JP2000327750A - エポキシ樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物およびその用途

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JP2000327750A
JP2000327750A JP11136869A JP13686999A JP2000327750A JP 2000327750 A JP2000327750 A JP 2000327750A JP 11136869 A JP11136869 A JP 11136869A JP 13686999 A JP13686999 A JP 13686999A JP 2000327750 A JP2000327750 A JP 2000327750A
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Tatsunobu Uragami
達宣 浦上
Kenichi Sugimoto
賢一 杉本
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
Takao Tajima
卓男 田島
Kotaro Suzuki
孝太郎 鈴木
Tadahito Nobori
忠仁 昇
Usaji Takagi
夘三治 高木
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 硬化促進剤として下記一般式(1)で表
されるホスフィンオキシド化合物を必須の成分とし、フ
ェノールアラルキル樹脂類から得られるエポキシ樹脂
と、硬化剤として水酸基の10モル%〜100モル%が
芳香族アシル基によりエステル化された2官能以上のエ
ステル含有化合物またはエステル含有樹脂とを含有して
なるエポキシ樹脂組成物。 (式中、R1 〜R6 は水素原子、炭素数1〜10のアル
キル基、あるいは炭素数6〜10のアリール基またはア
ラルキル基を示す。) 【効果】 従来にない低吸湿性を実現し、特に半導体封
止材用途において、従来の硬化物に比べ、極めて優れた
耐クラック性を有するパッケージを与えるエポキシ樹脂
組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂によ
り半導体集積回路を封止してなる半導体装置に関するも
のであり、その目的に供するに充分な諸物性、特に低吸
湿性や樹脂組成物の溶融流れ性等に優れ、トータルとし
て耐クラック性に優れたエポキシ樹脂組成物およびその
硬化物に関するものである。より具体的には、エポキシ
樹脂としてフェノールアラルキル樹脂型エポキシ樹脂、
硬化剤としてエステル基を有する化合物もしくは樹脂を
用い、エステル基をエポキシ基と速やかに反応させる触
媒を組み合わせてなるエポキシ樹脂組成物およびその硬
化物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、集積回路(IC)や大規模集積回
路(LSI)は、それを保護する封止材により、外部雰
囲気のゴミや埃、熱、水分、あるいは光による誤作動等
から守られ、実用化されている。この封止材としては金
属やセラミックスによるものから、近年では樹脂封止へ
と変遷しており、現在ではエポキシ樹脂封止が主流とな
っている。特にコスト面と物性面のバランスから、フェ
ノール樹脂を硬化剤としたエポキシ樹脂組成物が多く使
われている。これらエポキシ樹脂組成物を用いた封止材
は、機械的物性の向上はもとより、以下に示す様な課題
の向上が求められている。
【0003】すなわち、課題としては(1) 外気中の水分
を吸湿するため、半田処理条件下に晒される際、高温下
におかれるため水分の爆発的な気化によりクラックを生
じる、(2) 硬化の際の副反応として、エポキシ単独重合
が部分的に起こることにより、フェノール樹脂の水酸基
が過剰となり耐湿性、電気特性に劣ったり、本来のエポ
キシ−フェノール樹脂ネットワーク以外にエポキシ単独
重合部分や、過剰となったフェノール樹脂部分が存在す
ることにより機械特性が低下したりする、(3) フリーイ
オン、特にハロゲンイオンの混入により半導体の金属部
分の腐食や電気漏洩等が起こる、等である。このうち、
(3)のイオン不純物については特にエポキシ樹脂の精
製、純度の問題であり、本質的なものではないが、 (1)
は樹脂の改質、 (2)は副反応の抑制、により、本来のエ
ポキシ樹脂組成物の物性を充分に引き出すことが可能と
なる。
【0004】最近半導体封止材として多く用いられてい
る材料としては、汎用グレードとして比較的安価なオル
ソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂〔商品名:EO
CN−102S、日本化薬(株)製、等〕とフェノール
ノボラック樹脂〔商品名:BRG#558、昭和高分子
(株)社製、等〕の組み合わせや、高級グレードとして
ビフェノールやテトラメチルビフェノール型エポキシ樹
脂〔商品名:YX4000、油化シェルエポキシ(株)
社製、等〕とフェノールアラルキル樹脂〔商品名:ミレ
ックスXLC−4L、三井化学(株)社製、等〕の組み
合わせ等が挙げられる。
【0005】前者の組み合わせは、官能基密度の高いエ
ポキシ樹脂および硬化剤を用いることにより、耐熱性が
高く、また安価であるという特徴を有するものの、その
官能基密度が高いことから吸湿率が高く、また溶融粘度
が高いことからフィラー充填率の限界が低いという問題
があり、その改善が求められている。
【0006】また、後者の組み合わせは、100℃付近
に融点を持つ結晶性且つ溶融後の粘度の低いエポキシ樹
脂と、低吸湿且つ可とう性を有するフェノールアラルキ
ル樹脂との組み合わせによる、作業性の向上と低吸湿化
による耐クラック性の向上という特徴を有するものの、
コスト面および2官能を主成分とするエポキシ樹脂を用
いることにより架橋密度が低下することに起因する耐熱
性の面で改善が求められている。
【0007】さらに、 (1)の樹脂の吸湿に関しては、硬
化反応がエポキシ基と水酸基の反応である限り、下記反
応式(7)(化7)で表される様に、必ず水酸基を生成
する反応であり、水酸基を要因として親水性が大きくな
るため、基本骨格を疎水化しても全体としての吸湿率の
低減には限界がある。
【0008】
【化7】 (式中、Bはエポキシ残基、Dはフェノール残基を表
す。)
【0009】この問題を解決する一つの手法として、西
久保氏ら出願の特開昭62−53327公報に示される
様なエポキシ基とエステル基の反応が提案されている。
該公報中には、触媒の好ましいものとして4級オニウム
塩やクラウンエーテル錯体が示され、更に、同氏らの論
文〔有機合成化学第49巻第218〜233頁(199
1)、エポキシ化合物とエステル類との付加反応とその
高分子合成への応用〕中において、具体的に単位反応と
しての各触媒を用いたときの収率が示されている。それ
によれば、テトラブチルアンモニウムクロライドの91
%が最高であり、収率は総じて低い。また、これら4級
オニウム塩やクラウンエーテル錯体は、半導体集積回路
の封止材として用いられた樹脂中に含まれたままである
と、電気的な短絡等の好ましくない結果をもたらすのみ
でなく、それが接触する金属部分の腐食等も引き起こ
し、製品として重大な欠陥となることは言うまでもな
い。
【0010】一方、一般的なエポキシ樹脂とフェノール
樹脂との付加反応においては、触媒としてトリアルキル
ホスフィン、トリアリールホスフィンの様なホスフィン
類、イミダゾール類、三級アミン類等が用いられ、特に
半導体封止用としてはイミダゾール類、ホスフィン類が
多く用いられる。これらの内、イミダゾール類は反応活
性はあるが、先に述べた副反応であるエポキシ単独重合
を起こしやすく、上記の (2)の問題が大きい。一方、ホ
スフィン類はこれらの問題はないものの、硬化速度が遅
い。イミダゾール類を触媒としてエポキシ/エステル硬
化反応に応用した場合、先の西久保氏らの文献による
と、エポキシ基に対するエステル基の付加反応の反応収
率は約50%程度であり、その他はエポキシ樹脂の単独
重合等の副反応であることもふまえると、イミダゾール
類は充分な硬化物が得られる触媒ではない。
【0011】更に、本発明者らの追試においては、これ
らイミダゾール類やホスフィン類を硬化触媒としたとき
に、本発明における芳香族アシル基によるエステルは実
質的にエポキシ樹脂の硬化反応を起こさないことが判
る。具体的には、通常、硬化の際に用いられる温度であ
る150〜200℃の範囲では10分以上ゲル化せず、
現実には硬化物が得られる前に樹脂組成物が流れ出して
しまう状況である(後述比較例参照)。
【0012】また、エポキシ樹脂をエステル硬化させ、
半導体集積回路の封止材として利用するために、フェノ
ール樹脂の10〜90%をエステル化し、硬化剤とする
方法が提案されている(特開平9−235451号公
報)。この方法は、エステル樹脂を製造するに当たり、
原料であるフェノール樹脂のフェノール性水酸基を一部
残存させることにより、硬化初期において反応し易いフ
ェノール部分により一次的に架橋部分を形成させ、後の
アフターキュアーによりエステル基をエポキシ基に作用
させるという発想に基づくものである。しかしながら、
該公報に示されている硬化触媒は、ホスフィン類、イミ
ダゾール類およびジアザビシクロ類であり、ホスフィン
類は本願比較例(後述比較例参照)で示される様に、エ
ポキシ基とエステル基に対する充分な硬化触媒能を示さ
ず、また、イミダゾール類やジアザビシクロ類は、先の
西久保氏らの論文から明らかなように、エポキシ単独重
合が多く起こり、エポキシ基と硬化剤官能基のモル比の
調節が難しく、また物性的にも好ましくない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フェノール
アラルキル樹脂型エポキシ樹脂に対し、フェノール樹脂
の水酸基を芳香族アシル基によりエステル化したものを
硬化剤として用い、これを効果的に硬化させる特殊な硬
化触媒(硬化促進剤)を組み合わせることにより、低吸
湿性で且つ耐クラック性および電気特性に優れた半導体
封止材用エポキシ樹脂組成物、その硬化物および半導体
装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、本発明を完成するに至ったものである。すな
わち、本発明は、硬化促進剤として一般式(1)(化
8)で表されるホスフィンオキシド化合物を必須の成分
とし、(A)フェノールアラルキル樹脂類から得られる
一般式(2)(化9)で表されるエポキシ樹脂と、
(B)硬化剤として、水酸基の10モル%〜100モル
%が芳香族アシル基によりエステル化された2官能以上
のエステル含有化合物またはエステル含有樹脂とを含有
することを特徴とするエポキシ樹脂組成物に関するもの
である。
【0015】
【化8】 (式中、R1 〜R6 は水素原子、炭素数1〜10の直
鎖、分岐または環状のアルキル基、あるいは炭素数6〜
10のアリール基またはアラルキル基を表し、全て同一
でもそれぞれ異なっていても良い。)
【0016】
【化9】 (式中、R7 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
数1〜10の直鎖、分岐または環状アルキル基、炭素数
1〜10のアルコキシ基、あるいはフェニル基を表し、
mは1〜3の整数を表し、繰り返し単位数nは0〜10
0の整数を表し、その平均は0〜50の範囲である。
尚、繰り返し単位nの平均が0とはビスエポキシ体であ
ることを表す。)
【0017】また、本発明は、(B)エステル含有化
合物またはエステル含有樹脂が、ノボラック型樹脂をエ
ステル化した一般式(3)(化10)で表される樹脂、
フェノールアラルキル樹脂をエステル化した一般式
(4)(化11)で表される樹脂、フェノールージシク
ロペンタジエン樹脂をエステル化した一般式(5)(化
12)で表される樹脂、およびナフトールアラルキル樹
脂をエステル化した、一般式(6)(化13)で表され
る樹脂のいずれかである前記記載のエポキシ樹脂組成
物に関するものである。
【0018】
【化10】 (式中、R8 は水素原子、メチル基またはエチル基を表
し、Aは水素原子または芳香族アシル基を表し、水素原
子/芳香族アシル基のモル比が90/10〜0/100
の範囲であり、繰り返し単位数pは0〜100の整数を
表し、その平均は0〜15の範囲である。尚、繰り返し
単位pの平均が0とはビスフェノール誘導体であること
を表す。)
【0019】
【化11】 (式中、R9 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
数1〜10の直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭素
数1〜10のアルコキシ基、あるいはフェニル基を表
し、Aは水素原子または芳香族アシル基を表し、水素原
子/芳香族アシル基のモル比が90/10〜0/100
の範囲であり、mは1〜3の整数を表し、繰り返し単位
数qは0〜100の整数を表し、その平均は0〜50の
範囲である。尚、繰り返し単位qの平均が0とはビスフ
ェノール誘導体であることを表す。)
【0020】
【化12】 (式中、R9 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
数1〜10の直鎖、分岐または環状アルキル基、炭素数
1〜10のアルコキシ基、あるいはフェニル基を表し、
Aは水素原子または芳香族アシル基を表し、水素原子/
芳香族アシル基のモル比が90/10〜0/100の範
囲であり、mは1〜3の整数を表し、繰り返し単位数r
は0〜50の整数を表し、その平均は0〜15の範囲で
ある。尚、繰り返し単位rの平均が0とはビスフェノー
ル誘導体であることを表す。)
【0021】
【化13】 (式中、Aは水素原子または芳香族アシル基を表し、水
素原子/芳香族アシル基のモル比が90/10〜0/1
00の範囲であり、繰り返し単位数rは0〜50の整数
を表し、その平均は0〜15の範囲である。尚、繰り返
し単位rの平均が0とはビスフェノール誘導体であるこ
とを表す。)
【0022】さらにまた、本発明は、(A+B)10
0重量部に対して、(C)有機および/または無機充填
剤を100重量部以上1900重量部以下の範囲で含有
する前記または記載のエポキシ樹脂組成物、 前記〜のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を
熱硬化させて得られるエポキシ樹脂硬化物、 前記〜のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を
用いて半導体集積回路を封止して得られる半導体装置、
に関するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシ樹脂組成物は、
硬化促進剤として前記一般式(1)で表されるホスフィ
ンオキシド化合物を必須成分とし、(A)エポキシ樹脂
としてフェノールアラルキル樹脂類から得られる前記一
般式(2)で表されるエポキシ樹脂、および(B)硬化
剤として2官能以上のエステル含有化合物またはエステ
ル含有樹脂を含有してなるエポキシ樹脂組成物である。
【0024】本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化促進
剤として前記ホスフィンオキシド化合物を用いること
で、エポキシ基とエステル基を速やかに、選択的に反応
させることを可能にするものである。これにより、先述
の課題 (1)および (2)の問題を解決し、高い機械的物
性、特に低吸湿性、可とう性に優れ、耐クラック性およ
び電気特性に優れる硬化物を与えることを可能にするも
のである。また、この樹脂組成物に有機および/または
無機充填材を添加してなる樹脂組成物は、半導体集積回
路用封止材として極めて優れた性能を有するものであ
り、このことは本発明者らが初めて見いだしたものであ
る。
【0025】本発明のエポキシ樹脂組成物において、必
須の成分として用いられる硬化促進剤である前記一般式
(1)で表されるホスフィンオキシド化合物について説
明する。一般式(1)において、置換基R1 〜R6 は全
て同一であっても、それぞれ異なっていてもよく、水素
原子、炭素数1〜10の直鎖、分岐または環状のアルキ
ル基、あるいは炭素数6〜10のアリール基またはアラ
ルキル基である。
【0026】具体的には、水素原子;メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−ペンチル
基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチル−1
−ブチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、
3−メチル−2−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキ
シル基、4−メチル−2−ペンチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、1−ヘプチル基、3−ヘプチル
基、1−オクチル基、2−オクチル基、2−エチル−1
−ヘキシル基、ノニル基またはデシル基等の直鎖、分岐
または環状のアルキル基;フェニル基、トリル基等のア
リール基;ベンジル基、1−フェニルエチルまたは2−
フェニルエチル基等のアラルキル基を挙げることが出来
る。これらのうち、好ましいものはメチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基ま
たはシクロヘキシル基の様な炭素数1〜6のアルキル基
であり、より好ましくはメチル基、エチル基である。
【0027】この様なホスフィンオキシド化合物は、G.
N. Koian etal. Journal of Generral Chemistry of T
he USSR, 55, 1453 (1985)に記載されているように、オ
キシ三塩化リンに、3分子のイミノトリスアミノ(無置
換、一置換、二置換)ホスホランを反応させて合成する
ことができる。更に、精製が必要であれば、カラムクロ
マトグラフィー、蒸留、再結晶等の汎用される方法によ
り精製することが出来る。この様にして得られるホスフ
ィンオキシド化合物は、通常固体である。
【0028】本発明のエポキシ樹脂組成物において、硬
化促進剤であるホスフィンオキシド化合物の使用量は、
全エポキシ樹脂組成物(樹脂成分:エポキシ樹脂と硬化
剤の合計)に対して、重量で0.001〜25%(0.
001〜25g/100g)の範囲、好ましくは0.0
1〜15%、更に好ましくは0.1〜5%の範囲であ
る。モルに換算すれば、1.5×10-6〜4.5×10
-2モル/100g、好ましくは1.5×10-5〜2.5
×10-2モル/100g、更に好ましくは1.5×10
-4〜1.0×10-2モル/100gの範囲である。ま
た、本発明のエポキシ樹脂組成物においては、このホス
フィンオキシド化合物以外の一般に用いられる公知の硬
化促進剤、例えば、2−メチルイミダゾール等のイミダ
ゾール類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類等
をホスフィンオキシド化合物の0.5重量%〜500重
量%の範囲で併用しても良い。その量が500重量%を
超えると本発明の特徴が失われる。
【0029】本発明のエポキシ樹脂組成物において、
(A)成分はフェノールアラルキル樹脂類から得られる
前記一般式(2)で表されるフェノールアラルキル樹脂
型エポキシ樹脂(以下エポキシ樹脂という)であり、例
えば、先の一般式(2)におけるR7 が水素原子やメチ
ル基であるフェノールアラルキル樹脂のエポキシ化物が
挙げられる。これらは、三井化学(株)社製のフェノー
ルアラルキル樹脂(商品名ミレックスXLCシリーズ
等)を、常法によりエピクロルヒドリンと反応させて得
ることができる。
【0030】本発明のエポキシ樹脂組成物において、
(B)成分の硬化剤としては、水酸基の10〜100モ
ル%が芳香族アシル基によりエステル化された2官能以
上のエステル含有化合物またはエステル含有樹脂であ
る。エステル化され得るフェノール樹脂を具体的に例示
すれば次のようなものが挙げられる。すなわち、一般式
(3’)(化14)で表されるフェノールノボラック樹
脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック樹脂;ノ
ボラック樹脂からビスフェノール体を除いた残査物(ト
リフェノール体以上:以下VRと略す);一般式
(4’)(化15)で表されるフェノールアラルキル樹
脂類;一般式(5’)(化16)で表されるフェノール
−ジシクロペンタジエン共重合樹脂(DPR樹脂);一
般式(6’)(化17)で表されるナフトールアラルキ
ル樹脂類等である。
【0031】
【化14】 (式中、R8 は水素原子、メチル基またはエチル基を表
し、繰り返し単位数pは0〜100の整数を表し、その
平均は0〜15の範囲である。尚、繰り返し単位pの平
均が0とはビスフェノール体であることを表す。)
【0032】
【化15】 (式中、R9 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
数1〜10の直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭素
数1〜10のアルコキシ基、あるいはフェニル基を表
し、mは1〜3の整数を表し、繰り返し単位数qは0〜
100の整数を表し、その平均は0〜50の範囲であ
る。尚、繰り返し単位qの平均が0とはビスフェノール
体であることを表す。)
【0033】
【化16】 (式中、R9 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
数1〜10の直鎖、分岐または環状アルキル基、炭素数
1〜10のアルコキシ基、あるいはフェニル基を表し、
mは1〜3の整数を表し、繰り返し単位数rは0〜50
の整数を表し、その平均は0〜15の範囲である。尚、
繰り返し単位rの平均が0とはビスフェノール体である
ことを表す。)
【0034】
【化17】 (式中、繰り返し単位数rは0〜50の整数を表し、そ
の平均は0〜15の範囲である。尚、繰り返し単位rの
平均が0とは、ビスフェノール体であることを表す。)
【0035】これらのフェノール樹脂のエステル化方法
は公知の方法が用いられるが、具体的には以下の通りで
ある。すなわち、上述のような水酸基をエステル化する
際に用いるエステル化剤としては、有機カルボン酸無水
物、有機カルボン酸ハライド、有機カルボン酸のいずれ
でも良い。誘導したいエステルの炭素数によるエステル
化剤の特徴により適宜選択すればよい。このエステル化
剤を具体的に例示すれば、無水安息香酸、安息香酸クロ
ライド、安息香酸ブロマイド、安息香酸、o−メチル安
息香酸クロライド、m−メチル安息香酸クロライド、p
−メチル安息香酸クロライド、o−メチル安息香酸、m
−メチル安息香酸、p−メチル安息香酸、2,3−ジメ
チル安息香酸、2,4−ジメチル安息香酸、2,5−ジ
メチル安息香酸、2,6−ジメチル安息香酸、3,4−
ジメチル安息香酸、3,5−ジメチル安息香酸、等を挙
げることが出来る。この中で好ましいものとしては安息
香酸無水物、安息香酸クロライドが挙げられる。これら
のエステル化剤は単独あるいは任意の2種類以上を併用
して用いることも可能である。その使用量は、水酸基に
対して10モル%以上で用いればよく、上限は特に限定
されず、過剰に用いて充分にエステル化を進行させた場
合は、過剰のエステル化剤は反応終了後除去すればよい
が、現実的には反応容積効率、コスト等の観点から、水
酸基に対し10倍モル以下、好ましくは5倍モル以下、
さらに好ましくは3倍モル以下が良い。
【0036】具体的な反応は、エステル化剤の種類によ
って異なるが、それぞれについて述べれば有機カルボン
酸無水物については、一般に用いられる反応で良い。す
なわち、水酸基に対しエステル化するべき任意の量の有
機カルボン酸無水物を反応させたのち、副成する有機カ
ルボン酸、過剰の有機カルボン酸無水物を常圧蒸留、減
圧蒸留、水洗、炭酸塩等の弱塩基水洗浄等任意の方法も
しくはそれらの組み合わせによって除去することによ
り、目的とするエステル化合物を得るものである。部分
エステル化を行う際は、水酸基に対して任意の量、すな
わち本発明においては10モル%以上の有機カルボン酸
無水物を用い、完全にエステル化する際には水酸基に対
して等モル以上、溶剤を兼ねればその上限は特に制限さ
れるものではない。しかし、経済効率、反応の容積効率
を考慮すれば10倍モル%以下で用いれることが好まし
い。なお、この使用量は後述の有機カルボン酸を用いた
反応の際にも同様である。
【0037】一般にエステル化反応においては、ピリジ
ン、ピペリジン、トリエチルアミン等の反応に対しては
不活性な有機塩基の存在下において行うことが多いが、
本発明のエポキシ樹脂組成物を半導体集積回路の封止材
等の電気・電子分野に用いる場合、これらの含窒素有機
塩基が残存することを避けなければならない。このた
め、最終的には水洗行程を導入する事が望ましい。しか
しながら、これら有機塩基を用いなくとも充分反応は進
行するため、本発明においては有機塩基を用いないこと
が最も望ましい。
【0038】反応温度は室温〜200℃の範囲、好まし
くは30℃〜180℃の範囲、特に好ましくは40℃〜
160℃の範囲が望ましい。反応は常圧、加圧(オート
クレーブ中)、減圧のいずれでもよく、また反応系の雰
囲気は空気中、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガ
ス中のいずれでも良いが好ましくは窒素雰囲気下が良
い。反応時間は反応物の種類や反応温度に大きく左右さ
れるが、およそ1時間〜25時間の範囲であり、現実的
には高速液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフ
ィー等でエステル化剤の消失や水酸基の消失などを追跡
しつつ終点を決定することが望ましい。
【0039】反応における溶媒は用いても用いなくても
良い。原料とする水酸基を有する物質が反応温度に於い
て充分溶融し、且つエステル化剤が液体である場合、ま
た反応温度において溶融、あるいは樹脂に溶解し反応に
支障がない場合には無溶媒で反応を行えばよい。溶媒を
必要とするならば、反応に不活性な溶媒であれば全て使
用することが出来る。それらを例示すれば、ベンゼン、
トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベ
ンゼン、ジフェニルエーテル等の芳香族炭化水素類、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、
スルホラン等の非プロトン性極性溶媒類、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエー
テル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン等のケトン類、等を単独で、あるいは任意の
組み合わせで用いることが出来る。
【0040】次に、エステル化剤として有機カルボン酸
ハライドを用いる場合における反応について説明する。
この場合も一般に用いられる手法を用いることが出来
る。すなわち、水酸基に対してエステル化するべき任意
の量の有機カルボン酸ハライドを反応させれば良い。こ
の場合、副生するハロゲン化水素は、ピリジン、ピペリ
ジン、トリエチルアミン等の反応に不活性な塩基を必要
量存在させて系内においてトラップする方法と、ガスと
して反応中に順次速やかに系外に放出し、反応系外に設
置された水またはアルカリトラップを用いて捕捉する場
合が考えられるが、先に示した理由により、含窒素化合
物、イオン性化合物の混入を避けるためハロゲン化水素
ガスは反応中速やかに系外に放出する方法が好ましい。
この時、反応に不活性なガスの気流下において反応を行
うとより好ましい。
【0041】有機カルボン酸ハライドの使用量は部分エ
ステル化を行う際は、水酸基に対して任意の量、本発明
の樹脂組成物においては10モル%以上がエステル化さ
れたエステル化物を用いるので、10モル%以上の有機
カルボン酸ハライドを用い、完全にエステル化する際に
は水酸基に対して等モルもしくは小過剰を用いればよ
く、大過剰用いることは特に制限されるものではない
が、経済効率、反応の容積効率、さらに反応後の処理工
程の煩雑さを考慮すれば水酸基に対して10倍モル以
下、好ましくは5倍モル以下、さらに好ましくは3倍モ
ル以下の範囲で用いればよい。反応温度、反応における
溶媒の使用、反応の形態に関しては先の有機カルボン酸
無水物の場合に準じればよい。
【0042】また、エステル化剤として有機カルボン酸
を用いる場合はほぼ有機カルボン酸無水物に準じればよ
いが、反応に際して酸触媒を必要とする。それを例示す
れば、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸等の鉱酸類、p
−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスル
ホン酸、ジメチルスルホン酸、ジエチルスルホン酸等の
有機スルホン酸類、トリフルオロメタンスルホン酸に代
表される超強酸、アルカンスルホン酸型に代表される酸
性イオン交換樹脂、パーフルオロアルカンスルホン酸型
に代表される超強酸型イオン交換樹脂等である。その使
用量は、原料の重量に対して超強酸の場合が0.000
01〜5重量%、好ましくは0.0001〜1重量%、
より好ましくは0.001〜0.1重量%の範囲、イオ
ン交換樹脂類の場合が1〜100重量%、好ましくは1
0〜50重量%の範囲、その他の場合は0.01〜10
重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。こ
の範囲を下まわると反応速度が低下し、現実的な反応時
間では完結しない。またこの範囲より大きくなると、副
反応が無視できなくなり、あるいは触媒の除去の行程の
煩雑さ等を含めてコストの増大に繋がる。
【0043】以上、3種類のエステル化剤についてその
反応を説明してきたが、いずれの場合も、より精製度の
高いエステル化物を得る必要のある場合には、反応終了
後、水洗工程を導入すればよい。その場合は、トルエ
ン、キシレン、メチルイソブチルケトン、メチルエチル
ケトン、酢酸エチル等の、水洗可能な溶媒を用いて、洗
浄廃水に酸性成分、イオン性不純物が混入しなくなるま
で洗浄すればよい。
【0044】また、本発明においては、そのエステル化
率は10モル%〜100モル%の範囲であるが、好まし
くは50モル%〜100モル%、さらに好ましくは80
モル%〜100モル%、最も好ましくは90モル%〜1
00モル%の範囲である。以上のようにして得られたエ
ステル化率10〜100モル%のエステル化物は、本発
明においては、従来のフェノール樹脂と同様にしてエポ
キシ樹脂に対する硬化剤として用いることが可能であ
る。すなわち、2官能以上のエポキシ樹脂に対して硬化
剤として用いることにより、従来のエポキシ−フェノー
ル硬化物と同様に熱硬化性樹脂として同一の分野へ利用
することが出来る。本発明の硬化物の最も大きな特徴
は、エポキシ−フェノール硬化物と比較して吸湿率が大
きく低減されること、エステル基を有する効果により非
常に可とう性に優れることにある。さらには、硬化後の
構造に水酸基が生成するエポキシ−フェノール硬化物に
対して、その水酸基がエステル化された形で硬化物が形
成されるため、電気特性も向上する。
【0045】従来、エポキシ樹脂は、特に封止材の分野
において、フェノール樹脂を硬化剤として多く用いられ
てきたが、その性能の向上は低吸湿率化の向上と大きな
相関がある。樹脂中に含まれる水分は、IRリフロー時
の様に急激に200℃以上の高温に晒されると、一気に
気化し、いわゆる水蒸気爆発的な力が生じる。 このた
めにクラックを生じ種々の物性に悪影響を及ぼし、最悪
の場合は封止材とチップとの剥離に至る場合がある。本
発明は上述したような特徴から、低吸湿性および耐クラ
ック性の両面においてこの問題の解決に対して寄与する
ものである。
【0046】エポキシ樹脂と硬化剤との配合比は、エポ
キシ基1当量に対して、エステル基もしくはエステル基
および水酸基の合計、すなわちエポキシ基に対する活性
基が0.5〜1.5当量、好ましくは0.7〜1.3当
量の範囲であり、最適硬化物物性が得られる当量比を調
整して用いることがより好ましい。エポキシ樹脂および
硬化剤は、それぞれ一種類づつ単独で用いてもよく、複
数を併用しても良い。
【0047】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
必要に応じて、エポキシ樹脂組成物に(C)有機および
/または無機充填剤やその他の添加剤を添加しても良
い。特に半導体集積回路の封止材に用いるときには、そ
の機械的特性の向上や全体のコストのダウンのために有
機および/または無機充填剤を、光による誤動作を防ぐ
ためにカーボンブラック等の着色剤を、更には離型剤、
カップリング剤、難燃剤等を用いることが望ましい。有
機および/または無機充填剤の使用量としては、(A+
B)100重量部に対し、100重量%以上、1900
重量部以下の範囲であり、耐湿性、機械的強度の観点か
ら好ましくは250重量部以上、より好ましくは550
重量部以上である。用いられる有機および/または無機
充填剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、窒化珪
素、炭化珪素、タルク、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシ
ウム、マイカ、クレー、チタンホワイト等の粉体、ガラ
ス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維等の繊維体等が挙
げられる。これらの中で封止材用途において好ましいも
のは、結晶性シリカおよび/または溶融シリカであり、
さらにその樹脂組成物の成型時の流動性を考慮すると、
その形状は球形または球型と不定型の混合物が望まし
い。
【0048】また、本発明のエポキシ樹脂組成物におい
ては、機械的強度や耐熱性の面を考慮した各種添加剤を
配合することが好ましい。例えば、樹脂と無機充填材と
の接着性向上のためにはカップリング剤を用いることが
望ましく、かかるカップリング剤としてはシラン系、チ
タネート系、アルミネート系、およびジルコアルミネー
ト系等を挙げることが出来る。なかでも好ましいものと
してはシランカップリング剤であり、特にエポキシ基と
反応する官能基を持つシランカップリング剤が最も好ま
しい。
【0049】そのようなカップリング剤としては、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N
−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、3−アニリノプロピルトリエトキシ
シラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン等を挙げることが出来、これらを単独で、あるいは
2種類以上組み合わせて使用することが出来る。これら
のカップリング剤は、予め無機充填材の表面に吸着ある
いは、反応により固定化されていることが望ましい。
【0050】本発明のエポキシ樹脂硬化物は、前記の本
発明のエポキシ樹脂組成物を熱硬化させて得られるもの
である。また、本発明の半導体装置は、前記の本発明の
エポキシ樹脂組成物を用いて半導体集積回路を封止して
得られるものである。本発明のエポキシ樹脂組成物を用
いて半導体集積回路を封止し、半導体装置を作成する方
法としては、低圧トランスファー成型が最も一般的であ
ると言えるが、その他の方法、例えばインジェクション
成型、圧縮成型、注型等の方法も可能であり、また溶剤
を用いるような特殊な手法も可能である。
【0051】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。 硬化剤合成例1 温度計、攪拌器、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた
ガラス製容器に、フェノールアラルキル樹脂〔商品名:
ミレックスXLC−4L、平均分子量(Mw)1385
(ポリスチレン換算)、水酸基当量169g/eq:三
井化学(株)製〕507g(3mol)を装入し、内温
を125℃まで昇温した。内温を同温度に保ち、攪拌を
行いながら安息香酸クロライド464.0(3.3mo
l)を4時間で滴下した。その後、125℃を保ちなが
ら2時間反応を行った後、更に150℃まで昇温、15
0〜155℃において2時間熟成した。反応により副生
する塩酸は、窒素気流により速やかに系外へ放出し、ア
ルカリトラップにより中和した。ここで得られた樹脂
を、トルエン2500gに溶解し、1%炭酸ナトリウム
水溶液2500gで洗浄した。その後廃水が中性になる
まで60〜70℃において湯洗を行った後トルエンを最
高150℃/5mmHgの条件で留去して水酸基が完全
にベンゾイル化された樹脂を810g得た。この樹脂の
溶融粘度(ICIコーン型溶融粘度型による。以下同
じ)は125℃で4.8ポイズ、150℃で1.3ポイ
ズであり、水酸基当量は3000g/eq以上(検出で
きず)であった。
【0052】硬化剤合成例2 合成例1と同様の反応装置に、フェノールアラルキル樹
脂〔商品名:ミレックスXLC−4L、平均分子量(M
w)1385(ポリスチレン換算)、水酸基当量169
g/eq:三井化学(株)製〕507g(3mol)、
無水安息香酸610.8g(2.7mol)を装入し、
徐々に昇温しながら攪拌可能となった時点から攪拌を行
い、2時間で125℃とした。その後、125℃を保ち
ながら2時間反応を行った後、更に150℃まで昇温し
た。150〜155℃において2時間熟成したのち、1
10℃まで冷却し、反応系にメチルイソブチルケトン2
500gを装入し均一な溶液とした。反応により副生し
た安息香酸を10%炭酸ナトリウム水溶液2000gで
中和し、更に 廃水が中性になるまで60〜70℃にお
いて湯洗を行った後、メチルイソブチルケトンを最高1
50℃/5mmHgの条件で留去して水酸基が90モル
%ベンゾイル化された樹脂を783g得た。この樹脂の
溶融粘度は125℃で5.2ポイズ、150℃で1.5
ポイズであり、水酸基当量は1780g/eqであっ
た。
【0053】硬化剤合成例3 温度計、攪拌器、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた
ガラス製容器に、フェノールアラルキル樹脂〔商品名:
ミレックスXLC−4L、平均分子量(Mw)1385
(ポリスチレン換算)、水酸基当量169g/eq:三
井化学(株)製〕507g(3mol)を装入し、内温
を125℃まで昇温した。内温を同温度に保ち、攪拌を
行いながら安息香酸クロライド358.5(2.55m
ol)を4時間で滴下した。その後、125℃を保ちな
がら2時間反応を行った後、更に150℃まで昇温、1
50〜155℃において2時間熟成した。反応により副
生する塩酸は、窒素気流により速やかに系外へ放出し、
アルカリトラップにより中和した。ここで得られた樹脂
を、トルエン2500gに溶解し、60〜70℃におい
て湯洗を行った後、トルエンを最高150℃/5mmH
gの条件で留去して水酸基が85%ベンゾイル化された
樹脂を779g得た。この樹脂の溶融粘度は125℃で
4.9ポイズ、150℃で1.4ポイズであり、水酸基
当量は1420g/eqであった。
【0054】硬化剤合成例4 合成例1と同様の反応装置に、フェノールアラルキル樹
脂〔商品名:ミレックスXLC−4L、平均分子量(M
w)1385(ポリスチレン換算)、水酸基当量169
g/eq:三井化学(株)製〕507g(3mol)、
無水安息香酸339.3g(1.5mol)を装入し、
徐々に昇温しながら攪拌可能となった時点から攪拌を行
い、2時間で125℃とした。その後、125℃を保ち
ながら2時間反応を行った後、更に150℃まで昇温し
た。150〜155℃において2時間熟成したのち、1
10℃まで冷却し、反応系にメチルイソブチルケトン2
500gを装入し均一な溶液とした。反応により副生し
た安息香酸を5%炭酸ナトリウム水溶液2000gで中
和し、更に 廃水が中性になるまで60〜70℃におい
て湯洗を行った後、メチルイソブチルケトンを最高15
0℃/5mmHgの条件で留去して水酸基が50モル%
ベンゾイル化された樹脂を659g得た。この樹脂の溶
融粘度は125℃で5.7ポイズ、150℃で1.6ポ
イズであり、水酸基当量は390g/eqであった。
【0055】硬化剤合成例5 温度計、攪拌器、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた
ガラス製容器に、フェノールアラルキル樹脂〔商品名:
ミレックスXLC−4L、平均分子量(Mw)1385
(ポリスチレン換算)、水酸基当量169g/eq:三
井化学(株)製〕507g(3mol)を装入し、内温
を125℃まで昇温した。内温を同温度に保ち、攪拌を
行いながら安息香酸クロライド84.3(0.6mo
l)を4時間で滴下した。その後、125℃を保ちなが
ら2時間反応を行った後、更に150℃まで昇温、15
0〜155℃において2時間熟成した。反応により副生
する塩酸は、窒素気流により速やかに系外へ放出し、ア
ルカリトラップにより中和した。ここで得られた樹脂
を、トルエン2500gに溶解し、60〜70℃におい
て湯洗を行った後トルエンを最高150℃/5mmHg
の条件で留去して水酸基が20%ベンゾイル化された樹
脂を565g得た。この樹脂の溶融粘度は125℃で
1.8ポイズ、150℃で6.0ポイズであり、水酸基
当量は232g/eqであった。
【0056】硬化剤合成例6 硬化剤合成例1におけるフェノールアラルキル樹脂を、
フェノールノボラック樹脂〔商品名:BRG#558、
平均分子量(Mw)750(ポリスチレン換算)、水酸
基当量104g/eq:昭和高分子(株)製〕312g
(3mol)に代えた以外は、同様にして水酸基が完全
にベンゾイル化された樹脂を618g得た。この樹脂の
溶融粘度は125℃で4.9ポイズ、150℃で1.5
ポイズであり、水酸基当量は3000g/eq以上(検
出できず)であった。
【0057】硬化剤合成例7 硬化剤合成例2におけるフェノールアラルキル樹脂を、
フェノールノボラック樹脂〔商品名:BRG#558、
平均分子量(Mw)750(ポリスチレン換算)、水酸
基当量104g/eq:昭和高分子(株)製〕312g
(3mol)に代えた以外は、同様にして水酸基が90
モル%ベンゾイル化された樹脂を588g得た。この樹
脂の溶融粘度は125℃で5.2ポイズ、150℃で
1.7ポイズであり、水酸基当量は1134g/eqで
あった。
【0058】硬化剤合成例8 硬化剤合成例3におけるフェノールアラルキル樹脂を、
フェノールノボラック樹脂〔商品名:BRG#558、
平均分子量(Mw)750(ポリスチレン換算)、水酸
基当量104g/eq:昭和高分子(株)製〕312g
(3mol)に、また、安息香酸クロライドを371.
1(2.64mol)に代えた以外は、同様にして水酸
基が88%ベンゾイル化された樹脂を580g得た。こ
の樹脂の溶融粘度は125℃で4.8ポイズ、150℃
で1.5ポイズであり、水酸基当量は958g/eqで
あった。
【0059】硬化剤合成例9 硬化剤合成例4におけるフェノールアラルキル樹脂を、
フェノールノボラック樹脂〔商品名:BRG#558、
平均分子量(Mw)750(ポリスチレン換算)、水酸
基当量104g/eq:昭和高分子(株)製〕312g
(3mol)に代えた以外は、同様にして水酸基が50
モル%ベンゾイル化された樹脂を468g得た。この樹
脂の溶融粘度は125℃で5.5ポイズ、150℃で
1.8ポイズであり、水酸基当量は260g/eqであ
った。
【0060】硬化剤合成例10 硬化剤合成例1におけるフェノールアラルキル樹脂を、
フェノール−ジシクロペンタジエン樹脂〔商品名:DP
R#3000、平均分子量(Mw)810(ポリスチレ
ン換算)、水酸基当量185g/eq:三井化学(株)
製〕555g(3mol)に代えた以外は、同様にして
水酸基が完全にベンゾイル化された樹脂を866g得
た。この樹脂の溶融粘度は125℃で2.6ポイズ、1
50℃で1.1ポイズであり、水酸基当量は3000g
/eq以上(検出できず)であった。
【0061】硬化剤合成例11 硬化剤合成例2におけるフェノールアラルキル樹脂を、
フェノール−ジシクロペンタジエン樹脂〔商品名:DP
R#3000、平均分子量(Mw)810(ポリスチレ
ン換算)、水酸基当量185g/eq:三井化学(株)
製〕555g(3mol)に代えた以外は、同様にして
水酸基が90%ベンゾイル化された樹脂を830g得
た。この樹脂の溶融粘度は125℃で3.4ポイズ、1
50℃で1.6ポイズであり、水酸基当量は1944g
/eq以上であった。
【0062】硬化剤合成例12 硬化剤合成例3におけるフェノールアラルキル樹脂を、
フェノール−ジシクロペンタジエン樹脂〔商品名:DP
R#3000、平均分子量(Mw)810(ポリスチレ
ン換算)、水酸基当量185g/eq:三井化学(株)
製〕555g(3mol)に、また、安息香酸クロライ
ドを371.1(2.64mol)に代えた以外は、同
様にして水酸基が88%ベンゾイル化された樹脂を82
2g得た。この樹脂の溶融粘度は125℃で2.6ポイ
ズ、150℃で1.0ポイズであり、水酸基当量は16
33g/eqであった。
【0063】硬化剤合成例13 硬化剤合成例4におけるフェノールアラルキル樹脂を、
フェノール−ジシクロペンタジエン樹脂〔商品名:DP
R#3000、平均分子量(Mw)810(ポリスチレ
ン換算)、水酸基当量185g/eq:三井化学(株)
製〕555g(3mol)に、また、無水安息香酸を2
71.4g(1.2モル)に代えた以外は、同様にして
水酸基が40%ベンゾイル化された樹脂を675g得
た。この樹脂の溶融粘度は125℃で3.4ポイズ、1
50℃で1.7ポイズであり、水酸基当量は349.9
g/eqであった。
【0064】硬化剤合成例14 硬化剤合成例1におけるフェノールアラルキル樹脂を、
ナフトールアラルキル樹脂〔商品名:α−NX−3.
2、平均分子量(Mw)760(ポリスチレン換算)、
水酸基当量213g/eq:三井化学(株)製〕639
g(3mol)に代えた以外は、同様にして水酸基が完
全にベンゾイル化された樹脂を946g得た。この樹脂
の溶融粘度は125℃で4.9ポイズ、150℃で1.
8ポイズであり、水酸基当量は3000g/eq以上
(検出できず)であった。
【0065】硬化剤合成例15 硬化剤合成例2におけるフェノールアラルキル樹脂を、
ナフトールアラルキル樹脂〔商品名:α−NX−3.
2、平均分子量(Mw)760(ポリスチレン換算)、
水酸基当量213g/eq:三井化学(株)製〕912
g(3mol)に代えた以外は、同様にして水酸基が9
0モル%ベンゾイル化された樹脂を837g得た。この
樹脂の溶融粘度は125℃で5.2ポイズ、150℃で
2.1ポイズであり、水酸基当量は2224g/eqで
あった。
【0066】硬化剤合成例16 硬化剤合成例3におけるフェノールアラルキル樹脂を、
ナフトールアラルキル樹脂〔商品名:α−NX−3.
2、平均分子量(Mw)760(ポリスチレン換算)、
水酸基当量213g/eq:三井化学(株)製〕639
g(3mol)に、また、安息香酸クロライドを37
1.1(2.64mol)に代えた以外は、同様にして
水酸基が88%ベンゾイル化された樹脂を910g得
た。この樹脂の溶融粘度は125℃で5.0ポイズ、1
50℃で1.9ポイズであり、水酸基当量は1867g
/eqであった。
【0067】硬化剤合成例17 硬化剤合成例4におけるフェノールアラルキル樹脂を、
ナフトールアラルキル樹脂〔商品名:α−NX−3.
2、平均分子量(Mw)760(ポリスチレン換算)、
水酸基当量213g/eq:三井化学(株)製〕639
g(3mol)に代えた以外は、同様にして水酸基が5
0モル%ベンゾイル化された樹脂を790g得た。この
樹脂の溶融粘度は125℃で5.2ポイズ、150℃で
2.1ポイズであり、水酸基当量は2224g/eqで
あった。
【0068】エポキシ樹脂合成例1 攪拌器、温度計、滴下ロート、ディーンスターク水分離
器および還流冷却器を備えたガラス製反応装置に、フェ
ノールアラルキル樹脂〔商品名:ミレックスXLC−L
L、平均分子量(Mw)2105(ポリスチレン換
算)、水酸基当量167g/eq、三井化学(株)社
製〕334g(水酸基2モル)、エピクロルヒドリン9
25g(10モル)を装入し、攪拌を行いながら、11
5℃まで昇温した。攪拌を行い、内温を110±℃に保
ちながら、48%水酸化ナトリウム水溶液183.3g
(2.2モル)を5時間で滴下した。この時、共沸して
くる水はディーンスターク水分離器により系外へ順次留
去し、エピクロルヒドリンは系内へ戻しながら、反応系
内の水および溶質濃度がほぼ一定になるようにした。滴
下終了後、更に115〜120℃の温度において、水の
留出が完全に止まるまで反応させた後、さらに同温度に
おいて1時間熟成させた。室温まで冷却した後、無機物
を濾別し、得られたエピクロルヒドリン溶液を、最高1
30℃/5mmHgの条件で濃縮し、粗エポキシ樹脂4
32.5gを得た。この粗エポキシ樹脂を、1500g
のメチルイソブチルケトン(MIBK)に溶解し、10
%水酸化ナトリウム水溶液250gを加え、65〜70
℃において2時間攪拌し、後閉環を行った。同温度にお
いて、静置、分液を行った後、MIBK層を2%リン酸
2水素1ナトリウム水溶液300gにより中和、分液を
行った。さらにイオン交換水300gにより3回、MI
BK層を洗浄した後、最高150℃/5mmHgの条件
でMIBKを留去し、精エポキシ樹脂411.3gを得
た。このエポキシ樹脂のエポキシ当量は、235g/e
qであった。
【0069】実施例1 エポキシ樹脂として合成例により得られたフェノールア
ラルキル樹脂型エポキシ樹脂、硬化剤として硬化剤合成
例1の水酸基が完全にベンゾイル化されたフェノールア
ラルキル樹脂、それぞれ1グラム当量(エステル当量2
73g/eq=計算値)づつを、80℃において充分溶
融混練し、均一な樹脂混合物とした。この樹脂混合物
に、式(1)のR1 〜R6 が全てメチル基であるホスフ
ィンオキシド化合物(以下、PZOと略す)を0.00
55モル加え、50℃で1分間混練して樹脂組成物とし
た。この樹脂組成物を10gとり、2cm×5cm×
0.7mmの型枠を用い、150℃→185℃/5mi
n、185℃/5min、150kg/cm2 の条件下
で硬化物を得た後、185℃/8Hr(窒素雰囲気)の
条件でアフターキュアーをかけて、充分に硬化を進行さ
せた樹脂板を成型した。この樹脂板を用い、簡便なクラ
ックテストを行った。その方法は、縦半分にはさみで切
り、生じたクラック数を目視により数えた。その結果、
クラックは生じなかった。
【0070】さらに、残りの樹脂組成物200gに対
し、充填剤および他の添加剤を下記に示す割合で配合
し、ロールによる加熱混練を行って封止材用成形材料を
得た。 無機充填材:720部 {球状溶融シリカ(ハリミックS−CO、(株)マイク
ロン社製)50部と、不定形溶融シリカ(ヒューズレッ
クスRD−8、(株)龍森製)50重量部の混合物} シランカップリング剤:62重量部(SZ−6083、
東レダウコーニングシリコーン社製) カルナバワックス:45重量部 カーボンブラック:3重量部 酸化アンチモン:10重量部
【0071】この成形材料の一部を用い、150℃→1
85℃/5min、185℃/5min、150kg/
cm2 の条件下で硬化物を得た後、185℃/8Hr
(窒素雰囲気)の条件でアフターキュアーをかけて、十
分に硬化を進行させた。この硬化物を用いて各物性を測
定した。結果を表−1(表1〜7)に示した。また、同
じ成形材料を用いて、低圧トランスファー成形によりテ
スト用半導体装置を作成し、半田浴によるクラック発生
テストをおこなった。 結果を表−1に示した。なお、
表中の記号は下記のことを表す。 E:エステル化率 PZO:ホスフィンオキシド TPP:トリフェニルホスフィン UDI:2−ウンデシルイミダゾール
【0072】実施例2〜17 実施例1における硬化剤を、それぞれ硬化剤合成例2〜
17により得られた樹脂に代え、エポキシ基/官能基
(フェノール性水酸基+エステル基)=1/1の当量比
で同様にして、樹脂組成物を得、その後全て同様のテス
トを行った。結果を表−1にまとめて示した。
【0073】比較例1〜4 実施例1、6、10、14における硬化促進剤を、トリ
フェニルホスフィン(TPP)0.015モルに代えた
以外は、同様にして樹脂組成物を得、それ以降のテスト
を行おうとしたが、硬化物が得られなかった。また、ゲ
ルタイムも150℃および200℃で20分間測定した
が、ゲル化の兆候が見られなかったため、テストを中止
した。
【0074】比較例5〜8 実施例1、6、10、14における硬化促進剤を、2−
ウンデシルイミダゾール(UDI)0.015モルに代
えた以外は、同様にして樹脂組成物を得、それ以降のテ
ストを行おうとしたが、硬化物が得られなかった。ま
た、ゲルタイムも150℃および200℃で20分間測
定したが、ゲル化の兆候が見られなかったため、テスト
を中止した。
【0075】比較例9〜16 実施例2、3、7、8、11、12、15、16におけ
る、水酸基の残るエステル化合物とエポキシ樹脂との硬
化において、硬化促進剤をトリフェニルホスフィン(T
PP)0.015モルに代えた以外は、同様にして樹脂
組成物を得、それ以降のテストを行おうとしたが、いず
れも硬化物が得られなかった。また、ゲルタイムも15
0℃および200℃で20分間測定したが、ゲル化の兆
候が見られなかったため、テストを中止した。
【0076】比較例17〜21 実施例4、5、9、13、17における、水酸基の残る
エステル化合物とエポキシ樹脂との硬化において、硬化
促進剤をトリフェニルホスフィン(TPP)0.015
モルに代えた以外は、同様にして樹脂組成物を得、それ
以降のテストを行った。結果を表−1に示した。
【0077】比較例22〜25 実施例1における硬化剤を、それぞれフェノールアラル
キル樹脂〔商品名:ミレックスXLC−4L、水酸基当
量169g/eq:三井化学(株)製〕、フェノールノ
ボラック〔商品名:BRG#558、水酸基当量104
g/eq、油化シェルエポキシ(株)製〕、フェノール
−ジシクロペンタジエン樹脂〔商品名:DPR#500
0、水酸基当量180g/eq、三井化学(株)製〕、
α−ナフトールアラルキル樹脂〔商品名:α−NX−
3.2、水酸基当量213g/eq、三井化学(株)
製〕に代え、硬化触媒をトリフェニルホスフィン0.0
15モルに代えた以外は同様にして、樹脂板および封止
材用成形材料を得た。樹脂板の簡便なクラックテストで
は、5cmの間に5〜6個のクラックが生じていた。更
に、実施例1と同様の硬化物物性およびテスト用半導体
装置のクラック発生テストをおこなった。結果を表−1
に示した。
【0078】尚、各種物性等の試験方法は以下の通りで
ある。 ・Tg(ガラス転移温度):TMA針進入法(島津 T
MA−DRW DT−30により測定。 ・曲げ強度、弾性率:JIS K−6911による。 ・煮沸吸水率:100℃の沸騰水中で2時間煮沸後の重
量増加を測定。 ・V.P.Sテスト:試験用の半導体装置を85℃、8
5%の恒温恒湿槽に168時間放置した後、直ちに24
0℃のフロリナート液(住友スリーエム(株)社製、F
C−70)に投入し、パッケージ樹脂にクラックが発生
した半導体の数を数えた。試験値を分数で示し、分子は
クラックの発生した半導体の数、分母は被験体数であ
る。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】
【表5】
【0084】
【表6】
【0085】
【表7】
【0086】以上、実施例等により詳細に説明してきた
が、本発明のホスフィンオキシド化合物を硬化促進剤の
必須の成分として用い、エステル化合物を硬化剤とした
エポキシ樹脂組成物は、従来のエポキシ樹脂−フェノー
ル樹脂硬化物に比較して、極めて吸湿性に優れ、且つ可
とう性に優れており、、耐クラック性において非常に有
利な硬化物を与えるものである。このため、特に半導体
集積回路の封止材用途において、耐クラック性に優れた
ものが得られることが判った。また、従来の硬化触媒で
あるトリフェニルホスフィンを用いた場合、部分的に水
酸基を残したエステル化合物を用いても、比較例に示さ
れているように、硬化物が得られなかった。すなわち、
エステル部分の硬化が十分ではなく、硬化に関与しない
部分が存在するため、充分な硬化成型物とならないこと
を示すデーターが得られている。このことから、本発明
のエポキシ樹脂組成物が封止材として高い物性を示すの
は、エステル化された硬化剤およびホスフィンオキシド
化合物を硬化促進剤の必須の成分とすることが必須の要
因であることが判る。
【0087】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、従来エ
ポキシ樹脂組成物が用いられてきた産業分野において用
いることが可能であり、特に半導体の封止材として用い
ることにより、従来のエポキシ樹脂−フェノール樹脂硬
化物に比べ、極めて優れた耐クラック性を有するパッケ
ージを与えるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田島 卓男 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 鈴木 孝太郎 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 昇 忠仁 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 高木 夘三治 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 Fターム(参考) 4J036 AA02 AD01 AD04 AD05 AD08 AF01 AF08 AF10 DA01 DA02 DA05 DD07 FA02 FA03 FA05 FB08 FB13 JA07 4M109 AA01 BA01 CA21 EA03 EB02 EB04 EB06 EB12 EB15 EC01 EC03 EC04 EC07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化促進剤として一般式(1)(化1)
    で表されるホスフィンオキシド化合物を必須の成分と
    し、(A)フェノールアラルキル樹脂類から得られる一
    般式(2)(化2)で表されるエポキシ樹脂と、(B)
    硬化剤として、水酸基の10モル%〜100モル%が芳
    香族アシル基によりエステル化された2官能以上のエス
    テル含有化合物またはエステル含有樹脂とを含有するこ
    とを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 〜R6 は水素原子、炭素数1〜10の直
    鎖、分岐または環状のアルキル基、あるいは炭素数6〜
    10のアリール基またはアラルキル基を表し、全て同一
    でもそれぞれ異なっていても良い。) 【化2】 (式中、R7 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
    数1〜10の直鎖、分岐または環状アルキル基、炭素数
    1〜10のアルコキシ基、あるいはフェニル基を表し、
    mは1〜3の整数を表し、繰り返し単位数nは0〜10
    0の整数を表し、その平均は0〜50の範囲である。
    尚、繰り返し単位nの平均が0とはビスエポキシ体であ
    ることを表す。)
  2. 【請求項2】 (B)エステル含有化合物またはエステ
    ル含有樹脂が、ノボラック型樹脂をエステル化した一般
    式(3)(化3)で表される樹脂、フェノールアラルキ
    ル樹脂をエステル化した一般式(4)(化4)で表され
    る樹脂、フェノールージシクロペンタジエン樹脂をエス
    テル化した一般式(5)(化5)で表される樹脂、およ
    びナフトールアラルキル樹脂をエステル化した、一般式
    (6)(化6)で表される樹脂のいずれかである請求項
    1記載のエポキシ樹脂組成物。 【化3】 (式中、R8 は水素原子、メチル基またはエチル基を表
    し、Aは水素原子または芳香族アシル基を表し、水素原
    子/芳香族アシル基のモル比が90/10〜0/100
    の範囲であり、繰り返し単位数pは0〜100の整数を
    表し、その平均は0〜15の範囲である。尚、繰り返し
    単位pの平均が0とはビスフェノール誘導体であること
    を表す。) 【化4】 (式中、R9 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
    数1〜10の直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭素
    数1〜10のアルコキシ基、あるいはフェニル基を表
    し、Aは水素原子または芳香族アシル基を表し、水素原
    子/芳香族アシル基のモル比が90/10〜0/100
    の範囲であり、mは1〜3の整数を表し、繰り返し単位
    数qは0〜100の整数を表し、その平均は0〜50の
    範囲である。尚、繰り返し単位qの平均が0とはビスフ
    ェノール誘導体であることを示す。) 【化5】 (式中、R9 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
    数1〜10の直鎖、分岐または環状アルキル基、炭素数
    1〜10のアルコキシ基、あるいはフェニル基を表し、
    Aは水素原子または芳香族アシル基を表し、水素原子/
    芳香族アシル基のモル比が90/10〜0/100の範
    囲であり、mは1〜3の整数を表し、繰り返し単位数r
    は0〜50の整数を表し、その平均は0〜15の範囲で
    ある。尚、繰り返し単位rの平均が0とはビスフェノー
    ル誘導体であることを示す。) 【化6】 (式中、Aは水素原子または芳香族アシル基を表し、水
    素原子/芳香族アシル基のモル比が90/10〜0/1
    00の範囲であり、繰り返し単位数rは0〜50の整数
    を表し、その平均は0〜15の範囲である。尚、繰り返
    し単位rの平均が0とはビスフェノール誘導体であるこ
    とを示す。)
  3. 【請求項3】 (A+B)100重量部に対し、(C)
    有機および/または無機充填剤を100重量部以上、1
    900重量部以下の範囲で含有する請求項1または2に
    記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキ
    シ樹脂組成物を熱硬化させて得られるエポキシ樹脂硬化
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキ
    シ樹脂組成物を用いて半導体集積回路を封止して得られ
    る半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004018720A (ja) * 2002-06-18 2004-01-22 Mitsui Chemicals Inc 半導体装置用接着剤

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