終了した時点で、重合反応液の一部を抜き
出し、その中に含有されるポリマ−の量(触媒の単位重
量当たりのポリマ−生成量)とMFR(MFR1とい
う)とを測定する。
【0016】引き続き第2段の重合反応を実施し、その
終了時点で重合反応液の一部を抜き出し、その中に含有
されるポリマ−の量とそのポリマ−のMFR(MFR(i
i)という)を測定する。第1段におけるポリマ−生成量
の比(a)および第2段におけるポリマ−生成量の比
(b)の合計a+b=1とし、第2段で得られたポリマ
−のMFR(MFR2という)を次式で求める。 logMFR(ii)=a×MFR1+b×logMFR
2。
【0017】引き続き同じ要領で第3段の重合反応を実
施し、第3段の重合反応終了時点で重合反応液の一部を
抜き出し、その中に含有されるポリマ−の量とそのポリ
マ−のMFR(MFR(iii)という)を測定する。第
1段〜第3段の各段におけるポリマ−生成量の比
(a),(b)および(c)の合計a+b+c=1と
し、第3段で得られたポリマ−のMFR(MFR3とい
う)を次式より求める。 logMFR(iii)=a×MFR1+b×logMFR
2+c×logMFR3。 以下、同様にして各段で得られるポリマ−とMFRとを
測定(算出)し、その中から最高値(MFR(h))と
最小値(MFR(l))とを選び出す。
【0018】本発明で用いる高剛性プロピレン−エチレ
ンブロック共重合体のRC部は、プロピレン0〜10重
量%とエチレン100〜10重量%とからなるモノマー
を供給した第2重合工程で、エチレン含有量45〜55
重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体として
得られる。かくして得られた高剛性プロピレン−エチレ
ンブロック共重合体は、第1重合工程で得られるPP部
のメルトフローレート(MFR(p))と第2重合工程
で得られるRC部のメルトフローレート(MFR
(r))とが 3≦log(MFR(p)/MFR(r))≦7 の関係を有する必要がある。このlog(MFR(p)
/MFR(r))が3未満であると得られるポリプロピ
レン製容器の耐衝撃性が低下することがあり、7を超す
と重合体の収率が悪くなり、実用的でない。
【0019】このMFR(p)とMFR(r)の測定は
次の要領で実施する。すなわち、MFR(p)は上記第
1重合工程を完了した時点で得られる全ポリマ−のMF
R(たとえば、上記3段重合法であればMFR(iii)に
相当)である。また、第1重合工程で得られたポリマ−
の重合量(触媒単位重量当たりの生成量)を測定する
(生成量比をpとする)。第1重合工程に引き続き実施
する第2重合工程の終了時点で重合反応液の一部を抜き
出し、その中に含有されるポリマ−の生成量(その生成
量比をxとする)とそのMFR(MFR(x)という)
を測定し、第1重合工程と第2重合工程の各工程におけ
るポリマ−の生成量の比の合計p+x=1として、第2
重合工程で得られたポリマ−のMFR(MFR(r)と
いう)を次式より求める。 logMFR(x)=(a+b+c)×logMFR
(p)+x×MFR(r)
【0020】なお、上記各ポリマ−のMFRは、JIS
Kー7210の表1の条件14(230℃、21.1
8N)により測定される。また、後述のポリエチレンの
MFRは、JIS K−7210の表1の条件4(19
0℃、21.18N)により測定される。
【0021】かかる高剛性プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体は、例えば特開平8−59766号公報に記
載された方法によって製造できる。すなわち、四塩化チ
タン、炭酸マグネシウム、およびフタル酸ジ−n−ブチ
ルを含有する固体触媒成分と、トリエチルアルミニウ
ム、およびジ−i−プロピルジメトキシシランを組み合
わせた触媒系を用い、第1重合工程では2槽以上の重合
器を直列に用いて、プロピレンを主体とする重合体を
得、引き続き、第2重合工程でエチレンを比較的多量に
含有する重合体を得る。各重合工程において、水素等の
公知の分子量調節剤を用いることにより、それぞれのメ
ルトフローレートを所望の値に調整することができる。
【0022】本発明のポリプロピレン製容器の素材樹脂
の1つである組成物(A)は、上記の高剛性プロピレン
−エチレンブロック共重合体に核剤を配合することによ
って得られる。核剤の配合割合は該ブロック共重合体1
00重量部に対して0.01〜0.3重量部、好ましく
は0.1〜0.2重量部である。かかる核剤としては、
耐膨潤性の改善の点から、ソジウム−2,2’−メチレ
ン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォス
フェート、ソジウム−ビス(p−t−ブチルフェニル)
フォスフェートおよびP−t−ブチル安息香酸アルミニ
ウムの中から選ばれる1種以上の核剤が好ましい。
【0023】更に、上記の組成物(A)に、さらに、エ
ラストマーもしくはエラストマーと高密度ポリエチレン
の特定量を配合した組成物(B)もしくは(C)を素材
樹脂としても、本発明の目的とするポリプロピレン製容
器を得ることができる。
【0024】エラストマーとしては、高剛性プロピレン
−エチレンブロック共重合体と相溶性の高いエチレン−
プロピレンラバー(EPR)やスチレンブタジエンラバ
ー(SBR)を用いることができ、いずれも市販品とし
て入手できる。これらエラストマーの配合量は、耐膨潤
性を改善するためには、高剛性プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体100重量部に対して、3〜8重量部で
ある。
【0025】高密度ポリエチレンとしては、MFRが5
〜20(g/10分)、密度が0.945〜0.963
(g/cm3)の範囲にあるものが高剛性プロピレン−
エチレンブロック共重合体との相溶性が良好となるので
好ましい。これらポリエチレンの配合量は、耐衝撃性を
維持するためには、高剛性プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体100重量部に対して10〜40重量部であ
る。
【0026】このようにして得られる、本発明のポリプ
ロピレン製容器の素材樹脂である高剛性プロピレン−エ
チレンブロック共重合体に核剤、さらに、エラストマー
もしくはエラストマ−と高密度ポリエチレン樹脂からな
る組成物(A)〜(C)には、本発明の効果を損なわな
い範囲内で、低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレ
ンラバー、スチレン−ブタジエンラバー、ポリ酢酸ビニ
ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびその部分鹸化
物、無機充填剤(タルク、マイカ、ガラス繊維、ワラス
トナイト、ゼオライト、炭酸カルシウム、水酸化マグネ
シウムなど)などをそれぞれ配合するこができる。
【0027】また、上記の組成物(A)〜(C)には、
ポリオレフィンに通常使用される各種の安定剤、添加
剤、改質剤等を添加することができる。安定剤として
は、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、光安
定剤が、添加剤としては高級脂肪酸カルシウム、アンチ
ブロッキング剤、1,3,2,4−ジベンジリデンソル
ビトール、1,3,2,4−ジ(パラメチルベンジリデ
ン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(パラエチルベ
ンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(2,
4−ジメチルベンジリデン)ソルビトールなどの透明化
剤、あるいは帯電防止剤があり、改質剤としてはラジカ
ル発生剤、および各種カプリング剤(シラン系、チタネ
ート系、ボロン系、アルミネート系)などを挙げること
ができ、これらは高剛性プロピレン−エチレンブロック
共重合体100重量部に対して、0.01〜2.0重量
部の割合で配合される。
【0028】本発明のポリプロピレン製容器の素材樹脂
として用いる組成物(A)〜(C)は、上述の各種配合
成分の所定量を、例えばヘンシェルミキサー(商品
名)、スーパーミキサー、リボンブレンダー、タンブラ
ーミキサー、バンバリーミキサー、等の通常の混合装置
を用いて混合することによって得ることができる。得ら
れた混合物を、単軸もしくは2軸の押出機、あるいはロ
ールなどを用いて、溶融混練温度150〜300℃、好
ましくは180〜250℃でペレタイズすることによっ
て、ペレット状の組成物とすることもできる。
【0029】本発明のポリプロピレン製容器は、上記の
組成物(A)、(B)もしくは(C)を射出成形法、ブ
ロー成形法、インジェクションブロー成形法などの各種
成形法を用いて成形することで得られ、成形法には特に
限定されない、成形温度としては、180〜300℃、
好ましくは200〜260℃、金型温度は0〜80℃、
好ましくは20〜60℃である。
【0030】また、本発明のポリプロピレン製容器は医
薬品容器、香料容器、インク容器、有機薬品容器、無機
薬品容器などの各種用途に使用することができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれによって限定される
ものではない。なお、実施例および比較例で用いた評価
方法は次の方法によった。 1)高剛性プロピレン−エチレンブロック共重合体のメ
ルトフローレート:JIS K6758(230℃ 2
1.18N) に準拠。 2)高密度ポリエチレン樹脂のメルトフローレート:J
IS K6760(190℃ 21.18N) に準
拠。
【0032】3)膨潤率:JIS−K7113の1号試
験片(全長175mm:肉厚3.2mm)を用い、n−
ヘプタン、キシレン溶液にそれぞれ20℃、148時間
漬浸する。漬浸前後の試験片全長をノギス(測定精度
0.05mm)を用いて寸法を測定し、膨潤率を算出す
る。 膨潤率(%)=(漬浸後の寸法−漬浸前の寸法)×10
0/(漬浸前の寸法) 試験片は、単軸押し出し機を用い、窒素雰囲気下で溶融
混練温度230℃で造粒を行ったペレットを用いて、樹
脂温度250℃、射出1次圧1000kg/cm2、金
型温度50℃、サイクルタイム25秒の成形条件で成形
した。寸法測定は23±2℃の恒温室で48時間静置し
た後行う。
【0033】4)衝撃強度:JIS K7110に定め
られたアイゾット衝撃試験法により測定する(単位:k
J/m2)。試験片(肉厚10.0mm、幅4.0m
m)は溶融混練温度230℃で造粒を行ったペレットを
用い、射出1次圧1000kg/cm2、金型温度50
℃、サイクルタイム25秒の成形条件で射出成形し、2
3±2℃の恒温室で48時間静置した後試験を行う。
【0034】実施例1〜18 後述の表1〜3に示した高剛性プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体に核剤を配合した組成物(A)、高剛性
プロピレン−エチレンブロック共重合体にエラストマー
と核剤を配合した組成物(B)もしくは高剛性プロピレ
ン−エチレンブロック共重合体にエラストマー、高密度
ポリエチレン樹脂および核剤を配合した組成物(C)
に、それぞれ、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防
止剤および高級脂肪酸カルシウム(中和剤)のそれぞれ
を後述の表1〜3に記載の配合割合でヘンセルーミキサ
ー(商品名)で2分間混合したのち、該混合物を口径4
0mmの単軸押出機を用いて、溶融混練温度230℃で
押し出し、ペレタイズした。実施各例で得られたペレッ
トを用いて、所定の試験片を調整し、上記の評価方法に
よって、n−ヘプタン、キシレン漬浸による膨潤率およ
び衝撃強度の評価を行った。その結果を後述の表1〜3
に示した。
【0035】比較例1〜15 後述の表4〜5に示した各種のプロピレン重合体に、核
剤、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤および
中和剤のそれぞれを後述の表3〜4に記載の配合割合で
実施例1〜18に準拠して、混合し、溶融混練、ペレタ
イズした。比較各例で得られたペレットを用いて、所定
の試験片を調製し、上記の評価方法によって評価を行っ
た。その結果を表4〜5に示した。
【0036】実施例および比較例に使用したポリプロピ
レン樹脂、配合剤は後述の表1〜5の下段に記載した。
また配合量はポリプロピレン樹脂100重量部に対する
重量部である。
【0037】
【発明の効果】従来からのポリプロピレン製容器は、衝
撃強度は良好であるが耐膨潤性が劣るか、耐膨潤性は良
好であるが衝撃強度が劣るかのいずれかであったが、本
発明のポリプロピレン製容器は、特定のプロピレン−エ
チレンブロック共重合体に核剤、特定のプロピレンブロ
ック共重合体樹脂に核剤とエラストマーもしくは該特定
のプロピレンブロック共重合体樹脂に核剤、エラストマ
ーと高密度ポリエチレン樹脂のそれぞれ特定量を配合し
た組成物(A)〜(C)を素材樹脂とした容器で、耐膨
潤性と衝撃強度に優れた容器であり、炭化水素類、塩素
化炭化水素類、芳香族類、エステル類、ケトン類などを
保存や運搬する容器として好適に使用することができ
る。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月25日(1999.5.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】
【表1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】
【表2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】
【表3】 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 53/00 B65D 1/00 A //(C08L 23/16 101:00) (C08L 23/16 23:08)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2槽以上の重合器を直列に用いた第1重
    合工程で得られるプロピレンを主体とする重合体部分
    (以下、PP部ということがある)60〜95重量%
    と、第2重合工程で得られるエチレンを比較的多量に含
    有する重合体部分(以下、RC部ということがある)5
    〜40重量%の合計100重量%からなるブロック共重
    合体であって、第1重合工程の各槽で得られる重合体の
    メルトフローレートの最高値(以下、MFR(h)とい
    う)と最小値(以下、MFR(l)という)とが 0.1≦log(MFR(h)/MFR(l))≦1 の関係を有し、かつ、PP部のメルトフローレート(以
    下、MFR(p)という)とRC部のメルトフローレー
    ト(以下、MFR(r)という)とが 3≦log(MFR(p)/MFR(r))≦7 の関係を有する、高剛性プロピレン−エチレンブロック
    共重合体100重量部に対して、核剤を0.01〜0.
    3重量部の割合で配合した組成物(A)を素材樹脂とし
    たポリプロピレン製容器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高剛性プロピレン−エチ
    レンブロック共重合体100重量部に対して、エラスト
    マーを3〜8重量部、核剤を0.01〜0.3重量部の
    割合で配合した組成物(B)を素材樹脂としたポリプロ
    ピレン製容器。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の高剛性プロピレン−エチ
    レンブロック共重合体100重量部に対して、エラスト
    マーを3〜8重量部、メルトフローレート(190℃、
    21.18N)が5〜20g/10分、密度が0.94
    5〜0.963g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂を
    10〜40重量部および核剤を0.01〜0.3重量部
    の割合で配合した組成物(C)を素材樹脂としたポリプ
    ロピレン製容器。
  4. 【請求項4】 核剤がソジウム−2,2’−メチレン−
    ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェ
    ート、ソジウム−ビス(p−t−ブチルフェニル)フォ
    スフェートおよびP−t−ブチル安息香酸アルミニウム
    の中から選ばれる1種以上の核剤である請求項1〜3の
    いずれか1項記載のポリプロピレン製容器。
  5. 【請求項5】 エラストマーがメルトフローレート(2
    30℃、21.18N)3.0〜10g/10分、密度
    0.885〜0.895g/cm3のプロピレン−エチ
    レン共重合体およびメルトフローレート(230℃、2
    1.18N)3.0〜10g/10分、密度0.885
    〜0.895g/cm3のエチレン−α−オレフィン共
    重合体の中から選ばれる1種以上のエラストマーである
    請求項2もしくは請求項3のいずれか1項記載のポリプ
    ロピレン製容器。
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JP2005248156A (ja) * 2004-02-06 2005-09-15 Japan Polypropylene Corp プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体による樹脂組成物及びそれを成形してなる各種の成形品
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