JP2000143775A - エポキシ樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物およびその用途

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JP2000143775A
JP2000143775A JP10315984A JP31598498A JP2000143775A JP 2000143775 A JP2000143775 A JP 2000143775A JP 10315984 A JP10315984 A JP 10315984A JP 31598498 A JP31598498 A JP 31598498A JP 2000143775 A JP2000143775 A JP 2000143775A
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Kenichi Sugimoto
賢一 杉本
Tatsunobu Uragami
達宣 浦上
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
Tadahito Nobori
忠仁 昇
Usaji Takagi
夘三治 高木
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 硬化促進剤として下記一般式(1)で表
されるホスフィンオキシド化合物を必須の成分とし、ビ
フェノール類から得られるエポキシ樹脂と、硬化剤とし
て水酸基の10モル%〜100モル%が芳香族アシル基
によりエステル化された2官能以上のエステル含有化合
物もしくはエステル含有樹脂とを含有してなるエポキシ
樹脂組成物。 (式中、R1 〜R6 は水素原子、炭素数1〜10のアル
キル基あるいは炭素数6〜10のアリール基またはアラ
ルキル基を示す。) 【効果】 従来にない低吸湿性を実現し、特に半導体封
止材用途において、従来の硬化物より耐クラック性に優
れたパッケージを与えるエポキシ樹脂組成物を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂によ
り半導体集積回路を封止してなる半導体装置に関するも
のであり、その目的に供するに充分な諸物性、特に低吸
湿性や樹脂組成物の溶融流れ性等に優れ、トータルとし
て耐クラック性に優れるエポキシ樹脂組成物およびその
硬化物に関するものである。より具体的には、エポキシ
樹脂としてビフェノール型エポキシ樹脂、硬化剤として
エステル基を有する化合物もしくは樹脂を用い、エステ
ル基をエポキシ基と速やかに反応させる硬化促進剤を組
み合わせてなるエポキシ樹脂組成物およびその硬化物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、集積回路(IC)や大規模集積回
路(LSI)はそれを保護する封止材により外部雰囲気
のゴミや埃、熱、水分、あるいは光による誤作動等から
守られ、実用化されている。この封止材としては、金属
やセラミックスによるものから、近年では樹脂封止へと
変遷しており、現在ではエポキシ樹脂封止が主流となっ
ている。特にコスト面と物性面のバランスからフェノー
ル樹脂を硬化剤としたエポキシ樹脂組成物が多く使われ
ている。これらエポキシ樹脂組成物を用いた封止材は、
機械的物性の向上はもとより、以下に示す様な課題の向
上が求められている。
【0003】すなわち、課題としては 外気中の水分を吸湿するため、半田処理条件下に晒さ
れる際、高温下におかれるため水分の爆発的な気化によ
りクラックを生じる、 硬化の際の副反応として、エポキシ単独重合が部分的
に起こることにより、フェノール樹脂の水酸基が過剰と
なり、耐湿性、電気特性に劣ったり、本来のエポキシ−
フェノール樹脂ネットワーク以外に、エポキシ単独重合
部分や、過剰となったフェノール樹脂部分が存在するこ
とにより機械特性が低下したりする、 フリーイオン、特にハロゲンイオンの混入により、半
導体の金属部分の腐食や電気漏洩等がおこる、等であ
る。 このうち、のイオン不純物は、特にエポキシ樹脂の精
製、純度の問題であり本質的なものではないが、は樹
脂の改質、は副反応の抑制、により本来のエポキシ樹
脂組成物の物性を充分に引き出すことが可能となる。
【0004】最近半導体封止材として多く用いられてい
る材料は、ビフェノールやテトラメチルビフェノール型
エポキシ樹脂(商品名:YX4000、油化シェルエポ
キシ社製、等)とフェノールアラルキル樹脂(商品名:
ミレックスXLC−4L、三井化学(株)製、等)の組
み合わせ等が挙げられる。これらは、100℃付近に融
点を持つ結晶性且つ溶融後の粘度の低いエポキシ樹脂
と、低吸湿且つ可とう性を有するフェノールアラルキル
樹脂とを組み合わせることにより、作業性の向上と、低
吸湿化による耐クラック性の向上を目的とするものであ
る。
【0005】しかしながら、の樹脂の吸湿に関して
は、エポキシ基と水酸基の反応による硬化反応である限
り、下記反応式(7)(化7)で表される様に、必ず水
酸基を生成する反応であり、水酸基を要因として親水性
が大きくなり、基本骨格を疎水化しても全体としての吸
湿率の低減には限界がある。
【0006】
【化7】 (式中、Bはエポキシ残基、Dはフェノール残基を示
す。)
【0007】この問題を解決する一つの手法として、西
久保氏ら出願の特開昭62−53327号公報に示され
る様なエポキシ基とエステル基の反応が提案されてい
る。該公報中には、触媒の好ましいものとして4級オニ
ウム塩やクラウンエーテル錯体が示され、更に同氏らの
論文〔有機合成化学第49巻第218〜233頁(19
91)、エポキシ化合物とエステル類との付加反応とそ
の高分子合成への応用〕中において、具体的に単位反応
としての各触媒を用いたときの収率が示されている。そ
れによれば最高ではテトラブチルアンモニウムクロライ
ドの91%があるものの、収率は総じて低い。また、こ
れら4級オニウム塩やクラウンエーテル錯体は、半導体
集積回路の封止材として用いられた樹脂中に含まれたま
まであると、電気的な短絡等の好ましくない結果をもた
らすのみでなく、それが接触する金属部分の腐食等も引
き起こし、製品として重大な欠陥の原因となることは言
うまでもない。
【0008】一方、一般的なエポキシ樹脂とフェノール
樹脂との付加反応においては、触媒としてトリアルキル
ホスフィン、トリアリールホスフィンの様なホスフィン
類、イミダゾール類、三級アミン類等が用いられ、特に
半導体封止用としてはイミダゾール類、ホスフィン類が
多く用いられる。これらの内、イミダゾール類は反応活
性はあるが、先に述べた副反応であるエポキシ単独重合
を起こしやすく、上記のの問題が大きい。一方、ホス
フィン類はこれらの問題はないものの、硬化速度が遅
い。イミダゾール類を触媒としてエポキシ/エステル硬
化反応に応用した場合、先の西久保氏らの文献によると
エポキシ基に対するエステル基の付加反応の反応収率は
約50%程度であり、その他はエポキシ樹脂の単独重合
等の副反応であることもふまえると、充分な硬化物が得
られる触媒ではない。
【0009】更に、本発明者らの追試においては、これ
らイミダゾール類やホスフィン類を硬化触媒としたとき
に、本発明における芳香族アシル基によるエステルは実
質的にエポキシ樹脂の硬化反応を起こさないことが判
る。具体的には、通常、硬化の際に用いられる温度であ
る150〜200℃の範囲では10分以上ゲル化せず、
現実には硬化物が得られる前に樹脂組成物が流れ出して
しまう状況である(後述比較例参照)。
【0010】また、エポキシ樹脂をエステル硬化させ、
半導体集積回路の封止材として利用するために、フェノ
ール樹脂の10〜90%をエステル化し、硬化剤とする
方法が提案されている(特開平9−235451号公
報)。この方法は、エステル樹脂を製造するに当たり、
原料であるフェノール樹脂のフェノール性水酸基を一部
残存させることにより、硬化初期において反応し易いフ
ェノール部分により一次的に架橋部分を形成させ、後の
アフターキュアーによりエステル基をエポキシ基に作用
させるという発想に基づくものである。
【0011】しかしながら、該公報に示されている硬化
触媒は、ホスフィン類、イミダゾール類およびジアザビ
シクロ類であり、ホスフィン類は本願比較例(後述比較
例参照)で示されるように、エポキシ基とエステル基に
対する充分な硬化触媒能を示さず、また、イミダゾー
ル、ジアザビシクロ類は、先の西久保氏らの論文から明
らかなように、エポキシ単独重合が多く起こり、エポキ
シ基と硬化剤官能基のモル比の調節が難しく、また物性
的にも好ましくない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、現在高級封
止材グレードを中心に多く用いられているエポキシ樹脂
であるビフェノール型エポキシ樹脂に対し、硬化剤であ
るフェノール樹脂の水酸基を芳香族アシル基によりエス
テル化した樹脂を、効果的に硬化させる特殊な硬化触媒
(硬化促進剤)を組み合わせることにより得られる、耐
クラック性および電気特性に優れた半導体封止材用エポ
キシ樹脂組成物、その硬化物および半導体装置を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、硬化促進剤として一般式(1)(化8)で表
されるホスフィンオキシド化合物を必須の成分として用
いることにより上記の課題を解決し得ることを見出し、
本発明を完成するに至ったものである。
【0014】
【化8】 (式中、R1 〜R6 は水素原子、炭素数1〜10の直
鎖、分岐または環状のアルキル基あるいは炭素数6〜1
0のアリール基またはアラルキル基を示し、全て同一で
あっても、それぞれ異なっていてもよい。)
【0015】すなわち、本発明は、(1)硬化促進剤と
して前記一般式(1)で表されるホスフィンオキシド化
合物を必須の成分とし、(A)ビフェノール類から得ら
れる一般式(2)(化9)で表されるエポキシ樹脂と、
(B)硬化剤として、水酸基の10モル%〜100モル
%が芳香族アシル基によりエステル化された2官能以上
のエステル含有化合物もしくはエステル含有樹脂とを含
有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物に関するも
のである。
【0016】
【化9】 (式中、R7 は水素原子またはメチル基を示し、全て同
一であっても、それぞれ異なっていてもよい。)
【0017】また、本発明は、(2)(B)2官能以上
のエステル基含有化合物もしくはエステル基含有樹脂
が、ノボラック型樹脂をエステル化した、一般式(3)
(化10)で表される樹脂、フェノールアラルキル樹脂
をエステル化した、一般式(4)(化11)で表される
樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン樹脂をエステ
ル化した、一般式(5)(化12)で表される樹脂、お
よび、ナフトールアラルキル樹脂をエステル化した、一
般式(6)(化13)で表される樹脂のいずれかである
(1)記載のエポキシ樹脂組成物、
【0018】
【化10】 (式中、R8 は水素原子、メチル基またはエチル基を示
し、Aは水素原子または芳香族アシル基を示し、水素原
子/芳香族アシル基のモル比が90/10〜0/100
の範囲である。繰り返し単位数を示すnは0〜100の
範囲を示し、その平均は0〜15の範囲である。)
【0019】
【化11】 (式中、R9 は水素原子、炭素数1〜9までの直鎖、分
岐または環状アルキル基、フェニル基、水酸基、ハロゲ
ン原子あるいは炭素数1〜9までのアルコキシ基を示
し、mは1〜3を示す。繰り返し単位数を示すn’は0
〜100までの範囲であり、その平均は0〜50の範囲
である。尚、繰り返し単位n’の平均が0とはビスフェ
ノール体であることを示す。Aは水素原子もしくは芳香
族アシル基を示し、水素原子/芳香族アシル基のモル比
が90/10〜0/100の範囲である。)
【0020】
【化12】 (式中、R10は水素原子、炭素数1〜9までの直鎖、分
岐または環状アルキル基、フェニル基、水酸基、ハロゲ
ン原子あるいは炭素数1〜9までのアルコキシ基を示
し、mは1〜3を示す。繰り返し単位数を示すn”は0
〜50までの範囲であり、その平均は0〜15の範囲で
ある。尚、繰り返し単位n”の平均が0とはビスフェノ
ール体であることを示す。Aは水素原子もしくは芳香族
アシル基を示し、水素原子/芳香族アシル基のモル比が
90/10〜0/100の範囲である。)
【0021】
【化13】 (式中、繰り返し単位数を示すn”は0〜50までの範
囲であり、その平均は0〜15の範囲である。尚、繰り
返し単位n”の平均が0とはビスフェノール体であるこ
とを示す。Aは水素原子もしくは芳香族アシル基を示
し、水素原子/芳香族アシル基のモル比が90/10〜
0/100の範囲である。)
【0022】(3)(C)有機および/または無機充填
剤を(A+B)100重量部に対して100重量部以
上、1900重量部以下の範囲で含有する(1)または
(2)記載のエポキシ樹脂組成物、(4)前記(1)〜
(3)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を熱硬化
させて得られるエポキシ樹脂硬化物、(5)前記(1)
〜(3)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を用い
て半導体集積回路を封止して得られる半導体装置、に関
するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシ樹脂組成物は、
硬化促進剤として前記一般式(1)で表されるホスフィ
ンオキシド化合物を必須成分とし、(A)エポキシ樹脂
としてビフェノール類から得られる前記一般式(2)で
表されるエポキシ樹脂、および(B)2官能以上のエス
テル含有化合物もしくはエステル含有樹脂を含有してな
るエポキシ樹脂組成物である。本発明のエポキシ樹脂組
成物は、硬化促進剤として前記ホスフィンオキシド化合
物を用いることで、エポキシ基とエステルを速やかに、
選択的に反応させることを可能にするものであり、これ
により、先述の課題の問題を解決し、高い機械的物
性、特に可とう性に優れ、耐クラック性および電気特性
に優れる硬化物を与えることを可能にするものである。
また、この樹脂組成物に有機および/または無機充填剤
を添加してなる樹脂組成物は、半導体集積回路用封止材
として極めて優れた性能を有するものであり、このこと
は本発明者らが初めて見いだしたものである。
【0024】本発明のエポキシ樹脂組成物において、必
須の成分として用いられる硬化促進剤である前記一般式
(1)で表されるホスフィンオキシド化合物について説
明する。一般式(1)において、置換基R1 〜R6 は全
て同一であっても、それぞれ異なっていてもよく、水素
原子、炭素数1〜10の直鎖、分岐または環状のアルキ
ル基あるいは炭素数6〜10のアリール基またはアラル
キル基である。
【0025】具体的に挙げれば水素原子;メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−ペン
チル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチル
−1−ブチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル
基、3−メチル−2−ブチル基、ネオペンチル基、n−
ヘキシル基、4−メチル−2−ペンチル基、シクロペン
チル基、シクロヘキシル基、1−ヘプチル基、3−ヘプ
チル基、1−オクチル基、2−オクチル基、2−エチル
−1−ヘキシル基、ノニル基またはデシル基等の直鎖、
分岐または環状のアルキル基;フェニル基等のアリール
基;トルイル基、ベンジル基、1−フェニルエチルまた
は2−フェニルエチル基等のアラルキル基を挙げること
ができる。これらのうち、好ましいものは、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基またはシクロヘキシル基の様な炭素数1〜6の脂肪
族炭化水素基であり、より好ましくはメチル基、エチル
基である。
【0026】この様なホスフィンオキシド化合物は、G.
N.Koian etal.Journal of Generral Chemistry of
The USSR, 55, 1453 (1985)に記載されているよう
に、オキシ三塩化リンに3分子のイミノトリスアミノ
(無置換、一置換、二置換)ホスホランを反応させて合
成することができる。さらに、精製が必要であれば、カ
ラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の汎用される
方法により精製することができる。この様にして得られ
るホスフィンオキシド化合物は、通常固体である。
【0027】本発明のエポキシ樹脂組成物において、硬
化促進剤であるホスフィンオキシド化合物の使用量は、
全エポキシ樹脂組成物(樹脂成分:エポキシ樹脂と硬化
剤の合計)に対して、重量で0.001〜25%(0.
001〜25g/100g)の範囲、好ましくは0.0
1〜15%、更に好ましくは0.1〜5%の範囲で用い
られる。モル当量に換算すれば、1.5×10-6〜4.
5×10-2モル/100g、好ましくは1.5×10-5
〜2.5×10-2モル/100g、更に好ましくは1.
5×10-4〜1.0×10-2モル/100gの範囲であ
る。
【0028】また、本発明のエポキシ樹脂組成物におい
ては、このホスフィンオキシド化合物以外の一般の用い
られる公知の硬化促進剤、例えば2−メチルイミダゾー
ル等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン等のホ
スフィン類等をホスフィンオキシド化合物の0.5重量
%〜500重量%の範囲で併用してもよい。その量が5
00重量%(5倍当量)を超えると本発明の特徴が失わ
れる。
【0029】本発明のエポキシ樹脂組成物において、
(A)成分は、ビフェノール類から得られる前記一般式
(2)で表されるエポキシ樹脂(以下エポキシ樹脂とい
う)であり、具体的には4,4’−ジヒドロキシビフェ
ニルまたは4、4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,
5’−テトラメチルビフェニルのジグリシジルエーテル
が挙げられ、例えばYX4000Hの商品名で油化シェ
ルエポキシ社より市販されている。このエポキシ樹脂
は、低溶融粘度であるために、充填剤の充填率の向上が
可能であるという特徴の他、耐リフロークラックに優れ
るという特徴を有するものである。本発明のエポキシ樹
脂組成物において、(B)成分の硬化剤としては、水酸
基の10〜100モル%が芳香族アシル基によりエステ
ル化された、2官能以上のエステル含有化合物もしくは
エステル含有樹脂である。エステル化され得るフェノー
ル樹脂を具体的に例示すれば次のようになる。
【0030】すなわち、一般式(3’)(化14)で表
されるフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラッ
ク樹脂等のノボラック型樹脂;ノボラック型樹脂からビ
スフェノール体を除いた残査物(トリフェノール体以
上:以下VRと略す);一般式(4’)(化15)で表
されるフェノールアラルキル樹脂類;一般式(5’)
(化16)で表されるフェノール−ジシクロペンタジエ
ン共重合樹脂(DPR樹脂);一般式(6’)(化1
7)で表されるナフトールアラルキル樹脂類等である。
【0031】
【化14】 (式中、R8 は水素原子、メチル基またはエチル基を示
し、繰り返し単位数を示すnは0〜100の範囲を示
し、その平均は0〜15の範囲である。)
【0032】
【化15】 (式中、R9 は水素原子、炭素数1〜9までの直鎖、分
岐または環状アルキル基、フェニル基、水酸基、ハロゲ
ン原子あるいは炭素数1〜9までのアルコキシ基を示
し、mは1〜3を示す。繰り返し単位数を示すn’は0
〜100までの範囲であり、その平均は0〜50の範囲
である。尚、繰り返し単位n’の平均が0とはビスフェ
ノール体であることを示す。)
【0033】
【化16】 (式中、R10は水素原子、炭素数1〜9までの直鎖、分
岐または環状アルキル基、フェニル基、水酸基、ハロゲ
ン原子あるいは炭素数1〜9までのアルコキシ基を示
し、mは1〜3を示す。繰り返し単位数を示すn”は0
〜50までの範囲であり、その平均は0〜15の範囲で
ある。尚、繰り返し単位n”の平均が0とはビスフェノ
ール体であることを示す。)
【0034】
【化17】 (式中、繰り返し単位数を示すn”は0〜50までの範
囲であり、その平均は0〜15の範囲である。尚、繰り
返し単位n”の平均が0とはビスフェノール体であるこ
とを示す。)
【0035】これらのフェノール樹脂のエステル化方法
は公知の方法が用いられるが、具体的には以下の通りで
ある。すなわち、上述のような水酸基をエステル化する
際に用いるエステル化剤としては、有機カルボン酸無水
物、有機カルボン酸ハライド、有機カルボン酸のいずれ
でもよい。誘導したいエステルの炭素数によるエステル
化剤の特徴により適宜選択すればよい。このエステル化
剤を具体的に例示すれば、無水安息香酸、安息香酸クロ
ライド、安息香酸ブロマイド、安息香酸、o−メチル安
息香酸クロライド、m−メチル安息香酸クロライド、p
−メチル安息香酸クロライド、o−メチル安息香酸、m
−メチル安息香酸、p−メチル安息香酸、2,3−ジメ
チル安息香酸、2,4−ジメチル安息香酸、2,5−ジ
メチル安息香酸、2,6−ジメチル安息香酸、3,4−
ジメチル安息香酸、3,5−ジメチル安息香酸、等を挙
げることができる。この中で好ましいものとしては、安
息香酸無水物、安息香酸クロライドが挙げられる。これ
らのエステル化剤は単独あるいは任意の2種類以上を併
用して用いることも可能である。
【0036】その使用量は、水酸基に対して10モル%
以上で用いればよく、上限は特に限定されず、過剰に用
いて充分にエステル化を進行させた場合は、過剰のエス
テル化剤は反応終了後除去すればよいが、現実的には反
応容積効率、コスト等の観点から、水酸基に対し10倍
モル以下、好ましくは5倍モル以下、さらに好ましくは
3倍モル以下がよい。
【0037】具体的な反応は、エステル化剤の種類によ
って異なるが、それぞれについて述べれば有機カルボン
酸無水物については、一般に用いられる反応でよい。す
なわち、水酸基に対しエステル化するべき任意の量の有
機カルボン酸無水物を反応させたのち、副成する有機カ
ルボン酸、過剰の有機カルボン酸無水物を常圧蒸留、減
圧蒸留、水洗、炭酸塩等の弱塩基水洗浄等任意の方法も
しくはそれらの組み合わせによって除去することによ
り、目的とするエステル化合物を得るものである。部分
エステル化を行う際は、水酸基に対して任意の量、すな
わち、本発明の樹脂組成物においては10モル%以上が
エステル化されたエステル化物を用いるので、10モル
%以上の有機カルボン酸無水物を用い、完全にエステル
化する際には、水酸基に対して等モル以上、溶剤を兼ね
ればその上限は特に制限されるものではないが、経済効
率、反応の容積効率を考慮すれば10倍モル%以下で用
いればよい。なお、この使用量は後述の有機カルボン酸
を用いた反応の際にも同様である。
【0038】一般にエステル反応においては、ピリジ
ン、ピペリジン、トリエチルアミン等の反応に対しては
不活性な有機塩基の存在下において行うことが多いが、
本発明のエポキシ樹脂組成物を半導体集積回路の封止材
等の電気・電子分野に用いる場合、これらの含窒素有機
塩基が残存することを避けなければならない。このた
め、最終的には水洗行程を導入することが望ましい。し
かしながら、これら有機塩基を用いなくとも充分反応は
進行するので、有機塩基を用いないことが最も望まし
い。
【0039】反応温度は60℃〜200℃の範囲、望ま
しくは80℃〜180℃の範囲、特に望ましくは100
℃〜160℃の範囲が望ましい。反応時間は反応物の種
類や反応温度に大きく左右されるが、およそ1時間〜2
5時間の範囲であり、現実的には高速液体クロマトグラ
フィーやガスクロマトグラフィー等でエステル化剤の消
失や水酸基の消失などを追跡しつつ終点を決定すること
が望ましい。
【0040】反応における溶媒は用いても用いなくても
よい。原料とする水酸基を有する物質が反応温度に於い
て充分溶融し、且つエステル化剤が液体である場合、ま
た反応温度において溶融、あるいは樹脂に溶解し反応に
支障がない場合には無溶媒で反応を行えばよい。
【0041】溶媒を必要とするならば、反応に不活性な
溶媒であれば全て使用することができる。それらを例示
すれば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼン、ジフェニルエーテル等の芳
香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチ
ルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒
類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチル
エーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、等を単独
で、あるいは任意の組み合わせで用いることができる。
【0042】反応は常圧、加圧(オートクレーブ中)、
減圧のいずれでもよく、また反応系の雰囲気は空気中、
窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス中のいずれで
もよいが好ましくは窒素雰囲気下がよい。
【0043】次に、エステル化剤として有機カルボン酸
ハライドを用いる場合における反応について説明する。
この場合も一般に用いられる手法を用いることができ
る。すなわち、水酸基に対してエステル化するべき任意
の量の有機カルボン酸ハライドを反応させればよい。こ
の場合、副生するハロゲン化水素は、ピリジン、ピペラ
ジン、トリエチルアミン等の反応に不活性な塩基を必要
量存在させて系内においてトラップする方法と、ガスと
して反応中に順次速やかに系外に放出し、反応系外に設
置された水またはアルカリトラップを用いて捕捉する場
合が考えられるが、先に示した理由により、含窒素化合
物、イオン性化合物の混入を避けるためハロゲン化水素
ガスは反応中速やかに系外に放出する方法が好ましい。
この時、やはり反応に不活性なガスの気流下において反
応を行うとより好ましい。
【0044】有機カルボン酸ハライドの使用量は、部分
エステル化を行う際は、水酸基に対して任意の量、すな
わち、本発明の樹脂組成物においては10モル%以上が
エステル化されたエステル化物を用いるので、10モル
%以上の有機カルボン酸ハライドを用い、完全にエステ
ル化する際には水酸基に対して等モルもしくは小過剰を
用いればよく、大過剰用いることは特に制限されるもの
ではないが、経済効率、反応の容積効率、さらに反応後
の処理工程の煩雑さを考慮すれば水酸基に対して10倍
モル以下、好ましくは5倍モル以下、さらに好ましくは
3倍モル以下の範囲で用いればよい。反応温度、反応に
おける溶媒の使用、反応の形態に関しては先の有機カル
ボン酸無水物の場合に準じればよい。
【0045】また、エステル化剤として有機カルボン酸
を用いる場合は、ほぼ有機カルボン酸無水物に準じれば
よいが、反応に際して酸触媒を必要とする。それを例示
すれば、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸等の鉱酸類;
p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンス
ルホン酸、ジメチルスルホン酸、ジエチルスルホン酸等
の有機スルホン酸類;トリフルオロメタンスルホン酸に
代表される超強酸、アルカンスルホン酸型に代表される
酸性イオン交換樹脂;パーフルオロアルカンスルホン酸
型に代表される超強酸型イオン交換樹脂等である。
【0046】その使用量は、原料の重量に対して超強酸
の場合が0.00001〜5重量%、好ましくは0.0
001〜1重量%、より好ましくは0.001〜0.1
重量%の範囲、イオン交換樹脂類の場合が1〜100重
量%、好ましくは10〜50重量%の範囲、その他の場
合は0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量
%の範囲である。この範囲を下まわると反応速度が低下
し、現実的な反応時間では完結しない。またこの範囲よ
り大きくなると、副反応が無視できなくなり、あるいは
触媒の除去の行程の煩雑さ等を含めてコストの増大に繋
がる。
【0047】以上、3種類のエステル化剤についてその
反応を説明してきたが、いずれの場合もより精製度の高
いエステル化物を得る必要のある場合には、反応終了
後、水洗行程を導入すればよい。その場合はトルエン、
キシレン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケト
ン、酢酸エチル等の水洗可能な溶媒を用いて、洗浄廃水
に酸性成分、イオン性不純物が混入しなくなるまで洗浄
すればよい。
【0048】また、本発明においては、そのエステル化
率は10モル%〜100モル%の範囲であるが、好まし
くは50モル%〜100モル%、より好ましくは80モ
ル%〜100モル%、さらに好ましくは90モル%〜1
00モル%の範囲である。
【0049】以上のようにして得られた、エステル化率
10〜100モル%のエステル化物は、従来のフェノー
ル樹脂と同様にしてエポキシ樹脂に対する硬化剤として
用いることが可能である。すなわち2官能以上のエポキ
シ樹脂に対して硬化剤として用いることにより、従来の
エポキシ−フェノール硬化物と同様に熱硬化性樹脂とし
て同一の分野へ利用することができる。本発明の硬化物
の最も大きな特徴は、従来のエポキシ−フェノール硬化
物と比較して、吸湿率が大きく低減されること、エステ
ル基を有する効果により非常に可とう性に優れることに
ある。さらには硬化後の構造に水酸基が生成するエポキ
シ−フェノール硬化物に対して、その水酸基がエステル
化された形で硬化物が形成されるため、電気特性も向上
する。
【0050】従来、エポキシ樹脂は、特に封止材の分野
において、フェノール樹脂を硬化剤として多く用いられ
てきたが、その性能の向上は低吸湿率化の向上と大きな
相関がある。樹脂中に含まれる水分は、IRリフロー時
の様に急激に200℃以上の高温に晒されると、一気に
気化し、いわゆる水蒸気爆発的な力が生じる。このため
にクラックを生じ、種々の物性に悪影響を及ぼし、最悪
の場合は封止材とチップとの剥離に至る場合がある。本
発明は上述したような特徴から、低吸湿性および耐クラ
ック性の両面においてこの問題の解決に対して寄与する
ものである。
【0051】エポキシ樹脂と硬化剤との配合比は、エポ
キシ基1モル当量に対してエステル基もしくはエステル
基および水酸基の合計、すなわちエポキシ基に対する活
性基が、0.5〜1.5モル当量、好ましくは0.7〜
1.3モル当量の範囲であり、硬化物の最適物性が得ら
れるモル比を調整して用いることがより好ましい。エポ
キシ樹脂および硬化剤はそれぞれ一種類づつ単独で用い
てもよく、複数を併用してもよい。
【0052】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
必要に応じて、エポキシ樹脂組成物に(C)成分として
有機および/または無機充填剤やその他の添加剤を添加
してもよい。特に半導体集積回路の封止材に用いるとき
にはその機械的特性の向上や全体のコストダウンのため
に、有機および/または無機充填剤を、また、光による
誤動作を防ぐためにカーボンブラック等の着色剤を、更
には離型剤、カップリング剤、難燃剤等を用いることが
望ましい。
【0053】有機および/または無機充填剤の使用量と
しては、(A+B)100重量部に対し、100重量%
以上、1900重量部以下の範囲であり、耐湿性、機械
的強度の観点から好ましくは250重量部以上、より好
ましくは550重量部以上である。用いられる有機およ
び/または無機充填剤としては、例えばシリカ、アルミ
ナ、窒化珪素、炭化珪素、タルク、ケイ酸カルシウム、
炭酸カルシウム、マイカ、クレー、チタンホワイト等の
粉体、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維等の繊
維体等が挙げられる。これらの中で封止材用途において
好ましいものは、結晶性シリカおよび/または溶融シリ
カであり、さらにその樹脂組成物の成型時の流動性を考
慮すると、その形状は球形または球型と不定型の混合物
が望ましい。
【0054】また、本発明のエポキシ樹脂組成物におい
ては、機械的強度や耐熱性の面を考慮した各種添加剤を
配合することが好ましい。例えば、樹脂と無機充填材と
の接着性向上のためにはカップリング剤を用いることが
望ましく、かかるカップリング剤としてはシラン系、チ
タネート系、アルミネート系、およびジルコアルミネー
ト系等を挙げることができる。なかでも好ましいものと
してはシランカップリング剤であり、特にエポキシ基と
反応する官能基を持つシランカップリング剤が最も好ま
しい。
【0055】そのようなカップリング剤としては、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N
−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、3−アニリノプロピルトリエトキシ
シラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン等を挙げることができ、これらを単独で、あるいは
2種類以上組み合わせて使用することができる。これら
のカップリング剤は、予め無機充填材の表面に吸着ある
いは、反応により固定化されていることが望ましい。
【0056】本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて半導
体集積回路を封止し、半導体装置を作成する方法として
は、低圧トランスファー成型が最も一般的であると言え
るが、その他の方法、例えばインジェクション成型、圧
縮成型、注型等の方法も可能であり、また溶剤を用いる
ような特殊な手法も可能である。
【0057】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。 (硬化剤合成例1)温度計、攪拌器、滴下ロートおよび
還流冷却器を備えたガラス製容器に、フェノールアラル
キル樹脂(商品名:ミレックスXLC−4L、平均分子
量(MW)1385(ポリスチレン換算)、水酸基当量
169g/eq:三井化学(株)製)507g(3mo
l)を装入し、内温を125℃まで昇温した。内温を同
温度に保ち、攪拌を行いながら安息香酸クロライド46
4.0(3.3mol)を4時間で滴下した。その後、
125℃を保ちながら2時間反応を行った後、更に15
0℃まで昇温、150〜155℃において2時間熟成し
た。反応により副生する塩酸は、窒素気流により速やか
に系外へ放出し、アルカリトラップにより中和した。こ
こで得られた樹脂を、トルエン2500gに溶解し、1
%炭酸ナトリウム水溶液2500gで洗浄した。その後
廃水が中性になるまで60〜70℃において湯洗を行っ
た後、トルエンを最高150℃/5mmHgの条件で留
去して水酸基が完全にベンゾイル化された樹脂を810
g得た。この樹脂の溶融粘度(ICIコーン型溶融粘度
型による。以下同じ)は125℃で4.8ポイズ、15
0℃で1.3ポイズであり、水酸基当量は3000g/
eq以上(検出できず)であった。
【0058】(硬化剤合成例2)合成例1と同様の反応
装置に、フェノールアラルキル樹脂(商品名:ミレック
スXLC−4L、平均分子量(MW)1385(ポリス
チレン換算)、水酸基当量169g/eq:三井化学
(株)製)507g(3mol)、無水安息香酸61
0.8g(2.7mol)を装入し、徐々に昇温しなが
ら攪拌可能となった時点から攪拌を行い、2時間で12
5℃とした。その後、125℃を保ちながら2時間反応
を行った後、更に150℃まで昇温した。150〜15
5℃において2時間熟成したのち、110℃まで冷却
し、反応系にメチルイソブチルケトン2500gを装入
し均一な溶液とした。反応により副生した安息香酸を1
0%炭酸ナトリウム水溶液2000gで中和し、更に、
廃水が中性になるまで60〜70℃において湯洗を行っ
た後、メチルイソブチルケトンを最高150℃/5mm
Hgの条件で留去して水酸基が90モル%ベンゾイル化
された樹脂を783g得た。この樹脂の溶融粘度は12
5℃で5.2ポイズ、150℃で1.5ポイズであり、
水酸基当量は1780g/eqであった。
【0059】(硬化剤合成例3)温度計、攪拌器、滴下
ロートおよび還流冷却器を備えたガラス製容器に、フェ
ノールアラルキル樹脂(商品名:ミレックスXLC−4
L、平均分子量(MW)1385(ポリスチレン換
算)、水酸基当量169g/eq:三井化学(株)製)
507g(3mol)を装入し、内温を125℃まで昇
温した。内温を同温度に保ち、攪拌を行いながら安息香
酸クロライド371.2g(2.64mol)を4時間
で滴下した。その後、125℃を保ちながら2時間反応
を行った後、更に150℃まで昇温、150〜155℃
において2時間熟成した。反応により副生する塩酸は、
窒素気流により速やかに系外へ放出し、アルカリトラッ
プにより中和した。ここで得られた樹脂を、トルエン2
500gに溶解し、60〜70℃において湯洗を行った
後、トルエンを最高150℃/5mmHgの条件で留去
して水酸基が88%ベンゾイル化された樹脂を779g
得た。この樹脂の溶融粘度(ICIコーン型溶融粘度型
による。以下同じ)は125℃で4.9ポイズ、150
℃で1.4ポイズであり、水酸基当量は1450g/e
qであった。
【0060】(硬化剤合成例4)合成例1と同様の反応
装置に、フェノールアラルキル樹脂(商品名:ミレック
スXLC−4L、平均分子量(MW)1385(ポリス
チレン換算)、水酸基当量169g/eq:三井化学
(株)製)507g(3mol)、無水安息香酸33
9.3g(1.5mol)を装入し、徐々に昇温しなが
ら攪拌可能となった時点から攪拌を行い、2時間で12
5℃とした。その後、125℃を保ちながら2時間反応
を行った後、更に150℃まで昇温した。150〜15
5℃において2時間熟成したのち、110℃まで冷却
し、反応系にメチルイソブチルケトン2500gを装入
し均一な溶液とした。反応により副生した安息香酸を5
%炭酸ナトリウム水溶液2000gで中和し、更に 廃
水が中性になるまで60〜70℃において湯洗を行った
後、メチルイソブチルケトンを最高150℃/5mmH
gの条件で留去して水酸基が50モル%ベンゾイル化さ
れた樹脂を659g得た。この樹脂の溶融粘度は125
℃で5.7ポイズ、150℃で1.6ポイズであり、水
酸基当量は390g/eqであった。
【0061】(硬化剤合成例5)合成例1におけるフェ
ノールアラルキル樹脂をフェノールノボラック樹脂(商
品名:BRG#558、平均分子量(MW)750(ポ
リスチレン換算)、水酸基当量104g/eq:昭和高
分子(株)製)312g(3mol)に変えた以外は同
様にして、水酸基が完全にベンゾイル化された樹脂を6
18g得た。この樹脂の溶融粘度は125℃で4.9ポ
イズ、150℃で1.5ポイズであり、水酸基当量は3
000g/eq以上(検出できず)であった。
【0062】(硬化剤合成例6)合成例2におけるフェ
ノールアラルキル樹脂をフェノールノボラック樹脂(商
品名:BRG#558、平均分子量(MW)750(ポ
リスチレン換算)、水酸基当量104g/eq:昭和高
分子(株)製)312g(3mol)に変えた以外は同
様にして、水酸基が90モル%ベンゾイル化された樹脂
を588g得た。この樹脂の溶融粘度は125℃で5.
2ポイズ、150℃で1.7ポイズであり、水酸基当量
は1134g/eqであった。
【0063】(硬化剤合成例7)合成例1におけるフェ
ノールアラルキル樹脂をフェノールノボラック樹脂(商
品名:BRG#558、平均分子量(MW)750(ポ
リスチレン換算)、水酸基当量104g/eq:昭和高
分子(株)製)312g(3mol)に変えた以外は同
様にして水酸基が88%ベンゾイル化された樹脂を58
0g得た。この樹脂の溶融粘度は125℃で4.8ポイ
ズ、150℃で1.5ポイズであり、水酸基当量は95
8g/eqであった。
【0064】(硬化剤合成例8)合成例2におけるフェ
ノールアラルキル樹脂を、フェノールノボラック樹脂
(商品名:BRG#558、平均分子量(MW)750
(ポリスチレン換算)、水酸基当量104g/eq:昭
和高分子(株)製)312g(3mol)に変えた以外
は同様にして水酸基が50モル%ベンゾイル化された樹
脂を468g得た。この樹脂の溶融粘度は125℃で
5.5ポイズ、150℃で1.8ポイズであり、水酸基
当量は260g/eqであった。
【0065】(硬化剤合成例9)合成例1におけるフェ
ノールアラルキル樹脂を、フェノール−ジシクロペンタ
ジエン樹脂(商品名:DPR#3000、平均分子量
(MW)810(ポリスチレン換算)、水酸基当量18
5g/eq:三井化学(株)製)555g(3mol)
に変えた以外は同様にして水酸基が完全にベンゾイル化
された樹脂を866g得た。この樹脂の溶融粘度は12
5℃で2.6ポイズ、150℃で1.1ポイズであり、
水酸基当量は3000g/eq以上(検出できず)であ
った。
【0066】(硬化剤合成例10)合成例2におけるフ
ェノールアラルキル樹脂を、フェノール−ジシクロペン
タジエン樹脂(商品名:DPR#3000、平均分子量
(MW)810(ポリスチレン換算)、水酸基当量18
5g/eq:三井化学(株)製)555g(3mol)
に変えた以外は同様にして水酸基が90%ベンゾイル化
された樹脂を830g得た。この樹脂の溶融粘度は12
5℃で3.4ポイズ、150℃で1.6ポイズであり、
水酸基当量は1944g/eq以上であった。
【0067】(硬化剤合成例11)合成例1におけるフ
ェノールアラルキル樹脂を、フェノール−ジシクロペン
タジエン樹脂(商品名:DPR#3000、平均分子量
(MW)810(ポリスチレン換算)、水酸基当量18
5g/eq:三井化学(株)製)555g(3mol)
に変えた以外は同様にして水酸基が88%ベンゾイル化
された樹脂を822g得た。この樹脂の溶融粘度は12
5℃で2.6ポイズ、150℃で1.0ポイズであり、
水酸基当量は1633g/eqであった。
【0068】(硬化剤合成例12)合成例2におけるフ
ェノールアラルキル樹脂を、フェノール−ジシクロペン
タジエン樹脂(商品名:DPR#3000、、平均分子
量(MW)810(ポリスチレン換算)、水酸基当量1
85g/eq:三井化学(株)製)555g(3mo
l)、無水安息香酸を271.4g(1.2モル)に変
えた以外は同様にして水酸基が40%ベンゾイル化され
た樹脂を675g得た。この樹脂の溶融粘度は125℃
で3.4ポイズ、150℃で1.7ポイズであり、水酸
基当量は349.9g/eqであった。
【0069】(硬化剤合成例13)合成例1におけるフ
ェノールアラルキル樹脂をナフトールアラルキル樹脂
(商品名:α−NX−3.2、平均分子量(MW)76
0(ポリスチレン換算)、水酸基当量213g/eq:
三井化学(株)製)639g(3mol)に変えた以外
は同様にして水酸基が完全にベンゾイル化された樹脂を
946g得た。この樹脂の溶融粘度は125℃で4.9
ポイズ、150℃で1.8ポイズであり、水酸基当量は
3000g/eq以上(検出できず)であった。
【0070】(硬化剤合成例14)合成例2におけるフ
ェノールアラルキル樹脂を、ナフトールアラルキル樹脂
(商品名:α−NX−3.2、平均分子量(MW)76
0(ポリスチレン換算)、水酸基当量213g/eq:
三井化学(株)製)912g(3mol)に変えた以外
は同様にして水酸基が90モル%ベンゾイル化された樹
脂を837g得た。この樹脂の溶融粘度は125℃で
5.2ポイズ、150℃で2.1ポイズであり、水酸基
当量は2224g/eqであった。
【0071】(硬化剤合成例15)合成例1におけるフ
ェノールアラルキル樹脂をナフトールアラルキル樹脂
(商品名:α−NX−3.2、平均分子量(MW)76
0(ポリスチレン換算)、水酸基当量213g/eq:
三井化学(株)製)639g(3mol)に変えた以外
は同様にして水酸基が88%ベンゾイル化された樹脂を
910g得た。この樹脂の溶融粘度は125℃で5.0
ポイズ、150℃で1.9ポイズであり、水酸基当量は
1867g/eqであった。
【0072】(硬化剤合成例16)合成例2におけるフ
ェノールアラルキル樹脂を、ナフトールアラルキル樹脂
(商品名:α−NX−3.2、平均分子量(MW)76
0(ポリスチレン換算)、水酸基当量213g/eq:
三井化学(株)製)639g(3mol)に変えた以外
は同様にして水酸基が50モル%ベンゾイル化された樹
脂を790g得た。この樹脂の溶融粘度は125℃で
5.2ポイズ、150℃で2.1ポイズであり、水酸基
当量は2224g/eqであった。
【0073】(実施例1)エポキシ樹脂としてテトラメ
チルビフェノールジグリシジルエーテル(商品名:YX
4000H、油化シェルエポキシ社製、エポキシ当量1
84g/eq)、硬化剤として合成例1のベンゾイル化
フェノールアラルキル樹脂(エステル当量273g/e
q=計算値)1グラム当量づつを80℃において充分溶
融混練し、均一な樹脂混合物とした。この樹脂混合物
に、硬化促進剤として前記一般式(1)のR1 〜R6
全てメチル基であるホスフィンオキシド化合物(PZ
O)を0.0055モル加え、50℃で1分間混練して
樹脂組成物とした。この樹脂組成物を10gとり、2c
m×5cm×0.7mmの型枠を用い、150℃→18
5℃/5min、185℃/5min、150kg/c
2 の条件下で硬化物を得た後、185℃/8Hr(窒
素雰囲気)の条件でアフターキュアーをかけて、充分に
硬化を進行させた樹脂板を成型した。この樹脂板用い、
簡便なクラックテストを行った。その方法は、縦半分に
はさみで切り、生じたクラック数を目視により数えた。
その結果、クラックは生じなかった。
【0074】さらに、残りの樹脂組成物200gに対
し、充填材およびその他の添加剤を下記の割合で配合
し、ロールによる加熱混練を行って封止材用成形材料を
得た。 無機充填剤 :720重量部 〔球形溶融シリカ(ハリミックS−CO、(株)マイク
ロン社製)50重量部と、不定形溶融シリカ(ヒューズ
レックスRD−8、(株)龍森製)50重量部の混合
物〕 シランカップリング剤: 62重量部 (SZ−6083、東レダウコーニングシリコーン社
製) カルナバワックス : 45重量部 カーボンブラック : 3重量部 酸化アンチモン : 10重量部
【0075】この成形材料の一部を用い、150℃→1
85℃/5min、185℃/5min、150kg/
cm2 の条件下で硬化物を得た後、185℃/8Hr
(窒素雰囲気)の条件でアフターキュアーをかけて、十
分に硬化を進行させた。この硬化物を用いて各物性を測
定した。結果を表−1(表1)に示す。また、同じ成形
材料を用いて、低圧トランスファー成形によりテスト用
半導体装置を作成し、半田浴によるクラック発生テスト
をおこなった。結果を表−1(表1)に示す。表中の記
号は下記のことを表す。 E:エステル化率 PZO:ホスフィンオキシド TPP:トリフェニルホスフィン UDI:2−ウンデシルイミダゾール 尚、ロール混練前の樹脂組成物のゲルタイムは150℃
において測定した。(以下同じ)
【0076】(実施例2〜16)実施例1における硬化
剤を、合成例2〜16により得られた樹脂に代え、エポ
キシ基/官能基(フェノール性水酸基+エステル基)=
1/1のモル比で同様にして樹脂組成物を得、その後、
全て同様のテストを行った。結果を表−1(表1〜3)
に示す。
【0077】(比較例1〜4)実施例1、5、9、13
における硬化促進剤をトリフェニルホスフィン(TP
P)0.015モルに代えた他は、同様にして樹脂組成
物を得、それ以降のテストを行ったが、硬化物が得られ
なかった。またゲルタイムも150℃および200℃で
20分間測定したが、ゲル化の傾向が見られなかったた
め、テストを中止した。
【0078】(比較例5〜8)実施例1、5、9、13
における硬化促進剤を2−ウンデシルイミダゾール(U
DI)0.015モルに代えた他は、同様にして樹脂組
成物を得、それ以降のテストを行ったが、硬化物が得ら
れなかった。またゲルタイムも150℃および200℃
で20分間測定したが、ゲル化の傾向が見られなかった
ため、テストを中止した。
【0079】(比較例9〜12)実施例2、6、10、
14における、水酸基の残るエステル化合物とエポキシ
樹脂との硬化において、触媒をトリフェニルホスフィン
(TPP)0.015モルに代えた以外は、同様にして
各テストを行った。結果を表−2(表5)に示す。
【0080】(比較例13〜16)実施例4、8、1
2、16における、水酸基の残るエステル化合物とエポ
キシ樹脂との硬化において、触媒をトリフェニルホスフ
ィン(TPP)0.015モルに代えた以外は、同様に
して各テストを行った。結果を表−2(表5、6)に示
す。
【0081】(比較例17〜20)実施例1における硬
化剤をフェノールアラルキル樹脂(商品名:ミレックス
XLC−4L、平均分子量(MW)1385(ポリスチ
レン換算)、水酸基当量169g/eq:三井化学
(株)製)、フェノールノボラック樹脂(商品名:BR
G#558、平均分子量(MW)750(ポリスチレン
換算)、水酸基当量104g/eq:油化シェルエポキ
シ(株)製)、フェノール−ジシクロペンタジエン樹脂
(商品名:DPR#5000、平均分子量(MW)81
0(ポリスチレン換算)、水酸基当量185g/eq:
三井化学(株)製)、α−ナフトールアラルキル樹脂
(商品名:α−NX−3.2、平均分子量(MW)76
0(ポリスチレン換算)、水酸基当量213g/eq:
三井化学(株)製)に代え、硬化促進剤をトリフェニル
ホスフィン(TPP)0.015モルに代えた以外は、
同様にして各テストを行った。結果を表−2(表6)に
示す。
【0082】尚、各種物性等の試験方法は以下の通りで
ある。 ・Tg(ガラス転移温度):TMA針進入法(島津 T
MA−DRW DT−30により測定。 ・曲げ強度、弾性率:JIS K−6911による。 ・煮沸吸水率:100℃の沸騰水中で2時間煮沸後の重
量増加を測定。 ・V.P.Sテスト:試験用の半導体装置を85℃、8
5%の恒温恒湿槽に168時間放置した後、直ちに24
0℃のフロリナート液(住友スリーエム(株)社製、F
C−70)に投入し、パッケージ樹脂にクラックが発生
した半導体の数を数えた。試験値を分数で示し、分子は
クラックの発生した半導体の数、分母は被験体数であ
る。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】
【表5】
【0088】
【表6】
【0089】以上、実施例等により詳細に説明してきた
が、本発明のホスフィンオキシド化合物を必須の硬化促
進剤として用い、水酸基の10モル%〜100モル%が
エステル化されたエステル化合物を硬化剤としたエポキ
シ樹脂組成物は、従来のエポキシ樹脂−フェノール樹脂
硬化物に比較して大きく吸湿性に優れ、且つ可とう性に
優れており、耐クラック性において非常に有利である。
このため、特に半導体集積回路の封止材用途において耐
クラック性に優れることが判る。
【0090】また、従来の硬化促進剤であるトリフェニ
ルホスフィン(TPP)を用いた場合、比較例1〜4で
示されているように、トリフェニルホスフィンは、芳香
族アシル基によりエステルされた部分の硬化反応を起こ
さないことがわかる。また、比較例9〜12で示されて
いるように、部分的に水酸基を残したエステル化合物を
用いても、硬化物が得られない。すなわち、エステル部
分の硬化が十分でないので、90%以上も硬化に関与し
ない部分が存在するため硬化成型物とならないことを示
している。このことは、本発明における封止材として高
い物性を得るためにはエステル化された硬化剤およびホ
スフィンオキシド化合物が必須の要因であることがわか
る。
【0091】
【発明の効果】本発明により得られるエポキシ樹脂組成
物は、従来エポキシ樹脂組成物が用いられてきた産業分
野において用いることが可能であるが、特に半導体の封
止材として用いることにより、従来のエポキシ樹脂−フ
ェノール樹脂硬化物より耐クラック性に優れたパッケー
ジを与えるものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 63/00 C08L 63/00 Z H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 (72)発明者 昇 忠仁 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 高木 夘三治 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 Fターム(参考) 4J002 CC08X CD05W CE00X CL06Y DA017 DE137 DE147 DE237 DF017 DJ007 DJ017 DJ037 DJ047 DJ057 DL007 EW156 FA04Y FA047 FD01Y FD017 FD156 GQ05 4J036 AD07 DD07 FA01 FA05 FB06 FB08 FB13 JA07 4M109 AA01 BA01 CA21 EA03 EB02 EB04 EB12 EB14 EC01 EC03 EC07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化促進剤として一般式(1)(化1)
    で表されるホスフィンオキシド化合物を必須の成分と
    し、(A)ビフェノール類から得られる一般式(2)
    (化2)で表されるエポキシ樹脂と、(B)硬化剤とし
    て、水酸基の10モル%〜100モル%が芳香族アシル
    基によりエステル化された2官能以上のエステル含有化
    合物もしくはエステル含有樹脂とを含有することを特徴
    とするエポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 〜R6 は水素原子、炭素数1〜10の直
    鎖、分岐または環状のアルキル基あるいは炭素数6〜1
    0のアリール基またはアラルキル基を示し、全て同一で
    あっても、それぞれ異なっていてもよい。) 【化2】 (式中、R7 は水素原子またはメチル基を示し、全て同
    一であっても、それぞれ異なっていてもよい。)
  2. 【請求項2】 (B)エステル含有化合物もしくはエス
    テル含有樹脂が、ノボラック型樹脂をエステル化した、
    一般式(3)(化3)で表される樹脂、フェノールアラ
    ルキル樹脂をエステル化した、一般式(4)(化4)で
    表される樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン樹脂
    をエステル化した、一般式(5)(化5)で表される樹
    脂、および、ナフトールアラルキル樹脂をエステル化し
    た、一般式(6)(化6)で表される樹脂のいずれかで
    ある請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。 【化3】 (式中、R8 は水素原子、メチル基またはエチル基を示
    し、Aは水素原子または芳香族アシル基を示し、水素原
    子/芳香族アシル基のモル比が90/10〜0/100
    の範囲である。繰り返し単位数を示すnは0〜100の
    範囲を示し、その平均は0〜15の範囲である。) 【化4】 (式中、R9 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
    数1〜9までの直鎖、分岐または環状アルキル基、炭素
    数1〜9までのアルコキシ基あるいはフェニル基を示
    し、mは1〜3を示す。繰り返し単位数を示すn’は0
    〜100までの範囲であり、その平均は0〜50の範囲
    である。尚、繰り返し単位n’の平均が0とはビスフェ
    ノール体であることを示す。Aは水素原子もしくは芳香
    族アシル基を示し、水素原子/芳香族アシル基のモル比
    が90/10〜0/100の範囲である。) 【化5】 (式中、R10は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
    数1〜9までの直鎖、分岐または環状アルキル基、炭素
    数1〜9までのアルコキシ基あるいはフェニル基を示
    し、mは1〜3を示す。繰り返し単位数を示すn”は0
    〜50までの範囲であり、その平均は0〜15の範囲で
    ある。尚、繰り返し単位n”の平均が0とはビスフェノ
    ール体であることを示す。Aは水素原子もしくは芳香族
    アシル基を示し、水素原子/芳香族アシル基のモル比が
    90/10〜0/100の範囲である。) 【化6】 (式中、繰り返し単位数を示すn”は0〜50までの範
    囲であり、その平均は0〜15の範囲である。尚、繰り
    返し単位n”の平均が0とはビスフェノール体であるこ
    とを示す。Aは水素原子もしくは芳香族アシル基を示
    し、水素原子/芳香族アシル基のモル比が90/10〜
    0/100の範囲である。)
  3. 【請求項3】 (C)有機および/または無機充填剤を
    (A+B)100重量部に対し、100重量部以上、1
    900重量部以下の範囲で含有する請求項1または2に
    記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキ
    シ樹脂組成物を熱硬化させて得られるエポキシ樹脂硬化
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキ
    シ樹脂組成物を用いて半導体集積回路を封止して得られ
    る半導体装置。
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KR1019990018362A KR100328791B1 (ko) 1998-05-21 1999-05-20 에폭시수지조성물 및 그 용도
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JP2002193893A (ja) * 2000-12-28 2002-07-10 Mitsui Chemicals Inc エステル基を有する化合物及びエポキシ樹脂組成物

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