JP2000327747A - エポキシ樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物およびその用途

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JP2000327747A
JP2000327747A JP11136868A JP13686899A JP2000327747A JP 2000327747 A JP2000327747 A JP 2000327747A JP 11136868 A JP11136868 A JP 11136868A JP 13686899 A JP13686899 A JP 13686899A JP 2000327747 A JP2000327747 A JP 2000327747A
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Tatsunobu Uragami
達宣 浦上
Kenichi Sugimoto
賢一 杉本
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
Takao Tajima
卓男 田島
Kotaro Suzuki
孝太郎 鈴木
Tadahito Nobori
忠仁 昇
Usaji Takagi
夘三治 高木
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 硬化促進剤として下記一般式(1)で表
されるホスフィンオキシド化合物を必須の成分とし、フ
ェノール−ジシクロペンタジエン樹脂類から得られるエ
ポキシ樹脂と、硬化剤として水酸基の10モル%〜10
0モル%が脂肪族アシル基によりエステル化された2官
能以上のエステル含有化合物またはエステル含有樹脂と
を含有してなるエポキシ樹脂組成物。 (式中、R1 〜R6 は水素原子、炭素数1〜10のアル
キル基、あるいは炭素数6〜10のアリール基またはア
ラルキル基を示す。) 【効果】 従来にない低吸湿性を実現し、特に半導体封
止材用途において、従来の硬化物に比べ、極めて優れた
耐クラック性を有するパッケージを与えるエポキシ樹脂
組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂によ
り半導体集積回路を封止してなる半導体装置に関するも
のであり、その目的に供するに充分な諸物性、特に低吸
湿性や樹脂組成物の溶融流れ性等に優れ、トータルとし
て耐クラック性に優れたエポキシ樹脂組成物およびその
硬化物に関するものである。より具体的には、エポキシ
樹脂としてフェノール−ジシクロペンタジエン樹脂型エ
ポキシ樹脂、硬化剤としてエステル基を有する化合物ま
たは樹脂を用い、エステル基をエポキシ基と速やかに反
応させる触媒を組み合わせてなるエポキシ樹脂組成物お
よびその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、集積回路(IC)や大規模集積回
路(LSI)は、それを保護する封止材により、外部雰
囲気のゴミや埃、熱、水分、あるいは光による誤作動等
から守られ、実用化されている。この封止材としては金
属やセラミックスによるものから、近年では樹脂封止へ
と変遷しており、現在ではエポキシ樹脂封止が主流とな
っている。特にコスト面と物性面のバランスから、フェ
ノール樹脂を硬化剤としたエポキシ樹脂組成物が多く使
われている。これらエポキシ樹脂組成物を用いた封止材
は機械的物性の向上はもとより、以下に示す様な課題の
向上が求められている。
【0003】すなわち、課題としては(1)外気中の水分
を吸湿するため、半田処理条件下に晒される際、高温下
におかれるため水分の爆発的な気化によりクラックを生
じる、(2)硬化の際の副反応として、エポキシ単独重合
が部分的に起こることにより、フェノール樹脂の水酸基
が過剰となり耐湿性、電気特性に劣ったり、本来のエポ
キシ−フェノール樹脂ネットワーク以外にエポキシ単独
重合部分や、過剰となったフェノール樹脂部分が存在す
る事により機械特性が低下したりする、(3)フリーイオ
ン、特にハロゲンイオンの混入により半導体の金属部分
の腐食や電気漏洩等が起こる、等である。このうち、
(3)のイオン不純物については特にエポキシ樹脂の精
製、純度の問題であり本質的なものではないが、 (1)は
樹脂の改質、 (2)は副反応の抑制、により本来のエポキ
シ樹脂組成物の物性を充分に引き出すことが可能とな
る。
【0004】最近半導体封止材として多く用いられてい
る材料としては、汎用グレードとして比較的安価なオル
ソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂〔商品名:EO
CN−102S、日本化薬(株)製、等〕とフェノール
ノボラック樹脂〔商品名:BRG#558、昭和高分子
(株)社製、等〕の組み合わせや、高級グレードとして
ビフェノールやテトラメチルビフェノール型エポキシ樹
脂〔商品名:YX4000、油化シェルエポキシ(株)
社製、等〕とフェノールアラルキル樹脂〔商品名:ミレ
ックスXLC−4L、三井化学(株)社製、等〕の組み
合わせ等が挙げられる。
【0005】前者の組み合わせは、官能基密度の高いエ
ポキシ樹脂および硬化剤を用いることにより、耐熱性が
高く、また安価であるという特徴を有するものの、その
官能基密度が高いことから吸湿率が高く、また溶融粘度
が高いことからフィラー充填率の限界が低いという問題
があり、その改善が求められている。また、後者の組み
合わせは、100℃付近に融点を持つ結晶性且つ溶融後
の粘度の低いエポキシ樹脂と、低吸湿且つ可とう性を有
するフェノールアラルキル樹脂との組み合わせにより、
作業性の向上と低吸湿化による耐クラック性の向上とい
う特徴を有するものの、コスト面および2官能を主成分
とするエポキシ樹脂を用いることにより架橋密度が低下
することに起因する耐熱性の面で改善が求められてい
る。
【0006】一方、最近では、低溶融粘度且つ低吸湿性
であり、更に低コストであることを特徴とするフェノー
ル−ジシクロペンタジエン樹脂型エポキシ樹脂〔商品
名:エピクロンHP−7200、大日本インキ化学工業
(株)社製、等〕が提案されている。これは、フェノー
ルを繋ぐ連結基として、トリシクロデカン環を有するも
のである。しかし、 (1)の樹脂の吸湿に関しては、硬化
反応がエポキシ基と水酸基の反応である限り、下記反応
式(7)(化7)で表される様に、必ず水酸基を生成す
る反応であり、水酸基を要因として親水性が大きくなる
ため、基本骨格を疎水化しても全体としての吸湿率の低
減には限界がある。
【0007】
【化7】 (式中、Bはエポキシ残基、Dはフェノール残基を示
す。)
【0008】この問題を解決する一つの手法として、西
久保氏ら出願の特開昭62−53327公報に示される
様なエポキシ基とエステル基の反応が提案されている。
該公報中には、触媒の好ましいものとして、4級オニウ
ム塩やクラウンエーテル錯体が示され、更に、同氏らの
論文〔有機合成化学第49巻第218〜233頁(19
91)、エポキシ化合物とエステル類との付加反応とそ
の高分子合成への応用〕中において、具体的に単位反応
としての各触媒を用いたときの収率が示されている。そ
れによれば、テトラブチルアンモニウムクロライドの9
1%が最高であり、収率は総じて低い。また、これら4
級オニウム塩やクラウンエーテル錯体は、半導体集積回
路の封止材として用いられた樹脂中に含まれたままであ
ると、電気的な短絡等の好ましくない結果をもたらすの
みでなく、それが接触する金属部分の腐食等も引き起こ
し、製品として重大な欠陥となることは言うまでもな
い。
【0009】一方、一般的なエポキシ樹脂とフェノール
樹脂との付加反応においては、触媒としてトリアルキル
ホスフィン、トリアリールホスフィンの様なホスフィン
類、イミダゾール類、三級アミン類等が用いられ、特に
半導体封止用としてはイミダゾール類、ホスフィン類が
多く用いられる。これらの内、イミダゾール類は反応活
性はあるが、先に述べた副反応であるエポキシ単独重合
を起こしやすく、上記の (2)の問題が大きい。一方、ホ
スフィン類はこれらの問題はないものの、硬化速度が遅
い。イミダゾール類を触媒としてエポキシ/エステル硬
化反応に応用した場合、先の西久保氏らの文献による
と、エポキシ基に対するエステル基の付加反応の反応収
率は約50%程度であり、その他はエポキシ樹脂の単独
重合等の副反応であることもふまえると、充分な硬化物
が得られる触媒ではない。
【0010】更に、本発明者らの追試においては、これ
らイミダゾール類やホスフィン類を硬化触媒としたとき
に、本発明における脂肪族アシル基によるエステルは、
実質的にエポキシ樹脂の硬化反応を起こさないことが判
る。具体的には、通常、硬化の際に用いられる温度であ
る150〜200℃の範囲では10分以上ゲル化せず、
現実には硬化物が得られる前に樹脂組成物が流れ出して
しまう状況である(後述比較例参照)。
【0011】また、エポキシ樹脂をエステル硬化させ、
半導体集積回路の封止材として利用するために、フェノ
ール樹脂の10〜90%をエステル化し、硬化剤とする
方法が提案されている(特開平9−235451号公
報)。この方法は、エステル樹脂を製造するに当たり、
原料であるフェノール樹脂のフェノール性水酸基を一部
残存させることにより、硬化初期において反応し易いフ
ェノール部分により一次的に架橋部分を形成させ、後の
アフターキュアーによりエステル基をエポキシ基に作用
させるという発想に基づくものである。
【0012】しかしながら、該公報に示されている硬化
触媒は、ホスフィン類、イミダゾール類およびジアザビ
シクロ類であり、ホスフィン類は本願比較例(後述比較
例参照)で示される様に、エポキシ基とエステル基に対
する充分な硬化触媒能を示さず、また、イミダゾール
類、ジアザビシクロ類は、先の西久保氏らの論文から明
らかなように、エポキシ単独重合が多く起こり、エポキ
シ基と硬化剤官能基のモル比の調節が難しく、また物性
的にも好ましくない。更に該公報によれば、脂肪族アシ
ル基によるエステル化物はエポキシとの反応には適さな
いとされている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フェノール
−ジシクロペンタジエン樹脂型エポキシ樹脂に対し、フ
ェノール樹脂の水酸基を脂肪族アシル基によりエステル
化したものを硬化剤として用い、これを効果的に硬化さ
せる特殊な硬化触媒(硬化促進剤)を組み合わせること
により、低吸湿性で且つ耐クラック性および電気特性に
優れた半導体封止材用エポキシ樹脂組成物、その硬化物
および半導体装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、本発明を完成するに至ったものである。すな
わち、本発明は、硬化促進剤として前記一般式(1)
(化8)で表されるホスフィンオキシド化合物を必須の
成分とし、(A)フェノール−ジシクロペンタジエン樹
脂類から得られる一般式(2)(化9)で表されるエポ
キシ樹脂と、(B)硬化剤として、水酸基の10モル%
〜100モル%が脂肪族アシル基によりエステル化され
た2官能以上のエステル含有化合物またはエステル含有
樹脂とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物
に関するものである。
【0015】
【化8】 (式中、R1 〜R6 は水素原子、炭素数1〜10の直
鎖、分岐または環状のアルキル基、あるいは炭素数6〜
10のアリール基またはアラルキル基を表し、全て同一
でもそれぞれ異なっていてもよい。)
【0016】
【化9】 (式中、R7 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
数1〜10の直鎖、分岐または環状アルキル基、炭素数
1〜10のアルコキシ基、あるいはフェニル基を表し、
mは1〜3の整数を表し、繰り返し単位数nは0〜50
の整数を表し、その平均は0〜15の範囲である。尚、
繰り返し単位nの平均が0とはビスエポキシ体であるこ
とを表す。)
【0017】また、本発明は、(B)エステル含有化
合物またはエステル含有樹脂が、ノボラック型樹脂をエ
ステル化した一般式(3)(化10)で表される樹脂、
フェノールアラルキル樹脂をエステル化した、一般式
(4)(化11)で表される樹脂、フェノールージシク
ロペンタジエン樹脂をエステル化した、一般式(5)
(化12)で表される樹脂およびナフトールアラルキル
樹脂をエステル化した、一般式(6)(化13)で表さ
れる樹脂のいずれかである前記記載のエポキシ樹脂組
成物に関するものである。
【0018】
【化10】 (式中、R8 は水素原子、メチル基またはエチル基を表
し、Aは水素原子または脂肪族アシル基を表し、水素原
子/脂肪族アシル基のモル比が90/10〜0/100
の範囲であり、繰り返し単位数pは0〜100の整数を
表し、その平均は0〜15の範囲である。尚、繰り返し
単位pの平均が0とはビスフェノール誘導体であること
を表す。)
【0019】
【化11】 (式中、R9 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
数1〜10の直鎖、分岐または環状アルキル基、炭素数
1〜10のアルコキシ基、あるいはフェニル基を表し、
Aは水素原子もしくは脂肪族アシル基を表し、水素原子
/脂肪族アシル基のモル比が90/10〜0/100の
範囲であり、mは1〜3の整数を表し、繰り返し単位数
qは0〜100の整数を表し、その平均は0〜50の範
囲である。尚、繰り返し単位qの平均が0とはビスフェ
ノール誘導体であることを表す。)
【0020】
【化12】 (式中、R9 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
数1〜10の直鎖、分岐または環状アルキル基、炭素数
1〜10のアルコキシ基、あるいはフェニル基を表し、
Aは水素原子もしくは脂肪族アシル基を表し、水素原子
/脂肪族アシル基のモル比が90/10〜0/100の
範囲であり、mは1〜3の整数を表し、繰り返し単位数
nは0〜50の整数を表し、その平均は0〜15の範囲
である。尚、繰り返し単位nの平均が0とはビスフェノ
ール誘導体であることを表す。)
【0021】
【化13】 (式中、Aは水素原子もしくは脂肪族アシル基を表し、
水素原子/脂肪族アシル基のモル比が90/10〜0/
100の範囲であり、繰り返し単位数nは0〜50の整
数を表し、その平均は0〜15の範囲である。尚、繰り
返し単位nの平均が0とはビスフェノール誘導体である
ことを表す。)
【0022】さらに、本発明は、(A+B)100重
量部に対して、(C)有機および/または無機充填剤を
100重量部以上1900重量部以下の範囲で含有する
前記または記載のエポキシ樹脂組成物、 前記〜のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を
熱硬化させて得られるエポキシ樹脂硬化物、 前記〜のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を
用いて半導体集積回路を封止して得られる半導体装置、
に関するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシ樹脂組成物は、
硬化促進剤として前記一般式(1)で表されるホスフィ
ンオキシド化合物を必須成分とし、(A)エポキシ樹脂
としてフェノール−ジシクロペンタジエン樹脂類から得
られる前記一般式(2)で表されるエポキシ樹脂、およ
び(B)硬化剤として2官能以上のエステル含有化合物
またはエステル含有樹脂を含有してなるエポキシ樹脂組
成物である。
【0024】本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化促進
剤として前記ホスフィンオキシド化合物を用いること
で、エポキシ基とエステル基を速やかに、選択的に反応
させることを可能にするものである。これにより、先述
の課題 (1)および (2)の問題を解決し、高い機械的物
性、特に低吸湿性、可とう性に優れ、耐クラック性およ
び電気特性に優れる硬化物を与えることを可能にするも
のである。また、この樹脂組成物に、有機および/また
は無機充填材を添加してなる樹脂組成物は、半導体集積
回路用封止材として極めて優れた性能を有するものであ
り、このことは本発明者らが初めて見いだしたものであ
る。
【0025】本発明のエポキシ樹脂組成物において、必
須の成分として用いられる硬化促進剤である前記一般式
(1)で表されるホスフィンオキシド化合物について説
明する。一般式(1)において、置換基R1 〜R6 は全
て同一であっても、それぞれ異なっていてもよく、水素
原子、炭素数1〜10の直鎖、分岐または環状のアルキ
ル基、あるいは炭素数6〜10のアリール基またはアラ
ルキル基である。
【0026】具体的には、水素原子、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−ペンチル
基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチル−1
−ブチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、
3−メチル−2−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキ
シル基、4−メチル−2−ペンチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、1−ヘプチル基、3−ヘプチル
基、1−オクチル基、2−オクチル基、2−エチル−1
−ヘキシル基、ノニル基またはデシル基等の直鎖、分岐
または環状のアルキル基、フェニル基、トリル基等のア
リール基、ベンジル基、1−フェニルエチルまたは2−
フェニルエチル基等のアラルキル基を挙げることが出来
る。これらのうち、好ましいものはメチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基ま
たはシクロヘキシル基の様な炭素数1〜6のアルキル基
であり、より好ましくはメチル基、エチル基である。
【0027】この様なホスフィンオキシド化合物は、G.
N. Koian etal. Journal of General Chemistry of Th
e USSR, 55, 1453 (1985) に記載されているように、オ
キシ三塩化リンに3分子のイミノトリスアミノ(無置
換、一置換、二置換)ホスホランを反応させて合成する
ことができる。更に、精製が必要であればカラムクロマ
トグラフィー、蒸留、再結晶等の汎用される方法により
精製することが出来る。この様にして得られるホスフィ
ンオキシド化合物は、通常固体である。
【0028】本発明のエポキシ樹脂組成物において、硬
化促進剤であるホスフィンオキシド化合物の使用量は、
全エポキシ樹脂組成物(樹脂成分:エポキシ樹脂と硬化
剤の合計)に対して、重量で0.001〜25%(0.
001〜25g/100g)の範囲、好ましくは0.0
1〜15%、更に好ましくは0.1〜5%の範囲で用い
られる。モルに換算すれば、1.5×10-6〜4.5×
10-2モル/100g、好ましくは1.5×10-5
2.5×10-2モル/100g、更に好ましくは1.5
×10-4〜1.0×10-2モル/100gの範囲であ
る。また、本発明のエポキシ樹脂組成物においては、こ
のホスフィンオキシド化合物以外の一般に用いられる公
知の硬化促進剤、例えば、2−メチルイミダゾール等の
イミダゾール類、トリフェニルホスフィン等のホスフィ
ン類等をホスフィンオキシド化合物の0.5重量%〜5
00重量%の範囲で併用しても良い。その量が500重
量%を超えると本発明の特徴が失われる。
【0029】本発明のエポキシ樹脂組成物において、
(A)成分はフェノール−ジシクロペンタジエン樹脂類
から得られる前記一般式(2)で表されるフェノール−
ジシクロペンタジエン樹脂型エポキシ樹脂(以下エポキ
シ樹脂という)であり、例えば、先の一般式(2)にお
けるR7 が水素原子やメチルであるフェノール−ジシク
ロペンタジエン樹脂のエポキシ化物が挙げられる。これ
らは、フェノール−ジシクロペンタジエン樹脂〔三井化
学(株)社製、商品名:DPR#5000等〕を、常法
によりエピクロルヒドリンと反応させて得ることがで
き、あるいは、大日本インキ化学工業(株)社より、エ
ピクロンHP−7200等の名称で市販されている。
【0030】本発明のエポキシ樹脂組成物において、
(B)成分の硬化剤としては、水酸基の10〜100モ
ル%が脂肪族アシル基によりエステル化された2官能以
上のエステル含有化合物またはエステル含有樹脂であ
る。エステル化され得るフェノール樹脂を具体的に例示
すれば次のようになる。すなわち、一般式(3’)(化
14)で表されるフェノールノボラック樹脂、クレゾー
ルノボラック樹脂等のノボラック樹脂;ノボラック樹脂
からビスフェノール体を除いた残査物(トリフェノール
体以上:以下VRと略す);一般式(4’)(化15)
で表されるフェノールアラルキル樹脂類;一般式
(5’)(化16)で表されるフェノール−ジシクロペ
ンタジエン共重合樹脂(DPR樹脂);一般式(6’)
(化17)で表されるナフトールアラルキル樹脂類等で
ある。
【0031】
【化14】 (式中、R8 は水素原子、メチル基またはエチル基を表
し、繰り返し単位数pは0〜100の整数を表し、その
平均は0〜15の範囲である。尚、繰り返し単位pの平
均が0とはビスフェノールであることを表す。)
【0032】
【化15】 (式中、R9 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
数1〜10の直鎖、分岐または環状アルキル基、炭素数
1〜10のアルコキシ基、あるいはフェニル基を表し、
mは1〜3の整数を表し、繰り返し単位数qは0〜10
0の整数を表し、その平均は0〜50の範囲である。
尚、繰り返し単位qの平均が0とはビスフェノールであ
ることを表す。)
【0033】
【化16】 (式中、R9 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
数1〜10の直鎖、分岐または環状アルキル基、炭素数
1〜10のアルコキシ基、あるいはフェニル基を表し、
mは1〜3の整数を表し、繰り返し単位数nは0〜50
の整数を表し、その平均は0〜15の範囲である。尚、
繰り返し単位nの平均が0とはビスフェノールであるこ
とを表す。)
【0034】
【化17】 (式中、繰り返し単位数nは0〜50の整数を表し、そ
の平均は0〜15の範囲である。尚、繰り返し単位nの
平均が0とはビスフェノールであることを表す。)
【0035】これらのフェノール樹脂のエステル化方法
は公知の方法が用いられるが、具体的には以下の通りで
ある。すなわち、上述のような水酸基をエステル化する
際に用いるエステル化剤としては、有機カルボン酸無水
物、有機カルボン酸ハライド、有機カルボン酸のいずれ
でも良い。誘導したいエステルの炭素数によるエステル
化剤の特徴により適宜選択すればよい。このエステル化
剤を具体的に例示すれば、無水酢酸、アセチルクロライ
ド、アセチルブロマイド、酢酸、無水プロピオン酸、プ
ロピオン酸クロライド、プロピオン酸ブロマイド、プロ
ピオン酸、無水酪酸、酪酸クロライド、酪酸、無水吉草
酸、吉草酸クロライド、吉草酸ブロマイド、吉草酸、ピ
バリン酸クロライド、ピバリン酸、フェニル酢酸クロラ
イド、フェニル酢酸、2−フェニルプロピオン酸、3−
フェニルプロピオン酸、o−トリル酢酸、m−トリル酢
酸、p−トリル酢酸、クメン酸、2−フェニル酪酸、4
−フェニル酪酸等を挙げることが出来る。これらの中
で、好ましいものとしては無水酢酸、アセチルクロライ
ドを挙げられる。これらのエステル化剤は単独あるいは
任意の2種類以上を併用して用いることも可能である。
【0036】その使用量は、水酸基に対して10モル%
以上で用いればよく、上限は特に限定されず、過剰に用
いて充分にエステル化を進行させた場合は、過剰のエス
テル化剤は反応終了後除去すればよいが、現実的には反
応容積効率、コスト等の観点から、水酸基に対し10倍
モル以下、好ましくは5倍モル以下、さらに好ましくは
3倍モル以下が良い。
【0037】具体的な反応は、エステル化剤の種類によ
って異なるが、それぞれについて述べれば有機カルボン
酸無水物については、一般に用いられる反応で良い。す
なわち、水酸基に対しエステル化するべき任意の量の有
機カルボン酸無水物を反応させたのち、副成する有機カ
ルボン酸、過剰の有機カルボン酸無水物を常圧蒸留、減
圧蒸留、水洗、炭酸塩等の弱塩基水洗浄等任意の方法も
しくはそれらの組み合わせによって除去することによ
り、目的とするエステル化合物を得るものである。部分
エステル化を行う際は、水酸基に対して任意の量、すな
わち、本発明においては10モル%以上の有機カルボン
酸無水物を用い、完全にエステル化する際には水酸基に
対して等モル以上、溶剤を兼ねれば、その上限は特に制
限されるものではないが、経済効率、反応の容積効率を
考慮すれば10倍モル%以下で用いればよい。なお、こ
の使用量は後述の有機カルボン酸を用いた反応の際にも
同様である。
【0038】一般にエステル化反応においては、ピリジ
ン、ピペリジン、トリエチルアミン等の反応に対しては
不活性な有機塩基の存在下において行うことが多いが、
本発明のエポキシ樹脂組成物を半導体集積回路の封止材
等の電気・電子分野に用いる場合、これらの含窒素有機
塩基が残存することを避けなければならない。このた
め、最終的には水洗行程を導入する事が望ましい。しか
しながら、これら有機塩基を用いなくとも充分反応は進
行するため、本発明においては有機塩基を用いないこと
が最も望ましい。
【0039】反応温度は室温〜200℃の範囲、望まし
くは30℃〜180℃の範囲、特に望ましくは40℃〜
160℃の範囲が望ましい。反応は常圧、加圧(オート
クレーブ中)、減圧のいずれでもよく、また反応系の雰
囲気は空気中、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガ
ス中のいずれでも良いが好ましくは窒素雰囲気下が良
い。反応時間は反応物の種類や反応温度に大きく左右さ
れるが、およそ1時間〜25時間の範囲であり、現実的
には高速液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフ
ィー等でエステル化剤の消失や水酸基の消失などを追跡
しつつ終点を決定することが望ましい。
【0040】反応における溶媒は用いても用いなくても
良い。原料とする水酸基を有する物質が反応温度に於い
て充分溶融し、且つエステル化剤が液体である場合、ま
た反応温度において溶融、あるいは樹脂に溶解し反応に
支障がない場合には無溶媒で反応を行えばよい。溶媒を
必要とするならば、反応に不活性な溶媒であれば全て使
用することが出来る。それらを例示すれば、ベンゼン、
トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベ
ンゼン、ジフェニルエーテル等の芳香族炭化水素類、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、
スルホラン等の非プロトン性極性溶媒類、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエー
テル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン等のケトン類、等を単独で、あるいは任意の
組み合わせで用いることが出来る。
【0041】次に、エステル化剤として有機カルボン酸
ハライドを用いる場合における反応について説明する。
この場合も一般に用いられる手法を用いることが出来
る。すなわち、水酸基に対してエステル化するべき任意
の量の有機カルボン酸ハライドを反応させれば良い。こ
の場合、副生するハロゲン化水素は、ピリジン、ピペリ
ジン、トリエチルアミン等の反応に不活性な塩基を必要
量存在させて系内においてトラップする方法と、ガスと
して反応中に順次速やかに系外に放出し、反応系外に設
置された水またはアルカリトラップを用いて捕捉する場
合が考えられるが、先に示した理由により、含窒素化合
物、イオン性化合物の混入を避けるためハロゲン化水素
ガスは反応中速やかに系外に放出する方法が好ましい。
この時、やはり反応に不活性なガスの気流下において反
応を行うとより好ましい。
【0042】有機カルボン酸ハライドの使用量は部分エ
ステル化を行う際は、水酸基に対して任意の量、本発明
の樹脂組成物においては10モル%以上がエステル化さ
れたエステル化物を用いるので、10モル%以上の有機
カルボン酸ハライドを用い、完全にエステル化する際に
は水酸基に対して等モルもしくは小過剰を用いればよ
く、大過剰用いることは特に制限されるものではない
が、経済効率、反応の容積効率、さらに反応後の処理工
程の煩雑さを考慮すれば水酸基に対して10倍モル以
下、好ましくは5倍モル以下、さらに好ましくは3倍モ
ル以下の範囲で用いればよい。反応温度、反応における
溶媒の使用、反応の形態に関しては先の有機カルボン酸
無水物の場合に準じればよい。
【0043】また、エステル化剤として有機カルボン酸
を用いる場合はほぼ有機カルボン酸無水物に準じればよ
いが、反応に際して酸触媒を必要とする。それを例示す
れば、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸等の鉱酸類、p
−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスル
ホン酸、ジメチルスルホン酸、ジエチルスルホン酸等の
有機スルホン酸類、トリフルオロメタンスルホン酸に代
表される超強酸、アルカンスルホン酸型に代表される酸
性イオン交換樹脂、パーフルオロアルカンスルホン酸型
に代表される超強酸型イオン交換樹脂等である。その使
用量は、原料の重量に対して超強酸の場合が0.000
01〜5重量%、好ましくは0.0001〜1重量%、
より好ましくは0.001〜0.1重量%の範囲、イオ
ン交換樹脂類の場合が1〜100重量%、好ましくは1
0〜50重量%の範囲、その他の場合は0.01〜10
重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。こ
の範囲を下まわると反応速度が低下し、現実的な反応時
間では完結しない。またこの範囲より大きくなると、副
反応が無視できなくなり、あるいは触媒の除去の行程の
煩雑さ等を含めてコストの増大に繋がる。
【0044】以上、3種類のエステル化剤についてその
反応を説明してきたが、いずれの場合もより精製度の高
いエステル化物を得る必要のある場合には、反応終了
後、水洗工程を導入すればよい。その場合は、トルエ
ン、キシレン、メチルイソブチルケトン、メチルエチル
ケトン、酢酸エチル等の、水洗可能な溶媒を用いて、洗
浄廃水に酸性成分、イオン性不純物が混入しなくなるま
で洗浄すればよい。
【0045】また、本発明においては、そのエステル化
率は10モル%〜100モル%の範囲であるが、好まし
くは50モル%〜100モル%、さらに好ましくは80
モル%〜100モル%、最も好ましくは90モル%〜1
00モル%の範囲である。以上のようにして得られた、
エステル化率10〜100モル%のエステル化物は、従
来のフェノール樹脂と同様にして、エポキシ樹脂に対す
る硬化剤として用いることが可能である。すなわち、2
官能以上のエポキシ樹脂に対して硬化剤として用いるこ
とにより、従来のエポキシ−フェノール硬化物と同様に
熱硬化性樹脂として同一の分野へ利用することが出来
る。
【0046】本発明の硬化物の最も大きな特徴は、従来
のエポキシ−フェノール硬化物と比較して吸湿率が大き
く低減されること、エステル基を有する効果により非常
に可とう性に優れることにある。さらには、硬化後の構
造に水酸基が生成するエポキシ−フェノール硬化物に対
して、その水酸基がエステル化された形で硬化物が形成
されるため、電気特性も向上する。
【0047】従来、エポキシ樹脂は、特に封止材の分野
において、フェノール樹脂を硬化剤として多く用いられ
てきたが、その性能の向上は低吸湿率化の向上と大きな
相関がある。樹脂中に含まれる水分は、IRリフロー時
の様に急激に200℃以上の高温に晒されると、一気に
気化し、いわゆる水蒸気爆発的な力が生じる。 このた
めにクラックを生じ種々の物性に悪影響を及ぼし、最悪
の場合は封止材とチップとの剥離に至る場合がある。本
発明は上述したような特徴から、低吸湿性および耐クラ
ック性の両面においてこの問題の解決に対して寄与する
ものである。
【0048】エポキシ樹脂と硬化剤との配合比は、エポ
キシ基1当量に対してエステル基もしくはエステル基お
よび水酸基の合計、すなわち、エポキシ基に対する活性
基が0.5〜1.5当量、好ましくは0.7〜1.3当
量の範囲であり、最適硬化物物性が得られる当量比を調
整して用いることがより好ましい。エポキシ樹脂および
硬化剤は、それぞれ一種類づつ単独で用いてもよく、複
数を併用しても良い。
【0049】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
必要に応じてエポキシ樹脂組成物に(C)有機および/
または無機充填剤やその他の添加剤を添加しても良い。
特に半導体集積回路の封止材に用いるときにはその機械
的特性の向上や全体のコストのダウンのために有機およ
び/または無機充填剤を、光による誤動作を防ぐために
カーボンブラック等の着色剤を、更には離型剤、カップ
リング剤、難燃剤等を用いることが望ましい。有機およ
び/または無機充填剤の使用量としては、(A+B)1
00重量部に対し、100重量%以上、1900重量部
以下の範囲であり、耐湿性、機械的強度の観点から好ま
しくは250重量部以上、より好ましくは550重量部
以上である。
【0050】用いられる有機および/または無機充填剤
としては、例えばシリカ、アルミナ、窒化珪素、炭化珪
素、タルク、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、マイ
カ、クレー、チタンホワイト等の粉体、ガラス繊維、カ
ーボン繊維、アラミド繊維等の繊維体等が挙げられる。
これらの中で封止材用途において好ましいものは、結晶
性シリカおよび/または溶融シリカであり、さらにその
樹脂組成物の成型時の流動性を考慮すると、その形状は
球形または球型と不定型の混合物が望ましい。
【0051】また、本発明のエポキシ樹脂組成物におい
ては、機械的強度や耐熱性の面を考慮した各種添加剤を
配合することが好ましい。例えば、樹脂と無機充填材と
の接着性向上のためにはカップリング剤を用いることが
望ましく、かかるカップリング剤としてはシラン系、チ
タネート系、アルミネート系、およびジルコアルミネー
ト系等を挙げることが出来る。なかでも好ましいもの
は、シランカップリング剤であり、特にエポキシ基と反
応する官能基を持つシランカップリング剤が最も好まし
い。
【0052】そのようなカップリング剤としては、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N
−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、3−アニリノプロピルトリエトキシ
シラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン等を挙げることが出来、これらを単独で、あるいは
2種類以上組み合わせて使用することが出来る。これら
のカップリング剤は、予め無機充填材の表面に吸着ある
いは、反応により固定化されていることが望ましい。
【0053】本発明のエポキシ樹脂硬化物は、前記の本
発明のエポキシ樹脂組成物を熱硬化させて得られるもの
である。また、本発明の半導体装置は、前記の本発明の
エポキシ樹脂組成物を用いて半導体集積回路を封止して
得られるものである。本発明のエポキシ樹脂組成物を用
いて半導体集積回路を封止し、半導体装置を作製する方
法としては、低圧トランスファー成型が最も一般的であ
ると言えるが、その他の方法、例えばインジェクション
成型、圧縮成型、注型等の方法も可能であり、また溶剤
を用いるような特殊な手法も可能である。
【0054】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。 硬化剤合成例1 温度計、攪拌器、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた
ガラス製容器に、フェノールアラルキル樹脂〔商品名:
ミレックスXLC−4L、平均分子量(Mw)1385
(ポリスチレン換算)、水酸基当量169g/eq:三
井化学(株)製〕507g(3mol)を装入し、内温
を125℃まで昇温した。内温を同温度に保ち、攪拌を
行いながら無水酢酸336.9g(3.3mol)を2
時間で滴下した。その後、125℃を保ちながら2時間
反応を行った後、更に140℃まで昇温した。140〜
150℃において2時間熟成したのち、過剰の無水酢酸
および副生した酢酸を最高150℃/10mmHgの条
件で減圧留去した。ここで得られた樹脂を、トルエン1
400gに溶解し、廃水が中性になるまで60〜70℃
において湯洗を行った後、トルエンを最高150℃/5
mmHgの条件で留去して水酸基が完全にアセチル化さ
れた樹脂を609g得た。この樹脂の溶融粘度(ICI
コーン型溶融粘度型による。以下同じ)は、100℃で
3.4ポイズ、125℃で1.0ポイズ、150℃で
0.5ポイズであり、水酸基当量は3000g/eq以
上(検出できず)であった。
【0055】硬化剤合成例2 硬化剤合成例1と同様の反応装置に、フェノールアラル
キル樹脂〔商品名:ミレックスXLC−4L、平均分子
量(Mw)1385(ポリスチレン換算)、水酸基当量
169g/eq:三井化学(株)製〕507g(3mo
l)を装入し、内温を125℃まで昇温した。内温を同
温度に保ち、攪拌を行いながら無水酢酸275.6g
(2.7mol)を2時間で滴下した。その後、硬化剤
合成例1と同様にして、水酸基が90モル%アセチル化
された樹脂を601g得た。この樹脂の溶融粘度は12
5℃で1.1ポイズ、150℃で0.7ポイズであり、
水酸基当量は1728g/eqであった。
【0056】硬化剤合成3 硬化剤合成例1と同様の反応装置に、フェノールアラル
キル樹脂〔商品名:ミレックスXLC−4L、平均分子
量(Mw)1385(ポリスチレン換算)、水酸基当量
169g/eq:三井化学(株)製〕507g(3mo
l)を装入し、内温を125℃まで昇温した。内温を同
温度に保ち、攪拌を行いながら無水酢酸153.1g
(1.5mol)を2時間で滴下した。その後、硬化剤
合成例1と同様にして、水酸基が50モル%アセチル化
された樹脂を561g得た。この樹脂の溶融粘度は12
5℃で2.0ポイズ、150℃で1.1ポイズであり、
水酸基当量は359g/eqであった。
【0057】硬化剤合成例4 硬化剤合成例1と同様の反応装置に、フェノールアラル
キル樹脂〔商品名:ミレックスXLC−4L、水酸基当
量169g/eq:三井化学(株)製〕507g(3m
ol)を装入し、内温を125℃まで昇温した。内温を
同温度に保ち、攪拌を行いながら酢酸クロライド23.
6g(0.3mol)を1時間で滴下した。その後、1
25℃を保ちながら2時間反応を行った後、更に140
℃まで昇温した。反応系は副生した塩酸により赤く着色
したが、140〜150℃において2時間熟成したの
ち、160℃まで昇温し、水流アスピレーターにより軽
く減圧したところ、もとの微黄色透明に戻った。なお、
副生した塩酸は還流冷却器の先端から系外へ排気し、そ
のまま導入管を通じてアルカリトラップにより捕捉し
た。この樹脂を排出して、水酸基の10モル%がアセチ
ル化された樹脂を520g得た。この樹脂の溶融粘度は
125℃で2.0ポイズ、150℃で1.1ポイズであ
り、水酸基当量は192g/eqであった。
【0058】硬化剤合成例5 硬化剤合成例1と同様の反応装置において、フェノール
アラルキル樹脂をフェノールノボラック樹脂〔商品名:
BRG#558、平均分子量(Mw)750(ポリスチ
レン換算)、水酸基当量104g/eq:昭和高分子
(株)製〕312g(3mol)に代えた以外は、同様
にして水酸基が完全にアセチル化された樹脂を435g
得た。この樹脂の溶融粘度は100℃で3.4ポイズ、
125℃で1.0ポイズ、150℃で0.5ポイズであ
り、水酸基当量は3000g/eq以上(検出できず)
であった。
【0059】硬化剤合成例6 硬化剤合成例1と同様の反応装置に、フェノールノボラ
ック樹脂〔商品名:BRG#558、平均分子量(M
w)750(ポリスチレン換算)、水酸基当量104g
/eq:昭和高分子(株)製〕312g(3mol)、
トルエン500gを装入し、内温を40℃まで昇温し
た。内温を同温度に保ち、スラリー状態において攪拌を
行いながら、酢酸クロライド188.4g(2.4mo
l)を4時間で滴下した。その後、50〜55℃を保ち
ながら10時間反応を行った。副生する塩酸は窒素気流
下において速やかに系外に放出しアルカリトラップで中
和した。反応終了後、最高150℃/10mmHgの条
件で減圧留去し、トルエンを完全に留去した。ここで得
られた樹脂を、トルエン1400gに溶解し、60〜7
0℃において湯洗を行った後、トルエンを最高150℃
/5mmHgの条件で留去して、水酸基が80モル%ア
セチル化された樹脂を410g得た。この樹脂の溶融粘
度は125℃で1.2ポイズ、150℃で0.7ポイズ
であり、水酸基当量は1078g/eqであった。
【0060】硬化剤合成例7 硬化剤合成例1と同様の反応装置において、フェノール
アラルキル樹脂をフェノール−ジシクロペンタジエン樹
脂〔商品名:DPR#3000、平均分子量(Mw)8
10(ポリスチレン換算)、水酸基当量185g/e
q:三井化学(株)製〕555g(3mol)に代えた
以外は、同様にして水酸基が完全にアセチル化された樹
脂を679g得た。この樹脂の溶融粘度は125℃で
2.0ポイズ、150℃で1.1ポイズであり、水酸基
当量は3000g/eq以上(検出できず)であった。
【0061】硬化剤合成例8 硬化剤合成例1と同様の反応装置に、フェノール−ジシ
クロペンタジエン樹脂〔商品名:DPR#3000、平
均分子量(Mw)810(ポリスチレン換算)、水酸基
当量185g/eq:三井化学(株)製〕555g(3
mol)、トルエン1500gを装入し、内温を50℃
まで昇温した。内温を同温度に保ち、均一な溶液になっ
たのを確認した後、攪拌を行いながら酢酸クロライド1
17.8g(1.5mol)を12時間で滴下した。そ
の後、50〜55℃を保ちながら12時間反応を行っ
た。副生する塩酸は窒素気流下において速やかに系外に
放出しアルカリトラップで中和した。反応終了後、60
〜70℃において湯洗を行った後、トルエンを最高15
0℃/5mmHgの条件で留去して、水酸基が50モル
%アセチル化された樹脂を610g得た。この樹脂の溶
融粘度は125℃で1.2ポイズ、150℃で0.7ポ
イズであり、水酸基当量は391g/eqであった。
【0062】硬化剤合成例9 硬化剤合成例1におけるフェノールアラルキル樹脂を、
ナフトールアラルキル樹脂〔商品名:α−NX−3.
2、平均分子量(Mw)760(ポリスチレン換算)、
水酸基当量213g/eq:三井化学(株)製〕639
g(3mol)に代えた以外は、同様にして、水酸基が
完全にアセチル化された樹脂を760g得た。この樹脂
の溶融粘度は125℃で2.0ポイズ、150℃で1.
1ポイズであり、水酸基当量は3000g/eq以上
(検出できず)であった。
【0063】硬化剤合成例10 硬化剤合成8におけるフェノール−ジシクロペンタジエ
ン樹脂を、ナフトールアラルキル樹脂〔商品名:α−N
X−3.2、平均分子量(Mw)760(ポリスチレン
換算)、水酸基当量213g/eq:三井化学(株)
製〕639g(3mol)に代えた以外は、同様にして
水酸基が50モル%アセチル化された樹脂を695g得
た。この樹脂の溶融粘度は125℃で1.2ポイズ、1
50℃で0.7ポイズであり、水酸基当量は447g/
eqであった。
【0064】実施例1 エポキシ樹脂としてフェノール−ジシクロペンタジエン
樹脂型エポキシ樹脂〔商品名:エピクロンHP−720
0、大日本インキ化学工業(株)社製、エポキシ当量2
62g/eq〕、硬化剤として硬化剤合成例1の水酸基
が完全にベンゾイル化されたフェノールアラルキル樹脂
(エステル当量211g/eq=計算値)、それぞれ1
グラム当量づつを80℃において充分溶融混練し、均一
な樹脂混合物とした。この樹脂混合物に、式(1)のR
1 〜R6 が全てメチル基であるホスフィンオキシド化合
物(以下、PZOと略す)を0.0055モル加え50
℃で1分間混練して樹脂組成物とした。この樹脂組成物
を10gとり、2cm×5cm×0.7mmの型枠を用
い、150℃→185℃/5min、185℃/5mi
n、150kg/cm2 の条件下で硬化物を得た後、1
85℃/8Hr(窒素雰囲気)の条件でアフターキュア
ーをかけて、充分に硬化を進行させた樹脂板を成型し
た。この樹脂板を用い、簡便なクラックテストを行っ
た。その方法は、縦半分にはさみで切り、生じたクラッ
ク数を目視により数えた。その結果、クラックは生じな
かった。
【0065】さらに、残りの樹脂組成物200gに対
し、充填剤および他の添加剤を下記に示す割合で配合
し、ロールによる加熱混練を行って封止材用成形材料を
得た。 無機充填材:720部 {球状溶融シリカ(ハリミックS−CO、(株)マイク
ロン社製)50部と、不定形溶融シリカ(ヒューズレッ
クスRD−8、(株)龍森製)50重量部の混合物} シランカップリング剤:62重量部(SZ−6083、
東レダウコーニングシリコーン社製) カルナバワックス:45重量部 カーボンブラック:3重量部 酸化アンチモン:10重量部
【0066】この成形材料の一部を用い、150℃→1
85℃/5min、185℃/5min、150kg/
cm2 の条件下で硬化物を得た後、185℃/8Hr
(窒素雰囲気)の条件でアフターキュアーをかけて、十
分に硬化を進行させた。この硬化物を用いて各物性を測
定した。結果を表−1(表1〜5)に示した。また、同
じ成形材料を用いて、低圧トランスファー成形によりテ
スト用半導体装置を作製し、半田浴によるクラック発生
テストをおこなった。結果を表−1に示した。なお、表
中の記号は下記のことを表す。 E:エステル化率 PZO:ホスフィンオキシド TPP:トリフェニルホスフィン UDI:2−ウンデシルイミダゾール
【0067】実施例2〜10 実施例1における硬化剤を合成例2〜10により得られ
た樹脂に変え、エポキシ基/官能基(フェノール性水酸
基+エステル基)=1/1の当量比で同様にして、樹脂
組成物を得、その後全て同様のテストを行った。結果を
表−1にまとめて示した。
【0068】比較例1〜4 実施例1、5、7、9における硬化促進剤を、トリフェ
ニルホスフィン(TPP)0.015モルに代えた以外
は、同様にして樹脂組成物を得、それ以降のテストを行
おうとしたが、硬化物が得られなかった。また、ゲルタ
イムも150℃および200℃で20分間測定したが、
ゲル化の兆候が見られなかったため、テストを中止し
た。
【0069】比較例5〜8 実施例1、5、7、9における硬化促進剤を、2−ウン
デシルイミダゾール(UDI)0.015モルに代えた
以外は、同様にして樹脂組成物を得、それ以降のテスト
を行おうとしたが、硬化物が得られなかった。また、ゲ
ルタイムも150℃および200℃で20分間測定した
が、ゲル化の兆候が見られなかったため、テストを中止
した。
【0070】比較例9〜14 実施例2、3、4、6、8、10における水酸基の残る
エステル化合物とエポキシ樹脂との硬化において、硬化
促進剤をトリフェニルホスフィン(TPP)0.015
モルに代えた以外は、同様にして樹脂組成物を得、それ
以降のテストを行った。結果を表−1に示した。尚、実
施例2、3、6の樹脂を用いた比較例9、10、12で
は、硬化物が得られなかった。
【0071】比較例15〜18 実施例1における硬化剤をフェノールアラルキル樹脂
〔商品名:ミレックスXLC−4L、水酸基当量169
g/eq:三井化学(株)製〕、フェノールノボラック
〔商品名:BRG#558、水酸基当量104g/e
q、油化シェルエポキシ(株)製〕、フェノール−ジシ
クロペンタジエン樹脂〔商品名:DPR#5000、水
酸基当量180g/eq、三井化学(株)製〕、α−ナ
フトールアラルキル樹脂〔商品名:α−NX−3.2、
水酸基当量213g/eq、三井化学(株)製〕に代
え、硬化触媒をトリフェニルホスフィン0.015モル
に代えた以外は同様にして、樹脂板および封止材用成形
材料を得た。樹脂板の簡便なクラックテストでは、5c
mの間に5〜6個のクラックが生じていた。更に、実施
例1と同様の硬化物物性およびテスト用半導体装置のク
ラック発生テストをおこなった。結果を表−1に示し
た。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
【表5】
【0077】尚、各種物性等の試験方法は以下の通りで
ある。 ・Tg(ガラス転移温度):TMA針進入法(島津 T
MA−DRW DT−30により測定。 ・曲げ強度、弾性率:JIS K−6911による。 ・煮沸吸水率:100℃の沸騰水中で2時間煮沸後の重
量増加を測定。 ・V.P.Sテスト:試験用の半導体装置を85℃、8
5%の恒温恒湿槽に168時間放置した後、直ちに24
0℃のフロリナート液(住友スリーエム(株)社製、F
C−70)に投入し、パッケージ樹脂にクラックが発生
した半導体の数を数えた。試験値を分数で示し、分子は
クラックの発生した半導体の数、分母は被験体数であ
る。
【0078】以上、実施例等により詳細に説明してきた
が、本発明のホスフィンオキシド触媒を必須の硬化促進
剤として用い、エステル化合物を硬化剤としたエポキシ
樹脂組成物は、従来のエポキシ樹脂−フェノール樹脂硬
化物に比較して、極めて吸湿性に優れ、且つ可とう性に
優れており、耐クラック性において非常に有利な硬化物
を与えるものである。このため、特に半導体集積回路の
封止材用途において、耐クラック性に優れることが判
る。また、従来の硬化触媒であるトリフェニルホスフィ
ンを用いた場合、部分的に水酸基を残したエステル化合
物を用いても、比較例に示されているように、硬化物が
得られない。すなわち、エステル部分の硬化が十分では
なく、硬化に関与しない部分が存在するため、充分な硬
化成型物とならないことを示している。このことから、
本発明のエポキシ樹脂組成物が、封止材として高い物性
を示すためには、エステル化された硬化剤およびホスフ
ィンオキシド触媒が必須の要因であることが判る。
【0079】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、従来エ
ポキシ樹脂組成物が用いられてきた産業分野においても
同様に用いることが可能であり、特に半導体の封止材と
して用いることにより、従来のエポキシ樹脂−フェノー
ル樹脂硬化物に比べ、極めて耐クラック性に優れたパッ
ケージを与えることを可能にするものである。
フロントページの続き (72)発明者 田島 卓男 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 鈴木 孝太郎 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 昇 忠仁 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 高木 夘三治 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 Fターム(参考) 4J036 AE07 DD07 FA01 FA05 FB06 FB13 JA07 4M109 AA01 BA01 CA21 EA03 EB02 EB04 EB06 EB09 EB13 EC01 EC03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化促進剤として一般式(1)(化1)
    で表されるホスフィンオキシド化合物を必須の成分と
    し、(A)フェノール−ジシクロペンタジエン樹脂類か
    ら得られる一般式(2)(化2)で表されるエポキシ樹
    脂と、(B)硬化剤として、水酸基の10モル%〜10
    0モル%が脂肪族アシル基によりエステル化された2官
    能以上のエステル含有化合物またはエステル含有樹脂と
    を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 〜R6 は水素原子、炭素数1〜10の直
    鎖、分岐または環状のアルキル基、あるいは炭素数6〜
    10のアリール基またはアラルキル基を表し、全て同一
    でもそれぞれ異なっていてもよい。) 【化2】 (式中、R7 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
    数1〜10の直鎖、分岐または環状アルキル基、炭素数
    1〜10のアルコキシ基、あるいはフェニル基を表し、
    mは1〜3の整数を表し、繰り返し単位数nは0〜50
    の整数を表し、その平均は0〜15の範囲である。尚、
    繰り返し単位nの平均が0とはビスエポキシ体であるこ
    とを表す。)
  2. 【請求項2】 (B)エステル含有化合物またはエステ
    ル含有樹脂が、ノボラック型樹脂をエステル化した一般
    式(3)(化3)で表される樹脂、フェノールアラルキ
    ル樹脂をエステル化した、一般式(4)(化4)で表さ
    れる樹脂、フェノールージシクロペンタジエン樹脂をエ
    ステル化した、一般式(5)(化5)で表される樹脂お
    よびナフトールアラルキル樹脂をエステル化した、一般
    式(6)(化6)で表される樹脂のいずれかである、請
    求項1記載のエポキシ樹脂組成物。 【化3】 (式中、R8 は水素原子、メチル基またはエチル基を表
    し、Aは水素原子または脂肪族アシル基を表し、水素原
    子/脂肪族アシル基のモル比が90/10〜0/100
    の範囲であり、繰り返し単位数pは0〜100の整数を
    表し、その平均は0〜15の範囲である。尚、繰り返し
    単位pの平均が0とはビスフェノール誘導体であること
    を表す。) 【化4】 (式中、R9 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
    数1〜10の直鎖、分岐または環状アルキル基、炭素数
    1〜10のアルコキシ基、あるいはフェニル基を表し、
    Aは水素原子もしくは脂肪族アシル基を表し、水素原子
    /脂肪族アシル基のモル比が90/10〜0/100の
    範囲であり、mは1〜3の整数を表し、繰り返し単位数
    qは0〜100の整数を表し、その平均は0〜50の範
    囲である。尚、繰り返し単位qの平均が0とはビスフェ
    ノール誘導体であることを表す。) 【化5】 (式中、R9 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素
    数1〜10の直鎖、分岐または環状アルキル基、炭素数
    1〜10のアルコキシ基、あるいはフェニル基を表し、
    Aは水素原子もしくは脂肪族アシル基を表し、水素原子
    /脂肪族アシル基のモル比が90/10〜0/100の
    範囲であり、mは1〜3の整数を表し、繰り返し単位数
    nは0〜50の整数を表し、その平均は0〜15の範囲
    である。尚、繰り返し単位nの平均が0とはビスフェノ
    ール誘導体であることを表す。) 【化6】 (式中、Aは水素原子もしくは脂肪族アシル基を表し、
    水素原子/脂肪族アシル基のモル比が90/10〜0/
    100の範囲であり、繰り返し単位数nは0〜50の整
    数を表し、その平均は0〜15の範囲である。尚、繰り
    返し単位nの平均が0とはビスフェノール誘導体である
    ことを表す。)
  3. 【請求項3】 (A+B)100重量部に対し、(C)
    有機および/または無機充填剤を100重量部以上、1
    900重量部以下の範囲で含有する請求項1または2に
    記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキ
    シ樹脂組成物を熱硬化させて得られるエポキシ樹脂硬化
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキ
    シ樹脂組成物を用いて半導体集積回路を封止して得られ
    る半導体装置。
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