JP2000327809A5 - - Google Patents

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JP2000327809A5
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【書類名】明細書
【発明の名称】イオン交換膜の製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン交換樹脂を溶媒中に溶解または分散させてキャスト原液とし、該キャスト原液を基材フィルム上にキャストさせた後、乾燥させてキャスト膜とし、最後に該基材フィルムからキャスト膜を剥離させる工程からなる、イオン交換膜の製造方法において、該基材フィルムにおけるキャスト原液がキャストされる面のぬれ指数が20〜40dyne/cmであるイオン交換膜の製造方法。
【請求項2】
基材フィルムにおけるキャスト原液がキャストされる面の裏面のぬれ指数が40dyne/cm以下である請求項1記載のイオン交換膜の製造方法。
【請求項3】
基材フィルムがフッ素樹脂からなる請求項1または2記載のイオン交換膜の製造方法。
【請求項4】
フッ素樹脂がエチレンとテトラフルオロエチレンの共重合体である請求項3記載のイオン交換膜の製造方法。
【請求項5】
基材フィルムにおけるキャスト原液がキャストされる面に剥離性付与剤を塗布または焼き付けしてある請求項1、2、3または4記載のイオン交換膜の製造方法。
【請求項6】
イオン交換膜がパーフルオロ重合体からなる請求項1〜5のいずれか1記載のイオン交換膜の製造方法。
【請求項7】
イオン交換膜が、カルボン酸基、ホスホン酸基およびスルホン酸基からなる群から選ばれる1種以上のカチオン交換性官能基を有するパーフルオロ重合体からなる請求項6記載のイオン交換膜の製造方法。
【請求項8】
イオン交換膜が、CF=CF−(OCFCF(CF))−O−(CF−SOM(xは0または1、yは1〜5の整数、Mは水素またはアルカリ金属である。)で表されるモノマーの重合体からなる請求項1〜7のいずれか1記載のイオン交換膜の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン交換膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
膜原料を溶媒中に溶解または分散させてキャスト原液とし、該キャスト原液を基材フィルム上にキャストさせた後、さらに乾燥させてキャスト膜とし、最後に前記基材フィルムからキャスト膜を剥離するキャスト製膜方法は、広く行われている。従来キャスト製膜の基材フィルムとしては、良好な熱間強度、化学的安定性、表面の均一性、清浄性を備えかつ低コストである2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが、平滑なキャスト面が得られることから広く使用されてきた。
【0003】
しかし、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材フィルムとして採用した場合、キャスト膜との間の接着力が大きいため、キャスト膜の強度が低い場合にはキャスト膜に伸びが生じたり、甚だしい場合にはキャスト膜が破損することがあり、実用上重要な問題となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術の前述の課題を解決することにあり、破損や伸びなどの欠陥がないイオン交換膜の製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、イオン交換樹脂を溶媒中に溶解または分散させてキャスト原液とし、該キャスト原液を基材フィルム上にキャストさせた後、乾燥させてキャスト膜とし、最後に該基材フィルムからキャスト膜を剥離させる工程からなる、イオン交換膜の製造方法において、該基材フィルムにおけるキャスト原液がキャストされる面のぬれ指数が20〜40dyne/cmであるイオン交換膜の製造方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法を実施するための装置の一例を図1に示す。図1では、まず、走行する平坦な基材フィルム1の一方の面上にイオン交換樹脂を含んだキャスト原液2を、コーター3から流出させてキャストした後、乾燥炉4の加熱手段を用いて乾燥させ、最後に巻き取り部5で巻き取ることにより、基材フィルム上にキャスト膜6を得るものである。
【0007】
本発明では、基材フィルム1におけるキャスト原液がキャストされる面のぬれ指数が20〜40dyne/cmであるので破損や伸びなどの欠陥のない表面平滑性に優れたキャスト膜が得られる。なお、本発明の基材フィルムのぬれ指数は、JIS K6768−1995「ポリエチレン及びポリプロピレンフィルムのぬれ試験方法」で測定されるものである。
【0008】
基材フィルムにおけるキャスト原液がキャストされる面のぬれ指数が20dyne/cm未満の場合には、キャストするとキャスト原液が基材フィルムにはじかれて、平滑なキャスト面が形成されないので不適当である。また基材フィルムにおけるキャスト原液がキャストされる面のぬれ指数が40dyne/cmを超える場合、キャスト膜と基材フィルムとの剥離性が悪いため、キャスト膜が伸ばされたり、甚だしい場合にはキャスト膜に破損や破断が生じることがあるので不適当である。さらにキャスト膜の基材フィルムと接する面の表面平滑性が悪くなる問題もある。基材フィルムのキャスト原液がキャストされる面のぬれ指数は、30〜40dyne/cmがさらに好ましい。
【0009】
また本発明で使用する基材フィルムにおけるキャスト原液がキャストされる面の裏面のぬれ指数は、40dyne/cm以下であると、キャスト膜付きの基材フィルムを巻き取り、巻き戻す場合にキャスト膜と該裏面の剥離性が良好であるためキャスト膜の破損や破断を生ずることもなく、作業性もよいので好ましい。
【0010】
本発明で使用する基材フィルムとしては、基材フィルム全体が同一材料である場合には、剥離性の点からフッ素樹脂からなるものが好ましい。特にぬれ性および剥離性の点からエチレンとテトラフルオロエチレンの共重合体であることが、さらに好ましい。
【0011】
また本発明で使用する基材フィルムとしては、樹脂フィルムのキャスト原液がキャストされる面に剥離性付与剤を塗布または焼き付けしたものを用いてもよい。剥離性付与剤としては、フッ素樹脂系エマルジョンやシリコーン系エマルジョン(例えば、東洋メタライジング社製、商品名:セラピールSW、または、リンテック社製、商品名:PET−100−GSなど)を使用できる。剥離性付与剤を塗布する樹脂フィルムとしては、各種樹脂フィルムが使用できるが、特に2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好適である。
【0012】
キャスト原液は、イオン交換樹脂をエタノールなどの溶媒に溶解または分散させたものである。イオン交換樹脂としては、パーフルオロ重合体が耐久性、耐食性などの点で好ましい。本発明は特にパーフルオロ重合体からなるカチオン交換膜に好適である。この場合、さらにイオン交換能の点から、パーフルオロ重合体は、カルボン酸基、ホスホン酸基およびスルホン酸基からなる群から選ばれる1種以上のカチオン交換性官能基を有することがさらに好ましい。特にイオン交換膜がCF=CF−(OCFCF(CF))−O−(CF)y−SOM(xは0または1、yは1〜5の整数、Mは水素またはアルカリ金属である。)で表されるモノマーの重合体からなる場合が、好適である。
【0013】
【実施例】
以下、例1および例3は本発明の実施例であり、例2および例4は本発明の比較例である。
【0014】
[例1]
CF=CF−(OCFCF(CF))−O−(CF−SOM(xは0または1、yは1〜5の整数、Mは水素またはアルカリ金属である。)で表されるモノマーの重合体であるパーフルオロ重合体からなるイオン交換樹脂微粒子をエタノール中に分散させた後、粘度を上昇させるため1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(旭硝子社製、商品名AK225)を25部添加し、キャスト原液とした。
【0015】
基材フィルムとして幅1100mm、厚さ0.1mmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に、剥離性付与剤としてシリコーン系エマルジョン(東洋メタライジング社製、商品名セラピールSW)を塗布/焼き付けしたものを用いた。この基材フィルム表面のぬれ指数は25dyne/cmであった。
【0016】
平坦度を保つため張力を加えながら、この基材フィルムを4m/分の速度で走行させておき、キャスト原液をコーターに連続的に供給して、幅1000mm、厚さ0.2mmになるようにキャストした。これを基材フィルムとともに、90℃のオーブン内に導入して連続的に加熱することにより、キャスト原液から溶媒を乾燥させた。この工程を5回繰り返し、基材フィルム上に厚さ0.015mmのキャスト膜を形成した。
【0017】
キャスト膜と基材フィルム間の剥離性を評価するため、基材フィルムが付いた状態でキャスト膜のサンプルを切り出した。剥離性の評価方法は、切り出したサンプルのキャスト膜に評価治具としてセロハン粘着テープ(ニチバン社製、商品名セロテープ)を貼り、反対面である基材表面には、評価治具としてアクリル板を貼りつけた。なお、基材フィルムに貼りつけたアクリル板は幅25mm、長さ90mm、厚さ5mmであり、一方キャスト膜表面に貼りつけたセロハン粘着テープの接着面積は幅25mm、長さ40mmである。
【0018】
この評価治具を用いて180度ピーリング法による接着力測定を行った結果、キャスト膜と基材フィルム間の接着力は、2g/cmとかなり低い値であった。これは、基材フィルムからのキャスト膜の剥離性が良好であることを示している。
【0019】
また剥離後の基材フィルムとキャスト膜の界面の表面性状を確認するため、剥離後のキャスト膜のセロハン粘着テープを貼りつけた面と反対側、すなわち基材フィルムと接する面を目視と実体顕微鏡にて観察したが、特に破損や破断またはクラックなどの欠陥も見られず、また膜の伸びも認められなかった。
【0020】
[例2]
例1において基材フィルムとして、剥離性付与剤を使用することなく2軸延伸ポリエチレンテレフタレートをそのまま使用する以外は、例1と同様にしてキャスト製膜した。この場合の基材フィルム表面のぬれ指数は42dyne/cmであった。
【0021】
例1と同様に180度ピーリング法による基材フィルムとキャスト膜の接着力測定を行った。その結果、接着力が6g/cmと例1の3倍まで大きくなり剥離性が低下した。また例1と同様にキャスト膜の基材フィルムと接する面を観察したところ、所々に引きちぎられたような跡が残っていた。また対応する基材フィルム上にキャスト膜の一部が点在しているのが観察された。
【0022】
[例3]
基材フィルムとして厚さ0.1mmのエチレンとテトラフルオロエチレンの共重合体フィルムを用いて、例1と同様の方法で、厚さ0.015mmのキャスト膜を製膜した。なお、この基材フィルムのぬれ指数は23dyne/cmであった。
【0023】
さらに例1と同様の方法で180度ピーリング法によるキャスト膜と基材フィルム間の接着力を測定したところ、0.4g/cmとかなり低い値が得られ、剥離性が良好であることがわかった。また剥離後の接着界面を観察したところ、キャスト膜に破損、破断やクラックまたは伸び等の欠陥は観察されなかった。また基材フィルムにもキャスト膜の付着は全くなかった。
【0024】
[例4]
例3において、エチレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体フィルムの代わりにポリテトラフルオロエチレンフィルムを基材フィルムとして用いた。この基材フィルムのぬれ指数は18dyne/cmであった。例3と同様の方法で、原料から溶媒を乾燥させたが、基材フィルムが原料をはじいたため、均一なキャスト膜を得ることができなかった。
【0025】
【発明の効果】
本発明の基材フィルム上でキャスト膜の原液がはじかれることなく、しかもキャスト膜を基材フィルムから剥がす際にも剥離性が良好で、キャスト膜に破損、破断やクラックの発生がなく、しかも伸びのない表面平滑性に優れた高品質のキャスト膜を得ることができる。また、基材フィルムにキャスト膜がへばりつく問題もなくなり、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャスト製膜の説明図。
【符号の説明】
1:基材フィルム
2:キャスト原液
3:コーター
4:乾燥炉
5:巻き取り部
6:キャスト膜
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